JP2014124843A - 繊維複合成形品のプレス成形システムおよび繊維複合成形品のプレス成形方法 - Google Patents

繊維複合成形品のプレス成形システムおよび繊維複合成形品のプレス成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形システムまたはプレス成形方法において、1次プレス装置から2次プレス装置に向けて良好に1次成形品を送ることができる繊維複合成形品のプレス成形システムまたはプレス成形方法を提供する。
【解決手段】載置板64に載置された熱可塑性樹脂Rと繊維材料Fを加熱および加圧して繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品Wを得る1次プレス装置12と、前記1次成形品Wを前記載置板64を介して取出し前記載置板64を除いた状態で2次プレス装置13へ送る移載装置14と、前記1次成形品Wを少なくとも加圧して2次成形品を得る2次プレス装置13とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形システムおよび繊維複合成形品のプレス成形方法に関するものである。
従来、炭素繊維等の繊維材料に樹脂から繊維複合成形品を得る際には、特許文献1に記載されるように、熱硬化性樹脂を使用したプリプレグを成形する方法が知られている。特許文献1の成形においては、樹脂等の離型フィルムを上下に配置してプリプレグの加圧成形が行われる。しかしながら熱硬化性樹脂を使用したプリプレグを使用する場合、長時間にわたって高温加熱と加圧を行う必要となる点や樹脂原料の価格が比較的高価であるなどの問題があった。
一方熱可塑性樹脂を使用して炭素繊維複合成形品を成形することも行われている。熱可塑性樹脂をプレス装置で加圧する場合、1台のプレス装置で成形完了まで行われることが一般的であるが、特許文献2に示されるように熱可塑性樹脂の軟化点または融点以上の温度で熱可塑性樹脂を溶融状態として予備成形体を得て、その後第2のプレスに搬送して加圧しつつ軟化点または融点未満の温度で冷却することも行われている。特許文献2では、前記成形時の溶融樹脂の流出を防止するためにガラス繊維強化シートや金属箔を用いることが記載されている。
また特許文献3では工程(B)として、樹脂フィルムに挟まれたプリプレグをヒータ炉内で溶融させる工程、工程(C)として、樹脂フィルムで挟まれたプリプレグから樹脂フィルムを除去したプリプレグを金型内に搬送、配置する工程、工程(D)として、プリプレグを金型内で加圧冷却して成形品となす工程などが記載されている。
特開2012−218257号公報(請求項1、0046、図1等) 特開平9−277387号公報(請求項1、0040、0055、0056、0057、0058、0081) 特開2012−192645公報(請求項1、0030、0031、0036)
しかし溶融状態の予備成形体は移載が難しく、前記特許文献2では第1のプレスから第2のプレスに向けて金型ごと予備成形体を搬送するようにしている。そのため特許文献2では、第1のプレスと第2のプレスで、下型を交換することができず、2次プレスにおいても予備成形体と近い形状の成形品しか成形することができなかった。また金型は高コストであり重量も重いので、金型をプレス間で搬送させるシステムを構築する場合は、コストアップに繋がるものであった。
また特許文献3は、1次成形後の工程(C)において人手や搬送装置によりプリプレグから樹脂フィルムを除去するとなっているが、具体的な方法や装置は記載されていない。特許文献3に関して、もし融点付近以上で樹脂フィルムを除去すれば溶融樹脂が流出するか、または樹脂フィルムと溶融樹脂が分離が困難という問題がある。また1次成形品の温度が完全に固化させてから樹脂フィルムの剥離は比較的容易かもしれないが、次の加圧工程で再度温度を上げないことには次の加圧工程が行えず、エネルギーロスや成形サイクルが長くなるという問題がある。従って引用文献2、引用文献3には、1次成形工程後、2次成形工程へ1次成形品を移載するための良好な方法は記載されていない。
そこで本発明では、熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形システムまたはプレス成形方法において、1次プレス装置から2次プレス装置または1次加圧工程から2次加圧工程に向けて良好に1次成形品を送ることができる繊維複合成形品のプレス成形システムまたはプレス成形システムを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の繊維複合成形品のプレス成形システムは、熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形システムにおいて、載置板または載置用フィルム状物に載置された熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