JP2014111694A - 薄膜接着シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型化した電子機器の製造に好適で、低温硬化性を有する薄膜接着シートを提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤としてジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤として次の一般式(1)の構造の尿素誘導体と、
【化1】
Figure 2014111694

(式中、Rは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜24の脂環式炭化水素基を、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又はRとRが結合してなる炭素数4若しくは5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜3の整数である。)を必須成分として含有し、厚さが30μm以下に形成された薄膜接着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄膜接着シート及びその製造方法に係り、特に、130℃以下の加熱でも十分に硬化可能な低温硬化性を有する薄膜接着シート及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、薄型化が進んできている背景から、各種部品の接着については、接着面積、高さなどの制限が厳しくなってきている。また、機器内や基板上には様々な部品が混在しているため、例えば、耐熱性の低い部品が存在する場合には、それに合わせた低温硬化による部品の接着剤の要求がある。
低温硬化性を有する接着剤は、主剤と硬化剤を混合して使用する2液タイプが主流である。この2液タイプの接着剤は一般に液状であり、電子機器用途にこのような低温硬化性の液状接着剤を使用する場合、液状であるために流動性が高く、所定の面積からはみ出してしまったり、適正な厚さを保持できなかったり、という不具合が発生することがある。
これに対して、低温硬化性を有する1液性接着剤も種々開発されてきているが、その低温硬化性のために、製造工程での加熱はできないので、溶剤に溶解、塗布、加熱乾燥などの、一般的な薄膜接着シート作製工程は適用できない。すなわち、低温硬化性を有する接着剤として、シート状の形態を有する薄膜接着シートは知られていない。
一方、従来からある薄膜接着シートは、溶剤に接着剤成分を溶解し、これを塗布、加熱乾燥して製造されるものが多く、取り扱いが容易で、所望の形状、厚さに形成することもできるため広く用いられているが、このような接着シートは製造時の乾燥工程での加熱で硬化反応が進まないような設計であるため、低温硬化性を有しておらず、硬化には130℃以上の加熱が必要である場合が多い。
特に、良好な接着性と潜在硬化性を有することで知られているエポキシ用硬化剤ジシアンジアミドは、溶解可能な溶剤が限られており、代表的なジシアンジアミド可溶溶剤であるジメチルホルムアミドの場合、沸点が153℃と高いため、ジシアンジアミドをエポキシ系接着剤の硬化剤として用いる場合、低温乾燥だと塗工時間が長くなって生産性が著しく低下してしまう。そのため、効率的な接着シート製造のためには、150℃程度の乾燥工程が必要になってくる。
このような接着シートとしては、例えば、ジシアンジアミドと尿素誘導体の組み合わせにより、エポキシ樹脂に、硬化剤としてジシアンジアミド、硬化促進剤としてジメチルウレア系化合物を配合した樹脂組成物を繊維基材に含浸させた、積層板用途として使用されるプリプレグが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特許第4587323号公報 特許第3136943号公報 特開平10−182794号公報
しかしながら、特許文献1記載の接着剤組成物は無溶剤であり、100℃以上の熱を加える工程の記載はない。また、特許文献2〜3に記載の接着剤組成物は、硬化に高温を要するものであるため、耐熱性の低い部品が混在する場合は、適用できないことがある。また、特許文献1には60μm以上の層厚としたシート状の記載が、特許文献2、3には繊維基材に樹脂組成物を含浸させてプリプレグとした記載があるものの、それらの厚さは必然的に40μm以上になってしまうため、小型化、薄型化している電子機器の製造においては、適用しにくい場合があった。
本発明は、このような状況下になされたもので、130℃以下での硬化を可能とする低温硬化性を有し、小型化、薄型化した電子機器の製造にも好適な薄膜接着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エポキシ系接着剤において、特定の硬化剤と硬化促進剤を用い、さらに、特定のシート厚さとすることによって、150℃程度の溶剤の加熱乾燥工程を経る製造方法でも、使用時に低温硬化性を損なうことのない薄膜接着シートが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤としてジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤として次の一般式(1)
Figure 2014111694
