JP2014051663A - 吸水性多糖類及びその製造方法 - Google Patents

吸水性多糖類及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再生可能な原料をベースとした生分解性の超吸収性ポリマーを提供すること。
【解決手段】水の存在下で未架橋多糖類を架橋剤としてのポリリン酸塩またはポリリン酸と接触させて多糖類ゲルを形成する工程と、多糖類ゲルを架橋させる工程と、を含む吸水性多糖類の製造方法。上記方法によって得られる吸水性多糖類、吸水性多糖類、複合体、複合体の製造方法。上記方法によって製造される複合体、吸水性多糖類または複合体の使用およびポリリン酸塩の使用。
【選択図】図1

Description

本発明は、全体として、吸水性多糖類の製造方法、本発明の方法によって得られる吸水性多糖類、吸水性多糖類、複合体、複合体の製造方法、本発明の方法によって製造される複合体、吸水性多糖類または複合体の使用と、ポリリン酸塩の使用に関する。
今日使用されている短時間で大量の液体(水、尿)を吸収することができる吸収材料のほとんどは、主として軽度に架橋させ合成ポリマーをベースとしている。合成ポリマーとしては、例えば、再生不可能な材料をベースとし、生分解性が不十分または皆無であるアクリル酸またはアクリルアミドをベースとするポリマー及びコポリマーが挙げられる。
従来技術には、多糖類をベースとし、少なくとも部分的に生分解性を有する多くの吸水性ポリマーが記載されている。ところが、多糖類をベースとする超吸収体製造用原料の多くは水溶性であり、衛生用途の超吸収体として使用することができるようにするためには非水溶性としなければならない。
欧州特許出願公開第0538904 A1号及び米国特許第5,247,072号には、カルボキシアルキル多糖類をベースとする超吸収体が記載されている。これらの文献に記載された方法では、カルボキシアルキル多糖類を水に溶解し、乾燥または沈殿により単離し、続いて多糖類骨格のヒドロキシル基を酸性カルボキシル基と反応させることによって内部エステル架橋を介して熱架橋させる。この架橋反応はpH、温度、反応時間のわずかな変化によって非常に影響を受けやすいため、吸収性が大きく異なる吸収体が得られる。この材料は圧力下で高い吸収容量を有するが、吸収体を保存すると吸収性は数週間以内に本来の吸収性よりもかなり低下してしまう。
米国特許第5,550,189号には、カルボキシアルキル多糖類をベースとし、アルミニウム塩やクエン酸等の多官能架橋剤の添加により経時安定性を向上させた吸収体が記載されている。この吸収体は、カルボキシアルキル多糖類と架橋剤を含む均一な水溶液から製造するものであって、水溶液中には成分が低濃度で存在しており、両成分を回収し、熱架橋させる。水溶液の濃度が非常に低いために、この吸収体の合成では大きなエネルギーと長い時間が必要となる。多くの実施形態における経時安定性の向上は、実用上の要求を満たすものではない。
欧州特許出願公開第855405 A1号は、膨潤性のマレイン酸デンプン(starch maleate)の吸収容量の経時安定性の欠如を取り上げて、この問題の解決策としてマレイン酸置換基の二重結合にメルカプト化合物を結合させることを提案している。生成物の吸収性は、特に圧力下で非常に低い。
米国特許第4,952,550号には、水または有機溶媒中のカルボキシメチルセルロースを多価金属塩と疎水成分で処理することによって、カルボキシメチルセルロースをベースとした吸収体を製造する方法が記載されている。熱架橋は行なわない。開示内容によれば、吸収体におけるゲルブロッキングは疎水成分により低下する。
しかし、従来技術において公知である多糖類の架橋方法では、部分的に経時安定性が低いだけではなく、多糖類の均一な架橋によって吸収体の分解性が妨げられてしまうことが観察されている。これは、膨潤が制限されることにより微生物と接触しにくくなるためである。さらに、従来技術において公知である架橋反応では、追加で導入された置換基により酵素分解が阻害される(メールトレッター(Mehltretter)ら、「米国油化学会誌(Journal of the American Oil Chemists Society)」、第47号(1970年)522〜524頁)。
これらの欠点を改善するために、多糖類の架橋を表面領域のみに限定することが提案されているが、架橋を表面積のみに制限することが原因で、圧力下では確かに良好な吸収容量を有するが、常圧下では吸収容量が不十分であり、均一に架橋されたポリマーと比べるとゲル強度が低い生成物となることが多い。ゲル強度が低いと、例えば、ふるい分けまたは運搬等の加工処理時に細かいダストが形成され、超吸収体の製造に関わる作業者の健康に影響を及ぼす。
国際公開第WO02/096953 Al号には、表面修飾ポリカルボキシ多糖類をベースとした超吸収体の製造方法が記載されており、未架橋多糖類を水で膨潤させてヒドロゲルを形成し、そのヒドロゲルを機械的に破砕(comminuted)及び乾燥させ、得られたポリマー粒子を架橋剤溶液で被覆し、表面架橋させる。しかし、国際公開第WO02/096953 Al号に記載された方法では、ヒドロゲルの形成時に、多糖類を膨潤させるために有機溶媒を水に添加しなければならないという欠点がある。しかし、有機溶媒を添加すると膨潤した多糖類が非常に「ねばねば(slimy)」してしまい、その後の処理が非常に困難となってしまう。さらに、有機溶媒が最終製品中に少なくとも部分的に残存し、環境上の問題が生じる。また、国際公開第WO00/21581 Al号には、架橋された多糖類からなるゲルを有機溶媒と接触させて吸収性が向上され吸収性多糖類を得る方法が開示されている。この方法の欠点も有機溶媒を使用することである。
米国特許第5,470,964号には、圧力下の吸収性を向上させた、表面に多価金属イオンを有する酸性基含有多糖類をベースとした吸収体の製造が記載されている。この方法の欠点は、吸収体の圧力下での吸収容量を向上させるために、比較的厚い表面層を架橋しなければならず、開示によれば、表面層の架橋は多量の溶媒により多糖類を予め膨潤させることでしか可能にならないということである。膨潤した状態では、多価金属イオンが表面深くまで十分に浸透することができる。このような状態を実現するために、過剰量の金属塩水溶液に多糖類を添加する。その結果、多糖類に対する水の過剰量が2倍から40倍となる。このように厚みのある架橋された表面層により圧力下での吸収率は確かに良好となるが、吸収体の自由膨潤能力(free swell capacity)と保持容量が低下するという欠点がある。上記文献に記載された方法では、製造時に架橋剤溶液に対して最後に添加される多糖類部分の膨潤時間が少なく、架橋剤の濃度が低いために、表面における架橋剤の分布が不均一になり、そのために吸収性が大きく変動するというさらなる欠点がある。
米国特許第4,952,550号
本発明の全体としての目的は、従来技術から生じる欠点を克服することにある。
本発明の目的は、上述の欠点を有しておらず、再生可能な原料をベースとした生分解性の超吸収性ポリマーを提供することにある。
特に、可能な限り吸収特性を保持し、長期間の保存安定性を有する吸収体でなければならない。
また、例えば、ふるい分けや運搬等の加工処理時に細かいダストが形成されることを回避するために、高い機械的安定性を有する吸収体粒子を提供することを目的としている。
さらに、吸収性に関しては、特に多量の超吸収体(通常、吸収層の65重量%を超える量)を含有する吸収層内においてゲルブロッキングを生じる傾向がなく、高い吸収容量と保持容量だけではなく、圧力下において水と水溶液に対する高い吸収容量を有する吸収体でなければならない。
多量の吸収体を含む吸収層またはコア及びこれらを含むおむつでは、漏出による湿潤がよく観察される。湿潤とゲルブロッキングは、通常、粘性のある膨潤したヒドロゲルまたは少なくともヒドロゲルの粘性を有する成分によるものである。従って、本発明の目的は、衛生用品における使用に適した粘性の低いヒドロゲル形成吸収性ポリマーを提供することにある。
良好な吸収性と塗布性を実現するためには、吸収体は過剰の水溶液において主として不溶性でなければならない。さらに、吸収体は、特に良好な生分解性を有し、可能な限り有機溶媒を含有しないことが必要である。
本発明の別の目的は、簡単で経済的であるとともに確実に実施することができ、均一な製品をもたらすことができ、溶媒を少量しか使用せず、可能であれば有機溶媒を使用しない超吸収体ポリマーの製造方法を見出すことにある。さらに、毒性が懸念される物質を使用せずに方法を実施することができなくてはならない。
また、本発明の目的は、生理用ナプキン、創傷用包帯、失禁用品、おむつ等の衛生用品の生分解性を向上させることにある。
