JP2014209097A - クロマトグラフ方法及びクロマトグラフキット - Google Patents

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Abstract

【課題】非特異吸着によるバックグラウンドノイズを抑制しつつ、高感度かつ高いS/N比(ノイズに対するシグナル比)を実現できるクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットを提供すること。【解決手段】本発明のクロマトグラフ方法は、a.被検物質と、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾された標識物質と、の複合体を不溶性担体上に展開する工程、b.前記被検物質に結合する第二の結合物質、または前記第一の結合物質への結合性を有する物質を含む不溶性担体上の反応部位において、複合体を捕捉する工程、c.前記工程bの後に、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの何れか1種以上を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄する工程、d.不溶性担体に残存する前記工程cの洗浄液を、不溶性担体から洗い流す工程、及びe.反応部位において捕捉された前記複合体中の標識物質を増幅する工程、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、分析対象物を高感度かつ高いS/N比(ノイズに対するシグナル比)で検出することができるクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットに関する。
免疫測定方法の中でもイムノクロマトグラフ方法は、操作が簡便であり短時間で測定可能であることから、一般的によく利用されている。イムノクロマトグラフ方法で用いられている免疫反応としては、競合的反応又はサンドイッチ型反応が広く使われている。その中でも、イムノクロマトグラフ法ではサンドイッチ型反応が主流であり、その典型例においては、試料中の抗原よりなる被検物質を検出するために、以下のような操作が行われる。まず、被検物質である抗原に対する抗体により感作させた微粒子を固相微粒子として不溶性担体に固定化することにより、あるいはこの抗体そのものを不溶性担体に直接固定化することにより、被検物質である抗原との反応部位を有する不溶性担体を調製する。一方、標識微粒子に被検物質と特異的に結合可能な抗体を感作させて感作標識微粒子を調製する。この感作標識微粒子を、被検物質を含む試料と共に不溶性担体上を移動させる。以上の操作により、不溶性担体に形成された反応部位に固定化された抗体が固定化試薬として機能し、この固定化試薬に被検物質である抗原を介して感作標識微粒子が特異的に結合する。その結果、感作標識微粒子が反応部位に捕捉されることにより生ずるシグナルの有無または程度を目視で判定することにより、試料中の被検物質の存在の有無または量を測定することができる。
イムノクロマトグラフ方法の中には、感度が低いために抗原が検出されない(偽陰性)問題を回避するために、検出シグナルを増幅させる方法が行われる場合がある。シグナル増幅の方法として、標識としてアルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を用いる方法があるが、金属コロイド標識及び金属硫化物標識からなる群から選んだ標識に銀イオンを含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感すること(銀増幅)によって検出を行う場合もある。
特許文献1には、被検物質の展開方向と洗浄液の展開方向との成す角が45度から170度となるように洗浄液を展開するイムノクロマトグラフ方法が記載されており、銀増幅を行ってもよいこと、並びに牛血清アルブミン(BSA)を含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を洗浄液として使用することが記載されている。
一方、特許文献2には、固相免疫測定方法において、塩酸グアニジン、チオシアン酸塩または尿素を含む液を用いて被測定抗原、被測定抗体および/または標識体の未反応物を除去又は洗浄することが記載されている。特許文献3には、反応容器及び免疫成分を固相化する担体に非特異的に吸着した標識物質を、糖系非イオン性界面活性剤及びカオトロピックイオンを有する物質を含有する洗浄液を用いて洗浄することが記載されている。特許文献4には、免疫測定システムにおける洗浄溶液としてカオトロピック溶液を使用することが記載されている。特許文献5には、リボ核酸の抽出方法において、非特異的に担体に吸着した核酸以外の挟雑物を、カオトロピック物質を含む溶液を用いて洗浄することが記載されている。
特開2009−216695号公報 特開平6−167499公報 特開平7−159406公報 特開平3−2662号公報 特開平11−146783号公報
イムノクロマトグラフ方法において増幅により高感度化を試みる場合、抗体等の、被検物質に特異的に結合する結合物質を固定化していない不溶性担体上の部位に僅かに残存する標識微粒子等の標識物質をも増幅してしまうため、バックグラウンド濃度が高くなる。従って、不溶性担体上に僅かに残存する標識物質を洗浄等で減少させることにより、バックグラウンド濃度を低下させ、同時に感度の向上を達成できる。一方、感度の向上のために洗浄してバックグラウンド濃度を下げると、不溶性担体上に固定化した結合物質に僅かに非特異吸着した標識物質が増幅されることに起因する偽陽性が発生する場合が多い。これは、今まではバックグラウンド濃度に埋もれて見えなかったライン(偽陽性)が、バックグラウンド濃度を低下させることで、目立つことに起因する。加えて、洗浄液の組成によっては、不溶性担体上に固定化した抗体をも洗い流す場合があり、その場合は高感度を達成できない。
また、特許文献2〜5に記載されているようなカオトロピック試薬を用いて洗浄を行った後に高感度化を達成するために増幅を行う場合、増幅反応時にカオトロピック試薬が多く残存していると、結合物質を固定化していない不溶性担体上の部位のバックグラウンド濃度が高くなり、高感度が達成できないことが分かった。従って、本発明は、非特異吸着によるバックグラウンドノイズを抑制しつつ、高感度かつ高いS/N比(ノイズに対するシグナル比)を実現できるクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットを提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、不溶性担体上の反応部位において被検物質と標識物質との複合体を捕捉した後に、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄し、更に不溶性担体に残存する前記洗浄液を、不溶性担体から洗い流し、その後に標識物質を増幅することによって、バックグラウンドノイズを抑制しつつ、高感度かつ高いS/N比を実現できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、
a.被検物質と、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾された標識物質と、の複合体を不溶性担体上に展開する工程、
b.被検物質に結合する第二の結合物質、または第一の結合物質への結合性を有する物質を含む不溶性担体上の反応部位において、複合体を捕捉する工程、
c.工程bの後に、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄する工程、
d.不溶性担体に残存する洗浄液を、不溶性担体から洗い流す工程、及び
e.反応部位に捕捉された複合体の標識物質を増幅する工程、
とを含むクロマトグラフ方法
が提供される。
