JP2014100638A - 一酸化炭素浄化フィルタの製造方法、一酸化炭素浄化フィルタ及び一酸化炭素浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金ナノ粒子2を無機物粒子3に担持した金ナノ粒子触媒1、金ナノ粒子触媒を分散する溶媒とからなる触媒インキを、フィルタ基材4に塗布して接触させた後、溶媒を乾燥除去することで、フィルタ基材の表面に金ナノ粒子触媒が凝集されて付着している一酸化炭素浄化フィルタ10を製造する。金ナノ粒子触媒は触媒インキ中ではなるべく凝集を解いた状態としフィルタ基材4上では再凝集されているものとするのがよい。触媒インキ中の金ナノ粒子触媒の平均粒子径は5μm以下が付着性の点で好ましい。このような一酸化炭素浄化フィルタを用いて一酸化炭素浄化装置とする。
【選択図】図1
Description
また、タバコの喫煙によっても、一酸化炭素は生じている。タバコの煙は、その受動喫煙による健康への影響も危惧されており、健康増進法など法律や条例によって、多くの人が集まる施設や職場では、分煙、禁煙などによる対策が義務化されてきている。
特許文献3では、フィルタ基材に該当する長さ10mm程度、長くても100mm程度の繊維と触媒粒子とを、溶媒無しで共存させた系に、乾式法により、高速撹拌ミルなどで、圧縮力、撹拌衝撃力、摩砕力、剪断力などの機械的エネルギーを加えることにより、フィルタ基材の表面に触媒粒子を付着させる方法が開示されている。
特許文献4では、フィルタ基材に熱可塑性樹脂を用い、その融点より高い融点又は分解温度を有する触媒粒子を、熱可塑性樹脂の融点より高い温度に加熱し、加熱された触媒粒子を含む気流をフィルタ基材の表面に吹き付けることによって、フィルタ基材の表面に触媒粒子を付着させる方法が開示されている。
特許文献3では、樹脂のような結着剤こそ使用しないが、機械的エネルギーを利用して触媒をフィルタ基材に付着させているために、フィルタ基材に機械的負荷や衝撃が加わる結果、フィルタ基材が損傷しやすく、また、繊維素に対して行うため、例えば300mm角の形状などフィルタ基材の形状を維持したまま触媒粒子を付着させることができないという問題がある。
特許文献4では、フィルタ基材に熱可塑性樹脂を用い、その融点温度以上に加熱し融着により、触媒粒子をフィルタ基材に付着させているために、フィルタ基材が融着するような高い温度が必要であるという問題がある。
また、本発明の課題は、結着剤や融着によらずに触媒粒子がフィルタ基材に付着している一酸化炭素浄化フィルタを提供することである。
また、本発明の課題は、前記一酸化炭素浄化フィルタを備えた一酸化炭素浄化装置を提供することである。
(1)金ナノ粒子を無機物粒子に担持した金ナノ粒子触媒と、前記金ナノ粒子触媒を分散する溶媒とからなる触媒インキを、
フィルタ基材に接触させた後、前記溶媒を乾燥除去することで、前記フィルタ基材の表面に凝集された前記金ナノ粒子触媒を付着させる、
一酸化炭素浄化フィルタの製造方法。
(2)前記触媒インキ中の金ナノ粒子触媒の平均粒子径が、5μm以下である、前記(1)の一酸化炭素浄化フィルタの製造方法。
(3)金ナノ粒子を無機物粒子に担持した金ナノ粒子触媒と、フィルタ基材とを含み、前記金ナノ粒子触媒が前記フィルタ基材の表面に凝集されて付着している、一酸化炭素浄化フィルタ。
(4)前記(3)の一酸化炭素浄化フィルタを備える、一酸化炭素浄化装置。
本発明の一酸化炭素浄化フィルタによれば、結着剤や融着によらずに触媒粒子がフィルタ基材に付着しているものとすることができる。
本発明の一酸化炭素浄化装置によれば、結着剤や融着によらずに触媒粒子がフィルタ基材に付着している一酸化炭素浄化フィルタによって一酸化炭素を浄化することができる。
先ず、一酸化炭素浄化フィルタの製造方法と一酸化炭素浄化フィルタから説明する。