品を得る1次プレス装置と、前記1次成形品を前記載置板または載置用フィルム状物を介して取出し前記載置板または載置用フィルム状物を除いた状態で2次プレス装置へ送る移載装置と、前記1次成形品を少なくとも加圧して2次成形品を得る2次プレス装置とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の繊維複合成形品のプレス成形システムは、請求項1において、1次プレス装置において熱可塑性樹脂と繊維材料は前記熱可塑性樹脂の融点温度では溶融しない離型層を介して載置板または載置用フィルム状物に載置され、前記移載装置において前記載置板または載置用フィルム状物を除き、前記離型層を含む1次成形品が2次プレス装置へ送られることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の繊維複合成形品のプレス成形システムは、方法は、熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形方法において、載置板または載置用フィルム状物に載置された熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品を得る1次加圧工程と、前記1次加圧工程終了直前の加熱温度または表面温度が前記熱可塑性樹脂の融点温度マイナス100℃以上の1次成形品を前記載置板または載置用フィルム状物を介して取出し前記載置板または載置用フィルム状物を除いた状態で2次加圧工程へ送る移載工程と、前記1次成形品を少なくとも加圧して2次成形品を得る2次加圧工程とを行うことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の繊維複合成形品のプレス成形方法は、請求項3において、1次加圧工程において熱可塑性樹脂と繊維材料は前記熱可塑性樹脂の融点温度では溶融しない離型層を介して載置板または載置用フィルム状物に載置され、前記移載工程において前記載置板または載置用フィルム状物を除き、前記離型層を含む1次成形品が2次加圧工程へ送られることを特徴とする。
本発明の炭素繊維複合成形品のプレス成形システムおよびプレス成形方法は、熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形システムにおいて、載置板または載置用フィルム状物に載置された熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品を得る1次プレス装置と、前記1次成形品を前記載置板または載置用フィルム状物を介して取出し前記載置板または載置用フィルム状物を除いた状態で2次プレス装置へ送る移載装置と、前記1次成形品を少なくとも加圧して2次成形品を得る2次プレス装置とを備えているので、1次プレス装置から2次プレス装置に向けて良好に1次成形品を送ることができる。
本実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法に用いられるプレス成形システムの側面図である。 本実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法の1次成形品の移載方法を示す拡大平面図である。 本実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法の1次成形品の移載方法を示す拡大正面図である。 本実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法の1次成形品の移載時の作動を示す説明図である。 本実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法の成形品の温度、プレス装置のストロークなどを説明する説明図である。
まず図1により本実施形態の繊維複合成形品のプレス成形システム11の概略について説明する。プレス成形システム11は、図1において一方(左側)に1次加圧工程を行う1次プレス装置12が設けられ、他方(右側)に2次加圧工程を行う2次プレス装置13が設けられている。そして1次プレス装置12と2次プレス装置13の間には、1次プレス12で加圧成形された1次成形品Wを2次プレス装置13へ向けて送る移載工程を行う移載装置14が設けられている。