好ましくは、工程dにおいて、銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液を用いて、洗浄液を、不溶性担体から洗い流し、工程eにおいて、銀イオンを含む化合物を含む第二の増幅液を用いて複合体の標識物質を増幅する。
好ましくは、工程cの洗浄液に含まれるヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種の濃度は25mmol/L〜1000mmol/Lである。
好ましくは、工程cにおいて、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種が、0.8〜300μg/mmの量で不溶性担体に適用される。
好ましくは、工程cの洗浄液を、被検物質の展開方向に対し45〜135度の角度となるように流す。
好ましくは、第一の増幅液を、被検物質の展開方向に対し45〜135度の角度となるように流す。
好ましくは、標識物質は、金属コロイドである。
好ましくは、金属コロイドの金属は、金、銀、白金、あるいはパラジウムである。
好ましくは、銀イオンを還元し得る還元剤はFe2+である。
好ましくは、工程cの洗浄液は、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンの少なくとも一種のみを含み、pH5〜8である。
さらに本発明によれば、
A.被検物質に結合する第一の結合物質で修飾された標識物質と、
B.被検物質に結合する第二の結合物質、または第一の結合物質への結合性を有する物質を含む反応部位を備えた不溶性担体、
C.ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの何れか1種以上を含む洗浄液、
D.銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液、及び
E.銀イオンを含む化合物を含む第二の増幅液、
とを含むクロマトグラフキットが提供される。
好ましくは、Cの洗浄液に含まれるヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種の濃度は25mmol/L〜1000mmol/Lである。
好ましくは、標識物質は、金属コロイドである。
好ましくは、金属コロイドの金属は、金、銀、白金、あるいはパラジウムである。
好ましくは、銀イオンを還元し得る還元剤はFe2+である。
好ましくは、Cの洗浄液は、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンのみを含み、pH5〜8である。
本発明のクロマトグラフキット及びクロマトグラフ方法によれば、バックグラウンドノイズを抑制しつつ、高感度かつ高いS/N比を実現できる。
本発明のアッセイ方法に使用することができるクロマトグラフキットの分解模式図を示す。 第2のデバイス部品の裏表図を示す。 本発明のアッセイ方法の手順を示す平面模式図を示す。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明は、a.被検物質と、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質との複合体を形成させた状態で不溶性担体上に展開する工程、b.被検物質に結合する第二の結合物質、または被検物質に結合する第一の結合物質への結合性を有する物質を含む不溶性担体上の反応部位において、被検物質と標識物質との複合体を捕捉する工程、c.工程bの後に、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄する工程、d.不溶性担体に残存する工程cの洗浄液を、不溶性担体から洗い流す工程、及びe.反応部位に捕捉された標識物質を増幅する工程、とを含むクロマトグラフ方法である。
本発明によれば、標識物質を増幅する前に、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄する。ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンは、水の分子間の相互作用を減少させ、水のエントロピーを増大させて水の構造を不安定にする作用を有している。本発明においては、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄した後に、シグナルを増幅して高感度化を行うものであるが、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンが反応部位に存在した状態で増幅を行うと、バックグラウンド濃度が高くなるという問題があった。本発明においては、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄した後に、不溶性担体に残存する前記洗浄液を、不溶性担体から洗い流してから、標識物質の増幅を行う。本発明の好ましい態様によれば、銀イオンを還元し得る還元剤を含有する第一の増幅液で、洗浄液に含有されるヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンを洗い流すとともに、第一の増幅液に含まれる還元剤で反応部位を満たした後に、第二の増幅液にて銀増幅させることができる。本発明によれば、上記の操作により、バックグラウンド濃度を非常に低く抑えることができ、非常に高いS/N比を実現できる。
1.ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて不溶性担体を洗浄する工程について
本発明で用いる洗浄液は、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む液である。尿素は、尿素の塩酸塩の形で使用することもできる。また、グアニジンは、グアニジン塩酸塩、グアニジン硝酸塩、グアニジン炭酸塩、グアニジンリン酸塩などの塩の形態で使用することが好ましく、グアニジン塩酸塩を使用することが特に好ましい。
洗浄液中の、ヨウ化カリウム、尿素、グアニジンの少なくとも一種の濃度としては、洗浄効果を発現できる限り特に限定されないが、15mmol/L〜1500mmol/Lが好ましく、25mmol/L〜1000mmol/Lがさらに好ましい。洗浄液のpHは、洗浄効果を発現できる限り特に限定されないが、好ましくはpH5〜8であり、さらに好ましくはpH6.5〜7.5である。
特に好ましくは、洗浄液は、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンのいずれか一種を含むpH5〜8の水溶液である。ここで、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンのいずれか一種を含む水溶液とは、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジン、水、並びに塩として形成される酸や塩基、pH調整のために使用される場合がある酸又は塩基(例えば、NaOH等)以外の物質を含まない水溶液を意味する。
ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種の不溶性担体への適用量は、洗浄効果を発現できる限り特に限定されないが、好ましくは、0.8〜300μg/mmであり、より好ましくは1.5〜200μg/mmであり、更に好ましくは2.0〜150μg/mmである。
洗浄液は、展開途中に非特異的に残存した標識物質を洗浄しながら展開するので標識物質を含みながら展開されることになるが、展開される前の洗浄液は洗浄効果を高めるために、標識物質を含んでいない液を用いることが好ましい。
