JPH10189328A - 超電導マグネット - Google Patents

超電導マグネット

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JPH10189328A
JPH10189328A JP8350163A JP35016396A JPH10189328A JP H10189328 A JPH10189328 A JP H10189328A JP 8350163 A JP8350163 A JP 8350163A JP 35016396 A JP35016396 A JP 35016396A JP H10189328 A JPH10189328 A JP H10189328A
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JP
Japan
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superconducting
coil
superconducting coil
cooling
electromagnetic force
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JP8350163A
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English (en)
Inventor
Shoichi Yokoyama
彰一 横山
Tetsuya Matsuda
哲也 松田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導破壊しにくい超電導マグネットを得
る。また、超電導破壊した時にその破壊の伝播を促進し
て、超電導コイル内に発生する電圧を抑制する。 【解決手段】 超電導コイル1a,1b間に生じる電磁
力が加わるコイル面に、冷却するための良熱伝導の冷却
均熱部材10a,10bを備える。また、超電導コイル
に電流を供給する電流端子の両端に接続され、超電導コ
イルと熱接触するコイル保護用素子を備え、超電導破壊
した場合にコイル保護用素子に電流が流れて発熱し、超
電導コイルを加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導マグネット
に関し、特に超電導コイルの超電導破壊する現象に対す
る対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば特開平8−78737
号公報に示された従来の超電導マグネットを示す断面図
である。この装置は例えば2個の超電導コイルを有する
ものである。図において、1は超電導コイルで、この場
合は2個の超電導コイル1a,1b、2は超電導コイル
1を支持する巻枠で、超電導コイル1a,1bに対して
巻枠2a,2bが設けられている。4は超電導コイル1
への輻射を遮る輻射シールド、5は断熱をするために真
空を保持する真空槽、6は超電導コイル1を冷却する冷
却源で、例えば、ギフォードマクマフォンサイクル(G
M)冷凍機を適用している。9は電磁力支持部材で、超
電導コイル1a,Ib間に生じる電磁力を支持してい
る。また、12は冷却源6と超電導コイル1を熱的に短
絡するための熱伝導部材、13は、超電導コイル1が発
生する磁界が外部に漏れるのを低減するための磁気シー
ルド、14は巻枠2に取り付けられた冷却部材であり、
巻枠2a,2bにそれぞれ冷却部材14a,14bが取
り付けられている。この図の構成では、2個の超電導コ
イル1a,1bの中心軸は同一であり、その軸方向にず
れて配設されている。
【0003】図に示すように、超電導コイル1は冷却源
6から熱伝導部材12と冷却部材14を介して冷却され
ている。また、超電導コイル1は真空槽5の内部に収納
されており、真空状態に保持されて真空槽5の外部とは
断熱状態にある。さらに、超電導コイル1の温度と室温
の中間温度で保持された輻射シールド4によって、室温
からの輻射熱が超電導コイル1に入るのを遮っている。
これらにより、超電導コイル1は例えば5K(約−26
8℃)程度に保持されているので、超電導コイル1は超
電導状態になっている。この状態では、超電導コイル1
に電流を通電することにより磁界を発生し、超電導コイ
ル1の電気抵抗がゼロのため定常通電時にはほとんど電
圧が発生しないので電力損失がほどんど生じない。
【0004】また、従来の超電導マグネットには上記の
GM冷凍機のような冷却源6を用いずに、液体ヘリウム
のような極低温の冷媒を用い超電導コイル1を直接冷媒
