JP2014208751A - エポキシ樹脂組成物、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも保存安定性に優れ、ボイドおよびクラックの発生を大幅に低減することができる研磨性および耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)イミダゾール化合物と、(C)ホウ酸エステル化合物と、(D)無機フィラーと、を含有してなる。前記(B)イミダゾール化合物は、非潜在型であることが好ましく、前記(B)イミダゾール化合物の配合量は、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも称する)、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板に関し、詳しくは、従来よりも保存安定性に優れ、ボイドおよびクラックの発生を大幅に低減することができる研磨性および耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板に関する。
近年、プリント配線板のパターンの細線化と実装面積の縮小化が進んでおり、また、プリント配線板を備える機器の小型化・高機能化に対応すべく、プリント配線板のさらなる軽薄短小化が望まれている。そのため、プリント配線板は、コア基板の上下に樹脂絶縁層を形成し、必要な導体回路を形成してからさらに樹脂絶縁層を形成し、導体回路を形成していく方式のビルドアップ工法へ、また実装部品はBGA(ボール・グリッド・アレイ)、LGA(ランド・グリッド・アレイ)等のエリアアレイ型への進化が進んでいる。このような状況下において、スルーホールやバイアホール等の穴部に充填するための充填性、研磨性、硬化物特性等に優れた永久穴埋め用組成物の開発が望まれている。
一般に、プリント配線板の永久穴埋め用組成物としては、その硬化物が機械的、電気的、化学的性質に優れ、接着性も良好であることから、熱硬化型のエポキシ樹脂組成物が広く用いられている。このような樹脂組成物を用いるプリント配線板の永久穴埋め加工は、一般に、エポキシ樹脂組成物をプリント配線板の穴部に充填する工程と、充填された組成物を加熱して研磨可能な状態に予備硬化する工程と、予備硬化した樹脂組成物の穴部表面からはみ出している部分を研磨・除去する工程と、および予備硬化した樹脂組成物をさらに加熱して本硬化する工程と、からなる。
このプリント配線板の永久穴埋め加工では、樹脂組成物をスルーホールやバイアホール等の穴部に充填する際に、空気の巻き込み等によりどうしてもボイドが発生してしまう。このボイドは、予備硬化や本硬化を行なっても完全に除去することは困難であり、なくすことはできなかった。このような現象は、穴部の深さが深い程(スルーホールの場合はコア基板の厚さが厚くなる程)、また、樹脂組成物の粘度が高い程顕著である。また、プリント配線板の永久穴埋め加工では、予備硬化時にクラックが発生するという問題があった。
さらに、従来、プリント配線板の穴埋め加工に用いられるエポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂組成物の硬化剤としてイミダゾール化合物が広く用いられてきた。硬化剤としてイミダゾール化合物を用いた場合、低温で短時間で樹脂組成物を硬化させることができるという利点がある反面、樹脂組成物の保存安定性が悪く、長期間保存することができないという問題を有していた。エポキシ樹脂組成物の保存安定性の改良に関する技術としては、例えば、特許文献1では、エポキシ樹脂組成物の硬化剤として潜在性硬化剤であるマイクロカプセル化されたアミン系硬化剤を用いることが提案されている。
特開2004−115729号公報
潜在性硬化剤は、エポキシ樹脂との硬化反応が進行しにくいため、エポキシ樹脂組成物の保存安定性に優れている。しかしながら、硬化剤としての効果を得るためには、エポキシ樹脂に対する配合量を多くしなければならない。潜在性硬化剤の配合量が多くなるとエポキシ樹脂組成物の粘度は上昇してしまい、プリント配線板の穴埋め加工時に、空気の巻き込み等によりボイドが発生してしまう。このように、エポキシ樹脂組成物の保存安定性と、ボイドやクラックの発生とを同時に改善することは困難であった。また得られる硬化物の耐熱性も十分ではなかった。
そこで、本発明の目的は、従来よりも保存安定性に優れ、ボイドおよびクラックの発生を大幅に低減することができる研磨性および耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、イミダゾール化合物を硬化剤として含有するエポキシ樹脂組成物であっても、ホウ酸エステル化合物を添加することで、また、穴埋め充填用組成物にホウ酸エステル化合物を混合させることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)イミダゾール化合物と、(C)ホウ酸エステル化合物と、(D)無機フィラーと、を含有してなることを特徴とするものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、前記(B)イミダゾール化合物が、非潜在型であることが好ましく、また、前記(B)イミダゾール化合物の配合量が、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、初期のゲルタイムと、製造から20日間30℃の条件で保存した後のゲルタイムと、の差が10%以内であることが好ましい。本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のとおり優れた特性を有するため、プリント配線板の凹部や貫通孔の充填用に好適である。