このように、本発明による一酸化炭素浄化フィルタの製造方法は、前記した従来の機械的エネルギーを用いる方法が乾式であるのに対して、溶媒を用いる湿式法による製造方法である。
金ナノ粒子触媒1は、金ナノ粒子2が無機物粒子3に担持されて形成されている触媒である。この金ナノ粒子触媒1は、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化させる酸化触媒としての触媒機能を有する。
図2の模式図及び図3の拡大写真に示すように、金ナノ粒子触媒1は、金ナノ粒子2が無機物粒子3の表面に担持されて形成されている。
そのため、金ナノ粒子触媒1を用いた一酸化炭素浄化フィルタ10は、特別な光源や熱源を用いることなく、常温でも一酸化炭素を浄化できるので、空気清浄機や空調機器の内部のような暗所に取り付けて用いることができる。前記常温とは、JIS Z 8703によれば、25℃±15℃を意味する。
金ナノ粒子2は、その粒子径がナノメータオーダーの金のナノ粒子である。金ナノ粒子2は、金ナノ粒子触媒1の活性部位となる。
前記平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて金ナノ粒子触媒1に担持された複数の金ナノ粒子2の粒子径を測長して算出した平均値を採用することができる。
無機物粒子3は、金ナノ粒子2を担持するための粒子である。無機物粒子3としては、金ナノ粒子2を担持して金ナノ粒子触媒1としての触媒活性を発揮し得る物質であり、且つ、好ましくは、後述する触媒インキの溶媒に不溶な物質であれば、特に制限はない。
前記無機酸化物粒子を形成する無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化第二銅、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ビスマス、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ジルコニウム、酸化銀、酸化マンガン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、酸化ケイ素などの非金属酸化物が挙げられる。
前記無機物質粒子を形成する無機物質としては、ゼオライト、ベントナイト、ハロイサイト、イモゴライトなどの粘土鉱物が挙げられる。また、無機物質粒子としては、酸化鉄や酸化ニッケルなどの金属酸化物をゼオライトなどの粘土鉱物に担持した複合物質粒子、フュームドシリカなどの無機物粒子表面を有機置換基で被覆した複合物質粒子なども挙げられる。
前記金属粒子を形成する金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
無機物粒子3としては、これらの物質の粒子を、単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
無機物粒子3の粒子径は、無機物粒子3が凝集している場合は、凝集粒子の粒子径のことを意味する。ちなみに、図3の透過型電子顕微鏡による拡大写真で示された金ナノ粒子触媒1における無機物粒子3は、凝集粒子である。
なお、前記粒子径及び平均粒子径は、例えば、光散乱式粒度分布測定装置によって測定された値を採用することができる。
金ナノ粒子2を無機物粒子3の表面に担持して金ナノ粒子触媒1を形成する方法としては、以下の公知の形成法などを採用することができる。例えば、共沈法(特許第1623540号公報など)、析出沈殿法(特公平6−29137号公報(特許第1904258号))などの形成法を採用することができる。
インキ化の操作では、金ナノ粒子触媒1を溶媒中に分散させた触媒インキを調製する。本発明による触媒インキが、特徴的なのは、当該触媒インキが、金ナノ粒子2を無機物粒子3に担持した金ナノ粒子触媒1と、この金ナノ粒子触媒1を分散する溶媒とからなることである。
