JP2013192515A - 牡蠣エキス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有し、より付加価値の高い牡蠣エキスを提供することにある。
【解決手段】本発明は、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣に由来する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣エキス;前記牡蠣エキスを含有する飲食品;フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料を牡蠣に給餌し、その後牡蠣エキスを抽出する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣エキスの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、牡蠣エキスに関する。
牡蠣エキスとは、生牡蠣の成分を抽出して濃縮させて得られるエキスである。牡蠣エキスには、主成分としてのタウリン、グリコーゲンなどの栄養成分の他に、亜鉛などのミネラル分も豊富に含まれているため、これまで健康食品などとして利用されてきた(例えば、特許文献1参照)。牡蠣エキスに更なる効能成分が付加されれば、付加価値の高い機能性食品としてより需要が高まることが期待できる。
一方、フコキサンチンは、特許文献2および非特許文献1で報告されているように、抗酸化作用、抗肥満(脂肪細胞減少効果)、抗糖尿、血管新生等を有することが知られている。
特開2001−292741号公報 国際公開第2006/126325号
日本水産学会誌、74(2),261−262(2008)
しかしながら、フコキサンチンを含有する牡蠣エキスについての報告はこれまでなされていないのが現状である(特許文献1表1参照)。
本発明の目的は、フコキサンチンやフコキサンチノールを含有し、より付加価値の高い牡蠣エキスを提供することにある。
本発明は、以下の発明を提供する。
〔1〕フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣に由来する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣エキス。
〔2〕フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣は、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料が給餌された牡蠣である、上記〔1〕に記載の牡蠣エキス。
〔3〕フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料が、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する微細藻類である、上記〔2〕に記載の牡蠣エキス。
〔4〕フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する微細藻類が、キートセラスおよびフィスチュリフェラから選ばれる珪藻である、上記〔3〕に記載の牡蠣エキス。
〔5〕フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを、総和含量で200ppm以上含む、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の牡蠣エキス。
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の牡蠣エキスを含有する飲食品。
〔7〕フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料を牡蠣に給餌し、その後牡蠣エキスを抽出する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣エキスの製造方法。
本発明の牡蠣エキスは、従来の牡蠣エキスには含まれないフコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有している。そのため、本発明の牡蠣エキスはフコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールの効能も期待できる点で、従来品と比べ付加価値の高い飲食品として有用である。
本明細書において「%」は、特に断らない限り「質量%」を示す。
本発明の牡蠣エキスは、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣に由来する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する。
牡蠣はイタボガキ科(Ostreidae)の牡蠣、例えば、マガキ属(Crassostrea)に属する牡蠣、イタボガキ属(Ostrea)に属する牡蠣が挙げられる。具体的には、マガキ(Crassostrea gigas)、イワガキ(Crassostrea nippona)、スミノエガキ(Crassostrea ariakesis)、イタボガキ(Ostrea denselamellosa)、ヨーロッパヒラガキ(Ostrea edulis)、太平洋カキ(Ostrea Laperousi)、大連湾カキ(Ostrea Talienehanensis)、近江カキ(Ostrea rivularis)、摺カキ(Ostrea cucullata)などを用いることができる。牡蠣の年齢、性別などについて特に制限はない。
牡蠣は、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する。フコキサンチン(Acetic acid[(1S,3R)−3−hydroxy−4−[(3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E)−18−[(1S,4S,6R)−4−hydroxy−2,2,6−trimethyl−7−oxabicyclo〔4.1.0〕heptan−1−yl]−3,7,12,16−tetramethyl−17−oxooctadeca−1,3,5,7,9,11,13,15−octaenylidene]−3,5,5−trimethylcyclohexyl]ester)は、非プロビタミンA類のカロテノイドの一種であり、以下の式で表されるとおり、アレン構造、エポキシドおよびヒドロキシル基を有している。フコキサンチンは1以上の水素原子に代えて置換基を有していてもよい。フコキサンチンはその構造中に含まれる1以上の水素原子に代えて置換基を有する、いわゆる誘導体であってもよい。また、フコキサンチンは塩の形態であってもよい。
