JP2014180096A - 永久磁石回転電機およびエレベーター駆動巻上機 - Google Patents

永久磁石回転電機およびエレベーター駆動巻上機 Download PDF

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Abstract

【課題】
電源容量の増加抑制に加え、高トルク密度を実現することが可能な永久磁石回転電機と、これを用いたエレベーター駆動巻上機を提供する。
【解決手段】
永久磁石回転電機は、固定子鉄心と固定子鉄心のスロットに配置された固定子巻線とからなる固定子と、固定子と径方向のエアギャップを介して対向する回転子であって、回転子鉄心と径方向に対して直角に磁化された永久磁石が交互に放射状に配置された回転子とを有し、スロットの開口部の最小幅をa、回転子鉄心の磁極先端幅をbとしたとき、a≧bを満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は永久磁石回転電機およびこれを用いたエレベーター駆動巻上機に関する。
小形・軽量、低振動が要求されるエレベーター駆動巻上機は、高トルク密度で低トルク脈動な永久磁石同期モータが使用される。このモータには、高いエネルギー密度を有するネオジム磁石が採用されている。しかし、近年、永久磁石回転電機の希土類レス/フリーが求められているため、ネオジム磁石に比べて希土類元素の含有量が少ないフェライト磁石が再び注目を集めている。
フェライト磁石の磁力はネオジム磁石の1/3程度である。ネオジム磁石からフェライト磁石に置き換えると、磁力の低下によるトルクの不足分を磁石表面積の増加で補う必要があるため、モータの体格が大きくなる。これは、設置スペースの制約が厳しいエレベーター駆動巻上機にとって大きな問題である。そこで、フェライト磁石のような低磁力の磁石で高トルク密度を実現できる永久磁石回転電機が求められる。
エレベーター駆動巻上機に使われる永久磁石回転電機は、主に、永久磁石を回転子の表面に貼り付けた表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)である。しかし、この構造では、磁石の表面積をエアギャップの面積(回転子と固定子の対向面積)以上に広げることができず、エアギャップ中の磁束密度を磁石の残留磁束密度以上にすることが困難である。したがって、このような構造では、フェライト磁石のような低磁力の永久磁石を使って高トルク密度を実現することが困難である。
一方、高トルク密度を実現した永久磁石回転電機として、特許文献1に開示されているブラシレスDCモータがある。このモータのロータでは、磁石部と磁性材料部が交互に放射状になるように配置されている。
特開2000−217286号公法
特許文献1に記載のように磁石を配置することで、磁石の表面積を径方向に沿って広げることができるため、回転子と固定子間のエアギャップ中の磁束密度を大きくできる。このため、エアギャップ中の磁束密度は、回転子鉄心のアスペクト比を適正化することで、磁石の残留磁束密度を超えることが可能である。したがって、フェライト磁石のような低磁力の磁石を使った場合でも、ネオジム磁石と同程度のトルク密度を実現することができる。
しかしながら、過負荷時に比較的大きなトルク(数百〜数千Nm)を出す必要があるエレベーター駆動巻上機の場合、本発明者等の検討によれば、特許文献1に記載の永久磁石回転電機では漏れ磁束により電源容量の大幅な増加につながる。すなわち、特許文献1に記載の永久磁石回転電機では、回転子の磁極と固定子のスロットが対向すると、固定子巻線による磁束は、回転子の磁極表面を通って固定子側に戻り、トルクに寄与しない漏れ磁束になる。さらにこの漏れ磁束は、過負荷時における固定子ティースの磁気飽和の原因であり、永久磁石の磁束がティースの磁気飽和の影響で固定子側に入っていかず、電流の増加に対してトルクが飽和する原因となる。これは、過負荷時に比較的大きなトルク(数百〜数千Nm)を出す必要があるエレベーター駆動巻上機の場合、電源容量の大幅な増加につながる。
