JP2013136584A - 癌におけるedgレセプター結合剤の使用 - Google Patents

癌におけるedgレセプター結合剤の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望により化学治療剤と組み合わせて、スフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターアゴニストを用いる、固形腫瘍、たとえば腫瘍侵襲の処置方法、および特に脱調節性血管形成の阻害または制御方法を提供すること。
【解決手段】 所望により化学治療剤と組み合わせた、スフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターアゴニストが、固形腫瘍、たとえば腫瘍侵襲の処置に有用であることを見いだした。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に癌の処置における、スフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)レセプターアゴニストの新規使用に関する。
S1Pレセプターアゴニストは、リンパ球ホーミング(LH)促進剤であり、これは、全身的な免疫抑制を惹起することなく、循環から二次リンパ組織への再分布、好ましくは可逆的な再分布に由来するリンパ球減少を引き起こす。ナイーブ細胞が隔離される;血液からのCD4およびCD8 T細胞およびB細胞を刺激すると、リンパ節(LN)およびパイエル板(PP)に移動し、その結果、たとえば移植器官への細胞の湿潤が阻害される。
S1Pレセプターアゴニストは、典型的には、スフィンゴシンアナログ、たとえば2−置換2−アミノ−プロパン−1,3−ジオールまたは2−アミノ−プロパノール誘導体、たとえば式X
Figure 2013136584
〔式中、
ZはH;C1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;フェニル;OHにより置換されたフェニル;ハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニル、およびOHにより置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されたC1−6アルキル;またはCH−R4z[式中、R4zはOH、アシルオキシもしくは式(a)
Figure 2013136584
(式中、Zは直接結合またはO、好ましくはOであり;R5zおよびR6zは、それぞれ独立してH、または所望により1、2もしくは3個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルである。)
で示される残基である。]であり;
1zは、OH、アシルオキシまたは式(a)の残基であり;そしてR2zおよびR3zは、それぞれ独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
で示される基を含んでなる化合物である。
式Xの基は、親水性または親油性であり得、そして得られる基(ZおよびR1zの少なくとも一方が式(a)の残基であるかまたはそれを含む)が、1またはそれ以上のスフィンゴシン−1−ホスフェートレセプターにてアゴニストとしてシグナルを送る限り、1またはそれ以上の脂肪族、脂環族、芳香族および/または複素環残基を含む部分に末端の基として結合した官能基である。
S1Pレセプターアゴニストは、1またはそれ以上のスフィンゴシン−1 ホスフェートレセプター、たとえばS1P1からS1P8にてアゴニストとしてシグナルを送る化合物である。S1Pレセプターに結合するアゴニストは、たとえば細胞内ヘテロ三量体Gタンパク質の、Gα−GTPおよびGβγ−GTPへの解離、ならびに/またはアゴニスト結合レセプターのリン酸化および下流へのシグナル伝達/キナーゼの活性化の増加をもたらし得る。S1Pレセプターアゴニストの結合親和性は、下記パラグラフIにて記載したように測定され得る。
適当なS1Pレセプターアゴニストの例は、たとえば:
− EP627406A1において開示された化合物、たとえば式I
Figure 2013136584
〔式中、Rは、直鎖−または分枝鎖(C12−22)炭素鎖[ここで、
− 当該炭素鎖は、鎖中に、二重結合、三重結合、O、S、NR(ここで、Rは、H、アルキル、アラルキル、アシルまたはアルコキシカルボニルである。)、およびカルボニルから選択される結合またはヘテロ原子を有していてもよく、そして/あるいは
− 当該炭素鎖は、置換基としてアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アシル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキルカルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを有してもよい。]であるか;あるいは
は、
− アルキルが直鎖−または分枝鎖(C6−20)炭素鎖であるフェニルアルキル;あるいは
− アルキルが直鎖−または分枝鎖(C1−30)炭素鎖であるフェニルアルキル[当該フェニルアルキルは、
− 所望によりハロゲンにより置換されていてもよい直鎖−または分枝鎖(C6−20)炭素鎖、
− 所望によりハロゲンにより置換されていてもよい直鎖−または分枝鎖(C6−20)アルコキシ鎖、
− 直鎖−または分枝鎖(C6−20)アルケニルオキシ、
− フェニルアルコキシ、ハロフェニルアルコキシ、フェニルアルコキシアルキル、フェノキシアルコキシまたはフェノキシアルキル、
− C6−20アルキルにより置換されたシクロアルキルアルキル、
− C6−20アルキルにより置換されたヘテロアリールアルキル、
− 複素環C6−20アルキル、または
− C2−20アルキルにより置換された複素環アルキル
により置換されている。]であり、
そして
前記アルキル部分は、
− 炭素鎖において、二重結合、三重結合、O、S、スルフィニル、スルホニル、またはNR(Rは、上で定義したとおりである。)から選択される結合またはヘテロ原子、ならびに
− 置換基としてアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アシル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキルカルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを有し得、そして
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
で示される化合物または医薬上許容されるその塩;
−EP 1002792A1において開示された化合物、たとえば式II
Figure 2013136584
〔式中、mは1〜9であり、そしてR’、R’、R’およびR’は、それぞれ独立してH、アルキルまたはアシルである。〕
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩;
−EP0778263 A1において開示された化合物、たとえば式III
Figure 2013136584
〔式中、WはH;C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニル;非置換またはOHにより置換されたフェニル;R’’O(CH;あるいはハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニル、およびOHにより置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されたC1−6アルキルであり;
XはHまたはp個の炭素原子を有する非置換もしくは置換直鎖アルキルであるか、または(p−1)個の炭素原子を有する非置換もしくは置換直鎖アルコキシ、たとえばC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、オキソ、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、非置換フェニル、ならびにC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換された直鎖アルコキシ;YはH、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルまたはハロゲンであり、Zは単結合またはq個の炭素原子を有する直鎖アルキレンであり、
pおよびqは、それぞれ独立して1〜20の整数であるが、6<p+q<23であるものとし、m’は1、2または3であり、nは2または3であり、
R’’、R’’、R’’およびR’’は、それぞれ独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩、
−WO 02/18395において開示された化合物、たとえば式IVaまたはIVb
Figure 2013136584
〔式中、XはO、S、NR1sまたは−(CHna−であり、この基は非置換または1〜4個のハロゲンにより置換されており;nは1または2であり、R1sはHまたは(C1−4)アルキルであり、当該アルキルは非置換またはハロゲンにより置換されており;R1aはH、OH、(C1−4)アルキルまたはO(C1−4)アルキルであり、前記アルキルは非置換または1〜3個のハロゲンにより置換されており;R1bはH、OHまたは(C1−4)アルキルであり、前記アルキルは非置換またはハロゲンにより置換されており;各R2aは、独立してHまたは(C1−4)アルキルから選択され、前記アルキルは非置換またはハロゲンにより置換されており;R3aはH、OH、ハロゲンまたはO(C1−4)アルキルであり、前記アルキルは非置換またはハロゲンにより置換されており;そしてR3bはH、OH、ハロゲン、(C1−4)アルキルであり、前記アルキルは非置換またはヒドロキシ、もしくはO(C1−4)アルキル[ここで、アルキルは非置換もしくはハロゲンにより置換されている。]により置換されており;Yaは−CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(=NOH)−、OまたはSであり、そしてR4aは(C4−14)アルキルまたは(C4−14)アルケニルである。〕
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩もしくは水和物、
− WO 02/076995において開示された化合物、たとえば式V
Figure 2013136584
〔式中、
は1、2または3であり;
はOまたは直接結合であり;
1cはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、C3−10シクロアルキル、フェニルもしくはヒドロキシ−フェニレンにより置換されていてもよいC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHにより置換されていてもよいフェニルであり;
2c
Figure 2013136584
{式中、R5cはHまたは所望により1、2もしくは3個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルであり、そしてR6cはHまたは所望によりハロゲンにより置換されていてもよいC1−4アルキルである。}
であり;
3cおよびR4cは、それぞれ独立してH、所望によりハロゲンにより置換されていてもよいC1−4アルキル、またはアシルであり、そして
は、鎖中に所望により酸素原子を有していてもよく、そして所望によりニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシもしくはカルボキシにより置換されていてもよいC13−20アルキル;または式(a)
Figure 2013136584
{式中、R7cはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、そしてR8cは置換C1−20アルカノイル、フェニルC1−14アルキル[ここで、C1−14アルキルは、ハロゲンもしくはOHにより置換されていてもよい。]、シクロアルキルC1−14アルコキシまたはフェニルC1−14アルコキシ[ここで、シクロアルキルまたはフェニル環は、所望によりハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシにより置換されていてもよい。]、フェニルC1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシC1−14アルコキシまたはフェノキシC1−14アルキルである。}
で示される残基であり、
は、また、R1cがC1−4アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルである場合には、R8cがC1−14アルコキシである式(a)の残基である。〕
で示される化合物、
あるいは式VI
Figure 2013136584
〔式中、
は2、3または4であり、
1xはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、シクロアルキル、フェニルもしくはヒドロキシ−フェニレンにより置換されていてもよいC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHにより置換されていてもよいフェニルであり;
2xはH、C1−4アルキルまたはアシルであり、
3xおよびR4xは、それぞれ独立してH、所望によりハロゲンにより置換されていてもよいC1−4アルキル、またはアシルであり、
5xはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、そして
6xはシクロアルキルにより置換されたC1−20アルカノイル;シクロアルキルアルキルC1−14アルコキシ[ここで、シクロアルキル環は、所望によりハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシにより置換されていてもよい。];フェニルC1−14アルコキシ[ここで、フェニル環は所望によりハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシにより置換されていてもよい。]であり、