被検物質と、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質との複合体を含む液を展開(以下、被検物質を含む液を展開、あるいは、被検物質を展開、と記載する)した後に、洗浄液は、不溶性担体に添加し不溶性担体中に残存する特異的な結合反応で結合した以外の標識物質を洗浄する。洗浄液の送液方法としては、被検物質を含む液を展開した後にそのまま被検物質を含む液の滴下部に添加する方法や、予め不溶性担体に洗浄液送液の為の送液用不溶性担体(洗浄液添加パッド)、吸収用不溶性担体(吸水パッド)を付着させておき、その送液用不溶性担体に添加し吸収用不溶性担体方向へ送液する方法、予め不溶性担体に洗浄液の添加部位を備えておき、被検物質を含む液の展開後にその洗浄液の添加部位に洗浄液を添加する方法、または、被検物質を含む液を不溶性担体に展開した後に洗浄液送液の為の送液用不溶性担体、吸収用不溶性担体を不溶性担体に付着させてもよい。
送液用不溶性担体は、洗浄液を添加できれば特に制限はなく、グラスファイバーパッドやセルロースメンブレン、ニトロセルロースメンブレンなどを用いることができる。 吸収用不溶性担体は、吸水することが可能な物質であれば特に制限はなく、セルロース、ニトロセルロース、グラスファイバー、それらの混合体などを用いることができる。
イムノクロマトグラフに代表される免疫学的測定方法は、高感度で再現性高く、精度よく測定でき、かつ保存性が良好である必要があるが、医療での診断のためには、各診療所単位で測定が可能となる程度の簡便性を備え、測定結果をその場で知ることができる短時間で測定できる性能も要望されている。本発明においては、短時間のうちに測定を実現するために、洗浄液を、被検物質の展開方向に対し45〜135度となるように流すことが好ましい。換言すれば、本発明においては、洗浄液を不溶性担体の長軸方向に対して45〜135度の角度の方向で流すことが好ましい。本発明においては、長軸方向とは、被検物質が不溶性担体上を展開する方向を長軸方向と定義する。本発明においては、洗浄液による洗浄工程に必要な時間を短縮し、かつ洗浄効率を高めて良好なS/N比を得るために、洗浄液を、被検物質の展開方向に対し60〜120度となるように流すことがより好ましく、被検物質の展開方向に対し75〜110度となるように流すことが更に好ましく、被検物質の展開方向に対して90度となるように流すことが最も好ましい。
2.不溶性担体に残存する洗浄液を不溶性担体から洗い流す工程について
本発明においては、不溶性担体に残存する洗浄液を、不溶性担体から洗い流す工程を行った後に、標識物質の増幅を行う。
不溶性担体に残存する洗浄液を、不溶性担体から洗い流す際に使用する液は、本発明の効果を達成できる限り、特に限定されない。好ましくは、銀イオンを還元し得る還元剤を含有する第一の増幅液(詳細は本明細書中以下に説明する)を用いて、不溶性担体に残存する洗浄液を、不溶性担体から洗い流すことができる。
3.標識物質の増幅
標識物質の増幅は、増幅試薬を含有する増幅液を用いて行うことができる。増幅試薬は、標識物質や被検物質の作用により、触媒的に反応することで、着色した化合物や発光などを生じ、シグナルの増幅を起こすことができる試薬であり、試薬を含有する溶液の状態、即ち増幅液として使用することができる。例えば、金属標識上で、物理現像により金属銀の析出を起こす銀イオン溶液や、ペルオキシダーゼ標識と過酸化水素の作用により色素となる、フェニレンジアミン化合物とナフトール化合物の溶液などが挙げられる。
詳細には、写真化学の分野での一般書物(例えば、「改訂写真工学の基礎-銀塩写真編-」(日本写真学会編、コロナ社)、「写真の化学」(笹井明、写真工業出版社)、「最新処方ハンドブック」(菊池真一他、アミコ出版社))に記載されているような、いわゆる現像液を、増幅液として用いることができ、液中に銀イオンを含み、液中の銀イオンが現像の核となるような金属コロイド等を中心に還元される、いわゆる物理現像液であれば、特に限定されることなく増幅液として用いることができる。
本発明では、2種の増幅試薬を用いることができる。不溶性担体上の反応部位に捕捉された標識物質のシグナルを増幅するために使用する2種の増幅試薬のうち、第一の増幅試薬を第一の増幅液に、第二の増幅試薬を第二の増幅液に含有させておき、第一の増幅液および第二の増幅液を順次、添加することにより増幅を行うことが好ましい。増幅液の具体例としては、銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液、及び、銀イオンを含む化合物を含む第二の増幅液の組み合わせを用いることができる。
4.第一の増幅液
第一の増幅液は、銀イオンを還元し得る還元剤を含有する。銀イオンを還元し得る還元剤は、銀イオンを銀に還元することができれば、無機・有機のいかなる材料、またはその混合物でも用いることができる。無機還元剤としては、Fe2+、V2+、Ti3+、などの金属イオンで原子価の変化し得る還元性金属塩、還元性金属錯塩を好ましく挙げることができる。無機還元剤を用いる際には、酸化されたイオンを錯形成するか還元して、除去するか無害化する必要がある。例えば、Fe2+を還元剤として用いる系では、クエン酸やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いて酸化物であるFe3+の錯体を形成し、無害化することができる。本発明ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、本発明のより好ましい態様としては、Fe2+の金属塩を還元剤として用いることが好ましい。
なお、湿式のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる現像主薬(例えばメチル没食子酸塩、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、3−ピラゾリドン類、p−アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、ヒンダードフェノール類、アミドキシム類、アジン類、カテコール類、ピロガロール類、アスコルビン酸(またはその誘導体)、およびロイコ色素類)、および本分野での技術に熟練しているものにとって明らかなその他の材料、例えば米国特許第6,020,117号に記載されている材料も用いることができる。
還元剤としては、アスコルビン酸還元剤も好ましい。有用なアスコルビン酸還元剤は、アスコルビン酸とその類縁体、異性体とその誘導体を含み、例えば、D−またはL−アスコルビン酸とその糖誘導体(例えばγ−ラクトアスコルビン酸、グルコアスコルビン酸、フコアスコルビン酸、グルコヘプトアスコルビン酸、マルトアスコルビン酸)、アスコルビン酸のナトリウム塩、アスコルビン酸のカリウム塩、イソアスコルビン酸(又はL−エリスロアスコルビン酸)、その塩(例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩又は当技術分野において知られている塩)、エンジオールタイプのアスコルビン酸、エナミノールタイプのアスコルビン酸、チオエノ−ルタイプのアスコルビン酸等を好ましく挙げることができ、特にはD、LまたはD,L−アスコルビン酸(そして、そのアルカリ金属塩)若しくはイソアスコルビン酸(またはそのアルカリ金属塩)が好ましく、ナトリウム塩が好ましい塩である。必要に応じてこれらの還元剤の混合物を用いることができる。
本発明のクロマトグラフ方法の好ましい態様としては、増幅効率を高め、増幅工程に掛かる時間を短縮するために、銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液を、被検物質の展開方向に対して45〜135度となるように流すことが好ましい。換言すれば、本発明においては、第一の増幅液を不溶性担体の長軸方向に対して45〜135度の角度の方向で流すことが好ましく、被検物質の展開方向に対して60〜120度となるように流すことがより好ましく、被検物質の展開方向に対して75〜110度となるように流すことが更に好ましく、被検物質の展開方向に対して90度となるように流すことが最も好ましい。
5.第二の増幅液
第二の増幅液は、銀イオンを含む化合物を含有する液である。銀イオンを含む化合物としては、例えば、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。好ましくは、水などの溶媒に対して溶解度の高い銀イオン含有化合物であり、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀、チオ硫酸銀などが挙げられる。特に好ましくは硝酸銀である。銀錯体としては、水酸基やスルホン基など水溶性基を有する配位子に配位された銀錯体が好ましく、ヒドロキシチオエーテル銀等が挙げられる。
