JP2014122151A - アルミノホウケイ酸ガラスを原料とするホージャサイト型ゼオライトの製造方法 - Google Patents

アルミノホウケイ酸ガラスを原料とするホージャサイト型ゼオライトの製造方法 Download PDF

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Masahito Tsujiguchi
雅人 辻口
Tadashi Kobashi
正 小橋
Junji Kambara
潤二 神原
Yasuhiko Uchiumi
康彦 内海
Nobuaki Kakimori
伸明 柿森
Atsushi Nakahira
敦 中平
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Abstract

【課題】不要となり回収されたアルミノホウケイ酸ガラスを多大なエネルギーを消費せず効率的に資源として有効利用し、触媒能に優れ、重金属の溶出がないFAU型ゼオライトの製造方法を提供する。効率的で、容易に反応制御可能なFAU型ゼオライトの製造方法を提供する。
【解決手段】アルミノホウケイ酸ガラスを原料とし、Si/Alモル比が1.6〜2.4となるようにアルミノホウケイ酸ガラスにアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加する調合工程と、アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液とを接触させるアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程で得られたアルカリ溶液とガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物を水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とするFAU型ゼオライトの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミノホウケイ酸ガラスを原料としたホージャサイト(FAU)型ゼオライトを製造する方法に関する。
近年、液晶パネルを用いた液晶テレビなどの家電製品、パソコン、携帯端末などの製品が急速に普及している。ここで、上述した「液晶パネル」とは、貼り合せた2枚のガラス基板の内側に液晶材料を注入、封入し、各ガラス基板の外側に偏光板(樹脂)を貼り付けたものを指す。液晶パネルを用いた製品の普及に伴い、液晶パネルの廃棄物(廃液晶パネル)の数量も急激に増加しているが、環境との共存が期待される循環型社会の形成の中、廃液晶パネルについてもリサイクルし資源を有効に利用することが要望されている。
現在、家電製品や情報機器などの廃棄物に含まれる液晶表示装置や液晶パネルは、廃棄物の量としては少ないこともあって、廃棄物の処理施設にて製品ごとに破砕された後、プラスチックを多量に含むシュレッダーダストと共に、埋め立て処理あるいは焼却処理されている。
また、特開昭59−35019号公報(特許文献1)には、石炭の流動床式燃焼炉から生成される石炭灰を原料としてゼオライトを製造する方法が開示されている。この特許文献1に記載された方法は、原料にアルミナ源、アルカリ源、水を、シリカ/アルミナ、水/アルカリ、アルカリ/アルミナ比が所定のモル比になるように添加、配合して得た原料成分混合物を用いて水熱条件下で合成するゼオライトの合成方法である。
また、特開昭64−24014号公報(特許文献2)には、石炭炊きボイラーの燃料残渣であるフライアッシュを原料としてゼオライト組成物を製造する方法が開示されている。この特許文献2に記載された方法は、原料に0.5N乃至3NのNaOH溶液に配合混練し、3.0kg/cm以上の圧力でオートクレーブ処理してゼオライト組成物を製造する方法である。
また、特開昭58−120512号公報(特許文献3)には、水砕スラグ粉末を原料としてゼオライト組成物を製造する方法が開示されている。この特許文献3に記載された方法は、水砕スラグ粉末を無機酸水溶液に溶解した後、アンモニアガスを吹き込んでpHを4〜9に調整して得た沈殿物(シリカ、アルミナが主成分、カルシウム分は濾液側)をろ別し、沈殿物にアルカリ金属水酸化物を添加して水熱合成しゼオライトを合成する方法である。
また、特開2007−131502号公報(特許文献4)には、陶器、コンクリート、がれき屑、ガラスおよびこれらの混合物を原料としてFAU型ゼオライトを製造する方法が開示されている。この特許文献4に記載された方法は、原料に固体状塩基を添加・混合して得られた混合物を加熱溶融してSi、Alが水に対して易溶化した粉末を生成させ、ここで得られた粉末を水に添加し、20〜200℃の反応温度で反応させるゼオライトの製造方法である。
また、特開2005−343765号公報(特許文献5)には、製鉄所などから排出される焼却灰(石炭灰等)を原料としてFAU型ゼオライト、A型ゼオライト、またはFAU型ゼオライトを含有する複合体を製造する方法が開示されている。特許文献5に開示された方法では、石炭灰をアルカリ剤とともに600〜800℃で熱処理することにより、石炭灰中に含まれる未燃焼炭素から賦活化したあと、さらに水を加えて50〜110℃で水熱処理することにより、石炭灰中に含まれるシリカおよびアルミナを利用してゼオライトを製造する方法である。
また、特開2001−39740号公報(特許文献6)には、シリカ−アルミナ系ガラス繊維およびシリカ系ガラス繊維を原料として、FAU型ゼオライトを製造する方法が開示されている。シリカ−アルミナ系ガラス繊維およびシリカ系ガラス繊維を0.5〜3mol/Lの水酸化ナトリウム溶液中に浸漬し、この状態で水酸化ナトリウム溶液を80〜150℃に加熱し、前記ガラス繊維表面にゼオライトを析出させる方法である。
特開昭59−35019号公報 特開昭64−24014号公報 特開昭58−120512号公報 特開2007−131502号公報 特開2005−343765号公報 特開2001−39740号公報
