JP2014190088A - 調湿建材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の調湿建材10は、エンドグレインパネル20からなる基材2の上下面2a,2bの少なくとも一方に、表面化粧層3が、該表面化粧層によって被覆された被覆部11と、エンドグレインパネル20の構成材21の木口面21a,21bが露出した露出部12とが生じるように設けられていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
そこで、壁や天井だけでなく、収納や家具にも調湿建材を用いることが考えられる。しかし、高い吸放湿性能を発揮させるためには、多孔質の基材を用いる必要があり、必然的に低密度の材料、即ち強度の低い材料しか選択肢がない。そのため、重荷がかかる棚板や衝撃が想定される戸板の代替として、従来の調湿建材を利用することは困難である。また、収納に調湿建材を使用する場合は、付加的な施工とならざるを得ず、スペース的にもコスト的にも圧迫する存在になりがちである。
特許文献1や2には、調湿性能を有する基材の表面に透湿性の表面材を接着してなる調湿建材が記載されており、それらの調湿建材においては、表面材の接着のための接着層に透湿性を持たせるために、シリカゲルを添加したり、透湿孔を形成させている。しかし、それらの調湿建材は、表面材の材質を選び、かつ接着剤も特殊な配合を要するため、製造コスト等が高くなる等の問題がある。
また、本発明は、上記の調湿建材の製造方法であって、エンドグレインパネルに、表面化粧層を、前記被覆部より広い範囲に形成した後、該表面化粧層の一部を切削により除去して前記露出部を形成することを特徴とする調湿建材の製造方法を提供するものである。
本発明の調湿建材によれば、意匠性に優れた調湿建材を安価に効率よく製造することができる。
本発明の一実施形態である調湿建材1は、図1及び図2に示すように、エンドグレインパネル20からなる基材2の上下面2a,2bの両方に、表面化粧層3が、該表面化粧層3によって被覆された被覆部11と、エンドグレインパネル20の構成材21の木口面21aが露出した露出部12とが生じるように設けられている。
また、図2に示すように、エンドグレインパネル20からなる基材2の上下面2a,2bの両方に表面化粧層3が設けられている。より詳細には、エンドグレインパネル20からなる基材2の一方の面2aには、図1に示すように、複数本の被覆部11と複数本の露出部12とが、それぞれ調湿建材1の長手方向Xに延びて形成されており、それらの被覆部11及び露出部12は、調湿建材1の幅方向Yに交互に形成されている。また、エンドグレインパネル20からなる基材2の他方の面2bにも、複数本の被覆部11と複数本の露出部12とが、それぞれ調湿建材1の長手方向Xに延びて形成されており、それらの被覆部11及び露出部12も、調湿建材1の幅方向Yに交互に形成されている。
しかし、表面化粧層3は、曲げ強度を向上させ得る板状部材から形成されていることが、比較的強度が弱いエンドグレインパネルの曲げ強度等を向上させ、曲げ強度等に優れた調湿建材を得る観点から好ましい。
板状部材としては、例えば、合板、LVL等の単板積層材、MDF、パーティクルボード等の木質材や木材、ポリオレフィンやポリエステル等の各種の合成樹脂からなる樹脂板、アルミやステンレス、銅等の金属からなる金属板、大理石やセラミックからなる板、これら2種以上の積層材等が挙げられる。板状部材は、木質材や木材の中間や表面に合成樹脂層を設けたものであっても良い。板状部材は、木質材や木材を基材とし、該基材の調湿建材1の表面側の面が、単板や、合成樹脂、紙等からなる化粧シート、塗工層等で化粧されていることが好ましい。
板状部材30は、調湿建材の曲げ強度の向上の観点から、その厚みが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、更に好ましくは0.5〜5.0mm、特に好ましくは1.0〜3.0mmである。
本発明の調湿建材は、エンドグレインパネル20の表面に、このような塗料により直接塗工層が形成されているものであっても良い。エンドグレインパネルは、構成材の木口面が一対の広い面の表面を形成するため、表面が柔らかく傷付き易い場合が多い。塗工層を、被覆部と露出部とが生じる所定の態様で設けておくことにより、物を載せる棚板等として使用しても、表面に傷が付きにくくなる。
板状部材30の基材の表面、又はエンドグレインパネル20の表面に設ける塗工層の厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、更に好ましくは0.1〜2.0mm、特に好ましくは0.2〜2.0mmである。
