JP2013199612A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents

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宣宏 赤松
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Abstract

【課題】成形物表面の有機溶剤、水等による洗浄や凹凸の形成、プラズマ処理による表面改質なしに塗膜およびメッキ前の中間層の塗装性および密着性に優れた成形物を与える不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することを提供しようとするものである。
【解決手段】(A)不飽和ポリエステル樹脂、(B)ラジカル重合性不飽和単量体、(C)低収縮化剤、(D)リン酸エステルおよび(E)コポリマーを含む不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、前記(C)低収縮化剤の含有量が、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して80〜210質量部であり、かつ前記(B)ラジカル重合性不飽和単量体の含有量が、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して90〜220質量部であることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物および同樹脂組成物を成形してなる成形物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物、特に表面塗装層を有する成形品に好的な不飽和ポリエステル組成物およびその成形物に関する。
不飽和ポリエステル樹脂成形材料(例えば、バルクモールディングコンパウンド:BMC)は、成形性だけでなく、得られる成形物の表面平滑性、寸法精度、耐熱性及び機械的強度等にも優れていることから、OA機器、事務機器のシャーシ、船舶のプロテクションボックス等で広く使用されている。
たとえば、特許文献1には、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、低収縮材、硬化剤、増粘剤及び有機繊維基材を含有するバルクモールディングコンパウンドにおいて有機繊維基材がビニロン繊維を主体とするものであるバルクモールディングコンパウンドが開示されている。
特許文献2には、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂、反応性希釈剤、無機充填材、補強材、有機過酸化物とを含有する熱硬化性樹脂成形材料が開示されている。
特許文献3には、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂、反応性希釈剤、無機充填材、補強材、有機過酸化物とを含有する熱硬化性樹脂成形材料が開示されている。
特許文献4には、不飽和ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂、無機充填剤、強化繊維および硬化剤からなる熱硬化性樹脂組成物を成形した光反射鏡が開示されている。
特許文献5には、不飽和ポリエステル樹脂及び/又はエポキシエステル樹脂、反応性希釈剤、低収縮剤、硫酸バリウム、耐酸・耐アルカリ性ガラス繊維及び硬化促進剤を含む熱硬化性成形材料が開示されている。
特許文献6には、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレートのモノマー又はプレポリマー、及びジアリルフタレートモノマー以外のラジカル重合性不飽和単量体からなる架橋剤、低収縮剤とを含むランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
特許文献7には、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、低収縮化剤及び硬化剤を含んでなる不飽和ポリエステル樹脂成形材料組成物が開示されている。
特許文献8には、不飽和ポリエステル樹脂及び/又はビニルエステル樹脂と、重合性架橋剤と、内部離型剤とを含むバルクモールディングコンパウンドに対して、ポリブタジエン類をさらに含むバルクモールディングコンパウンドが開示されている。
ところで、BMC成形物に金属質感を与える場合、成形物表面成形する等の表面改質ステップと中間層を施すステップ、真空メッキを施すステップが必要となる。
上記のような従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物では有機溶剤、水等による洗浄や成形物表面への凹凸の形成、プラズマ処理による表面改質を行なわなければ、塗料、メッキ前の中間層組成物等のハジキが生じ、塗膜が不均一となったり密着が不十分となり、場合によっては剥離するという問題があった。
特開2002−167447号公報 特開2003−212979号公報 特開2006−22163号公報 特開2006−133331号公報 特開2009−286839号公報 特開2010−049918号公報 特開2010−202812号公報 特開2011−162748号公報
