JP2014228355A - 放射性物質の破砕片の回収容器、回収方法、及び、回収装置 - Google Patents

放射性物質の破砕片の回収容器、回収方法、及び、回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させる。【解決手段】少なくとも底部が貯水施設2に溜められた水の中に浸かるように、貯水施設の上又は内部に配置される容器本体11と、容器本体の底部に設けられた底板13と、底板を容器本体に固定する固定部材17とを有し、底板は、核燃料物質の破砕片6が混入している混入水が容器本体の内部に流入された場合に、混入水の中に混入している一定サイズ以上の核燃料物質の破砕片を透過させずに、水を透過させることによって、底板の上に核燃料物質の破砕片を集積させる複数の小孔15が設けられており、固定部材は、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成されており、底板の上に集積された核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、核燃料物質の破砕片の熱によって変形して、底板の固定を解く。【選択図】図2

Description

本発明は、水の中から核燃料物質の破砕片(燃料デブリ)を回収する回収容器、回収方法、及び、回収装置に関する。
従来、水の中に混入(散在)している金属片等のデブリ(くず)を水の中から回収する技術がある。
この種の回収技術として、例えば、冷却水の中に混入している金属片等のデブリ(くず)が上昇流の中で浮遊して、原子炉内の核燃料物質の集合体に衝突することを防止するために、核燃料の下側にディフューザを設置して、冷却水の上昇流の中のデブリを流れから離れた場所に隔離し回収する技術がある(例えば、特許文献1)。
また、ブラシを遠隔操作して、核燃料の支持金具のデブリフィルタに付着したデブリを冷却水の中に掻き落とし、掻き落とされたデブリを冷却水ごとフィルタに通過させて、デブリを回収する技術がある(例えば、特許文献2)。
特表平9−502257号公報 特開2009−47490号公報
ただし、これらの特許文献1や特許文献2に記載された「デブリ」とは、核燃料物質の破砕片(燃料デブリ)ではなく、金属片等のデブリ(くず)を意味している。そのため、特許文献1や特許文献2に記載された従来の回収技術は、デブリを水の中から回収して一箇所に集めたとしても、再臨界に至る懸念がない。したがって、従来の回収技術は、デブリの回収中に再臨界が発生することを想定していなかった。
しかしながら、核燃料物質の破砕片(燃料デブリ)が水の中に混入していて、その燃料デブリを水の中から回収して一箇所に集める場合に、燃料デブリと燃料デブリとの間の距離(デブリ間距離)が短くなり過ぎると、再臨界(核分裂反応)が発生する可能性がある。
そのため、燃料デブリを水の中から回収して一箇所に集める場合には、万が一、再臨界が発生した場合の安全対策機能として、自動的に再臨界を停止させる対策を講じておく必要がある、という課題がある。
そして、その「安全対策機能」は、外部からの信号入力や電源供給等が必要な構成によって実現した場合に、信号の入力・転送の失敗や、電源供給の遮断等のリスクを考慮する必要がある。したがって、「安全対策機能」は、このようなリスクを回避するために、できるだけ自律的な構成によって実現されることが望ましい、という課題がある。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させることができる放射性物質の破砕片の回収容器と、その回収容器を用いて水の中に混入している放射性物質の破砕片を安全に回収する回収方法、及び、回収装置を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、第1発明は、放射性物質の破砕片の回収容器であって、少なくとも底部が貯水施設に溜められた水の中に浸かるように、当該貯水施設の上又は内部に配置される容器本体と、前記容器本体の前記底部に設けられた底板と、前記底板を前記容器本体に固定する固定部材とを有し、前記底板は、核燃料物質の破砕片が混入している混入水が前記容器本体の内部に流入された場合に、当該混入水の中に混入している一定サイズ以上の当該核燃料物質の破砕片を透過させずに、水を透過させることによって、当該底板の上に当該核燃料物質の破砕片を集積させる複数の小孔が設けられており、前記固定部材は、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成されており、前記底板の上に集積された前記核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、当該核燃料物質の破砕片の熱によって変形して、前記底板の固定を解く構成とする。
この回収容器は、固定部材が形状記憶合金によって構成されている。そのため、この回収容器は、核燃料物質の破砕片の回収中に、万が一、再臨界が発生して、核燃料物質の破砕片が発熱した場合であっても、固定部材が、核燃料物質の破砕片の熱によって変形して、底板の固定を自動的に解く。
その結果、この回収容器は、核燃料物質の破砕片及び底板の荷重によって、底板が自動的に開いて、底板の上に集積された核燃料物質の破砕片を貯水施設に溜められた水の中に落下させる。このとき、核燃料物質の破砕片は、貯水施設の底に拡散する。その結果、核燃料物質の破砕片は、他の核燃料物質の破砕片との距離(デブリ間距離)が長くなる。これによって、この回収容器は、再臨界を停止させる。
この回収容器の動作は、外部からの信号の入力や電源供給を受けることなく、回収容器自体の自律的な構成によって実現される。したがって、この回収容器は、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備えている。
この回収容器は、核燃料物質の破砕片の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、外部との間で信号の入力・転送を行ったり、外部から電源供給を受けたりすることなく、自律的に再臨界を停止させることができる。その結果、この回収容器は、水の中に混入している放射性物質の破砕片(燃料デブリ)を安全に回収することができる。
また、第2発明は、放射性物質の破砕片の回収方法であって、回収容器の少なくとも底部が貯水施設に溜められた水の中に浸かるように、当該回収容器を当該貯水施設の上又は内部に配置し、核燃料物質の破砕片が混入している混入水を前記回収容器の内部に流入させて、当該回収容器の底板の上に当該核燃料物質の破砕片を集積させ、さらに、前記底板の上に集積された前記核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、当該核燃料物質の破砕片の熱によって、当該回収容器の前記底板を固定している、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成された固定部材を変形させて、当該回収容器に前記底板の固定を解かせる構成とする。
この回収方法は、底板の上に集積された核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、核燃料物質の破砕片の熱によって、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成された固定部材を変形させて、回収容器に底板の固定を解かせる、という自律的な安全対策機能を有するため、核燃料物質の破砕片の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、回収容器の自律的な安全対策機能によって、自動的に再臨界を停止させることができる。その結果、この回収方法は、水の中に混入している放射性物質の破砕片(燃料デブリ)を安全に回収することができる。
また、第3発明は、放射性物質の破砕片の回収装置であって、水を溜める貯水施設と、少なくとも底部が前記貯水施設に溜められた水の中に浸かるように、当該貯水施設の上又は内部に配置され、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成された固定部材で、前記底部に設けられた底板を固定している回収容器と、核燃料物質の破砕片が混入している混入水を移送して前記回収容器の内部に流入させる移送手段とを有する構成とする。