なお、露出部を形成した板状部材や塗工層は、それ自体で意匠性を有するため、表面化粧材として使用する板状部材や塗工層は、表面に化粧シート等が貼着されているものに限られない。
表面化粧層3に耐水性を持たせるには、例えば、表面化粧層3として、ポリオレフィンやポリエステル等の耐水性の合成樹脂からなる板状部材やそのような耐水性の合成樹脂からなるコート層を表面に有する板状部材を用いたり、表面化粧層3として耐水性塗料を用いたコート層を形成する。表面化粧層3が耐水性であると、調湿建材の表面に液体がしみ込むことによる表面の汚れや、吸水膨潤によりクラックが発生することを防止することができる。
このような効果は、基材2の一方の面のみに表面化粧層3を被覆部11と露出部12とが形成されるように設けてある場合にも奏される。
なお、表面化粧層3が非透湿性の場合、その表面化粧層3は、エンドグレインパネル20の上下面2a,2bの少なくとも何れか一方に、露出部の面積率が10〜90%となるように設けられていることが好ましく、露出部の面積率が20〜60%となるように設けられていることが好ましい。
従って、調湿建材の具体的な用途等に応じて適宜の表面化粧層や接着剤を用いることができ、製造コストを抑制して安価に調湿建材を製造することができる。また、寸法的にも、棚板や家具の構成部材等の具体的な用途を想定した従来の好ましい形状及び寸法と同様の形状及び寸法の調湿建材とすることができ、そのため、従来の建材の製造ライン等を活用して一層安価且つ効率よく製造することができる。
本発明における被覆部11及び露出部12の個々の大きさ、形状、面積比等は、図1に示すようなものに制限されず、意匠性を考慮して適宜に変更可能である。例えば、図4は、被覆部11と露出部12との他の形成態様の例を示す図である。図1に示す実施形態においては、露出部12が、帯状に形成されていたが、図4(a)に示す実施形態においては、露出部12が格子状に形成されており、図4(b)〜図4(d)に示す各実施形態においては、露出部12が散点模様状に形成されている。
本発明によれば、上述した実施形態の調湿建材1や図4に示す各実施形態の調湿建材のように、被覆部11と露出部12との形成態様を工夫することで、意匠性に優れた多様な調湿建材を提供することができる。
基材の上下面の一面側と他面側とで露出部12の位置が異なる形態には、一面側の露出部12と他面側の露出部12とが全く重なる部分を有しない形態と、一面側の露出部12と他面側の露出部12とが重なる部分と重ならない部分を有する形態とが含まれる。後者の場合、一面側の露出部12と他面側の露出部12とが重なる部分の面積が、一面側の露出部12及び他面側の露出部12のそれぞれの面積に対して、好ましくは50%以下であり、より好ましくは30%未満であり、更に好ましくは10%未満である。なお、基材の上下面の一面側と他面側とで露出部12の位置が重なるとは、一方の露出部が、基材又は調湿建材の厚み方向と平行に投影したときに他方の露出部と重なることを意味する。
図2に示す調湿建材1の露出部12においては、エンドグレインパネルの構成材21を構成する木材の切断面又は切削面が、吸放湿性能を低下させるような部材や塗工層に被覆されずに露出している。
また、本発明の調湿建材は、予め帯状に加工したり、開口部を形成した板状部材を、エンドグレインパネルに接合して形成することもできる。この方法によっても、意匠性に優れた調湿建材を効率よく製造することができる。
例えば、露出部12に形成される溝は、図2に示すように、溝の側面と底面とが略直角のものに代えて、一対の側面間の距離が底面に近づくにつれて拡大する逆台形状のものであっても良いし、一対の側面間の距離が底面に近づくにつれて減少する台形状のものであっても良い。逆台形状又は台形状の断面を有する溝の場合、露出部の面積率を算出するための露出部の面積は、当該溝の底面の平面視面積とする。
構成材が比重0.35以下のバルサ材からなるエンドグレインパネルの片面に、ポリエステル樹脂からなる樹脂コート層を表面に有する合板(以下「ポリ合板」という)を、通常の酢酸ビニル樹脂エマルジョン系の接着剤を用いて接合してブロックボードを製造した。なお、エンドグレインパネルは、厚みが12.5mmのものと、厚みが25.0mmのものとを用い、厚みの異なる2種類のブロックボードを製造した。
