JP2014196261A - フッ素原子含有ジスルフィド化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、含窒素複素環(チアジアゾール環など)を含むジスルフィド化合物は、金、銀、銅などの金属の単体またはイオンと化学結合や吸着をしやすい性質を有することから、ハロゲン化銀写真感光材料用添加剤として有用である旨が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、ジスルフィド化合物は、フッ素含有ポリマー(フッ素系樹脂)やフッ素含有溶剤との親和性が低く、材料からの泣き出し(ブリードアウト)の発生や、低い溶解性のために塗布液が作製できないなどの問題があり、その改善が求められていた。
すなわち、上記課題は下記の手段により解決される。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明の分子内に特定の含フッ素基を有するジスルフィド化合物により、フッ素含有ポリマーやフッ素含有溶剤との親和性が向上する理由について詳細は不明であるが、以下のような機構を推定している。本発明のジスルフィド化合物は、アゾール(チアジアゾール)環に連結基を介して含フッ素基(パーフルオロアルキレン基、パーフルオロエーテル基)を含むことを特徴とする。このような特徴を有することから、本化合物はフッ素含有ポリマーやフッ素含有溶剤中においては含フッ素基が表面側を向き、内部にアゾール環が集まったミセル様の構造を形成しやすいため、フッ素含有ポリマーやフッ素含有溶剤との親和性が向上するという予想外の効果を有していると考えられる。
以下、式(1)で表される化合物(フッ素原子含有ジスルフィド化合物)について詳述する。
R1およびR2がアルキル基を表すとき、好ましくは炭素数1〜30、さらに好ましくは炭素数1〜15、特に好ましくは炭素数1〜6であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、アミノエチル、N,N−ジメチルアミノメチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−エチルヘキシルなどが好ましく挙げられる。
(CR1R2)nで表される構造として、好ましくは−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、であり、さらに好ましくは−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、であり、特に好ましくは−CH2CH2−である。
R3およびR4で表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔(直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1.2.2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。〕、
Yが単結合または−CO−のとき、nは0を表し、mは0〜6の整数を表す。なかでも、mは0〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
Yが−COO−のとき、nは1または2を表し、好ましくは2を表す。mは1〜6の整数を表し、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
パーフルオロアルキレン基の炭素数は1〜20であるが、フッ素含有ポリマーやフッ素含有溶剤との親和性がより優れる点で、2〜15が好ましく、3〜12がより好ましい。パーフルオロアルキレン基の具体例としては、例えば、−C4F8−、−C5F10−、−C6F12−、−C7F14−、−C8F16−、−C9F18−、−C10F20−、−C12F24−などが挙げられる。
パーフルオロエーテル基とは、上記パーフルオロアルキレン基中の1箇所以上の炭素−炭素原子間、またはパーフルオロアルキレン基の結合末端にエーテル性酸素原子(−O−)が挿入された基を意味する。パーフルオロエーテル基の炭素数は1〜20であるが、フッ素含有ポリマーやフッ素含有溶剤との親和性がより優れる点で、2〜15が好ましく、3〜12がより好ましい。パーフルオロエーテル基の具体例としては、−(CgF2gO)h−(式中、gはそれぞれ独立に1〜20の整数であり、hは1以上の整数であり、g×h≦20以下の関係を満たす。)で表されるパーフルオロエーテル基が挙げられる。
式(1)で表される化合物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を組み合わせて製造することができる。
例えば、式(1)で表される化合物は、下記スキーム1またはスキーム2に示す工程により製造することができるが、これらに限定されるものではない。
以下、それぞれのスキームの手順について詳述する。
化合物Aと化合物Bとの反応は、必要に応じて塩基の存在下で実施してもよい。反応に用いる塩基は既知の任意の化合物を用いることができるが、例えば、有機塩基(例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ビリジン、モルホリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなど)、無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなど)から、選択することが好ましい。
なお、必要に応じて、溶媒の存在下で上記反応を行ってもよい。使用される溶媒の種類は特に制限されず、水や、有機溶媒が挙げられる。
化合物Aと化合物Bとの反応条件は特に制限されないが、生産性および収率のバランスから、0〜150℃(好ましくは、20〜100℃)で1〜48時間(好ましくは、2〜24時間)加熱処理を実施することが好ましい。
使用できる酸化剤の種類は特に制限されないが、過酸化物(有機過酸化物、無機過酸化物)を使用することが好ましく、例えば、過酸化水素、tert−ブチルハイドロペルオキシド、メタクロロ過安息香酸、過酢酸などが挙げられる。
また、必要に応じて、触媒としてヨウ化物イオンの存在下で上記反応を実施することが好ましい。触媒となるヨウ化物イオンを与えるヨウ素含有化合物としては、ヨウ素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどの金属塩;ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩などが挙げられる。なかでも、汎用性およびジスルフィド化合物が高収率で得られる点から、ヨウ化ナトリウムが好ましい。
上述した化合物C同士の反応条件は特に制限されないが、生産性および収率のバランスから−20℃〜100℃(好ましくは、0〜60℃)で0.5〜48時間(好ましくは、1〜24時間)加熱処理を実施することが好ましい。
上記反応終了後、必要に応じて、未反応原料、副生成物、その他の不純物との分離精製を行うことにより、式(1)で表される化合物を得る。分離精製は常法により行えばよく、例えば、有機溶媒を用いた抽出操作、再結晶、貧溶媒を用いた晶析、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーなどが挙げられる。