また、本発明の穴埋め充填用組成物は、ホウ酸エステル化合物を含有してなることを特徴とするものである。
さらに、本発明のプリント配線板は、上記本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられてなること、または上記本発明の穴埋め充填用組成物が用いられてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来よりも保存安定性に優れ、ボイドおよびクラックの発生を大幅に低減することができる研磨性および耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物、穴埋め充填用組成物およびこれらを用いたプリント配線板を提供することができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物および穴埋め充填用組成物は、ホウ酸エステル化合物を含むことにより、保存安定性に優れながら、低温、短時間で硬化できる。さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物および穴埋め充填用組成物は、保存安定性に優れるため、全ての成分をまとめて保存できるという一液性に優れる。
本発明のプリント配線板の製造工程の一部の一例を示す概略断面図である。 図1に示す本発明のプリント配線板の製造工程の後の工程の一例を示す概略断面図である。 本発明のプリント配線板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)イミダゾール化合物と、(C)ホウ酸エステル化合物と、(D)無機フィラーと、を含有してなる。エポキシ樹脂組成物に(C)ホウ酸エステル化合物を添加することで、(C)ホウ酸エステル化合物が(B)イミダゾール化合物の活性基であるアミノ基に配位結合し、樹脂組成物の硬化反応を抑制するため、樹脂組成物の長期保存が可能になると考えられる。
また、エポキシ樹脂組成物に(C)ホウ酸エステル化合物を添加することで、樹脂組成物の硬化時間に影響しない程度にゲルタイムを遅らせることができる。その結果、樹脂組成物の硬化時に低粘度の状態を長く維持することが可能となるため、プリント配線板の穴埋め加工時に、樹脂組成物中の気泡が抜けやすくなり、ボイドやクラックの発生を抑制することができる。
さらに、従来は、樹脂組成物中の空気を十分に除去するために、低温での予備硬化が行われていた。しかしながら、本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂組成物と比較してゲルタイムが長いため、予備硬化を行わなくても樹脂組成物中から空気を除去することができる。そのため、予備硬化工程を省略することができる。以下、本発明のエポキシ樹脂組成物の各成分について、詳細に説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、公知のエポキシ樹脂を使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アミノクレゾール型エポキシ樹脂、アルキルフェノール型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物をプリント配線板の穴埋め材として用いる場合、無溶剤であることが好ましいため、液状エポキシ樹脂が好適である。このような観点から、本発明の樹脂組成物においては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、アミノフェノール型、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂を好適に用いることができる。なお、本発明の樹脂組成物においては、これらエポキシ樹脂を単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。また、液状エポキシ樹脂ではなく固形のエポキシ樹脂を用いる場合は、溶剤を用いて固形のエポキシ樹脂に後述するイミダゾール化合物、ホウ酸エステル化合物および無機フィラーを分散させればよい。
(A)エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂として、三菱化学(株)製の828、新日鉄住金化学(株)製のYD127、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂として、三菱化学(株)製の807、新日鉄住金化学(株)製のYD170、アミノフェノール型液状エポキシ樹脂(パラアミノフェノール型液状エポキシ樹脂)として、三菱化学(株)製のjER−630、住友化学(株)製のELM−100等を挙げることができる。
<(B)イミダゾール化合物>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、公知のイミダゾール化合物を使用することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物においては、イミダゾール化合物は、非潜在型であることが好ましい。ここで、潜在型のイミダゾール化合物とは、例えば、エポキシ樹脂とイミダゾールの反応物等を言う。本発明の(B)イミダゾール化合物は、例えば、2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール等を挙げることができる。