6xは、また、R1xがOHにより置換されたC2−4アルキルである場合には、C4−14アルコキシであり、またはR1xがC1−4アルキルである場合には、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシである。
ただし、R5xがHであるか、またはR1xがメチルである場合、R6xはフェニル−ブチレンオキシでないものとする。〕
で示される化合物、または医薬上許容されるその塩;
−WO 02/06268AIにおいて開示された化合物、たとえば式VII
Figure 2013136584
〔式中、R1dおよびR2dは、それぞれ独立して、Hまたはアミノ−保護基であり;
3dは水素またはヒドロキシ−保護基であり;
4dは低級アルキルであり;
は1〜6の整数であり;
はエチレン、ビニレン、エチニレン、式−D−CH−(式中、Dはカルボニル、−CH(OH)−、O、SまたはNである。)を有する基、アリール、または以下で定義した基から選択される3までの置換基により置換されたアリールであり;
は単結合、C1−10アルキレン、群aおよびbから選択される3までの置換基により置換されたC1−10アルキレン、炭素鎖の中途または末端にOまたはSを有するC1−10アルキレン、あるいは群aおよびbから選択される3までの置換基により置換された炭素鎖の中途または末端にOまたはSを有するC1−10アルキレンであり;
5dは水素、シクロアルキル、アリール、ヘテロ環、群aおよびbから選択される3までの置換基により置換されたシクロアルキル、群aおよびbから選択される3までの置換基により置換されたアリール、あるいは群aおよびbから選択される3までの置換基により置換されたヘテロ環であり;そして
6dおよびR7dは、それぞれ独立してHまたは群aから選択される置換基であり;
<群a>は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲノ 低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、低級脂肪族アシル、アミノ、モノ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、低級脂肪族アシルアミノ、シアノまたはニトロであり;
<群b>は、シクロアルキル、アリール、ヘテロ環であり、これらはそれぞれ、所望により群aから選択される3までの置換基により置換されていてもよい。
ただし、R5dが水素である場合、Yは単結合または直鎖C1−10アルキレンであるものとする。〕
で示される化合物、または薬理学的に許容されるその塩もしくはエステル;
−JP−14316985(JP2002316985)において開示された化合物、たとえば式VIII:
Figure 2013136584
〔式中、R1e、R2e、R3e、R4e、R5e、R6e、R7e、n、XおよびYはJP−14316985において定義されたとおりである。〕
で示される化合物、または薬理学的に許容されるその塩もしくはエステル;
−WO 03/29184およびWO 03/29205において開示された化合物、たとえば式IX
Figure 2013136584
〔式中、XはOまたはSであり、そしてR1f、R2f、R3fおよびnはWO 03/29184およびO3/29205において開示されたとおりである。〕
で示される化合物、たとえば2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオールまたは2−アミノ−2−[4−(ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオール
である。
特許出願が引用されたそれぞれの場合において、化合物に関する発明主題は、出典明示により本願の一部とする。
アシルは、R−CO−〔式中、Rは、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−C1−4アルキルである。〕の残基であり得る。特記しない限り、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニルは直鎖または分枝鎖であり得る。
式Iの化合物において、Rとしての炭素鎖が置換されている場合、それは、好ましくは、ハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシにより置換されている。炭素鎖に、所望により置換されていてもよいフェニレンが割り込んでいる場合、当該炭素鎖は、好ましくは非置換である。フェニレン部分が置換されている場合、それは、好ましくはハロゲン、ニトロ、アミノ、メトキシ、ヒドロキシまたはカルボキシにより置換されている。
好適な式Iの化合物は、RがC13−20アルキル(これは、所望によりニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシにより置換されていてもよい。)である化合物であり、そして、さらに好ましくは、Rが、C6−14−アルキル鎖(これは、所望によりハロゲンにより置換されていてもよい。)により置換されたフェニルアルキルであり、そしてアルキル部分がC1−6アルキル(これは、所望によりヒドロキシにより置換されていてもよい。)である化合物である。さらに好ましくは、Rは、フェニルが直鎖または分枝鎖、好ましくは直鎖、C6−14アルキル鎖により置換されたフェニル−C1−6アルキルである。C6−14アルキル鎖は、オルト、メタまたはパラ位、好ましくはパラ位に存在し得る。
好ましくは、R〜RはそれぞれHである。
好適な式Iの化合物は、2−アミノ−2−テトラデシル−1,3−プロパンジオールである。特に好適な式IのS1Pレセプターアゴニストは、遊離の形態または医薬上許容される塩の形態のFTY720、すなわち2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(以下、「化合物A」という)、たとえば以下:
Figure 2013136584
に示すような塩酸塩である。
好適な式IIの化合物は、R’〜R’がそれぞれHであり、そしてmが4である化合物、すなわち遊離の形態または医薬上許容される塩の形態の2−アミノ−2−{2−[4−(1−オキソ−5−フェニルペンチル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール(以下、「化合物B」という)、たとえばその塩酸塩である。
好適な式IIIの化合物は、WがCHであり、R’’〜R’’がそれぞれHであり、Zがエチレンであり、Xがヘプチルオキシであり、そしてYがHである化合物、すなわち遊離の形態または医薬上許容される塩の形態の2−アミノ−4−(4−ヘプチルオキシフェニル)−2−メチル−ブタノール(以下、「化合物C」という)、たとえばその塩酸塩である。R−エナンチオマーが特に好適である。
好適な式IVaの化合物は、FTY720−ホスフェート(R2aがHであり、R3aがOHであり、XがOであり、R1aおよびR1bがOHである。)である。好適な式IVbの化合物は、「化合物C」−ホスフェート(R2aがHであり、R3bがOHであり、XがOであり、R1aおよびR1bがOHであり、YがOであり、そしてR4aがヘプチルである。)である。好適な式Vの化合物は、「化合物B」−ホスフェートである。
好適な式Vの化合物は、リン酸 モノ−[(R)−2−アミノ−2−メチル−4−(4−ペンチルオキシ−フェニル)−ブチル]エステルである。
好適な式VIIIの化合物は、(2R)−2−アミノ−4−[3−(4−シクロヘキシルオキシブチル)ベンゾ[b]チエン−6−イル]−2−メチルブタン−1−オールである。
式I〜IXの化合物が分子内に1またはそれ以上の不斉中心を有する場合、本発明は、さまざまな光学異性体、ならびにラセミ体、ジアステレオ異性体およびこれらの混合物を包含するものとして理解されるべきである。式IIIまたはIVbの化合物は、アミノ基を担持する炭素原子が不斉である場合、好ましくこの炭素原子においてRの立体配置である。
式I〜IXの化合物の医薬上許容される塩の例には、無機酸との塩、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩および硫酸塩、有機酸との塩、たとえば酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩が含まれ、または適当な場合には、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアルミニウムのような金属との塩、アミン、たとえばトリエチルアミンのような塩、および二塩基性アミノ酸、たとえばリジンとの塩が含まれる。本発明の方法の化合物および塩には、水和物および溶媒和物の形態が含まれる。
S1Pレセプターアゴニストは、観察された活性、たとえばリンパ球のホーミングに基づいて、たとえばEP 627406A1またはUSP 6,004,565において記載されたように、急性同種移植片拒絶の処置において、たとえば免疫抑制剤として有用であることが見いだされた。今回、S1Pレセプターアゴニストは、特に固形腫瘍、とりわけ進行性固形腫瘍の癌化学療法に有用な興味深い特性を有することが見いだされた。現在でも、とりわけ抗癌化合物での処置が疾患後退または安定化に関連しない場合において、固形腫瘍の癌処置の手段を広げる必要性が存在している。
本発明の特定の知見に関連して、
1.1 固形腫瘍の処置方法であって、それを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
1.2 固形腫瘍の増殖を阻害する方法であって、それを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
1.3 腫瘍後退、たとえば腫瘍重量減少を誘導する方法であって、それを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
1.4 固形腫瘍侵襲もしくはかかる腫瘍増殖に関係する症状の処置方法であって、それを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
1.5 腫瘍の転移性進展の予防方法、または微小転移の増殖の予防もしくは阻害方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
1.6 脱調節性血管形成、たとえばスフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)介在性血管形成の阻害または制御方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
1.7 血管新生プロセスにより仲介されるかまたは脱調節性血管形成に関係する疾患の予防または処置方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を投与することを含んでなる方法、
が提供される。
「固形腫瘍」は、リンパ腺癌以外の腫瘍および/または転移(位置はどこでもよい)、たとえば脳および他の中枢神経系腫瘍(たとえば髄膜、脳、脊髄、脳神経および他の中枢神経系の腫瘍、たとえばグリア芽腫または骨髄細胞腫);頭部および/または頚部癌;乳房腫瘍;循環器系の腫瘍(たとえば心臓、縦隔および胸膜、ならびに他の胸郭内器官、血管腫瘍および腫瘍関連性血管組織);排泄系の腫瘍(たとえば腎臓、腎盂、尿管、膀胱、他のおよび非特定の泌尿器);消化管の腫瘍(たとえば食道、胃、小腸、結腸、結腸直腸、直腸S状結腸移行部、直腸、肛門および肛門管)、肝臓および肝内胆管、胆嚢、胆管の他のおよび非特定の部分、膵臓、他のおよび消化のための器官に関係する腫瘍;口腔(口唇、舌、歯肉、口腔底、口蓋、および口の他の部分、耳下腺、および唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、鼻咽頭、梨状陥凹、下咽頭、ならびに口唇、口腔および咽頭の他の部位);生殖器官の腫瘍(たとえば陰門、膣、子宮頚、子宮体、子宮、卵巣、および女性生殖器に関連する他の部位、胎盤、陰茎、前立腺、精巣、ならびに男性生殖器に関連する他の部位);呼吸器の腫瘍(たとえば鼻腔および中耳、副洞、喉頭、気管、気管支および肺、たとえば小細胞肺癌または非小細胞肺癌);骨格系の腫瘍(たとえば骨および手足の関節軟骨、骨関節軟骨および他の部位);皮膚の腫瘍(たとえば皮膚の悪性黒色腫、非メラノーマ性皮膚癌、皮膚基底細胞のカルシノーマ、皮膚扁平上皮細胞のカルシノーマ、中皮腫、カポジ肉腫);ならびに末梢神経および自律神経系、結合組織および軟組織、後腹膜および腹膜、目および付属器、甲状腺、副腎および他の内分泌腺および関連構造、リンパ節の二次的かつ非特定の悪性腫瘍、呼吸器および消化器の二次的悪性腫瘍、ならびに他の部位の二次的悪性腫瘍を含む他の組織に関係する腫瘍を意味する。
本明細書における前記または後記の腫瘍、腫瘍疾患、カルシノーマまたは癌という場合、腫瘍および/または転移の位置が何であれ、元の器官もしくは組織におけるおよび/または他の任意の位置における転移も代替的または追加的に含意する。
1つの実施態様においてS1Pレセプターアゴニストが式Iの化合物、たとえば「化合物A」、または式IVaまたはIVbの化合物である場合、それは、乳房、前立腺、膀胱、腎臓または肺腫瘍以外の固形腫瘍のために、処置方法1.1、1.2、1.3または1.4において使用される。
一連のさらなる特定または代替的実施態様において、本発明は、また、
1.8 化学療法剤の活性の促進方法または化学療法剤に対する耐性の克服方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩の治療上有効量を前記化学療法剤と同時使用的または逐次的に投与することを含んでなる方法。
1.9 化学療法剤は、宿主細胞または腫瘍形成および/もしくは転移形成に関係するプロセスに対して指令するか、あるいは増殖、生存、分化または薬剤耐性の獲得のために腫瘍細胞により利用されるシグナル伝達経路のインヒビターである、1.8に記載の方法。
1.10 S1Pレセプターアゴニストが断続的に投与される、上に示した方法。
一連のさらなる特定または代替的実施態様において、本発明は、また、