有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体は、銀として増幅液に0.001mol/L〜5mol/L、好ましくは0.005mol/L〜3mol/L、更には0.01mol/L〜1mol/Lの濃度で含有されることが好ましい。
6.その他の増幅液の助剤
増幅液のその他の助剤としては、緩衝剤、防腐剤、例えば酸化防止剤または有機安定剤、速度調節剤を含む場合がある。緩衝剤としては、例えば、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウムまたはこれらのどれかの塩、又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを用いた緩衝剤、その他一般的化学実験に用いられる緩衝剤を用いることができる。これら緩衝剤を適宜用いて、その増幅溶液に最適なpHに調整することができる。また、カブリ防止剤としてアルキルアミンを助剤として用いることができ、特に好ましくはドデシルアミンである。またこれら助剤の溶解性向上のため、界面活性剤を用いることができ、特に好ましくはC919-C64-O-(CH2CH2O)50Hである。
7.第二の増幅液の点着方法及び増幅液の内蔵方法
第二の増幅液をクロマトグラフキットに点着する方法としては、還元剤溶液を送液するためのパッドに、第一の増幅液を反応部位に提供した後に、第二の増幅液としての銀イオン溶液を反応部位を含む領域に上から点着して、銀イオン溶液を不溶性担体の厚み方向に浸潤させる方法が好ましい。
第一及び第二の増幅液をクロマトグラフキットに内蔵する方法としては、各増幅試薬を含む溶液を含むポットを、各増幅試薬を点着する部位の上部に配置する方法が挙げられる。還元剤溶液(第一の増幅液)を、還元剤溶液を送液するためのパッドの上部に置き、銀イオン溶液(第二の増幅液)を含むポットを銀イオン溶液充填孔のすぐ上部に設置することが好ましい。このように配置することにより、それぞれのポットを押すことで液が流れ、所定の部位に点着することができる。
8.クロマトグラフ
本発明は、検出シグナルを増幅させるクロマトグラフ方法である。一般には、クロマトグラフ方法とは以下のような手法で被検物質を簡便・迅速・特異的に判定・測定する手法である。すなわち、被検物質と結合可能な結合物質(被検物質に結合する第二の結合物質、又は下記の第一の結合物質への結合性を有する物質に相当する;具体的には抗体、抗原等)を有する反応部位の少なくとも1つを有することが可能なクロマトグラフ担体(不溶性担体の一部)を固定相として用いる。このクロマトグラフ担体上で、被検物質に結合する第一の結合物質によって修飾された標識物質を含む液を移動層として移動させると共に、被検物質と標識物質とが特異的に結合しながら、反応部位を有する領域まで到達する。この反応部位において、被検物質と標識物質の複合体が固定化された第二の結合物質に結合することにより、又は第一の結合物質への結合性を有する物質に特異的に結合することにより、被検試料中に被検物質が存在する場合にのみ、第二の結合物質又は第一の結合物質への結合性を有する物質に標識物質が濃縮されることを利用し、それらを目視または適当な機器を用いて被検試料中に被検物質が存在することを定性及び定量的に分析する手法である。
本発明におけるクロマトグラフ方法においては、反応部位において、被検物質と標識物質の複合体が固定化された第二の結合物質に結合した後に、又は第一の結合物質への結合性を有する物質に特異的に結合した後に、洗浄液を用いて反応部位を洗浄し、その後、増幅液を使用してシグナルを増幅する。標識物質のシグナルを増幅するために使用する増幅試薬、好ましくは2種の増幅試薬、例えば、好ましくは銀イオンを還元し得る還元剤及び銀を含む化合物を使用し、反応部位に固定化された結合物質に結合した被検物質と標識物質の複合体を核として増幅反応によって、シグナルを増幅し、結果として高感度化を達成することができる。本発明によれば、迅速な高感度クロマトグラフを行うことができる。
9.被検試料
本発明のクロマトグラフ方法及びクロマトグラフキットを用いて分析することのできる被検試料としては、被検物質を含む可能性のある試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻水、又は喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる擦過検体(スワブ)、うがい液、又は動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を挙げることができる。被検物質としては、例えば、天然物、毒素、ホルモン、農薬等の生理活性物質、環境汚染物質、ウイルス、抗原、抗体などが挙げられる。
10.被検試料の前処理
本発明のクロマトグラフ方法では、被検試料をそのままで、あるいは、被検試料を適当な抽出用溶媒を用いて抽出して得られる抽出液の形で、更には、抽出液を適当な希釈剤で希釈して得られる希釈液の形、若しくは抽出液を適当な方法で濃縮した形で、用いることができる。本発明で用いられる抽出用溶媒としては、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒(例えば、水、生理食塩液、又は緩衝液等)、あるいは、かかる溶媒で希釈することにより直接抗原抗体反応を実施することができる水混和性有機溶媒を用いることもできる。
11.構成
本発明のクロマトグラフ方法を行うためのクロマトグラフ用キットにおいては、クロマトグラフ用ストリップを組み込み使用することができる。使用することのできるクロマトグラフ用ストリップとしては、通常のクロマトグラフ法に用いることができるクロマトグラフ用ストリップである限り、特に限定されるものではない。
本発明において使用することができるクロマトグラフ用ストリップとしては、被検物質を含む被検試料の展開方向の上流方向から下流方向に向かって、標識物質保持領域、反応部位を有している。例えば、試料添加パッド、標識物質保持領域を有する標識物質保持パッド(例えば金コロイド抗体保持パッド)、不溶性担体である結合物質固定化メンブレン(例えば、反応部位を有するクロマトグラフ担体)、及び吸水パッドをこの順に、粘着シート上に配置する態様が好ましく用いられる。不溶性担体である結合物質を固定化したクロマトグラフ担体としては、被検物質と特異的に結合する抗体又は抗原を固定化した反応部位(テストライン)を少なくとも1つを有する領域を有し、所望により、コントロール用抗体又は抗原を固定化したコントロールラインを少なくとも1つを有する領域を更に有していてもよい。
本発明で用いることができる標識物質保持領域を有する標識物質保持パッドは、標識物質を含む懸濁液を調製し、その懸濁液を適当な吸水パッド(例えば、グラスファイバーパット)に塗布した後、それを乾燥することにより調製することができる。
11−1.標識物質
本発明で用いる標識物質としては、金属を含む標識物質を用いることが好ましい。本発明で用いることができる金属の種類としては、好ましくは、金、銀、白金、パラジウムの貴金属や、鉄、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、又は水銀を用いることができ、更に好ましくは金、銀、白金、パラジウムの貴金属を用いることができる。本発明において使用できる金属を含む標識物質の好ましい形態としては、金属コロイド標識又は金属硫化物標識を用いることができる。本発明においては、金属コロイド標識としては、好ましくは、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、パラジウムコロイド、鉄コロイド、又は水酸化アルミニウムコロイドなどを用いることができ、金属硫化物標識としては、好ましくは、鉄、銀、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、又は水銀の各硫化物を用いることができる。本発明においては更に好ましくは、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、パラジウムコロイド、最も好ましくは金コロイドを用いることができる。金属コロイド標識として金コロイド粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法(Nature Physical Science,241(1973)20等)により金コロイドを調製することができる。