液晶パネルは、省電力・省資源に貢献できる表示装置であるので、今後、高度情報化社会の進展に伴って、急激に生産量が増大するとともに、その表示面積も大型化することが予測され、これに伴って、今後、廃液晶パネルも、数・量ともに急激に増大すると予想される。したがって、液晶パネルの重量の大半を占めるガラス(液晶パネルガラス)についても、廃棄物の低減と資源を大切にする観点から、再生利用することが好ましい。しかしながら特許文献1に開示された方法では、セメント材料として再利用することを意図しているため、液晶パネルガラスはスラグとなり、ガラス自体として再生利用することはできない。
資源有効利用の観点からは、回収された液晶パネルガラスを液晶パネルガラス自体として再びマテリアルリサイクルすることが望ましい。しかしながら、液晶パネルガラス表面に付着している不純物、ガラス組成の異なる数多くの品種が存在することなどの理由で、光学的特性、熱特性の厳しい仕様が求められる液晶パネルガラスにリサイクルすることは、技術的に確立されていない。そのため、回収した液晶パネルガラスの、液晶パネルガラス以外の高付加価値製品としての用途開発が課題となっている。
なお、液晶パネルガラスにはアルミノホウケイ酸ガラスと呼ばれるガラスが通常用いられている。アルミノホウケイ酸ガラスは、液晶パネルの製造工程に適合するように作られた特殊なガラスであり、その歪点は650℃以上である。これに対し、びんガラス、建築用窓ガラス、ガラス繊維、食器ガラスなど幅広くガラス製品に用いられているソーダライムガラスの歪点は、550℃以下である。このように、100℃以上歪点が異なるため、一般的にガラス製品に使用されるソーダライムガラスの溶融加工設備で、再生利用のためのアルミノホウケイ酸ガラスの溶融加工を行なうことは、加熱設備の性能、設備全般の耐熱性などの点で非常に困難である。また溶融温度の高いアルミノホウケイ酸ガラスを、通常はソーダライムガラスを原料として使用する建築用窓ガラス、ガラス繊維、食器ガラスなどの汎用的な製品へ使用することは、エネルギー消費の観点からも不利となる。このように、通常のソーダライムガラス製品の原料としての用途に用いる方法は技術的に確立されていないのが現状である。このため、不要となった液晶パネルガラスの用途として、現状の製造工程の温度と比較し加工温度が上昇しない用途に用いる再資源化方法が望まれている。
上述した特許文献1に記載された方法は、石炭の流動床式燃焼炉から出る灰分を原料とするものである。石炭の燃焼により生成した灰分は、石炭中に含まれた無機成分が焼成された状態で残留したもので、AlとSiOを主成分としており、Al/SiO比は、2〜5の範囲となっている。このため、特許文献1に開示された方法では、原料の石炭灰に不純物が多く含まれるためゼオライトの合成率が低く、原料石炭の産地などによって原料組成のばらつきにより合成率にばらつきが生じるため、その都度組成を調合する操作が必要である。
上述した特許文献2に記載された方法は、石炭炊きボイラーの燃料残渣であるフライアッシュを原料としてゼオライト組成物を製造する方法である。しかしながら、フライアッシュは、ボイラー内で溶融後に急冷され、ガラス化した石炭灰であり、融点が高く、硬く安定であるため、反応しにくいといった課題があり、反応性を高めるため、アルカリで溶融し高温で溶融するなどの前処理が必要となり、効率が悪くなる。
上述した特許文献3に記載された方法は、水砕スラグを原料としてゼオライトを生成する方法である。しかしながら、特許文献3に開示された方法のようにスラグを原料とする場合、スラグがゼオライト化を阻害するCa分を多く含むため、酸処理などCa分を除去する処理が必要となり、効率が悪くなる。
上述した特許文献4に記載された方法は、原料を固体状塩基と混合し、200〜1000℃に加熱溶解し、水に対して易溶化した後、20〜200℃で水熱合成を施すゼオライトの製造方法である。しかしながら、この特許文献4に開示された方法は、1000℃付近の高温での加熱が必要であり、多大なエネルギーを消費する。
上述した特許文献5に記載された方法は、石炭灰をアルカリ剤とともに熱処理した後、水を加えて水熱処理することにより、FAU型ゼオライトを製造する方法である。しかしながら、石炭灰は融点が高く、硬く安定であるので、反応性を高めるため、アルカリ剤とともに600〜800℃付近の高温で熱処理するが必要あり、工程が複雑となり、また、多くのエネルギーを消費するといった課題がある。
上述した特許文献6に記載された方法は、シリカ−アルミナ系ガラス繊維およびシリカ系ガラス繊維を原料として、水酸化ナトリウム溶液中で水熱処理することにより、FAU型ゼオライトを製造する方法である。しかしながら、SiOとAlのみとからなるガラス繊維を原料としており、アルミノホウケイ酸ガラスのように多様な成分やゼオライト生成を阻害する成分が存在する場合でのFAU型ゼオライトの製造法は開示されていない。
廃棄物からゼオライトを合成する方法および廃棄物から合成したゼオライト材料が開示されているが、液晶パネルから回収したアルミノホウケイ酸ガラスを原料としてFAU型ゼオライトを合成する方法は開示されていない。また、石炭灰、焼却灰、スラグなどから合成したゼオライトは、原料の石炭、鉱石等に由来する重金属を含むことから、ゼオライトを合成した場合に重金属の溶出が課題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、不要となり回収されたアルミノホウケイ酸ガラスを多大なエネルギーを消費せず効率的に資源として有効利用する方法を提供し、さらに、触媒能に優れ、ビルダー剤、水質・土壌浄化、分離剤として利用可能で、重金属の溶出がないFAU型ゼオライトの製造方法を提供することである。また、効率的で、容易に反応制御可能なFAU型ゼオライトの製造方法を提供することにある。