(式中、Rは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜24の脂環式炭化水素基を、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又はRとRが結合してなる炭素数4若しくは5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜3の整数である。)で表される尿素誘導体と、を必須成分として含有し、厚さが30μm以下に形成された薄膜接着シートである。
さらに、この薄膜接着シートとしては、100℃で2時間加熱したときの加熱前後における硬化発熱量変化率が90%以上となる、優れた低温硬化性を有するものが好ましい。
また、本発明の薄膜接着シートの製造方法は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤としてジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤として次の一般式(1)
Figure 2014111694
(式中、Rは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜24の脂環式炭化水素基を、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又はRとRが結合してなる炭素数4又は5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜3の整数である。)で表される尿素誘導体と、(D)有機溶剤と、を含有する接着剤組成物溶液を、キャリアフィルムに塗布した後、加熱乾燥させ溶剤を除去して厚さ30μm以下の薄膜接着シートを形成することを特徴とする。
本発明の薄膜接着シートによれば、厚さが薄く、シート状であり、その形状加工も可能であるため、液状接着剤を使用する場合のように、所定の接着面積からはみ出したり、厚さの不適正が生じたり、という不具合を発生することがない。また、本発明の薄膜接着シートは、従来の一般的な接着シートに比べて130℃以下の硬化温度で十分に接着できるため、電子機器の一部に耐熱性の低い部品が混在する場合でも、該部品にダメージを与えることがない。
したがって、本発明の薄膜接着シートによれば、電子機器の小型化、薄型化への対応が容易で、製品信頼性も向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が例示できるが、これに限定されるものではない。なお、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は入手が容易で安価であるため製造コストを抑制できる点から好ましい。
これらエポキシ樹脂は、単独で使用しても、複数種を混合して用いてもよい。特に、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂を混合することが、シートとしての扱いやすさの点で好ましい。
本発明に用いる(B)硬化剤は必須成分としてジシアンジアミドを含有するものである。なお、ジシアンジアミドに加え、その他の硬化剤として、フェノール硬化剤や酸無水物類、アミン類等の通常使用されるエポキシ樹脂用硬化剤を併用することもできる。
このエポキシ樹脂用の硬化剤の使用量は、硬化性及び硬化樹脂物性のバランスなどの点から、上記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対し、通常0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲で選定される。
本発明に用いる(C)硬化促進剤は次の一般式(1)で表される尿素誘導体である。
Figure 2014111694
(式中、Rは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜24の脂環式炭化水素基を、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又はRとRが結合してなる炭素数4若しくは5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜3の整数である。)
この一般式における置換基Rは、芳香族炭化水素基としては炭素数6〜24のベンゼン骨格を有する基、例えば、フェニル基、メチレンジフェニレン基等が挙げられ、脂環式炭化水素基としては炭素数5〜24の基、例えば、α,β−不飽和環状ケトンであるイソホロン基等が挙げられ、このR構造とウレア基との結合は共鳴構造をとり安定する位置に置換される。R及びRの脂肪族炭化水素基としては炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基又はプロピル基等が挙げられ、RとRが結合する場合には炭素数4又は5のアルキレン基、例えば、ブチレン基(RとRがそれぞれ結合する窒素原子と一体的に5員環のピロリジニル基を形成する)、ペンテン基(RとRがそれぞれ結合する窒素原子と一体的に6員環のピペリジニル基を形成する)が挙げられる。なお、置換基R、R及びRはさらに置換基を有していてもよく、この置換基としては、塩素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等が挙げられる。