これらの目的は、水の存在下で未架橋多糖類を架橋剤としてのポリリン酸塩またはポリリン酸と接触させ、多糖類が膨潤した多糖類ゲルを形成する工程と、多糖類ゲルを架橋させる工程と、を含む吸水性多糖類の製造方法によって達成される。
本発明の別の態様は、水の存在下で多糖類を架橋剤と接触させ、多糖類ゲルを形成する工程と、多糖類ゲルを乾燥させる工程と、を含み、少なくとも接触を混練機内で行う吸水性多糖類の製造方法である。混練機内では、架橋剤と多糖類とを可能な限り均一かつ密接に混合することが好ましい。乾燥工程では、主として架橋が生じることが好ましい。また、本発明に係る方法の本実施形態では、架橋材料は好ましくはポリリン酸塩またはポリリン酸である。
さらに、本発明に係る方法では、混練機は少なくとも2本の混練軸を有することが好ましい。少なくとも2つの混練軸が少なくとも部分的に互いに接触する形状を有することが好ましい。ディスク、パドル、アンカーまたはフック等の混練軸に取り付けられた部材であり、混練機の中心軸から見た場合に回転半径を形成し、もう一方の混練軸に配置された部材の回転半径と重なり合うことが好ましい。例えば、少なくとも軸方向に互いに平行なセクションに2つの混練軸を配置し、混練機の運転時に混練機に形成された部材が少なくとも部分的に重なり合うように、軸方向に平行なセクションに設けられた混練軸の中心軸の距離が小さくなるように距離を選択することによってこの形状が可能となる。本発明に係る方法において、これらの部材が混練軸の中心軸と少なくとも部分的に平行に製品を運ぶことができるように、混練機に形成された部材の少なくとも1つの部材を配置・設計し、少なくとも2本の混練軸が少なくとも混練軸の一方に向かって少なくとも部分的に軸方向に運搬流路を形成することがさらに好ましい。その一方で、このようにして多糖類と架橋剤との混合が可能な限り均一となり、多糖類と架橋剤とを含む均一な混合物を、引き続き、温度処理による架橋または乾燥工程に送ることができる。
均一化と関連して、接触工程において架橋剤の既に反応した部分が、架橋剤の30重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下であることが好ましい。架橋剤の既に反応した部分は、最初に使用した量から測定可能な未結合の架橋剤の量を減算することで確定することができる。
本発明に係る方法の一実施形態では、混練機内で多糖類と架橋剤とを接触させ、接触後の架橋または乾燥工程は混練機とは異なる装置、好ましくはベルト乾燥機内で行う。乾燥または架橋を行う生成物の表面積を増加させるために、粗砕(chopping)工程または粉砕(milling)工程等の破砕工程を2工程間に行う。
均一化のための接触温度と乾燥または架橋温度の間には温度差があることがさらに好ましい。2つの温度は、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃、特に好ましくは少なくとも40℃、さらに好ましくは少なくとも80℃異なる。本発明に係る方法の一実施形態では、均一化のための接触時の温度は、2〜40℃、好ましくは10〜35℃、特に好ましくは15〜30℃である。好適な温度に調節するために、混練機の温度を制御できることが好ましい。混練軸を取り囲むハウジングまたは混練軸を、必要があればそれらの上に配置された部材と共に、またはハウジングと混練軸の両方を温度制御することができる。
混練機を使用する本発明に係る方法では、0.01〜1MJ/kg、好ましくは0.25〜0.75MJ/kg、さらに好ましくは0.3〜0.7MJ/kgの混練機エネルギーと、0.1〜70Nm/l、好ましくは5〜50Nm/l、特に好ましくは10〜40MJ/kgの特定トルクを適用することができる。好適な混練機はドイツ特許出願公開第19536944 Al号、米国特許第5,147,135号及びドイツ特許19533693 A1号に記載されている混練機である。さらに、好適な混練機は、例えば、List社(Arisdorf,スイス)から市販されている。
本発明に係る方法では、多糖類は未架橋多糖類であることが通常好ましい。架橋剤は任意の好適な架橋剤であってもよく、ポリリン酸塩、ポリリン酸または少なくともそれらの2種の混合物が特に好ましい。本発明では、ポリリン酸塩またはポリリン酸を他の好適な架橋剤と組み合わせることがさらに好ましい。他の好適な架橋剤としては、例えば、国際公開第WO02/096953 A1号に記載されている塩化アルミニウムまたはクエン酸、米国特許第6,734,298 B1号に記載されているポリアミン等が挙げられる。
本発明に係る方法によれば、多糖類の架橋剤としてポリリン酸塩またはポリリン酸を使用することによって、水、水溶液及び体液の吸収性と保持性に優れているという点で際立った吸水性多糖類を得ることができる。さらに、本発明に係る方法で得られる吸水性多糖類は保存安定性を有し、残留モノマーや有機溶媒を実質的に含有せず、水性液体内でごく僅かしか溶解せず、生分解性が高い。
本発明に係る方法で使用される多糖類は水溶性または水膨潤性であり、未架橋の形態で使用される。多糖類はヒドロキシル基以外の基、特に水溶性を向上させる基によって変性させることができる。そのような基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシルアルキル基、特に好ましくはカルボキシメチル基、ヒドロキシアルキル基、特にヒドロキシメチル基及び/またはヒドロキシエチル基が含まれ、その中でもヒドロキシメチル基がリン酸エステル基とともに特に好ましい。
官能基による変性に応じて、本発明に係る方法で使用される多糖類は、荷電または非荷電の多糖類のいずれかからなることができる。また、荷電多糖類及び非荷電多糖類の多糖類混合物を使用してもよい。
本発明に係る好ましい非荷電多糖類としては、例えば、ヒドロキシプロピルデンプン、アミロース、アミロペクチン等のデンプンまたはデンプン誘導体、エチルヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース等のセルロースまたはセルロース誘導体、グアーまたはイナゴマメ種子粉等のポリガラクトマンナン等が挙げられる。
本発明に係る好ましい荷電多糖類は、特にポリカルボキシ多糖類である。本発明に係る方法で好ましく使用されるポリカルボキシ多糖類は、カルボキシル基を本来含有しておらず、後の変性によりカルボキシル基が付与される多糖類、またはカルボキシル基を含有しており、後の変性によりカルボキシル基が必要に応じてさらに付与される多糖類のいずれかに由来する。多糖類の第一のグループとしては、例えば、酸化デンプン、カルボキシル化リン酸デンプン、酸化セルロース、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルデンプン等が挙げられ、カルボキシメチルセルロース(CMC)が特に好ましい。既にカルボキシル基を含む好ましい多糖類としては、例えば、キサンタン、アルギナートまたはアラビアゴム等が挙げられる。
本発明で特に好ましく使用される多糖類は、例えば、カルボキシメチルグアー、カルボキシル化ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシル化ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、酸化デンプン、キサンタン等のポリカルボキシ多糖類及び各ポリカルボキシ多糖類の混合物であり、カルボキシメチルセルロースを使用することが最も好ましい。原則として、本発明に係る方法では、カルボキシル基置換度の高低にかかわらず、ポリカルボキシ多糖類誘導体を使用することができる。好ましい実施形態では、カルボキシル基置換度は平均で0.3〜1.5の範囲であり、特に好ましくは置換度が0.4〜1.2の範囲のポリカルボキシ多糖類誘導体を本発明に係る方法で使用する。
本発明に係る方法の好ましい実施形態では、カルボキシル基を含まない多糖類を添加したポリカルボキシ多糖類を使用する。好ましくは、例えば、ポリガラクトマニン(polygalactomanine)またはヒドロキシアルキルセルロース等の高膨潤性多糖類を使用する。変性に使用されるカルボキシル基を含まない多糖類の量は、要求される特性プロファイルによって決定され、未架橋ポリカルボキシ多糖類に対して、好ましくは20重量%、好ましくは10重量%、特に好ましくは5重量%の量で使用される。
カルボキシル基を含まない多糖類は、ポリリン酸塩またはポリリン酸との接触前に未架橋ポリカルボキシ多糖類と混合するか、未架橋ポリカルボキシ多糖類をポリリン酸塩またはポリリン酸と接触させた後にポリカルボキシ多糖類と混合することができる。また、カルボキシル基を含まない多糖類を最初にポリリン酸塩またはポリリン酸、またはポリリン酸塩またはポリリン酸を含む水溶液と接触させ、得られた混合物をポリカルボキシ多糖類と混合することもできる。