本発明のホージャサイト(FAU)型ゼオライトの製造方法は、アルミノホウケイ酸ガラスを原料とし、Si/Alモル比が1.6〜2.4となるようにアルミノホウケイ酸ガラスにアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加する調合工程と、アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液とを接触させるアルカリ処理工程と、アルカリ処理工程で得られたアルカリ溶液とガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物を水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とする。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において、前記アルカリ処理工程で用いられるアルカリ溶液の濃度が2〜5Nであり、アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液との接触が24時間〜1000時間行なわれるものであることが、好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において、前記アルミノホウケイ酸ガラスはSiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%の組成を有することが好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法においては、調合工程の前に、アルミノホウケイ酸ガラスを酸性溶液と接触させ、アルミノホウケイ酸ガラスの表層に、アルミノホウケイ酸ガラスの他の領域と比較してカルシウム含有量が少ない領域を形成させる酸処理工程を含むことが、好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において得られるホージャサイト型ゼオライトは、Y型ゼオライトであることが好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において、記水熱合成工程は60〜150℃で10時間〜1000時間水熱合成処理をすることが好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法は、前記アルミノホウケイ酸ガラスを1〜1000μmに粉砕したものを原料とすることが好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において、前記酸処理工程に用いられる酸性溶液の濃度が0.1〜10Nであり、アルミノホウケイ酸ガラスと酸性溶液との接触が1分間〜100時間行なわれるものであることが、好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において、前記酸性溶液は、塩酸、硝酸から選ばれた少なくとも1種を含む溶液であることが、好ましい。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において、前記アルミノホウケイ酸ガラスは、液晶パネルから回収したアルミノホウケイ酸ガラスであることが好ましい。
本発明によれば、不要となった液晶パネルなどから回収されたアルミノホウケイ酸ガラスを高付加価値な無機材料へと有効に利用することが可能となる。本発明より、高温溶融などを施すことなく、不要となったアルミノホウケイ酸ガラスを用いたFAU型ゼオライトを製造できるため、低環境負荷、かつ、低コストな製造方法が提供される。また、簡単な処理でFAU型ゼオライトを製造することが可能となり、安価なゼオライト材料を得ることができる。さらに、本発明によれば、所定の処理を経ることで反応を制御でき、触媒、ビルダー剤、水質・土壌浄化、分離剤として利用可能なFAU型ゼオライトの製造方法を提供することができる。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法の好ましい一例を示すフローチャートである。 本発明のFAU型ゼオライトの製造方法に好適に用いられるアルミノホウケイ酸ガラスを備える典型的な一例の液晶パネル1を模式的に示す断面図である。 実施例1で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例2で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例3で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例4で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例5で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例6で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例7で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 実施例8で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例1で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例2で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例3で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例4で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例5で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例6で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。 比較例7で得られた生成物のX線回折の一例を示すグラフである。
本発明のアルミノホウケイ酸ガラスを用いたFAU型ゼオライトの製造方法は、基本的には、アルミノホウケイ酸ガラスとアルカリ溶液を混合するアルカリ処理工程と、アルミノホウケイ酸ガラスとアルカリ溶液の混合物を水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とする。