本発明は、成形物表面の有機溶剤、水等による洗浄や凹凸の形成、プラズマ処理による表面改質なしに塗膜およびメッキ前の中間層の塗装性および密着性に優れた成形物を与える不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の目的を達成すべく研究を重ねた結果、不飽和ポリエステル樹脂、ラジカル重合性不飽和単量体および熱可塑性樹脂を所定の割合で含有し、かつ特定のリン酸エステルおよび特定の構造単位を有するコポリマーを含む不飽和ポリエステル樹脂組成物が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)(A)不飽和ポリエステル樹脂、(B)ラジカル重合性不飽和単量体、(C)低収縮化剤、(D)リン酸エステルおよび(E)コポリマー含む不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、前記(C)低収縮化剤の含有量が、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して80〜210質量部であり、かつ前記(B)ラジカル重合性不飽和単量体の含有量が、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して90〜220質量部であることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物、
(2)前記コポリマー(E)が下記(1)〜(3)のいずれか少なくとも一つ
Figure 2013199612
〔上記構造単位(1)において、R1およびR3はHまたはCH3、R2およびR4はアルキル基、ポリエステル基またはポリエーテル基、mおよびnは同一でも異なっていてもよい2〜45の整数、R1≠R3またはR2≠R4
Figure 2013199612
〔上記構造単位(2)において、R1はアルキル基、R2はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、カルボキシル基またはアルコキシ基、mおよびnは同一でも異なっていてもよい2〜45の整数、R1≠R2
Figure 2013199612
〔上記構造単位(3)において、R1およびR2はアルキル基、R3はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、カルボキシル基またはアルコキシ基、mおよびnは同一でも異なっていてもよい2〜45の整数〕
で表わされる構造単位を含むコポリマーである上記(1)に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物、
(3)前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が不飽和多塩基酸に由来する骨格として無水フタル酸とアリルアルコール反応物を含む水添ビスフェノール系アルキッド樹脂である上記(1)または(2)に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物、
(4)前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)がスチレンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物、
(5)前記低収縮化剤(C)がポリスチレン、スチレン―ブタジエン-スチレンブロック共重合体およびポリメタクリル酸メチルから選ばれる少なくともひとつである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物、
(6)上記(1)〜(5)のいずれか記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を成形してなる不飽和ポリエステル樹脂成形物および
(7)表面塗装層を有する上記(6)に記載の不飽和ポリエステル樹脂成形物を提供する。
本発明によれば、成形性に優れると共に、表面平滑性、耐熱性及び機械的強度に加えて、成形物の寸法精度、塗料やメッキ前の中間層組成物の塗装性及び密着性に優れた成形物を与える不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は(A)不飽和ポリエステル樹脂、(B)ラジカル重合性不飽和単量体、(C)低収縮化剤、(D)リン酸エステルおよび(D)コポリマーを含む。
本発明で使用される成分(A)である不飽和ポリエステル樹脂はα,β−不飽和二塩基酸またはその無水物からなる酸成分と多価アルコールとを重縮合して得られる不飽和ポリエステル(プレポリマー)である。
この不飽和ポリエステル樹脂に使用されるα,β−不飽和二塩基酸またはその無水物としては、例えばフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの1種または2種以上の酸またはその無水物が挙げられ、特にフタル酸やマレイン酸またはその無水物またはフマル酸が好適に用いられる。また、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して使用することができる。さらに、α,β−不飽和二塩基酸またはその無水物、多価アルコールに、必要に応じて飽和二塩基酸またはその無水物を加えて重縮合してもよい。飽和二塩基酸またはその無水物としては、例えばフタル酸またはその無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して使用することができる。また、上記多価アルコールの他に必要に応じて、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどの1種または2種以上を上記多価アルコールに混合して使用することができる。
多塩基酸成分と多価アルコールとは、当量比で、多塩基酸成分を1とすれば、多価アルコールを1〜1.3の範囲で使用することが好ましく、1.03〜1.05の範囲で使用することがより好ましい。多価アルコールを1.03以上とすることにより、得られる不飽和ポリエステル樹脂の分子量が小さくなるのを防止し、1.05以下とすることにより酸価が小さくなって増粘剤による増粘の進行が遅くなるのを防止する。不飽和ポリエステル樹脂の製造方法としては、従来から公知の方法によることができる。例えば、多塩基酸成分、多価アルコール成分とを縮合反応させ、両成分が反応するときに生じる縮合水を系外に除きながら進められる。