なお、ここで用いる尿素誘導体としては、具体的には、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)、フェニルジメチルウレア、トルエンビスジメチルウレア、イソホロンビスジメチルウレア、メチレンジフェニルビスジメチルウレア等が挙げられ、これらの硬化促進剤は1種類又は2種類以上混合して使用することができる。添加量を考慮すると、少量添加でも硬化促進効果があり、工業的にも入手が容易なジメチルウレアが特に好ましく使用できる。このエポキシ樹脂用硬化促進剤の使用量は、硬化促進性及び硬化樹脂物性のバランスなどの点から、上記(A)成分のエポキシ樹脂100質量部に対し、通常0.5〜15質量部程度、好ましくは1〜10質量部の範囲で選定される。
本発明の薄膜接着シートは、上記した(A)〜(C)成分を必須成分として含有する樹脂組成物から形成される、厚さが30μm以下の樹脂シートである。上記の樹脂組成物は、その厚さを30μm以下とすることで、良好な低温硬化性を有する接着シートとして形成でき、それよりも厚く形成すると、シート形成時の乾燥加熱工程でゲル化が生じやすくなったり、使用した溶剤が残存し使用時に不具合が生じたり、してしまう。なお、この薄膜接着シートは、その厚さの点から、繊維基材等は用いることなく、樹脂組成物のみでシート状に形成されるものである。また、接着力等の観点から、シートの厚さは5μm以上、好ましくは10μm以上とするのが好ましい。
この接着剤組成物の構成成分としては、さらに必要に応じて、合成ゴム、フェノキシ樹脂、変性ポリアミド樹脂のようなエラストマー類、無機充填剤、有機充填剤、希釈剤、消泡剤、レベリング剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤などの添加剤を適宜添加することができる。
上記のような配合からなる所定の厚さの本発明の薄膜接着シートは、低温硬化性を有する。本明細書において低温硬化性とは、70℃以上130℃以下の温度でも十分に硬化することを意味する。このような特性は、電子機器を製造するにあたって、使用する部品に熱的ダメージを不必要に与えないため適しており、特に、耐熱性の低い部品を使用する場合に好適である。
なお、低温硬化性は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)による硬化発熱量により評価できる。具体的には、100℃で2時間の加熱を行った際に、その前後での発熱量からその硬化発熱量変化率によって評価できる。具体的には、製造した薄膜接着シートを、DSC測定機を用いて10℃/minで室温から300℃まで昇温させたときに得られる発熱量(初期発熱量)と、100℃下、2時間硬化させたシートを同条件でDSCに供し、得た発熱量(加熱後発熱量)との差を初期発熱量で除した値の百分率から硬化発熱量変化率を次の式から求めることができる。

硬化発熱量変化率(%)=[(初期発熱量−加熱後発熱量)/初期発熱量]×100
この示差走査熱量測定(DSC)による発熱量は、硬化反応により生じているため、初期発熱量よりも加熱後発熱量が減少し、その減少率が90%以上であることが好ましい。この減少率が90%以上となると、低温でも十分に硬化反応が進行しているため、接着性の観点から、硬化性が良好となるためである。なお、この硬化発熱量変化率は、硬化が進むことで発熱量が少なくなることから接着シートの硬化の進行度合を示すものとも言うことができ、接着シートの硬化度(%)と言い換えることができる。
次に、本発明の薄膜接着シートの製造方法について説明する。
本発明の薄膜接着シートを製造するには、まず、上記(A)〜(C)の必須成分を、(D)有機溶剤に溶解、分散させて接着剤組成物溶液を調製する。
このとき用いる(D)有機溶剤としては、上記した成分(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤を溶解できるものであって、薄膜接着シート製造時乾燥により揮発可能なものである。このような有機溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。特に、硬化剤であるジシアンジアミドの溶解に適したジメチルホルムアミドや、ジメチルホルムアミドを含む混合溶剤などが好ましい。
次に、このようにして得られた接着剤組成物溶液を、キャリアフィルムに塗布し、加熱乾燥することで本発明の接着シートが得られる。
ここで用いるキャリアフィルムとしては、通常、接着シートの製造に用いられるキャリアフィルムであればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
ここで、接着剤組成物溶液は、乾燥後の薄膜接着シートの厚さが30μm以下となるように塗布する。そして、キャリアフィルム上に塗布された接着剤組成物溶液を、加熱乾燥することにより(D)有機溶剤を揮発させ、薄膜接着シートを製造する。
このとき、乾燥後に30μmより厚い膜厚とすると、加熱乾燥の際に硬化やゲル化が進んでしまい、接着シートとしての機能が損なわれるおそれがある。また、加熱乾燥では、(D)有機溶剤を十分に揮発させて除去できるように、加熱乾燥温度は50〜160℃、好ましくは100℃〜160℃、より好ましくは140℃〜160℃であり、加熱乾燥時間は、1分〜60分、好ましくは1〜30分、より好ましくは1〜10分である。生産性向上の観点より高温短時間、例えば150℃で3分程度とするのが好ましい。
なお、このように薄い膜とした接着シートが、低温硬化性に優れるものとなる理由は次のように説明できる。なお、以下はあくまでも推論であり、実証されたものではない。
