JP2013244591A - タング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具 - Google Patents

タング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の工具に比して、構造がより簡単で、製造組み立ても簡単であり、従って、製造コストの低減をも可能な、しかも、操作性に優れたタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具を提供する。
【解決手段】タング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1は、被加工物に装着されたタング無し螺旋状コイルインサートを被加工物から抜取るために、先端部がネジ軸45とされるマンドレル41と、細長形状部材であって、一端にタング無し螺旋状コイルインサートの被加工物の表面側に位置した端部コイル部の切欠きに係合する爪部81を備えた作動部82と、作動部82と一体に形成された支持部83とを備えた枢動爪80と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加工物に装着されたタング無し螺旋状コイルインサートを被加工物から抜取るためのタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具に関するものである。
従来、アルミニウムなどの軽金属、プラスチック、鋳鉄などから成る被加工物に直接タップ立てしたままでは雌ネジが弱くて高い締め付け力が得られない場合に、信頼性の高いネジ締結を保障するべく螺旋状コイルインサートが使用されている。
螺旋状コイルインサートにはタング付き螺旋状コイルインサートとタング無し螺旋状コイルインサートがあるが、タング付き螺旋状コイルインサートは、被加工物に装着後タングを除去し、更に、除去したタングを回収する作業が必要となる。そこで、このような作業が必要とされないタング無し螺旋状コイルインサートが使用されることがある。
特許文献1には、斯かるタング無し螺旋状コイルインサートのための取付工具が開示されている。
本願添付の図7〜図9を参照して説明すると、次の通りである。
取付工具300は、管状体部材301と、管状体部材301に支持されたマンドレル集合体302とを備えている。枢動爪303がマンドレル集合体302の長手方向に形成された空洞304内に配置され、枢動爪303は、一方の先端部に、タング無し螺旋状コイルインサート100の端部コイル部100aの切欠き101(図9)に係合するフック部分305を備えている。
本例においては、枢動爪303は、ばね306によって枢動軸307の周りに付勢されており、マンドレル集合体302が矢印308方向へと移動して、枢動爪303の他端309がマンドレル集合体302に形成した穴に入ったとき、枢動爪303は枢動軸307の回りに回転し、フック部分305がコイルインサート100の工具挿入方向出口側の端部コイル部100aの切欠き101に没入するように構成されている。
上記特許文献1に記載されるタング無し螺旋状コイルインサートのための取付工具300は、操作性に優れているが、特に、枢動爪303を備えたマンドレル集合体302は、その構造が複雑で、製造及び組立が困難で、製品コストを高いものとする要因となっている。
そこで、本発明者は、特許文献2に記載する挿入工具を提案した。
つまり、本願添付の図6(a)、(b)に示すように、特許文献2に記載する挿入工具は、タング無し螺旋状コイルインサート100(図7、図9参照)を被加工物に挿入するために、先端部がネジ軸45とされるマンドレル41と、細長形状部材であって、一端にネジ軸45に螺合したタング無し螺旋状コイルインサート100の出口側端部コイル部100aの切欠き101に係合する爪部81を備えた作動部82と、作動部82と一体に形成された支持部83とを備えた枢動爪80を備えている。枢動爪80は、枢動爪取付溝71に装着され、且つ、支持部83が枢動軸84にて揺動自在にマンドレル41に取り付けられ、付勢手段88(88a、88b)が支持部83に作用して、爪部81に形成したフック部分90がタング無し螺旋状コイルインサート100の切欠き101に弾発的に係合するように、爪部81をネジ軸45の半径方向外方向へと付勢している。
斯かる構成のタング無し螺旋状コイルインサート挿入工具は、従来の工具に比して、構造がより簡単で、製造組み立ても容易であり、従って、製造コストの低減をも可能な、しかも、操作性に優れている。
特許第384920号公報 特願2010−269710