特に、本発明の樹脂組成物においては、上記イミダゾール化合物の中でもマイクロカプセル化されていないイミダゾール化合物が好ましい。マイクロカプセル化されていないイミダゾール化合物であれば、樹脂組成物に対する添加量が少量で済み、樹脂組成物の粘度の上昇によるボイドの発生を防止することができるからである。なお、本発明の樹脂組成物においては、イミダゾール化合物は単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
(B)イミダゾール化合物の市販品としては、例えば、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ等のイミダゾール類や、2MZ−A、2E4MZ−A等のイミダゾールのAZINE(アジン)化合物、2MZ−OK、2PZ−OK等のイミダゾールのイソシアヌル酸塩、2PHZ、2P4MHZ等のイミダゾールヒドロキシメチル体(これらはいずれも四国化成工業(株)製)等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物においては、(B)イミダゾール化合物の添加量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。(B)イミダゾール化合物の添加量を1質量部以上とすれば、樹脂組成物の硬化速度を速くすることができ、穴部深部の組成物の硬化が十分となる結果、クラックが生じにくくなるので好ましい。一方、20質量部以下とすれば、保存安定性が良くなる他、樹脂組成物の予備硬化速度が遅くなり、硬化物にボイドが残留しにくくなるので好ましい。より好適には5〜15質量部である。
<(C)ホウ酸エステル化合物>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、公知のホウ酸エステル化合物を用いることができる。例えば、揮発性の低いホウ酸トリフェニルや環状ホウ酸エステル等を挙げることができる。好ましくは環状ホウ酸エステル化合物である。環状ホウ酸エステル化合物とは、ホウ素が環式構造に含まれているものであり、特に、2,2’−オキシビス(5,5’−ジメチル−1,3,2−オキサボリナン)が好ましい。ホウ酸エステル化合物としては、ホウ酸トリフェニルや環状ホウ酸エステル化合物以外には、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等が挙げられるが、これらのホウ酸エステル化合物は揮発性が高いため、特に高温時における組成物の保存安定性に対しては、その効果が十分ではない場合もある。なお、本発明の樹脂組成物においては、これらホウ酸エステル化合物は、単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
(C)ホウ酸エステル化合物の市販品としては、例えば、ハイボロンBC1、ハイボロンBC2、ハイボロンBC3、ハイボロンBCN(これらはいずれも(株)ボロンインターナショナル製)、キュアダクトL−07N(四国化成工業(株)製)等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物においては、(C)ホウ酸エステル化合物の添加量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.01〜3質量部であることがより好ましい。(C)ホウ酸エステル化合物の添加量が5質量部以下であれば、(A)エポキシ樹脂と(B)イミダゾール化合物の硬化反応を阻害しにくくなるからである。一方、0.01質量部以上であれば、十分に長期の保存安定性が得られる。より好適には0.05〜1質量部である。
<(D)無機フィラー>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、通常の樹脂組成物に用いられる公知の無機フィラーを用いることができる。具体的には、例えば、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、タルク、ノイブルグ珪土、有機ベントナイト等の非金属フィラーや、銅、金、銀、パラジウム、シリコン等の金属フィラーを挙げることができる。本発明の樹脂組成物においては、これら無機フィラーは単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。
これらのうち、低吸湿性、低体積膨張性に優れるシリカや、炭酸カルシウムが好適である。シリカはとしては、非晶質、結晶のいずれであってもよく、これらの混合物でもよい。特に非晶質(溶融)シリカが好ましい。また、炭酸カルシウムとしては、天然の重質炭酸カルシウム、合成の沈降炭酸カルシウムのいずれであってもよい。本発明の樹脂組成物を、プリント配線板の穴埋め材として用いる場合は、研磨性に優れる炭酸カルシウムが好適である。
このような無機フィラーの形状は、球状、針状、板状、鱗片状、中空状、不定形状、六角状、キュービック状、薄片状等が挙げられるが、無機フィラーの高充填の観点から球状が好ましい。