この2種類のブロックボードのそれぞれにおけるポリ合板からなる面に、パネルソーを用いて10mm幅のスリット(溝)を形成して複数本の露出部を形成した。スリット(溝)の深さは、ポリ合板の厚みに一致させた。そして、吸放湿性能を評価するため、スリットを設けた1面以外の5面については透湿性のないアルミテープ又はアルミシートで被覆して、吸放湿試験に供する建材の試験体を得た。試験体は、形成する露出部の本数を異ならせて、露出部の面積率が異なる複数種類を製造した。露出部の面積率(以下「現し率」ともいう)は、エンドグレインパネルの上面又は下面の全面積に対する、その面に形成された露出部の面積の割合(百分率)である。
得られた試験体について、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会が定める「調湿建材登録・表示制度」に関する調湿建材判定基準(平成24年4月1日改定)の方法及び判定基準に従い、調湿建材として認定されるための吸放湿量の基準を満たすか否かを評価した。
上記の調湿建材判定基準に定められる吸放湿量の基準は、JIS A1470−1に準拠した中湿域(相対湿度範囲50%−75%)の吸湿量、放湿量が、それぞれの時間において表1の規定に適合することである。なお、中湿域(相対湿度範囲50%−75%)の吸湿量、放湿量の測定は、23℃75%RHの吸湿過程を12時間、23℃50%RHの放湿過程12時間の計24時間を1サイクルとし、それを4サイクル繰り返して、吸湿量の変化を測定して行った。
図5に示す結果を見ると、エンドグレインパネルの厚みが12.5mmの試験体は、現し率を40%又は56%とすることにより、表1に示す基準を満たすことが判る。また、図6に示す結果を見ると、エンドグレインパネルの厚みが25mmの試験体は、現し率を40%とすることにより、表1に示す基準を満たすことが判る。
従って、吸湿過程3,6及び12時間後の吸湿量が何れも表1に示す条件を満たすことになる現し率を求めることによって、表1に示す基準を満たす調湿建材とするために必要な現し率を求めることもできる。
但し、図5及び図6に示す結果は、片面のみに露出部を形成した試験体についての結果であり、両面に露出部を形成した場合には、より小さい現し率で、調湿建材としての登録を受けることができる可能性もある。
このように、本発明の調湿建材によれば、エンドグレインパネルの厚みと現し率とを適宜に調節することで、調湿建材登録・表示制度において調湿建材として認定され得る高い調湿性能を有する調湿建材とすることも可能である。
2 基材
2a,2b 基材の上下面
20 エンドグレインパネル
21 構成材
21a,21b 構成材の木口面
3 表面化粧層
11 被覆部
12 露出部
30 板状部材
Claims (9)
- エンドグレインパネルからなる基材の上下面の少なくとも一方に、表面化粧層が、該表面化粧層によって被覆された被覆部と、該エンドグレインパネルの構成材の木口面が露出した露出部とが生じるように設けられていることを特徴とする調湿建材。
- 前記エンドグレインパネルの構成材の比重が0.35以下であることを特徴とする請求項1記載の調湿建材。
- 前記表面化粧層が、曲げ強度を向上させ得る板状部材から形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の調湿建材。
- 前記調湿建材は、一方向に長い形状を有しており、該調湿建材の長手方向の全長に亘って延在する被覆部を備えていることを特徴とする請求項3記載の調湿建材。
- 前記表面化粧層が、耐水性を有していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の調湿建材。
- 前記露出部が、帯状若しくは格子状に形成されているか、又は模様状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の調湿建材。
- 前記表面化粧層が、前記基材の上下面のそれぞれに、前記被覆部と前記露出部とが生じるように設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の調湿建材。
- 前記基材の一面側と他面側とで、前記露出部の位置が異なっていることを特徴とする請求項7記載の調湿建材。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載の調湿建材の製造方法であって、
エンドグレインパネルに、表面化粧層を、前記被覆部より広い範囲に形成した後、該表面化粧層の一部を切削により除去して前記露出部を形成することを特徴とする、調湿建材の製造方法。
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