本発明者は、上記特許文献2に記載されるタング無し螺旋状コイルインサート挿入工具の特徴ある構成に着目し、斯かる挿入工具の構成をタング無し螺旋状コイルインサートの抜取り工具にも適用し得ないかを検討した結果、極めて好適に具現化し得ることを見出した。
すなわち、本発明の目的は、従来の工具に比して、構造がより簡単で、製造組み立ても容易であり、従って、製造コストの低減をも可能な、しかも、操作性に優れたタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具を提供することである。
上記目的は本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具にて達成される。要約すれば、本発明は、被加工物に装着されたタング無し螺旋状コイルインサートを前記被加工物から抜取るために、先端部がネジ軸とされるマンドレルと、
細長形状部材であって、一端に前記タング無し螺旋状コイルインサートの前記被加工物の表面側に位置した端部コイル部の切欠きに係合する爪部を備えた作動部と、前記作動部と一体に形成された支持部とを備えた枢動爪と、
を有するタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具であって、
前記マンドレルは、前記ネジ軸が形成された小径軸部と、前記小径軸部に連接して形成された外径が前記小径軸部より大径とされる細長筒形状の管状軸部とを有し、
前記小径軸部及び前記管状軸部には、前記枢動爪を設置するために、前記小径軸部の端面から前記マンドレルの軸線方向に所定長さに亘って枢動爪取付溝が形成され、
前記枢動爪は、前記枢動爪取付溝に装着され、且つ、前記支持部が枢動軸にて揺動自在に前記マンドレルに取り付けられ、
前記管状軸部には、前記枢動爪の前記支持部に作用する付勢手段を備え、
前記付勢手段は、前記支持部に作用して、前記爪部に形成したフック部分が前記タング無し螺旋状コイルインサートの前記被加工物の表面側に位置した端部コイル部の前記切欠きに弾発的に係合するように、前記爪部を前記ネジ軸の半径方向外方向へと付勢していることを特徴とするタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具である。
本発明の一実施態様によると、前記付勢手段は、前記管状軸部の内部に収納された圧縮コイルバネと、前記圧縮コイルバネにより前記枢動爪の前記支持部の端面に当接されるバネ受け部材と、を備えている。
本発明の他の実施態様によると、前記枢動爪は、細長形状の板部材とされ、前記爪部は、前記板部材の先端から所定距離の板厚端面領域に形成され、前記支持部は、前記付勢手段の前記バネ受け部材に当接する後端面が幅方向に傾斜しており、前記バネ受け部材が前記傾斜した後端面に係合することにより、前記爪部を前記ネジ軸の半径方向外方向へと付勢する。
本発明の他の実施態様によると、前記ネジ軸の先端部に一体に、前記枢動爪より更に前記ネジ軸の軸線方向外方へと所定長さ突出して、前記コイルインサートの内部に螺合又は挿入可能なガイド部が形成される。
本発明によれば、従来の工具に比して、構造がより簡単で、製造組み立ても容易である。従って、本発明のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具は、製造コストの低減が可能であり、しかも、操作性に優れている。
図1(a)は、本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具の一実施例における枢動爪が装着されたマンドレルの中央縦断面図であり、図1(b)は、枢動爪が装着されたマンドレルの平面図であり、図1(c)は、枢動爪の正面図である。 ネジ軸の他の実施例を示す部分平面図である。 図3(a)は、枢動爪の爪部の斜視図であり、図3(b)は、爪部のフック部分と螺旋状コイルインサートの入口側端部コイル部切欠きとの係合状態を説明する正面図であり、図3(c)は、爪部の傾斜部分と螺旋状コイルインサートの入口側端部コイル部切欠きとの係合状態を説明する正面図である。図3(d)は、螺旋状コイルインサートの斜視図である。 本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具の一実施例の斜視図である。 図4-2(a)、(b)は、本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具の使用の一例を説明する斜視図である。 図5(a)、(b)、(c)、(d)は、図4に示す本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具の作動及び操作を説明するための断面図である。 特許文献2に記載する本発明者が開発したタング無し螺旋状コイルインサート挿入工具を示しており、図6(a)は、タング無し螺旋状コイルインサート挿入工具における枢動爪が装着されたマンドレルの中央縦断面図であり、図6(b)は、枢動爪が装着されたマンドレルの平面図である。 従来のタング無し螺旋状コイルインサート挿入工具の一例を示す斜視図である。 図7に示す従来のタング無し螺旋状コイルインサート挿入工具の断面図である。 タング無し螺旋状コイルインサート挿入工具の爪部のフック部分と、螺旋状コイルインサートの端部コイル部切欠きとの係合状態を説明する正面図である。