本発明に係る方法で好ましく使用される未架橋ポリカルボキシ多糖類のカルボキシル基は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%、さらに特に好ましくは100%が中和されていることが好ましい。中和剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化アニモニウム、アミン等が有用である。
本発明に係る方法で使用される好ましい水溶性多糖類は、天然ポリマー構造により決定される分子量分布の範囲内で高い平均分子量を有し、例えば、綿リントから作られるカルボキシメチルセルロース等の希釈水溶液中で高い溶液粘度を有する。1%水溶液の溶液粘度が2,000mPasを超える多糖類が好ましい。本発明に係る方法においてポリカルボキシ多糖類を使用する場合、1%水溶液の溶液粘度が5,000mPasを超え、特に好ましくは7,000mPasを超えるものでなければならない。
本発明の製造方法では、多糖類は副成分として塩を高い含有量で含むことができる。本発明に係る多糖類として好ましいカルボキシメチルメルロースの通常の塩含有量は、食用としては約0.5重量%であり、産業用としては、保護コロイドとしての用途に使用される製品については約2重量%から25〜50重量%までの範囲である。本発明に係る方法で得られる吸水性多糖類は、塩に対して高い耐性を有するが、使用する未架橋多糖類は、本発明に係る方法で使用される未架橋多糖類の重量に対して20重量%以下、好ましくは15重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下の塩含有量を有していなければならない。
本発明に係る方法で使用される多糖類の物理的形態は、本発明に係る方法で得られる吸水性多糖類の特性にとって重要ではない。従って、多糖類を、例えば、粉末、微粉末、顆粒、繊維、薄片、ビーズまたは成形体の形態で使用してもよく、粒径が1〜2,000μmの粉末材料の使用が投薬(dosability)や運搬性が容易なために好ましい。
ポリリン酸塩またはポリリン酸として、鎖状ポリリン酸塩(catena−phosphates))または環状ポリリン酸塩(シクロリン酸塩、または「メタリン酸塩」とも言われる)を使用し、ポリリン酸塩はポリリン酸の塩及びエステルである。
特に好ましいポリリン酸塩は、組成がM n+2[P3n+1]またはM [H
3n+1]である化合物であり、M [H3n+1]で表される構造を有する化合物が特に好ましい。これらの中では、組成がNa3n+1の化合物が好ましく、例えば、「Grahamsche塩」、「Maddrellsche塩」、「Kurrolsche塩」または洗剤に使用される「カルゴン(Calgon)」等がある。
好ましいメタリン酸塩は組成がM [POの化合物である。
上述した式中で、Mは一価の金属を意味し、好ましくはナトリウムまたはカリウムである。nの値は、少なくとも2、好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも50であることが好ましく、5,000、好ましくは1,000、特に好ましくは100を超えないことが好ましい。
本発明に係る方法の好ましい実施形態では、一リン酸二水素を縮合して調整され、鎖状基として結合された酸性基の水素原子が金属で置換されていないポリリン酸塩を使用する。特に好ましいポリリン酸塩は、組成がM [H3n+1]であり、M及びnは上述した詳細な意味を有している。
好ましいポリリン酸は、水をP10に制御下で添加することによって得られるか、HPOを加熱中に縮合させることによって得られる。本発明に係る好ましいポリリン酸は、組成がHn+23n+1または(HPOであり、組成が(HPOのポリリン酸はメタリン酸とも言われ、nの値は、少なくとも2、特に好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも20、さらにより好ましくは50であることが好ましく、10,000、特に好ましくは1,000、さらに好ましくは100を超えないことが好ましい。
nの値が増大すると、上述した組成Hn+23n+1がメタリン酸の組成(HPOに近づく。
本発明によれば、未架橋多糖類の重量に対して0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%のポリリン酸塩またはポリリン酸を未架橋多糖類と接触させることがさらに好ましい。
また、ポリリン酸塩またはポリリン酸を、水の存在下において15〜60℃、特に好ましくは18〜40℃、さらにより好ましくは20〜30℃の温度で未架橋多糖類と接触させることが好ましい。室温でポリリン酸塩またはポリリン酸を多糖類と接触させることが最も好ましい。
多糖類を架橋させるために、上述したポリリン酸塩またはポリリン酸を単独で使用するか、ポリリン酸塩またはポリリン酸をベースとしない他の架橋剤と混合して使用してもよい。ポリリン酸塩またはポリリン酸をベースとしない他の架橋剤としては、国際公開第WO02/096953 A1号に共有結合性架橋剤、イオン結合性架橋剤または後架橋剤として記載されている架橋剤、国際公開第WO00/21581 A1号の6頁第一パラグラフに記載されている架橋剤が好ましい。ポリリン酸塩またはポリリン酸をベースとしない他の架橋剤とポリリン酸塩またはポリリン酸との重量比は、好ましくは1:0.01〜1:50、特に好ましくは1:0.1〜1:20、さらにより好ましくは1:1〜1:10である。
澎潤時間は、ポリリン酸塩またはポリリン酸を未架橋多糖類と接触させる温度並びに使用される開始化合物によって異なり、簡単な予備実験によって容易に決定することができる。本発明に係る方法の第一の工程は、澎潤による多糖類のさらなる体積増加が観察されない時点で終了することが好ましい。ポリリン酸塩またはポリリン酸と未架橋剤との接触時間は、1分〜48時間、特に好ましくは1〜24時間、さらにより好ましくは12〜20時間であることが好ましい。
ポリリン酸塩またはポリリン酸と未架橋多糖類との接触は、7〜13、特に好ましくは7.5〜12.5、さらにより好ましくは8〜12のpHで行うことが好ましい。これは、特にポリカルボキシ多糖類を多糖類として使用した場合にあてはまる。pHを上述した所定のpHの範囲内に調節することによって、多糖類に存在するカルボキシル基が少なくとも部分的に中和される。さらに、ポリリン酸も少なくとも部分的に中和される。
本発明に係る方法の特に好ましい実施形態では、未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸との接触は、最初にポリリン酸塩またはポリリン酸を水に溶解または分散させ、ポリリン酸塩またはポリリン酸の水溶液または水分散液のpHを7〜13、好ましくは7.5〜12.5、特に好ましくは8〜12に調節し、その後ポリリン酸塩またはポリリン酸の水溶液または水分散液を未架橋多糖類と接触させる方法で行なう。
本発明に係る方法の別の実施形態では、未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸との接触は、最初に乾燥状態で未架橋多糖類をポリリン酸塩またはポリリン酸と混合し、得られた混合物を水と接触させる方法で行なう。このようにして、好ましくは酸または塩基を水またはポリカルボキシ多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸との混合物に添加することによって、未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸とを、7〜13、好ましくは7.5〜12.5、特に好ましくは8〜12のpHで確実に接触させることができる。
本発明に係る方法のさらに好ましい実施形態では、未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸との接触は、最初に未架橋多糖類を水と接触させ、膨潤した多糖類をポリリン酸塩またはポリリン酸と接触させる方法で行なう。また、好ましくは酸または塩基を水、水と接触させた多糖類、またはポリリン酸塩またはポリリン酸と接触させた多糖類に添加することによって、未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸とを、7〜13、好ましくは7.5〜12.5、特に好ましくは8〜12のpHで確実に接触させることができる。