このように、特許文献1の永久磁石回転電機では、エレベーター駆動巻上機のような高トルク密度が要求される機器の回転電機として用いる場合、高トルク密度化と低電源容量化を両立する点において改良の余地がある。
本発明の目的は、電源容量の増加抑制に加え、高トルク密度を実現することが可能な永久磁石回転電機と、これを用いたエレベーター駆動巻上機を提供することである。
本発明の永久磁石回転電機は、固定子鉄心と固定子鉄心のスロットに配置された固定子巻線とからなる固定子と、固定子と径方向のエアギャップを介して対向する回転子であって、回転子鉄心と径方向に対して直角に磁化された永久磁石が交互に放射状に配置された回転子とを有し、スロットの開口部の最小幅をa、回転子鉄心の磁極先端幅をbとしたとき、a≧bとしたことを特徴とする。
本発明によれば、電源容量の増加を抑え、高トルク密度を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態の永久磁石回転電機の1/6モデルの半径方向の断面概要図である。 本発明の第1の実施形態の永久磁石回転電機の半径方向断面を展開した模式図である。 図1に示す永久磁石回転電機の回転子と固定子が対向する部分の拡大図である。 図1に示す永久磁石回転電機の固定子鉄心の部分拡大図である。 図1に示す永久磁石回転電機の回転子鉄心の部分拡大図である。 図1に示す永久磁石回転電機及び比較例の永久磁石回転電機の電流―トルク特性のシミュレーション結果である 本発明の第2の実施形態の永久磁石回転電機の回転子と固定子が対向する部分の拡大図である。 本発明の第3の実施形態の永久磁石回転電機の1/6モデルの半径方向の断面概要図である。 図8に示す永久磁石回転電機を用いたエレベーター駆動巻上機の軸方向の断面図概要図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1〜6を用いて本発明の第1の実施形態の永久磁石回転電機を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の永久磁石回転電機の1/6モデル(周方向に6分割したうちの一つ)の半径方向の断面概要図である。
図1に示すように、永久磁石回転電機1は固定子2と回転子3とから構成される。固定子2は、固定子鉄心4と固定子巻線5とを備える。固定子鉄心4は、打ち抜き型等により打ち抜いた複数の電磁鋼板を積層して構成される。固定子鉄心4は、外周部に設けられて固定子磁路を構成するリング状の固定子コアバック41と、固定子コアバック41より固定子内周に向かって放射状に所定角度ピッチで延設される固定子突極(固定子ティース)42とから構成される。図1に示すように、隣り合った一対の固定子突極42間と固定子コアバック41とで構成される空間はスロット43であり、固定子巻線5を収納する空間である。ここで、各固定子突極42には、図1に示すように1極に1個の固定子巻線5を巻回するものとする。
一方、回転子3は、シャフト10と、シャフト10の外周面に配置された非磁性体9と、非磁性体9の外周面に設けられた回転子鉄心7と、永久磁石6で構成され、固定子2と径方向のエアギャップ8を介して内周側に配置されている。
図1に示すように、永久磁石6と回転子鉄心7はそれぞれ、回転子外周に向かって放射状に配置されている。回転子鉄心7は、打ち抜き型等により打ち抜いた複数の電磁鋼板を積層して構成され、図示のように、極ごとに分離され、回転子3の周方向に沿って所定角度ピッチで並べて設けられている。回転子鉄心7は、回転子磁路を構成する回転子磁極71として機能する。
図1に示すように、隣り合った一対の回転子磁極71と非磁性体9とで構成される空間、すなわち磁石挿入スペース72には、永久磁石6が収納されている。このときの永久磁石6の磁化は回転子3の径方向に対して直角を向き、回転子磁極71が回転子の周方向に沿ってNSNS・・・と交互になるように配置される。永久磁石6にはフェライト磁石が用いられている。また、永久磁石6の形状を矩形にすることが望ましい。磁石の加工負担が減るため、磁石のコストを低減できる。