Figure 2013192515
フコキサンチノールは、フコキサンチンのアセチル基が遊離して得られる、フコキサンチンの誘導体である。フコキサンチノールはその構造中に含まれる1以上の水素原子に代えて置換基を有する、いわゆる誘導体であってもよい。また、フコキサノールは塩の形態であってもよい。
塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、またはパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸塩が挙げられる。
フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣とは、体内にフコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣を意味する。フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣における、フコキサンチン含量は特には限定されないが、牡蠣の重量に対するフコキサンチンの重量として、通常は5ppm以上、好ましくは10ppm以上、より好ましくは15ppm以上、更に好ましくは20ppm以上である。上限は特に限定されないが、通常150ppm以下である。フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣としては、フコキサンチンを20〜150ppm含む牡蠣であることが更に好ましい。牡蠣のフコキサンチンの含有量は、実施例の分析法の項目(1)の条件に従って測定することができる。
フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣を作出する方法は特には限定されないが、例えば、牡蠣にフコキサンチンを含む飼料を摂取させる方法、遺伝子組み換え技術などによりフコキサンチン産生に関与する酵素遺伝子を導入する方法などが挙げられるが、牡蠣にフコキサンチンを含む飼料を摂取させる方法が好ましい。フコキサンチンを含む飼料は例えば、フコキサンチンを含む天然飼料(微細藻類、植物プランクトンなど)であってもよいし、フコキサンチンを配合した人工飼料であってもよいが、天然飼料であることが好ましく、フコキサンチンを含む微細藻類であることが好ましい。フコキサンチンを含む微細藻類(植物プランクトン、microalgae)としては、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含む珪藻類が好ましく、例えば、キートセラス(例えばキートセラス・カルシトランス(Chaetoceros calcitrans)、キートセラス・グラシリス(Chaetoceros gracilis))、フィスチュリフェラ(例えば、フィスチュリフェラ サプロフィラ(Fistulifera saprophila)、フィスチュリフェラ ペリキュロサ(Fistulifera pelliculosa)などが挙げられる。藻類の中では海水に住むものが好ましい。フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含む飼料の投与条件については適宜調整することができる。例えば、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含む飼料を、1週間以上投与する。そして、通常の飼料にて飼育後、必要に応じて一定期間絶食させ、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含む飼料を、1週間以上投与することが好ましい。給餌量は限定されないが、牡蠣が摂食する量以上の量を給餌することが好ましい。例えば、残餌をコールカウンター(自動細胞計数装置)などで確認しながら給餌することが好ましい。その他の牡蠣の飼育条件についても特に制限はなく、適宜水温、pH等を調整することができる。水温は通常15〜30℃の範囲で調整され得る。また、水のpHは通常、7.5〜8.5の範囲で調整され得る。水中には空気を通気することが好ましく、流水させることが好ましい。
本発明の牡蠣エキスは、上述の通りフコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣に由来するものであればよい。フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣からの牡蠣エキスの調製は、通常の牡蠣エキスの抽出条件に従えばよい。抽出の際の溶媒としては、水性溶媒(エタノール、水、エタノールと水の混合溶媒など)を用いることができ、エタノールと水の混合溶媒を用いることが好ましい。溶媒の量は、通常、牡蠣100質量部に対して100〜1,000質量部とすることができ、200〜800質量部であることが好ましい。抽出時間は通常は0.5〜5時間であり、1〜3時間であることが好ましい。抽出温度は通常は25℃〜80℃であり、30℃〜70℃であることが好ましい。
抽出物はそのまま本発明の牡蠣エキスとして用いてもよいが、抽出物を固液分離し、抽出残渣を除いた後の抽出液を牡蠣エキスとして用いてもよい。固液分離はろ過、圧搾、静置分離、遠心分離などにより行うことができ、ろ過または遠心分離により行うことが好ましい。
更に、抽出液を必要に応じて濃縮し、これを牡蠣エキスとして用いてもよい。濃縮は、濃縮後の濃縮物の固形分が好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上となるように行うことができる。濃縮の方法は特に限定されないが、例えば減圧留去、加熱蒸発(たとえば、常圧下で)、膜分離などにより行うことができ、より低い温度で濃縮できることから、減圧により行うことが好ましい。濃縮装置としては、例えば、撹拌槽、フラッシュ蒸発機、薄膜蒸発機などが挙げられるが、いずれの装置を用いてもよい。濃縮の際の温度条件は、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールの分解を十分に防ぎフコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールの残存率を保持できる観点から、60℃以下であることが好ましい。下限は特に限定されないが、通常は室温以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上に設定することができる。