本発明によれば、添加剤の存在下で未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸とを接触させることがさらに好ましく、それにより、添加剤を未架橋多糖類、ポリリン酸塩またはポリリン酸と事前に結合させることができるか、添加剤をポリリン酸塩またはポリリン酸と既に接触させた未架橋多糖類に添加することができる。最初にポリリン酸塩またはポリリン酸の水溶液あるいは水分散液を用意し、多糖類に水溶液または水分散液を添加する方法で未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸との接触を行なう場合には、添加剤をポリリン酸塩またはポリリン酸の水溶液または水分散液に添加することもできる。
添加剤は、未架橋多糖類の重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%の量で添加することができる。
好ましい添加剤は、生成されるヒドロゲルの処理性を向上させ、乾燥後に少なくとも部分的に生成物に残存するブロッキング防止添加剤である。好ましいブロッキング防止添加剤としては、天然または合成繊維材料あるいは大きな表面積を有するその他の材料、例えば、シリカゲル、合成ケイ酸、非水溶性の鉱物塩から選択される材料が挙げられる。
さらに好ましい添加剤は、塩基、塩、発泡剤から選択される水溶性の添加剤である。発泡剤としては、触媒または熱の影響下でガスを放出する無機または有機化合物、例えば、アゾ及びジアゾ化合物、炭酸塩、アンモニウム塩、または尿素が選ばれる。
その他の添加剤としては、例えばアルカリ金属水酸化物、アンモニア、アルカリ金属炭酸塩または酢酸塩等の塩基性塩等のpH調整剤が挙げられる。その他の添加剤としては、例えば、溶液のイオン強度と粉末状吸収性樹脂の塩含有量を調整するためのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩または塩化物等の中性塩が挙げられる。
さらに、好ましくは沸点が100℃未満の水混和性の有機溶媒を、水溶性ヒドロゲルにおける添加剤として使用してもよい。その後の乾燥時に、これらの揮発性有機溶媒の大部分がヒドロゲルから蒸発する。これらの溶媒は、その後の表面後架橋時に完全に蒸発する。
水の存在下での未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸との接触は、連続的または非連続的に行なうことができ、連続して行なうことが好ましい。好適な混合装置は、例えば、VAT混練機等の非連続式混練機、密閉式ミキサー(interior mixer)、または一軸、二軸あるいは多軸ミキサー等の連続式混練機である。
本発明に係る方法の第一の工程における多糖類ゲルの形成時に、多糖類と、水と、ポリリン酸塩またはポリリン酸との混合物における多糖類の含有量は広い限度内で変化させることができ、好ましい実施形態では、多糖類の含有量は5〜65重量%、特に好ましくは10〜50重量%、さらにより好ましくは15〜30重量%の範囲である。
好ましい実施形態では、例えば、押出機内で、水またはポリリン酸塩またはポリリン酸の水溶液あるいは水分散液を乾燥した多糖類原料に連続的に添加し、水が少量成分となるように方法を実施する。
多糖類と、ポリリン酸塩またはポリリン酸と、水との混合物は、本発明によれば、水と混和するが多糖類とは混和しない1以上の有機溶媒を30重量%以下、好ましくは20重量%以下の量でさらに含むことができる。
なお、有機溶媒の存在下で未架橋多糖類とポリリン酸塩またはポリリン酸とを接触させることが好ましい。
膨潤したゲルを架橋前に粉砕することがさらに好ましいことが分かった。ゲルの粉砕により特にゲル表面とゲル体積との比が増大し、続いて行われる乾燥工程で必要とされるエネルギー導入量がかなり減少する。ゲルの粉砕方法は限定されない。特に好ましい実施形態では、ゲルの粉砕は、ゲルをブレーカープレートを介してプレスしてストランド状にし、ストランド状のゲルを必要に応じて切断器具でさらに短く寸断することによって行う。
ゲルの密度は、ポリリン酸塩またはポリリン酸の種類または添加量によって意図的に調整することができる。この点に関して、国際公開第WO02/096953 A1号に記載されているように、有機溶媒を使用する必要はない。
本発明に係る方法の第二の工程では、多糖類ゲルまたは粉砕した多糖類ゲルを架橋させ架橋多糖類を形成し、好ましくは、同時に残存水含有量が少なくなるまで乾燥させる。また、多糖類を乾燥させることのない条件下において多糖類をまず架橋させ、その後、架橋多糖類ゲルを乾燥させてもよい。
予備膨潤工程直後に架橋工程を行うことができるが、多糖類ゲルまたは粉砕された多糖類ゲルを、本発明によって製造される超吸収体の特性を変化させることなく、次の工程で処理する前に、長期間、例えば数週間保存することも可能である。
多糖類ゲルを架橋させると同時に、70℃、好ましくは100℃を超える温度、特に好ましくは115℃を超える温度で乾燥させることが好ましく、架橋または乾燥温度は300℃、特に好ましくは250℃、さらにより好ましくは200℃を超えないことが好ましい。また、70℃未満の低い温度で、好ましくは減圧下で多糖類ゲルをまず乾燥させ、その後、多糖類を架橋させることのできる温度まで乾燥多糖類の温度を上昇させて加熱するだけでもよい。原則として、ポリリン酸塩またはポリリン酸によって多糖類ゲルを少なくとも部分的に架橋させるために十分な温度であり、多糖類が分解する温度を超えない温度であれば、任意の温度で架橋工程を実施することができる。
架橋または乾燥温度に関して注意すべきことは、ゲルのポリマー含有量、混合物のpH、混合方法、架橋または乾燥温度、乾燥時間等のパラメータが互いに影響を及ぼし、多糖類のポリリン酸塩またはポリリン酸による架橋時にヒドロゲルの内部架橋が生じないように各パラメータを互いに関連させて選択することが好ましいということである。例えば、多糖類ゲルの製造時にpHが7未満の水溶液を用いる場合、ポリカルボキシ多糖類を使用すると多糖類誘導体に存在するカルボキシレート基の一部が遊離酸に変換されるため、特に乾燥工程の終了に近づくにつれ、ヒドロキシル基のエステル化によって内部架橋剤として働くようになる。この原則として望ましくない内部架橋を回避または可能な限り抑制するために、このような場合には70〜100℃の温度で架橋または乾燥を行うことが好ましい。pHは通常6以上に調節される。本発明の好ましい実施形態では、多糖類ゲルを製造するために、pHが7以上の水溶液を選択し、110℃を超える温度、好ましくは115〜120℃を超える温度で架橋または乾燥を行う。
多糖類ゲルの乾燥については種々の方法が知られている。可能な方法としては、例えば、蒸気乾燥、蒸発乾燥、放射線乾燥(例:赤外線乾燥)、高周波乾燥(例:マイクロ波乾燥)、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。従って、乾燥は、例えば、2軸式のロール型乾燥機を用いる薄層乾燥法、熱風が内部で循環する乾燥室内の複数層のプレート上にヒドロゲルポリマー粒子を載せて乾燥させるプレート乾燥法、ロール乾燥機を用いる回転ドラム法、または以下でベルト乾燥とも呼ぶコンベアーベルト法によって行ってもよい。トンネル内を循環する循環コンベアーの有孔トレー上に乾燥させる生成物を置き、トンネル通過中にトレーの孔から吹き出す熱風によって生成物を乾燥させるベルト乾燥は、水膨潤性の親水性ヒドロゲルの最も経済的な乾燥方法であり、好ましい。
多糖類ゲルを乾燥させて得られたポリマーの含水量は、30重量%以下、好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下であることが有利である。多糖類ゲルを連続式ミキサー、例えば、押出機内で製造する場合、pHが7以上である表面後架橋がなされていない最初の生成物は、40g/g以上の高い保持率を有し、120℃で60分を超える時間で混練すると安定し、より高いpHで生成された生成物とはわずかに異なるだけである。一方、ヒドロゲルをバッチ処理で調整する場合には、混練に対する安定性はゲルのpHが上昇するにつれて増大する。従って、バッチ処理でのヒドロゲル形成に好ましいpH設定値は10以上である。
本発明に係る方法の別の実施形態では、多糖類ゲルまたは破砕された多糖類ゲルの乾燥後に得られた架橋ポリカルボキシ多糖類をさらに別の工程で粉砕する。多糖類ゲルの破砕及び乾燥架橋ポリカルボキシ多糖類の粉砕によって、粒子状の架橋多糖類を得る。
乾燥多糖類ゲルまたは予備破砕された乾燥多糖類ゲルの粉砕において、乾燥させる生成物を好ましいベルト乾燥工程の最終セクションで、70℃未満、好ましくは60℃未満、より好ましくは50℃未満の温度まで冷却することが有利である。まず、冷却された乾燥多糖類ゲルまたは破砕多糖類ゲルを、例えば、フィンガーブレーカー(finger breaker)を用いて予備破砕する。次に、予め破砕されたゲル粒子を粉砕するが、出来る限り細かい粒子を製造するために、ローラーミルを用いて粉砕することが好ましい。特に好ましい実施形態では、粉砕を2段階で行い、第1段階では粗砕ローラーミル、第2段階では微粉砕ローラーミルを使用し、第2段階を1または2段階で実施してもよい。