不飽和ポリエステル樹脂の数平均分子量は5,000〜15,000であることが好ましい。分子量がこの範囲内であると、所望の性能を有する不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる成形物が得られる。
重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。重合禁止剤は、前記不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との総量に対して0.5重量%以下で使用されることが好ましい。硬化剤を配合したときは、貯蔵安定性のため、0.05重量%以上含有させることが好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂の市販品としては、多塩基酸成分として無水フタル酸とアリルアルコール反応物に由来する骨格を有する日本ユピカ社の水添ビスフェノール系アルキッドであるユピカ7000シリーズ(例えば、ユピカ7123)等が挙げられる。
成分(B)のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエ、p−メチルスチレンメチルメタクリレートン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタクリル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、β−ヒドロキシメタクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル等のメタクリル酸又はアクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレートなどが挙げられ、また、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチールプロパントリメタクリレートなどの多官能のメタクリル酸又はアクリル酸のエステル類を用いることもできる。これらは1種または2種以上を混合して使用することが出来る。
中でも、スチレン、ビニルトルエン等が好ましい。
成分(B)のラジカル重合性不飽和単量体は、その所定量を成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂と混合して使用する。市販品の液状樹脂の場合、その中に含まれる成分(B)のラジカル重合性不飽和単量体を含めてラジカル重合性不飽和単量体は成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して90〜220質量部となるように使用することが成形物の塗膜密着性や外観レベリングの点から必要である。
本発明で使用される成分(C)の低収縮化剤としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体やスチレン−MMA共重合体のようなスチレン系共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル系共重合体、変性ABS樹脂、ポリカプロラクトン、変性ポリウレタンなどが挙げられる。
特に、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル系共重合体のようなアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、スチレン−酢酸ビニル共重合体のような酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン、およびスチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−イソプレン共重合体のようなスチレン−ジエン共重合体が分散性、低収縮性、剛性の点で好ましい。スチレン−ジエン共重合体の市販品としては、クレイトン社のDX410等が挙げられる。
ポリスチレンは、スチレンの単独重合体を意味し、熱可塑性樹脂として用いられる公知のポリスチレンの中から適宜選択することができる。その中でも、2,000〜400,000の重量平均分子量を有するポリスチレンが好ましい。このようなポリスチレンとしては、例えば、JSP製のYK450、積水化成品工業製S−10、S−20が挙げられる。
アクリル系樹脂は、アクリルモノマーの単独重合体を意味し、熱可塑性樹脂として用いられる公知のアクリル系樹脂の中から適宜選択することができる。その中でも、25,000〜50,000の重量平均分子量を有するアクリル系樹脂が好ましい。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられ、市販品としては、藤倉化成社のMHシリーズ(MH117Y等)、日本ユピカ社のユピカA−80等が挙げられる。
成分(C)の低収縮化剤は成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して80〜210質量部となるように使用することが塗装密着性や外観レベリングの点から必要である。
成分(D)のリン酸エステルはリン酸とアルコールが脱水縮重合したエステルを意味し、本発明では離型剤として使用され、例えばアルキルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ジアルコキシアルキル燐酸エステル等が挙げられる。リン酸エステルの具体的としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、ジブトキシエチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルの具体的としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ジアルコキシアルキル燐酸エステルの具体的としては、ジ(ブトキシエチル)ホスフェート、ジ(ヘキシロキシエチル)ホスフェート、ジ(オクチロキシエチル)ホスフェート、ジ(ノニロキシエチル)ホスフェート、ジ(デカロキシエチル)ホスフェート、(ドデカノキシエチル)ホスフェート、ジ(テトラデカロキシエチル)ホスフェート等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