また、抽出液は、乾燥処理に供してもよい。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、窒素ブローによる乾燥等、いずれの方法であってもよい。
本発明の牡蠣エキスは、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有している。フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールの含有量は、200ppm以上であることが好ましく、250ppm以上であることがより好ましく、300ppm以上であることが更に好ましく、350ppm以上であることが更により好ましく、400ppm以上であることが特に好ましい。
本発明の牡蠣エキスは、そのままの形態で、または、必要に応じて牡蠣エキス以外の成分(薬理学的に許容される基剤)と共に、最終製品(例えば、飲食品、医薬部外品など)として用いることができる。また、飲食品用の添加剤、医薬部外品用の添加剤として用いることができる。薬理学的に許容される基剤は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されない。例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤、着香剤、酸化防止剤、防腐剤、呈味剤、酸味剤、甘味剤、強化剤、ビタミン剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤などの中から、製剤に必要な諸特性(例えば、製剤安定性)を損なわないものであって、最終製品(例えば、医薬部外品、飲食品)の剤形に応じたものを1種または2種以上選択することができる。また、本発明の牡蠣エキス以外の牡蠣エキスを併用してもよい。
本発明の牡蠣エキスの投与形態は特に限定されない。例えば、経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与など)などが挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、経口投与であることがより好ましい。
本発明の牡蠣エキスの剤形は、飲食品および医薬部外品のいずれとするかによって適宜決定することができ、特に限定されない。経口投与される際の剤形の例としては、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、錠剤(錠剤)、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒、細粒)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、固形状、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられる。
本発明の牡蠣エキスの摂取対象者は特に限定されないが、例えば、疲労を感じている対象者、体力の衰えを感じている対象者、肥満であることを気にしている対象者、その他、牡蠣エキスに含まれるフコキサンチン、フコキサンチノール、タウリン、グリコーゲン、亜鉛などによる効能を期待する対象者に適している。また、特段の不安などがない対象者であっても、健康の保持増進などを目的として日常的に摂取することができる。なお、フコキサンチンには抗酸化作用、抗肥満(脂肪細胞減少効果)、抗糖尿、血管新生作用があることが知られている(国際公開第2006/126325号、日本水産学会誌、74(2),261−262(2008)など)。従来の牡蠣エキスにはフコキサンチンが含まれていないのでこれらの効果は期待できなかったが、本発明の牡蠣エキスにはこれらの効果が期待できるため、付加価値が高い飲食品として有用である。
本発明の牡蠣エキスは、各種飲食品として利用することができる。例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料など)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベットなど)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、チーズ、マーガリン、発酵乳など)、スープ(粉末状スープ、液状スープなど)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアルなど)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆなど)が挙げられる。更に、本発明の牡蠣エキスは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品(サプリメント)、特定保健用食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の飲食品として利用することもでき、健康食品、機能性食品として利用することが好ましい。
実施例1
(1)牡蠣の養殖
牡蠣(マガキ、成体)養殖の仕上げ段階に、1週間絶食させた後、微細藻類(キートセラス・カルシトランス)を2週間給餌させた。生牡蠣中のフコキサンチン(FX)濃度を測定した結果、34ppm蓄積していた。またフコキサンチノールは3ppmを蓄積していた。
(2)抽出
牡蠣のむき身100g(8個分)にエタノール280g、水200gを加えて、70℃で60分間、攪拌した。その後、加圧ろ過して、抽出液と牡蠣残さを分離し、抽出液中の溶媒を留去し、減圧乾固させ、牡蠣エキスを得た。
比較例1
通常の方法で養殖した牡蠣を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、牡蠣エキスを調製した。
分析法
(1)フコキサンチン(FX)、フコキサンチノール(FXOH)の分析法
生牡蠣に含まれるフコキサンチン重量およびフコキサンチノール重量は下記のようにして測定した。むき身を凍結乾燥した。凍結乾燥は、液体窒素にむき身を入れ15分間浸漬して凍結させ、凍結乾燥機(ヤマト科学製)で一晩乾燥させた。乾燥した牡蠣はミキサーで粉砕した。粉末状の牡蠣にアセトン100mlを添加後、3時間撹拌し、ろ過して得られた抽出液を乾固させた。乾燥物をメタノールで全量を溶解させてFXおよびFXOH濃度50〜100ppmになるように調整し、HPLC−UV法により測定した。