また、これら無機フィラーの平均粒径は、0.1〜25μmが好ましい。平均粒径が0.1μm以上であれば、比表面積が小さくフィラー同士の凝集作用の効果により良好に分散し、またフィラーの充填量を増やすことが容易である。一方、25μm以下であれば、本発明の樹脂組成物をプリント配線板の穴埋め材として用いた時、プリント配線板の穴部への充填性が良くなり、さらに、穴埋めした部分に導体層を形成したときに平滑性が良くなるという効果がある。より好ましくは、1〜10μmである。ここで、平均粒径とは、平均一次粒径を意味する。平均粒径(D50)は、レーザー回折/散乱法により測定することができる。
本発明の樹脂組成物においては、(D)無機フィラーは全組成物中の40〜90質量%で含まれるのが好ましい。(D)無機フィラーの添加量が40質量%以上であれば、得られる硬化物が充分な低膨張性を示し、研磨性や密着性を発揮する。一方、95質量%以下であれば、液状ペースト化が容易に生じやすく、印刷性、穴埋め充填性等が得られる。より好適には50〜75質量%である。
<その他>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)イミダゾール化合物と、(C)ホウ酸エステル化合物と、(D)無機フィラーと、を含有してなるものであるが、必要に応じて他の既知の添加剤を加えてもよい。例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知慣用の着色剤、保管時の保存安定性を付与するためにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知慣用の熱重合禁止剤、クレー、カオリン、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤もしくはチキソトロピー剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような公知慣用の添加剤類を添加することができる。特に、有機ベントナイトを用いた場合、穴部表面からはみ出した部分が研磨・除去し易い突出した状態に形成され易く、研磨性に優れたものとなるので好ましい。
本発明の樹脂組成物をプリント配線板の穴埋め材として用いる場合、エポキシ樹脂は液状のものが好適であるが、上述のとおり、固形状のエポキシ樹脂を溶剤に溶かして用いてもよい。この場合、溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤等を用いることができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。これら溶剤は、単独で用いてもよく、または2種以上を併用してもよい。なお、溶剤の配合量は、本発明の所期の効果が得られる範囲で、作業性等に基づいて適宜決定すればよい。
本発明のエポキシ系樹脂組成物においては、従来よりも保存安定性およびボイドおよびクラックの発生を改善するためには、好適には、初期のゲルタイムと、製造から20日間30℃の条件で保存した後のゲルタイムと、の差が10%以内であり、かかる特性が得られるように、エポキシ樹脂組成物の各成分の添加量を、上記範囲内で適宜決定すればよい。本発明の樹脂組成物においては、ゲルタイムの差は、より好適には、5%以内である。かかる要件を満足するエポキシ樹脂組成物は、ゲルタイムの差が少ないため、保存安定性に優れる。また、ゲルタイムを従来の組成物よりも長くできるため、クラックとボイドの発生を抑制できる。なお、本発明のエポキシ系樹脂組成物は、ゲルタイムは長いが、加熱すれば十分に硬化できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来より採用されている方法、例えばスクリーン印刷法、ロールコーティング法、ダイコーティング法等を利用してプリント配線板のバイアホールやスルーホール等の穴部に容易に充填することができる。次いで、例えば、約120〜180℃で約30〜90分程度加熱して樹脂組成物を硬化させる。このようにして硬化された樹脂組成物の基板表面からはみ出している不要部分は、物理研磨により容易に除去でき、平坦面とすることができる。なお、物理研磨は、従来より行われてきた、公知の手法にて行うことができる。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、プリント配線板の永久穴埋め用組成物としてのみでなく、上記のような優れた特性を活かして、ソルダーレジストや層間絶縁材やカバーレイ、ソルダーダム、ICパッケージの封止材等、他の用途にも好適に用いることができる。
次に、本発明の穴埋め充填用組成物について説明する。
本発明の穴埋め充填用組成物は、ホウ酸エステル化合物を含有するものである。穴埋め充填用組成物にホウ酸エステルを混合することで、従来よりも保存安定性に優れ、ボイドおよびクラックの発生を大幅に低減することができる研磨性および耐熱性に優れた穴埋め充填用組成物とすることができる。本発明においては、プリント配線基板等の穴埋め用に用いられている充填剤組成物にホウ酸エステルを混合することが重要であり、プリント配線基板等の穴埋め用に用いられている充填剤組成物としては既知のものを用いることができる。
次に、本発明のプリント配線板について説明する。
本発明のプリント配線板は、上記本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられてなるもの、好適には、プリント配線板のスルーホールやビアホールといった貫通穴等の穴部の穴埋め材として用いられたものである。以下、本発明のプリント配線板の製造方法について、図1〜3を参照しつつ、詳細に説明する。