通常のインキでは、溶媒と、この溶媒に不溶性の物質とを含むインキを調製する場合、分散剤や結着剤も含ませることが必須である。しかし、本発明による触媒インキでは分散剤も結着剤も用いる必要はない。溶媒に溶解しない金ナノ粒子触媒1と溶媒のみを用いて、金ナノ粒子触媒1を溶媒中に分散させることで、触媒インキを調製することができる。
本発明においては、前記付着性とは、金ナノ粒子触媒1がフィルタ基材4から、外力などによって容易に脱落しないことを意味し、金ナノ粒子触媒1のフィルタ基材4に対する固定力とも言える。
金ナノ粒子触媒1の触媒インキ中での粒子径は、凝集された凝集粒子も含めた平均粒子径で捉えて、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。平均粒子径が、前記範囲を超えると、フィルタ基材4の表面に付着している金ナノ粒子2の凝集粒子が大きくなりすぎて、フィルタ基材4の表面への固定力が弱くなり、付着性が低下することがあるからである。
金ナノ粒子触媒1の前記平均粒子径の下限は、特に制限はないが、金ナノ粒子2及び無機物粒子3の平均粒子径に依存し、例えば0.1μmである。
前記平均粒子径は、メジアン径を採用することができる。
前記平均粒子径は、例えば、光散乱式粒度分布測定装置によって測定された値を採用することができる。
触媒インキをフィルタ基材4に接触させるには、塗布法によって行うことができる。
触媒インキをフィルタ基材4に接触させた後、触媒インキ中の溶媒を乾燥し除去することにより、本発明の一酸化炭素浄化フィルタ10を得ることができる。
本発明における触媒インキには、前述したとおり、分散剤や結着剤が使用されることは好ましくなく、分散剤や結着剤が使用されていないと、インキの分散状態が、分散剤や結着剤が使用されている場合に比べて、不安定である。このため、触媒インキは、金ナノ粒子触媒1を分散させる触媒インキ化直後にフィルタ基材4に塗布することが好ましい。
直後とは、触媒インキを作製後、30分以内、好ましくは15分以内、より好ましくは10分以内のことを言う。
触媒インキ中に存在する金ナノ粒子触媒1の再凝集は、溶媒を乾燥させればいかなる材料のフィルタ基材4でも起こるため、触媒粒子をイオン結合で吸着させる化学構造を有しないフィルタ基材4、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどポリオレフィン系繊維のフィルタ基材4に対しても、本発明では、金ナノ粒子触媒1を付着させることができる。
フィルタ基材4としては、通気性を有するものであれば特に制限はない。フィルタ基材4が、通気性を有するということは、フィルタ基材4は、3次元網目構造を有している材料であるということもできる。
フィルタ基材4としては、具体的には、例えば、織物、編み物、紙、不織布、網状体、多孔質体などを用いることができる。これらのなかでも、通気性に優れている点で、不織布がフィルタ基材4として、好ましい。
これらの繊維を用いた不織布のなかでも、経済性に優れている点で、有機繊維、それも合成高分子を用いた有機繊維、換言すると合成繊維を用いた不織布が好ましい。
フィルタ基材4は、触媒インキの溶媒に対して、不溶であることが好ましい。これは、溶け出したフィルタ基材4の成分が、金ナノ粒子触媒1の表面を覆ってしまうことがないようにするためである。
上記空隙率は、フィルタ基材4が繊維を用いたものである場合で言えば、フィルタ基材4を構成する繊維の総体積とフィルタ基材4の体積とを測定し、{1−(フィルタ基材4を構成する繊維の総体積/フィルタ基材4の体積)}×100、として定義される値である。
以上のような本発明による一酸化炭素浄化フィルタの製造方法では、一酸化炭素の酸化触媒である金ナノ粒子触媒1の触媒粒子を、フィルタ基材4に付着させて一酸化炭素浄化フィルタ10とする際に、フィルタ基材4の目詰まりや損傷を生じさせずに、且つフィルタ基材が溶融するような高温も必要とせずに、製造することができる。