その後のふるい分けによって粒径分布を調整し、粒径は通常10〜3000μm、好ましくは100〜2000μm、特に好ましくは150〜850μmであることが好ましい。粗すぎる粒子は再度粉砕し、細かすぎる粒子は製造工程で再利用してもよい。
本発明に係る方法の一実施形態では、乾燥または粉砕工程に続いて、粒子状の架橋多糖類粒子の外側部分を後架橋剤で後架橋する工程を行う。
粒子の外側部分とは、粒子の中心への距離がポリマー粒子の外半径の少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、特に好ましくは少なくとも95%である粒子の各体積部分(volume element)を意味する。
乾燥した粒子状の架橋ポリカルボキシ多糖類の表面架橋は、架橋多糖類の重量に対して0.001〜25重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の後架橋剤を使用して行うことが好ましい。後架橋剤は、0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜60重量%の溶液として使用することが好ましい。後架橋剤の添加は、好適な混合機内で行う。好適なミキサーとしては、例えば、パターソン・ケリーミキサー、DRAIS乱流ミキサー、レディゲミキサー、ルベルクミキサー、ワームミキサー(worm mixer)、プレートミキサー、流動床ミキサーまたはシューギミキサーが挙げられる。後架橋剤溶液の噴霧塗布後、熱処理工程を好ましくは下流の乾燥機内で40〜250℃、好ましくは60〜200℃、特に好ましくは80〜160℃の温度で、5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間、特に好ましくは10分〜1時間行い、それによって溶媒を取り除く。後熱処理の最適な時間は、各架橋剤の種類ごとに数回の実験によって容易に決定することができる。後熱処理時間の上限は、超吸収体の所望の特性プロファイルが熱によるダメージによって再び損なわれた時である。熱処理は、例えば、回転式炉オーブン、流動床式乾燥機、プレート乾燥機、パドル乾燥機または赤外線乾燥機等の従来の乾燥機またはオーブンを使用して行うことができる。
表面後架橋剤の水溶液の温度を使用前に15℃〜100℃、好ましくは20〜60℃に調節すると有利であることが分かっている。
共有結合による表面後架橋は、必要に応じて触媒によって促進させることができる。好ましい触媒としては、カルボキシル基とヒドロキシル基とのエステル化反応を触媒する化合物、例えば、次亜リン酸塩、アセチルアセトネート、鉱酸が挙げられ、硫酸及びルイス酸等が挙げられる。硫酸及び次亜リン酸塩を使用することが好ましい。表面後架橋剤と架橋触媒の重量比は1:0.001〜1:1、好ましくは1:0.1〜2:1である。
好ましい実施形態では、架橋触媒を表面後架橋剤の溶液と混合する。
後架橋溶液は、必要に応じて1以上の添加剤を70重量%まで含むことができる。添加剤は、超吸収体粒子の内部への溶媒の浸透を遅らせることで吸収体表面上で架橋剤溶液を均一に分布させ、粒子表面の溶解性を低下させることで湿潤した超吸収体粒子が付着し合う傾向を低下させる水溶性化合物である。好ましい添加剤としては、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、アセトン、グリセリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水混和性有機溶媒に加えて、水溶性を有する親水性有機固体、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、好ましくはポリエチレングリコール等のポリマーが特に挙げられる。
外側部分の後架橋は、表面近傍の官能基、好ましくはカルボキシル基、カルボキシレート基またはヒドロキシル基と反応するイオン結合性または共有結合性後架橋剤を用い、好ましくは加熱によって行うことができる。
イオン結合性後架橋剤と組み合わせて使用することもできる共有結合性後架橋剤としては、多糖類の官能基と反応して共有結合を形成する架橋剤を使用する。好ましい実施形態では、ヒドロキシル基と反応することができる架橋剤や、ポリカルボキシ多糖類を用いる場合には、架橋多糖類のカルボキシル基と反応することができる架橋剤、例えば、酸性基を含む物質を使用する。例えば、マロン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、酒石酸等の低分子ポリカルボン酸及びその誘導体や、例えば(メタ)アクリル酸及び/またはマレイン酸をベースとする高分子ポリカルボン酸が特に適している。クエン酸、ブタンテトラカルボン酸及びポリアクリル酸が好ましく、クエン酸を使用することが特に好ましい。また、ポリカルボン酸は、例えば、アルカリ水酸化物またはアミン塩基等で部分的に中和することによって、部分的に中和された形態で使用することもできる。これらの後架橋剤の他に、特にポリリン酸塩及びポリリン酸も後架橋剤として好ましく、本発明に係る方法の第一の工程に関連して述べたポリリン酸塩及びポリリン酸を好ましくは使用する。
単独または共有結合性後架橋剤と組み合わせて使用することができる好適なイオン結合性後架橋剤としては、少なくとも2価の金属カチオンの塩、例えば、Mg2+、Ca2+等のアルカリ土類金属カチオンの塩、Ti4+、Fe2+/Fe3+、、Zn2+、Zr4+の塩が挙げられ、Al3+、Ti4+、Zr4+の塩が好ましく、Al3+の塩が特に好ましい。アルミニウム塩は、架橋多糖類に対して0.2〜1.0重量%、好ましくは0.25〜0.85重量%の量で使用することが好ましい。
金属カチオンの塩は、単独または混合して使用することができる。塩の形態の金属カチオンは、使用する溶媒における十分な溶解性を有し、金属塩は、例えば、塩化物、硝酸塩、硫酸塩及び酢酸塩等の錯陰イオン(complexed anion)と共に使用することが特に好ましい。
その他の好適な後架橋剤としては、共有性架橋結合とイオン性架橋結合を形成することができる後架橋剤、例えば、アミド基を介した共有結合性架橋剤、及びアンモニウム塩錯体を介したイオン結合性架橋剤として作用するジアミン及びポリアミンが挙げられる。
本発明に係る方法の特に好ましい実施形態では、ポリリン酸塩またはポリリン酸を後架橋剤として使用し、別の特に好ましい実施形態では、ポリリン酸塩またはポリリン酸とポリリン酸塩またはポリリン酸をベースとしない上述した後架橋剤の少なくとも1種との混合物、特にポリリン酸またはポリリン酸塩とイオン結合性後架橋剤との混合物を使用し、ポリリン酸またはポリリン酸塩とアルミニウム塩との混合物が特に好ましい。
ポリリン酸またはポリリン酸を後架橋剤として使用する場合、pHが7〜13、特に好ましくは8〜12の水溶液として使用することが好ましい。ポリリン酸またはポリリン酸を後架橋剤として使用する場合、架橋多糖類の重量に対して、0.001〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.3〜1.5重量%の量でポリリン酸塩またはポリリン酸を使用することがさらに好ましい。
架橋多糖類の後架橋と関連して、本発明に係る方法の一実施形態では、架橋多糖類を無機材料と接触させることが好ましい。
無機材料としては、当業者に公知であって、好ましくは粒子状のあらゆる無機材料を架橋多糖類と接触させることができ、これは吸水性ポリマーの特性を変性させるために適している。好ましい無機材料としては、ケイ酸塩、特に、ゼオライト等の骨格ケイ酸塩、ケイ酸水溶液またはシリカゾルを乾燥させることによって得られたケイ酸塩、沈降ケイ酸や発熱性ケイ酸等の市販品、アエロジル、アルミン酸、二酸化チタン、亜鉛華、粘土材料、当業者に公知のその他の鉱物及び炭素含有無機材料等が挙げられる。
好ましいケイ酸塩は、「Hollemann,Wiberg共著、無機化学教本(Lehrbuch der Anorganischen Chemie)、第91〜100版、1985年、Walter de Gruyter−Verlag」の750〜783頁に開示されている天然または合成ケイ酸塩である。上記書籍の参照部分は、この参照によって本発明の開示内容の一部をなすものとする。