液に浸して冷却するものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来装置のように、2
個の超電導コイル1から構成されている場合、これらの
超電導コイル1が発生する磁界により大きな電磁力を生
じ、超電導コイル1の中心軸が同軸上に配置された場合
には、軸方向に吸引または反発の電磁力を受ける。この
ような電磁力を超電導コイル1が受けた場合には、超電
導コイル1の一方が巻枠2に押しつけられてコイル1が
動きやすくなり、発熱して超電導コイル1が超電導状態
が破壊しやすいという問題があった。
【0006】また、磁気シールド13のような磁性体を
有するので、超電導コイル1と磁気シールド13との間
に吸引の電磁力が生じ、上記と同様に超電導コイル1は
超電導破壊しやすくなるという問題もあった。
【0007】また、2個の超電導コイル1a,1bは熱
的に切り離されているので、一方の超電導コイル1aが
超電導破壊した場合、他方の超電導コイル1bは超電導
状態を保ったままであるので、通電されている電流減衰
によりインダクタンス分の電圧が発生し、絶縁破壊を起
こしやすいという問題もあった。
【0008】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、超電導破壊が発生しにくく、また
超電導破壊した場合でも絶縁破壊しにくい超電導マグネ
ットを得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
る超電導マグネットは、同一の中心軸を有しその軸方向
にずれて配設され、冷却源で冷却されて超電導状態とな
る2個以上の超電導コイル、超電導コイル間に生じる電
磁力を支持する電磁力支持部材、電磁力が加わるコイル
の軸方向端面に固定され、超電導コイルを冷却する良熱
伝導性の冷却均熱部材を備えたものである。
【0010】また、本発明の第2の構成に係る超電導マ
グネットは、冷却源で冷却されて超電導状態となる超電
導コイル、超電導コイルの軸方向の少なくとも一端側に
設けられた磁性体、超電導コイルと磁性体間に生じる電
磁力を支持する電磁力支持部材、電磁力が加わるコイル
の軸方向端面に固定され、超電導コイルを冷却する良熱
伝導性の冷却均熱部材を備えたものである。
【0011】また、本発明の第3の構成に係る超電導マ
グネットは、冷却源で冷却されて超電導状態となる超電
導コイル、および超電導コイルに電流を供給する電流端
子の両端に接続され、その電流端子の両端に所定電圧以
上の電圧がかかった時に動作するコイル保護用素子を備
え、コイル保護用素子を、超電導コイルと熱的に接触す
るように構成したものである。
【0012】また、本発明の第4の構成に係る超電導マ
グネットは、第3の構成において、コイル保護用素子
を、超電導コイルの低磁界部分と熱的に接触するように
構成したものである。
【0013】また、本発明の第5の構成に係る超電導マ
グネットは、冷却源で冷却されて超電導状態となる2個
以上の超電導コイル、および超電導コイルに電流を供給
する電流端子のそれぞれの両端に接続され、その電流端
子の両端に所定電圧以上の電圧がかかった時に動作する
複数のコイル保護用素子を備え、超電導コイルの1つに
接続されたコイル保護用素子を、少なくとも他の1つの
超電導コイルと熱的に接触するように構成したものであ
る。
【0014】また、本発明の第6の構成に係る超電導マ
グネットは、第5の構成において、コイル保護用素子の
それぞれを、他の超電導コイルの高磁界部分と熱的に接
触するように構成したものである。
【0015】また、本発明の第7の構成に係る超電導マ
グネットは、第1ないし第6のいずれかの構成におい
て、超電導コイルは冷却源からの熱伝導により冷却され
ることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、本発明の実施の形態1による超電
導マグネットについて説明する。図1は、本実施の形態
による超電導マグネットを示す断面図である。この装置
は例えば2個の超電導コイルを有するものである。図に
おいて、1は超電導コイルで、この場合は2個の超電導
コイル1a,1b、2は超電導コイル1を支持する巻枠
で、超電導コイル1a,1bに対して巻枠2a,2bが
設けられている。3は超電導コイル1の加重を支持する
加重支持材、4は超電導コイル1への輻射を遮る輻射シ
ールド、5は断熱をするために真空を保持する真空槽、
7は超電導コイル1を冷却する極低温容器、8は極低温
容器7に蓄えられた冷媒で、例えば液体ヘリウムであ
る。9は電磁力支持部材で、例えばステンレスで構成さ