離型剤としては、従来、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪族金属石鹸が使用されていたが、塗料のハジキが生じるため外観レベリングが悪いという問題があり、好ましくない。
成分(D)のリン酸エステルは塗膜密着性や外観レベリングの点から、成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して5〜40質量部となるように使用することが好ましい。10〜30質量部となるように使用することがより好ましい。
成分(E)は前記式(1)から(3)で表わされる構造単位のいずれか少なくとも一つを有するアクリル系、シリコン系、またはアクリル−シリコン系のポリマーであり、mおよびnは2〜45である。
前記式(1)において、R1およびR3はHまたはCH3、R2およびR4はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基である〔ただし、R1≠R3またはR2≠R4〕。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
前記式(2)において、R1はアルキル基、R2はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、カルボキシル基またはアルコキシ基、mおよびnは2〜45の整数である〔ただし、R1≠R2〕。アルキル基としては、前記式(1)におけるものと同じである。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
前記式(3)において、R1はアルキル基、R3はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、カルボキシル基またはアルコキシ基、mおよびnは2〜45の整数である。アルキル基としては、前記式(1)におけるものと同じである。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
上記のようなコポリマーの市販品としては楠本化成社製ディスパロンUVX−36、ディスパロンUVX−270、ディスパロンLF−1700シリーズ等が挙げられる。
成分(E)のコポリマーは塗装密着性や外観レベリングの点から成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して5〜35質量部となるように使用することが好ましい。10〜25質量部となるように使用することがより好ましい。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、成分(C)と(E)の併用により、塗料(塗膜)のハジキ防止剤として機能する。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は上記成分(A)〜(E)に加えて硬化剤、無機充填材、増粘剤、顔料、補強材等を必要に応じて使用することができる。
成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂の硬化反応を開始させる硬化剤としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど有機過酸化物が挙げられる。硬化剤の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂組成物中0.1〜3.0質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量%以上とすることにより、適切な時間内に硬化が進行するので好ましく、3.0質量%以下とすることにより、適切なポットライフを確保することができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物には、硬化を促進させるために、硬化促進剤を添加することもでき、用いられる硬化促進剤としては、ナフテン酸又はオクチル酸の金属塩(コバルト、亜鉛、ジルコニウム、マンガン、カルシウム等の金属塩)が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
必要に応じて前記不飽和ポリエステル樹脂組成物に配合される無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、マイカ、タルク、グラファイト、カーボンブラック、アスベスト、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ硫酸バリウム、マイカ、タルクなどの公知の無機充填剤が挙げられる。無機充填剤は成形物の表面平滑性等の観点から、平均粒径が0.1〜60μmの範囲にあることが好ましく、その形状は破砕状であることが好ましい。無機充填剤の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂組成物中60〜85質量%である。
無機充填剤はカップリング剤による表面処理されたものが好ましい。表面処理に用いるカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン等のシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が好適なものとして挙げられる。