この回収装置は、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成された固定部材で、前記底部に設けられた底板を固定している回収容器を用いる。その回収容器は、底板の上に集積された核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、核燃料物質の破砕片の熱によって、固定部材が変形して、底板の固定を解く、という自律的な安全対策機能を有する。そのため、この回収装置は、核燃料物質の破砕片の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、回収容器の自律的な安全対策機能によって、自動的に再臨界を停止させることができる。その結果、この回収装置は、水の中に混入している放射性物質の破砕片(燃料デブリ)を安全に回収することができる。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させることができる放射性物質の破砕片の回収容器と、その回収容器を用いて水の中に混入している放射性物質の破砕片を安全に回収する回収方法、及び、回収装置を提供することができる。
第1実施形態に係る回収装置の概略構成及び動作を示す図である。 第1実施形態に係る回収容器の概略構成及び動作を示す図である。 第2実施形態に係る回収装置の概略構成及び動作を示す模式図である。 第2実施形態に係る回収容器の構成を示す図(1)である。 第2実施形態に係る回収容器の構成を示す図(2)である。 第2実施形態に係る回収容器の変形例の構成を示す図である。 第3実施形態に係る回収装置の概略構成及び動作を示す模式図である。 第3実施形態に係る回収容器の構成を示す図(1)である。 第3実施形態に係る回収容器の構成を示す図(2)である。 第4実施形態に係る回収装置の概略構成及び動作を示す模式図である。 第4実施形態に係る回収容器の構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
<放射性物質の破砕片の回収装置の構成及び動作>
本発明に係る放射性物質の破砕片(以下、「燃料デブリ」と称する)の回収装置は、燃料デブリが混入(散在)している水(以下、「混入水」と称する)の中から、燃料デブリを安全に回収するための装置である。
以下、図1を参照して、第1実施形態に係る回収装置1の構成及び動作につき説明する。図1は、第1実施形態に係る回収装置1の概略構成及び動作を示す図である。図1は、第1実施形態に係る回収装置1を用いて、燃料デブリ6を回収する原理を示している。図1(a)は、燃料デブリ6の回収中の回収装置1の動作状態を示している。また、図1(b)は、再臨界が発生した場合の回収装置1の動作状態を示している。
図1(a)に示すように、回収装置1は、水を溜める貯水施設2と、混入水から燃料デブリ6を回収する回収容器7とを有している。以下、貯水施設2に溜められた水を「貯留水3」と称する。
貯水施設2は、例えば、水槽やプール、タンク等によって構成されている。ここでは、貯水施設2が水槽である場合を想定して説明する。回収容器7は、少なくとも底部が貯水施設2に溜められた貯留水3の中に浸かるように、支持部8によって、貯水施設2の上又は内部に配置されている。回収容器7は、支持部8との係合を解くことによって、他の回収容器7に交換することが可能である。
また、回収装置1は、ポンプ等の水を移送する移送手段(図示せず)を有している。移送手段は、例えば、図1(a)に示すように、燃料デブリ6が混入している混入水5を、給水配管4を介して他の場所から貯水施設2まで移送して、回収容器7の内部に流入させる。ここでは、混入水5に混入している燃料デブリ6のサイズは、移送手段が水流を発生させたときに、水流と一緒に回収容器7まで移動する程度の比較的小さなサイズであるものとして説明する。
図1(a)に示す例では、回収容器7は、容器本体11が円筒状に形成されている。回収容器7は、上部に開口部12が設けられており、混入水5が開口部12から内部に流入される構成になっている。これにより、回収容器7は、混入水5を上から流入させて、燃料デブリ6を回収することができる。また、回収容器7は、底部に底板13が設けられており、底板13によって燃料デブリ6を回収する構成になっている。
底板13は、燃料デブリ6の回収部として機能する部材である。底板13には、複数の小孔15が設けられている。小孔15は、混入水5が回収容器7の内部に流入された場合に、混入水5の中に混入している一定サイズ以上の燃料デブリ6を透過させずに、水を透過させる。これによって、回収容器7は、底板13の上に燃料デブリ6を集積させる。
底板13は、小孔15を有する構成になっている。底板13は、小孔15を有することにより、混入水5を水(浄化水)と燃料デブリ6とに分離させることができる。そのような底板13は、例えば、金網や、パンチメタル板、メッシュ材、不織布等によって構成される。ここでは、底板13が金網14によって構成されている場合を想定して説明する。
係る構成において、回収装置1は、図1(a)に示すように、混入水5を回収容器7の内部に流入させることによって、回収容器7の底板13の上に燃料デブリ6を集積させる。底板13の上に集積された燃料デブリ6は、任意のタイミングで、回収容器7を回収装置1から取り外して別の施設に移送することによって、そこで回収される。この場合、例えば、別の回収容器7が、新たに回収装置1に設置される。その結果、回収装置1は、引き続き、混入水5の中から一定サイズ以上の燃料デブリ6を分離して回収することができる。
回収装置1は、回収容器7の底板13を透過した水を、浄化水として、貯水施設2に流入させる。その結果、浄化水が、貯留水3として、貯水施設2に溜まる。ここでは、「浄化水」とは、燃料デブリ6が除去された水を意味している。回収装置1は、余剰な貯留水3が貯水施設2に溜まると、排水管9によって余剰な貯留水3を貯水施設2の外に排出する。
ところで、回収容器7の底板13の上に集積された燃料デブリ6は、デブリ間距離が短くなり過ぎると、再臨界(核分裂反応)が発生する可能性がある。ここでは、「デブリ間距離」とは、燃料デブリ6同士の距離を意味している。また、「デブリ間距離が短くなり過ぎる」状態とは、例えば、燃料デブリ6の回収のタイミングが遅れた場合や、燃料デブリ6が給水配管4から流入した混入水5の中に大量に混入していた場合等のように、意図せぬ量の燃料デブリ6が底板13の上に集積された状態を意味している。
回収容器7は、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合の安全対策機能として、図1(b)に示すように、底板13を自動的に開ける機能を有している。回収容器7は、この安全対策機能によって、底板13の上に集積された燃料デブリ6を、一旦底板13の上から貯水施設2に溜められた貯留水3の中に落下させて、デブリ間距離を長くする。なお、貯留水3の中に落下された燃料デブリ6(貯水施設2の底に溜まった燃料デブリ6)は、例えば、後記する第2実施形態〜第4実施形態に係る回収装置1A,1C,1D等によって回収される。
以下、混入水5の中に混入している燃料デブリ6と、回収容器7の底板13の上に集積された燃料デブリ6と、貯留水3の中に落下した燃料デブリ6とを区別する場合に、混入水5の中に混入している燃料デブリ6を「燃料デブリ6a」と称し、回収容器7の底板13の上に集積された燃料デブリ6を「燃料デブリ6b」と称し、貯留水3の中に落下した燃料デブリ6を「燃料デブリ6c」と称する。
貯留水3の中に落下した燃料デブリ6cは、貯水施設2の底に分散する。その結果、燃料デブリ6c同士は、前記したように、デブリ間距離が長くなるため、仮に、再臨界が発生したとしても、再臨界が自動的に停止する。
なお、前記した「安全対策機能(底板13を自動的に開ける機能)」は、外部からの信号入力や電源供給等が必要な構成によって実現した場合に、信号の入力・転送の失敗や、電源供給の遮断等のリスクを考慮する必要がある。したがって、前記した「安全対策機能(底板13を自動的に開ける機能)」は、このようなリスクを回避するために、できるだけ回収容器7自身の自律的な構成によって実現されることが望ましい。
第1実施形態では、前記した「安全対策機能(底板13を自動的に開ける機能)」は、回収容器7を、図2に示すように構成することによって、実現されている。
<放射性物質の破砕片の回収容器の構成及び動作>
以下、図1及び図2を参照して、回収容器7の構成及び動作につき説明する。図2は、第1実施形態に係る回収容器7の概略構成及び動作を示す図である。図2(a)は、燃料デブリ6の回収中の回収容器7の動作状態を示している。また、図2(b)は、再臨界が発生した場合の回収容器7の動作状態を示している。
図2(a)に示すように、回収容器7は、容器本体11と、底板13と、蝶番16と、留め金17とを有する構成になっている。
容器本体11は、混入水5が内部に流入される部材である。
底板13は、燃料デブリ6をその上に集積させて、燃料デブリ6の回収部として機能する部材である。
蝶番16は、回動自在に底板13を容器本体11に取り付ける部材である。
留め金17は、通常時に、底板13が回動しないように、底板13を容器本体11に固定する固定部材である。ここでは、「通常時」とは、底板13を開けないときを意味している。このような構成により、底板13は、通常時に閉じられ、一方、再臨界の発生時に開かれる。
回収容器7は、前記した通り、少なくとも底部が貯水施設2に溜められた貯留水3の中に浸かるように、支持部8によって、貯水施設2の上又は内部に配置されている。ここでは、貯水施設2に溜められた貯留水3の水温は、夏日の気温(例えば、36℃)以下になるように設定されているものとして説明する。