れ、超電導コイル1a,Ib間に生じる電磁力を支持し
ている。また、10は、冷却均熱部材で、例えば銅また
はアルミニウムで構成され、軸方向で他方の超電導コイ
ルが配置されている側の巻枠2a,2bと超電導コイル
1a,1bの間にそれぞれ冷却均熱部材10a,10b
が設置されている。
【0017】この超電導マグネットにおいて、例えば2
つの超電導コイル1が同一方向の磁界を発生する場合に
は、超電導コイル1を励磁すると、両者の超電導コイル
1に図の上下方向に吸引力が働く。図2は超電導コイル
1付近の磁束線を模式的に示す説明図である。磁束線が
密集している部分が磁界が強い部分であり、超電導コイ
ル1の軸方向の両端部が強く、軸方向の中央部分の電磁
力は弱い。このような電磁力により超電導コイル1は巻
枠2の一方向に押さえつけられて、微少な変位を生じ
る。この時電磁力が最も大きく加わる部分の応力が最大
になり、その部分での発熱が生じ温度上昇により超電導
状態が破壊する。この超電導破壊する現象をクエンチす
るという。
【0018】本実施の形態では、図1に示したように巻
枠2と超電導コイル1の間の電磁力が加わる部分に、例
えば銅のような熱伝導率の高い材料を冷却均熱部材10
として配置している。冷却均熱部材10は接着または機
械的圧力により超電導コイル1の端面に固定されてい
る。超電導コイル1が電磁力による変位によって発熱し
た場合、冷却均熱部材10でその発熱が拡散され、速や
かに冷媒8と熱の授受を行って超電導コイル1は冷却さ
れる。このため、超電導コイル1の温度上昇を抑制で
き、クエンチしにくくなる。
【0019】本実施の形態の超電導コイル1には吸引力
が働くため、超電導コイル1の軸方向で、他方の超電導
コイル1が設けられている端面に、冷却均熱部材10を
配置している。これに対し、反発力が働く構成の場合に
は、超電導コイル1の軸方向で、他方の超電導コイル1
が設けられている側と反対側の端面に、冷却均熱部材1
0を配置すればよい。また、場合によっては冷却均熱部
材10を軸方向で超電導コイル1の両端面に配置しても
よい。
【0020】なお、上記超電導マグネットでは冷却均熱
部材10として銅のような金属材料を用いたが、アルミ
ナのような熱伝導率のよいセラミックであってもよく、
また、サファイアのような単結晶に近い材料など熱伝導
率の良いものであってもよく、上記と同様の効果を奏す
る。
【0021】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態
2による超電導マグネットを図に基づいて説明する。図
3は本実施の形態による超電導マグネットを示す断面図
である。図において、6はこの超電導コイルを冷却する
ための冷却源であり、本実施の形態では、ギフォード・
マクマフォンサイクル冷凍機(以下GM冷凍機)を用
い、熱伝導部材12と銅線を介して超電導コイル1を伝
導冷却している。また、11は磁性体であり、超電導コ
イル1が作る磁界を整形したり、または磁気シールドの
働きをするものである。
【0022】本実施の形態による超電導マグネットは、
図のように構成されており、超電導コイル1を励磁する
と超電導コイル1と磁性体11との間に吸引力が生じ
る。このため、超電導コイル1には磁性体11が配置さ
れている側の巻枠2の一辺に押さえつけられる応力が発
生し、超電導コイル1が動きやすくなる。本実施の形態
では、超電導コイル1の磁性体11が配置されている側
の端面に冷却均熱部材10を設けている。このため、押
さえつけられている巻枠2との間で発熱が生じた場合、
冷却均熱部材10で発熱が拡散され、速やかに冷却源6
との間で熱の授受を行い、超電導コイル1は冷却され
る。従って、超電導コイル1の温度上昇を防止でき、ク
エンチしにくくなる。
【0023】特に本実施の形態では、実施の形態1とは
異なり、超電導コイル1の周囲は直接冷媒8と接触して
いない。このため、摩擦等で生じた発熱は、直ちに超電
導コイル1の温度上昇を招きやすい構造である。これに
対して本実施の形態では、応力が大きい部分に熱伝導率
の高い冷却均熱部材10が配置されているので、発熱は
速やかに拡散し温度上昇を抑制する効果がある。
【0024】なお、上記の構成では、GM冷凍機6によ
って超電導コイル1を冷却する超電導マグネットについ
て示したが、実施の形態1のような液体ヘリウムを用い
た浸漬冷却方式の超電導マグネットの場合でも、超電導
コイル1と磁性体11で構成される場合に、電磁力によ
って発熱の発生する部分に冷却均熱部材10を固定する
ことにより、上記実施の形態と同様の効果がある。
【0025】実施の形態3.次に、本発明の実施の形態