30μm以下のシートを加熱乾燥により溶剤揮発する時、シート表層から硬化に必要な成分が分解して同時に揮発する。これにより、硬化に必要な成分が表層で一時的に枯渇するためシートは硬化しにくくなり、例えば、150℃で3分加熱乾燥しても未硬化の状態となる。しかしながら、溶剤乾燥後のシートを被着体間に挟んで100℃で2時間で加熱するとシートは硬化する。これは、溶剤乾燥時には片側が開放されていた開放系であったシートが被着体に挟まれることで密閉系となり、表層より内部に蓄積されている硬化成分がシート全体に拡がることでシートが硬化するものと推測される。
一方、30μmより厚いシートの場合、同様に表層で硬化成分が枯渇するが、シート内部の硬化成分量が多いため硬化成分が内部から表層にかけて供給され易く、シートの硬化が早く進行する、と推測される。このように硬化が進行してしまうと、接着工程において、接着シートの性能が発現されなくなってしまう。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂jER828(三菱化学社製、商品名;エポキシ当量189)16.5質量部、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂jER1001(三菱化学社製、商品名;エポキシ当量475)38.5質量部、高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂jER1256B40(三菱化学社製、商品名;40%メチルエチルケトン溶液、エポキシ当量8000)100質量部を混合、均一化して樹脂溶液を作製した。
次に、ジシアンジアミド(日本カーバイド社製、商品名:DICY)2.75質量部をジメチルホルムアミド(山一化学工業社製)30質量部に溶解し、硬化剤溶液を作製した。
得られた樹脂溶液、硬化剤溶液及び3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(保土ヶ谷化学工業社製、商品名:DCMU)2.5質量部を混合して均一化し、接着剤組成物溶液(1)を作製した。
得られた接着剤組成物溶液(1)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分間乾燥して、20μmの薄膜接着シート(1)を得た。
(実施例2)
実施例1と同一の樹脂溶液及び硬化剤溶液を作製した。
得られた樹脂溶液、硬化剤溶液及びオミキュア94(CVC Thermoset Speciality製、商品名;フェニルジメチルウレア)2.2質量部を混合して均一化し、接着剤組成物溶液(2)を作製した。
得られた接着剤組成物溶液(2)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分間乾燥して、20μmの薄膜接着シート(2)を得た。
(実施例3)
実施例1と同一の樹脂溶液及び硬化剤溶液を作製した。
得られた樹脂溶液、硬化剤溶液及びU−CAT 3502T(サンアプロ社製、商品名;トルエンビスジメチルウレア)2.2質量部を混合して均一化し、接着剤組成物溶液(3)を作製した。
得られた接着剤組成物溶液(3)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分間乾燥して、20μmの薄膜接着シート(3)を得た。
(実施例4)
実施例1で得られた接着剤組成物溶液(1)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、100℃で20分乾燥して、20μmの薄膜接着シート(4)を得た。
(比較例1)
実施例1で得られた接着剤組成物溶液(1)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分乾燥して、40μmの薄膜接着シート(C1)を得た。
(比較例2)
実施例2で得られた接着剤組成物溶液(2)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分乾燥して、40μmの薄膜接着シート(C2)を得た。
(比較例3)
実施例3で得られた接着剤組成物溶液(3)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分乾燥して、40μmの薄膜接着シート(C3)を得た。
(比較例4)
実施例1と同一の樹脂溶液及び硬化剤溶液を作製した。
得られた樹脂溶液、硬化剤溶液及び2E4MZ(四国化成工業社製イミダゾール)0.1質量部を混合して均一化し、接着剤組成物溶液(4)を作製した。
得られた接着剤組成物溶液(4)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分乾燥して、20μmの薄膜接着シート(C4)を得た。
(比較例5)
比較例2で得られた接着剤組成物溶液(4)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、100℃で20分乾燥して、20μmの薄膜接着シート(C5)を得た。
(比較例6)
実施例1と同一の樹脂溶液及び硬化剤溶液を作製した。
得られた樹脂溶液、硬化剤溶液及び2E4MZ(四国化成工業社製イミダゾール)2.0質量部を混合して均一化し、接着剤組成物溶液(5)を作製した。
得られた接着剤組成物溶液(5)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、150℃で3分間乾燥して、20μmの薄膜接着シート(C6)を得た。
(比較例7)
比較例4で得られた接着剤組成物溶液(5)を50μmの離型剤付きポリエステルフィルム上に塗布し、100℃で20分乾燥して、20μmの薄膜接着シート(C7)を得た。