回収容器7は、前記した通り、上部に開口部12が設けられており、混入水5が開口部12から内部に流入される構成になっている。また、回収容器7は、前記した通り、底部に底板13が設けられており、底板13によって燃料デブリ6を回収する構成になっている。
図1及び図2に示す例では、底板13は、多数の小孔15を有する金網14によって構成されている。回収容器7は、図1(a)及び図2(a)に示すように、混入水5が開口部12から内部に流入された場合に、底板13の小孔15が、燃料デブリ6を透過させずに、水を透過させる。これによって、回収容器7は、底板13の上に燃料デブリ6を集積させる。
図2に示す例では、底板13は、蝶番16によって回動自在に、容器本体11に取り付けられている。留め金17は、通常時に、その底板13が回動しないように、底板13を容器本体11に固定している。
留め金17は、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成されている。形状記憶合金製の留め金17は、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生して、底板13の上に集積された燃料デブリ6が発熱した場合に、図2(b)に示すように、燃料デブリ6の熱によって変形する。これによって、留め金17は、底板13の固定を自動的に解く。
その結果、回収容器7は、図1(b)及び図2(b)に示すように、燃料デブリ6及び底板13の荷重によって、底板13が自動的に下方向に開いて、底板13の上に集積された燃料デブリ6を貯水施設2に溜められた貯留水3の中に落下させる。このとき、燃料デブリ6は、図1(b)に示すように、貯水施設2の底に拡散する。その結果、燃料デブリ6は、デブリ間距離が長くなる。これによって、回収容器7は、再臨界を停止させる。
このような回収容器7は、小孔15を有する底板13を用いて、混入水5の中から燃料デブリ6を分離することにより、燃料デブリ6を効率よく回収することができる。
係る構成において、燃料デブリ6の回収は、以下のようにして行われる。
まず、回収装置1は、回収容器7を用いて、回収容器7の少なくとも底部13が貯水施設2に溜められた水の中に浸かるように、回収容器7を貯水施設2の上又は内部に配置する。次に、回収装置1は、図示せぬ移送手段を稼動して、給水配管4を介して、燃料デブリ6が混入している混入水5を回収容器7の内部に流入させて、燃料デブリ6を回収容器7の底板13の上に集積させる。これにより、回収装置1は、燃料デブリ6を回収することができる。
その際に、回収装置1は、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生して、底板13の上に集積された燃料デブリ6が発熱した場合に、燃料デブリ6の熱によって、回収容器7の底板13を固定している形状記憶合金製の留め金17を自動的に変形させる。これによって、回収装置1は、回収容器7の底板13の固定を自動的に解かせる。
その結果、回収容器7は、燃料デブリ6及び底板13の荷重によって、底板13が自動的に開いて、底板13の上に集積された燃料デブリ6を貯留水3の中に落下させる。これによって、回収容器7は、燃料デブリ6を貯水施設2の底に拡散させる。その結果、燃料デブリ6は、デブリ間距離が長くなる。これによって、回収装置1は、再臨界を停止させる。
したがって、第1実施形態は、このような回収容器7を用いて、回収容器7の少なくとも底部13が貯水施設2に溜められた水の中に浸かるように、回収容器7を貯水施設2の上又は内部に配置し、燃料デブリ6が混入している混入水5を回収容器7の内部に流入させて、回収容器7の底板13の上に燃料デブリ6を集積させ、さらに、底板13の上に集積された燃料デブリ6の温度が発熱した場合に、燃料デブリ6の熱によって回収容器7の底板13を固定している固定部材(留め金17)を自動的に変形させて、底板13の固定を解かせる、という本発明に係る回収方法を実現することができる。
係る構成において、回収容器7は、底板13の上に集積された燃料デブリ6を任意のタイミングで回収することができるが、そのタイミングが遅れたり、大量の燃料デブリ6が一度に回収容器7に流入したりして、デブリ間距離が短くなり過ぎた結果、万が一、再臨界が発生した場合の「安全対策機能」として、底板13を自動的に開ける機能を有している。その「安全対策機能」は、形状記憶合金製の留め金17の変形機能と、燃料デブリ6及び底板13の荷重とを利用するものであり、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な構成によって実現している。
したがって、回収容器7は、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、外部との間で信号の入力・転送を行ったり、外部から電源供給を受けたりすることなく、自律的に再臨界を停止させることができる。その結果、回収容器7は、水の中に混入している燃料デブリ6を安全に回収(分離)することができる。
このような回収容器7は、燃料デブリ6を効率よく回収する機能と、「安全対策機能(底板13を自動的に開ける機能)」とを有している。しかも、「安全対策機能(底板13を自動的に開ける機能)」は、形状記憶合金製の留め金17が燃料デブリ6の熱によって変形することによって、実現される。そのため、回収容器7は、簡易な構成で、外部との間で信号の入力・転送を行ったり、外部から電源供給を受けたりすることなく、自律的に再臨界を停止させることができる。つまり、回収容器7は、簡易な構成で、信号の入力・転送の失敗や、電源供給の遮断等のリスクを回避しながら、自律的に再臨界を停止させることができる。
なお、ここでは、回収容器7の底板13が金網14である場合を想定して説明した。しかしながら、底板13は、水を透過させるが、一定サイズ以上の燃料デブリ6を透過させない形態であれば、必ずしも金網14である必要はなく、パンチメタル板や、メッシュ材、又は、不織布等の形態であってもよい。
また、形状記憶合金製の留め金17の変形温度は、以下の観点から、50℃以上で、かつ、100℃以下の範囲に設定されているとよい。例えば、燃料デブリ6の回収作業は、水の温度が100℃を超えると、沸騰が始まり、燃料デブリ6の冷却効率が悪化する。そのため、留め金17の変形温度は、100℃以下であることが好ましい。また、燃料デブリ6の回収作業は、留め金17の変形温度がデブリ回収作業の開始時の水温よりも低く設定されていると、底板13が最初から開いた状態になるため、実行することができない。そのため、留め金17の変形温度は、デブリ回収作業の開始時の水温よりもある程度高い温度であることが好ましい。また、燃料デブリ6の回収作業は、水温が高過ぎる場合(例えば、50℃以上の場合)には、安全性を考慮して作業を開始せず、水温が下がるのを待ってから作業を開始することになると推察される。これらの点を考慮すると、留め金17の変形温度は、50℃以上で、かつ、100℃以下の範囲が適切と考えられる。留め金17は、変形温度がこの範囲の値に設定されることにより、好適なタイミングで底板13を開けることができる。
また、底板13の小孔15の径は、回収する燃料デブリ6のサイズに応じて、任意に設定することができる。例えば、2〜5mm以上のサイズの燃料デブリ6を回収する場合は、小孔15の径を2〜5mm程度に設定することが好ましい。
以上の通り、第1実施形態に係る回収容器7によれば、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させることができる。
また、第1実施形態に係る回収装置1によれば、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、回収容器7の自律的な安全対策機能によって、自動的に再臨界を停止させることができ、その結果、水の中に混入している燃料デブリ6を安全に回収することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態に係る回収装置1は、他の場所から混入水5を貯水施設2まで移送して、移送された混入水5の中から燃料デブリ6を回収する構成になっている。
これに対して、第2実施形態は、燃料デブリ6が混入された混入水5を貯留水3として貯水施設2に溜めておき、その貯留水3の中から燃料デブリ6を回収する回収装置1Aを提供する。
<放射性物質の破砕片の回収装置の構成及び動作>
以下、図3を参照して、第2実施形態に係る回収装置1Aの構成及び動作につき説明する。図3は、第2実施形態に係る回収装置1Aの概略構成及び動作を示す模式図である。図3は、第2実施形態に係る回収装置1Aを用いて、燃料デブリ6を回収する原理を示している。図3(a)は、燃料デブリ6の回収中の回収装置1Aの動作状態を示している。また、図3(b)は、再臨界が発生した場合の回収装置1Aの動作状態を示している。