3による超電導マグネットを図に基づいて説明する。図
4は実施の形態3による超電導マグネットを示す断面図
である。本実施の形態では、2個の超電導コイル1a,
1bを備えており、これらの間に加わる電磁力を支える
電磁力支持部材9を設けた構成としている。また、熱伝
導部材12と銅線と冷却均熱部材10a,10bを介し
て、GM冷凍機6と超電導コイル1とは熱的に接続して
いる。
【0026】図に示すように、実施の形態2と同様、超
電導コイル1の周囲は直接冷媒と接触していない。この
ため、摩擦等で生じた発熱は直ちに超電導コイル1の温
度上昇を招きやすい構成である。本実施の形態ではこれ
に対し、超電導コイル1の電磁力が大きい付近で摩擦等
の発熱が生じやすい部分に、熱伝導率の高い冷却均熱部
材10を配置している。このため、生じた発熱は速やか
に拡散し、温度上昇を抑制する効果がある。この超電導
コイル1の周囲は断熱状態であり、超電導コイル1のコ
イル端面における発熱が冷却均熱部材10により拡散さ
れ冷却される作用は、直接周囲から例えば液体ヘリウム
などの冷媒で冷却されている超電導コイルに比べ、極め
て大きい。
【0027】本実施の形態の構成は超電導コイル1が反
発力を受ける場合の構成のものであり、冷却均熱部材1
0は、反発力の応力が加わる面に設置されている。
【0028】実施の形態4.次に、本発明の実施の形態
4による超電導マグネットを図に基づいて説明する。図
5は実施の形態4による超電導マグネットを示す断面図
である。図において、15はコイル保護用素子、16は
例えば熱伝導グリースのような良熱伝導部材である。ま
た、図6にコイル保護用素子15を有する構成の一例を
回路図で示す。図において、17は励磁電源であり、点
線内は極低温部を示している。図に示すように、コイル
保護用素子15は超電導コイル1に電流を供給する電流
端子の両端に電気的に接続され、2〜10V程度のある
一定電圧が加わればオン状態になりこの両端を電気的に
短絡するもので、例えばダイオード素子である。コイル
保護用素子15は良熱伝導部材16によって超電導コイ
ル1と熱的に接触している。
【0029】図7はコイル保護用素子15の極低温特性
を示すグラフであり、横軸は電圧、縦軸は電流を示して
いる。超電導コイル1の一部が何らかの原因でクエンチ
した場合、超電導コイル1の両端に数Vの電圧が発生す
る。超電導コイル1の両端にターンオン電圧以上の電圧
が加わると、この両端に接続されているコイル保護用素
子15はオン状態となり、図7に示すように直ちに両端
電圧が0.2Vまで低下する。そして、コイル保護用素
子15に電流が流れ、超電導コイル1の両端にターンオ
ン電圧以上に電圧が生じるのを防ぎ、過電圧になるのを
防止できる。この状態では超電導コイル1の両端の電圧
は低下するが、コイル内部では超電導部分と常電導部分
が混在しており、次式のように表される。
【0030】
【数1】
【0031】式1において、Vはコイル電圧、Lはコイ
ルのインダクタンス、R(t)はクエンチによる超電導
コイルの抵抗、iは電流である。超電導コイル1がクエ
ンチした場合は、di/dtはマイナスとなりiはプラ
スである。このように、超電導部分ではコイルのインダ
クタンス成分によるマイナスの電圧が誘起される。超電
導部分における常電導状態の転移速度が遅いと、この誘
起電圧により超電導コイル1の内部に過大な電圧が発生
し、超電導コイル1が破壊する恐れがあった。
【0032】本実施の形態では、超電導コイル1の一部
がクエンチした場合、コイル保護用素子15に電流が流
れ、コイル保護用素子15は発熱する。この発熱が良熱
伝導部材16を介して超電導コイル1にコイル保護用素
子15が熱的に接触しているので、コイル保護用素子1
5の発熱によって超電導コイル1が加熱され、クエンチ
の速度が加速される。このことにより、超電導コイル1
のクエンチしていない部分がクエンチされ、超電導コイ
ル1内に抵抗が発生し、超電導コイル内の発生電圧を低
減する。即ち、超電導コイル1内に生じる誘起電圧はR
(i)のプラスの電圧により低減され、超電導コイル1
が電圧により破壊することを防止する。
【0033】上記のように、本実施の形態では、クエン
チが発生した時、超電導コイル1全体を速やかに常電導
転移させ、超電導コイル1内部では超電導部分と常電導
部分が混在した状態となるのを防止するので、超電導コ
イル1が電圧により破壊するのを防ぐことができる。
【0034】また、本実施の形態では、特にコイル保護
用素子15は超電導コイル1の最も磁界の低い部分に設
置されている。これは図2に超電導コイル1付近の磁束
線を模式的に示したように、超電導コイル1の中央部分