2.1 好ましくはS1Pレセプターアゴニストが式Iの化合物、たとえば「化合物A」、あるいは式IVaまたはIVbの化合物である場合に乳房、前立腺、膀胱、腎臓または肺以外の固形腫瘍のために、前記1.1から1.4で定義したいずれかの方法において使用するための、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩、
2.2 前記1.5から1.10または後記7で定義したいずれかの方法において使用するための、S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩、
3.1 好ましくはS1Pレセプターアゴニストが式Iの化合物、たとえば「化合物A」、あるいは式IVaまたはIVbの化合物である場合に乳房、前立腺、膀胱、腎臓または肺以外の固形腫瘍のために、前記1.1から1.4で定義したいずれかの方法において使用するための医薬組成物の製造において使用するための、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩、
3.2 前記1.5から1.10または後記7で定義したいずれかの方法において使用するための医薬組成物の製造において使用するための、S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩、
4.1 好ましくはS1Pレセプターアゴニストが式Iの化合物、たとえば「化合物A」、あるいは式IVaまたはIVbの化合物である場合に乳房、前立腺、膀胱、腎臓または肺以外の固形腫瘍のために、1またはそれ以上の医薬上許容される希釈剤または担体とともに、式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩を含んでなる、前記1.1から1.4で定義したいずれかの方法において使用するための医薬組成物、
4.2 1またはそれ以上の医薬上許容される希釈剤または担体とともに、S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩を含んでなる、前記1.5から1.10または後記7で定義したいずれかの方法において使用するための医薬組成物、
5.1 a)S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩である第1の剤、およびb)化学療法剤、たとえば以下で定義したものである併用剤(co-agent)を含んでなる、医薬組合せ剤(pharmaceutical combination)、
5.2 相乗的治療効果を生み出すための、ある量のa)S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストまたは医薬上許容されるその塩である第1の剤、およびb)以下のセクションxi)で定義した化合物から選択される化学療法剤である併用剤を含む、医薬組合せ剤、
6. 治療上有効量のS1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩、ならびに化学療法剤、たとえば以下に示したものである第2の医薬物質の共投与(たとえば同時使用的または逐次的投与)を含んでなる前記の方法、
7. リンパ増殖性または骨髄増殖性障害の処置方法、たとえば腫瘍侵襲またはかかる腫瘍増殖に関連する症状の処置方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に、S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニスト、または医薬上許容されるその塩、および化学療法剤、たとえば以下に示したものである第2の医薬物質の共投与(たとえば同時使用的または逐次的投与)を含んでなる方法、
が提供される。
「リンパ腺癌(lymphatic cancer)」なる用語は、たとえば血液およびリンパ系の腫瘍(たとえばホジキン病、非ホジキン病性リンパ腫、バーキットリンパ腫、AIDS−関連リンパ腫、悪性免疫増殖疾患、多発性骨髄腫および悪性形質細胞新生物(malignant plasma cell neoplasm)、リンパ性白血病、急性または慢性骨髄性白血病、急性または慢性リンパ性白血病、単球性白血病、特定の細胞型の他の白血病、特定されていない細胞型の白血病、リンパ球の他の特定されていない悪性腫瘍、造血および関連組織、たとえばびまん性大細胞型リンパ腫、T細胞リンパ腫または皮膚T細胞リンパ腫)を意味する。骨髄癌(myeloid cancer)には、たとえば急性または慢性骨髄性白血病が含まれる。
「化学療法剤」なる用語は、とりわけ、S1Pレセプターアゴニスト以外の任意の化学療法剤を意味する。これには、
i.アロマターゼインヒビター、
ii.抗エストロゲン、抗アンドロゲン(とりわけ前立腺癌において)またはゴナドレリンアゴニスト、
iii.トポイソメラーゼIインヒビターまたはトポイソメラーゼIIインヒビター、
iv.微小管活性化剤、アルキル化剤、抗悪性腫瘍性代謝拮抗薬または白金化合物、
v.タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性またはタンパク質もしくは脂質ホスファターゼ活性を標的化/減少化する化合物、さらなる抗血管形成化合物あるいは細胞分化プロセスを誘導する化合物、
vi.ブラジキニン1レセプターまたはアンギオテンシンIIアンタゴニスト、
vii.シクロオキシゲナーゼインヒビター、ビスホスホネート、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、ヘパラナーゼインヒビター(ヘパラン硫酸の分解を防ぐ)、たとえばPI−88、生物学的応答修飾因子、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、たとえばインターフェロンγ、ユビキチン化インヒビター、抗アポトーシス経路をブロックするインヒビター、
viii.Ras発癌性アイソフォームのインヒビター、たとえばH−Ras、K−RasもしくはN−Ras、またはファルネシルトランスフェラーゼインヒビター、たとえばL−744,832もしくはDK8G557、
ix.テロメラーゼインヒビター、たとえばテロメスタチン、
x.プロテアーゼインヒビター、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、メチオニンアミノペプチダーゼインヒビター、たとえばベンガミドまたはその誘導体、またはプロテオソームインヒビター、たとえば、PS−341、および/または
xi.mTORインヒビター、
を含むが、これらに限定されるわけではない。
本明細書において使用される「アロマターゼインヒビター」なる用語は、エストロゲン産生、すなわち、基質アンドロステンジオンおよびテストステロンの、それぞれ、エストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。該用語は、ステロイド、とりわけアタメスタン(atamestane)、エキセメスタンおよびホルメスタン(formestane)ならびに、特に、非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ログレチミド(roglethimide)、ピリドグルテチミド(pyridoglutethimide)、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール(ketokonazole)、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含むが、これらに限定されるわけではない。エキセメスタンは、たとえばAROMASIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
ホルメスタンは、たとえばLENTARON(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。ファドロゾールは、たとえばAFEMA(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。アナストロゾールは、たとえばARIMIDEX(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。レトロゾールは、たとえばFEMARA(商標)またはFEMAR(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。アミノグルテチミドは、たとえばORIMETEN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。アロマターゼインヒビターである化学療法剤を含んでなる本発明の組合せ剤は、特に、ホルモンレセプター陽性腫瘍、たとえば乳房の腫瘍の処置に有用である。
本明細書において使用される「抗エストロゲン剤」なる用語は、エストロゲンレセプターのレベルでエストロゲンの効果に拮抗する化合物に関する。該用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよび塩酸ラロキシフェンを含むが、これらに限定されるわけではない。タモキシフェンは、たとえばNOLVADEX(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。塩酸ラロキシフェンは、たとえばEVISTA(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。フルベストラントは、US 4,659,516において開示されているように製剤化され得るか、またはそれは、たとえばFASLODEX(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。抗エストロゲン性の化学療法剤を含んでなる本発明の組合せ剤は、特に、エストロゲンレセプター陽性腫瘍、たとえば乳房の腫瘍の処置に有用である。
本明細書において使用される「抗アンドロゲン剤」なる用語は、アンドロゲンホルモンの生物学的効果を阻害することができるあらゆる物質に関し、そして、たとえばUS 4,636,505において開示されたように製剤化され得るビカルタミド(CASODEX(商標))を含むが、これに限定されるわけではない。
本明細書において使用される「ゴナドレリンアゴニスト」なる用語は、アバレリックス(abarelix)、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含むが、これらに限定されるわけではない。ゴセレリンはUS 4,100,274において開示されており、そして、たとえばZOLADEX(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。アバレリックスは、たとえばUS 5,843,901において開示されているように製剤化され得る。
本明細書において使用されるように「トポイソメラーゼIインヒビター」なる用語は、トポテカン(topotecan)、イリノテカン、9−ニトロカンプトテシン(nitrocamptothecin)および大分子カンプトテシンコンジュゲートPNU−166148(WO99/17804における化合物A1)を含むが、これらに限定されるわけではない。イリノテカンは、たとえばCAMPTOSAR(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。トポテカンは、たとえばHYCAMTIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
本明細書において使用される「トポイソメラーゼIIインヒビター」なる用語には、ドキソルビシン(リポソーム製剤、たとえばCAELYX(商標)を含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)のようなアンスラサイクリン類、アンスラキノン類のミトキサントロンおよびロソキサントロン(losoxantrone)、ならびにポドフィロトキシン類のエトポシドおよびテニポシドが含まれるが、これらに限定されるわけではない。エトポシドは、たとえばETOPOPHOS(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。テニポシドは、たとえばVM 26−BRISTOL(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。ドキソルビシンは、たとえばADRIBLASTIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。エピルビシンは、たとえばFARMORUBICIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。イダルビシンは、たとえばZAVEDOS(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。ミトキサントロンは、たとえばNOVANTRON(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
「微小管活性化剤」なる用語は、タキサン類、たとえばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド類、たとえばビンブラスチン、とりわけ硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、とりわけ硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン、ディスコデルモリド類およびエポチロン類ならびにそれらの誘導体、たとえばエポチロンBまたはその誘導体を含むが、これらに限定されない微小管安定化剤および微小管脱安定化剤に関する。パクリタキセルは、たとえばTAXOL(商標)として市販されている形態で投与され得る。ドセタキセルは、たとえばTAXOTERE(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。硫酸ビンブラスチンは、たとえばVINBLASTIN R.P.(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。硫酸ビンクリスチンは、たとえばFARMISTIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。ディスコデルモリドは、たとえばUS 5,010,099において開示されているように、入手することができる。