永久磁石6は、接着剤等によって磁石挿入スペース72に固着されている。非磁性体9は、回転子磁極71の内周側の漏れ磁束を小さくする効果がある。回転子鉄心7に作用するトルクは、非磁性体9を介してシャフト10へ伝達される。非磁性体としてはSUS304(JIS規格)などの非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼が用いられている。非磁性体としては、非磁性のアルミニウム合金なども用いることができる。
なお、非磁性体9に代えて空隙を設けてもよい。この場合、シャフト10の軸方向端部に対向して一対の円盤を設け、この円盤に回転子鉄心7をボルトで締結して、回転子鉄心7に作用するトルクを、円盤を介してシャフト10へ伝達する。
図2に、本発明の第1の実施形態の永久磁石回転電機の半径方向断面を展開した模式図を示す。
図2において、スロット43の開口部の最小幅をa、回転子磁極71の先端幅をb、永久磁石6の磁化方向厚みをc、固定子突極42の径方向に対して直角方向の最小幅をdとしたとき、本実施例では、a、b、c、dはa≧b、b≧c、b≦dを満足する。
図3に、図1に示す永久磁石回転電機における回転子と固定子とが対向する部分の拡大図を示す。
a≧bを満足することで、図3に示すように、スロット43と回転子磁極71が対向する状態において、回転子磁極71と固定子突極42が径方向に向かってオーバーラップする部分がなくなる。このように、スロット43と回転子磁極71が対向する状態において、回転子磁極71と固定子突極42のオーバーラップする部分がなくなると、固定子突極42−エアギャップ8−回転子磁極71の表面−エアギャップ8−隣り合った固定子突極42の磁束の経路の磁気抵抗が大きくなる。これにより、固定子巻線5の磁束の漏れ成分flが小さくなり、過負荷時における固定子突極42の磁気飽和を緩和できる。また、電流の増加に対するトルクの飽和も緩和できる。ただし、aを極端に大きく、またはbを極端に小さくした場合、漏れ磁束の低減効果は大きいものの、固定子突極42と回転子磁極71が磁気飽和するため、トルク密度が低下する。そのため、aとbを実質的に等しくする(できるだけ等しくなるようにする)ことで漏れ磁束の低減と高トルク密度を両立することができる。
なお、従来の永久磁石回転電機では、スロット43の開口部の最小幅aは、エアギャップにおける磁気抵抗の変化を少なくして騒音を低減するために、可能な限り小さくする(固定子巻線を巻回するために必要な最小幅にする)ことが望ましいと考えられていた。本発明では、電源容量の増加を抑え、高トルク密度を実現するために、検討した結果、従来のスロット43の開口部の最小幅aを小さくするという発想とは逆にスロット43の開口部の最小幅aを大きくした方が良いという着想を得て、上述のように、a≧bを満足させることが望ましいということを見出したものである。
そして、a≧bを満足する永久磁石回転電機において、さらに、b≧cを満足することで、固定子突極42−エアギャップ8−回転子磁極71−永久磁石6−隣り合った回転子磁極71−エアギャップ8−隣り合った固定子突極42の磁束の経路の磁気抵抗が小さくなる。言い換えれば、a≧bを満足する永久磁石回転電機において、固定子突極42−エアギャップ8−回転子磁極71−永久磁石6−隣り合った回転子磁極71−エアギャップ8−隣り合った固定子突極42の磁束の経路の磁気抵抗を小さくするためには、図3に示すようなスロット43と回転子磁極71が対向する状態以外で、固定子突極42と回転子磁極71とが対向する領域を大きくする必要がある。これを実現するには、b≧cを満足すれば良い。これにより、固定子巻線5による磁束が回転子3の内部へ侵入しやすくなり、漏れ磁束が減り、トルクに寄与する有効な磁束が増える。ただし、bを極端に大きく、またはcを極端に小さくした場合、トルクに寄与する有効な磁束は増えるものの、永久磁石6の減磁耐力が低下して不可逆減磁を起こしやすくなる。そのため、bとcを実質的に等しくする(できるだけ等しくなるようにする)ことで永久磁石の減磁耐力を確保しつつ漏れ磁束の低減と高トルク密度を両立することができる。