は磁束線が粗で磁界が低くなっている。一般に、超電導
コイル1は発生磁界の最も高い部分がクエンチしやす
く、磁界の低い部分はクエンチしにくい。そこで磁界の
低い部分にコイル保護用素子15を設置すると、超電導
コイル1の一部がクエンチした場合、コイル保護用素子
15がオンして発熱することにより素子を取付けた付近
からクエンチする。即ち、クエンチしにくい低磁界部分
を加熱することにより、速やかに超電導コイル1全体を
クエンチさせて抵抗を発生させる。そして、式1で示し
たようにR(i)が生じる部分が分散されるので、超電
導コイル1内の発生電圧はさらに低減でき、超電導コイ
ル1が電圧により破壊するのを防ぐことができる。
【0035】実施の形態5.以下、本発明の実施の形態
5による超電導マグネットを図に基づいて説明する。図
8は本実施の形態による超電導マグネットを示す断面図
である。本実施の形態では、複数の超電導コイル1a,
1bで構成される超電導マグネットに関するものであ
り、例えば2個の超電導コイルを有するものを示してい
る。図において、各々の超電導コイル1a,1bに電流
を供給する電流リードの両端に電気的に接続するコイル
保護用素子15a,15bは、自己以外の電気的に接続
していない超電導コイル1b,1aに良熱伝導部材16
a、16bを介して熱的に接触するように取り付けられ
ている。
【0036】図9にコイル保護用素子15a,15bを
有する構成の一例を回路図で示す。図9(a)は通常の
接続状態を示し、図9(b)は一方の超電導コイル1a
がクエンチした場合の回路図である。図において、17
は励磁電源であり、点線内は極低温部を示す。コイル保
護用素子15a,15bと超電導コイル1b,1aを結
ぶ点線のそれぞれは、熱的に接触していることを示して
いる。図中、矢印は電流の流れ方向を示している。図9
に示すように、コイル保護用素子15aは超電導コイル
1aに電流を供給する電流端子の両端に電気的に接続さ
れ、コイル保護用素子15bは超電導コイル1bに電流
を供給する電流端子の両端に電気的に接続されている。
この電流端子に2〜10V程度のある一定電圧が加われ
ばコイル保護用素子15はオン状態になり、両端を電気
的に短絡して図9(b)のように電流は流れる。そし
て、コイル保護用素子15aが発熱し、この素子15a
と熱接触している超電導コイル1bを加熱してクエンチ
させる。
【0037】複数のコイルで構成されている場合、ある
コイルに発生する電圧は、式2のように表される。式2
において、Mは他のコイルとの相互インダクタンスであ
る。
【0038】
【数2】
【0039】このような構成において、一方の超電導コ
イル、例えば超電導コイル1aがクエンチした場合、式
2のように超電導コイル間は熱的に離れているので、他
方の超電導コイル1bはクエンチせずR(t)=0であ
るので、過大なマイナスの電圧が発生し危険である。し
かし、本実施の形態では、上記のようにクエンチした超
電導コイル1aの両端に接続されたコイル保護用素子1
5aが、クエンチしていない超電導コイル1bに熱的に
接触して設置しているので、クエンチしていない超電導
コイル1bは加熱されてクエンチする。これにより、超
電導コイル1bにはプラスの電圧が発生するので、クエ
ンチしていなかった超電導コイル1bの電圧を低減でき
る。
【0040】なお、3個以上の超電導コイルで構成され
ている場合には、1つの超電導コイルの電流端子に接続
されたコイル保護用素子を、その他の超電導コイルの全
てに熱的に接触させればよい。また、複数の超電導コイ
ル1が直列に接続されている場合、コイル保護用素子1
5は隣に接続されている超電導コイル1に熱的に接触す
るよう取り付けられていれば、上記実施の形態と同様の
効果を奏する。これは、複数の超電導コイル1が直列接
続されており、各超電導コイル1の両端にコイル保護用
素子15が接続されていると、ある超電導コイルがクエ
ンチするとクエンチしていない超電導コイルの両端にも
電圧が誘起されその電圧によりコイル保護用素子15が
オンし電流が流れて発熱する。この発熱によりクエンチ
していない超電導コイルが順次クエンチし、過電圧が生
じるのを防ぐ効果を奏する。
【0041】実施の形態6.以下、本発明の実施の形態
6による超電導マグネットを図に基づいて説明する。図
10は本実施の形態による超電導マグネットを示す断面
図である。図に示すように実施の形態5と同様、複数、
例えば本実施の形態では2個の超電導コイル1a,1b
で構成されている。コイル保護用素子15aは超電導コ
イル1aに電流を供給する電流リードの両端に電気的に
接続され、コイル保護用素子15bは超電導コイル1b