以下、本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(工具の全体構成)
図4-1に、本発明に係るタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1の一実施例の全体構成を示す。本実施例によると、タング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1は、手動式とされ、マンドレル組立体40を有する。
マンドレル組立体40は、マンドレル41を備えている。マンドレル41にはマンドレル駆動ハンドル50が設けられ、手動でマンドレル41を回転駆動するように構成される。駆動ハンドル50でマンドレル41を回転することにより、マンドレル41の先端部を構成するネジ軸45が回転する。このとき、マンドレル駆動ハンドル50でマンドレル41の回転操作を容易にするために、図4-2(b)に示すように、作業者が把持し得る把持管51をマンドレル41に回転自在に装着することができる。把持管51は、例えばマンドレル41に環状溝52を形成しておき、必要に応じてこの溝41に止め輪53を取付けることによりマンドレル41に装着することができる。
本発明のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1は、図5(a)〜(d)に示すように、既に被加工物200に装着されたタング無し螺旋状コイルインサート100を抜取るものであり、従って、タング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1の先端ねじ軸45を、被加工物200に装着されたコイルインサート100の入口側コイル部(即ち、抜取り工具1が接近する被加工物表面側のコイル部)100bに適合し、マンドレル駆動ハンドル50を回転することにより、マンドレル41のネジ軸45が、コイルインサート100の入口側コイル部100bから反端側の他端側コイル部100a方向へと、つまり、コイルインサート内部へと螺入される(図5(a)、(b))。次いで、マンドレル駆動ハンドル50を逆転させると、ねじ軸45は、先ほどとは逆回転し、コイルインサート100から離脱するべくコイルインサート内部から入口側コイル部100b方向へと戻され、爪部81がコイル部100bの切欠き部101に係合し、コイルインサート100が被加工物200から抜取られる。詳しくは後述する。
(マンドレル組立体)
次に、本発明の特徴部を構成するマンドレル組立体40について、図1(a)〜(c)、図2、図3(a)〜(d)及び図4を参照して説明する。
図4を参照して上述したように、マンドレル組立体40は、マンドレル41を備えており、本実施例によれば、マンドレル41は、先端部がネジ軸45とされる。
更に説明すると、マンドレル41は、図4にて、ネジ軸45が形成された小径軸部42と、この小径軸部42に連接して形成された、外径が小径軸部42より大径とされ、所定の内径を有した管状軸部43とを有している。更に、管状軸部43は、マンドレル駆動ハンドル50が取り付けられた駆動軸部44と一体に接続される。駆動軸部44は、例えば、その小径接手部44aが管状軸部43の内径部に挿入され、ピン44bにて止着される。
図1(a)、(b)は、マンドレル組立体40を水平に配置した状態を示しており、図1(a)は中央縦断面図であり、図1(b)は平面図である。図1(c)は、枢動爪80の正面図である。
マンドレル41の小径軸部42は、図1(a)、(b)では左側端部から所定長さLに亘って、タング無し螺旋状コイルインサート100の内径ネジ部(雌ネジ)に螺合し得る雄ネジ70が形成されたネジ軸45とされる。
本実施例によると、マンドレル41の小径軸部42及び管状軸部43には、マンドレル41の軸線方向に沿って枢動爪80が取り付けられる。枢動爪80の先端面81aは、ネジ軸45の先端面42aより所定距離L45a(ネジ山1〜5個程度)だけ内方へと後退して配置される。ネジ軸45の長さL45aの領域45aは、詳しくは後述するように、ネジ軸45をコイルインサート100に挿入する際のガイド部として機能する。