化合物Aと化合物Dとの反応は、必要に応じて、溶媒の存在下で行ってもよい。使用される溶媒の種類は特に制限されず、水や、有機溶媒が挙げられる。
また、必要に応じて、スキーム1で説明した塩基の存在下で上記反応を行ってもよい。
また、必要に応じて、反応終了後、スキーム1で説明した各種分離精製を実施してもよい。
なお、化合物Aと化合物Dとの反応条件は特に制限されないが、生産性および収率のバランスから、0〜150℃(好ましくは、20〜100℃)で1〜48時間(好ましくは、2〜24時間)加熱処理を実施することが好ましい。
また、式(1)で表される化合物は、フッ素含有ポリマー(フッ素系樹脂)やフッ素含有溶剤との優れた親和性を有する。フッ素含有ポリマーとしては、公知のフッ素原子を含むポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)の環化重合体(サイトップ(登録商標)))が挙げられる。また、フッ素含有ポリマーは、フッ素含有エチレン性モノマーを重合させて得られるポリマーであってもよい。フッ素含有エチレン性モノマーとしては、例えば、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、三フッ化塩化ビニル、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ素含有(メタ)アクリル系単量体(例えば、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、パーフロロオクチルエチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレート)などが挙げられる。
フッ素含有溶剤としては、公知のフッ素原子を含む溶剤が挙げられる。フッ素含有溶剤としては、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶媒、フッ素変性芳香族炭化水素系溶媒、フッ素変性エーテル系溶媒、フッ素変性アルキルアミン系溶媒などが挙げられる。具体的には、例えば、ペルフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリペンチルアミン等のポリフルオロトリアルキルアミン化合物(フッ素変性アルキルアミン系溶媒);ペルフルオロデカリン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロ(1,3,5−トリメチルシクロヘキサン)、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、ペルフルオロドデカン、ペルフルオロ(2,7−ジメチルオクタン)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,1−トリクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,3,4−テトラクロロ−1,2,2,3,4,4−ヘキサフルオロブタン、ペルフルオロ(1,2−ジメチルヘキサン)、ペルフルオロ(1,3−ジメチルヘキサン)、2H,3H−ペルフルオロペンタン、1H−ペルフルオロヘキサン、1H−ペルフルオロオクタン、1H−ペルフルオロデカン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタン、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデカン、3H,4H−ペルフルオロ−2−メチルペンタン、2H,3H−ペルフルオロ−2−メチルペンタン、1H−1,1−ジクロロペルフルオロプロパン、1H−1,3−ジクロロペルフルオロプロパン、ペルフルオロヘプタン等のフッ素変性脂肪族炭化水素系溶媒;m−キシレントリフロライド、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶媒;メチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等のフッ素変性エーテル系溶媒、などが例示できる。
下記スキームに従って、化合物1−1Aを合成した。
得られた本発明の化合物1−1のNMRスペクトルは以下の通りであった。
1H−NMR(溶媒:重クロロホルム、基準:テトラメチルシラン):4.43(2H,t)、3.60(2H,t)、2.95(2H,t)、2.49(2H,m)
1H−NMRのデータにおいて、各プロトンのピークが特徴的な位置に観察されることから、本発明の化合物1−1の化合物であると同定した。
(試験方法)
パーフルオロトリブチルアミン/1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール/Cytop CTL−809M(旭硝子製)=85/10/5の混合溶液に、本発明の式(1)で表される化合物(化合物1−1〜1−6)、または、下記の比較用化合物C−1〜C−3をCytop CTL−809Mに対して0.1質量%、0.25質量%、0.5質量%、1.0質量%になるようにそれぞれ添加した後、混合溶液をガラス基板上に膜厚が2μmになるようにそれぞれ塗布した後、乾燥した。
光学顕微鏡にて、得られたそれぞれの塗膜の表面形状を観察し、溶け残りや泣き出し(ブリードアウト)の有無を確認し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0質量%にてとけ残りや泣き出しは生じなかった。
B:0.5質量%まで相溶したが、1.0質量%にてとけ残りまたは泣き出しが生じた。
C:0.25質量%まで相溶したが、0.5質量%にとけ残りまたは泣き出しが生じた。
D:0.1質量%まで相溶したが、0.25質量%にてとけ残りまたは泣き出しが生じた。
E:0.1質量%でとけ残りは生じなかったが、泣き出しが生じた。
F:0.1質量%で相溶せず、とけ残りが生じた。
これに対し、本発明の式(1)の化合物は樹脂に優れた相溶性を示し、フッ素系材料との親和性が高いことが分かる。なかでも、炭素数が5以上のパーフルオロアルキレン基を含み、pが3でlが0で、R3およびR4が水素原子である化合物1−1〜1−3においては、フッ素系材料との親和性がより高いことが確認された。
Claims (1)
- 下記式(1)で表される化合物。
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Yは、単結合、−CO−、または−COO−を表す。Rfは、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐のパーフルオロアルキレン基、または、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐のパーフルオロエーテル基を表す。Yが単結合または−CO−のとき、nは0を表し、mは0〜6の整数を表す。Yが−COO−のとき、nは1または2を表し、mは1から6の整数を表す。pは2〜3の整数を表し、lは0〜1の整数を表し、p+l=3の関係を満たす。)
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