本明細書において使用される「アルキル化剤」なる用語は、ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはGliadel(商標))を含むが、これらに限定されるわけではない。シクロホスファミドは、たとえばCYCLOSTIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。イホスファミドは、たとえばHOLOXAN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
「抗腫瘍性代謝拮抗薬」なる用語は、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、シタラビン、フルダラビン、チオグアニン、メトトレキサートおよびエダトレキセート(edatrexate)を含むが、これらに限定されるわけではない。カペシタビンは、たとえばXELODA(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。ゲムシタビンは、たとえばGEMZAR(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
本明細書において使用される「白金化合物」なる用語は、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチン(oxaliplatin)を含むが、これらに限定されるわけではない。カルボプラチンは、たとえばCARBOPLAT(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。オキサリプラチンは、たとえばELOXATIN(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
本明細書において使用される「タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性を標的化/減少化する化合物、またはさらなる抗血管形成化合物」なる用語は、プロテインチロシンキナーゼならびに/もしくはセリンおよび/またはトレオニンキナーゼのインヒビター、あるいは脂質キナーゼインヒビター、たとえばレセプターチロシンキナーゼの上皮細胞成長因子ファミリー(ホモ−またはヘテロダイマーとしてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)、レセプターチロシンキナーゼの血管内皮成長因子ファミリー(VEGFR)、血小板由来成長因子−レセプター(PDGFR)、繊維芽細胞成長因子−レセプター(FGFR)、インスリン様成長因子レセプター1(IGF−1R)、Trkレセプターチロシンキナーゼファミリー、Axlレセプターチロシンキナーゼファミリー、Retレセプターチロシンキナーゼ、Kit/SCFRレセプターチロシンキナーゼ、c−Ablファミリーのメンバーおよびそれらの遺伝子の融合生成物(たとえば、BCR−Abl)、プロテインキナーゼC(PKC)のメンバーおよびセリン/トレオニンキナーゼのRafファミリー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKまたはPI(3)キナーゼファミリーのメンバー、またはPI(3)−キナーゼ−関連キナーゼファミリーのメンバー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバー、ならびにそれらの活性と別のメカニズムを有する抗血管形成化合物、たとえばプロテインまたは脂質キナーゼ阻害に無関係のものの活性を標的化、減少化または阻害する化合物、を含むがこれらに限定されるわけではない。
VEGFRの活性を標的化、減少化または阻害する化合物は、とりわけ、VEGFレセプターチロシンキナーゼを阻害するか、VEGFレセプターを阻害するか、またはVEGFに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、そして特に、WO 98/35958において総括的におよび具体的に開示された化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、たとえば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたは医薬上許容されるその塩、たとえばコハク酸塩、WO 00/27820において開示されたもの、たとえばN−アリール(チオ)アントラニル酸アミド誘導体、たとえば2−[(4−ピリジル)メチル]アミノ−N−[3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドまたは2−[(1−オキシド−4−ピリジル)メチル]アミノ−N−[3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド、またはWO 00/09495、WO 00/59509、WO 98/11223、WO 00/27819およびEP 0 769 947において開示されたもの;M. PrewettらによりCancer Research 59 (1999) 5209−5218において、F. YuanらによりProc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765−14770, Dec. 1996において、Z. ZhuらによりCancer Res. 58, 1998, 3209−3214において、およびJ. MordentiらによりToxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14−21, 1999において開示されたもの;WO 00/37502およびWO 94/10202において開示されたもの;Angiostatin(商標)(M. S. O’Reilly et al, Cell 79, 1994, 315−328により記載された);Endostatin(商標)(M. S. O’Reilly et al, Cell 88, 1997, 277−285により記載された);アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;または抗−VEGF抗体または抗−VEGFレセプター抗体、たとえばRhuMabである。
抗体なる用語は、インタクトのモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトの抗体から形成された多選択性抗体、およびそれらが所望の生物学的活性を示す限りにおいて抗体のフラグメントを意味する。
上皮成長因子レセプターファミリーの活性を標的化、減少化または阻害する化合物は、とりわけ、EGFレセプターチロシンキナーゼファミリーのメンバー、たとえばEGFレセプター、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害するかまたはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、そして特に、WO 97/02266、たとえば実施例39の化合物、またはEP 0 564 409、WO 99/03854、EP 0520722、EP 0 566 226、EP 0 787 722、EP 0 837 063、US 5,747,498、WO 98/10767、WO 97/30034、WO 97/49688、WO 97/38983、およびとりわけ、WO 96/30347(たとえば、CP 358774として知られる化合物)、WO 96/33980(たとえば、化合物ZD 1839)およびWO 95/03283(たとえば、化合物ZM105180)またはPCT/EP02/08780において総括的かつ具体的に記載された化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;たとえばトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、セツキシマブ(cetuximab)、イレッサ、OSI−774、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3である。
PDGFRの活性を標的化、減少化または阻害する化合物は、とりわけ、PDGFレセプターを阻害する化合物、たとえば、N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、たとえばイマチニブである。
c−AbIファミリーのメンバーおよびそれらの遺伝子融合産物の活性を標的化、減少化または阻害する化合物、たとえばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、たとえばイマチニブ;PD180970;AG957;またはNSC 680410。
プロテインキナーゼC、Raf、MEK、SRC、JAK、FAKおよびPDKファミリーのメンバー、またはPI(3)キナーゼまたはPI(3)キナーゼ−関連ファミリーのメンバー、および/またはサイクリン−依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的化、減少化または阻害する化合物は、とりわけ、EP 0 296 110に開示されたスタウロスポリン誘導体、たとえばミドスタウリンであり;さらなる化合物の例としては、たとえばUCN−01、サフィンゴール(safingol)、BAY 43−9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン(Perifosine);UO 126;イルモフォジン(Ilmofosine);RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;またはLY333531/LY379196が挙げられる。
さらなる抗血管形成化合物は、たとえばサリドマイド(THALOMID)およびTNP−470である。
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的化、減少化または阻害する化合物は、たとえば、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25のインヒビター、たとえばオカダ酸またはその誘導体である。
細胞分化プロセスを誘導する化合物は、たとえば、レチノイン酸、α−、γ−もしくはδ−トコフェロール、またはα−、γ−もしくはδ−トコトリエノールである。
本明細書において使用される「シクロオキシゲナーゼインヒビター」なる用語は、たとえばセレコキシブ(CelebrexR)、ロフェコキシブ(VioxxR)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、たとえば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸を含むが、これらに限定されるわけではない。
本明細書において使用される「ヒストンデアセチラーゼインヒビター」は、MS−27−275、SAHA、ピロキサミド(pyroxamide)、FR−901228またはバルプロ酸を含むが、これらに限定されるわけではない。
本明細書において使用される「ビスホスホネート」なる用語には、エトリドロン酸(etridonic acid)、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸(ibandronic acid)、リセドロン酸およびゾレドロン酸が含まれるが、これらに限定されるわけではない。「エトリドロン酸」は、たとえばDIDRONEL(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「クロドロン酸」は、たとえばBONEFOS(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「チルドロン酸」は、たとえばSKELID(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「パミドロン酸」は、たとえばAREDIA(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「アレンドロン酸」は、たとえばFOSAMAX(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「イバンドロン酸」は、たとえばBONDRANAT(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「リセドロン酸」は、たとえばACTONEL(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。「ゾレドロン酸」は、たとえばZOMETA(商標)の商標名にて市販されている形態で投与され得る。
本明細書において使用される「マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター」なる用語には、コラーゲンペプチド類似およびペプチド非類似インヒビター、テトラサイクリン誘導体、たとえばヒドロキサメートペプチド類似インヒビター バチマスタット(batimastat)およびその経口的に生物利用可能なアナログ、マリマスタット、プリノマスタット(prinomastat)、BMS−279251、BAY 12−9566、TAA211またはAAJ996が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書において使用される「mTORインヒビター」なる用語は、ラパマイシン(シクロリムス)またはその誘導体を含むが、これらに限定されるわけではない。ラパマイシンは、ストレプトマイシス・ハイグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)により生産される既知のマクロリド抗生物質である。適当なラパマイシン誘導体とは、たとえば式A
Figure 2013136584
〔式中、
1aaは、CHまたはC3−6アルキニルであり、
2aaは、Hまたは−CH−CH−OH、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−プロパノイルまたはテトラゾリルであり、そして