本実施例では、図1(a)、(b)に示すように、マンドレル41の左側端面42aから、長さL42とされる小径軸部42の全域(即ち、L71a(=L42))及び管状軸部43の長さL71bの領域に亘って、長さL71にて軸線方向に一つの枢動爪取付溝71が形成される。小径軸部42においては、小径軸部42の中心方向に深さH、幅Wにて枢動爪取付溝71が形成され、管状軸部43においては、管状軸部43の肉厚部分を貫通して形成される。小径軸部42の枢動爪取付溝71は、図面上左側端部がネジ軸45の端面42aに開口している。
参考のために、一具体的寸法を挙げれば、本実施例では、マンドレル41にて、小径軸部42の長さL42=20mm、ネジ軸45の外径D=5mm、長さL=7mm(L45a=1mm)、とされた。管状軸部43は、長さL43=40mm、内径d43=7mm、外径D43=8mmとし、駆動軸部44の長さL44=53mm(L44a=14mm)、外径D44=8mm(D44a=7mm)とした。枢動爪取付溝71は、長さL71a(=L42)=20mm、L71b=24mm、深さH=4.5mmとした。
枢動爪80は、細長形状部材であって、特に、本実施例では、厚さ(t)=1.3mmの金属製の、例えば鋼製の板部材とされ、この板厚(t)=1.3mmより僅かに大きな幅(W)、例えば、W=1.4〜1.5mmとされる枢動爪取付溝71内に可動に装着される。また、枢動爪80は、長手方向略中央部にて枢動軸受け孔84aを介して枢動軸84にて揺動自在に管状軸部43に取り付けられる。
更に説明すると、枢動爪80は、枢動軸84よりも左側の小径軸部42内に位置した作動部82と、枢動軸84よりも右側の管状軸部43内に位置した支持部83とにて構成される。
作動部82の幅W2は、支持部83の幅W3よりも狭くされている。支持部83は、その幅W3が作動部82との連接部にて最も狭い幅W3minとされ、支持部83の後端領域にて最大の幅W3maxとされる。支持部83の幅W3maxは、作動部82が枢動軸84の回りに揺動し得るように、管状軸部43の内径d43より幾分小さくされる。支持部83の上面83aと管状軸部43の内壁との間には間隙g1が設けられる。また、支持部83の下面83bもまた、後端位置から枢動軸84側へと上方に傾斜した形状とされ、支持部83の下面83bと管状軸部43の内壁との間には、次第に大きくなる空隙g2が形成されている。
参考のために、一具体的寸法を挙げれば、本実施例では、枢動爪80の全長L80=46mmとされ、枢動爪80の先端(図1にて左側端)から枢動軸受け孔84aまでの作動部82の長さL82=23mm、幅W2=1.53mm、とされ、枢動軸受け孔84aから後端(図1にて右側端)まで支持部83の長さL83=23mm、最大幅W3max=4.5mm、最小幅W3min=3.5mmとされた。また、作動部82は、先端81aより距離L80a=30mmの位置から、支持部83に対して角度θ1=4°にて傾斜している。
また、作動部82の長さL82a=18.5mm、支持部83の長さL83a=26mmとされる。上記構成により、図1(c)に示すように、作動部82と支持部83との接続部には段差部85が形成され、本例では、この段差部85を形成する角度θ2=120°とされる。従って、段差部85の長さL85は略1.5mmとされる。
枢動爪80の作動部82の先端81aの領域には、図1にて左側には、上述したように、一旦マンドレル駆動ハンドル50を回転することにより、ネジ軸45が、被加工物に装着されたコイルインサート内部へと螺入した後、マンドレル50を逆転させることによりねじ軸45がコイルインサートから離脱されるとき、タング無し螺旋状コイルインサートの入口側の端部コイル部100aの切欠き101に係合する爪部81が形成されている。即ち、爪部81は、板部材とされる作動部82の先端81aから所定長さL81の板厚端面領域に形成される。爪部81の詳細については後述する。
なお、爪部81は、ネジ軸45の先端面(図1にて左側面)42aから所定の距離L45aだけ後退した位置にその先端面81aが位置している。ネジ軸45の長さL45aの領域45aは、コイルインサート抜取り工具1にて被加工物に装置されたコイルインサート100を抜き取る作業を行う際に、先ず、その先端ネジ軸45を、コイルインサート100の入口部領域の1〜5個程度の雌ネジのネジ山(通常、1〜2山程度でも良い)に螺入させるためのガイド部として機能する。従って、ガイド部としての機能を増大させるために、本例では、上述したマンドレル41の形状寸法にて、小径軸部42の長さL42は20mmから26mm、長さLは7mmから13mm(L45aは1mmから6mm)程度にまで大きくすることができる。