図3に示すように、第2実施形態に係る回収装置1Aは、燃料デブリ6が混入された混入水5を貯留水3として貯水施設2A(例えば、水槽やプール、タンク等)に溜める構成になっている。したがって、回収装置1Aは、燃料デブリ6が貯留水3の中に散在してしまい、その貯留水3を貯水施設2Aに溜めた状態で管理している。
回収装置1Aは、水中に、吸込管21と水中ポンプ22と接続配管23とが設けられている。また、回収装置1Aは、水面付近に、第2実施形態に係る回収容器20が設けられている。
吸込管21は、一端が貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に開放され、他端が水中ポンプ22に接続された管である。
水中ポンプ22は、貯水施設2Aに貯留水3として溜められた混入水5を吸い込み、他の場所(ここでは、回収容器20)に移送する移送手段である。
接続配管23は、一端が水中ポンプ22に接続され、他端が回収容器20に接続された管である。
接続配管23は、他端が上方向を向くように、途中で略L字状に湾曲した構成になっている。以下、接続配管23の他端を「接続配管23の上端」と称する場合がある。回収容器20は、底部の中央付近に接続管31(図4参照)が設けられており、その接続管31によって接続配管23の上端の上に装着される構成になっている。回収容器20は、接続配管23の上端から取り外されることによって、他の回収容器20に交換することが可能である。接続配管23は、接続配管23の自重と回収容器20の荷重とを支える剛性を有している。これにより、回収装置1Aは、回収容器20を安定した状態で設置することができる。
接続配管23は、ストッパ24が、上端の近傍に設けられている。ストッパ24は、回収容器20を所定の位置に固定する部材である。ここでは、ストッパ24は、回収容器20を、回収容器20の上部が水面から上に出る位置に固定しているものとして説明する。
回収容器20は、混入水5から燃料デブリ6を回収する容器である。回収装置1Aは、図3(a)に示すように、回収容器20の底部に設けられた接続管31(図4参照)から貯留水3を混入水5として回収容器20の内部に流入させる。回収容器20は、内部で混入水5を流動させた後、底板13の小孔15が、一定サイズ以上の燃料デブリ6を透過させずに、水を透過させる。これによって、回収容器20は、底板13の上に燃料デブリ6を集積させる。底板13の上に集積された燃料デブリ6は、任意のタイミングで、回収容器20を回収装置1Aから取り外して別の施設に移送することによって、そこで回収される。この場合、例えば、別の回収容器20が、新たに回収装置1Aに設置される。その結果、回収装置1Aは、引き続き、混入水5の中から一定サイズ以上の燃料デブリ6を分離して回収することができる。なお、回収装置1Aは、回収容器20の底板13の小孔15を透過した水を浄化水として貯留水3に戻す。これにより、回収装置1Aは、貯水施設2Aに溜まった貯留水3を徐々に浄化させることができる。
回収容器20は、第1実施形態に係る回収容器7と同様に、底部に、底板13が設けられている。そして、回収容器20は、第1実施形態に係る回収容器7と同様に、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合の安全対策機能として、図3(b)に示すように、底板13を自動的に開ける機能を有している。回収容器20は、この安全対策機能によって、底板13の上に集積された燃料デブリ6を、一旦底板13の上から貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に落下させる。なお、貯留水3の中に落下された燃料デブリ6は、再臨界が停止した後に、任意のタイミングで、底板13が閉じている回収容器20が回収装置1Aに設置されることによって、再度、回収装置1Aで回収される。回収容器20の詳細については、図4及び図5を参照して、後記する。
以下、混入水5(貯留水3)の中に混入している燃料デブリ6と、回収容器20の底板13の上に集積された燃料デブリ6と、貯留水3の中に落下した燃料デブリ6とを区別する場合に、混入水5(貯留水3)の中に混入している燃料デブリ6を「燃料デブリ6Aa」と称し、回収容器20の底板13の上に集積された燃料デブリ6を「燃料デブリ6Ab」と称し、貯留水3の中に落下した燃料デブリ6を「燃料デブリ6Ac」と称する。燃料デブリ6Ab,6Acのサイズは、水中ポンプ22が水流を発生させたときに、水流と一緒に回収容器20まで移動する程度の比較的小さなサイズである。
また、接続配管23は、1乃至複数枚の拡散板25が、上端の近傍のストッパ24よりも下側の位置(すなわち、回収容器20よりも下側の位置)に設けられている。拡散板25は、回収容器20の底板13の上から落下する燃料デブリ6を複数の方向に拡散させるための板状の部材である。ここでは、複数枚の拡散板25が接続配管23に設けられている場合を想定して説明する。しかしながら、拡散板25は、燃料デブリ6を複数の方向に拡散させることができれば、1枚で構成することも可能である。
<放射性物質の破砕片の回収容器の構成及び動作>
以下、図4及び図5を参照して、回収容器20の構成及び動作につき説明する。図4及び図5は、それぞれ、第2実施形態に係る回収容器20の構成を示す図である。図4は、回収容器20の外観を示している。また、図5(a)は、下方向から見た回収容器20の構成を示している。また、図5(b)は、図5(a)に示すA−A線に沿って切断した回収容器20の断面構成を示している。また、図5(c)は、図5(a)に示すB−B線に沿って切断した回収容器20の断面構成を示している。図5(d)は、再臨界が発生した場合の回収容器20の動作状態を示している。
図4に示すように、回収容器20は、容器本体11Aと、前記した底板13とを有している。
容器本体11Aは、混入水5が内部に流入される部材である。容器本体11Aは、接続管31と、ディフューザ32と、容器外周壁33とを備えている。
接続管31は、接続配管23に装着される管である。
ディフューザ32は、回収容器20の内部に流入された混入水5を全周に亘って略均等に吹き出す部材である。ディフューザ32は、接続管31に連なって構成されている。
容器外周壁33は、回収容器20の内部と外部とを仕切る壁部材である。図4に示す例では、容器外周壁33は、円柱の上を略半球状のドームで封鎖された形状に形成されている。容器外周壁33は、水も燃料デブリ6も外部に透過させない構成になっている。
図4及び図5に示すように、回収容器20の容器本体11Aは、容器外周壁33の底部の内周面側に、外周枠34が設けられている。外周枠34は、前記した底板13が取り付けられる部位である。また、図5(a)及び図5(b)に示すように、回収容器20の容器本体11Aは、底部に、接続部材35を備えている。接続部材35は、接続管31及びディフューザ32を容器外周壁33の底部の中央付近で支持する部材である。
回収容器20は、前記した通り、第1実施形態に係る回収容器7と同様に、底部に、底板13が設けられている。そして、回収容器20は、前記した通り、第1実施形態に係る回収容器7と同様に、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合の安全対策機能として、図3(b)に示すように、底板13を自動的に開ける機能を有している。
図5(a)に示すように、第2実施形態では、底板13は、第1実施形態と同様に、多数の小孔15を有する金網14によって構成されている。底板13は、蝶番16(図5(c)参照)によって、容器外周壁33の底部の内周側に設けられた外周枠34に回動自在に取り付けられている。また、底板13は、通常時に、回動しないように、形状記憶合金製の留め金17(図5(c)参照)によって、容器外周壁33の底部の中央付近に設けられた接続管31に固定されている。これにより、回収容器20は、底板13を、底部の接続管31付近から外側に向けて開ける構成にすることができる。
係る構成において、燃料デブリ6の回収は、以下のようにして行われる。
まず、回収装置1Aは、水中ポンプ22(図3(a)参照)を稼動する。このとき、水中ポンプ22は、貯水施設2Aに溜められた貯留水3を混入水5として吸い込み、回収容器20に移送する。混入水5は、接続管31及びディフューザ32を経由して回収容器20の内部に流入し、容器外周壁33に沿って流れの向きを変えながら、ディフューザ32と容器外周壁33との間を通過して、底板13に至る。
回収容器20は、通常時(通常の燃料デブリ6の回収時)に、内部の温度が常温になっている。そのため、このとき、図5(c)に示すように、回収容器20は、底板13が、蝶番16と留め金17とによって支えられた状態になっている。つまり、このとき、回収容器20は、図3(a)に示すように、底板13の小孔15(図5(a)参照)によって、水を透過させて、燃料デブリ6Abを底板13の上に集積させる状態になっている。