しかも、フィルタ基材4の熱溶融や結着剤によらずに、金ナノ粒子触媒1をフィルタ基材4に付着させることができるので、フィルタ基材4が目詰まりすることもない。
また、フィルタ基材4の熱溶融によらずに、金ナノ粒子触媒1をフィルタ基材4に付着させることができるので、金ナノ粒子触媒1を構成する無機物粒子3には、フィルタ基材4よりも融点の低い材料を用いることもできるので、材料設計の自由度を高めることができる。
また、フィルタ基材4の熱溶融や結着剤によらずに、金ナノ粒子触媒1をフィルタ基材4に付着させることができ、フィルタ基材4に付着された金ナノ粒子触媒1は、その表面が結着剤などで覆われないようにすることができるので、金ナノ粒子触媒1の表面が結着剤などで覆われ触媒活性が低下せず、その触媒活性を効果的に発揮させることができる。
以上のような製造方法で得ることができる本発明による一酸化炭素浄化フィルタ10は、結着剤や融着によらずに触媒粒子がフィルタ基材に付着しているものとすることができる。したがって、その金ナノ粒子触媒1の触媒活性を効果的に発揮させることができる。しかも、常温でも暗所でも触媒活性を発揮させることができる。
本発明による一酸化炭素浄化装置は、前述した一酸化炭素浄化フィルタを備え、一酸化炭素を酸化することにより浄化し得る浄化装置である。
図5に、本発明による一酸化炭素浄化装置の第1の実施形態としての基本的構成例を示す。同図に示す一酸化炭素浄化装置100は、本体51と、本体51に設けられた吸気口52と、吸気口52の下流側に設けられ吸気口52から吸気される空気を浄化する一酸化炭素浄化フィルタ10と、一酸化炭素浄化フィルタ10の下流側に設けられ、吸気口52から空気を吸気するファン53と、ファン53の下流側に設けられ一酸化炭素浄化フィルタ10で浄化された空気を吹き出す本体51に設けられた送風口54とを備える。
図6に、本発明による一酸化炭素浄化装置の第2の実施形態を示す。本実施形態では、前記第1の実施形態に対して、その構成要素を、より具体的に示した形態例である。
同図に示す一酸化炭素浄化装置100は、側面の前面から吸気し、上面から送風する前面吸気上面送風型の装置の構成例である。
吸気口52の下流側に設けられ吸気口52から吸気される空気中の塵埃を浄化する集塵フィルタ55と、集塵フィルタ55を固定する集塵フィルタ固定枠55aと、
集塵フィルタ55の下流側に設けられ集塵フィルタ55通過後の空気中の臭いを浄化する脱臭フィルタ56と、脱臭フィルタ56を固定する脱臭フィルタ固定枠56aと、
脱臭フィルタ56の下流側に設けられ脱臭フィルタ56通過後の空気中の一酸化炭素を浄化する一酸化炭素浄化フィルタ10と、一酸化炭素浄化フィルタ10を固定する一酸化炭素浄化フィルタ固定枠57aと、
一酸化炭素浄化フィルタ10の下流側に設けられ、吸気口52から空気を吸気し各フィルタに通すファン53と、ファン53を駆動するモーター53mと、
本体51の上面であってファン53の下流側に設けられ浄化された空気を吹き出す送風口54と、送風口54に設けられた送風口ルーバー54rと、
ファンの駆動及び風量、駆動時間など、装置の運転を制御する制御部58と、制御部58に設けられ運転状況を指定する制御パネル58pと、
本体を支持する足59と、を備える。
ファン53は、本実施形態ではプロペラファンである。
図7に、本発明による一酸化炭素浄化装置の第3の実施形態を示す。本実施形態でも、前記第2の実施形態と同様に、前記第1の実施形態に対して、その構成要素を、より具体的に示した形態例である。
同図に示す一酸化炭素浄化装置100は、装置の下面から吸気し、側面の前面から送風する下面吸気前面送風型の装置の構成例である。