<スルーホールの形成>
図1は、本発明のプリント配線板の製造工程の一部の一例を示す概略断面図である。まず、図1(a)に示すように銅箔2をラミネートした基板1にドリル等で貫通孔をあけ、貫通孔の壁面および銅箔表面に無電解めっきを施してスルーホール3を形成する。基板1としては、ガラスエポキシ基板やポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板、フッ素樹脂基板等の樹脂基板、またはこれらの樹脂基板の銅張積層板、セラミック基板、金属基板等を用いることができる。フッ素樹脂基板のようにめっきのつきまわりが悪い基板の場合は、有機金属ナトリウムからなる前処理剤、プラズマ処理等の表面改質を行なう。次に、厚付けのために電解めっきを行ない、図1(b)に示すように基板1の表面およびスルーホール3内壁にめっき膜4aを形成する。この電解めっきとしては銅めっきが好ましい。
<穴埋め>
基板1に形成したスルーホール3内に、図1(c)に示すように、本発明の樹脂組成物5を充填する。具体的には、スルーホール3部分に開口を設けたマスクを基板1上に載置し、印刷法等による塗布や、ドット印刷法等により、スルーホール3内に容易に充填できる。次に、樹脂組成物5を約120〜180℃で約30〜90分程度加熱して硬化させた後、図1(d)に示すように、スルーホール3からはみ出した樹脂組成物5の不要部分を研磨により除去して平坦化する。研磨は、ベルトサンダーやバフ研磨等により行なうことができる。
<導体回路層の形成>
スルーホール3の穴埋めを行なった基板1の表面に、図1(e)に示すようにめっき膜4bを形成する。その後、図1(f)に示すようにエッチングレジスト6を形成し、レジスト非形成部分をエッチングする。次いで、エッチングレジスト6を剥離することにより、図1(g)に示すように、導体回路層7aを形成する。
<層間樹脂絶縁層の形成>
図2は、図1に示す本発明のプリント配線板の製造工程の後の工程の一例を示す概略断面図である。導体回路層7a上に、層間樹脂絶縁層8aを形成する。層間樹脂絶縁層8aとしては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂の複合体や混合物、ガラスクロス含浸樹脂複合体、無電解めっき用接着剤を用いることができる。
<バイアホールの形成>
次に、図2(a)に示されるように層間樹脂絶縁層8aに開口9aを設ける。この開口9aの穿孔は、層間樹脂絶縁層8aが感光性樹脂からなる場合は、露光、現像処理にて行ない、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなる場合は、レーザ光にて行なう。レーザ光にて開口9aを設けた場合は、デスミア処理を行なってもよい。
次に、図2(b)に示すように、全面にめっき膜4cを形成する。そして、図2(c)に示すように、めっき膜4c上にめっきレジスト層10を形成する。めっきレジスト層10は、好適には感光性ドライフィルムをラミネートして露光、現像処理して形成される。さらに、電解めっきを行ない、導体回路部分を厚付けし、図2(c)に示すように電解めっき膜4dを形成する。
次いで、めっきレジスト層10を剥離した後、そのめっきレジスト層10下の無電解めっき膜4cをエッチングにて溶解除去し、図2(d)に示すように、独立した導体回路(バイアホール11aを含む)を形成する。
図3は、本発明のプリント配線板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。図1(d)に示すようなコア基板作製工程まで終えた後、コア基板1の両面の導体層に対し所定パターン通りにエッチングを施すと、図3(a)に示すように、基板1の両面に所定パターンを有する第1の導体回路層7bが形成されると共に、スルーホール3に接続する導体回路層7bの一部にはランド12が同時に形成される。
次いで、基板1の上下両面の上に、図3(b)に示すように、層間樹脂絶縁層8bを形成する。さらに、ランド12の真上に位置する樹脂絶縁層8bに対し、図3(c)に示すように、バイアホール11bを形成する。次いで、バイアホール11b内と層間樹脂絶縁8b層の上に銅めっきによるめっき層を形成し、これらの上にエッチングレジストを形成した後で、エッチングを施す。これにより、図3(c)に示すように、層間樹脂絶縁層8bの上に第2の導体回路層7cが形成される。第1、第2の各導体回路層7b、7cはバイアホール11bを介して互いに導通すると共に、基板両面の導体回路層7bもスルーホール3を介して互いに導通する。
そして、図3(c)に示すように、各樹脂絶縁層8bと第2の導体回路層7cの上にソルダーレジスト層13を形成し、上方のソルダーレジスト層13には、これを貫通しかつ導体回路層の表面から立設するはんだバンプ14を形成する。また、下方のソルダーレジスト層13の間に形成した開口9bから露出する導体回路層7cには、その表面にAuおよびNiメッキを施して、接続端子として用いる多層の配線基板を得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