金属コロイドの平均粒径としては、約1nm〜500nmが好ましく、3〜100nmがさらに好ましく、5〜60nmが特に好ましい。本発明に用いられる金属コロイドの平均粒径は、市販の粒度分布計等で計測することができる。粒度分布の測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
粒径範囲及び測定の容易さから、本発明においては動的光散乱法を好ましく用いることができる。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられ、本発明においては、25℃の測定温度で測定したメジアン径(d=50)の値として求める。
本発明によれば、標識物質として金属コロイド標識又は金属硫化物標識、その他金属合金標識(以下、金属系標識と称することがある)、また金属を含むポリマ−粒子標識を用いるクロマトグラフにおいて、金属系標識の信号を増幅させることが好ましい。具体的には、被検物質と、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質との複合体が、反応部位に捕捉された後に、無機銀塩や有機銀塩などの銀を含む化合物から供給される銀イオンと、銀イオンを還元し得る還元剤とを接触させ、還元剤によって銀イオンを還元して銀粒子を生成させると、その銀粒子が金属系標識を核として金属系標識上に沈着するので、金属系標識が増幅され、被検物質の分析を高感度に実施することができる。従って、本発明のクロマトグラフ方法においては、還元剤による銀イオンの還元作用により生じた銀粒子を用いて、標識物質に沈着させる反応を実施し、こうして増幅された信号を分析することを除けば、それ以外の点では従来公知のクロマトグラフ法をそのまま適用することができる。
11−2.結合物質
本発明では、標識物質は、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾されている。第一の結合物質とは、例えば抗原からなる被検物質に特異的に結合する抗体、抗体からなる被検物質に特異的に結合する抗原、たんぱく質、低分子化合物等からなる被検物質に結合するアプタマーなど、被検物質に対して親和性を持つ化合物であれば特に制限はない。
本発明のクロマトグラフキットは、被検物質に結合する第二の結合物質、または第一の結合物質への結合性を有する結合物質を不溶性担体上の反応部位を有している。被検物質に結合する第二の結合物質とは、例えば抗原からなる被検物質に特異的に結合する抗体、抗体からなる被検物質に特異的に結合する抗原、たんぱく質、低分子化合物等からなる被検物質に結合するアプタマーなどであり、被検物質に対して親和性を持つ化合物であれば特に制限はない。また、第二の結合物質と第一の結合物質とは異なるものでもよいし、同一のものでもよい。第一の結合物質への結合性を有する物質とは、被検物質そのものでもよいし、第一の結合物質が認識する部位を持つ化合物でもよく、たとえば被検物質の誘導体とタンパク質(例えばBSAなど)とを結合させたような化合物などがそれにあたる。
好ましくは、第一の結合物質及び第二の結合物質が抗体であり、または、第一の結合物質及び第二の結合物質のいずれか一方が抗体である。更には、第一の結合物質が抗体であり、第二の結合物質が第一の結合物質と結合する抗体である態様も好ましく用いることができる。
本発明のクロマトグラフ方法においては、被検物質に対して特異性を有する抗体として、特に限定されるものではないが、例えば、その被検物質によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その被検物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]を用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行うことができる。
本発明において、第一の結合物質を用いて標識物質を修飾する方法としては、例えば、金属コロイドと特異結合物質とを結合させる場合には、以下に記載されている従来公知の方法(例えばThe Journal of Histochemistry and Cytochemistry、30、7(1982)691−696)に従い、行うことができる。具体例としては、金属コロイドと特異結合物質(例えば抗体)を適当な緩衝液中で室温条件で5分以上混合する。反応後、遠心分離により得た沈殿を、ポリエチレングリコ−ル等の分散剤を含む溶液中に分散させることにより、目的の金属コロイド標識特異結合物質を得ることができる。
11−3.不溶性担体
本発明で用いることができる不溶性担体としては、多孔性担体が好ましい。特に、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましい。
本発明においては、クロマトグラフ用不溶性担体は、被検物質に結合する第二の結合物質、又は第一の結合物質への結合性を有する物質を固定化させた反応部位を有する。被検物質に結合する第二の結合物質、又は第一の結合物質への結合性を有する物質は、不溶性担体の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させて反応部位を形成させてもよいし、あるいはラテックス粒子などの微粒子に物理的または化学的に結合させ、この微粒子を不溶性担体の一部にトラップさせて固定化させ、反応部位を形成してもよい。なお、不溶性担体は、第二の結合物質、又は第一の結合物質への結合性を有する物質を固定化した後、不活性蛋白による処理等により非特異的吸着防止処理を施して使用することが好ましい。本発明の不溶性担体は、反応部位を複数有している態様も好ましく用いることができ、更には、所望により、上述のコントロール用抗体又は抗原を固定化したコントロールラインの少なくとも1つを有していてもよい。
11−4.標識物質保持パッド
本発明においては、標識物質保持領域を有する標識物質保持パッドとしては、好ましくは金コロイド保持パッドを不溶性担体(クロマトグラフ用不溶性担体)に組み込んで使用する態様が好ましい。標識物質保持パッドの素材としては、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布等を好ましく使用することができ、前述のように調製した標識物質を一定量含浸し、乾燥させて標識物質保持領域とすることができる。
11−5.試料添加パッド
本発明に用いられる不溶性担体(クロマトグラフ用不溶性担体)は更に、試料添加パッドを組み込み使用することが好ましい。試料添加パッドは、添加された被検物質を含む試料を受入れるだけでなく、試料中の不溶物粒子等を濾過する機能をも兼ねる態様が好ましい。試料添加パッドの材質としては、セルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、及び綿布等の均一な特性を有するものが挙げられる。また、分析の際、試料中の被検物質が試料添加パッドの材質に非特異的に吸着し、分析の精度を低下させることを防止するため、試料添加部を構成する材質は、予め非特異的吸着防止処理を行って用いることもできる。本発明においては、試料添加パッドは、11−4に記載した標識物質保持領域を有する標識物質保持パットを兼ねていてもよい。
11−6.吸水パッド