したがって、回収装置1Aは、燃料デブリ6Aaが混入している貯留水3を混入水5として回収容器20の内部に流入させることによって、燃料デブリ6Aaを燃料デブリ6Abとして回収容器20の底板13の上に集積させる。これにより、回収装置1Aは、燃料デブリ6Abを回収することができる。
一方、回収容器20は、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生して、底板13の上に集積された燃料デブリ6Abが発熱した場合に、内部の温度が上昇する。そのため、このとき、図5(d)に示すように、回収容器20は、留め金17が、燃料デブリ6Abの熱によって変形する。これによって、留め金17は、底板13の固定を自動的に解く。
したがって、回収装置1Aは、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生して、回収容器20の底板13の上に集積された燃料デブリ6Abが発熱した場合に、燃料デブリ6の熱によって、回収容器20の底板13を固定している形状記憶合金製の留め金17を自動的に変形させる。これによって、回収装置1Aは、回収容器20の底板13の固定を自動的に解かせる。
その結果、回収容器20は、燃料デブリ6Ab及び底板13の荷重によって、底板13が、蝶番16とともに、自動的に下方向に開いて、底板13の上に集積された燃料デブリ6Abを燃料デブリ6Acとして貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に落下させる。これにより、回収装置1Aは、再臨界を安全に停止させることができる。
図3(b)に示すように、回収容器20の下側には、拡散板25が設けられている。そのため、貯留水3の中に落下した燃料デブリ6Acは、拡散板25に衝突する。これにより、燃料デブリ6Acは、拡散板25が設けられていない場合よりも、複数の方向で、かつ、遠方に、拡散する。その結果、燃料デブリ6Acは、拡散板25が設けられていない場合よりも、デブリ間距離がさらに長くなる。これによって、回収装置1Aは、効率よく再臨界を停止させることができる。
このような回収容器20は、第1実施形態に係る回収容器7と同様に、万が一、再臨界が発生した場合の「安全対策機能」として、底板13を自動的に開ける機能を有している。その「安全対策機能」は、形状記憶合金製の留め金17の変形機能と、燃料デブリ6及び底板13の荷重とを利用するものであり、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な構成によって実現している。
したがって、回収容器20は、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、外部との間で信号の入力・転送を行ったり、外部から電源供給を受けたりすることなく、自律的に再臨界を停止させることができる。その結果、回収容器20は、水の中に混入している燃料デブリ6を安全に回収することができる。
以上の通り、第2実施形態に係る回収容器20によれば、第1実施形態に係る回収容器7と同様に、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させることができる。
また、第2実施形態に係る回収装置1Aによれば、第1実施形態に係る回収装置1と同様に、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、回収容器20の自律的な安全対策機能によって、自動的に再臨界を停止させることができ、その結果、水の中に混入している燃料デブリ6を安全に回収することができる。
<回収容器の変形例>
第2実施形態に係る回収容器20は、例えば、図6に示す回収容器20Bのように、変形することができる。図6は、第2実施形態に係る回収容器20の変形例である回収容器20Bの構成を示す図である。
図6に示すように、回収容器20Bは、容器外周壁33の内部に、間仕切り板36を有している。間仕切り板36は、回収容器20Bの内部を仕切る板である。間仕切り板36は、回収容器20Bの内部を通過する水流と平行な向き(図示例では、上下方向)に配置されている。
間仕切り板36は、底板13の上に回収された燃料デブリ6Abの再臨界を抑制するために、ホウ素(ボロン)等を含む鋼材によって構成されている。このような回収容器20Bは、間仕切り板36によって、効率よく燃料デブリ6Abの再臨界を抑制することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第2実施形態に係る回収容器20と同様の構成で、回収容器20よりも、運搬性及び交換作業性を向上させた回収容器20Cを提供する。また、第3実施形態は、その回収容器20Cの水切りを可能にした回収装置1Cを提供する。ここでは、「水切り」とは、回収容器20Cの内部から水を抜く作業を意味している。
以下、図7〜図9を参照して、第3実施形態に係る回収装置1C及び回収容器20Cの構成及び動作につき説明する。図7は、第3実施形態に係る回収装置1Cの概略構成及び動作を示す模式図である。図7は、第3実施形態に係る回収装置1Cを用いて、燃料デブリ6を回収する原理を示している。図8及び図9は、それぞれ、第3実施形態に係る回収容器20Cの構成を示す図である。図8(a)は、上方向から見た回収容器20Cの構成を示している。また、図8(b)は、下方向から見た回収容器20Cの構成を示している。また、図8(c)は、図8(a)及び図8(b)に示すA−A線に沿って切断した回収容器20Cの断面構成を示している。図9(a)及び図9(b)は、回収容器20Cの鳥瞰図である。図9(a)は、運搬時の回収容器20Cの状態を示している。図9(b)は、水切り時の回収容器20Cの状態を示している。
図7に示すように、第3実施形態に係る回収装置1Cは、第2実施形態に係る回収装置1A(図3参照)と比較すると、燃料デブリ6が混入された混入水5を貯留水3として貯水施設2A(例えば、水槽やプール、タンク等)に溜める点、水中に、吸込管21と水中ポンプ22と接続配管23とが設けられている点、貯水施設2Aに溜められた貯留水3を混入水5として回収容器20Cに移送して、回収容器20Cの底板13の上に燃料デブリ6を集積させる点で、同様の構成になっている。
ただし、図7に示すように、第3実施形態に係る回収装置1Cは、第2実施形態に係る回収装置1A(図3参照)と比較すると、(1)回収容器20の代わりに、運搬用金具41を有する回収容器20Cを用いる点、及び、(2)貯水施設20Aの上で回収容器20Cを支持するポール53を有する点で相違している。
図8及び図9に示すように、回収容器20Cは、回収容器20(図4及び図5参照)と比較すると、運搬用金具41が容器外周壁33の上に設けられている点で相違しており、それ以外は回収容器20と同様の構成になっている。運搬用金具41は、図9(a)に示すように、クレーン51で牽引したり、図7及び図9(b)に示すように、ポール53に引っ掛けたりするための金具である。
なお、ポール53は、図7及び図9(b)に示すように、貯水施設2Aの上で回収容器20Cを支持する支持体である。ここでは、図9(b)に示すように、2本のポール53が貯水施設2Aの縁から貯水施設2Aの上に横向きに張り出して設けられている場合を想定して説明する。
図9に示す例では、運搬用金具41は、垂直に交差する2枚の板材によって構成されている。運搬用金具41を構成する2枚の板材のそれぞれの端部付近には、ワイヤ52やポール53が通されるフック42が設けられている。
回収装置1Cは、図9(a)に示すように、ワイヤ52をフック42に引っ掛け、そのワイヤ52をクレーン51で牽引することによって、回収容器20Cを運搬することができる。また、回収装置1Cは、図9(b)に示すように、回収容器20Cのフック42をポール53に引っ掛けることができる。
このような回収装置1Cは、例えば、図7に示すように、接続配管23の上端に装着されていた回収容器20C(以下、「回収容器20Ca」と称する)を接続配管23から取り外して、ポール53の設置場所まで移送し、ポール53に回収容器20Caを保持させることができる。これによって、回収装置1Cは、回収容器20Caを貯留水3の上で任意の期間保持して、水切りを行うことができる。これにより、回収装置1Cは、回収容器20Cの中から水が抜かれた状態で燃料デブリ6を回収することができる。
また、回収装置1Cは、任意の場所に保管されていた別の回収容器20C(以下、「回収容器20Cb」と称する)を接続配管23の設置場所まで移送し、接続配管23の上端に装着させることができる。つまり、回収装置1Cは、例えば、一定量以上の燃料デブリ6が回収容器20Caの底板13の上に集積された場合に、収容器20Caを接続配管23から取り外して、別の回収容器20Cbと容易に交換することができる。したがって、回収容器20Cは、第2実施形態に係る回収容器20よりも、運搬性及び交換作業性を向上させることができる。
係る構成において、燃料デブリ6の回収は、以下のようにして行われる。
まず、回収装置1Cは、回収容器20Caを接続配管23の上端に装着する。