なお、別法として、図2に示すように、ネジ軸45の先端領域L70aのネジ山を削除し、単に、ネジ軸45の軸線方向に外方へと突出し、被加工物に装置されたコイルインサート100の内径部に嵌合する軸状のガイド部としても良い。
このように、ネジ軸45の先端部に、所定長さを有したガイド部としての領域45aを有することにより、抜き取り作業性を向上させることができる。
一方、枢動爪80の支持部83の後端面(図1にて右側端面)は、図1(a)にて、管状軸部43の内壁面の直角方向の垂線に対して幅方向に所定角度αだけ傾斜した傾斜面87とされる。本実施例では、角度αは、5°とされた。ただし、この値に限定されるものではない。
図1(c)に示すように、この傾斜面87に付勢手段88からの押圧力(A)が付与され、支持部83の傾斜端面87が下方(B)に押圧されることにより、枢動爪80の爪部81は、上方(C)へと揺動し、タング無し螺旋状コイルインサート100の切欠き101に係止可能とする。また、爪部81が下方に押圧された場合には、傾斜面87は、上方へと可動とされる。
本実施例では、付勢手段88は、管状軸部43の内部に収納された圧縮コイルバネ88aと、圧縮コイルバネ88aにより枢動爪80の支持部83の傾斜端面87に当接されるバネ受け部材88bと、を備えている。バネ受け部材88bは、段状の短軸部材とされ、圧縮コイルばね88aと当接する大径部88b1と、傾斜端面87に当接する小径部88b2とにて形成される。上述したように、バネ受け部材88bは圧縮コイルバネ88aにより枢動爪80の傾斜端面87に押圧(A)されることにより、枢動爪80の傾斜端面87を、図1(c)にて下方(B)へと押圧する。従って、上述したように、枢動爪80の爪部81をネジ軸45の半径方向外方向(C)へと付勢することとなる。これにより、詳しくは後述するように、爪部81に形成したフック部分90がタング無し螺旋状コイルインサート100の切欠き101に弾発的に係合する。
勿論、付勢手段88は、上記構成に限定されるものではなく、例えば、バネ受け部材88bの代わりに、図6(a)に示すように、圧縮コイルバネ88aにより枢動爪80の支持部83の傾斜端面87に当接されるボールとすることもできる。
次に、枢動爪80の爪部81について説明する。
上述したように、本発明のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1は、既に被加工物200に装着されたタング無し螺旋状コイルインサート100を抜取るものであり、従って、図5(a)〜(d)に示すように、タング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具1の先端ネジ軸45を、被加工物200に装着されたコイルインサート100の入口側に適合し、マンドレル駆動ハンドル50により回転されると、マンドレル41のネジ軸45が、コイルインサート100の入口側から反端側の他端側へと、つまり、コイルインサート内部へと螺入される。次いで、マンドレル50を逆転させると、ねじ軸45は、先ほどとは逆回転し、コイルインサート内部から入口側へと戻される。
従って、本発明の抜取り工具1は、上述したように、枢動爪80の作動部82の先端部には、図1にて左側には、爪部81が形成されている。この爪部81は、マンドレル駆動ハンドル50を回転することにより、ネジ軸45が被加工物200に装着されたコイルインサート内部へと螺入した後、マンドレル50を逆転させることによりねじ軸45がコイルインサート100から離脱されるとき、タング無し螺旋状コイルインサート100の入口側の端部コイル部100bの切欠き101に係合する。即ち、爪部81は、板部材とされる作動部82の先端81aから所定距離L81の板厚端面領域に形成される。次に、爪部81の詳細について説明する。
枢動爪80の爪部81には、フック部分90が形成される。このフック部分90は、図3(a)〜(d)をも参照すると理解されるように、タング無し螺旋状コイルインサート100の抜取り時に、コイルインサート100の入口側、即ち、被加工物200に装着されたコイルインサート100の工具が挿入される側の端部コイル100bの、切欠き101に係止する。
爪部81は、枢動爪取付溝部71内でネジ軸45の半径方向に円滑に移動可能とされた所定の形状寸法、即ち、長さL81及び厚さT1、幅W1(即ち、枢動爪80の板厚(t))の概略矩形状板部材とされる。
爪部81の上面は、ネジ軸45の外径と略同じか、僅かに半径方向へと突出するように設定されている。爪部81は、その上面をネジ軸45の中心方向へと押圧することにより、支持部83に対する付勢手段88、即ち、圧縮コイルバネ88aの付勢力に抗して取付溝部71内へと押入可能とされる。