本発明においては、吸水パッドを不溶性担体(クロマトグラフ用ストリップ)に好ましく組み込んで用いることができる。吸水パッドは、添加された試料がクロマト移動により物理的に吸収されると共に、クロマトグラフ担体の検出部に不溶化されない未反応標識物質等を吸収除去する部位であり、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等吸水性材料が用いられる。添加された試料のクロマト先端部が吸水パッドに届いてからのクロマトの速度は、吸水パッドの材質、大きさなどにより異なるので、その選定により被検物質の測定に合った速度を設定することができる。
12.免疫検査の方法
以下、本発明のクロマトグラフ方法について、その具体的な実施態様であるサンドイッチ法について説明する。
サンドイッチ法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により被検物質の分析を実施することができる。まず、被検物質(例えば抗原)に対して特異性を有する第一の結合物質(例えば、第1抗体)及び第二の結合物質(例えば、第2抗体)を、先に述べた方法により予め調製しておく。また、第一の結合物質で、予め標識物質を修飾しておく。第二の結合物質を、適当なクロマトグラフ担体(不溶性担体)(例えば、ニトロセルロ−ス膜、ガラス繊維膜、ナイロン膜、又はセルロ−ス膜等)上に固定して反応部位とし、被検物質を含む可能性のある被検試料(又はその抽出液)と接触させると、その被検試料中に被検物質が存在する場合には、第二の結合物質との結合(例えば、第二抗体との抗原抗体反応)が起こる。被検物質と第二の結合物質との結合と同時又は結合後に、更に第一の結合物質で修飾した標識物質を過剰量接触させると、被検試料中に被検物質が存在する場合には、固定化された第二の結合物質と被検物質と第一の結合物質で修飾した標識物質とからなる複合体が形成される。
サンドイッチ法では、固定化された第二の結合物質と被検物質、及び被検物質と標識物質を修飾した第一の結合物質との反応が終了した後、免疫複合体を形成しなかった標識物質を除去し、続いて、例えば、不溶性担体の反応部位をそのまま観察しその標識物質を検出、または定量し、被検試料中の被検物質の有無を判定、または被検物質の量を測定することができる。本発明においては、例えば、銀イオンを還元し得る還元剤及び銀イオン含有化合物を供給することにより、かかる複合体を形成した標識物質からの信号を増幅し検出する。
13.クロマトグラフキット
本発明のクロマトグラフ方法は、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質と、被検物質に結合する第二の結合物質、又は被検物質に結合する第一の結合物質への結合性を有する物質を含んだ不溶性担体とを備えたクロマトグラフキットを用いて実施することができる。その場合、クロマトグラフキットは、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質を予め不溶性担体上に備えているものでもよい。あるいは、クロマトグラフキットは、被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質を不溶性担体とは別に備えているものでもよい。この場合、不溶性担体とは別に備えられた標識物質を被検試料と混合した後に不溶性担体上を展開するなどの方法で測定を行うことができる。本発明のクロマトグラフ用キットは、洗浄液、および増幅液を備えるものであり、好ましくは、銀を含む化合物及び銀イオンを還元し得る還元剤を含む増幅液を備えることができる。クロマトグラフ用キットを構成する各素材の例、および好ましい範囲は、クロマトグラフ方法等で記載した例、範囲を好ましく用いることができる。
特に本発明によれば、
A.被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質と、
B.被検物質に結合する第二の結合物質、または被検物質に結合する第一の結合物質への結合性を有する物質を含む反応部位を備えた不溶性担体、
C.ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液、
D.銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液、及び
E.銀イオンを含む化合物を含む第二の増幅液、
とを含むクロマトグラフキットが提供される。
被検物質に結合する第一の結合物質で修飾した標識物質は、不溶性担体上に配置されていてもよいし、不溶性担体とは別に備えていてもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)インフルエンザウィルス抗原検出クロマトキットの作製
(1−1)抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイドの作製
(1−1−1)F(ab’)断片化抗インフルエンザA型ウイルス抗体の作製
抗インフルエンザA型ウイルス抗体(品番7307、メディックスバイオケミカ社製)を使用し、ImmunoPureIgG1 Fab and F(ab’) Preparation Kit(品番 44880、ピアース社製)を用いて、F(ab’)断片化抗インフルエンザA型ウイルス抗体を作製した。
(1−1−2)抗インフルエンザA型断片化抗体修飾金コロイドの作製
直径50nm金コロイド溶液(EM.GC50、BBI社製)9mLに50mmol/L KH
POバッファー(pH7.5)1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、160μg/mLの(1−1−1)で作製したF(ab’)断片化抗インフルエンザA型ウイルス抗体溶液1mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール(PEG 分子量20000、品番168−11285、和光純薬社製)水溶液を550μL加え攪拌し、続いて10質量%牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A−7906、SIGMA社)水溶液を1.1mL加え攪拌した。この溶液を遠心分離機(HimacCF16RX、日立(株)社製)を用いて8000×g、4℃の条件で、30分間遠心分離した後、1mL程度を残して上澄み液を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。再分散後の金コロイドを、20mLの金コロイド保存液(20mmol/L Tris-HClバッファー(pH8.2), 0.05質量%PEG(分子量20000), 150mmol/L NaCl、1質量%BSA)に添加して分散し、再び8000×g、4℃、30分間遠心した後、1mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗インフルエンザA型断片化抗体修飾金コロイド(直径50nm)溶液を得た。
(1−2)抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドの作製
(1−1−2)で作成した抗インフルエンザA型断片化抗体修飾金コロイドを、金コロイド塗布液(20mmol/L Tris-HClバッファー(pH8.2), 0.05質量%PEG(分子量20000), 5質量% スクロース)及び水で希釈し、520nmのAbsorbanceが0.04となるように希釈した。この溶液を、8mm×150mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製)1枚あたり0.8mLずつ均一に塗布し、12時間減圧乾燥した後、8mm×5mmに裁断することで金コロイド抗体保持パッド(標識物質保持パッド)を得た。金コロイド抗体を保持する部分が、標識物質保持領域に相当する。
(1−3)抗体固定化メンブレン(クロマトグラフ用不溶性担体)の作製