そして、a≧bを満足する、または、a≧bとb≧cを満足する永久磁石回転電機において、さらに、b≦dを満足することで、回転子磁極71−エアギャップ8―固定子突極42−固定子コアバック41−隣り合った固定子突極42−エアギャップ8−隣り合った回転子磁極71の磁束の経路の磁気抵抗が小さくなる。言い換えれば、a≧bを満足する、または、a≧bとb≧cを満足する永久磁石回転電機において、回転子磁極71−エアギャップ8―固定子突極42−固定子コアバック41−固定子突極42−エアギャップ8−回転子磁極71の磁束の経路の磁気抵抗を小さくするためには、図3に示すようなスロット43と回転子磁極71が対向する状態以外で、固定子突極42と回転子磁極71とが対向する領域を大きくする必要がある。これを実現するには、b≦dを満足すれば良い。これにより、永久磁石6による磁束が固定子2の内部へ侵入しやすくなり、トルクに寄与する有効な磁束が増える。ただし、bを極端に小さく、またはdを極端に大きくした場合、回転子磁極71は磁気飽和し、固定子突極42の表面を経由して回転子へ戻ってくる永久磁石6の磁束の漏れ成分が増えるため、トルク密度が低下する。そのため、bとdを実質的に等しくする(できるだけ等しくなるようにする)ことで漏れ磁束の低減と高トルク密度を両立することができる。
特に、本発明の実施例において、望ましいa、b、c、dの比率は、本発明者等の検討によれば、おおよそ0.9 : 0.9 : 0.7 : 1.0である(図1の形状)。
図4に、図1に示す永久磁石回転電機における固定子鉄心の部分拡大図を示す。
図4に示すように、固定子突極42の先端の両側にはそれぞれ周方向に突出する突起44が設けられており、突起44は固定子巻線5がエアギャップ8へ脱落するのを防止している。さらに、固定子突極42の先端の両側のべべリング45により、図3に示す漏れ磁束flを低減する。すなわち、図3の状態においては、固定子突極42の先端の側端部と回転子磁極71の先端の側端部との間のエアギャップ8を大きくすることができるので、固定子突極42−エアギャップ8−回転子磁極71の表面−エアギャップ8−隣り合った固定子突極42の磁束の経路の磁気抵抗が大きくなり、漏れ磁束flを低減することができる。また、固定子突極42の先端の両側のべべリング45により、エアギャップ8の磁束密度の空間高調波成分を小さくしてトルク脈動を低減することができる。
図5に、図1に示す永久磁石回転電機における回転子鉄心の部分拡大図を示す。
図5に示すように、回転子磁極71の先端の両側にはそれぞれ周方向に突出する突起73が設けられており、突起73は永久磁石6が遠心力でエアギャップ8へ飛び出すのを防止している。さらに、回転子磁極71の先端の両側のべべリング74により、エアギャップ8の磁束密度の空間高調波成分を小さくしてトルク脈動を低減することができる。
図6に、本発明の実施例の永久磁石回転電機(a、b、c、dの比率が0.9 : 0.9 : 0.7 : 1.0)の電流―トルク特性のシミュレーション(辺要素有限要素法による磁界解析)結果を示す。また、比較例として、a、b、c、dの比率を0.3 : 1.5 : 0.8 : 1.0とした永久磁石回転電機(従来の永久磁石回転電機を模擬したもの)の電流―トルク特性のシミュレーション結果を併せて示す。トルクは過負荷トルク、電流は過負荷トルク時の最大電流でそれぞれ正規化している。また、使用した永久磁石は、常温でおよそ0.45T程度のフェライト磁石である。
比較例の構造では、固定子巻線による磁束は、回転子の磁極表面を通って固定子側に戻り、トルクに寄与しない漏れ磁束flが大きくなる。さらにこの漏れ磁束は、過負荷時における固定子ティースの磁気飽和の原因であり、永久磁石の磁束がティースの磁気飽和の影響で固定子側に入っていかず、図6における実線のように電流の増加に対してトルクが飽和する原因となる。これは、過負荷時に比較的大きなトルク(数百〜数千Nm)を出す必要があるエレベーター駆動巻上機の場合、電源容量の大幅な増加につながる。