このような本発明のFAU型ゼオライトの製造方法によれば、高温での溶融処理を施すことなく、アルミノホウケイ酸ガラスを原料として用いてFAU型ゼオライトを製造することができる。これにより、不要となった液晶パネルなどに用いられているアルミノホウケイ酸ガラスを、低環境負荷のプロセスで、資源として有効に利用することが可能となる。また、本来不要となったアルミノホウケイ酸ガラスを原料とし、かつ、原料ガラスを高温溶融しないため、エネルギー消費量が少なく、設備コストおよびエネルギーコストが低く抑えられ安価なゼオライト材料を得ることができる。また、反応を緻密に制御することにより、純度の高いFAU型ゼオライトを合成できるため、高性能な触媒、ビルダー剤、水質・土壌浄化、分離剤などに利用可能なゼオライトを製造することが可能となる。
本発明におけるアルミノホウケイ酸ガラスは、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%の組成を有することが、好ましい。これにより、Si/Alがモル比で1.6〜2.4であり、すなわちSi/Alモル比が1.5以上の範囲にあり、FAU型ゼオライト、すなわちY型ゼオライト(Si/Alモル比:1.5〜3)およびX型ゼオライト(Si/Alモル比:1〜1.5)の原料として好適である。なお、アルミノホウケイ酸ガラスがこのような組成を有することは、たとえば蛍光X線分析を用いた組成分析により確認することができる。
液晶表示装置に使用されているアルミノホウケイ酸ガラスを再資源化するため、本発明において原料となるアルミノホウケイ酸ガラスは、液晶表示装置に搭載される液晶パネルガラスとして使用されているアルミノホウケイ酸ガラス組成範囲である、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%、B:5〜20重量%、MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO:5〜20重量%の範囲であることがより好ましい。SiOおよびAl組成、すなわち上述したSi/Alモル比の観点から、このような組成のアルミノホウケイ酸ガラスは、FAU型ゼオライトの原料として好適に使用される。

本発明においては、原料となるアルミノホウケイ酸ガラスが上述した組成を有することで、不要となった液晶パネルなどから回収したアルミノホウケイ酸ガラスを原料として好適に使用できるため資源有効利用が可能となる。このように液晶パネル用のアルミノホウケイ酸ガラスを用いることで、石炭灰、フライアッシュ、スラグなどを用いた場合と異なり、原料組成のばらつきが少ないため、効率的に、反応制御性が良く、FAU型ゼオライトを製造することが可能となる。
さらに、アルミノホウケイ酸ガラスは、従来、加工温度が高く、再溶融する場合に多大なエネルギーを消費するため、環境負荷およびエネルギーコストの面から、ほとんどリサイクルがなされていなかった。本発明によれば、従来リサイクルされておらず、今後急激に増加すると予測される不要となったアルミノホウケイ酸ガラスを資源として有効に利用することが可能となるといった効果が奏される。
ここで、図1は、本発明のFAU型ゼオライトの製造方法の好ましい一例を示すフローチャートである。上述したように、本発明のFAU型ゼオライトの製造方法は、調合工程(図1中、ステップS4)、アルカリ処理工程(図1中、ステップS5)および水熱合成工程(図1中、ステップS6)を有していればよいが、合成するFAU型ゼオライトの構造を調整するため、その前に、アルミノホウケイ酸ガラスを酸性溶液で処理する酸処理工程(図1中、ステップS3)をさらに有していることが好ましい。図1に示す例のフローチャートは、さらに、アルミノホウケイ酸ガラス回収工程(図1中、ステップS1)および粉砕工程(図1中、ステップS2)を有する場合を示している。以下、図1に示す例のフローチャートに沿って、本発明のFAU型ゼオライトの製造方法を詳細に説明する。
〔1〕アルミノホウケイ酸ガラス回収工程
図1に示す例では、まず、アルミノホウケイ酸ガラス回収工程(ステップS1)として、たとえば、液晶パネルからアルミノホウケイ酸ガラスを回収する。ここで、図2は、典型的な一例の液晶パネルを模式的に示す断面図である。図2には、TFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素子(図示せず)を備えた液晶パネルを示している。図2に示す例の液晶パネルは、たとえば、対向配置された2枚のパネルガラス(カラーフィルタ側パネルガラス2a、TFT側パネルガラス2b)を備える。これらパネルガラス(ガラス基板)2a,2bは、対向配置された側(内面側)に、周縁部に沿ってシール樹脂体(シール材)3が設けられ、互いに貼り合わされてなる。また、これらパネルガラス2a,2bとシール樹脂体3とによって密封された領域には、液晶が封入され、液晶層4が形成されている。
また、典型的な液晶パネルでは、図2に示すように、各パネルガラス2a,2bの対向配置された側とは反対側(外面側)には、偏光板5が粘着剤により貼着されている。典型的な液晶パネルでは、図2に示すように、カラーフィルタ側パネルガラス2aの内面側に、反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。また、典型的な液晶パネルでは、図2に示すように、TFT側パネルガラス2bの内面側に、画素電極10、バス電極11、絶縁膜12、透明導電膜8および配向膜9が形成されている。前記反射防止膜6、カラーフィルタ7、透明導電膜8、配向膜9、画素電極10、バス電極11および絶縁膜12の膜厚は、前記2枚のパネルガラス2a,2bの厚みと比較して、十分に薄い。以下、図2に示す例の液晶パネルよりアルミノホウケイ酸ガラスを得る手順を説明するが、本発明において原料となるアルミノホウケイ酸ガラスを回収する手順はこれに限定されるものではなく、また、液晶パネルから回収されたものにも限定されない。
まず、液晶テレビなど、液晶パネルを備えた表示装置などから取り出された、たとえば図2に示すような構造の液晶パネル1から偏光板5を除去する。偏光板5の除去は、公知の機械的な方法を利用する。次に、貼り合わされたガラス基板2a,2bを、2枚に分離する。具体的には、ガラス基板におけるシール樹脂体3よりも内側の四辺を、該シール樹脂体3に沿って、ダイヤモンドソーやガラスカッターなどの切断工具を用いて矩形状に切断する。その後、必要に応じて外力を加えることにより、元の大きさよりも一回り小さい大きさのガラス基板を、液晶パネルから切断して取り外す。ガラス基板が取り外されると、封入されていた液晶層4が開封され、液晶は、ガラス基板に付着した状態で露出する。次に、液晶が露出したガラス基板から樹脂性のスキージを用いてかき取ることによって液晶を除去する。