1次プレス装置12は、上盤15と下盤16の間にタイバ17にガイドされて昇降可能な可動盤18が設けられている。そして可動盤18の上面には加圧板19が配設され、上盤15の下面にも加圧板20が配設されている。また下側の加圧板19と上側の加圧板20との間には、複数の加圧板21が図示しない部材を介して配置されている。本実施形態の加圧板19,20,21は、表面が平坦な熱板であり、内部に熱媒を流通させる図示しない通路が形成されている。本実施形態で使用される熱媒は、熱媒油が用いられる。加圧板19,20,21の前記通路は、供給側、排出側ともに、図示しない管路を介して、熱媒の温度を制御する図示しない熱媒供給装置に接続されている。なお加圧板19,20,21の加熱手段は、ヒータを用いてもよく、加圧板19,20,21の枚数も限定されず、上下の加圧板19,20のみでもよい。また加圧板19,20,21は加熱と冷却が可能なものを用いてもよい。さらに本実施形態では加圧板19,20,21は板状体であり表面が平坦面であるが、平面以外のものでもよく、最終成形品の形状かそれに近いものでもよい。
そして下盤16の下方には加圧用の油圧シリンダ22が設けられ、油圧シリンダ22のラム23は可動盤18の下面に固定されている。油圧シリンダ22は、図示しない油圧ポンプとその油圧回路により駆動制御される。そして可動盤18と前記可動盤18に固定された加圧板19および中間の加圧板21は、加圧用の油圧シリンダ22の駆動により上盤15に固定される加圧板20に向けて順次、押し上げられる。そして加圧板19と加圧板21の間、加圧板21と加圧板21の間、および加圧板21と加圧板20の間で、それぞれ1次成形品Wを得るための加圧・含浸成形が行われる。
また1次プレス装置12の前記上盤15と下盤16の間の可動盤18および加圧板19,20,21等が配設される成形空間24は、密閉可能なチャンバ25により外界と隔絶可能となっている。チャンバ25は管路と図示しないバルブやフィルタ等を介して真空ポンプに連通されている。そして図1においてはチャンバ25の左側面には、繊維材料Fと樹脂材料RのユニットU等を搬入するための開閉扉26が設けられ、チャンバ25の右側面には、加圧の終了した1次成形品W等を搬出するための開閉扉27が設けられている。なお開閉扉26,27は、一つの開閉扉が搬出用と搬入用を兼用したものでもよい。そして1次プレス装置12には成形開始から成形完了までの加圧板19,20,21の温度、加圧力、チャンバ25内の真空度などを制御する図示しない制御装置が配置されている。なお1次プレス装置12は、1度に成形される1次成形品の数、加圧方式、配置、真空用のチャンバの有無など図示のものに限定されない。また加圧板19,20,21も例えば圧縮成形が可能なインロウ構造の金型に代替が可能である。
次に他方に設けられた2次プレス装置13について説明する。2次プレス装置13は、下方の固定盤31に4本のタイバ32が立設され、その上方に上盤33が固定されている。そして上盤33には加圧用の油圧シリンダ34が設けられ、油圧シリンダ34のラム35は可動盤36の背面に固定されている。可動盤36は固定盤31と上盤33の間でタイバ32にガイドされて垂直方向に移動可能となっている。そして2次プレス装置13の固定盤31の上面には一方の金型である固定金型37(下型)が取付けられている。また可動盤36の下面には他方の金型である可動金型38(上型)が取付けられている。固定金型37と可動金型38からなる金型は、2次成形品の形状に応じて凹部を備えた固定金型37に対して、凸部を備えた可動金型38が嵌合されて容積が変更可能なキャビティが形成されるインロウ構造の金型となっている。
また固定金型37と可動金型38の内部にはそれぞれ冷媒、または熱媒と冷媒が流通される図示しない管路が形成されている。本実施形態では熱媒または冷媒は熱媒油が用いられるが、冷媒のみの場合は水でもよい。そして固定金型37と可動金型38には、図示しない熱媒油供給装置から温度制御された熱媒油が循環供給されるように図示しない送出側の管路と排出側の管路が接続されている。また固定金型37か可動金型38の一方には2次成形品を突き出すエジェクタ装置(図示せず)が設けられている。
また前記上盤33と固定盤31の間の可動盤36および固定金型37、可動金型38等が配設される成形空間39は、密閉可能なチャンバ40により外界と隔絶可能となっている。チャンバ40は管路と図示しないバルブやフィルタ等を介して真空ポンプに連通されている。そして図1においてチャンバ40の左側面には、1次成形品Wを搬入するための開閉扉41が設けられ、チャンバ40の右側面には、加圧の終了した2次成形品を搬出するための開閉扉42が設けられている。なお開閉扉41,42は、一つの開閉扉で搬出と搬入を兼用したものでもよい。そして2次プレス装置13には成形開始から成形完了までの固定金型37、可動金型38の温度、加圧力、チャンバ40内の真空度などを制御する図示しない制御装置が配置されている。なお2次プレス装置13については、加圧方式、配置、1度に成形される個数、真空用のチャンバの有無などは、この図示のものに限定されない。