特に好ましいケイ酸塩はゼオライトである。ゼオライトとしては、当業者に公知の合成または天然ゼオライトを使用することができる。好ましい天然ゼオライトは、ソーダ沸石、重土十字沸石、モデナイト(modenite)、カバサイト(chabasite)、フォージャサイト(方ソーダ石)、方沸石から得られるゼオライトである。天然ゼオライトの例としては、方沸石、白榴石、ポルサイト、ワイラカイト、ベルバーガイト、ビキタアイト、ボグザイト、ブリュスター沸石、菱沸石、ウィルヘンダーソナイト、コウルス沸石、ダキアルディ沸石、エディントン沸石、剥沸石、エリオン沸石、フォージャ沸石、苦土沸石、アミカイト、ガロン沸石、ギスモンド沸石、ゴビンス沸石、グメリン沸石、ゴンナルド沸石、グースクリーカイト、重土十字沸石、灰十字沸石、ウェルサイト(Wellsite)、斜プチロル沸石、輝沸石、濁沸石、レビ沸石、マッチー沸石、メルリーノ沸石、マンテソマイト、モルデン沸石、中沸石、ソーダ沸石、スコレス沸石、オフレット沸石、パラソーダ沸石、ポーリング沸石、ペルリアライト、バラー沸石、束沸石、ステラ沸石、トムソン沸石、チャーニック沸石、湯河原沸石等が挙げられる。好ましい合成ゼオライトは、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼオライトPまたはABSCENTである。
ゼオライトとしては、SiO/AlO比が10未満であり、特に好ましくはSiO/AlO比が2〜10である、いわゆる「ミディアム(medium)」タイプのゼオライトを使用することができる。「ミディアム」ゼオライト以外には、「ハイ(high)」タイプのゼオライトをさらに使用することができ、ハイタイプに属するものとしては、例えば、ZSM及びβ−ゼオライト型である公知の「モレキュラーシーブ」ゼオライトが挙げられる。これらの「ハイ」ゼオライトは、SiO/AlO比が少なくとも35、特に好ましくは200〜500であることが好ましい。
アルミン酸塩としては、天然の尖晶石、特に、一般的な尖晶石、亜鉛尖晶石、鉄尖晶石またはクロム尖を使用することが好ましい。
好ましい二酸化チタンは、ルチル、鋭錐石、板チタン石結晶型の純粋な二酸化チタン、チタン鉄鉱等の鉄含有二酸化チタン、チタン石またはペロブスカイト等のカルシウム含有二酸化チタンである。
好ましい粘土物質は、「Hollemann,Wiberg共著、無機化学教本、第91〜100版、Walter de Gruyter−Verlag、1985年」の783〜785頁に開示されている粘土物質である。上記書籍の参照部分は、この参照によって本発明の開示内容の一部をなすものとする。特に好ましい粘土物質は、カオリナイト、イライト、ハロイサイト、モンモリロナイト、タルクである。
好ましい炭素含有非有機材料は、「Hollemann,Wiberg共著、無機化学教本、第91〜100版、Walter de Gruyter−Verlag、1985年」の705〜708頁でグラファイトとして言及されている炭素である。上記書籍の参照部分は、この参照によって本発明の開示内容の一部をなすものとする。特に好ましいグラファイトは、例えば、コークス、パイログラファイト、活性炭、煤等の人工グラファイトである。
上述した無機材料またはそれらの混合物を使用する場合、これらの材料を、架橋多糖類の全重量の0.1〜1重量%、より好ましくは0.25〜0.75重量%、さらにより好ましくは0.4〜0.6重量%の量で、架橋多糖類と接触させることが特に好ましい。
本発明によれば、無機材料は、BET法で測定した比表面積が30〜850m/g、好ましくは40〜500m/g、特に好ましくは100〜300m/g、さらにより好ましくは150〜250m/gであることがさらに好ましい。通常、無機材料がシペルナット(シペルナット)またはアエロジルである場合には、表面積は、30〜850m/g、好ましくは40〜500m/g、特に好ましくは100〜300m/gであり、ISO 5794, Annex Dに従って面積計(Areameter)で窒素を使用して測定する。
粒子の状の無機材料を使用する場合には、無機材料の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、さらに好ましくは少なくとも99重量%が、200μm未満、特に好ましくは100μm未満、さらにより好ましくは1μm未満、さらにより好ましくは500nm未満、さらにより好ましくは100nm未満の粒径を有することが好ましい。シペルナットは、10〜180μm、好ましくは20〜150μm、特に好ましくは30〜110μmの粒径を有する。本発明に係る方法の別の実施形態では、シペルナットは、1〜40μm、好ましくは2〜30μm、特に好ましくは3〜20μmの粒径を有する。粒径は、ASTM C690−1992に従ってMultisizer Capillary法で測定した平均粒径である。アエロジルの粒径は、5〜50nm、好ましくは8〜20nmである(例えば、デグサ社製の「アエロジル200」)。粒径は、ASTM C690−1992に従ってマルチサイザー(multisizer)で測定することができる。
無機材料を使用する場合、「結合剤(binding agent)」の存在下で架橋多糖類と無機材料とを接触させることがさらに好ましい。結合剤は、架橋多糖類と無機材料との接触時に溶液として加えることが好ましい。溶液は水溶液であることが好ましい。結合剤としては、当業者が好適であると考えるあらゆる有機ポリマーが考えられる。特に好ましいポリマーは、ISO 11357に従って測定した融点が−15〜150℃、好ましくは−12〜100℃、特に好ましくは−9〜90℃であるポリマーである。結合剤としてはポリエチレングリコールが好ましい。
結合剤は、フィルム状であることが好ましい。フィルムは、本発明に係る吸水性多糖類の表面上に位置することが好ましい。フィルムの厚みは、0.001〜200nm、好ましくは0.01〜15nm、特に好ましくは0.1〜10nmであることが好ましい。厚みは、例えば、適当な顕微鏡によって測定することができる。フィルムの厚みは、少なくとも10箇所の平均値とする。また、フィルムは、本発明に係る吸水性多糖類の表面の一部のみを被覆することができる。
通常、結合剤として好適な材料は、分子量が約290g/モルを超え、対応する融点を有し、対応する塗布温度において粘着作用のために不利となる分解またはその他の分子構造の変化を示さないポリマー材料である。
結合剤として使用することができるポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した分子量(Mn)は、290〜1,000,000、特に好ましくは1,000〜100,000、さらにより好ましくは5,000〜20,000g/モルであることが好ましい。
上述したポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した分子量分布は一相的(monomodal)であることができる。結合剤として使用することができるポリマーは、必要に応じて二相的または多相的(by− or higher modal)な分布を有することができる。
結合剤を使用する場合、架橋多糖類の重量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、さらにより好ましくは0.05〜2.5重量%の量で使用することが好ましい。
無機材料を必要に応じて結合剤と組み合わせて使用する場合、これらの追加成分を架橋多糖類の後架橋前、後架橋時または後架橋後に多糖類と接触させることができ、後架橋後に追加成分を添加することが特に好ましい。架橋多糖類の後架橋前に無機材料及び結合剤を添加する場合、多糖類を100〜160℃、好ましくは120〜140℃の温度に加熱することによって後架橋及び無機材料の付着を同時に行うことができる。
また、本発明は、上述した方法によって得られる、少なくとも部分的に中和された吸水性多糖類に関する。
本発明に係る方法によって得られる吸水性多糖類は、水、水溶液、体液の吸収容量と保持容量に優れている。また、表面のみを架橋させることによって、外圧下での水溶液の吸収容量が明らかに向上する。さらに、本発明に係る方法で得られる吸水性多糖類は、保存安定性を有し、ポリアクリル塩酸の製造時に生じることの多い残留モノマーや有機溶媒を実質的に含有せず、水性液体にごく僅かしか溶解せず、生分解性が高い。
さらに、本発明は、粒子状吸水性多糖類であって、多糖類の重量に対して0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%の量のポリリン酸塩またはポリリン酸によって架橋させた多糖類に関する。