次に、回収装置1Cは、水中ポンプ22(図7参照)を稼動する。このとき、水中ポンプ22は、貯水施設2Aに溜められた貯留水3を混入水5として吸い込み、回収容器20Caに移送する。混入水5は、接続管31及びディフューザ32を経由して回収容器20Caの内部に流入し、容器外周壁33に沿って流れの向きを変えながら通過し、底板13に至る。
回収容器20Caは、通常時(通常の燃料デブリ6の回収時)に、内部の温度が常温になっている。そのため、このとき、回収容器20Caは、底板13が、蝶番16と留め金17とによって支えられた状態になっている。つまり、このとき、回収容器20Caは、底板13の小孔15(図8(b)参照)によって、水を透過させて、燃料デブリ6Abを底板13の上に集積させる状態になっている。
したがって、回収装置1Cは、燃料デブリ6Aaが混入している貯留水3を混入水5として回収容器20Caの内部に流入させることによって、燃料デブリ6Aaを燃料デブリ6Abとして回収容器20Caの底板13の上に集積させる。これにより、回収装置1Cは、燃料デブリ6Abを回収することができる。
そして、回収装置1Cは、燃料デブリ6Abがある程度回収容器20Caの内部に溜ったら、水中ポンプ22を停止する。この後、回収容器20Caは、作業員によって、ワイヤ52(図9(a)参照)が運搬用金具41のフック42に引っ掛けられる。
そして、回収装置1Cは、ワイヤ52をクレーン51で牽引することによって、回収容器20Cを接続配管23から取り外す。この後、回収装置1Cは、回収容器20Cをポール53の設置場所まで移送し、回収容器20Caの運搬用金具41のフック42を、貯留水3の上に横向きに張り出している2本のポール53に引っ掛ける。これによって、回収装置1Cは、回収容器20Caを貯留水3の上で任意の期間保持することができる。
燃料デブリ6Abは、回収容器20Caの底板13の上に集積されている。そのため、回収容器20Caを貯留水3の上で保持することは、水切り作業を行うことを意味している。したがって、回収装置1Cは、貯留水3の上で回収容器20Caを任意の期間保持することによって、水切り作業を行うことができる。
なお、回収容器20Caは、水切り作業中に、万が一、再臨界が発生して、底板13の上に集積された燃料デブリ6Abが発熱した場合に、内部の温度が上昇する。そのため、このとき、回収容器20Caは、留め金17が、燃料デブリ6Abの熱によって変形する。これによって、留め金17は、底板13の固定を自動的に解く。
したがって、回収装置1Cは、水切り作業中に、万が一、再臨界が発生して、回収容器20Caの底板13の上に集積された燃料デブリ6Abが発熱した場合に、燃料デブリ6の熱によって、回収容器20Caの底板13を固定している形状記憶合金製の留め金17を自動的に変形させる。これによって、回収装置1Cは、回収容器20Caの底板13の固定を自動的に解かせる。
その結果、回収容器20Caは、燃料デブリ6Ab及び底板13の荷重によって、底板13が、蝶番16とともに、自動的に下方向に開いて、底板13の上に集積された燃料デブリ6Abを燃料デブリ6Acとして貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に落下させる。これにより、回収装置1Cは、水抜き中に発生した再臨界を安全に停止させることができる。
なお、回収装置1Cは、水切り作業と並行して、任意の場所に保管されていた別の回収容器20Cbを接続配管23の設置場所まで移送し、接続配管23の上端に装着させる。これによって、回収装置1Cは、回収容器20Cの交換作業を容易に行って、燃料デブリ6の回収作業を安全かつ効率的に継続することができる。
以上の通り、第3実施形態に係る回収容器20Cによれば、第2実施形態に係る回収容器20と同様に、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させることができる。
しかも、回収容器20Cによれば、第2実施形態に係る回収容器20よりも、運搬性及び交換作業性を向上させることができる。また、水切り作業を容易に行うことができる。
また、第3実施形態に係る回収装置1Cによれば、第2実施形態に係る回収装置1Aと同様に、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、回収容器20Cの自律的な安全対策機能によって、自動的に再臨界を停止させることができ、その結果、水の中に混入している燃料デブリ6を安全に回収することができる。
しかも、回収装置1Cによれば、第2実施形態に係る回収装置1Aよりも、回収容器20Cの運搬作業、交換作業、及び、水切り作業を容易に行うことができる。
[第4実施形態]
第2実施形態に係る回収装置1Aは、浄化水を貯水施設2Aに戻す構成になっている。
これに対して、第4実施形態は、浄化水を貯水施設2Aとは異なる他の貯水施設2Bに移送する回収装置1Dを提供する。
<放射性物質の破砕片の回収装置の構成及び動作>
以下、図10を参照して、第4実施形態に係る回収装置1Dの構成及び動作につき説明する。図10は、第4実施形態に係る回収装置1Dの概略構成及び動作を示す模式図である。図10は、第4実施形態に係る回収装置1Dを用いて、燃料デブリ6を回収する原理を示している。
図10に示すように、第4実施形態に係る回収装置1Dは、第2実施形態に係る回収装置1A(図3参照)と比較すると、貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に混入している燃料デブリ6を回収する点で、同様の構成になっている。
ただし、図10に示すように、第4実施形態に係る回収装置1Dは、第2実施形態に係る回収装置1A(図3参照)と比較すると、(1)回収容器20の代わりに、第4実施形態に係る回収容器20Dを用いる点、(2)水中(貯水施設2Aの中)に設けられていた吸込管21及び水中ポンプ22が削除される代わりに、吸込管61と、貯水施設2Aの外に設けられたポンプ62と、吐出管63とを備える点、(3)ポンプ制御装置64と温度計SN1,SN2と線量計SN3とを備える点、及び、(4)燃料デブリ6を分離した後の浄化水を貯留水3に戻し、貯留水3を一つの貯水施設2Aの内部で循環させながら、燃料デブリ6を回収するのではなく、燃料デブリ6を分離した後の浄化水を貯水施設2Aとは異なる別の貯水施設2B(例えば、水槽やプール、タンク等)に移送しながら、燃料デブリ6を回収する点で相違している。
なお、回収容器20Dは、第2実施形態に係る回収容器20と同様の構成で、吸込管61と接続するための接続管38が上部に設けられた容器である。回収容器20Dは、貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に開放された接続配管23の上端に装着されている。なお、接続配管23の上端の近傍には、回収容器20Dを固定するためのストッパ24が設けられている。回収容器20Dの詳細については、図11を参照して、後記する。
また、吸込管61は、一端が回収容器20Dに接続され、他端がポンプ62に接続された管である。
ポンプ62は、水を移送する移送手段である。
吐出管63は、一端がポンプ62に接続され、他端が貯水施設2Bに接続された管である。
また、ポンプ制御装置64は、ポンプ62を制御する機能手段である。
温度計SN1は、ポンプ62の温度を検出するセンサである。
温度計SN2は、回収容器20Dの内部の温度を検出するセンサである。
線量計SN3は、回収容器20Dの内部の放射線量を検出するセンサである。
回収装置1Dは、第2実施形態に係る回収装置1Aと同様に、燃料デブリ6が貯留水3の中に散在してしまい、その貯留水3を貯水施設2Aに溜めた状態で管理している。回収装置1Dは、接続配管23、回収容器20D、吸込管61、ポンプ62、吐出管63が設置される。
ポンプ62は、吸込管61を介して回収容器20Dに接続されており、また、吐出管63を介して貯水施設2Bに接続されている。ポンプ62は、吸込管61を介して回収容器20Dの内部の混入水5を吸い込む。このとき、回収容器20Dは、後記する金網39によって、混入水5を燃料デブリ6と浄化水71とに分離する。その結果、ポンプ62は、吸込管61を介して、浄化水71を吸い込み、さらに、吐出管63を介して、吸い込んだ浄化水71を貯水施設2Bに移送する。これにより、回収装置1Dは、浄化水71を貯水施設2Bに溜めることができる。
<放射性物質の破砕片の回収容器の構成及び動作>
以下、図11を参照して、回収容器20Dの構成及び動作につき説明する。図11(a)は、下方向から見た回収容器20Dの構成を示している。また、図11(b)は、図11(a)に示すB−B線に沿って切断した回収容器20Dの断面構成を示している。
図11に示すように、回収容器20Dは、第1実施形態に係る回収容器20と比較すると、(1)容器外周壁33の代わりに、容器外周壁33Dを備えている点、及び、(2)底板13が、金網14の代わりに、メッシュ材37によって構成されている点で相違しており、これら以外は同様の構成になっている。