に電流を供給する電流リードの両端に電気的に接続され
ている。さらに本実施の形態において、コイル保護用素
子15aは、電気的に接続されている超電導コイル1a
以外の超電導コイル1bの高磁界部分に熱的に接触する
ように取り付けられている。同様にして、コイル保護用
素子15bは、超電導コイル1aの高磁界部分に熱的に
接触するように取り付けられている。
【0042】例えば超電導コイル1aがクエンチしたと
する。この超電導コイル1aに熱的に接続されていない
超電導コイル1bを速やかにクエンチさせるためには、
超電導コイル1bの高磁界部分を加熱するのが効率的で
ある。これは先に述べたように、超電導コイルの低磁界
部分はクエンチしにくく、高磁界部分は少しの熱でもク
エンチしやすいためである。本実施の形態では、加熱手
段であるコイル保護用素子15がクエンチさせたい超電
導コイル1の高磁界部分に設置されているので、1つの
超電導コイルがクエンチした場合、クエンチしていない
超電導コイル1を速やかにクエンチさせる効果がある。
【0043】なお、本実施の形態では、図10のように
高磁界部分に設置された冷却均熱部材10の表面にコイ
ル保護用素子15を取り付けたが、コイル保護用素子1
5を冷却均熱部材10の内部に埋め込んでもよく、上記
実施の形態と同様の効果を奏する。
【0044】また、実施の形態4から実施の形態6につ
いて、超電導コイル1が冷却源6からの熱伝導で冷却さ
れる場合には、超電導コイル1の周囲は断熱状態で冷媒
が存在しないので、超電導コイル1または超電導コイル
1間の空間での熱伝導は悪い。このため、コイル保護用
素子15が生じる発熱は、全て直接に超電導コイル1へ
伝わり、冷媒例えば液体ヘリウムで冷却されている超電
導コイルに比べて、コイル保護用素子15がクエンチを
効率良く促進させる作用は極めて大きい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の構成によ
れば、同一の中心軸を有しその軸方向にずれて配設さ
れ、冷却源で冷却されて超電導状態となる2個以上の超
電導コイル、超電導コイル間に生じる電磁力を支持する
電磁力支持部材、電磁力が加わるコイルの軸方向端面に
固定され、超電導コイルを冷却する良熱伝導性の冷却均
熱部材を備えたことにより、電磁力の加わる部分を積極
的に冷却し、超電導破壊しにくい超電導マグネットが得
られる効果がある。
【0046】また、本発明の第2の構成によれば、冷却
源で冷却されて超電導状態となる超電導コイル、超電導
コイルの軸方向の少なくとも一端側に設けられた磁性
体、超電導コイルと磁性体間に生じる電磁力を支持する
電磁力支持部材、電磁力が加わるコイルの軸方向端面に
固定され、超電導コイルを冷却する良熱伝導性の冷却均
熱部材を備えたことにより、電磁力の加わる部分を積極
的に冷却し、超電導破壊しにくい超電導マグネットが得
られる効果がある。
【0047】また、本発明の第3の構成によれば、冷却
源で冷却されて超電導状態となる超電導コイル、および
超電導コイルに電流を供給する電流端子の両端に接続さ
れ、その電流端子の両端に所定電圧以上の電圧がかかっ
た時に動作するコイル保護用素子を備え、コイル保護用
素子を、超電導コイルと熱的に接触するように構成した
ことにより、超電導コイルが超電導破壊した時にその破
壊の伝播を促進してコイル内の電圧を低下し、絶縁破壊
を防止できる超電導マグネットが得られる効果がある。
【0048】また、本発明の第4の構成によれば、第3
の構成におけるコイル保護用素子を、超電導コイルの低
磁界部分と熱的に接触するように構成したことにより、
効果的に超電導破壊の伝播を促進できる超電導マグネッ
トが得られる効果がある。
【0049】また、本発明の第5の構成によれば、冷却
源で冷却されて超電導状態となる2個以上の超電導コイ
ル、および超電導コイルに電流を供給する電流端子のそ
れぞれの両端に接続され、その電流端子の両端に所定電
圧以上の電圧がかかった時に動作する複数のコイル保護
用素子を備え、超電導コイルの1つに接続されたコイル
保護用素子を、少なくとも他の1つの超電導コイルと熱
的に接触するように構成したことにより、複数の超電導
コイルを有する構成において、1つの超電導コイルが超
電導破壊した時にその破壊の伝播を促進して全コイル内
の電圧を低下し、絶縁破壊を防止できる超電導マグネッ
トが得られる効果がある。
【0050】また、本発明の第6の構成によれば、第5
の構成におけるコイル保護用素子のそれぞれを、他の超
電導コイルの高磁界部分と熱的に接触するように構成し
たことにより、効果的に超電導破壊の伝播を促進できる