下記表1〜3に示す配合(質量部)で、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られた各樹脂組成物につき、初期および30℃で20日間保管した後の粘度およびゲルタイムを下記の手順で測定した。その後、あらかじめパネルめっきによりスルーホールを形成したガラスエポキシ基板(板厚1.6mm、スルーホール径0.3mm)に、初期および30℃で20日間保存した各樹脂組成物をスクリーン印刷法でスルーホール内に充填した。これを熱風循環式乾燥炉に入れ、150℃で30分間保持して評価サンプルを作製した。得られた各評価サンプルにつき、クラック、ボイドの残留、研磨性、はんだ耐熱性について以下の方法で評価した。得られた結果を表4〜6に示す。
<粘度>
各樹脂組成物を0.2mL採取し、コーンプレート型粘度計(TV−30:東機産業(株)製)を用いて、25℃、回転数5rpmの30秒値を粘度とした。
<ゲルタイム>
JIS C 2105の熱板法に準拠してゲル試験機により測定した。測定温度150℃に保持した試料0.5mL中で回転棒を回転させた時のトルクが、最大トルクの30%に達するまでの時間をゲルタイムとした。ゲルタイムの差は以下の式にて算出した。
ゲルタイムの差(%)={(初期のゲルタイム−30℃20日後のゲルタイム)/初期のゲルタイム}×100
<ボイド>
各評価サンプルをスルーホール部で切断し、断面を光学顕微鏡にて観察して、100個のスルーホールにおけるボイドの発生数を数えた。評価基準は以下のとおりである。
〇・・・0個
△・・・1〜5個
×・・・6個以上
<クラック>
各評価サンプルをスルーホール部で切断し、断面を光学顕微鏡にて観察して、100個のスルーホールにおけるクラックの発生数を数えた。評価基準は以下のとおりである。
〇・・・0個
△・・・1〜5個
×・・・6個以上
<研磨性>
各評価サンプルを研磨機で#320相当の樹脂研磨用バフ1軸により物理研磨を行った。その際に完全に樹脂が除去されるまでのパス回数を比較した。
<はんだ耐熱性>
各評価サンプルを研磨機で#320相当の樹脂研磨用バフ1軸により物理研磨を行った。その後288℃のはんだ液中に10秒間、3回浸漬した後、室温まで放冷した。次いでスルーホール部で切断し、断面を光学顕微鏡にて観察して、100個のスルーホールにおけるクラックの発生数を数えた。評価基準は以下のとおりである。
〇・・・0個
△・・・1〜5個
×・・・6個以上
Figure 2014208751
※1:新日鉄住金化学(株)製YD127
※2:新日鉄住金化学(株)製YDF170
※3:住友化学(株)製ELM−100
※4:ダウケミカル(株)製 DEN-431
※5:2,2’−オキシビス(5,5’−ジメチル−1,3,2−オキサボリナン)
※6:四国化成工業(株)製2MZ−A
※7:四国化成工業(株)製2P4MHZ
※8:旭化成イーマテリアルズ(株)製ノバキュアH103941HP
※9:日本化薬(株)製カヤハードA−A
※10:備北粉化工業(株)製ソフトン1800(平均粒径:1.25μm)
※11:(株)アドマテック製SO−C5(平均粒径:1.6μm)
※12:白石工業(株)製オルベン
※13:信越化学工業(株)製KS−66
Figure 2014208751
Figure 2014208751
Figure 2014208751
Figure 2014208751
Figure 2014208751
以上、表1〜6より、本発明の樹脂組成物は、プリント配線板の穴埋め材として用いた場合、ボイドやクラックの発生を著しく抑制できていることがわかる。また、本発明の樹脂組成物は、保存安定性と耐熱性も優れていることがわかる。
1 基板
2 銅箔
3 スルーホール
4 めっき膜
5 樹脂組成物
6 エッチングレジスト
7 導体回路層
8 層間樹脂絶縁層
9 開口
10 めっきレジスト層
11 バイアホール
12 ランド
13 ソルダーレジスト層
14 はんだバンプ

Claims (8)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)イミダゾール化合物と、(C)ホウ酸エステル化合物と、(D)無機フィラーと、を含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(B)イミダゾール化合物が、非潜在型である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(B)イミダゾール化合物の配合量が、前記(A)エポキシ樹脂100質量部に対して1〜20質量部である請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 初期のゲルタイムと、製造から20日間30℃の条件で保存した後のゲルタイムとの差が10%以内である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. プリント配線板の凹部および貫通孔の少なくとも一方の充填用である請求項1〜4のうちいずれか一項記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. ホウ酸エステル化合物を含有することを特徴とする穴埋め充填用組成物。
  7. 請求項1〜5のうちいずれか一項記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなることを特徴とするプリント配線板。
  8. 請求項6記載の穴埋め充填用組成物を用いてなることを特徴とするプリント配線板。
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