第4実施形態に係る容器外周壁33Dは、上部に、接続管38が設けられている。接続管38は、吸込管61(図10参照)が接続される管である。接続管38は、下端の開口部を覆うように、金網39が設けられている。金網39は、回収容器20Dの内部の混入水5を燃料デブリ6と浄化水71とに分離する部材である。
メッシュ材37は、金網39よりも目の細かい部材である。メッシュ材37は、回収容器20Dの底板13として用いられており、燃料デブリ6がその上に集積される。
なお、回収容器20Dは、第2実施形態に係る回収容器20と同様に、接続管31及びディフューザ32を接続部材35によって容器外周壁33Dの底部の中央付近で支持している。
また、回収容器20Dは、第2実施形態に係る回収容器20と同様に、底板13(メッシュ材37)が蝶番16によって、容器外周壁33Dの底部の内周側に設けられた外周枠34に回動自在に取り付けられている。
また、回収容器20Dは、第2実施形態に係る回収容器20と同様に、底板13(メッシュ材37)が通常時に回動しないように、底板13を形状記憶合金製の留め金17によって容器外周壁33Dの底部の中央付近に設けられた接続管31に固定されている。
係る構成において、燃料デブリ6の回収は、以下のようにして行われる。
まず、回収装置1Dは、ポンプ62(図10参照)を稼動する。このとき、ポンプ62は、回収装置1Dの接続管38及び吸込管61を介して、回収容器20Dの内部の混入水5を吸い込む。このとき、燃料デブリ6は、接続管38に設けられた金網39を透過できない。一方、水の多くは、金網39を透過することができる。そのため、回収容器20Dは、金網39によって、混入水5を燃料デブリ6と浄化水71とに分離する。その結果、ポンプ62は、回収装置1Dの接続管38及び吸込管61を介して、浄化水71を吸い込む。
また、このとき、回収容器20Dは、浄化水71がポンプ62に吸い込まれることに伴って、接続配管23介して貯水施設2Aに溜められた貯留水3を混入水5として吸い込む。混入水5は、接続管31及びディフューザ32を経由して回収容器20Dの内部に流入し、金網39に至る。このとき、回収容器20Dは、金網39によって、吸い込まれた混入水5を燃料デブリ6と浄化水71とに分離する。その結果、ポンプ62は、貯水施設2Aに溜められた貯留水3から抽出された浄化水71を吸い込む。
また、このとき、燃料デブリ6と水の一部は、容器外周壁33Dに沿って流れの向きを変えながら、ディフューザ32と容器外周壁33Dとの間を通過して、底板13(メッシュ材37)に至る。
回収容器20Dは、通常時(通常の燃料デブリ6の回収時)に、内部の温度が常温になっている。そのため、このとき、回収容器20Dは、底板13が、蝶番16と留め金17とによって支えられた状態になっている。つまり、このとき、回収容器20Dは、底板13(メッシュ材37)によって、水を透過させて、燃料デブリ6Abを底板13の上に集積させる状態になっている。
したがって、回収装置1Dは、燃料デブリ6Aaが混入している貯留水3を混入水5として回収容器20Dの内部に流入させることによって、燃料デブリ6Aaを燃料デブリ6Abとして回収容器20Dの底板13(メッシュ材37)の上に集積させる。これにより、回収装置1Dは、燃料デブリ6Abを回収することができる。
なお、金網39及びメッシュ材37は、ともに、水を透過させるものの、燃料デブリ6を透過させないという機能を有している。しかしながら、金網39は、メッシュ材37よりも目が粗く、透過抵抗が小さい。そのため、回収装置1Dは、流量が大きい場所に、透過抵抗が比較的小さい金網39を配置し、一方、流量が小さい場所に、透過抵抗が比較的大きいメッシュ材37を配置している。
ポンプ62は、回収容器20Dの接続管38と吸込管61とを介して、回収容器20Dの金網39を通過した浄化水71を吸い込むと、吐出管63を介して、吸い込んだ浄化水71を貯水施設2Bまで移送し、貯水施設2Bに流入させる。その結果、浄化水71が、貯水施設2Bに溜められる。
回収装置1Dは、燃料デブリ6の回収作業を続けると、貯水施設2Aに貯留している貯留水3の水位が低下する。そのため、回収装置1Dは、給水配管4から不足分の混入水5を供給する。
なお、回収装置1Dは、発熱を伴う異常がポンプ62に発生した場合に、ポンプ62を自動的に停止させる機能が付与されている。この機能は、例えば、回収装置1Dを以下のように構成することによって、実現される。例えば、回収装置1Dのポンプ制御装置64は、燃料デブリ6の回収中に、温度計SN1によって検出されるポンプ62の温度を監視する。ポンプ制御装置64は、温度計SN1によって検出された値に基づいて、発熱を伴う異常がポンプ62に発生した場合に、ポンプ62を停止させる。
また、回収装置1Dは、万が一、再臨界が発生した場合に、ポンプ62を自動的に停止させる機能が付与されている。この機能は、例えば、回収装置1Dを以下のように構成することによって、実現される。例えば、回収装置1Dのポンプ制御装置64は、温度計SN2によって検出される回収容器20Dの内部の温度を監視するとともに、温度計SN3によって検出される回収容器20Dの内部の放射線量を監視する。そして、ポンプ制御装置64は、万が一、再臨界が発生して、回収容器20Dの底板13(メッシュ材37)の上に集積された燃料デブリ6Abが発熱した場合に、温度計SN2及び線量計SN3によって検出された値に基づいて、再臨界の発生を検出し、ポンプ62を停止させる。
なお、これらの機能は、異常の発生を検知する機能と、異常の発生が検知されたときに、異常の発生を通知する通知信号をポンプ制御装置64に出力する機能とを温度計SN1,SN2及び線量計SN3に持たせ、温度計SN1,SN2及び線量計SN3のいずれかから通知信号がポンプ制御装置64に出力された場合に、ポンプ制御装置64がこれに応答してポンプ62を停止させることによって、実現することもできる。
ただし、このようなポンプ62を自動的に停止させる機能は、温度計SN1,SN2や線量計SN3等のセンサとポンプ制御装置64とが、全て、正常で、かつ、必要な電源が供給されていることを前提にする。
また、回収容器20Dは、第2実施形態に係る回収容器20と同様に、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合の「安全対策機能」として、底板13(メッシュ材37)を自動的に開ける機能を有している。
すなわち、回収装置1Dは、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生して、回収容器20Dの底板13(メッシュ材37)の上に集積された燃料デブリ6Abが発熱した場合に、燃料デブリ6の熱によって、回収容器20Dの底板13を固定している形状記憶合金製の留め金17を自動的に変形させる。これによって、回収装置1Dは、回収容器20Dの底板13の固定を自動的に解かせる。
その結果、回収容器20Dは、燃料デブリ6Ab及び底板13(メッシュ材37)の荷重によって、底板13が、蝶番16とともに、自動的に下方向に開いて、底板13の上に集積された燃料デブリ6Abを燃料デブリ6Acとして貯水施設2Aに溜められた貯留水3の中に落下させる。これにより、回収装置1Dは、再臨界を安全に停止させることができる。
この「安全対策機能」は、形状記憶合金製の留め金17の変形機能と、燃料デブリ6及び底板13の荷重とを利用するものであり、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な構成によって実現している。
なお、第4実施形態に係る回収装置1Dは、ポンプ62を回収容器20Dの出口側に接続した構成になっている。しかしながら、第4実施形態に係る回収装置1Dは、ポンプ62とは別の図示せぬポンプ(又は、図示せぬ水中ポンプ)を用い、ポンプ62と図示せぬポンプとを回収容器20Dの入口側と出口側との双方に接続する構成にすることもできる。
以上の通り、第4実施形態に係る回収容器20Dによれば、第2実施形態に係る回収容器20と同様に、外部からの信号入力や電源供給等が不要な自律的な安全対策機能を備え、自律的に再臨界を停止させることができる。
また、第4実施形態に係る回収装置1Dによれば、第2実施形態に係る回収装置1Aと同様に、燃料デブリ6の回収中に、万が一、再臨界が発生した場合であっても、回収容器20Dの自律的な安全対策機能によって、自動的に再臨界を停止させることができ、その結果、水の中に混入している燃料デブリ6を安全に回収することができる。
しかも、回収装置1Dによれば、第2実施形態に係る回収装置1Aと比較すると、浄化水を貯水施設2Aとは別の貯水施設2Bに集めることができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は、原子力施設で使用する核燃料物質が破損し、比較的小さな大きさの燃料破砕片(デブリ)が散在してしまった場合に、散在している中で比較的小さな大きさのデブリを回収する作業に好適である。