以上の操作により得られた実施例1〜4、比較例1〜7の薄膜接着シートについて、硬化時間、硬化発熱量、硬化度の各特性を調べ、その結果を表1及び表2に示した。
Figure 2014111694
Figure 2014111694
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)硬化時間
JIS C 2161の7.5.1に規定されるゲル化時間A法に準じて、150℃に保たれた熱板上で1mlの樹脂組成物を直径40mm〜50mmの円盤状に広げ、金属製のへらを用いて60回/分の一定速度で練り合わせた時に、樹脂組成物が増粘し最終的にゲル状になり混ざらなくなった時間を測定し、ゲル化時間とした。
また、硬化時間保持率は、接着剤組成物溶液(乾燥前)の硬化時間に対する、薄膜接着シートの初期の硬化時間の割合として示した。この硬化時間保持率は、乾燥前後の硬化の進行度合を示す。
(2)硬化発熱量
薄膜接着シートを、室温から300℃へ昇温速度10℃/minにて加熱した時の発熱量を硬化発熱量(条件により、初期発熱量と加熱後発熱量の2種類がある)とし、これをDSC測定機(セイコーインスツルメンツ社製)にて測定した。
初期発熱量:製造した薄膜接着シートを、そのまま上記条件で測定した時の発熱カーブの積分値
加熱後発熱量:製造した薄膜接着シートを、一旦100℃で2時間加熱処理した後、上記条件で測定した時の発熱カーブの積分値
(3)硬化度
上記(2)の硬化発熱量の測定で得られた値を用いて、以下式にて算出した。なお、これは、上記硬化発熱量変化率と同義である。

硬化度(%)=[(初期発熱量−加熱後発熱量)/初期発熱量]×100
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例では、いずれも30μm以下の薄膜接着シートを作製でき、かつ、硬化性も良好であった。これに対し、比較例1〜3の40μm厚の接着シートは加熱乾燥工程において、ゲル化してしまった。また、硬化促進剤として、イミダゾールを用いた比較例4、5では硬化不足が生じた。比較例6、7は比較例4、5の硬化不足改善の目的で、イミダゾールを増量したものであるが、比較例6においてはゲル化を生じ、比較例7では100℃で20分の低温乾燥でも硬化時間保持率が悪かった。
以上の結果から、本発明の薄膜接着シートは、130℃以下での硬化を可能とする低温硬化性を有し、小型化、薄型化した電子機器の製造にも好適なであることが確認できた。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤としてジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤として次の一般式(1)で表される尿素誘導体
    Figure 2014111694
    (式中、Rは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜24の脂環式炭化水素基を、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又はRとRが結合してなる炭素数4若しくは5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜3の整数である。)と、を必須成分として含有し、厚さが30μm以下に形成された薄膜接着シート。
  2. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を0.5〜15質量部、前記(C)成分を0.5〜15質量部、含有することを特徴とする請求項1記載の薄膜接着シート。
  3. 前記薄膜接着シートを、100℃で2時間加熱した時の加熱前後における硬化発熱量変化率が90%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜接着シート。
  4. (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤としてジシアンジアミドと、(C)硬化促進剤として下記一般式(1)
    Figure 2014111694
    (式中、Rは、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又は炭素数5〜24の脂環式炭化水素基を、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、又はRとRが結合してなる炭素数4若しくは5の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜3の整数である。)で表される尿素誘導体と、を(D)有機溶剤に溶解して接着剤組成物溶液とし、該接着剤組成物溶液をキャリアフィルムに塗布した後、加熱乾燥させて前記(D)有機溶剤を除去し、厚さ30μm以下のシート状に形成してなる薄膜接着シートの製造方法。
  5. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を0.5〜15質量部、前記(C)成分を0.5〜15質量部、含有することを特徴とする請求項4記載の薄膜接着シート。
  6. 前記加熱乾燥時の加熱温度が、100℃以上である請求項4又は5記載の薄膜接着シートの製造方法。
JP2012266545A 2012-12-05 2012-12-05 薄膜接着シート及びその製造方法 Active JP6078313B2 (ja)

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