次に移載装置14について説明する。移載装置14は、1次プレス装置12で加圧・成形された1次成形品Wを1次プレス装置12から取出して、2次プレス装置13へ送るためのものである。移載装置14は、床上に設けられたレール51の上をモータ52の駆動により回転される車輪53により自走可能となっている。移載装置14の車輪53が取付けられた本体部54の上部には回転盤55が本体部54に対して回転自在に取付けられている。本体部54に固定された回転盤回転用のモータ56の歯車と回転盤55の外周の歯車が係合しており、モータ56の駆動により回転盤55が180°反転可能となっている。回転盤55の上にはモータ57とボールネジとボールネジナットを用いた機構により、一方と他方に移動可能な昇降ガイドフレーム部58が立設されている。そして昇降ガイドフレーム部58にはモータ59ととボールネジとボールネジナットを用いた機構により昇降可能な昇降部60が設けられている。
図2に示されるように昇降部60には水平方向に前方に向けて2本のフォーク61,61が固定されている。2本のフォーク61,61の長さは、第1プレス装置12に進入して加圧板19等の上面に載置された1次成形品Wを取出したり、2次プレス装置13に進入して固定金型37のキャビティ面37aの上に1次成形品Wを載置するのに十分な長さとなっている。またフィーク61の1本の幅は、後述するプレスプレート64の保持部65の幅と略一致するようになっている。更に平行に設けられたフォーク61,61同士の間の間隔も、プレスプレート64の加圧部66の長さ以上となっている。またフォーク61の先端は上方へ向けて屈曲した係止部61aとなっている。フォーク61の係止部61aは、プレスプレート64の保持部65の先端を係止するための部材である。
移載装置14の昇降部60の前記フォーク61が設けられた部分の後方には、フォーク61と同じ方向に向けて1次成形品Wを押圧するためのエアシリンダ62が固定されている。そしてエアシリンダ62のロッド62aの先端にはフォーク61と直交する方向にプッシャ板63が固定されている。プッシャ板63の水平方向の長さは、プレスプレート64の加圧部66の幅以下になっている。そして昇降部60に固定的に設けられたフォーク61,61に対してプッシャ板63が前後進移動可能となっている。なお移載装置14についてはフォーク61,61が前後進と昇降の機能を有するものであれば限定されない。またフォーク61,61に替えて吸盤等を使用したものでもよい。プッシャ板63は必須のものではないが、プレスプレート64上から1次成形品Wのみを2次プレス装置13の下型上に移載する際に有用である。
次に本実施形態のプレス成形システム11を用いた繊維複合成形品のプレス成形方法について説明する。本実施形態において使用される繊維材料は炭素繊維が用いられる。炭素繊維は、一例として厚みが1〜5mmの炭素繊維マットFの形態で用いられる。炭素繊維マットFは、方向性を持って織られたものでもよく、不織状態のものでもよい。または塊状、のものを多数配置して層状にしたものでもよい。また炭素繊維マットFは炭素繊維に加えて、別の繊維層(一例としてガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維など)を加えたものでもよい。
また本実施形態で使用されるマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂は、一例としてポリアミド(PA6)樹脂からなり、一例に過ぎないが厚みが0.5〜5mmの熱可塑性樹脂シートRである。ポリアミドは溶融時の流動性に優れており、炭素繊維マットFへの含浸に優れている。熱可塑性樹脂シートRは取扱いが容易であるので好ましいが、もっと薄い樹脂フィルムや、シートよりももっと硬さがあって厚みもある樹脂板であってもよい。また更には熱可塑性樹脂Rの形態は、粉状や粒状のものでもよい。なお熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFの枚数は、熱可塑性樹脂シートRや炭素繊維マットFの厚みや種類により相違し特に限定はされないが、一例としてそれぞれ1〜10枚程度が重ねて用いられ、全体(熱可塑性樹脂と炭素繊維の総重量)に占める炭素繊維の重量パーセント比が、25〜70%、更に望ましくは35〜60%にとなるようにすることが望ましい。またこれらの熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFは、事前に乾燥したものが望ましい。
熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFの上下には、それぞれ離型層である銅箔Cが配置され、成形時の加圧板間で加圧されるユニットUが形成される。離型層である銅箔Cの面積は、熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFの面積と同じか、それよりも大きくて前記熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFを覆うものが望ましい。なお離型層としては、金属箔(銅箔やアルミニウム箔等であっていずれもマトリックス樹脂の溶融温度よりも溶融温度が高い)やマトリックス樹脂の溶融温度よりも溶融温度が高い樹脂(テフロン(登録商標)等の熱硬化性樹脂やポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂)からなるフィルム状物のいずれかが用いられる。離型層であるこれらの金属箔やフィルム状物は、1次加圧工程と2次加圧工程の両方に使用され、1次成形では特に上面側の加圧板20,21の加圧面(または金型面)からの離型を良好にする役割を果たす。また2次加圧工程でも、金型からの離型を良好にする役割などを果たす。そして2次加圧工程が最終成形工程である場合は、2次加圧工程の終了後に剥離される。従って離型層は、2次加圧工程において1次成形品を曲げたり変形させる場合には、シワが生じたり離型層に破れを生じないものが望ましい場合が多い。なお離型層については後述するプレスプレート64等の載置板を除去する際に載置板の当接する側の離型層があった方が望ましいが、必須のものではない。または最終成形品の表面に離型層が残留するものでもよい。
そして離型層である銅箔Cが上下に配置された熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUは、載置板であるプレスプレート64に載置されて図示しない搬入装置により1次プレス装置12へ搬送される。図2および図3に示されるようにプレスプレート64は、厚さが0.5mm〜8mm程度の表面が平滑なステンレス板からなり、中央の四角形の加圧部66と、加圧部66の両側に設けられ、2回屈曲して一段と高い位置の保持部65が設けられている。そして前記加圧部66の部分に、銅箔Cが上下に配置された熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUが載置される。なお載置板に替えて金属や樹脂からなる厚みのもっと薄い載置用フィルム状物を用いてもよい。銅箔Cが上下に配置された熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUは、常温で搬入されるものでも予熱してから搬入されるものでもよい。
そしてこれらの銅箔Cが上下に配置された熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUは、プレスプレート64に載置された状態で、図示しない搬入装置により、開閉扉26が開放された開口部から1次プレス装置12の各加圧板19,21の上に載置される。この際の各加圧板19,21の温度は、前記熱可塑性樹脂シートR(マトリックス樹脂)の融点温度以上(一例として融点温度プラス30℃)となっている。なお搬入の際には移載装置14を用いてもよい。そして全て銅箔Cが上下に配置された熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUがプレスプレート64とともに加圧板19,21の上に載置されると、搬入装置が後退して開閉扉26が閉鎖され、炭素繊維マットFに熱可塑性樹脂Rを含浸させる1次加圧工程が開始される。
1次加圧工程では、まずチャンバ25内の成形空間24が真空吸引される。内部空間24の真空度については限定されるものではないが、一例として10hPa〜100hPaに真空化される。そして1次プレス装置12の油圧シリンダ22が作動され、下側の加圧板19,21から順に加圧板21を押上げて加圧板19,20,21の間で銅箔Cが上下に配置された熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUの加圧が行われる。この際、加圧板19と加圧板20等の間には、下から順に、載置板であるプレスプレート64、離型層である銅箔C、熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットF、離型層である銅箔Cの順に配置され加圧が行われる。なお前記銅箔Cの上にも平面なプレスプレートを載置してもよい。加圧力については、前記ユニットUに加えられる面圧が、0.3〜30MPaが望ましい。なお加圧の際に1次プレス装置12に工夫をして最初から加圧を加えずに加圧板19,20,21と前記ユニットUを当接状態または近接状態とし、加圧板19,20,21の熱により熱可塑性樹脂Rの溶融を進行させるようにしてもよい。
図5に示されるように、熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUが加圧時の温度は、載置時と変化なく、一例として該熱可塑性樹脂Rのの融点温度以上(一例として融点温度プラス30℃)で加圧が行われる。なお加圧時の温度は、一例として溶融される熱可塑性樹脂Rの融点温度〜融点温度プラス100℃、更に望ましくは融点温度〜融点+60℃の範囲が望ましい。本実施形態でポリアミド(PA6)の融点温度は、225℃であるから加圧時の温度は、225℃以上325℃以下が望ましく、更には225℃以上285℃以下がより望ましい。そして前記温度で20〜600秒の間加圧を継続して炭素繊維マットFに熱可塑性樹脂Rの含浸を図る。