液晶パネルなどから回収されたアルミノホウケイ酸ガラスには、通常、カラーフィルタに使用される有機物薄膜、TFT(Thin Film Transistor)に使用される金属薄膜および無機物薄膜などの不純物が付着している。このような不純物は、たとえばサンドブラスト、回転研磨などの従来公知の機械的手法、ならびに、たとえば酸性溶液、有機溶媒によるエッチングなどの従来公知の化学的手法を適宜組み合わせることで、除去することができる。このように使用済み液晶テレビから取り出した液晶パネルからアルミノホウケイ酸ガラスが回収される。
〔2〕粉砕工程
図1に示す例では、続く粉砕工程(ステップS2)において、原料として使用するアルミノホウケイ酸ガラスを粉砕する。ここで、アルミノホウケイ酸ガラスの粉砕のサイズとしては、1〜1000μmの範囲内であることが好ましく、1〜500μmの範囲内であることがより好ましい。アルミノホウケイ酸ガラスを1〜1000μmに粉砕したものを原料とすることで、後述するアルカリ処理工程において、アルカリ溶液との接触面積が増大し、反応効率が高くなることで、後工程でゼオライトが効率的に生成できるという利点がある。また、アルミノホウケイ酸ガラス内部まで反応が進行し、濃度のゆらぎが減少し、構造のばらつきが少ない、均一なゼオライト構造を得ることが可能となる。
粉砕の方法としては、従来公知のせん断方式の破砕機、ハンマーミル、ロールミル、カッターミル、ボールミル、ジェットミルなどを用いて粉砕することができる。また、複数段処理を行ない、粉砕することもできる。ハンマーミルなどを用い、粗破砕した後、ボールミルなどで微粉砕すると効率よく粉砕することができる。たとえば、上述の液晶パネルから回収された液晶パネル画面サイズのアルミノホウケイ酸ガラスを、ハンマーミルなどで処理し、5mm以下のサイズに粗破砕したものを、さらに、ボールミルを用い1000μm以下に粉砕し、アルミノホウケイ酸ガラスの原料として用いる。
〔3〕酸処理工程
図1に示す例では、続いて、酸処理工程(ステップS3)において、上述のアルミノホウケイ酸ガラス粉体と、酸性溶液とを接触させる。これにより、アルミノホウケイ酸ガラスの表層に、アルミノホウケイ酸ガラスの他の領域と比較してカルシウム含有量が少ない領域を形成させる。アルミノホウケイ酸ガラス粉体と酸性溶液との接触は、たとえば、マグネチックスターラー、インペラ式撹拌機、バレル式撹拌機などの従来公知の撹拌機を用い、これらを撹拌しながら混合するようにして行なわれることが好ましい。これにより、アルミノホウケイ酸ガラス中のCa分が酸性溶液に溶解し、分離除去される。
酸性溶液としては、たとえば、塩酸、硝酸などの酸性物質を含む溶液を用いることができる。溶液はこれらの酸性物質を2種以上含んでいてもよい。塩酸、硝酸を含む溶液を用いることにより、低コストで、効率的にCa分の除去が可能となる。
酸処理工程における撹拌温度は、5〜100℃が好ましい。酸処理工程において攪拌温度が100℃を超えると、酸性物質が気化し、安全上の問題が生じ、設備の腐食も発生してしまう虞がある。酸処理工程において攪拌温度が5℃未満である場合には、溶解反応が極めて遅くなり、効率が悪くなってしまう。
また酸処理工程における撹拌時間は、1分間以上が好ましい。酸処理工程において攪拌時間が1分間未満になると、酸性溶液とアルミノホウケイ酸ガラスの十分な反応が得られず、アルミノホウケイ酸ガラス中のCa成分がそのまま残ってしまいゼオライトの合成割合が低くなってしまう。また、酸処理工程における攪拌時間は100時間以下であることが好ましい。酸処理工程において撹拌を100時間行えば、十分にアルミノホウケイ酸ガラス中のCa成分を溶出させ、ゼオライトの生成が阻害されることがなくなるため、撹拌時間が100時間を超えると製造効率が悪くなってしまう。
酸性溶液の濃度は、酸の種類、ゼオライトの種類などに応じて適宜選択することができるが、0.1〜10Nが好ましく、0.1〜5Nがより好ましい。酸性溶液の濃度が0.1N未満になると、アルミノホウケイ酸ガラスと酸性溶液の反応が小さくなり、効率的なゼオライトの合成がなくなるからである。また、酸性溶液の濃度が10Nを超える場合には、廃液処理が困難となり、効率が悪くなる虞がある。
アルミノホウケイ酸ガラス粉体と酸性溶液との混合比(体積比)は、アルミノホウケイ酸ガラス粉体/酸性溶液=1/1000〜1/1が好ましい。アルミノホウケイ酸ガラス粉体1に対し酸性溶液が1000を超える場合には、必要な酸性溶液が多くなりすぎ、処理効率が悪くなってしまう。アルミノホウケイ酸ガラス粉体1に対し酸性溶液が1未満である場合には、アルミノホウケイ酸ガラス粉体と酸性溶液の接触面積が小さくなり、溶解反応が十分に進まなくなる。
得られたアルミノホウケイ酸ガラス粉体と酸性溶液との混合物をろ過し、アルミノホウケイ酸ガラス粉体と酸性溶液を分離する。
なお、アルミノホウケイ酸ガラス粉体中のCa濃度が高くとも合成可能なゼオライト構造などを合成する場合は、酸処理工程は省略することができる。
〔4〕調合工程
図1に示す例では、続く調合工程(ステップS4)において、アルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加し、粉体中のSiO/Alモル比の調整を行なう。たとえば、アルミノホウケイ酸ガラス中に含まれるSiOと、アルミノホウケイ酸ガラス中に含まれるAlと、添加したアルミニウム化合物に含まれるAlと、添加したシリコン化合物に含まれるSiOとを考慮したSiO/Alモル比に関し、Si/Alモル比が1.6〜2.4の範囲となるようにアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加することにより、Si/Alモル比が1〜3の範囲にある化学組成を持つ準安定相であるFAU型ゼオライトの合成が可能となる。ここで、Si/Alモル比が1.6未満である場合には、低Siのゼオライト種であるA型ゼオライトが支配的に生成し、FAU型ゼオライトが生成しないという不具合があるためであり、2.4を超える場合には、高Siのゼオライト種の中でも安定相であるNa−P1型ゼオライトが支配的に生成し、FAU型ゼオライトが生成しないという不具合があるためである。