一方、本発明の実施例の永久磁石回転電機の構造によって漏れ磁束を低減したことで、図6に示すように、過負荷トルク時の最大電流で過負荷トルクに到達していることがわかる。また、電流の増加に対するトルクの飽和を緩和できていることがわかる。すなわち、本発明の実施例の永久磁石回転電機の構造によって理想特性に近い電流―トルク特性が得られる。したがって、電源容量の増加を抑え、高トルク密度と低トルク脈動を可能とした永久磁石回転電機を実現できる。そして、このような永久磁石回転電機をエレベーター駆動巻上機に適用することによって、フェライト磁石のような低磁力の磁石を用いたエレベーター駆動巻上機を実現できる。
図7を用いて、本発明の第2の実施形態の永久磁石回転電機の構造について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の永久磁石回転電機の回転子と固定子が対向する部分の拡大図を示す。図1及び図3に示す第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付しており、説明を省略する。
図7に示すように、回転子磁極71の先端の両側は、永久磁石6を跨いで隣接する回転子鉄心7とブリッジ75を介して連結している。これにより、回転子鉄心7の外径真円度を向上でき、製造誤差で発生するコギングトルクを小さくできる。また、ブリッジ75は永久磁石6が遠心力でエアギャップ8へ飛び出すのを防止する。ただし、ブリッジ75の径方向厚みを厚くしすぎると永久磁石6の磁束がブリッジ75を流れて漏れ磁束になり、トルクが低下する。これに対して、ブリッジ75の径方向厚みを薄くしすぎると、永久磁石6に掛かる遠心力でブリッジ75が破壊されるため、ブリッジ75の径方向厚みはブリッジ75の強度を優先して決める必要がある。
本実施例においても、第1の実施形態と同様に、a、b、c、dがa≧b、b≧c、b≦dを満足するように構成されており、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
図8〜図9を用いて、本発明の第3の実施形態の永久磁石回転電機およびこれを用いたエレベーター駆動巻上機の構造について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態の永久磁石回転電機の1/6モデル(周方向の6分割したうちの一つ)の半径方向の断面概要図である。図9は、図8に示す永久磁石回転電機を用いたエレベーター駆動巻上機の軸方向の断面図概要図である。図1に示す第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付しており、説明を省略する。図8に示す永久磁石回転電機においても、第1の実施形態と同様に、a、b、c、dがa≧b、b≧c、b≦dを満足するように構成されている。
図8に示すように、回転子3を構成する非磁性体9の外周側にはダブテールスロット91が形成されている。このダブテールスロット91に、回転子鉄心のダブテール76を軸方向から嵌め込み、回転子鉄心7を非磁性体9に固定するようにしている。これにより、回転子磁極71に作用するトルクを非磁性体に伝達することができる。さらに、ダブテールを介して回転子鉄心を非磁性体に固定することで回転子鉄心の外径真円度を向上でき、製造誤差で発生するコギングトルクを小さくできる。
非磁性体9には後述の回転体103にボルト93を用いて固定するためのボルト穴92が設けられている。これにより、非磁性体に伝わったトルクを外部に伝えることができる。同様に、固定子鉄心4にも反作用トルクが発生するため、固定子鉄心をボルトで外部(後述のフレーム101)に固定するためのボルト穴46が設けられている。必ずしも、全てのボルト穴にボルトを嵌める必要はなく、ボルトの機械強度が維持できる範囲でボルト本数を決めればよい。
