JP2014189741A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学発泡剤を含有するアクリル系重合成形体の表面に滑剤を存在させた状態で加熱発泡させる、発泡成形体の製造方法。
【選択図】なし
Description
アクリル系単量体と化学発泡剤(尿素等)とを含有する単量体溶液を型枠内で加熱して硬化させ、アクリル系重合成形体を得た後、該アクリル系重合成形体を化学発泡剤が分解する温度以上で加熱発泡させる方法(例えば、特許文献1)。
本発明において、アクリル系重合成形体Aとは、アクリル系単量体を主成分とする単量体を重合して得られる、所望の形状に成形された成形体である。アクリル系単量体を主成分とするとは、単量体の全量(100質量%)に対するアクリル系単量体の割合が50質量%以上であることを意味する。
アクリル系重合成形体Aとしては、特に限定されず、発泡成形体の製造に通常用いられるアクリル系重合成形体を用いることができる。アクリル系重合成形体Aは、単量体としてアクリル系単量体を単独で用いたものであってもよく、アクリル系単量体とアクリル系単量体以外の他の単量体とを併用したものであってもよい。
アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸のいずれか一方又は両方を示し、他の化合物についても同様である。
また、アクリル系単量体としては、アクリル系重合成形体Aの発泡性がより良好になる点では、メタクリル酸メチルが好ましい。
アクリル系単量体は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
他の単量体としては、アクリル系単量体と共重合可能な単量体であればよく、発泡成形体の改質等を目的として適宜選択して用いることができる。
他の単量体としては、アクリル系重合成形体Aの発泡性がより良好になる点から、スチレンが好ましい。スチレンを使用する場合、発泡成形体の硬質さが損なわれ難い点から、スチレンの使用量は単量体の全量に対して20質量%以下が好ましい。
他の単量体は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
(メタ)アクリル酸の割合を20〜30質量%の範囲とする場合、アクリル酸のみで前記範囲としてもよく、メタクリル酸のみで前記範囲としてもよく、アクリル酸とメタクリル酸の合計で前記範囲としてもよい。
アクリル系重合成形体Aは、化学発泡剤を含有する。
化学発泡剤としては、アクリル系重合成形体Aを加熱発泡させることで発泡成形体が得られるものであればよく、尿素及び尿素誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
化学発泡剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
アクリル系重合成形体Aの製造方法としては、発泡成形体の製造に用いるアクリル系重合成形体の製造に通常用いられる製造方法を採用できる。
アクリル系重合成形体Aの製造方法としては、例えば、アクリル系重合成形体Aの製造に用いる単量体、化学発泡剤、重合開始剤、重合開始助剤、塩化物イオン添加用物質等を混合して重合性溶液とし、該重合性溶液を所定の形状の型枠に入れ、加熱して硬化させる方法等が挙げられる。
型枠は、目的のアクリル系重合成形体Aの形状に合わせて適宜選択すればよい。
レドックス系重合開始剤としては、例えば、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロキシパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、単量体の全量100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
スルフィン酸金属塩としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、スルフィン酸金属塩としては、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン等が挙げられる。
重合開始助剤の使用量は、単量体の全量100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。また、重合開始助剤の使用量は、レドックス重合開始剤に対して質量比で0.1〜5倍が好ましい。
塩化物イオン添加用物質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化銅、塩化第二鉄、塩化銀、塩化金、塩酸、イミダゾリウム塩型界面活性剤、第4級アンモニウム塩型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
アルキルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルベタイン等が挙げられる。
塩化物イオン添加用物質の使用量は、単量体の全量100質量部に対して、0.005〜5質量部が好ましい。
脱水剤としては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の硫酸塩、ゼオライト(モレキュラーシーブ)等が挙げられる。
重合抑制剤としては、ギ酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
気泡調整剤としては、例えば、金属酸化物、珪藻土等の粉末状無機物等が挙げられる。
重合温度は、35〜70℃が好ましく、40〜60℃が好ましい。
本発明の発泡成形体の製造方法は、アクリル系重合成形体Aを加熱発泡させる際に、アクリル系重合成形体Aの表面に滑剤を存在させた状態で加熱することを特徴とする。アクリル系重合成形体Aの表面に滑剤を存在させることで、発泡成形体に亀裂が生じることが抑制される。
なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、アクリル系重合成形体Aの表面において滑剤が存在していない部分があってもよい。
滑剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
加熱温度は、例えば、化学発泡剤が尿素(熱分解温度135℃)の場合、135℃以上が好ましく、145℃以上がより好ましい。加熱温度が高いほど発泡が効率良く進行する。
また、加熱温度は、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。加熱温度が上限値以下であれば、発泡成形体が熱劣化し難い。