なお本実施形態では、前記のように加圧板19,20,21の温度は一定に制御されていてその温度で最後まで加圧工程が行われるが、加圧工程の後半で降温させてから、1次成形品Wの取出しを行うものでもよい。その場合は加圧板19,20,21へ供給する熱媒油の温度を低下させて加圧板19,20,21の温度を低下させ、炭素繊維マットFに熱可塑性樹脂Rが含浸された1次成形品Wの温度を前記熱可塑性樹脂Rの融点以下まで低下させる。そのことにより1次成形品Wの形状をより一層保ったまま、移載装置14により2次プレス装置13に移載可能となる。
1次加圧工程により繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品Wが成形されると、油圧シリンダ22のラム23が退縮し、加圧板19,20,21間はそれぞれ間隔が形成される。そしてチャンバ25内の真空破壊が行われた後に開閉扉27が開かれる。そして次に移載工程に移行する。移載工程では移載装置14の昇降ガイドフレーム部58の水平移動とともにフォーク61,61を、開閉扉27が開放された開口部に進入させる。そして図2ないし図4に示されるようにフォーク61,61は、加圧板19または加圧板21に載置されたプレスプレート64の保持部65の下方に進入され、その後フォーク61を僅かに上昇させることにより保持部65を持上げる。そして昇降ガイドフレーム部58を水平移動させてフォーク61,61を後退させる。このことにより1次成形品Wは、載置板であるプレスプレート64を介して1次プレス装置12から取出される。なお1次成形品Wを載置板または載置用フィルム状物を介して1次プレス装置12から取出す方法については前記に限らない。載置板に設けた穴にフックを挿入して引張ってたり、載置板を押して取出してもよく、載置板や載置用フィルム状物を真空吸着したりチャックで保持して取出してもよい。
図5に示されるように本実施形態では取出し時の1次成形品Wの表面温度としては、加圧時の温度と同温となっている。なお取出し時の1次成形品Wの表面温度は、熱可塑性樹脂Rの融点温度マイナス100℃以上融点温度プラス100℃の範囲が望ましく、更には融点温度マイナス50度〜融点温度プラス60℃の範囲がより一層望ましい。またプレス成形システム11の熱効率を高める点では、取出し時の1次成形品Wの表面温度は、融点温度以上がより望ましく、その場合もプラス60℃までの範囲がより一層望ましい。なお前記において移載時に望ましい1次成形品Wの温度について、取出し時の表面温度を記載しているが、前記表面温度に代えて、1次加圧工程終了直前の加熱温度を用いてもよい。即ち1次プレス工程の終了直前の1次プレス装置12の加圧板19,20,21の温度を温度センサにより計測しても1次成形品Wの表面温度と略等しい加熱温度が得られる。または加圧板19,20,21の冷却などは行わず温度変化ほとんど無い場合は、1次プレス工程の終了直前の熱媒の温度を温度センサにより計測しても略等しい加熱温度が得られる。
次に移載装置のフォーク61の上にプレスプレート64を介して1次成形品W(成形品W1と離型層Cを含む)を載置した移載装置14は、モータ52の駆動により装置全体が後退(図1において右側に移動)されるとともに、モータ56の駆動により回転盤55が回転され、フォーク61,61の向きが2次プレス装置13のほうへ変更される。また2次プレス装置13の固定金型37の高さに応じて昇降部60とフォーク61,61の高さも調整される。そして次に移載装置14全体を前進(図1において右側に移動)させ、2次プレス装置13の開閉扉41が開放された開口部から固定金型37の上にフォーク61とプレスプレート64に載置された1次成形品Wを移動させる。この際に特に図4の左側の図に参照されるように、まずフォーク61,61が固定金型37のキャビティ面37aの他側(奥の側)の上方に位置するように前進させる。そして次に図4の右側の図に参照されるようにモータ57を駆動させ昇降ガイドフレーム部58とともにフォーク61,61を後退させる(図1においては左側に移動させる)。同時にエアシリンダ62のロッド62aおよびプッシャ板63を伸長させ、固定金型37に対するプッシャ板63の相対的な位置が変更されないようにする。即ち図4の右側の図に示されるように移載装置14の後退時にフォーク61の先端の係止部61aに引っかけられてプレスプレート64はフォーク61とともに後退されるがプッシャ板63の位置は変更されないので、1次成形品Wは後退できずに、プレスプレート64の加圧部66の上をすべるように位置変更される。そしてフォーク61とともにプレスプレート64が固定金型37のキャビティ面37aの上から一定以上後退すると、1次成形品Wは、キャビティ面37aの上に落下し載置される。