更に、図3(a)を参照して、爪部81について説明する。図3(a)は、本実施例にて使用される爪部81の一実施例を示す。また、図3(d)にタング無し螺旋状コイルインサート100の一例を示す。
本実施例にて、爪部81の一方の面には、即ち、図3(a)にて手前側の面には、ネジ軸45と共に回転してタング無し螺旋状コイルインサート100へとねじ込まれた後、逆回転時に、図3(b)に示すように、コイルインサート100の入口側端部コイル部100bの切欠き101と弾発的に係止するフック部分90が形成されている。このフック部分90は、コイルインサート100の端部コイル部100b(図3(d)参照)の切欠き101に係合する形状とすることができる。このフック部分90の窪みの深さEは、図3(a)、(b)に示すように、抜取り作業中にコイルインサート100の切欠き101がこの窪み90の中に維持され、窪み凹面と接触し続けるように設定される。
なお、本実施例では、フック部分90の反対側(後面)には、傾斜部分91が形成されている。この傾斜部分91は、図3(c)に示すように、ネジ軸45を被加工物に装着されているコイルインサート100にねじ込む際に、コイルインサート100の端末コイル部100b(図3(d))が、ネジ軸外周から僅かに突出した爪部81を付勢手段88による付勢力に抗して内方へと押入し、爪部81がネジ軸45内へと円滑に螺入するためのガイド機能をなす。
参考のために、爪部81の一具体的寸法を挙げれば、本実施例では、図3(a)にて、長さL81=1.6mm、高さT1=2.5mm、幅W1(=t)=1.3mm、とした。また、フック部90の凹み量Eは、0.1〜0.3mm程度とされる。
爪部81の形状は、図3(a)を参照して説明した上記実施例に示す構造のものに限定されるものではなく、当業者には他の種々の変更形態が想到されるであろう。
(工具の作動態様及び操作方法)
次に、特に図5(a)、(b)、(c)、(d)をも参照して、上記構成とされる本発明の螺旋状コイルインサート抜取り挿入工具1の作動態様及び操作方法について説明する。
先ず、図5(a)に示すように、螺旋状コイルインサート抜取り挿入工具1のネジ軸45の先端部を、被加工物200に装着されているコイルインサート100の入口側(即ち、被加工物200の表面側)の端部コイル部100bに対向させる。
次いで、ネジ軸45の先端部をコイルインサート100の入口側端部コイル部100bに適合し、図5(b)に示すように、マンドレル駆動ハンドル50を矢印で示す所定の方向(ここでは、工具側からコイルインサート側を見て時計方向)に回転させる。これにより、図5(b)に示すように、先ず、ネジ軸45の先端ガイド部45a(例えば1〜2山程度)がコイルインサート100の内周ネジ部に螺合する。更にマンドレル駆動ハンドル50を回転することにより、ネジ軸45は、コイルインサート100の他端側コイル部100aの方向へと、即ち、コイルインサート100の内部へと螺入し、ネジ軸45に設置された爪部81のフック部90が螺旋状コイルインサート100の入口側端部コイル部100bの切欠き101に至る。
勿論、ネジ軸先端ガイド部45aに、図2に示すように、ネジ山が形成されていない場合には、ネジ軸45の先端ガイド部45aを、図5(b)に示すように、コイルインサート100の入口側端部コイル部100bに適合し、そして、コイルインサート100の内部へと挿入する。次いで、マンドレル駆動ハンドル50を矢印で示す所定の方向(時計方向)に回転させる。これにより、ネジ軸45の先端ネジ山がコイルインサート100の内周ネジ部に螺合し始める。更にマンドレル駆動ハンドル50を回転することにより、ネジ軸45は、コイルインサート100の他端側コイル部100aの方向へと、即ち、コイルインサート100の内部へと螺入し、ネジ軸45に設置された爪部81のフック部90が螺旋状コイルインサート100の先端コイル部100bの切欠き101に至る。
上記いずれの場合であっても、更に、マンドレル駆動ハンドル50を所定の方向(時計方向)に回転させることにより、図3(c)に示すように、フック部分90の反対側(後面)に形成された傾斜部分91がコイルインサート100の端末コイル部100bに突き当たることにより、ネジ軸外周から僅かに突出した爪部81を付勢手段88による付勢力に抗して内方へと押入し、爪部81がネジ軸45内へと円滑に螺入される。
フック部ネジ軸45の略全体がコイルインサート100内へと螺入された時点で、即ち、爪部81がコイルインサート100の内部へと、少なくともコイルインサート100の2〜3山以上の雌ネジ山位置に位置させる。