図9は、図8に示す永久磁石回転電機を用いたエレベーター駆動巻上機の軸方向の断面図概要図である。図9に示すように、永久磁石回転電機の固定子鉄心4がフレーム101にボルト47で軸方向に固定されている。フレーム101は昇降路内のマシンベース、または最上階の機械室のマシンベースに固定されている。上述のように連結した回転子鉄心7と非磁性体9は、回転体103にボルト93で軸方向に固定されている。フレーム101と回転体103との間にはベアリング105を介在させている。回転体103には、外周側のブレーキ106のシューを受けるためのブレーキドラム104と、ロープにトルクによる力を伝達するためのシーブ102と、永久磁石回転電機の制御を行うためのエンコーダ107が備えられている。ブレーキ106はフレーム101の外周側に設置している。
図8に示す永久磁石回転電機を用いてエレベーター駆動巻上機を構成することにより、高トルク密度と低トルク脈動を可能とした薄型巻上機を実現することができる。
なお、本発明の永久磁石回転電機は、エレベーター駆動巻上機に限定されるものではなく、サーボや電動パワー・ステアリングなどの高トルク密度と低トルク脈動が要求される回転電機への利用が可能である。
以上の本発明を纏めると以下のようになる。
(1)複数の電磁鋼板を積層した固定子鉄心と前記固定子鉄心のスロットに配置された固定子巻線とからなる固定子と、前記固定子と径方向のエアギャップを介して対向する回転子であって、複数の電磁鋼板を積層した回転子鉄心と径方向に対して直角に磁化された永久磁石が交互に放射状に配置された回転子とを有する永久磁石回転電機において、前記スロットの開口部の最小幅をa、前記回転子鉄心の磁極先端幅をbとしたとき、a≧bであることを特徴とする永久磁石回転電機。
(2) (1)に記載の永久磁石回転電機において、前記永久磁石の形状が矩形であり、磁化方向厚みをcとしたとき、b≧cであることを特徴とする永久磁石回転電機。
(3) (1)または(2)に記載の永久磁石回転電機において、
前記固定子鉄心の固定子突極の径方向に対して直角方向の最小幅をdとしたとき、b≦dであることを特徴とする永久磁石回転電機。
(4) (1)〜(3)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記固定子鉄心の固定子突極の先端の両側に周方向に突出する突起を有することを特徴とする永久磁石回転電機。
(5) (1)〜(4)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記回転子鉄心の磁極先端の両側に周方向に突出する突起を有することを特徴とする永久磁石回転電機。
(6) (1)〜(5)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記固定子鉄心の固定子突極の先端がべべリングされていることを特徴とする永久磁石回転電機。
(7) (1)〜(6)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記回転子鉄心の磁極先端がべべリングされていることを特徴とする永久磁石回転電機。
(8) (1)〜(7)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記回転子鉄心の磁極先端の両側がそれぞれ前記永久磁石を跨いで隣接する回転子鉄心の磁極先端の側端と連結していることを特徴とする永久磁石回転電機。
(9) (1)〜(8)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記永久磁石回転電機の回転シャフトに固定されたリング状の非磁性体を備え、前記非磁性体の外周側にはダブテールスロットが形成されており、前記回転子鉄心の内周側には前記ダブテールスロットに軸方向から嵌め込まれるダブテールが形成されていることを特徴とする永久磁石回転電機。
(10) (1)〜(9)の何れかに記載の永久磁石回転電機において、前記永久磁石にフェライト磁石を用いることを特徴とする永久磁石回転電機。
(11) (1)〜(10)の何れかに記載の永久磁石回転電機を用いたエレベーター駆動巻上機であって、前記固定子は前記エレベーター駆動巻上機のフレームに固定され、前記回転子は前記エレベーター駆動巻上機のシーブを備えた回転体に固定されていることを特徴とするエレベーター駆動巻上機。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