本実施形態では、ステンレス製の平滑なプレスプレート64と1次成形品Wの表面の銅箔Cの間は、摩擦係数が非常に小さいので容易に1次成形品Wを摺動させることができる。そして2次プレス装置13では、載置板であるプレスプレート64が除かれた1次成形品Wのみが加圧・成形される。またフォーク61,61上に残ったプレスプレート64は、2次プレス装置13とは別の位置に降ろされる。このようにして移載工程を行うことにより、比較的高温の状態を保ったまま1次成形品Wを2次プレス装置13(2次加圧工程)へ送ることができ、省エネルギー化に繋がるとともに2次加圧工程の時間を短縮でき、成形サイクルの短縮にも寄与する。
そして次に移載装置14が後退すると2次プレス装置13の開閉扉41が閉鎖され、2次加圧工程が開始される。2次加圧工程では、まずチャンバ40内の成形空間39が真空吸引される。内部空間39の真空度については限定されるものではないが、1次プレス装置12と同じ程度に真空化される。そして2次プレス装置13の油圧シリンダ34が作動され、可動盤36および可動金型38が下降して、固定金型37と可動金型38の間で1次成形品Wの加圧を行う。2次加圧工程の加圧力については、成形品に加えられる面圧が、0.3〜30MPaが望ましい。2次加圧工程では、1次成形品Wから一定の厚みがあるプレスプレート64が除かれているので、平板状の1次成形品Wから曲面形成、トリミング、穴あけ等の形状変化を伴う2次加工を行うことが可能である。
また図5に示されるように2次加圧工程開始時における固定金型37および可動金型38の温度は、融点以上となっている。なお2次プレス装置13の加圧工程開始時の金型の温度は、一例として使用される熱可塑性樹脂の融点温度−50℃〜融点+100℃の範囲、更に望ましくは融点温度〜融点+60℃の範囲が望ましい。そして2次加圧工程は、10秒〜300秒にわたって行われる。なお2次加圧工程の後半では、固定金型37と可動金型38の通路に冷媒を流通させ、2次成形品(最終成形品)の熱可塑性樹脂の熱変形温度以下か、または2次成形品を離型しても支障がない程度の変形に留まる温度まで下降させる。固定金型37および可動金型38の温度は、離型時に下降されるので、成形サイクルを重視する場合は、次の1次成形品を載置する際には十分に昇温できていない場合もありうるが、その場合は載置後、加圧中も昇温される。なお2次加圧工程では、最初から融点以下で1次成形品Wを冷却しながら加圧するものを除外するものではない。
そして2次加圧工程が終了するとその後に可動金型38を上昇させて型開を行う。この際2次成形品は、表面に離型層があるので離型が容易にできる。そして型開が行われると図示しないエジェクタ装置により固定金型37か可動金型38から2次成形品を突き出す。突き出された2次成形品は、図示しない移載装置により2次プレス装置13の外部へ搬出され、離型層である銅箔Cの剥離が行われる。なお繊維複合成形品のプレス成形システム11において、1次プレス装置12と2次プレス装置13の関係は、1次プレス装置12で同時に複数枚の1次成形品Wを加圧・含浸成形する場合は、2次プレス装置13の成形時間を(1次成形時間/1次プレス装置で同時に加圧される枚数)としてもよく、複数枚が同時に加圧できる2次プレス装置13か、複数台の2次プレス装置13を配置してもよい。またプレス成形システム11は2次加圧工程で終了されるものに限定されず、2次加圧工程の後に3時加圧工程などを設けたものでもよい。
なお上記の本実施形態では熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUは金属箔や樹脂フィル等の離型層に挟まれており、1次成形品Wも離型層がある状態で2次加圧工程に搬入される。しかしプレスプレート64等の載置板の上にそのまま熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのみのユニットUを載置し、移載工程で載置板を除いて離型層の無い1次成形品Wを2次加圧工程へ送るものでもよい。その場合は、熱可塑性樹脂シートRと炭素繊維マットFのユニットUの上にも1次加圧工程だけで使用するプレスプレートを載置することが望ましい。
次に第2実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法および繊維複合成形品のプレス成形システムについて記載する。1次成形プレス装置には凹凸を有する金型が取付けられており、金型には一定以上の面積を有する押上げるエジェクタ装置が設けられている。そして1次プレス装置で1次加圧工程が終了すると、前記エジェクタ装置で、載置板または載置用フィルム状物と1次成形品を持上げる。そして持上げられた載置板または載置用フィルム状物と1次成形品を移載装置で保持して移動させ、載置板または載置用フィルム状物だけを除去して1次成形品を2次プレス装置へ供給する。そして2次プレス装置で最終成形品を成形する。