25mm×200mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF180、ミリポア社製)に関し以下のような方法により抗体を固定し抗体固定化メンブレンを作成した。メンブレンの長辺を下にし、下から7mmの位置に、1.5mg/mLとなるように調製した固定化用抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)溶液(スクロース、BSA含有)をインクジェット方式の塗布機(BioDot社製)を用いて幅0.7mm程度のライン状に塗布し、反応部位とした。このラインをテストラインと呼ぶ。同様に、下から13mmの位置に、0.5mg/mLとなるように調製したコントロール用抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L)、ウサギF(ab’)、品番566−70621、和光純薬社製)溶液をライン状に塗布した。このラインをコントロールラインと呼ぶ。塗布したメンブレンは、室温で12時間乾燥した後、乾燥剤と同梱して50℃で2日間乾燥した。
(1−4)クロマトグラフストリップの作製
バック粘着シート(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社製)に、(1−3)で作成した抗体固定化メンブレンを貼り付けた。その際メンブレン長辺側のうち、テストライン側を下側とする。抗体固定化メンブレンの下側に約2mm重なるように、(1−2)で作成した複数の金コロイド抗体保持パッドをそれぞれ並列に貼り付け、約4mm重なるようにして金コロイド抗体保持パッド下側に試料添加パッド(18mm×250mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製))を重ねて貼り付けた。さらに、抗体固定化メンブレンの上側には約5mm重なるように吸水パッド(80mm×250mmに切ったセルロース・グラス膜(CF6、ワットマン社製))を重ねて貼り付けた。得られたクロマトグラフストリップのシートを、幅7mmずつに裁断して、クロマトグラフストリップを得た。
(1−5)洗浄液1の作製
超純水にKI(和光純薬社製)を溶解し、KI液200mmol/Lの溶液(NaOHでpH7に調整)を準備し、洗浄液1とした。
(1−6)銀増幅液の作製
(1−6−1)還元剤溶液(第一の増幅液)の作製
水290gに、硝酸鉄(III)九水和物(095−00995、和光純薬社製)を水に溶解して作製した1mol/Lの硝酸鉄水溶液23.6mL、クエン酸(038−06925、和光純薬社製)13.1gを溶解させた。全て溶解したら、スターラーで攪拌しながら硝酸(10重量%)を36ml加え、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(091−00855、和光純薬社)を60.8g加えこれを還元剤溶液とした。
(1−6−2)銀イオン溶液(第二の増幅液)の作製
水66gに、硝酸銀溶液8mL(10gの硝酸銀を含む)と1mol/Lの硝酸鉄水溶液24mLを加えた。さらに、この溶液と、硝酸(10重量%)5.9mL、ドデシルアミン(123−00246、和光純薬社製)0.1g、界面活性剤C1225-C64-O-(CH2CH2O)50H 0.1gをあらかじめ47.6gの水に溶解した溶液を混合し、これを銀イオン溶液とした。
(1−7)被検試料の作製
A型模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B−(ベクトン・ディッキンソン社製))を、トリスバッファ(5質量% Tween含有)で希釈した液を抗原を含む被検試料とした。また、トリスバッファ(5質量%Tween含有)のみを用いて、抗原を含まない被検試料とした。
(1−8) アッセイ用デバイス
図1に示す第1のデバイス部品(射出成形によるポリプロピレン製)1に、図1で示すようにクロマトグラフストリップを装填した。次に、図2に示すように第2の不溶性担体3および第3の不溶性担体4として、グラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製)を装填した第2のデバイス部品(射出成形によるポリプロピレン製)2を載せた。この時点ではクロマトグラフストリップと2〜4の部材は接触していない。
(2−1)評価
(2−1−1)被検試料の点着・展開
A型模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B−(ベクトン・ディッキンソン社))を、トリスバッファ(5質量% Tween含有)で希釈した液、あるいはトリスバッファ(5質量%Tween含有)のみを、(1−4)で作成した試験用クロマトグラフキットの試料添加パットに140μL点着し、11分間静置した。
(2−1−2)洗浄 (実施例1)
被検試料を11分間展開した後、第2のデバイス部品2を50ニュートンの力で押し、不溶性担体3及び4をクロマトグラフストリップに接触させた。その後すぐに第2のデバイス部品2の洗浄液点着孔5に(1−5)で作製した洗浄液1(KI溶液、200mmol/L、pH7)120μLを添加した。こうして洗浄液をクロマトグラフストリップの長軸方向に対して90度方向から80秒間送液した。この工程によりクロマトグラフストリップ上の反応部位以外の部位と非特異的に吸着した標識が洗浄された。
(2−1−3) 還元剤液の供給
(2−1−2)の洗浄を行った後、第2のデバイス部品2を取替えた。新しい第2のデバイス部品2を50ニュートンの力で押し、不溶性担体3及び4をクロマトグラフストリップに接触させた。その後すぐに第2のデバイス部品2の洗浄液点着孔5 に(1−6−1)で作製した還元剤液120μLを添加した。こうして還元剤液をクロマトグラフストリップの長軸方向に対して90度方向から80秒間送液した。この工程によりクロマトグラフストリップ上に残存している洗浄液成分を洗い流すと共に、銀増幅のための還元剤液が供給された。
(2−1−4)銀増幅
第2のデバイス部品2に設けられた銀イオン溶液点着孔6から(1−6−2)で作製した銀イオン溶液を滴下し、銀増幅反応を1分間行った。増幅後、クロマトグラフストリップを取り出し、3分間水洗した。
(2−1−5) テストライン濃度値の算出
水洗したクロマトグラフストリップを画像解析装置(LAS4000、GEヘルスケア社製))で撮影し、テストラインΔOD (テストラインと、クロマトグラフストリップの非抗体固定化部位の光学濃度(OD)差)を算出した。抗原を含む場合のテストラインのΔODをシグナル(S)、抗原を含まない場合のテストラインのΔODを偽陽性(N)と定義した。
(実施例2)
KIを尿素(和光純薬社製)に変更した以外は洗浄液1の作製と同様にして、尿素溶液(200mmol/L、pH7)を作製し、実施例1と同様にしてテストライン濃度値を算出した。
(実施例3)
KIをグアニジン塩酸塩(和光純薬社製)に変更しNaOHでpH調整した以外は洗浄液1の作製と同様にして、グアニジン溶液(200mmol/L、 pH7)を作製し、実施例1と同様にしてテストライン濃度値を算出した。
(実施例4)
抗原を含む被検試料を11分間展開した後、試料添加パット及び標識物質保持パッド(金コロイド抗体保持パット)を除去し、試料添加パットの位置に新たにグラスファイバーパッドを貼り付け、KI溶液(200mmol/L、pH7) 120μLを添加した。こうして洗浄液をクロマトグラフストリップの長軸方向に対して0度方向から300秒間送液した。この工程によりクロマトグラフストリップ上の反応部位以外の部位に非特異的に吸着した標識が洗浄された。その後の操作は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
洗浄液を使用せずに評価を行った。すなわち、(2−1−2)の工程を行わず、その他は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
洗浄液を超純水(pH7)に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
洗浄液をNaCl溶液(200mmol/L、pH7)に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例4)
