JP2013138058A - 磁場中熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍機が停止してもすぐにクエンチが発生せず、クリーンルームを冷媒ガスで汚染する恐れのない磁場中熱処理装置を提供することである。
【解決手段】超電導コイル2を真空断熱容器5の貫通孔5aを囲むソレノイド型コイルとして、密閉した冷媒槽3内の液体ヘリウム4に浸漬し、冷媒槽3内で気化するヘリウムガスを再凝縮させる冷凍機6を鉛直下向きに配置して、その下端の2段冷却端6bを冷媒槽3内の上部のガス空間に設置することにより、冷凍機6が停止してもすぐにクエンチが発生しない冷媒型の超電導磁石を用いて、クリーンルームに設置しても冷媒ガスが漏洩せず、クリーンルームを汚染する恐れがないようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理部材に磁場を印加しながら熱処理する磁場中熱処理装置に関する。
MRAM(Magnetic Random Access Memory)や磁気抵抗効果型ヘッド等に用いられる半導体素子を製造する際には、被処理部材に平行磁場を印加しながら熱処理を行う磁場中熱処理装置が用いられている。この磁場中熱処理装置には、被処理部材を収納する筒状の炉容器の周囲に超電導磁石を配置して、炉容器内に平行磁場を形成するとともに、炉容器内の被処理部材を加熱するヒータ等の加熱手段を設けたものが用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。超電導磁石で磁場を形成する磁場中熱処理装置は、通常の電磁石を使用するものに較べて、消費電力が少なく、かつ、磁界強度の強い磁場を形成できる利点がある。
超電導磁石には、真空断熱容器内で、超電導コイルを冷凍機の冷却端で冷却する無冷媒型のものと、超電導コイルを液体ヘリウム等の液体冷媒に浸漬して冷却する冷媒型のものとがある。無冷媒型のものはヘリウムガス等の冷媒ガスは発生しないが、停電等によって冷凍機が停止すると、超電導コイルの温度が急激に上昇して超電導臨界温度を超え、超電導コイルに非常に高い電圧が印加されるクエンチが発生する恐れがある。一方、冷媒型のものは停電等で冷凍機が停止しても、液体冷媒が存在する間は超電導コイルの温度が低温に保持されるので、すぐにクエンチが発生する恐れはない。
上述した半導体素子の製造に用いられる磁場中熱処理装置は、クリーンルーム内に設置されることが多い。このため、特許文献1、2に記載された磁場中熱処理装置は、いずれも被処理部材を収納する炉容器を配置する貫通孔を設けた筒状の真空断熱容器に、冷媒ガスでクリーンルームを汚染する恐れがない無冷媒型の超電導磁石を配置し、炉容器内に平行な均一磁場を形成するようにしている。
特開2001−102211号公報 特開2004−211167号公報
特許文献1、2に記載された従来の磁場中熱処理装置は無冷媒型の超電導磁石を用いているので、停電等で冷凍機が停止するとすぐにクエンチが発生する問題がある。このようなクエンチの発生を防止するためには、冷媒型の超電導磁石を用いることが考えられるが、設置場所のクリーンルームが冷媒ガスによって汚染される恐れがある。
そこで、本発明の課題は、冷凍機が停止してもすぐにクエンチが発生せず、クリーンルームを冷媒ガスで汚染する恐れのない磁場中熱処理装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、被処理部材を収納した筒状の炉容器が配置される貫通孔を設けた筒状の真空断熱容器に、前記貫通孔に配置される炉容器内に平行磁場を形成する超電導コイルを配置し、前記炉容器内の被処理部材を加熱する加熱手段を設けた磁場中熱処理装置において、前記超電導コイルを前記真空断熱容器の貫通孔を囲むソレノイド型コイルとして、密閉した冷媒槽内の液体冷媒に浸漬し、前記冷媒槽内で気化する液体冷媒を再凝縮させる冷凍機を鉛直下向きに配置して、その下端の冷却端、または冷却端に熱良導体の熱伝導部材で接続した冷却端部材を前記冷媒槽内の上部のガス空間に設置した構成を採用した。
すなわち、超電導コイルを真空断熱容器の貫通孔を囲むソレノイド型コイルとして、密閉した冷媒槽内の液体冷媒に浸漬し、冷媒槽内で気化する冷媒ガスを再凝縮させる冷凍機を鉛直下向きに配置して、その下端の冷却端、または冷却端に熱良導体の熱伝導部材で接続した冷却端部材を冷媒槽内の上部のガス空間に設置することにより、冷凍機が停止してもすぐにクエンチが発生しない冷媒型の超電導磁石を用いて、クリーンルームに設置しても冷媒ガスが漏洩せず、クリーンルームを汚染する恐れがないようにした。