1:永久磁石回転電機、2:固定子、3:回転子、4:固定子鉄心、41:固定子コアバック、42:固定子突極、43:スロット、44:固定子突起、45:固定子べべリング、46:ボルト穴、47:ボルト、5:固定子巻線、6:永久磁石、7:回転子鉄心、71:回転子磁極、72:磁石挿入スペース、73:回転子突起、74:回転子べべリング、75:ブリッジ、76:ダブテール、8:エアギャップ、9:非磁性体、91:ダブテールスロット、92:ボルト穴、93:ボルト、10:シャフト、100:エレベーター駆動巻上機、101:フレーム、102:シーブ、103:回転体、104:ブレーキドラム、105:ベアリング、106:ブレーキ、107:エンコーダ。

Claims (12)

  1. 複数の電磁鋼板を積層した固定子鉄心と前記固定子鉄心のスロットに配置された固定子巻線とからなる固定子と、
    前記固定子と径方向のエアギャップを介して対向する回転子であって、複数の電磁鋼板を積層した回転子鉄心と径方向に対して直角に磁化された永久磁石が交互に放射状に配置された回転子とを有する永久磁石回転電機において、
    前記スロットの開口部の最小幅をa、前記回転子鉄心の磁極先端幅をbとしたとき、a≧bであることを特徴とする永久磁石回転電機。
  2. 請求項1に記載の永久磁石回転電機において、
    前記永久磁石の形状が矩形であり、磁化方向厚みをcとしたとき、b≧cであることを特徴とする永久磁石回転電機。
  3. 請求項1に記載の永久磁石回転電機において、
    前記固定子鉄心の固定子突極の径方向に対して直角方向の最小幅をdとしたとき、b≦dであることを特徴とする永久磁石回転電機。
  4. 請求項2に記載の永久磁石回転電機において、
    前記固定子鉄心の固定子突極の径方向に対して直角方向の最小幅をdとしたとき、b≦dであることを特徴とする永久磁石回転電機。
  5. 請求項4に記載の永久磁石回転電機において、
    前記固定子鉄心の固定子突極の先端の両側に周方向に突出する突起を有することを特徴とする永久磁石回転電機。
  6. 請求項5に記載の永久磁石回転電機において、
    前記回転子鉄心の磁極先端の両側に周方向に突出する突起を有することを特徴とする永久磁石回転電機。
  7. 請求項6に記載の永久磁石回転電機において、
    前記固定子鉄心の固定子突極の先端がべべリングされていることを特徴とする永久磁石回転電機。
  8. 請求項7に記載の永久磁石回転電機において、
    前記回転子鉄心の磁極先端がべべリングされていることを特徴とする永久磁石回転電機。
  9. 請求項8に記載の永久磁石回転電機において、
    前記回転子鉄心の磁極先端の両側がそれぞれ前記永久磁石を跨いで隣接する回転子鉄心の磁極先端の側端と連結していることを特徴とする永久磁石回転電機。
  10. 請求項9に記載の永久磁石回転電機において、
    前記永久磁石回転電機の回転シャフトに固定されたリング状の非磁性体を備え、前記非磁性体の外周側にはダブテールスロットが形成されており、前記回転子鉄心の内周側には前記ダブテールスロットに軸方向から嵌め込まれるダブテールが形成されていることを特徴とする永久磁石回転電機。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載の永久磁石回転電機において、
    前記永久磁石にフェライト磁石を用いることを特徴とする永久磁石回転電機。
  12. 請求項11に記載の永久磁石回転電機を用いたエレベーター駆動巻上機であって、前記固定子は前記エレベーター駆動巻上機のフレームに固定され、前記回転子は前記エレベーター駆動巻上機のシーブを備えた回転体に固定されていることを特徴とするエレベーター駆動巻上機。
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