また、本発明は、別の実施形態において、吸水性多糖類に対して好ましくは少なくとも5重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%の分岐多糖類、好ましくはセルロース及び/またはその誘導体を有する粒子状の吸水性多糖類であって、無機粒子で被覆された表面部分を有する吸水性多糖類に関する。さらに、本発明に係る吸水性多糖類は、少なくとも表面部分に結合剤を有することが好ましい。本発明に係る吸水性多糖類は、本発明に係る吸水性多糖類に対して0.001〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%の量で無機粒子を含有する。本発明に係る吸水性多糖類は、本発明に係る吸水性多糖類に対して0.001〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%の量で結合剤を含有する。
多糖類としては、本発明に係る吸水性多糖類の製造方法に関連して上述した多糖類が好ましく、無機粒子及び結合剤に関しても同様である。
好ましい実施形態では、本発明に係る吸水性多糖類は、1〜2,000μm、好ましくは100〜1,000μm、特に好ましくは150〜850μmの、ERT420.1−99に従って測定した平均粒径を有する。本発明に係る吸水性多糖類の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、特に好ましくは少なくとも100重量%が、300〜600μmのふるい分析によって測定した粒径を有することがさらに好ましい。
本発明に係る粒子状吸水性多糖類は、以下の特性の少なくとも1つ、好ましくは全てを有することがさらに好ましい。
(α1)本明細書に記載した試験方法に従って測定したCRC値が15g/gを超え、20g/g未満であるときに、0.9psiの圧力下で、本明細書に記載した試験方法に従って測定したAUL値が、10〜22g/g、特に好ましくは12〜19g/g、さらにより好ましくは14〜17g/g
(α2)本明細書に記載した試験方法に従って測定したCRC値が20g/gを超え、25g/g未満であるときに、0.9psiの圧力下で、本明細書に記載した試験方法に従って測定したAUL値が、6〜20g/g、特に好ましくは8〜17g/g、さらにより好ましくは10〜14g/g
(α3)本明細書に記載した試験方法に従って測定したCRC値が25g/gを超え、30g/g未満であるときに、0.9psiの圧力下で、本明細書に記載した試験方法に従って測定したAUL値が、6〜15g/g、特に好ましくは7〜12g/g、さらにより好ましくは8〜10g/g
(α4)本明細書に記載した試験方法に従って測定したCRC値が30g/gを超えるときに、0.9psiの圧力下で、本明細書に記載した試験方法に従って測定したAUL値が、5〜12g/g、特に好ましくは6〜10g/g、さらにより好ましくは7〜9g/g
原則として、上記の各数字またはその組み合わせが、本発明の好ましい実施形態を表す。本発明に係る好ましい粒子状の吸水性多糖類は、以下の特性または特性の組み合わせを有する:αl,α2,α3,α4,α5,α6,αlα2,αlα3,α1α4,α2α3,α2α4,α3α4,α1α2α3,α1α3α4,α2α3α4,α1α2α3α4。
本発明に係る粒子状吸水性多糖類は、以下の特性の少なくとも1つ、好ましくは全てを有することがさらに好ましい。
(β1)本明細書に記載した試験方法に従って測定した生分解性が、90日で少なくとも40%、好ましくは90日で少なくとも50%、さらにより好ましくは90日で少なくとも65%、さらにより好ましくは90日で少なくとも75%
(β2)ERT470.2−99に従って測定した抽出可能部分が、5〜60%、好ましくは8〜30%、さらにより好ましくは10〜20%(β3)本明細書に記載した試験方法に従って測定したゲル層浸透率(Gel Bed Permeability)が、1〜500×10−9cm、好ましくは5〜300×10−9cm、さらにより好ましくは20〜200×10−9cm。原則として、上
記の各数字またはその組み合わせが、本発明の好ましい実施形態を表す。
本発明に係る好ましい粒子状吸水性多糖類は、以下の特性または特性の組み合わせを有する:β1,β2,β3,β1β2,β1β3,β2β3,β1β2β3。
本発明に係る吸水性多糖類の別の実施形態では、本明細書に記載した試験方法に従って測定した生分解性が、45日で25〜50%、90日で50%を超え、90%以下、好ましくは45日で少なくとも28%、90日で少なくとも51%である。
本発明に係る、少なくとも部分的に中和された粒子状吸水性多糖類は、本明細書に記載した試験方法に従って測定した「粘性(sliminess)」が1〜3、好ましくは1〜2、さらにより好ましくは1であることがさらに好ましい。
本発明に係る粒子状吸水性多糖類は、内側部分と、内側部分を囲む外側部分とを有し、外側部分が内側部分よりも架橋度が高く、好ましくはコアシェル構造が形成されていることがさらに好ましい。架橋多糖類の外側部分における架橋度は、表面近傍の反応基の後架橋によって高めることが好ましい。後架橋のための後架橋剤としては、ポリリン酸塩またはポリリン酸が好ましく、本発明に係る吸水性多糖類の製造方法の第一の工程に関連して上述したポリリン酸塩またはポリリン酸が特に好ましい。
粒子の外側部分とは、粒子の中心からの距離がポリマー粒子の外半径の少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、特に好ましくは95%である粒子の体積部分である。
さらに、本発明は、上述した吸水性多糖類と基材とを含む複合体に関する。好ましくは、本発明に係る吸水性多糖類と基材とを互いに強固に結合させる。基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのポリマからなるシート、金属、不織布材料、綿毛、薄織物、織布、天然または合成繊維、その他の発泡体が好ましい。
本発明によれば、好ましい複合体は、シール材、ケーブル、吸収性コア、吸収性コアを含むおむつや衛生用品である。
さらに、本発明は、本発明に係る吸水性多糖類、基材、必要に応じて好適な添加剤を互いに接触させる複合体の製造方法に関する。接触は、ウェットレイド法、エアレイド法、圧縮、押出、混合によって行うことが好ましい。
また、本発明は、上記方法によって得られる複合体に関する。さらに、本発明は、上述した複合体のための本発明に係る吸水性多糖類を含む、特に発泡体、成形体、繊維、シート、フィルム、ケーブル、シール材、吸液性衛生用品、植物・菌類生育調節剤または植物防疫剤用の担体、建設材料用の添加剤、包装材料、土壌添加剤などの化学製品に関する。本発明の化学製品は、特に優れた生物分解性を有する。
また、本発明は、洪水への対処、防水、土壌の水分バランスの調整、食品の処理のための、本発明に係る吸水性多糖類または上述した複合体の衛生用品における使用に関する。
また、本発明は、未架橋多糖類を架橋させるためのポリリン酸塩またはポリリン酸の使用に関し、多糖類、ポリリン酸塩及びポリリン酸は、本発明に係る吸水性多糖類の製造方法の第一の工程に関連し上述した多糖類、ポリリン酸塩及びポリリン酸が好ましい。
本発明を試験法と実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
試験方法
ゲル層浸透性(GBP)の測定
この特性は、米国特許第6,387,495 B1号に開示されている試験方法に従って測定する。
遠心分離保持容量(CRC)の測定
この特性は、欧州特許第0601529 Bl号に開示されている試験方法に従って測定する。
荷重下吸収率(AUL)の測定
この特性は、欧州特許第0339461 B1号に開示されている試験方法に従って測定し、以下の表に記載した荷重を使用した。
4.粘性の測定
CRCの測定で得られた膨潤ゲルを、日中に視覚検査によって評価し、視覚的印象に応じて以下の記号を付した。説明を分かりやすくするために、各記号に付随する図をさらに参照する。
Figure 2014051663

5.生分解性の測定
生分解性(無機化(mineralization))を制御下たい肥化試験によって測定する(ISO 14855, ASTM D5338−92,DIN V54900−2に従う)。
実施例
1A)本発明に係る方法の工程
使用するカルボキシメチルセルロースナトリウムの量に対して0.09重量%の量のポリリン酸(84%、ドイツのクラリアント(Clariant)社製)を蒸留水に溶解し、水酸化ナトリウムによってpHを11.5に調節した。カルボキシメチルセルロースナトリウム(15重量%の活性物質含有量を有するオランダのノビアント(Noviant)社製のCekol(登録商標)100,000)を均一に溶液に練りこみ、粗砕した(wolfed)。粗砕したゲルを120℃の温度で150分間乾燥させ、850〜150μmの粒径に粉砕した。
粉末A1を得た。
1B)本発明に係る方法の工程