この状態で、図5(c)に示すように、マンドレル駆動ハンドル50の回転を矢印で示す逆方向(反時計方向)に回転させると、ネジ軸45は、コイルインサート100から離脱方向、即ち、コイルインサート100の入口側端部コイル部100b方向へと移動する。そして、ネジ軸45に設置された爪部81のフック部90が螺旋状コイルインサート100の先端コイル部100bの切欠き101に至る。爪部81は、図3(b)に示すように、タング無し螺旋状コイルインサート100の入口側の端部コイル部の切欠き101に係合する。従って、マンドレル駆動ハンドル50の回転を継続して行うことにより、爪部81のフック部90によりタング無し螺旋状コイルインサート100を逆回転させ、それにより、螺旋状コイルインサート100は、図5(d)に示すように、被加工物200から除去される。
本実施例によると、螺旋状コイルインサート100を被加工物200から作業性良く抜取ることができる。
上記実施例では、本発明が手動式のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具である場合について説明したが、本発明は、電動式のタング無し螺旋状コイルインサート抜取りにも同様に適用し、同様の作用効果を得ることができる。本発明の特徴部を除いた、電動式の螺旋状コイルインサート抜取り工具の全体構成は、当業者には周知である。従って、更に詳しい説明は省略する。
1 螺旋状コイルインサート抜取り工具
40 マンドレル組立体
41 マンドレル
42 小径軸部
43 管状軸部
44 駆動軸部
45 マンドレルネジ軸
45a ガイド部
70 雄ネジ
71 枢動爪取付溝
80 枢動爪
81 爪部
82 作動部
83 支持部
84 枢動軸
85 段差
86 切り欠き凹部
87 傾斜端面
88 付勢手段
88a 圧縮コイルバネ
88b バネ受け部材
90 フック部分

Claims (4)

  1. 被加工物に装着されたタング無し螺旋状コイルインサートを前記被加工物から抜取るために、先端部がネジ軸とされるマンドレルと、
    細長形状部材であって、一端に前記タング無し螺旋状コイルインサートの前記被加工物の表面側に位置した端部コイル部の切欠きに係合する爪部を備えた作動部と、前記作動部と一体に形成された支持部とを備えた枢動爪と、
    を有するタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具であって、
    前記マンドレルは、前記ネジ軸が形成された小径軸部と、前記小径軸部に連接して形成された外径が前記小径軸部より大径とされる細長筒形状の管状軸部とを有し、
    前記小径軸部及び前記管状軸部には、前記枢動爪を設置するために、前記小径軸部の端面から前記マンドレルの軸線方向に所定長さに亘って枢動爪取付溝が形成され、
    前記枢動爪は、前記枢動爪取付溝に装着され、且つ、前記支持部が枢動軸にて揺動自在に前記マンドレルに取り付けられ、
    前記管状軸部には、前記枢動爪の前記支持部に作用する付勢手段を備え、
    前記付勢手段は、前記支持部に作用して、前記爪部に形成したフック部分が前記タング無し螺旋状コイルインサートの前記被加工物の表面側に位置した端部コイル部の前記切欠きに弾発的に係合するように、前記爪部を前記ネジ軸の半径方向外方向へと付勢していることを特徴とするタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具。
  2. 前記付勢手段は、前記管状軸部の内部に収納された圧縮コイルバネと、前記圧縮コイルバネにより前記枢動爪の前記支持部の端面に当接されるバネ受け部材と、を備えていることを特徴とする請求項1のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具。
  3. 前記枢動爪は、細長形状の板部材とされ、前記爪部は、前記板部材の先端から所定距離の板厚端面領域に形成され、前記支持部は、前記付勢手段の前記バネ受け部材に当接する後端面が幅方向に傾斜しており、前記バネ受け部材が前記傾斜した後端面に係合することにより、前記爪部を前記ネジ軸の半径方向外方向へと付勢することを特徴とする請求項1又は2のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具。
  4. 前記ネジ軸の先端部に一体に、前記枢動爪より更に前記ネジ軸の軸線方向外方へと所定長さ突出して、前記コイルインサートの内部に螺合又は挿入可能なガイド部が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のタング無し螺旋状コイルインサート抜取り工具。
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