実施例1と同様に、KI溶液(200mmol/L、pH7)120μLでクロマトグラフストリップの長軸方向に対して90度の方向から洗浄を行った。その後、クロマトグラフストリップを、還元剤液と銀イオン溶液を4:1(容量比)で混合した液に浸し、1分間増幅した。即ち、還元剤液による洗浄液成分の洗い流し工程を行わない例である。
(実施例1から4及び比較例1から4の結果)
実施例1から4及び比較例1から4の結果を表1に示す。表1より、銀増幅反応の前に洗浄液で不溶性担体を洗浄して、クロマトグラフストリップの反応部位以外の部位に非特異的に吸着した金コロイドを洗い流すことにより、バックグラウンド濃度が低下しているのがわかる。しかしながら、超純水で洗浄すると、不溶性担体に固定化していた抗体が洗い流されるため、シグナル(S)が高くならなかった。一方、洗浄液にNaClを添加すると、抗体の洗い流しが抑制されるためにシグナル(S)は高くなるが、偽陽性(N)も高かった。洗浄液にKI、尿素又はグアニジンを添加すると、シグナルを高くすると共に偽陽性が抑制され、15以上の高いS/N比が達成できた。
また実施例1から3と実施例4とを対比することにより、KI、尿素又はグアニジンを含む洗浄液を流す方向は、0度より90度の方が、よりバックグラウンド濃度を下げることができ、よりシグナル(S)を向上できることが分かった。さらに、0度から洗浄液を流す場合、洗浄液がクロマトグラフストリップの上流から下流に到達するのに300秒要する。一方、90度方向の場合は80秒で完了することから、洗浄液を流す方向は、感度を上げるという観点と操作の短時間化という観点から90度が好ましいことが分かった。
しかしながら、KI、尿素又はグアニジンはそれら自身が銀増幅反応により濃度上昇の原因となるため、これら試薬を含む洗浄液で洗浄を行った後、これらの試薬が残存する状態で銀増幅反応を行うとバックグラウンド濃度が低下せず、シグナル(S)が高くならなかった(比較例4)。
上記の結果から、KI、尿素又はグアニジンをクロマトグラフストリップの90度方向から送液し、その後、還元剤液を90度方向から流す方法が最も好ましい態様であると言える。
Figure 2014209097
次に、洗浄液中のKI及び尿素の濃度検討を行った。
(実施例5)
洗浄液をKI溶液(50mmol/L, pH7)に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(実施例6)
洗浄液をKI溶液(800mmol/L, pH7)に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(実施例7)
洗浄液を尿素溶液(50mmol/L, pH7) に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(実施例8)
洗浄液を尿素溶液(800mmol/L, pH7) に変更した以外は実施例1と同様に行った。
(実施例5〜8の結果)
実施例1、2及び5〜8の結果を表2に示す。表2より、洗浄液中の成分濃度が50〜800mmol/Lで、15以上の高いS/N比が達成されていることがわかった。
Figure 2014209097
1 第1のデバイス部品
2 第2のデバイス部品
3 第2の不溶性担体
4 第3の不溶性担体
5 洗浄液あるいは還元剤液供給孔
6 銀イオン溶液点着孔
7 クロマトグラフ用ストリップ
8 標識物質保持パッド
9 試料添加パッド
10 吸水パッド
11a 反応部位(テストライン)
11b コントロールライン

Claims (16)

  1. a. 被検物質と、該被検物質に結合する第一の結合物質で修飾された標識物質と、の複合体を不溶性担体上に展開する工程、
    b. 前記被検物質に結合する第二の結合物質、または前記第一の結合物質への結合性を有する物質を含む不溶性担体上の反応部位において、前記複合体を捕捉する工程、
    c. 前記工程bの後に、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液を用いて前記不溶性担体を洗浄する工程、
    d. 前記不溶性担体に残存する前記洗浄液を、前記不溶性担体から洗い流す工程、及び
    e. 前記反応部位に捕捉された前記複合体の標識物質を増幅する工程、
    とを含むクロマトグラフ方法。
  2. 前記工程dにおいて、銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液を用いて、前記洗浄液を、前記不溶性担体から洗い流し、工程eにおいて、銀イオンを含む化合物を含む第二の増幅液を用いて前記複合体の標識物質を増幅する、請求項1に記載のクロマトグラフ方法。
  3. 前記工程cの洗浄液に含まれるヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種の濃度が25mmol/L〜1000mmol/Lである、請求項1又は2に記載のクロマトグラフ方法。
  4. 前記工程cにおいて、ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種が、0.8〜300μg/mmの量で前記不溶性担体に適用される、請求項1から3の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  5. 前記工程cの洗浄液を、前記被検物質の展開方向に対し45〜135度の角度となるように流す、請求項1から4の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  6. 前記第一の増幅液を、前記被検物質の展開方向に対し45〜135度の角度となるように流す、請求項2に記載のクロマトグラフ方法。
  7. 前記標識物質が、金属コロイドである、請求項1から6の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  8. 前記金属コロイドの金属が、金、銀、白金、あるいはパラジウムである、請求項7に記載のクロマトグラフ方法。
  9. 前記銀イオンを還元し得る還元剤がFe2+である、請求項2から8の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  10. 前記工程cの洗浄液が、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンの少なくとも一種のみを含み、pH5〜8である、請求項1から9の何れか1項に記載のクロマトグラフ方法。
  11. A.被検物質に結合する第一の結合物質で修飾された標識物質と、
    B.被検物質に結合する第二の結合物質、または前記第一の結合物質への結合性を有する物質を含む反応部位を備えた不溶性担体、
    C.ヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種を含む洗浄液、
    D.銀イオンを還元し得る還元剤を含む第一の増幅液、及び
    E.銀イオンを含む化合物を含む第二の増幅液、
    とを含むクロマトグラフキット。
  12. 前記Cの洗浄液に含まれるヨウ化カリウム、尿素及びグアニジンの少なくとも一種の濃度が25mmol/L〜1000mmol/Lである、請求項11に記載のクロマトグラフキット。
  13. 前記標識物質が、金属コロイドである、請求項11又は12に記載のクロマトグラフキット。
  14. 前記金属コロイドの金属が、金、銀、白金、あるいはパラジウムである、請求項13に記載のクロマトグラフキット。
  15. 前記銀イオンを還元し得る還元剤がFe2+である、請求項11から14の何れか1項に記載のクロマトグラフキット。
  16. 前記Cの洗浄液が、ヨウ化カリウム、尿素又はグアニジンのみを含み、pH5〜8である、請求項11から15の何れか1項に記載のクロマトグラフキット。
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