必要に応じて前記樹脂組成物に配合される補強材としては、例えばガラス繊維、カーボン繊維(炭素繊維)、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、アモルファス繊維、有機繊維などがあげられ、これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
補強材を含有する本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、バルクモールディングコンパウンド(BMC)用、シートモールディングコンパウンド(SMC)用などとして使用される。
補強材としては、BMC、SMCなどのプレス成形においては、一般に、繊維長が長くなるほど成形品の外観不良(ウェルドライン)が発生しやすくなるため、平均繊維長13mm以下のものを使用することが好ましい。より好ましくは、平均繊維長1.5〜7mmの範囲のものである。平均繊維径は7〜13μmとすることにより、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高くなって均一に混合できなくなるのを防止する。平均繊維径を13μm以下とすることにより、成型物の強度が低下するのを防止する。
補強材の配合量は、成形時の流動性の観点から本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物100質量部あたり、通常、15質量部以下が好ましく、機械強度の観点から3質量部以上とすることがより好ましい。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、前記成分(A)〜(E)、および、必要に応じて添加される硬化剤、充填材、増粘剤、顔料、補強材等の各成分を常法に従い、十分に混合した後、さらに、ディスパース、ニーダー、3本ロールミル等により混練処理を行い、その後減圧脱泡することで容易に調製することができる。このとき、各成分を効率よく混合するために補強材の混合を最後に行うことが好ましい。
BMCやSMCは、圧縮成形、トランスファー成形等により成形することができる。成形温度は70〜150℃、成形圧力は0.1〜10MPaであることが好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、温度25℃における粘度が、10〜300Pa・sの範囲にあることが好ましい。この粘度が300Pa・sを超えると補強材への含浸性か不充分となり、好ましくない。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる成形物は、JIS K 6911に準拠して測定した25℃における成形収縮率が、−0.03〜+0.10%であることが好ましい。また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる成形物は、JIS K6911に準拠して測定した曲げ弾性率が、7〜12GPaであることが好ましい。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる成形物は、各種塗料を塗布した場合、ハジキのない部分の面積が多く、外観レベリングの優れた塗膜を形成させることができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる成形品を金型内に投入し、通常1〜10MPa、130〜150℃の条件で、1〜10分間程度加熱加圧して硬化させることにより、厚さ1〜100mmの成形品が得られる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を説明するが、本発明はこれら実施例および比較例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
成分(A)の不飽和ポリエステル樹脂として、水添ビスフェノール系アルキッド樹脂〔日本ユピカ社製、商品名:ユピカ7123〕の3.9質量部、成分(B)のラジカル重合性不飽和単量体として、スチレンモノマー〔SKエナジー社製〕の8.1質量部、成分(C)の低収縮化剤として、ポリスチレン〔JSP社製、品番YK450〕の6質量部、成分(D)のリン酸エステルとしてディスパロンPW−36〔楠本化成社製、商品名〕の1質量部、成分(E)のコポリマーとしてディスパロンUVX−270〔楠本化成社製、商品名〕の1質量部、充填剤として2μmの炭酸カルシウム〔常陸砕石社製、品番HTO−10〕の70質量部、硬化触媒として、t−ブチルオキシパーベンゾエート〔日油社製、商品名:パーブチルZ〕の0.3質量部、および着色剤としてカーボンブラック〔三菱化学社製、品番CB#30〕の0.004質量部を双腕型ニーダーに投入し、室温で30分間混練した。その後、補強材として6mm長のガラスチョップ〔日東紡、品番CS6SK406S〕の10質量部を加えて室温で10分間混練して不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製した。
次いで、圧縮成形機を使用して上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を圧力1.8MPa、温度160℃で60分加熱してシート状に成形し不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる厚さ10mmのシートを作製した。
塗装および塗膜の形成は以下のように行なった。
得られたシートに吐出圧3.5MPa、温度25℃でUV硬化型アクリル系塗料をスプレーコートし、UV照度30〜50mW/cm2、積算光量3500〜5000mJ/cm2で露光して塗膜を形成させた。
〔実施例2〜9、比較例1〜5〕
表1に記載した各成分をそれぞれの質量部使用した以外は実施例1と同様に行い、不飽和ポリエステル樹脂組成物からなる厚さ10mmのシートを作製し、塗装および塗膜の形成ならびに外観レベリングおよび塗装密着性の評価に供した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2013199612