添加するアルミニウム化合物としては、たとえば、NaAlO、Al(OH)、AlClなどを用いることができる。アルミニウム化合物としてNaAlO、Al(OH)およびAlClから選ばれる少なくともいずれかを用いることにより、反応性が高く、効率的に反応を進行させることができる。
添加するシリコン化合物としては、たとえば、メタケイ酸ナトリウムなどを用いることができる。シリコン化合物としてメタケイ酸ナトリウムを用いることにより、アルカリ溶液に易溶性であり、溶液反応が素早く進行するという効果が奏される。
アルミニウム化合物、シリコン化合物の形態としては、粉体が好ましい。これにより後述のアルカリ処理工程において、均一に混合撹拌することが可能となる。
〔5〕アルカリ処理工程
図1に示す例では、次に、本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において必須の工程であるアルカリ処理工程(ステップS5)において、上述のアルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物と、アルカリ溶液とを接触させる。アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物と、アルカリ溶液との接触は、たとえば、マグネチックスターラー、インペラ式撹拌機、バレル式撹拌機などの従来公知の撹拌機を用い、これらを撹拌しながら混合するようにして行なわれることが好ましい。これにより、アルミノホウケイ酸ガラスがアルカリ溶液に溶解する。
アルカリ処理工程における撹拌温度は、5〜60℃が好ましい。アルカリ処理工程において攪拌温度が60℃を超えると、エージング(熟成)ではなくなり、後述の水熱反応が進行してしまう。また、アルカリ溶液が気化し、安全上の問題が生じる虞がある。また、アルカリ処理工程における攪拌温度が5℃未満になると、溶解反応が極めて遅くなり、効率が悪くなってしまう場合がある。
アルカリ処理時間を好ましくは24時間〜1000時間にすることで、エージング(熟成)を行うことが好ましい。これによりガラスから溶液中に溶けだしたSiとAlにより形成されるアルミノケイ酸塩に、過剰に存在するSiが取り込まれ、Siリッチなアルミノケイ酸塩の結晶核が生成される。FAU型ゼオライトは高Si/Al比をもつゼオライトであり、エージングを行うことでFAU型ゼオライトの生成を促進することが可能である。アルカリ処理時間が24時間未満では上述の結晶核の生成が十分行われない。水熱合成工程においてもエージング効果が得られるので、エージングは省略することも可能である。
アルカリ処理工程に用いるアルカリ溶液としては、特に制限されないが、反応性、廃液処理の観点および取り扱いの容易性の観点から、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ物質を含む溶液が好ましい。溶液はこれらのアルカリ物質を2種以上を含んでいてもよい。なお、強アルカリ溶液であり反応性が極めて高く、安価であることから、またNa型のゼオライトが製造されることから、上記中でも、水酸化ナトリウムをアルカリ溶液として用いることが好ましい。
アルカリ処理工程に用いるアルカリ溶液の濃度は、アルカリの種類、ゼオライトの種類などに応じて適宜選択することができるが、2〜5Nが好ましい。アルカリ溶液の濃度が2N未満になると、FAU型ゼオライトが生成しなくなる虞があるためであり、また、5Nを超えるアルカリ溶液を用いた場合には、使用する材料が多くなり、高濃度のアルカリ溶液を用いることによる安全性、廃液処理の課題がある。
アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液との混合比(体積比)は、アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物/アルカリ溶液=1/1000〜1/10が好ましい。アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物1に対しアルカリ溶液が1000を超える場合には、必要なアルカリ溶液が多くなりすぎ、処理効率が悪くなってしまう場合がある。アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物1に対しアルカリ溶液が10未満である場合には、アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液の接触面積が小さくなり、溶解反応が十分に進まなくなる虞がある。
〔6〕水熱合成工程
図1に示す例では、次に、本発明のFAU型ゼオライトの製造方法において必須の工程である水熱合成工程(ステップS6)において、得られたヒドロゲルを水熱合成処理し、ゼオライトを合成する。水熱合成処理は、バッチ式または連続式のいずれによっても行なうことができ、たとえば耐圧容器または反応器にヒドロゲルを導入し、好ましくは60〜150℃、より好ましくは60〜120℃に加熱することにより、水熱状態を得る。これにより、従来のセラミックス材料として焼成する方法と異なり、さらに低温でのゼオライトの合成が可能となり、ボイラーなどの廃熱を利用できる温度範囲であり、省エネルギーに貢献できる方法となる。なお、水熱合成工程における温度が60℃未満である場合には、合成反応速度が極めて遅くなり、効率が悪くなり、ゼオライトの生成が遅くなりガラス相が残存しやすいという傾向にある。また、150℃を超える場合には、Na−P1型ゼオライトなどのFAU型ゼオライト以外の相が生成してしまい、FAU型ゼオライトの純度が低くなる場合があるためである。
水熱合成の圧力はその温度での飽和蒸気圧とし、1〜10気圧となるように、反応容器内に導入する液体、固体の量を設定し、反応容器内の空間の体積を調整する。
水熱合成の合成時間は、好ましくは10時間〜1000時間、より好ましくは10時間〜200時間とする。合成時間が10時間未満である場合は、ガラス相が残存し、十分にゼオライトが生成しない場合がある。また合成時間が1000時間を超えると、FAU型ゼオライト以外の相が生成し、高純度のFAU型ゼオライトが得られない。