前記冷凍機を前記超電導コイルの外周側に配置することにより、冷凍機を漏れ磁場の小さい超電導コイルの外周側に配置して、冷凍機を駆動するステッピングモータ等の電動アクチュエータが超電導コイルの強力な磁場によって停止しないようにすることができる。なお、超電導コイルの軸は鉛直向き、水平向き等の任意の向きとすることができる。
前記超電導コイルの軸を鉛直向きとする場合は、前記冷却端に熱伝導部材で接続した冷却端部材を、前記冷媒槽内の上部のガス空間に設置するとよい。
前記超電導コイルが同軸上に配置された複数の円筒形コイルの組み合わせからなり、前記複数のコイルの少なくとも一対のコイルを、前記超電導コイル内側の磁場中心を含む磁場軸に垂直な面に対して対称に配置することにより、炉容器内に平行磁場をより良好に形成することができる。
前記超電導コイルが、同軸上に配置された複数の円筒形コイルの組み合わせからなり、前記複数のコイルの少なくとも1つを、前記超電導コイル内側における磁場と逆向きの磁場を発生させるように、順向きの磁場を発生させる他のコイルの外周側に配置することにより、逆向きの磁場を発生させるコイルによって、超電導コイルの外周側での漏洩磁場を小さくすることができる。
前記冷凍機は2段式パルスチューブ冷凍機とするのが好ましい。パルスチューブ冷凍機は、蓄冷材を往復運動させることなく固定するので、メンテナンスを楽にすることができる。
本発明に係る磁場中熱処理装置は、超電導コイルを真空断熱容器の貫通孔を囲む円筒形コイルとして、密閉した冷媒槽内の液体冷媒に浸漬し、冷媒槽内で気化する液体冷媒を再凝縮させる冷凍機を鉛直下向きに配置して、その下端の冷却端、または冷却端に熱良導体の熱伝導部材で接続した冷却端部材を冷媒槽内の上部のガス空間に設置したので、冷凍機が停止してもすぐにクエンチが発生しない冷媒型の超電導磁石を用いて、クリーンルームに設置しても冷媒ガスが漏洩せず、クリーンルームを汚染する恐れがないようにすることができる。
第1の実施形態の磁場中熱処理装置を示す縦断面図 図1の超電導コイルを示す切欠き斜視図 図2の変形例を示す切欠き斜視図 第2の実施形態の磁場中熱処理装置を示す縦断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1は第1の実施形態を示す。この磁場中熱処理装置は、鉛直向き円筒形で中心孔1aを有する輻射シールド1の中で、軸を鉛直向きとしたソレノイド型の超電導コイル2が密閉された冷媒槽3内の液体冷媒としての液体ヘリウム4に浸漬されている。輻射シールド1は鉛直向きの貫通孔5aを有する筒状の真空断熱容器5に、中心孔1aに貫通孔5a部を通して収納され、超電導コイル2は輻射シールド1の中心孔1aを囲むように配置されている。熱処理される被処理物Mを収納した筒状真空の炉容器21は、真空断熱容器5の貫通孔5aに鉛直向きに配置されており、超電導コイル2によって炉容器21内の筒軸方向に均一な平行磁場が形成される。炉容器21には被処理物Mを周囲から加熱するヒータ22が設けられ、図示は省略するが、外周側が水冷されるようになっている。
前記真空断熱容器5の上面には2段式のパルスチューブ冷凍機6が鉛直下向きに取り付けられ、その1段冷却端6aが輻射シールド1の上部に接続され、2段冷却端6bが冷媒槽3内の上部のガス空間に設置されている。冷凍機6の1段冷却端6aは輻射シールド1を約40Kに冷却し、2段冷却端6bは冷媒槽3のガス空間に気化するヘリウムガスを再凝縮させる。また、液体ヘリウム4に浸漬された超電導コイル2は約4Kに保持される。
図2は、前記超電導コイル2を示す。この超電導コイル2は、その全長に亙って延びるメインコイル2aと、超電導コイル2の内側の磁場中心Oを含む磁場軸Sに垂直な面に対して対称に配置された一対のコレクションコイル2bとからなる。メインコイル2aは超電導コイル2の内側に、磁場中心Oで凸形状の磁場Gを発生させ、一対のコレクションコイル2bは磁場中心Oで凹形状の磁場Gを発生させる。したがって、炉容器21が配置される超電導コイル2の内側にはこれらの磁場G、Gが合成された均一な平行磁場Gが形成される。
なお、前記メインコイル2aを省略して、磁場中心Oに対して対称に配置した一対のコイルをメインコイルとすることもできる。この場合は、実施形態のものよりは磁場の平行度が低下するが、メインコイル2aのみを配置した場合よりは磁場の平行度を向上させることができる。