次に第3の実施形態の繊維複合成形品のプレス成形方法および繊維複合成形品のプレス成形システムについて記載する。1次成形プレス装置には凹凸を有する金型が取付けられており、金型の凹部を形成する部分が一部開放され、その開放された部分から載置板または載置用フィルム状物と1次成形品を取出されるようになっている。また第4の実施形態では、1次成形プレス装置の金型は、上型が凹状であり下型が突状となっている。そして1次加圧工程が終了した1次成形品は、下型の突状のキャビティ形成面の上に残る形で型開がなされる。このことにより、エジェクタ装置の有無にかかわらず、次に移載装置により載置板または載置用フィルム状物と1次成形品を取出す際に取出しが容易になる。また第5の実施形態では、キャビティ形成面の形状は平面でも上型と下型のどちらに凹凸があるものでも構わないが、載置板または載置用フィルム状物と1次成形品が一旦、上型に保持される形で型開がなされる。そしてフォーク等の移載装置が上型ならびに1次成形品等の下方に進入し、エジェクタ等による突出によりフォークの上に1次成形品等を落下させる。更には上型または下型が1次プレス装置の加圧位置を外れて移動するものでもよい。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した本実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。使用される繊維材料は、炭素繊維の他、ガラス繊維、ケプラー繊維、アルミ等の金属繊維、天然繊維等の他の種類の繊維材料であってもよい。更に熱可塑性樹脂Rについても限定はされず、熱硬化性樹脂との混合材料でもよい。本発明に用いられるマトリックス樹脂は、熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、熱可塑ポリウレタン等が代表的なものとして挙げられ、他の種類の熱可塑性樹脂でもよい。
11 プレス成形システム
12 1次プレス装置
13 2次プレス装置
14 移載装置
19,20,21加圧板
37 固定金型
38 可動金型
61 フォーク
64 プレスプレート(載置板)
C 銅箔(離型層)
F 炭素繊維マット
R 熱可塑性樹脂シート
W 1次成形品

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形システムにおいて、
    載置板または載置用フィルム状物に載置された熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品を得る1次プレス装置と、
    前記1次成形品を前記載置板または載置用フィルム状物を介して取出し前記載置板または載置用フィルム状物を除いた状態で2次プレス装置へ送る移載装置と、
    前記1次成形品を少なくとも加圧して2次成形品を得る2次プレス装置とを備えたことを特徴とする繊維複合成形品のプレス成形システム。
  2. 1次プレス装置において熱可塑性樹脂と繊維材料は前記熱可塑性樹脂の融点温度では溶融しない離型層を介して載置板または載置用フィルム状物に載置され、
    前記移載装置において前記載置板または載置用フィルム状物を除き、前記離型層を含む1次成形品が2次プレス装置へ送られることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合成形品のプレス成形システム。
  3. 熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して熱可塑性樹脂が含浸された繊維複合成形品を成形する繊維複合成形品のプレス成形方法において、
    載置板または載置用フィルム状物に載置された熱可塑性樹脂と繊維材料を加熱および加圧して繊維材料に熱可塑性樹脂を含浸させた1次成形品を得る1次加圧工程と、
    前記1次加圧工程終了直前の加熱温度または表面温度が前記熱可塑性樹脂の融点温度マイナス100℃以上の1次成形品を前記載置板または載置用フィルム状物を介して取出し前記載置板または載置用フィルム状物を除いた状態で2次加圧工程へ送る移載工程と、
    前記1次成形品を少なくとも加圧して2次成形品を得る2次加圧工程とを行うことを特徴とする繊維複合成形品のプレス成形方法。
  4. 1次加圧工程において熱可塑性樹脂と繊維材料は前記熱可塑性樹脂の融点温度では溶融しない離型層を介して載置板または載置用フィルム状物に載置され、
    前記移載工程において前記載置板または載置用フィルム状物を除き、前記離型層を含む1次成形品が2次加圧工程へ送られることを特徴とする請求項3に記載の繊維複合成形品のプレス成形方法。
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