実施例1〜9、比較例1〜5で使用した成分(A)〜(E)の詳細は下記の通りである。
(1)成分(A)〔不飽和ポリエステル樹脂〕
ユピカ7123:無水フタル酸とアリルアルコール反応物に由来する骨格を含む日本ユピカ社製の水添ビスフェノール系アルキッド樹脂
(2)成分(B)〔ラジカル重合性不飽和単量体〕
スチレンモノマー:SKエナジー社製のスチレンモノマー
(3)成分(C)〔低収縮化剤〕
YK450:日本スチレンペーパー(JSP)社製のポリスチレン
DX410:クレイトン・ポリマーズ社製のスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体
MH117Y:藤倉化成社製のポリメタクリル酸メチル
(4)成分(D)〔リン酸エステル〕
ディスパロンPW−36:楠本化成社製のアルキルリン酸エステル
(5)成分(E)〔コポリマー〕
ディスパロンUVX−270:前記式(1)および式(2)の構造単位を有する楠本化成社製の(アクリル+シリコーン)系コポリマー
ディスパロンUVX−36:前記式(1)の構造単位を有する楠本化成社製のアクリル系コポリマー
ディスパロン1711:前記式(2)の構造単位を有する楠本化成社製のシリコーン系コポリマー
[測定および評価方法]
(1)成形収縮率
JIS K6911に準じて、マイクロメーターを用いて成形後の23℃でのテストピース(長さ100mm×幅100mm×厚さ10mmに成形)の寸法と金型寸法の差を測定した。表1中の成形収縮率の単位は%である。
(2)塗膜密着性
実施例および比較例で得られたシートに厚さ約20μmの塗膜を形成しJIS K5400、8−5項の付着性に規定される碁盤目試験(切り傷間隔:2mm)を行い、付着性(表18)に規定される評価点数で評価した。評価点数が9以上のものを◎、7〜8のものを○、5〜6のものを△、4以下のものを×と判定した。評価点数というのは、目視で評価した点数である。
(3)外観レベリング
前記塗料を実施例および比較例で得られたシートに塗布し、厚さ20μmの塗膜を形成して目視で評価した。評価はハジキのない部分の面積が90%以上のものを◎、ハジキのない部分の面積が70〜90%のものを○、ハジキのない部分の面積が50〜70%のものを△、ハジキのない部分の面積が50%以下のものを×として判定した。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、例えば、BMCの分野で有用であり、得られる成形物の表面平滑性、寸法精度等にも優れていることから、OA機器、事務機器のシャーシ、船舶のプロテクションボックス等で広く使用可能である。

Claims (7)

  1. (A)不飽和ポリエステル樹脂、(B)ラジカル重合性不飽和単量体、(C)低収縮化剤、(D)リン酸エステルおよび(E)コポリマーを含む不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、前記(C)低収縮化剤の含有量が、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して80〜210質量部であり、かつ前記(B)ラジカル重合性不飽和単量体の含有量が、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して90〜220質量部であることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記コポリマー(E)が下記(1)〜(3)のいずれか少なくとも一つ
    Figure 2013199612
    〔上記構造単位(1)において、R1およびR3はHまたはCH3、R2およびR4はアルキル基、ポリエステル基またはポリエーテル基、mおよびnは同一でも異なっていてもよい2〜45の整数、R1≠R3またはR2≠R4
    Figure 2013199612
    〔上記構造単位(2)において、R1はアルキル基、R2はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、カルボキシル基またはアルコキシ基、mおよびnは同一でも異なっていてもよい2〜45の整数、R1≠R2
    Figure 2013199612
    〔上記構造単位(3)において、R1およびR2はアルキル基、R3はアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、カルボキシル基またはアルコキシ基、mおよびnは同一でも異なっていてもよい2〜45の整数〕
    で表わされる構造単位を含むコポリマーである請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が不飽和多塩基酸に由来する骨格として無水フタル酸とアリルアルコール反応物を含む水添ビスフェノール系アルキッド樹脂である請求項1または2に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記ラジカル重合性不飽和単量体(B)がスチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記低収縮化剤(C)がポリスチレン、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体およびポリメタクリル酸メチルから選ばれる少なくともひとつである請求項1〜4のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を成形してなる不飽和ポリエステル樹脂成形物。
  7. 表面塗装層を有する請求項6に記載の不飽和ポリエステル樹脂成形物。
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