aaは、=O、(H,H)または(H,OH)であり、
ただし、Xaaが=Oであり、R1aaがCHである場合、R2aaはHではないものとする。〕
の化合物、またはR2aaが−CH−CH−OHであるとき、そのプロドラッグ、たとえばその生理学的に加水分解可能なエーテルを包含する。
式Aの化合物は、たとえばWO 94/09010、WO 95/16691、WO 96/41807、USP 5,362,718またはWO 99/15530において開示されており、これらを、出典明示により本明細書の一部とする。それらは、開示されたとおりに、またはこれらの文献において記載された手順と同様に、製造され得る。
好適なラパマイシン誘導体は、32−デオキソラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、さらに好ましくは、40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンである。ラパマイシン誘導体のさらなる例としては、たとえばCCI779または40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシンまたは医薬上許容されるその塩、USP 5,362,718において開示されたもの、ABT578または40−(テトラゾリル)−ラパマイシン、特に40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン、たとえばWO 99/15530において開示されたもの、またはたとえばWO 98/02441およびWO 01/14387において開示されたもの、たとえばAP23573が含まれる。
特許出願または科学刊行物が引用されたそれぞれの場合において、その化合物に関連する主題発明を、引用により本願の一部とする。同様に、医薬上許容されるそれらの塩、対応するラセミ体、ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体ならびに、存在する場合には上の開示された化合物の対応する結晶変態(crystal modification)、たとえば、溶媒和物、水和物および多形(これらはそれらの中に開示されている。)も含まれる。本発明の組合せ剤において活性成分として使用される化合物は、それぞれ、引用文献において記載されたように製造および投与され得る。また、上に示した2を超える別々の活性成分の組合せも本発明の範囲内である。すなわち、本発明の範囲内の組合せ医薬は、3またはそれ以上の活性成分を含み得る。さらに、第1の剤および併用剤の両方が、同一の成分ということはない。
上で特定した固形腫瘍の処置におけるS1Pアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pアゴニストの有用性は、動物試験法ならびに臨床、たとえば後記の方法にしたがって証明され得る。
A. インビトロ
A.1 抗腫瘍活性
乳癌(mammary carcinoma)から最初に単離したマウス乳癌セルライン、たとえばJygMC(A)を使用する。細胞数を、手順の前に新鮮培地での培養のために5×10に調整した。細胞を、2.5mMチミジンを含有し、FCSを含まない新鮮培地で12時間インキュベートし、次いで、PBSで2回洗浄し、続いて10%FCS含有新鮮培地を添加し、そしてさらに12時間インキュベートする。その後、細胞を、2.5mMチミジンを含有し、FCSを含まない新鮮培地で12時間インキュベートする。ブロックから細胞を遊離させるために、細胞をPBSで2回洗浄し、そして10%FCS含有新鮮培地で培養する。同期化後、種々の濃度の式Iの化合物とともにまたはこれを入れずに3、6、9、12、18または24時間インキュベートする。0.2%EDTAでの処置後に細胞を回収し、氷冷70%エタノール溶液で固定し、250μg/mlのRNaseA(type 1-A: Sigma Chem. Co.)で37℃にて30分間加水分解し、そしてヨウ化プロピジウムで10mg/mlにて20分間染色する。インキュベーション期間後、細胞の数を、Coulterカウンター中の細胞を計数することおよびSRB比色アッセイの両方により測定する。これらの条件下で、S1Pアゴニスト、たとえば塩酸塩の形態の「化合物B」は、10−12〜10−6Mの範囲で腫瘍細胞の増殖を阻害する。
A.2 S1P−介在性HUVEC管形成アッセイ
管形成アッセイ(tube formation assay)のために、2〜8継代のHUVECを使用し、そして回収前に決して70%コンフルエントを超えないようにする。細胞を、Herpes Balanced Saline Solution(CloneticsからのHBSS)で洗浄することによりアッセイのために調製し、次いで、トリプシン/EDTA(0.25mg/ml、Cloneticsから)でトリプシン処理する。約90%の細胞がプレートから離昇した後、等容積のトリプシン中和液(Trypsin Neutralizing Solution, CloneticsからのTNS)を添加し、そして細胞を、少なくとも10mlのEBM−2(Clonetics)+0.1%BSA(Sigma)培地を含有する円錐管に集める。細胞を1000rpmにて5分間遠心分離し、そして上清を除去し、そして5mlの新鮮EBM−2+0.1%BSAで置き換える。細胞を、血球計を用いて計数し、そして細胞懸濁液の容積を調節して、500,000細胞/mlの濃度にする。円錐管を、試験化合物で100nMに、そして百日咳毒素(PTx)で10ng/mlにそれぞれ調節し、次いで1mlの細胞懸濁液をそれぞれの管に添加する。次いで、管を37℃、5%COにて30分間インキュベートする。
遊走アッセイを、24ウェルプレート中の個々のインサートの代わりにフィブロネクチン(8μmポアサイズ、Falcon #351147)で被覆したFluoro-Blok 24-Multiwell Insert Platesを用いて実施する。細胞および試験化合物を上記のように製造およびプレインキュベートし、次いで100μlを、インサートプレート(Insert Plate)中の個々の適当なウェルに添加する。300μlのEBM−2+2%活性炭剥離培地(S1P無し)を、刺激無し(−)と記載したウェルの底部に添加し、そして300μlのS1P含有培地(500nM)を刺激有り(+)と記載したウェルの底部に添加する。次いで、プレートを37℃、5%COにて4時間インキュベートする。
カルセイン(Calcein)AM、50μg/バイアル(Molecular Probes #C3100)を、最初に、バイアルに20μlのDMSOを添加することにより調製する。次いで、12.5mlのHBSS(プレートあたり)を37℃に加温し、そして150μlをバイアルに添加する。次いで、バイアルの内容物を残りのHBSSに戻し、最終濃度4μg/mlカルセインAMを製造する。
Fluoro−Blokプレートをインキュベーターから取り出し、そして最上部のインサートプレートを分離し、そして「軽く叩いて(flick)」、インサートにひっついた過剰の培地を除去する。次いで、インサートプレートを、4μg/mlのカルセインAM(500μl/ウェル)を含有する新たな24−ウェルプレートに移す。次いで、プレートを37℃、5%COにて1.5時間インキュベートする。
インキュベーション後、プレートを485nmの励起および530nmの発光にてCytofluor IIで読み取る。インサートにおけるFluoro−Blokコーティングは、底部に移動した細胞のみを計数することを可能にする。計算のためにデータをエクセル(Excel)に移し、シグマプロット(SigmaPlot)グラフを作製し、そしてシグマスタット(SigmaStat)を、有意検定(t−検定)のために使用する(図7)。
管形成を、3つの独立した領域における分岐点(2つの独立した管が接続)を4倍に拡大して計数することにより定量する。結果を以下に示す:
Figure 2013136584
これらの結果は、単独で血管形成のアゴニストとして作用するが、驚くべきことにS1P−介在性血管形成のアンタゴニストとしても作用するFTY720−ホスフェートまたは「化合物C」−ホスフェートの独特の能力を証明している。「化合物C」−ホスフェートは、好ましくはラセミ体またはR−エナンチオマーである。PTxはGiα(EDG−1)介在性活性を阻害するためのコントロールとして使用される。
B. インビボ
B.1 抗腫瘍活性
抗腫瘍活性は、T/C%(処置動物の腫瘍容積の平均増加を対照動物の腫瘍容積の平均増加で除し、100を乗じたもの)で表される。
癌細胞のアリコート(1×10)、たとえばヒトA375メラノーマ細胞を、BALB/c−nu/nuマウスに移植する。腫瘍の大きさが約10×10mmに達したとき、動物を無作為に4つのサブグループに振り分け、そして式Iの化合物での処置を開始する。2週間の処置後に動物を屠殺し、この時点で、腫瘍および組織を形態的および分子的解析のために回収および調製する。腫瘍のサイズをカリパスで測定する。このアッセイにおいて、S1Pアゴニスト、たとえば(塩酸塩の形態の)「化合物BまたはC」は、0.5〜5mg/kgの用量で投与された場合に、生理食塩水対照と比較して腫瘍増殖を遅延させる:たとえば、「化合物C」−HClは、2.5mg/kgの用量にて週に5回投与された場合に、30%の最終T/C値をもたらす。
B.2 VEGF−Rプロテインチロシンキナーゼインヒビターとの組合せ
ヒトMDA−MB−435乳房腫瘍を移植されたヌードマウスを、2週間にわたってVEGF−Rプロテインチロシンキナーゼインヒビター、たとえば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジン サクシネートで100mg/kg(経口)の用量にて週に5回処置するか、もしくはS1Pレセプターアゴニスト、たとえば「化合物C」(塩酸塩)で2.5mg/kg(静脈内)の用量にて週に5回処置するか、または両方を組み合わせて処置する。抗腫瘍を、上で示したようにT/C%で表す。「化合物C」−HClと1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジン サクシネートの組合せは、いずれかの剤の単独(「化合物C」−HCl、T/C 66%;1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジン サクシネート、T/C% 91)と比べてより大きい抗腫瘍効果をもたらす(T/C% 27)。
ヌードマウスにヒトA375メラノーマ細胞を移植し、そして上記組合せで同様に処置した場合、優れた抗腫瘍応答が得られる:個々の剤単独では、それぞれT/C% 35および44をもたらすのに対し、組合せ処置はT/C% 15をもたらす。
B.3 抗血管形成活性
0.5mlの0.8%w/v寒天(ヘパリン、20U/mlを含む)中に(i)スフィンゴシン−1−ホスフェート(5μM/チャンバー)または(ii)ヒトVEGF(1μg/チャンバー)を含有する多孔性チャンバーをマウスの脇腹の皮下に埋め込む。S1PまたはVEGFは、チャンバーの周りに血管新生化した組織(vascularized tissue)の増殖を誘導する。この応答は用量依存性であり、そして組織の重量および血液含有量を測定することにより定量され得る。マウスを、(i)経口的に「化合物A」(0.3、3、30もしくは50mg/kg)で、または(ii)経静脈的に「化合物C」のRエナンチオマー(2.5mg/kg)で、または(iii)経静脈的に「化合物C」のSエナンチオマー(2.5mg/kg)で、または(iv)経口的または経静脈的にビヒクル(5%グルコース、10ml/kg)で1日1回処置する。これを、チャンバーの埋め込みの4〜6時間前に開始し、そして4日間継続する。動物を、最後の投与の24時間後に血管新生化した組織の測定のために屠殺する。チャンバーの周りの血管新生化した組織の重量および血液含有量を測定する。「化合物A」でまたは「化合物C」のRもしくはSエナンチオマーで処置された動物は、ビヒクル単独で処置された動物と比べて、血管新生化した組織の重量および/または血液含有量の減少を示す。
C. 臨床試験
C.1 S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式I、IIまたはIIIの化合物、たとえば「化合物A、BまたはC」の臨床的利点の調査
標準的治療に抵抗性または難治性の、進行性、進行期の固形腫瘍を有する20名の患者に、用量漸増試験により決定した用量の当該化合物を投与する。患者の一般的臨床状態を、身体および臨床検査により毎週調べる。腫瘍および転移の負荷の変化を、放射線検査により2ヶ月毎に評価する。最初に、患者は2ヶ月間処置を受ける。その後、彼らの疾患が進行せず、かつ、薬物が十分に認容性である限り、彼らは処置にとどまる。
評価についての主要な変数:安全性(有害事象)、標準血清生化学および血液学、コンピュータートモグラフィー(CT)スキャンまたは磁気共鳴イメージング(MRI)による腫瘍の大きさ。
C.2 組合せ処置
適当な臨床試験は、たとえば進行性固形腫瘍を有する患者における、オープンラベル非無作為化、用量漸増試験である。かかる試験は、特に本発明の組合せ剤の活性成分の相乗作用を証明する。増殖性疾患に対する有利な効果は、これらの試験の結果を通して直接的に、または当業者に自体既知の試験デザインの変法により測定され得る。かかる試験は、特に、活性成分を用いる単剤療法の効果と本発明の剤の効果を比較するのに適している。好ましくは、最大許容用量に達するまで、剤(a)の用量を漸増し、そして併用剤(b)を固定用量で投与する。あるいは、剤(a)を固定用量で投与し、そして併用剤(b)の用量を漸増する。各患者は、毎日または断続的に、剤(a)を投与される。処置の効果は、かかる試験において、6週間毎の腫瘍の放射線評価により、たとえば12、18または24週間後に決定され得る。
あるいは、本明細書に記載した本発明の組合せ剤の利点を証明するために、プラセボ−コントロール、二重盲検試験が使用され得る。