吸気口52の下流側に設けられ吸気口52から吸気される空気中の塵埃を浄化する集塵フィルタ55と、集塵フィルタ55を固定する集塵フィルタ固定枠55aと、
集塵フィルタ55の下流側に設けられ集塵フィルタ55通過後の空気中の臭いを浄化する脱臭フィルタ56と、脱臭フィルタ56を固定する脱臭フィルタ固定枠56aと、
脱臭フィルタ56の下流側に設けられ脱臭フィルタ56通過後の空気中の一酸化炭素を浄化する一酸化炭素浄化フィルタ10と、一酸化炭素浄化フィルタ10を固定する一酸化炭素浄化フィルタ固定枠57aと、
一酸化炭素浄化フィルタ10の下流側に設けられ、吸気口52から空気を吸気し各フィルタに通すファン53と、ファン53を駆動するモーター53mと、
本体51の側面の前面であってファン53の下流側に設けられ浄化された空気を吹き出す送風口54と、送風口54に設けられた送風口ルーバー54rと、
ファンの駆動及び風量、駆動時間など、装置の運転を制御する制御部58と、制御部58に設けられ運転状況を指定する制御パネル58pと、
本体を支持する足59と、を備える。
ファン53は、本実施形態ではシロッコファンである。
足59は、足59間の空隙から空気が吸気口52に吸い込まれるようになっている。
本発明による一酸化炭素浄化フィルタ10の用途は、種々の場面で一酸化炭素を浄化する用途に広く用いられ得る。例えば、一酸化炭素浄化フィルタは、自動車、船舶、航空機などの乗り物の室内、或いは建物の室内なとにおける空気清浄機、エアコン、分煙機等の空調装置の空気浄化フィルタ等に好適に用いられ得る。
本発明による一酸化炭素浄化装置100は、例えば、前記空調装置として好適に用いられ得る。
(金ナノ粒子触媒1の作製)
金ナノ粒子触媒1として、金ナノ粒子2を酸化チタン粒子の無機物粒子3に担持したものを、酸化チタン粒子(日本アエロジル株式会社製、AEROXIDE(登録商標)TiO2 P25、平均一次粒子径約21nm、比表面積50±15m2/g、平均粒子径4μm)と四塩化金酸を用いて、析出沈殿法(特公平6−29137号公報(特許第1904258号)など参照)によって合成した。
前記平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製 LA−920)にて分散媒にイオン交換水を用いて測定したメジアン径である。
上記金ナノ粒子触媒1を20mlのサンプル管に0.12g計り取った。次に、計り取った金ナノ粒子触媒1の重量の19倍の重量の無水エタノールを溶媒として加えることで、固形分濃度を5wt%とした。そこに直径1.0mmのジルコニアビーズを4.0g投入して15分間振ることで、金ナノ粒子触媒1をエタノールに分散させた分散液を調製した。この分散液中のジルコニアビーズを沈降させて除去して、触媒インキを調製した。
上記で調製した触媒インキを、分散直後にフィルタ基材4に塗布した。フィルタ基材4としては、スパンボンド法及びサーマルボンド法で作製されたポリプロピレン製の不織布(旭化成せんい株式会社製、エルタスクリンプ(登録商標)PC8045、目付45g/m2)を用いた。触媒インキのフィルタ基材4に対する塗布は、約10cm角にカットしたフィルタ基材4を、ガラス基板上に置き、分散直後の触媒インキをスポイトで満遍なく振り掛けて塗布した後、110℃のホットプレート上でガラス基板ごと10分間乾燥させて溶媒を除去することで、一酸化炭素浄化フィルタ10を得た。
図4に示されているように、凝集した金ナノ粒子触媒1の粒子が、フィルタ基材4の不織布の繊維表面を、略満遍なく付着した状態で、フィルタ基材4に固定されていることが確認された。また、フィルタ基材4は、断面が偏平形状で繊維径が約40μmであることがわかる。
(金ナノ粒子触媒1)
金ナノ粒子触媒1には実施例1において作製したものを用いた。