図3は、前記超電導コイル2の変形例を示す。この変形例では、前記メインコイル2aの外周側に、メインコイル2aが発生する磁場Gと逆向きの磁場Gを発生させる2つのシールドコイル2cが配置されている。この変形例では、超電導コイル2の外周側でのメインコイル2aの磁場Gをシールドコイル2cの逆向きの磁場Gが打ち消し、超電導コイル2の外周側での漏洩磁場を小さくする。超電導コイル2の内周側では、メインコイル2aの磁場Gの打ち消し量はシールドコイル2cが遠い外周側に配置されているので少なく、十分に大きい磁界Gが形成される。なお、シールドコイル2cの配置数は2つに限定されることはない。
図4は、第2の実施形態を示す。この磁場中熱処理装置も、鉛直向き円筒形で中心孔1aを有する輻射シールド1の中で、軸を鉛直向きとしたソレノイド型の超電導コイル2を密閉された冷媒槽3内の液体ヘリウム4に浸漬し、輻射シールド1を鉛直向きの貫通孔5aを有する筒状の真空断熱容器5に、中心孔1aに貫通孔5a部を通して収納したものである。この実施形態では、真空断熱容器5の側部に突出部5bが形成され、この超電導コイル2の外周側の突出部5bの上面に、2段式のパルスチューブ冷凍機6が鉛直下向きに取り付けられている。また、冷凍機6の1段冷却端6aは熱良導体の銅で形成された熱伝導部材7aで輻射シールド1の側部に接続され、2段冷却端6bは同じく銅で形成された熱伝導部材7bを介して、冷媒槽3内の上部のガス空間に設置された冷却端部材8に接続されている。その他の部分は第1の実施形態のものと同じであり、真空断熱容器5の貫通孔5aに被処理物Mを収納した炉容器21が鉛直向きに配置されている。
第2の実施形態では、冷凍機6が漏れ磁場の小さい超電導コイル2の外周側に配置されるので、冷凍機6を駆動するステッピングモータ等の電動アクチュエータが超電導コイル2の強力な磁場によって停止しないようにすることができるとともに、装置全体の高さ寸法をコンパクトに設計することができる。
上述した各実施形態では、超電導コイルの軸を鉛直向きに配置としたが、超電導コイルの軸は水平向き等の他の方向に向けて配置することもできる。超電導コイルの軸を水平向きに配置する場合は、円筒形の輻射シールドも水平向きに配置し、その中心孔を水平向きにして、炉容器を配置する真空断熱容器の貫通孔を水平向きとすることができる。
上述した各実施形態では、冷凍機をパルスチューブ冷凍機としたが、冷凍機はギフォードマクマホン冷凍機等の他のタイプのものとすることもできる。
1 輻射シールド
1a 中心孔
2 超電導コイル
2a メインコイル
2b コレクションコイル
2c シールドコイル
3 冷媒槽
4 液体ヘリウム
5 真空断熱容器
5a 貫通孔
5b 突出部
6 冷凍機
6a 1段冷却端
6b 2段冷却端
7a、7b 熱伝導部材
8 冷却端部材
21 炉容器
22 ヒータ

Claims (6)

  1. 被処理部材を収納した筒状の炉容器が配置される貫通孔を設けた筒状の真空断熱容器に、前記貫通孔に配置される炉容器内に平行磁場を形成する超電導コイルを配置し、前記炉容器内の被処理部材を加熱する加熱手段を設けた磁場中熱処理装置において、前記超電導コイルを前記真空断熱容器の貫通孔を囲むソレノイド型コイルとして、密閉した冷媒槽内の液体冷媒に浸漬し、前記冷媒槽内で気化する液体冷媒を再凝縮させる冷凍機を鉛直下向きに配置して、その下端の冷却端、または冷却端に熱良導体の熱伝導部材で接続した冷却端部材を前記冷媒槽内の上部のガス空間に設置したことを特徴とする磁場中熱処理装置。
  2. 前記冷凍機を前記超電導コイルの外周側に配置した請求項1に記載の磁場中熱処理装置。
  3. 前記超電導コイルの軸を鉛直向きとし、前記冷却端に熱伝導部材で接続した冷却端部材を、前記冷媒槽内の上部のガス空間に設置した請求項2に記載の磁場中熱処理装置。
  4. 前記超電導コイルが同軸上に配置された複数の円筒形コイルの組み合わせからなり、前記複数のコイルの少なくとも一対のコイルを、前記超電導コイル内側の磁場中心を含む磁場軸に垂直な面に対して対称に配置した請求項1乃至3のいずれかに記載の磁場中熱処理装置。
  5. 前記超電導コイルが、同軸上に配置された複数の円筒形コイルの組み合わせからなり、前記複数のコイルの少なくとも1つを、前記超電導コイル内側における磁場と逆向きの磁場を発生させるように、順向きの磁場を発生させる他のコイルの外周側に配置した請求項1乃至4のいずれかに記載の磁場中熱処理装置。
  6. 前記冷凍機を2段式パルスチューブ冷凍機とした請求項1乃至5のいずれかに記載の磁場中熱処理装置。
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