超電導マグネットが得られる効果がある。
【0051】また、本発明の第7の構成によれば、第1
ないし第6のいずれかの構成における超電導コイルを、
冷却源からの熱伝導により冷却するように構成したこと
により、超電導コイルの超電導破壊する現象に対し、効
果的に対処できる超電導マグネットが得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による超電導マグネッ
トを示す断面図である。
【図2】 実施の形態1による超電導コイル付近の磁束
線を模式的に示す説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態2による超電導マグネッ
トを示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態3による超電導マグネッ
トを示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態4による超電導マグネッ
トを示す断面図である。
【図6】 実施の形態4に係わるコイル保護用素子を有
する主な回路図である。
【図7】 実施の形態4に係わるコイル保護用素子の極
低温特性を示すグラフである。
【図8】 本発明の実施の形態5による超電導マグネッ
トを示す断面図である。
【図9】 実施の形態5に係わるコイル保護用素子を有
する主な回路図である。
【図10】 本発明の実施の形態6による超電導マグネ
ットを示す断面図である。
【図11】 従来の超電導マグネットを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1a,1b 超電導コイル、2,2a,2b 巻
枠、5 真空容器、6冷却源、7 極低温容器、8 冷
媒、9 電磁力支持部材、10,10a,10b 冷却
均熱部材、11 磁性体、12 熱伝導部材、15,1
5a,15bコイル保護用素子 16,16a,16b
良熱伝導部材。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の中心軸を有しその軸方向にずれて
    配設され、冷却源で冷却されて超電導状態となる2個以
    上の超電導コイル、前記超電導コイル間に生じる電磁力
    を支持する電磁力支持部材、前記電磁力が加わるコイル
    の軸方向端面に固定され、前記超電導コイルを冷却する
    良熱伝導性の冷却均熱部材を備えた超電導マグネット。
  2. 【請求項2】 冷却源で冷却されて超電導状態となる超
    電導コイル、前記超電導コイルの軸方向の少なくとも一
    端側に設けられた磁性体、前記超電導コイルと前記磁性
    体間に生じる電磁力を支持する電磁力支持部材、前記電
    磁力が加わるコイルの軸方向端面に固定され、前記超電
    導コイルを冷却する良熱伝導性の冷却均熱部材を備えた
    超電導マグネット。
  3. 【請求項3】 冷却源で冷却されて超電導状態となる超
    電導コイル、および前記超電導コイルに電流を供給する
    電流端子の両端に接続され、その電流端子の両端に所定
    電圧以上の電圧がかかった時に動作するコイル保護用素
    子を備え、前記コイル保護用素子を、前記超電導コイル
    と熱的に接触するように構成したことを特徴とする超電
    導マグネット。
  4. 【請求項4】 前記コイル保護用素子を、前記超電導コ
    イルの低磁界部分と熱的に接触するように構成したこと
    を特徴とする請求項3記載の超電導マグネット。
  5. 【請求項5】 冷却源で冷却されて超電導状態となる2
    個以上の超電導コイル、および前記超電導コイルに電流
    を供給する電流端子のそれぞれの両端に接続され、その
    電流端子の両端に所定電圧以上の電圧がかかった時に動
    作する複数のコイル保護用素子を備え、前記超電導コイ
    ルの1つに接続されたコイル保護用素子を、少なくとも
    他の1つの超電導コイルと熱的に接触するように構成し
    たことを特徴とする超電導マグネット。
  6. 【請求項6】 前記コイル保護用素子のそれぞれを、他
    の前記超電導コイルの高磁界部分と熱的に接触するよう
    に構成したことを特徴とする請求項5記載の超電導マグ
    ネット。
  7. 【請求項7】 前記超電導コイルは冷却源からの熱伝導
    により冷却されることを特徴とする請求項1ないし請求
    項6のいずれかに記載の超電導マグネット。
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