pHが11であり、水溶液の全重量に対して6重量%のポリリン酸を後架橋剤として含む水溶液を、粉末A1の全重量に対して10重量%の量で粉末A1と接触させた。被覆された半製品を130℃の温度で50分間加熱した。
粉末B1を得た。
粉末A1及びB1の特性は以下のとおりである。
Figure 2014051663
2A)本発明に係る方法の工程
使用するカルボキシメチルセルロースナトリウムの量に対して0.09重量%ではなく0.1重量%のポリリン酸(84%、ドイツのクラリアント社製)を使用したこと以外は実施例1Aと同様な操作を行った。
粉末A2を得た。
2B)本発明に係る方法の工程
pHが11.0であり、粉末A2の量に対して0.3重量%のドイツのデグサ社製アエロジル200と、水溶液の全重量に対して5重量%のポリリン酸とを含む水溶液を使用し、125℃で65分間加熱したこと以外は実施例1Bと同様な操作を行った。
粉末B2を得た。
粉末A2及びB2の特性は以下のとおりである。
Figure 2014051663
3A)本発明に係る方法の工程
Cekol(登録商標)100,000の代わりにCekol(登録商標)50,000を使用したこと以外は実施例1Aと同様な操作を行なった。
粉末A3を得た。
3B)本発明に係る方法の工程
pHが11で、粉末A3の量に対してドイツのデグサ社製アエロジル200を0.3重量%含む水溶液を使用したこと以外は実施例1Bと同様な操作を行なった。また、乾燥は130℃で110分間行なった。
粉末B3を得た。
粉末A3及びB3の特性は以下のとおりである。
Figure 2014051663
4A)本発明に係る方法の工程
使用するカルボキシメチルセルロースナトリウムの量に対して0.09重量%ではなく0.1重量%のポリリン酸(84%、ドイツのクラリアント社製)を使用したこと以外は実施例1Aと同様な操作を行なった。
粉末A4を得た。
4B)本発明に係る方法の処理工程
pHが11で、粉末A4の量に対してドイツのデグサ社製のシペルナット 22Sを0.5重量%含む水溶液を使用し、125℃で65分間加熱したこと以外は実施例1Bと同様な操作を行なった。
粉末B4を得た。
粉末A4及びB4の特性は以下のとおりである。
Figure 2014051663
記号1に相当する膨潤ゲル粒子。 記号2に相当する膨潤ゲル粒子。 記号3に相当する膨潤ゲル粒子。 記号4に相当する膨潤ゲル粒子。 記号5に相当する膨潤ゲル粒子。

Claims (32)

  1. 水の存在下で未架橋多糖類を架橋剤としてのポリリン酸塩またはポリリン酸と接触させて多糖類ゲルを形成する工程と、前記多糖類ゲルを架橋させる工程と、を含む、吸水性多糖類の製造方法。
  2. 水の存在下で多糖類を架橋剤と接触させて多糖類ゲルを形成する工程と、前記多糖類ゲルを乾燥させる工程と、を含み、少なくとも前記接触を混練機内で行なう、吸水性多糖類の製造方法。
  3. 前記架橋剤がポリリン酸塩またはポリリン酸である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記混練機が少なくとも2本の混練軸を含む、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記少なくとも2本の混練軸が少なくとも部分的に互いに接触する形状を有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも2本の混練軸が、前記混練軸の一方に向かって少なくとも部分的に軸方向につながる運搬流路を形成する、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記多糖類が未架橋多糖類である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記多糖類がポリカルボキシ多糖類である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記未架橋ポリカルボキシ多糖類のカルボキシル基の少なくとも50モル%が中和されている、請求項8に記載の方法。
  10. 前記架橋または前記乾燥を70℃を超える温度で行う、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 有機溶媒の非存在下で前記多糖類を前記架橋剤と接触させる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 8〜12のpHで前記多糖類を前記架橋剤と接触させる、前記請求項いずれか1項に記載の方法。
  13. 前記多糖類と前記ポリリン酸塩または前記ポリリン酸との接触を、最初に前記ポリリン酸塩を水に溶解し、前記ポリリン酸塩水溶液のpHを8〜12に設定し、前記ポリリン酸塩水溶液を未架橋多糖類と接触させる方法で行なう、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記多糖類の重量の0.001〜20重量%の量で前記架橋剤を前記多糖類と接触させる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記多糖類が、前記多糖類の全重量の20重量%未満の塩含有量を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ポリリン酸塩が、組成がM n+2[P3n+1]またはM [H
    3n+1](式中、Mは一価の金属であり、nは少なくとも2である)である化合物を架橋剤として含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  17. 架橋剤としての前記ポリリン酸がHn+23n+1または(HPOの組成
    (式中、nは少なくとも2である)を有する、前記請求項いずれか1項に記載の方法。
  18. 前記乾燥前及び/又は前記乾燥させた架橋多糖類の粉砕前に、前記多糖類ゲルを破砕することで粒子状架橋多糖類を得る、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記粒子状架橋多糖類を、前記粒子の前記外側部分において後架橋剤で後架橋させる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記後架橋剤を0.01〜80重量%水溶液として用いる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記後架橋剤がポリリン酸塩またはポリリン酸である、請求項19または20に記載の方法。
  22. 無機粒子の存在下で前記架橋多糖類を前記後架橋剤で後架橋させる、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記請求項のいずれか1項に記載の方法によって得られる吸水性多糖類。
  24. 粒子状吸水性多糖類であって、前記多糖類が、前記多糖類の重量に対して0.001〜25重量%の量のポリリン酸塩またはポリリン酸によって架橋されている、粒子状吸水性多糖類。
  25. 前記多糖類が少なくとも部分的に中和されたポリカルボキシ多糖類である、請求項24に記載の粒子状吸水性多糖類。
  26. 前記多糖類が粒径が150〜850μmの粒子状である、請求項24または25に記載の粒子状吸水性多糖類。
  27. 前記多糖類が以下の特性の少なくとも1つを有する、請求項23〜26のいずれか1項に記載の粒子状吸水性多糖類。
    (α1)CRC値が15g/gを超え、20g/g未満であるときに、0.9psiの圧力下におけるAUL値が10〜32g/g
    (α2)CRC値が20g/gを超え、25g/g未満であるときに、0.9psiの圧力下におけるAUL値が6〜20g/g
    (α3)CRC値が25g/gを超え、30g/g未満であるときに、0.9psiの圧力下におけるAUL値が6〜15g/g
    (α4)CRC値が30g/gを超えるときに、0.9psiの圧力下におけるAUL値が5〜12g/g
  28. 請求項23〜27のいずれか1項に記載の少なくとも部分的に中和された吸水性多糖類と基材とを含む複合体。
  29. 請求項23〜27のいずれか1項に記載の少なくとも部分的に中和された吸水性多糖類と、基材と、必要に応じて添加剤とを互いに接触させる、複合体の製造方法。
  30. 請求項29に記載の方法によって得られる複合体。
  31. 洪水への対処、防水、土壌の水分バランスの調整または食品の処理のための、請求項23〜27のいずれか1項に記載の少なくとも部分的に中和された多糖類または請求項28または30に記載の複合体の衛生用品における使用。
  32. 未架橋多糖類を架橋させるためのポリリン酸塩またはポリリン酸の使用。
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