具体的には、矩形の板状の発泡成形体を製造する場合、下式(1)で求められる長手方向の寸法変化率(L)と、下式(2)で求められる短手方向の寸法変化率(D)との比(L/D)は、1/1.3〜1.3/1が好ましく、1/1.2〜1.2/1がより好ましい。比(L/D)が前記範囲内であれば、亀裂の発生が充分に抑制された発泡成形体が得られやすい。
L=L2/L1 ・・・(1)
D=D2/D1 ・・・(2)
ただし、前記式中、L1は発泡前のアクリル系重合成形体Aの長手方向の長さであり、L2は発泡後の樹脂成形体の長手方向の長さである。また、D1は発泡前のアクリル系重合成形体Aの短手方向の長さであり、D2は発泡後の樹脂成形体の短手方向の長さである。
寸法変化率(L)、(D)は、例えば、金型の内法を調節することで調節できる。
なお、発泡成形体の密度は、発泡成形後に得られる発泡成形体の体積Va(cm3)と、その質量W(g)を測定し、下記式により求められる。
発泡成形体の密度(g/cm3)=W/Va
以上説明した本発明の発泡成形体の製造方法にあっては、得られる発泡成形体に亀裂が発生することを抑制することができる。このような効果が得られる要因としては、以下のように考えられる。
従来の発泡成形体の製造方法において、発泡成形体の表面近傍に亀裂が生じやすかったのは、加熱発泡の際に、アクリル系重合成形体の表面と該表面が触れる面(金型の内面等)との摩擦によって成形体の膨張が円滑に進行し難く、膨張が不均一に進行することが起因になっていると考えられる。
これに対して、本発明の製造方法では、アクリル系重合成形体Aの表面に滑剤を存在させているため、加熱発泡においてアクリル系重合成形体Aの表面と該表面が触れる面との摩擦が軽減され、アクリル系重合成形体Aが円滑かつ均一に膨張することで、発泡成形体に亀裂が発生することが抑制されると考えられる。
[実施例1]
メタクリル酸メチル61質量%、メタクリル酸24質量%、及びスチレン15質量%からなる単量体混合物の100質量部に対して、化学発泡剤として尿素を5質量部混合し、均一に溶解させて単量体溶液を作製した。さらに、該単量体溶液に、単量体混合物100質量部に対して硫酸ナトリウムを0.54質量部、ギ酸カルシウムを0.14質量部、重合開始剤としてt−ブチルヒドロパーオキサイド(日油社製「パーブチルH−69」)を0.45質量部、重合開始助剤としてN,N−ジメチルアニリンを0.45質量部、及び塩化物イオン添加用物質としてセチルトリメチルアンモニウムクロライド(日油社製「ニッサンカチオンPB−40R」)を0.04質量部加え、撹拌後、残渣を除去することにより重合性溶液を作製した。
該重合性溶液を、目合が0.300mmのストレイナーメッシュ(60メッシュストレイナー)に通した後に、780mm×450mm×25mmの内法を有するポリエチレン製の直方体状の型枠に入れた。重合性溶液を型枠ごと窒素雰囲気下に置き、56.0℃で5時間、49.0℃で20時間、56.0℃で1時間、59.0℃で8時間の条件で加熱することで硬化させた後、型枠から板状のアクリル系重合成形体を取り出した。得られたアクリル系重合成形体は、充分に固化された状態になっていた。
アクリル系重合成形体の表面への滑剤の塗布量は、25gとした。
重合性溶液を目合が0.300mmのストレイナーメッシュ(60メッシュストレイナー)に通した後、1000mm×500mm×25mmの内法を有するポリエチレン製の直方体状の型枠に入れて硬化を行った以外は、実施例1と同様にして板状のアクリル系重合成形体を得た。
その後、比(L/D)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして板状の発泡成形体を得た。
単量体混合物の組成、使用する滑剤の種類、発泡時の比(L/D)を表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして板状の発泡成形体を得た。
単量体混合物の組成、使用する滑剤の種類、発泡時の比(L/D)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして板状の発泡成形体を得た。
アクリル系重合成形体の表面に滑剤を塗布せず、発泡時の比(L/D)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして板状の発泡成形体を得た。
アクリル系重合成形体の表面に滑剤を塗布せず、発泡時の比(L/D)を表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして板状の発泡成形体を得た。
発泡成形体の密度は、発泡成形後に得られる発泡成形体の体積Va(cm3)と、その質量W(g)を測定し、下記式により求めた。
発泡成形体の密度(g/cm3)=W/Va
得られた板状の発泡成形体の4つの側面において、表皮部分を厚み20mm分だけ切削し、全ての側面における切断表面を目視で確認し、最大径が10mm以上の孔の数を亀裂の数として計測した。
なお、表1における略号は以下の意味を示す。
MMA:メタクリル酸メチル。
MA:メタクリル酸。
St:スチレン。
T650:ジメチルシリコーン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「TSM650」)。
KF54:メチルフェニルシリコーン(信越化学工業社製「KF−54」)。
KS61:ジメチルシリコーン(信越化学工業社製「KS−61」)。
また、アクリル系重合成形体の表面に滑剤を存在させた実施例2〜4でも、比(L/D)及び発泡成形体の密度が同等で滑剤を用いなかった比較例2に比べて、発泡成形体の亀裂の発生が抑制されていた。
また、アクリル系重合成形体の表面に滑剤を存在させた実施例7でも、比(L/D)及び発泡成形体の密度が同等で滑剤を用いなかった比較例3に比べて、発泡成形体の亀裂の発生が抑制されていた。実施例1と実施例7を比較すると、比(L/D)が1.3以下の実施例1の方が、比(L/D)が1.3を超える実施例7よりも亀裂の発生が抑制されていた。
また、単量体混合物の組成が異なる実施例5、6においても、滑剤を用いたことで発泡成形体における亀裂の発生が抑制されていた。
Claims (1)
- 化学発泡剤を含有するアクリル系重合成形体を加熱発泡させる発泡成形体の製造方法において、
前記アクリル系重合成形体の表面に滑剤を存在させた状態で加熱する、発泡成形体の製造方法。
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