S1Pレセプターアゴニストが単独で使用される場合に本発明の方法の実施に必要とされる1日用量は、たとえば、使用される化合物、宿主、投与様式および処置されるべき病状の重度に依存して変動する。好適な1日用量は、単回用量として、または分割用量で、約0.1〜100mgである。患者に適した1日用量は、たとえば0.1〜50mg(経口)のオーダーである。S1Pレセプターアゴニストは、任意の慣用的経路で、特に経腸的に、たとえば経口的に、たとえば錠剤、カプセル剤、内用液の形態で、経鼻的に、経肺的に(吸入により)または非経腸的に、たとえば注射可能な溶液または懸濁液の形態で投与され得る。経口投与に適した単位用量形態は、1種またはそれ以上の医薬上許容される希釈剤または担体とともに、約0.1〜30mg、通常0.25〜30mgのS1Pレセプターアゴニストを含んでなる。血管形成を阻害するために、十分に高用量のS1Pレセプターアゴニストを選択することが重要である。というのは、低濃度のS1Pレセプターアゴニストは血管形成を促進するからである。S1Pアゴニストが患者に投与される場合に抗血管形成作用を提供するのに適した用量は、上のA、B、およびCに記載した濃度−および用量−漸増試験により選択され得る。
本発明の組合せ剤は、また、外科的インターベンション、軽度の延長した全身性高熱および/または放射線治療と組み合せて適用され得る。
本発明の医薬組合せ剤の投与は、たとえば腫瘍形成の減速、阻止、または反転、転移性進展または増殖またはより長時間の腫瘍応答または血管形成の阻害に関して、有利な効果、たとえば相乗的治療効果をもたらし;また、本発明の組合せ剤において使用された医薬活性成分のうちの1つのみを適用する単剤療法と比べた場合、特に抗癌剤として知られる他の化学療法剤に難治性の腫瘍の処置において、他の有利な効果、たとえば、より少ない副作用、改善されたクオリティー・オブ・ライフまたは減少した死亡率および罹患率をもたらし得る。
さらに有利な点は、より少ない投与量の本発明の組合せ剤の活性成分が使用され得ることである。たとえば、有利な点は、しばしばより少ない量の投与量が必要されることのみならず、より少ない頻度で適用されること、または腫瘍形成の増殖を制御しながら、副作用の発生を抑えるために使用され得ることである。これは、処置される患者の要望および要求にしたがうものである。
本発明の1つの実施態様にしたがって、好適な医薬組合せ剤は、
a)式I、II、III、IVa、IVb、VまたはVIの化合物、たとえば「化合物A、BまたはC」、および
b)併用剤としての、上記パラグラフ(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vii)または(xi)で示した1またはそれ以上の化合物、たとえばカルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビンまたはドキソルビシン、レセプターチロシンキナーゼの血管内皮成長因子ファミリー(VEGFR)または血小板由来成長因子レセプター(PDGFR)の活性を標的化、減少化または阻害する化合物、ビスホスホネートまたはmTORインヒビター
を含んでなる。
本発明のさらなる実施態様は、リンパ腺癌または骨髄性癌、たとえば上で開示したものの処置において化学療法剤(b)と組み合わせたS1Pレセプターアゴニスト(a)の使用に関する。組合せ剤は、さらなる併用剤(b)として、たとえばブスルファン、シタラビン、6−チオグアニン、フルダラビン、ヒドロキシウレア、プロカルバジン、ブレオマイシンまたはメトトレキサートを含み得る。トポイソメラーゼIIインヒビター、ダウノルビシンまたは、特に、PDGFRまたはc−AbIファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合産物の活性を標的化、減少化または阻害する化合物、たとえばイマチニブが、たとえばリンパ腺癌の処置において使用するために、併用剤(b)として好適である。
本明細書において使用される「共投与(co-administration)」または「組合せ投与(combined administration)」などの用語は、単一の患者に、選択された複数の治療剤の投与を包含することを意味し、そして、該治療剤が必ずしも同じ投与経路により、または同時に投与されるわけではない処置レジメン(treatment regimen)を含むことを意図する。
本発明の組合せ剤を含んでなる増殖性悪性疾患に対して共同で治療上有効な量を含む医薬組成物を提供することが本発明の目的の1つである。本組成物において、第1の剤(a)および併用剤(b)は、1つの組合せ単位用量形態もしくは2つの個別的単位用量形態で一緒に投与するか、一方の後に他方を投与するか、または個別的に投与することが可能である。単位投与形態は、また、固定された組合せ剤であってもよい。
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法で製造され、そしてヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経腸、たとえば経口または経直腸、および非経腸投与に適したものである。これは、治療上有効量の少なくとも1種の薬理活性組合せパートナーを、単独で、たとえば上で示したように、あるいは1種またはそれ以上の医薬上許容される担体または希釈剤、とりわけ経腸または非経腸投与に適したものと組み合わせて含んでなる。
適当な医薬組成物は、たとえば、約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%の活性成分(複数も可)を含有する。経腸または非経腸投与用組合せ治療のための医薬調製物は、たとえば単位用量形態のもの、たとえば糖衣錠、錠剤、カプセル剤または坐剤、およびさらにアンプル剤である。特記しない限り、これらは自体公知の方法、たとえば慣用的混合、造粒、シュガーコーティング、溶解または凍結乾燥プロセスにより製造される。各投与のそれぞれの用量に含まれる組合せパートナーの単位含有量は、それ自体で有効な用量を形成する必要はないことが分かる。というのは、必要な有効量は、複数の投与単位により達成され得るからである。
特に、治療上有効量の本発明の組合せ剤の個々の組合せパートナーは、同時的または逐次的におよび任意の順序で投与され得、そしてその構成成分は、個別的または固定された組合せ剤として投与され得る。たとえば、本発明にしたがう増殖性悪性疾患の進行遅延または処置方法は、同時的または任意の順序で逐次的に、共同で治療上有効になる量で、好ましくは相乗的有効量で、たとえば本明細書に記載の量に対応する投与量で毎日または断続的に、(i)遊離または医薬上許容される塩の形態の第1の剤(a)を投与すること、および(ii)遊離または医薬上許容される塩の形態の併用剤(b)を投与することを含み得る。
本発明の組合せ剤の個々の組合せパートナーは、治療過程の間の異なる時点で別々に、または分割もしくは単一の組合せ形態で同時一体的に、投与され得る。さらに、「投与」なる用語は、また、インビボでそれ自体組合せパートナーに変換される組合せパートナーのプロドラッグの使用を包含する。本発明は、したがって、このような同時的または交互的処置のすべてレジメンを包含するものとして理解されるべきであり、そして「投与」なる用語は、そのように解釈されるべきである。
本発明の組合せ剤において使用される個々の組合せパートナーの有効用量は、使用される特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置される病状、処置される病状の重度に依存して変動し得る。したがって、本発明の組合せ剤の投与レジメンは、投与経路ならびに患者の腎および肝機能を含むさまざまな要因にしたがって選択される。通常の知識を有する医師、臨床医または獣医師は、該病状の進行を予防、抑制、または阻止するのに必要とされる単一の活性成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なしに効力を生ずる範囲内の活性成分の濃度を達成する最適値を正確に求めるには、標的部位に対する活性成分の利用能の動力学に基づくレジメンが必要とされる。
第1の剤または構成成分(a)の1日用量は、もちろん、さまざまな要因、たとえば選択される化合物、処置されるべき特定の疾患および所望の効果に依存して変動する。しかしながら、一般に、満足な結果が、単回投与または分割投与として、約0.1〜100mgのオーダーの1日用量の割合での、S1Pレセプターアゴニスト、たとえば「化合物A、BまたはC」の投与により達成される。S1Pレセプターアゴニストは、任意の慣用的経路、特に経腸的に、たとえば経口的に、たとえば錠剤、カプセル剤、内用液の形態で、または非経腸的に、たとえば注射可能な溶液または懸濁液の形態で、投与され得る。経口投与に適した単位投与形態は、1種またはそれ以上の医薬上許容される希釈剤またはその担体とともに、約0.1〜30mgの構成成分(a)、たとえば0.1〜25mgを含んでなる。
ファドロゾールは、約0.5〜約10mg/日、好ましくは約1〜約2.5mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに経口的に投与され得る。エキセメスタンは、ヒトに、約5〜約200mg/日、好ましくは約10〜約25mg/日の間を変動して経口的に、または約50〜500mg/日、好ましくは約100〜約250mg/日の間を変動して非経腸的に、投与され得る。該薬物が別々の医薬組成物で投与される場合には、GB 2,177,700において開示された形態で投与され得る。ホルメスタンは、約100〜500mg/日、好ましくは約250〜約300mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに非経腸的に投与され得る。
アナストロゾールは、約0.25〜20mg/日、好ましくは約0.5〜約2.5mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに経口的に投与され得る。アミノグルテミドは、約200〜500mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
クエン酸タモキシフェンは、約10〜40mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
ビンブラスチンは、約1.5〜10mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。硫酸ビンクリスチンは、約0.025〜0.05mg/kg(体重)*週の間を変動する用量範囲でヒトに非経腸的に投与され得る。ビノレルビンは、約10〜50mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
リン酸エトポシドは、約25〜115mg/m日の間を変動する用量範囲で、たとえば56.8または113.6mg/m日でヒトに投与され得る。
テニポシドは、ほぼ隔週で約75〜150mgの間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。ドキソルビシンは、約10〜100mg/m日の間を変動する用量範囲で、たとえば25または50mg/m日でヒトに投与され得る。エピルビシンは、約10〜200mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
イダルビシンは、約0.5〜50mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。ミトキサントロンは、約2.5〜25mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
パクリタキセルは、約50〜300mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。ドセタキセルは、約25〜100mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
シクロホスファミドは、約50〜1500mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。メルファランは、約0.5〜10mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
5−フルオロウラシルは、約50〜1000mg/m日の間を変動する用量範囲で、たとえば500mg/m日でヒトに投与され得る。カペシタビンは、約10〜1000mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。塩酸ゲムシタビンは、約1000mg/m/週から変動する用量範囲でヒトに投与され得る。メソトレキセートは、約5〜500mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
トポテカンは、約1〜5mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。イリノテカンは、約50〜350mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
カルボプラチンは、おおよそ4週ごとに、約200〜400mg/mの間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。シスプラチンは、おおよそ3週ごとに、約25〜75mg/mの間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。オキサリプラチンは、隔週で、約50〜85mg/mの間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
イマチニブは、約2.5〜850mg/日、さらに好ましくは5〜600mg/日および最も好ましくは20〜300mg/日の範囲の投与量でヒトに投与され得る。
アレンドロン酸は、約5〜10mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。クロドロン酸は、たとえば、約750〜1500mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。エトリドロン酸は、約200〜400mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。イバンドロン酸は、3〜4週ごとに、約1〜4mgの間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