上述したような本発明のFAU型ゼオライトの製造方法によれば、上述した原料から直接的にFAU型ゼオライトを得ることができる。すなわち、水熱合成の条件を適当に選択することにより、高価な合成装置などを必要とせず、純度が高いFAU型ゼオライトを直接的に得ることができる。
なお、本発明のFAU型ゼオライトの製造方法においては、好ましくは110℃以下の温度域で水熱合成し、作製するものであり、この場合にはボイラーの廃熱などを利用することができる温度域であり、省エネルギーに貢献することができる。
本発明のFAU型ゼオライトの製造方法によって、液晶パネルの廃材から純度が高いFAU型ゼオライトを得ることができる。FAU型ゼオライトは、数あるゼオライトの中でも触媒能に優れているため、石油の流動接触分解(FCC)プロセスなど工業的に重要な用途にも利用することが可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<参考例1>
市販の液晶パネル用ガラスをボールミル粉砕処理を行い、ガラス紛体サンプルを素作成した。粒度分布は、中心径D50が8μmであった。波長分散型蛍光エックス線分析によりガラスのSiOおよびAlの組成を求めた結果、SiOが62質量%、Alが18質量%であった。
<実施例1>
中心径8μmに粉砕したアルミノホウケイ酸ガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの2.0M NaOH水溶液に硝酸処理した廃ガラス0.91gを加え、さらに、NaAlO 0.38gを加えた。NaOH原料は、キシダ化学製特級水酸化ナトリウムペレットを用い、NaAlO原料は、関東化学株式会社製鹿1級アルミン酸ナトリウムを用いた。このとき、Si/Alモル比は1.6となっていた。この混合溶液を攪拌した状態で24時間室温にてエージングを行い、95℃で12時間〜96時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て試料を得た。
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。XRD測定結果を図3に示す。図3より分かるように、合成時間12時間〜96時間でFAU型ゼオライトの回折ピークが見られた。
<実施例2>
NaAlOの添加量を0.16g(Si/Alモル比:2.1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして試料を得た。同様にXRD測定を行なった結果、合成時間12時間〜96時間でFAU型ゼオライトの回折ピークが見られた。合成時間48時間の場合の生成物のXRD測定結果を図4に示す。
<実施例3>
NaAlOの添加量を0.10g(Si/Alモル比:2.4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして試料を得た。同様にXRD測定を行なった結果、合成時間12時間〜96時間でFAU型ゼオライトの回折ピークが見られた。合成時間48時間の場合の生成物のXRD測定結果を図5に示す。
<実施例4〜6>
NaOHの濃度を3.0Mに変更したこと以外は実施例1〜3とそれぞれ同様にして、試料を得た。実施例1〜3と同様にそれぞれX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。いずれのSi/Al比においても合成時間48時間〜96時間でFAU型ゼオライトの回折ピークが見られた。合成時間48時間の場合の生成物のXRD測定結果をそれぞれ図6(実施例4)、図7(実施例5)、図8(実施例6)に示す。
<実施例7>
中心径8μmに粉砕したアルミノホウケイ酸ガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの2.0M NaOH水溶液に硝酸処理した廃ガラス0.91gを加え、さらに、NaAlO 0.16gを加えた。このとき、Si/Alモル比は2.1となっている。この混合溶液を攪拌した状態で48時間および480時間室温にてエージングを行い、75℃で96時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て試料を得た。
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。XRD測定結果を図9に示す。図9より分かるように、エージング時間48時間および480時間でFAU型ゼオライトの回折ピークが見られた。
<実施例8>
中心径8μmに粉砕したアルミノホウケイ酸ガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの2.0M NaOH水溶液に硝酸処理した廃ガラス0.91gを加え、さらに、NaAlO 0.16gを加えた。このとき、Si/Alモル比は2.1となっている。この混合溶液を攪拌した状態で96時間室温にてエージングを行い、65℃および95℃で96時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て試料を得た。
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。XRD測定結果を図10に示す。図10より分かるように、合成温度65℃および95℃でFAU型ゼオライトの回折ピークが見られた。
<比較例1〜3>
中心径8μmに粉砕したアルミノホウケイ酸ガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの1.0M(比較例1)、2.0M(比較例2)、3.0M(比較例3)のNaOH水溶液それぞれに硝酸処理した廃ガラス0.91gを加え、さらに、NaAlO 0.77gを加えた。このとき、Si/Alモル比は1.1となっている。この混合溶液を攪拌した状態で24時間室温にてエージングを行い、95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て試料を得た。