抽出されたフコキサンチン重量は、牡蠣エキスにHPLC−UV法を適用して測定した。
〔HPLC−UV測定条件〕
分離カラム:Inertsil ODS−3(5μm,4.6mmI.D.×150mm)
移動相:メタノール/水=85/15
流速:1.0mL/分
オーブン温度:60℃
注入量:10μL
検出:440nm(UV)
(2)グリコーゲンの分析法
生牡蠣に含まれるグリコーゲン重量および抽出されたグリコーゲン重量は、それぞれ、生牡蠣および牡蠣エキスにフェノール硫酸法を適用して測定した。
すなわち、抽出されたグリコーゲン重量は以下のようにして測定した。牡蠣エキスの一部(牡蠣1個分に相当する液量)を乾固させ、水20mLで希釈して、希釈液Aを調整した。希釈液Aをさらに1%に水で希釈した。50mlビーカーに先ほど希釈した1%液とフェノール溶液を各々1mlを加えて、振り混ぜた。そこに硫酸5mlを一定時間で加えて、10秒間激しく攪拌させた。室温で30分間静置させ、分光光度計で490nmの吸光度を分析した。同様にしてグルコース10、50、100、200ppmの水溶液を調製したものを上記のように反応させ、検量線を作成した。
一方、生牡蠣に含まれるグリコーゲン重量の測定は、以下のようにして測定した。牡蠣むき身1個をラボミルサーでミンチ状にした。10%トリクロロ酢酸水溶液200mlを加え、1時間攪拌後、一夜放置した。その後ろ過を行い、5%トリクロロ酢酸50mlで2回で洗浄した。ろ液に水を加えて正確に500mlにし、この溶液を希釈液Bとした。上記抽出されたグリコーゲン重量の測定において、希釈液Aの代わりに希釈液Bを用いたほかは同様に、グリコーゲン重量の測定を行った。
(3)タウリンの分析法
生牡蠣に含まれるタウリン重量および抽出されたタウリン重量は、それぞれ、生牡蠣および牡蠣エキスにHPLCプレカラム法を適用して測定した。
抽出されたタウリン重量は以下のようにして測定した。上記項目(2)で説明した希釈液Aを、さらに20%に水で希釈した。希釈液0.15g、緩衝溶液(炭酸Na、炭酸水素Na)600μLを混ぜ、DabsCl−アセトン液600μLを加えた。その後70℃で12分間加熱した。室温冷却後、ろ過して分析サンプルとした。HPLCの測定条件は以下の通りとした。
一方、生牡蠣に含まれるタウリン重量の測定は、以下のようにして測定した。牡蠣むき身1個をラボミルサーでミンチ状にした。水溶液40mlを加え、1時間攪拌後ろ過を行い、ろ液にスルホサリチル酸2水和物4gを加えて再度1時間攪拌した。ついで6000rpmで5分間遠心し、上澄み液を分取し、分取された溶液を溶液Cとした。抽出されたタウリン重量の測定において、希釈液Aの代わりに溶液Cを用いたほかは同様に、タウリン重量の測定を行った。
〔HPLC条件〕
・カラム:ODS−3(GLサイエンス)
・展開溶媒:(A)35mmol/L酢酸Na (B)アセトニトリル
(A)/(B)=85/15(0分)→75/25(15分)→
30/70(45分)→85/15(50分)Gradient
・検出器:UV
・測定波長:465nm
・流量:1.0mL/分
・カラムオーブン:40℃
・注入量:5μL
(4)亜鉛の分析法
抽出された亜鉛重量は、希釈液A2mLをるつぼに入れて加熱して炭化させ、600℃で1時間灰化処理した。灰化物に硝酸[1+1]を3mL加えて酸分解させて、白煙が出なくなるまで加熱した。5%硝酸に溶解させ、ICPプラズマ発光分析装置により測定した。測定波長は213.8nmとした。
一方、生牡蠣に含まれる亜鉛重量の測定は、牡蠣エキスに代えて牡蠣むき身1個をラボミルサーでミンチ状にしたものを用いたほかは、抽出された亜鉛重量の測定と同様に行った。
Figure 2013192515
表1より明らかな通り、比較例1ではフコキサンチンおよびフコキサンチノールが全く検出されなかったのに対し、実施例1においてはフコキサンチンおよびフコキサンチノールが多量に回収され、中でもフコキサンチンの回収量が多かった。
これらの結果は、本発明により、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを蓄積した牡蠣から、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含む牡蠣エキスを簡便に抽出できること、およびこの牡蠣エキスには、牡蠣特有のタウリン、グリコーゲン、亜鉛などの有効成分も豊富に含まれていること、を示している。

Claims (7)

  1. フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣に由来する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣エキス。
  2. フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣は、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料が給餌された牡蠣である、請求項1に記載の牡蠣エキス。
  3. フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料が、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する微細藻類である、請求項2に記載の牡蠣エキス。
  4. フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する微細藻類が、キートセラスおよびフィスチュリフェラから選ばれる珪藻である、請求項3に記載の牡蠣エキス。
  5. フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを、総和含量で200ppm以上含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の牡蠣エキス。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の牡蠣エキスを含有する飲食品。
  7. フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する飼料を牡蠣に給餌し、その後牡蠣エキスを抽出する、フコキサンチンおよび/またはフコキサンチノールを含有する牡蠣エキスの製造方法。
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