リセドロン酸は、約20〜30mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。パミドロン酸は、3〜4週ごとに、約15〜90mgの間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。チルドロン酸は、約200〜400mg/日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
トラスツズマブは、約1〜4mg/m/週の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
ビカルタミドは、約25〜50mg/m日の間を変動する用量範囲でヒトに投与され得る。
1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその塩、たとえばコハク酸塩は、約50〜1500、さらに好ましくは約100〜750、および最も好ましくは250〜500mg/日の範囲でヒトに投与され得る。
ラパマイシンまたはその誘導体、たとえば40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンは、約0.1〜25mgの用量範囲で投与され得る。
製剤実施例:ソフトカプセル剤
Figure 2013136584
S1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pレセプターアゴニストは、本発明にしたがう使用に必要とされる用量で十分に認容性である。たとえば、「化合物A」の急性LD50は、ラットおよびサルにおいて>10mg/kg(経口)である。
さらなる態様において、本発明は、プロ血管形成薬(pro-angiogenic drug)としてのS1Pアゴニストの使用に関する。血管新生の誘導は、近年、数多くの病状(たとえば心筋血管形成、創傷治癒または糖尿病性血管機能不全/脈管障害)における優れた標的として認識されている。
上記のように、高濃度のS1Pレセプターアゴニスト(2μMまたはそれ以上、たとえば2〜5μMまたは約5μM)は抗血管形成作用を示し、そしてS1PレセプターアゴニストはVEGF−誘導性血管形成を阻害し得る。対照的に、低濃度(0.1〜1μM、たとえば0.1〜0.5μMまたは0.5〜1μM)のS1Pアゴニストは、血管形成を促進する効果を有し、そしてVEGF−介在性血管形成を増強することができる。したがって、S1Pアゴニストは血管形成において二相性効果を有し得る。
したがって、本発明はさらに以下のものを提供する:
8. たとえば血管形成の促進が示される適応症において、たとえばプロ血管形成剤として、血管新生プロセスの誘導における、S1Pアゴニスト、たとえば式Xの基を含むS1Pアゴニスト、たとえば「化合物A」または「化合物A」−ホスフェートの使用;
9. 血管新生プロセスの阻害により仲介される、たとえば血管形成の促進が示される適応症における、たとえば創傷治癒における、または心筋梗塞もしくは糖尿病性血管機能不全/脈管障害の処置における抗血管形成因子により仲介される疾患の処置または予防のための医薬の製造方法であって、活性成分としてS1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xを含むS1Pアゴニスト、たとえば「化合物A」または「化合物A」−ホスフェートを用いることを含んでなる方法;
10. 血管新生プロセスの阻害により仲介される、たとえば血管形成の促進が示される適応症における、たとえば創傷治癒における、または心筋梗塞もしくは糖尿病性血管機能不全/脈管障害の処置における抗血管形成因子により仲介される疾患の処置または予防方法であって、かかる処置を必要とする対象に、活性成分として有効量のS1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xを含むS1Pアゴニスト、たとえば「化合物A」または「化合物A」−ホスフェートを投与することを含んでなる方法。
血管形成を促進するのに適したS1Pアゴニストとしては、癌の処置に関して上で定義したもの、たとえば式Xを含むS1Pアゴニストもしくは式I〜IXの化合物、または医薬上許容されるその塩もしくはエステルが挙げられる。好ましくは、S1Pアゴニストは「化合物A」−ホスフェートである。S1Pアゴニストは、単独で、または血管形成、たとえばVEGFを促進する1もしくはそれ以上のさらなる剤と組み合わせて使用され得る。
血管形成を促進するためには、十分に低い用量のS1Pレセプターアゴニストを選択することが重要である。というのは、高濃度のS1Pレセプターアゴニストは血管形成を阻害するからである。S1Pアゴニストが患者に投与される場合にプロ血管形成作用を提供するのに適した用量は、上のA、B、およびCで記載したような濃度−および用量−漸増試験により選択され得る。
図面の説明
図1は、「化合物A」−ホスフェートが0.5μM付近に最大活性を示す釣り鐘型用量依存性様式でキャピラリー様ネットワーク形成を強力に促進することを示す。
図2は、「化合物A」−ホスフェートおよび「化合物A」の両方が、0.5〜1μMにて、VEGF−介在性リモデリングを減弱させるのではなく、むしろポリペプチド性成長因子と協働することを示す。
図3は、「化合物A」−ホスフェートならびにS1P−刺激性管形成が百日咳毒素(PTX、50ng/ml)、すなわちαi/o−型のヘテロ三量体Gタンパク質のインヒビターにより事実上完全に阻害されることを示す。このことは、「化合物A」−ホスフェート−刺激性生体応答におけるEDG−1(S1P)レセプター−介在性シグナル伝達事象が関与している可能性として解釈され得る。
図4は、スフィンゴシンが、1μM(これ自体は、S1Pよりも弱いようである。)にて、VEGF−誘導性管形成に対する阻害性作用を有することなく、キャピラリー様構造を誘導するS1Pおよび「化合物A」−ホスフェートの両方の能力を減弱させることを示す。この点において、スフィンゴシンは「化合物A」と異なる挙動をする。このデータは、スフィンゴシンとS1Pの間のバランスは、ほとんどEDGレセプターファミリーを介して、内皮細胞活性化/血管形成のために極めて重要に見えることを示す。重要なことに、高濃度のスフィンゴシンおよび「化合物A」(2〜5μM)はVEGF−誘発性管形成を阻害する。
図5は、0.5μMの「化合物A」−ホスフェートでのHUVECの処置が10分でのリン酸化/活性化のピークを有するERK1/2の一過性活性化をもたらし、そして20分までにベースラインに戻り得ることを示す。
図6は、「化合物A」、「化合物A」−ホスフェート、スフィンゴシンまたはS1PがHUVECの組織因子を誘導するか否かを試験したものである。得られたデータは、これらの化合物が、単独または組合せで、図6に示すように組織因子活性を上昇させないことを示す。「化合物A」および「化合物A」−ホスフェートは、VEGF−誘導性組織因子をわずかに促進するが、TNF−α−誘導性組織因子を誘導しない。
図7は、S1P−介在性HUVEC管形成アッセイにおける「化合物C」の効果を示す。
以下の略語が使用される:
Figure 2013136584
血管形成の促進におけるS1Pレセプターアゴニスト、たとえば式Xを含むS1Pアゴニストの有用性は、たとえば本明細書において後記した方法にしたがって証明され得る。
D. 細胞培養および材料
ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を、20%SCS(HyClone, Logan, UT)、1U/mlヘパリン、50μg/ml ECGS、2mMグルタミン、100U/mlペニシリンおよび0.1mg/mlストレプトマイシンを補った培地M199中37℃および5%COにて培養する。細胞を継代数5まで実験のために使用する。短期飢餓(short-starved)HUVECは、1%SCS含有M199で5時間飢餓状態にすることにより得られる。組換えヒトVEGF165を、PromoCell(Heidelberg, Germany)から入手する。リン酸特異的(phospho-specific)ERK1/2、p38キナーゼポリクローナル抗体、非リン酸特異的ERK1/2抗体およびLumiGLOケミルミネッセンス試薬(chemiluminescent reagent)は、New England BioLabs(Beverly, MA)から、ポリクローナルIκB抗体は、Santa Cruz Biotechnology(Santa Cruz, Calif.)からのものである。ペルオキシダーゼ結合ロバ−抗ウサギイムノグロブリンG(IgG)およびヒツジ抗−マウスIgGをAmersham LIFE SCIENCE(Amersham Place, England)から購入する。イモビロン−PトランスファーメンブレンはMillipore(Bedford, MA)の製品である。SはSigma Chemical Co.からのものであり;S1PはBiomolからのものである。「化合物A」−ホスフェートストック溶液を以下のプロトコルにより調製する。「化合物A」−ホスフェートを、痕跡量の濃HClが入ったメタノールに溶かす(500μlのメタノールおよび2μlのHCl中0.5mgの「化合物A」−ホスフェート)。得られた溶液から溶媒を真空下で蒸発させ、そして得られた残渣を、滅菌脱塩水(500μl)中0.1%の脱脂BSA溶液に再び溶かす(バリアント1)か、または脱塩水中0.5% Triton X−100に再び溶かす(バリアント2)。得られるストック溶液(2.5mM)を超音波処理し、そして4℃にて貯蔵する。
凝固アッセイ
細胞を、6ウェルプレートで80〜90%密集度にて播種し、そして一夜増殖させる。細胞をプレートから掻き取り、そしてClauss, M., J. Biol. Chem. 271, 17629-17634 (1996), Mechtcheriakova, D., Blood 93, 3811-3823 (1999) に記載された方法にしたがって組織因子活性について分析する。簡単に言うと、VEGF(1.5nM)、TNF−α(100U/ml)、S(0.5〜2μM)、S1P(0.5〜2μM)、「化合物A」(0.5〜2μM)、および「化合物A」−ホスフェート(0.5〜2μM)で4時間誘導後、細胞を2回洗浄し、次いで細胞を1mlの凝固バッファー(12mM酢酸ナトリウム、7mMバルビツール酸ジエチルおよび130mM塩化ナトリウム;pH 7.4)中で掻き取る。50μlの再懸濁細胞を50μlのクエン酸血漿と混合し、そして凝固時間を、37℃50μlの20mM CaCl溶液でのカルシウム再沈着後に測定する。TF−相当物は、ウサギ脳トロンボプラスチンから得られる標準曲線を用いることにより測定される。
E. ウエスタンブロット解析
種々の処置後、細胞を冷PBSで2回洗浄し、100μlのLaemmliバッファーに溶解させ、掻き取り、そして95℃で5分間加熱する。全細胞溶解物をSDS−PAGEにより分離し、そしてイモビロン−Pメンブレンに移す。メンブレンを、0.1% Tween−20および3%スキムミルクを含有するPBSで30分間ブロックし、そしてブロック用バッファー中で希釈した一次抗体で室温にて1時間インキュベートする。得られたメンブレンを、0.1% Tween−20含有PBSで5分間3回洗浄し、そしてペルオキシダーゼ結合二次抗体とともに室温にて1時間インキュベートする。洗浄工程の後、メンブレンをECL試薬で1分間インキュベートし、そして必要なフィルムに曝す。別の抗体での再プローブ化のために、メンブレンをPBS中で2回洗浄し、剥離用バッファー(stripping buffer)(62.5mM Tris−HCL、pH 6.8、2% SDS、100mM 2−メルカプトエタノール)で55℃にて30分間剥離させ、そしてPBSで室温にて5分間3回洗浄する。メンブレンを、個々の免疫検出後にサランラップ(SaranWrap)中で4℃にて湿密封保存する。
マトリゲル(Matrigel)でのインビトロ血管形成アッセイ
成長因子低減化マトリゲルマトリックス(Growth Factor Reduced Matrigel Matrix)(BD Bioscience)上のキャピラリー様構造への内皮細胞の形態形成を、製造者の手順にしたがって行う。簡単に言うと、HUVECをトリプシン処理し、大豆トリプシンインヒビター(1mg/ml、Sigma)含有血清フリーM199培地中に再懸濁する。遠心分離後、細胞を0.5×10細胞/mlの密度で血清フリー培地中に再懸濁させ、そして細胞懸濁液を種々の刺激:1.5nMのVEGF、0.1〜2μMのS1P、0.5〜2μMのS、0.5〜2μMの「化合物A」、および0.1〜2μMの「化合物A」−ホスフェートの不存在下または存在下で50μlのマトリゲルで予め被覆した96ウェル細胞培養プレート(Costar, Corning Incorporated)に播種する。8時間後、マトリゲル上の細胞をPBS中3%ホルムアルデヒドで固定し、そして4℃にて維持する。結果を、デュプリケートにて各ウェルから、顕微鏡視野2箇所の分岐部位の直接計数により、冷却CCDカメラ(Kappa GmbH, Gleichen, Germany)を備えたニコン・ダイアフォト(Nikon Diaphot)顕微鏡で作成されたイメージから定量する。
F. マトリゲルでのインビトロ管形成アッセイにおける内皮細胞の「化合物A」−ホスフェート−誘導性形態形成およびG−介在性シグナル伝達経路(複数も可)が関与している可能性
内皮細胞の形態形成分化に対する「化合物A」および「化合物A」−ホスフェートの作用を、マトリゲル上でのインビトロ血管形成アッセイを用いて測定する。内皮細胞形態形成は、細胞−細胞外マトリックス相互作用、続いてマトリックスリモデリング、刺激された遊走、細胞−細胞相互作用、および血管周囲のタンパク質分解を必要とする複雑なプロセスである。図1に示すように、「化合物A」−ホスフェートは、0.5μM付近に最大活性を示す釣り鐘型用量依存性様式でキャピラリー様ネットワーク形成を強力に促進し得る。顕微鏡視野あたりの分岐点の数(これは、刺激の誘導能を反映する。)は、「化合物A」−ホスフェートおよびS1Pで匹敵し、そしてVEGF−誘発性作用を有意に上回り得る。0.5〜1μMの「化合物A」は、「化合物A」−ホスフェートと比較して、弱いが一貫した促進効果を有する。0.5〜1μMの「化合物A」−ホスフェートおよび「化合物A」は、ともに、VEGF−介在性リモデリングを減少化しないが、むしろポリペプチド性成長因子と協働する(たとえば図2参照)。さらに、「化合物A」−ホスフェート−ならびにS1P−刺激管形成は、百日咳毒素(PTX、50ng/ml)、αi/o−型のヘテロ三量体Gタンパク質のインヒビターにより完全に阻害される。このことは、「化合物A」−ホスフェート−刺激性生体応答においてEDG−1(S1P)レセプター−介在性シグナル伝達事象が関与している可能性として解釈され得る(たとえば図3参照)。1μMのS(これ自体は、S1Pより弱いようである。)は、VEGF−誘導性管形成に対する阻害性作用を有することなく、キャピラリー様構造を誘導するS1Pおよび「化合物A」−ホスフェートの両方の能力を減弱させる。(たとえば図4参照)。この点において、スフィンゴシンは「化合物A」と異なる挙動をする。このデータは、スフィンゴシンとS1Pの間のバランスは、ほとんどEDGレセプターファミリーを介して、内皮細胞活性化/血管形成のために極めて重要に見えることを示す。重要なことに、高濃度のスフィンゴシンおよび「化合物A」(2〜5μM)はVEGF−誘発性管形成を阻害する。このデータは、インビトロ血管形成に対する「化合物A」および「化合物A」−ホスフェートの二相性用量依存性作用を示唆している。