上記金ナノ粒子触媒1を20mlのサンプル管に0.12g計り取った。次に、計り取った金ナノ粒子触媒1の重量の19倍の重量の無水エタノールを溶媒として加えることで、固形分濃度を5wt%とした。そこに撹拌子を投入し、マグネティックスターラーを用いて15分間撹拌することで、金ナノ粒子触媒1をエタノールに分散させた触媒インキを調製した。
上記で調製した触媒インキを、分散直後にフィルタ基材4に塗布した。塗布及びその後の乾燥は、実施例1と同様にして行って、一酸化炭素浄化フィルタ10を得た。
一酸化炭素浄化フィルタ10は、図9に示されているように、実施例1の場合に比べてより大きな固まりとなって凝集した金ナノ粒子触媒1が、フィルタ基材4の不織布の繊維間に、からみつくような状態で、フィルタ基材4に付着しているものがあることが確認された。
上記で得た一酸化炭素浄化フィルタ10について、一酸化炭素浄化性能、及び、金ナノ粒子触媒1の付着性を評価した。
ジグに固定した一酸化炭素浄化フィルタ10に、窒素と酸素とが大気と同じ割合に混合され、さらに800ppmの濃度の一酸化炭素を混合した合成空気を、室温23℃で、時間あたり面積あたりでの流量1cm3/(min・cm2)で通気し、通気後での一酸化炭素の減少量及び二酸化炭素の増加量を測定することで一酸化炭素から二酸化炭素への変換率を求めた。
その結果、実施例1及び実施例2ともに、変換率は0.09であり、一酸化炭素を酸化除去して浄化する性能があることが確認された。
上記変換率は、一酸化炭素に対して、通気前濃度〔ppm〕及び通気後濃度〔ppm〕から下式により算出した値である。
変換率=(通気前濃度−通気後濃度)/通気前濃度
金ナノ粒子触媒1のフィルタ基材4に対する付着性は、一酸化炭素浄化フィルタ10を、清浄な洗浄済みガラス基板上で軽く振り、ガラス基板の表面に落下した金ナノ粒子触媒1の脱落粒子数を計数することで評価した。
その結果、実施例2では100個以上の脱落粒子が確認されたのに対して、実施例1では脱落粒子が確認されなかった。
実施例1の一酸化炭素浄化フィルタ10は、金ナノ粒子触媒1がフィルタ基材4によく付着していた。一方、実施例2の一酸化炭素浄化フィルタは、実施例1に比べると、脱落粒子が認められ付着性は劣った。
ただし、一酸化炭素の浄化性能は、実施例1及び実施例2ともに同じであった。
このため、実施例2のものは、フィルタ表裏を、不織布や多孔質体などのフィルタ基材4を保護用として挟むなど、金ナノ粒子触媒1が脱落するような外力が加えられないようにして用いれば、実施例1と同様な浄化性能を維持できると判断される。
2 金ナノ粒子
3 無機物粒子
4 フィルタ基材
10 一酸化炭素浄化フィルタ
51 本体
52 吸気口
52r 吸気口ルーバー
53 ファン
53m モーター
54 送風口
54r 送風口ルーバー
55 集塵フィルタ
55a 集塵フィルタ固定枠
56 脱臭フィルタ
56a 脱臭フィルタ固定枠
57a 一酸化炭素浄化フィルタ固定枠
58 制御部
58p 制御パネル
59 足
100 一酸化炭素浄化装置
Ac 浄化空気
Ad 汚染空気
Claims (4)
- 金ナノ粒子を無機物粒子に担持した金ナノ粒子触媒と、前記金ナノ粒子触媒を分散する溶媒とからなる触媒インキを、
フィルタ基材に接触させた後、前記溶媒を乾燥除去することで、前記フィルタ基材の表面に凝集された前記金ナノ粒子触媒を付着させる、
一酸化炭素浄化フィルタの製造方法。 - 前記触媒インキ中の金ナノ粒子触媒の平均粒子径が、5μm以下である、請求項1に記載の一酸化炭素浄化フィルタの製造方法。
- 金ナノ粒子を無機物粒子に担持した金ナノ粒子触媒と、フィルタ基材とを含み、前記金ナノ粒子触媒が前記フィルタ基材の表面に凝集されて付着している、一酸化炭素浄化フィルタ。
- 請求項3に記載の一酸化炭素浄化フィルタを備える、一酸化炭素浄化装置。
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