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。1.0M、2.0M、3.0MいずれのNaOH濃度においてもA型ゼオライトの回折ピークが見られた。FAU型ゼオライトは得られなかった。XRD測定結果をそれぞれ図11(比較例1)、図12(比較例2)、図13(比較例3)に示す。
<比較例4〜6>
中心径8μmに粉砕したアルミノホウケイ酸ガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの1.0M(比較例4)、2.0M(比較例5)、3.0M(比較例6)のNaOH水溶液それぞれに硝酸処理した廃ガラス0.91gを加え、さらに、NaAlOを0.06g加えた。このとき、Si/Alモル比は2.6となっている。この混合溶液を攪拌した状態で24時間室温にてエージングを行い、95℃で48時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て試料を得た。
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。1.0M、2.0M、3.0MいずれのNaOH濃度においてもNa−P1型ゼオライトの回折ピークが見られた。FAU型ゼオライトは得られなかった。XRD測定結果をそれぞれ図14(比較例4)、図15(比較例5)、図16(比較例6)に示す。
実施例1〜6、比較例1〜6におけるFAU型ゼオライトの生成の有無の結果を表1に示す。
Figure 2014122151
表1中、○はFAU型ゼオライトが生成した場合、×はFAU型ゼオライトが生成しなかった場合の結果を示す。
<比較例7>
中心径8μmに粉砕したアルミノホウケイ酸ガラス10gを250mLの5M HNOに加え室温にて3時間攪拌した後、吸引ろ過、乾燥を経て硝酸処理廃ガラスを得た。14mLの2.0M NaOH水溶液に硝酸処理した廃ガラス0.91gを加え、さらに、NaAlO 0.16gを加えた。このとき、Si/Alモル比は2.1となっている。この混合溶液を攪拌した状態でエージングを行わず(エージング時間0時間)、75℃で96時間の条件で水熱合成を行なった。水熱合成の完了後、吸引ろ過により合成物をろ別し、乾燥を経て試料を得た。
得られた試料についてX線回折を行ない、合成された生成物の相の同定を行なった。XRD測定結果を図17に示す。図17より分かるように、P型ゼオライトの回折ピークが見られ、FAU型ゼオライトは生成しなかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 液晶パネル、2a カラーフィルタ側パネルガラス、2b TFT側パネルガラス、3 シール樹脂体、4 液晶層、5 光学フィルム、6 反射防止膜、7 カラーフィルタ、8 透明導電膜、9 配向膜、10 画素電極、11 バス電極、12 絶縁膜。

Claims (10)

  1. アルミノホウケイ酸ガラスを原料とするホージャサイト型ゼオライトの製造方法であって、
    Si/Alモル比が1.6〜2.4となるようにアルミノホウケイ酸ガラスにアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物を添加する調合工程と、
    アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液とを接触させるアルカリ処理工程と、
    アルカリ処理工程で得られたアルカリ溶液とガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物を水熱合成処理する水熱合成工程とを含むことを特徴とするホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  2. 前記アルカリ処理工程で用いられるアルカリ溶液の濃度が2〜5Nであり、アルミノホウケイ酸ガラスとアルミニウム化合物および/またはシリコン化合物の混合物とアルカリ溶液との接触が24時間〜1000時間行なわれるものであることを特徴とする請求項1に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  3. 前記アルミノホウケイ酸ガラスが、SiO:50重量%以上、Al:10〜20重量%の組成を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  4. 調合工程の前に、アルミノホウケイ酸ガラスを酸性溶液と接触させ、アルミノホウケイ酸ガラスの表層に、アルミノホウケイ酸ガラスの他の領域と比較してカルシウム含有量が少ない領域を形成させる酸処理工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  5. 得られるホージャサイト型ゼオライトがY型ゼオライトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  6. 前記水熱合成工程は60〜150℃で10時間〜1000時間水熱合成処理をすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  7. 前記アルミノホウケイ酸ガラスを1〜1000μmに粉砕したものを原料とすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  8. 前記酸処理工程に用いられる酸性溶液の濃度が0.1〜10Nであり、アルミノホウケイ酸ガラスと酸性溶液との接触が1分間〜100時間行なわれるものであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  9. 前記酸性溶液は、塩酸、硝酸から選ばれた少なくとも1種を含む溶液であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  10. 前記アルミノホウケイ酸ガラスが、液晶パネルから回収したアルミノホウケイ酸ガラスであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のホージャサイト型ゼオライトの製造方法。
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