G. 「化合物A」−ホスフェートによるERK1/2 MAPキナーゼの活性化
MAPキナーゼを介するシグナル伝達は、種々の内皮細胞機能において重要な役割を果たす。0.5μMの「化合物A」−ホスフェートでのHUVECの処置は、10分にリン酸化/活性化のピークを有するERK1/2の一過性活性化、および20分までにベースラインへの復帰をもたらし得る(たとえば図5参照)。「化合物A」−ホスフェートによるp38キナーゼおよびJNK1/2の活性化はHUVECにおいて検出されない。さらに、「化合物A」−ホスフェートは、2μMでより強い活性を示す、用量依存性様式でERK1/2の活性化を引き起こし得る。これは、2μMの「化合物A」−ホスフェートが0.5μMより弱いこともある、管形成アッセイの結果と対照的である。「化合物A」およびSはいずれも、5分から60分処置の範囲の動力学における内皮細胞のMAPキナーゼ活性化を誘導することができない。内皮細胞の「化合物A」−ホスフェート−刺激生体応答における炎症性/NFκB−依存性プログラムの可能性のある役割を推定するために、膜を抗−IκB抗体で再プローブ化する。IκBレベルは、「化合物A」−ホスフェート処置により影響されない。さらに、「化合物A」−ホスフェートでの内皮細胞の処置は、NFκB−依存性二次応答性遺伝子としてE−セレクチン発現を誘導することができない。したがって、このデータは、内皮細胞の急性炎症応答における「化合物A」−ホスフェートシグナル伝達は、NFκB活性化−主要カスケードに関与しないことを強く示している。
H. 「化合物A」および「化合物A」−ホスフェートは、内皮細胞上の組織因子発現を誘導しない
内皮細胞に対する古典的炎症刺激TNF−αおよび主要血管形成成長因子VEGFの両方の重要な特性は、組織因子をアップレギュレートするそれらの能力である。「化合物A」、「化合物A」−ホスフェート、SまたはS1Pは、それらがHUVECの組織因子も誘導するか否かについて試験される。得られたデータは、これらの化合物が、単独または組合せで、組織因子活性を増大させないことを証明する(たとえば図6参照)。「化合物A」および「化合物A」−ホスフェートにより、VEGF−誘導性組織因子は僅かに上昇するが、TNF−α−誘導性組織因子は上昇しない。得られたデータは、ともに、「化合物A」、「化合物A」−ホスフェート、SおよびS1Pは、血管形成性VEGFおよび炎症性TNF−αに機構的に明確に機能することを示す。
I. 個々のヒトS1Pレセプターに対するS1Pレセプターアゴニストの結合親和性を以下のアッセイにおいて測定し得る:
HEK293細胞へのヒトS1Pレセプターの一過性トランスフェクション
EDGレセプターおよびGタンパク質をクローン化し、そしてEDGレセプター、Gi−α、Gi−βおよびGi−γのための等量の4種のcDNAを混合し、そしてリン酸カルシウム沈澱法(M. Wigler et al., Cell. 1977; 11; 223 および DS. Im et al., Mol. Pharmacol. 2000; 57; 753)を用いるHEK293細胞の単層をトランスフェクトするために使用する。簡単に言うと、25μgのDNAおよび0.25M CaClを含むDNA混合物を、HEPES−緩衝性2mM NaHPOに添加する。HEK293細胞のコンフルエントに達していない単層を25mMクロロキンで毒し、次いでDNA沈澱を細胞に加える。4時間後、単層をリン酸緩衝性生理食塩水で洗浄し、そして培地に栄養補給する(90% 1:1 ダルベッコ修正必須培地(DMEM):F−12+10%ウシ胎児血清)。氷上で10%スクロースを含有するHMEバッファー(mM表記:20 HEPES、5 MgCl、1 EDTA、pH 7.4)中で掻き取ることによるDNAの添加の48〜72時間後に細胞を回収し、そしてDounceホモジナイザーを用いて破壊する。800×gでの遠心分離後、上清をスクロース不含有HMEで希釈し、そして100,000×gにて1時間遠心分離する。得られたペレットを、再びホモジナイズし、そして100,000×gにてさらに1時間遠心分離する。この粗膜ペレットをスクロース含有HMEに再懸濁させ、アリコートに分け、そして液体窒素に浸して急速冷凍する。膜を70℃にて保存する。タンパク質の濃度を、Bradfordプロテインアッセイにより分光的に測定する。
S1Pレセプター/HEK293膜調製物を用いるGTPγS結合アッセイ
GTPγS結合実験を、DS. Im et al., Mol. Pharmacol. 2000; 57: 753により記載されたように行う。Gタンパク質に結合する、リガンド介在性GTPγSを、一過性にトランスフェクトされたHEK293細胞からの25μgの膜調製物を用いて、GTP結合バッファー(mM表記:50 HEPES、100 NaCl、10 MgCl、pH 7.5)中で測定する。リガンドを、10μM GDPおよび0.1nM [35S]GTPγS(1200Ci/mmol)の存在下で膜に添加し、そして30℃にて30分間インキュベートする。結合したGTPγSを、Brandelハーベスター(Gaithersburg, MD)を用いて結合していないものから分離し、そして液体シンチレーションカウンターで計数する。
図1は、「化合物A」−ホスフェートが0.5μM付近に最大活性を示す釣り鐘型用量依存性様式でキャピラリー様ネットワーク形成を強力に促進することを示す。 図2は、「化合物A」−ホスフェートおよび「化合物A」の両方が、0.5〜1μMにて、VEGF−介在性リモデリングを減弱させるのではなく、むしろポリペプチド性成長因子と協働することを示す。 図3は、「化合物A」−ホスフェートならびにS1P−刺激性管形成が百日咳毒素(PTX、50ng/ml)、すなわちαi/o−型のヘテロ三量体Gタンパク質のインヒビターにより事実上完全に阻害されることを示す。このことは、「化合物A」−ホスフェート−刺激性生体応答におけるEDG−1(S1P)レセプター−介在性シグナル伝達事象が関与している可能性として解釈され得る。 図4は、スフィンゴシンが、1μM(これ自体は、S1Pよりも弱いようである。)にて、VEGF−誘導性管形成に対する阻害性作用を有することなく、キャピラリー様構造を誘導するS1Pおよび「化合物A」−ホスフェートの両方の能力を減弱させることを示す。この点において、スフィンゴシンは「化合物A」と異なる挙動をする。このデータは、スフィンゴシンとS1Pの間のバランスは、ほとんどEDGレセプターファミリーを介して、内皮細胞活性化/血管形成のために極めて重要に見えることを示す。重要なことに、高濃度のスフィンゴシンおよび「化合物A」(2〜5μM)はVEGF−誘発性管形成を阻害する。 図5は、0.5μMの「化合物A」−ホスフェートでのHUVECの処置が10分でのリン酸化/活性化のピークを有するERK1/2の一過性活性化をもたらし、そして20分までにベースラインに戻り得ることを示す。 図6は、「化合物A」、「化合物A」−ホスフェート、スフィンゴシンまたはS1PがHUVECの組織因子を誘導するか否かを試験したものである。得られたデータは、これらの化合物が、単独または組合せで、図6に示すように組織因子活性を上昇させないことを示す。「化合物A」および「化合物A」−ホスフェートは、VEGF−誘導性組織因子をわずかに促進するが、TNF−α−誘導性組織因子を誘導しない。 図7は、S1P−介在性HUVEC管形成アッセイにおける「化合物C」の効果を示す。

Claims (13)

  1. 固形腫瘍の処置または固形腫瘍の増殖阻害方法であって、かかる処置を必要とする対象において、当該対象に治療上有効量のS1Pレセプターアゴニストを投与することを含む方法。ただし、S1PレセプターアゴニストがFTY720またはFTY720−ホスフェートである場合には、腫瘍は乳房、前立腺、膀胱、腎臓または肺腫瘍ではないものとする。
  2. 固形腫瘍侵襲もしくはかかる腫瘍増殖に関係する症状の処置方法、腫瘍の転移性進展の予防方法、または微小転移の増殖の予防もしくは阻害方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に治療上有効量のS1Pレセプターアゴニストを投与することを含んでなる方法。
  3. 脱調節性血管形成、たとえばスフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)介在性血管形成の阻害または制御方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に治療上有効量のS1Pレセプターアゴニストを投与することを含んでなる方法。
  4. 血管新生プロセスにより仲介されるかまたは脱調節性血管形成に関係する疾患の予防または処置方法であって、かかる処置を必要とする対象において、当該対象に治療上有効量のS1Pレセプターアゴニストを投与することを含んでなる方法。
  5. 化学療法剤の活性の促進方法または化学療法剤に対する耐性の克服方法であって、それらを必要としている対象において、当該対象に治療上有効量のS1Pレセプターアゴニストを当該化学療法剤と同時使用的または逐次的に投与することを含んでなる方法。
  6. S1Pレセプターアゴニストが断続的に投与される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 治療上有効量のS1Pレセプターアゴニストおよび化学療法剤である第2の医薬物質の同時使用的または逐次的共投与を含んでなる、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. リンパ増殖性または骨髄増殖性障害の処置方法であって、当該対象に、同時使用的または逐次的にS1Pレセプターアゴニスト、および化学療法剤である第2の医薬物質を共投与することを含んでなる方法。
  9. S1Pレセプターアゴニストが式X:
    Figure 2013136584
    〔式中、
    ZはH;C1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;フェニル;OHにより置換されたフェニル;ハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニル、およびOHにより置換されたフェニルからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されたC1−6アルキル;またはCH−R4z[式中、R4zはOH、アシルオキシもしくは式(a)
    Figure 2013136584
    (式中、Zは直接結合またはO、好ましくはOであり;R5zおよびR6zは、それぞれ独立してH、または所望により1、2もしくは3個のハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4アルキルである。)
    で示される残基である。]であり;
    1zは、OH、アシルオキシまたは式(a)の残基であり;そしてR2zおよびR3zは、それぞれ独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
    で示される基を含んでなる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. a)S1Pレセプターアゴニストである第1の剤およびb)化学療法剤である併用剤を含んでなる医薬組合せ剤。
  11. 併用剤が
    i.アロマターゼインヒビター、
    ii.抗エストロゲン、抗アンドロゲンまたはゴナドレリンアゴニスト、
    iii.トポイソメラーゼIインヒビターまたはトポイソメラーゼIIインヒビター、
    iv.微小管活性化剤、アルキル化剤、抗悪性腫瘍性代謝拮抗薬または白金化合物、
    v.タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性またはタンパク質もしくは脂質ホスファターゼ活性を標的化/減少化する化合物、さらなる抗血管形成化合物あるいは細胞分化プロセスを誘導する化合物、
    vi.ブラジキニン1レセプターまたはアンギオテンシンIIアンタゴニスト、
    vii.シクロオキシゲナーゼインヒビター、ビスホスホネート、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、ヘパラナーゼインヒビター、生物学的応答修飾因子、ユビキチン化インヒビター、抗アポトーシス経路をブロックするインヒビター、
    viii.Ras発癌性アイソフォームのインヒビター、
    ix.テロメラーゼインヒビター、
    x.プロテアーゼインヒビター、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、メチオニンアミノペプチダーゼインヒビター、またはプロテオソームインヒビター、および/または
    xi.mTORインヒビター
    から選択される、請求項10に記載の組合せ剤。
  12. 血管新生プロセスの阻害により仲介される疾患の処置または予防方法であって、有効量のS1Pレセプターアゴニストをかかる処置を必要としている対象に投与することを含んでなる方法。
  13. S1Pレセプターアゴニストが請求項9において定義した式Xの基を含む、請求項12に記載の方法。
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