また、水中で核燃料物質や比較的大きな大きさの破損燃料片を切断する場合に、切断作業で発生する比較的小さな大きさのデブリを回収する作業にも適用できる。
1,1A,1B,1C,1D 回収装置
2,2A,2B 貯水施設(水槽)
3 貯留水
4 給水配管
5 混入水
6(6a,6b,6c) 核燃料物質の破砕片(燃料デブリ)
7,20,20B,20C,20D 回収容器
8 支持材
9 排水管
11,11A 容器本体
12 開口部
13 底板(回収部)
14 金網
15 小孔
16 蝶番
17 留め金(固定部材)
21 吸込管
22 水中ポンプ
23 接続配管
24 ストッパ
25 拡散板
31 接続管
32 ディフューザ
33,33A,33D 容器外周壁
34 外周枠
35 接続部材
36 間仕切り板
37 メッシュ材
38 接続管
39 金網
41 運搬用金具
42 フック
51 クレーン
52 ワイヤ
53 ポール(支持体)
61 吸込管
62 ポンプ
63 吐出管
64 ポンプ制御装置
71 浄化水
SN1,SN2 温度計
SN3 線量計

Claims (19)

  1. 少なくとも底部が貯水施設に溜められた水の中に浸かるように、当該貯水施設の上又は内部に配置される容器本体と、
    前記容器本体の前記底部に設けられた底板と、
    前記底板を前記容器本体に固定する固定部材とを有し、
    前記底板は、核燃料物質の破砕片が混入している混入水が前記容器本体の内部に流入された場合に、当該混入水の中に混入している一定サイズ以上の当該核燃料物質の破砕片を透過させずに、水を透過させることによって、当該底板の上に当該核燃料物質の破砕片を集積させる複数の小孔が設けられており、
    前記固定部材は、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成されており、前記底板の上に集積された前記核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、当該核燃料物質の破砕片の熱によって変形して、前記底板の固定を解く
    ことを特徴とする放射性物質の破砕片の回収容器。
  2. 前記底板は、前記小孔を有する、金網、パンチメタル板、メッシュ材、及び、不織布のいずれかによって構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射性物質の破砕片の回収容器。
  3. 前記固定部材が変形する温度は、50℃以上で、かつ、100℃以下の範囲に設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射性物質の破砕片の回収容器。
  4. 前記底板は、蝶番によって回動自在に前記容器本体に取り付けられており、
    前記固定部材は、通常時に、前記底板が回動しないように、前記底板を前記容器本体に固定している
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の放射性物質の破砕片の回収容器。
  5. 前記容器本体は、上部に、前記混入水が流入される開口部が設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射性物質の破砕片の回収容器。
  6. 前記容器本体は、前記底部に、前記混入水を移送する配管と接続される接続管を有しており、
    前記底板は、それぞれが前記接続管を中心にして放射状に配置されるように、複数枚に分断されており、
    前記蝶番は、前記複数枚に分断された底板のそれぞれに対応して、前記底部の外周付近に複数設けられており、
    前記固定部材は、前記複数枚に分断された底板のそれぞれに対応して、前記底部の前記接続管付近に複数設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の放射性物質の破砕片の回収容器。
  7. さらに、前記容器本体の内部に、間仕切り板を有しており、
    前記間仕切り板は、前記底板の上に集積された前記核燃料物質の破砕片の再臨界を抑制するためのホウ素を含む鋼材で構成されており、かつ、前記容器本体の内部を通過する水流と平行な向きに配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の放射性物質の破砕片の回収容器。
  8. 回収容器の少なくとも底部が貯水施設に溜められた水の中に浸かるように、当該回収容器を当該貯水施設の上又は内部に配置し、
    核燃料物質の破砕片が混入している混入水を前記回収容器の内部に流入させて、当該回収容器の底板の上に当該核燃料物質の破砕片を集積させ、
    さらに、前記底板の上に集積された前記核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、当該核燃料物質の破砕片の熱によって、当該回収容器の前記底板を固定している、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成された固定部材を変形させて、当該回収容器に前記底板の固定を解かせる
    ことを特徴とする放射性物質の破砕片の回収方法。
  9. 前記混入水を貯留水として前記貯水施設に溜めておき、
    前記混入水を移送手段によって前記回収容器に流入させて、当該混入水に混入している前記核燃料物質の破砕片を当該回収容器の前記底板の上に集積させるとともに、当該底板を透過した浄化水を前記貯水施設に戻す
    ことを特徴とする請求項8に記載の放射性物質の破砕片の回収方法。
  10. 前記混入水を前記貯水施設に溜めておき、
    前記混入水を移送手段によって前記回収容器に流入させて、当該混入水に混入している前記核燃料物質の破砕片を当該回収容器の前記底板の上に集積させるとともに、当該底板を透過した浄化水を前記貯水施設とは異なる別の貯水施設に移送する
    ことを特徴とする請求項8に記載の放射性物質の破砕片の回収方法。
  11. 前記回収容器の下方に1乃至複数枚の拡散板を予め設けておき、
    前記固定部材が前記底板の固定を解いたときに、前記底板の上から落下する前記核燃料物質の破砕片を当該拡散板に衝突させて、当該核燃料物質の破砕片を複数の方向に拡散させる
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の放射性物質の破砕片の回収方法。
  12. 前記回収容器は、前記貯留水が通る配管の上に、取り外し自在な状態で装着されており、一定量以上の前記核燃料物質の破砕片が前記底板の上に集積された場合に、当該配管から取り外されて別の回収容器と交換される
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の放射性物質の破砕片の回収方法。
  13. 前記回収容器は、前記配管から取り外された後に、前記貯水施設の上で保持されることによって、水切りが行われ、さらに、水切りが行われている間に、前記底板の上に集積された前記核燃料物質の破砕片が発熱した場合に、前記底板の固定を解いて、前記核燃料物質の破砕片を前記底板の上から前記貯水施設に溜められた水の中に落下させる
    ことを特徴とする請求項12に記載の放射性物質の破砕片の回収方法。
  14. 水を溜める貯水施設と、
    少なくとも底部が前記貯水施設に溜められた水の中に浸かるように、当該貯水施設の上又は内部に配置され、温度に応じて変形する形状記憶合金によって構成された固定部材で、前記底部に設けられた底板を固定している回収容器と、
    核燃料物質の破砕片が混入している混入水を移送して前記回収容器の内部に流入させる移送手段とを有する
    ことを特徴とする放射性物質の破砕片の回収装置。
  15. 前記移送手段は、前記貯水施設の内部に設けられ、前記貯水施設に貯留水として溜められた前記混入水を吸い込む水中ポンプとして構成されており、
    さらに、一端が前記貯水施設に溜められた前記貯留水の中に開放され、他端が前記水中ポンプに接続された吸込管と、
    一端が前記水中ポンプに接続され、他端が前記回収容器に接続された配管とを有する
    ことを特徴とする請求項14に記載の放射性物質の破砕片の回収装置。
  16. 前記移送手段は、前記貯水施設の外部に設けられ、前記回収容器を介して前記貯水施設に貯留水として溜められた前記混入水を吸い込むポンプとして構成されており、
    さらに、前記核燃料物質の破砕片が混入していない浄化水を溜めるための、前記貯水施設とは異なる別の貯水施設と、
    一端が前記貯水施設に溜められた前記貯留水の中に開放され、他端が前記回収容器に接続された配管と、
    一端が前記回収容器に接続され、他端が前記ポンプに接続された吸込管と、
    一端が前記ポンプに接続され、他端が前記別の貯水施設に接続された吐出管とを有する
    ことを特徴とする請求項14に記載の放射性物質の破砕片の回収装置。
  17. 前記配管の端部は、前記回収容器の装着及び取り外しが自在な形状になっており、
    前記配管は、当該配管の自重と前記回収容器の荷重とを支える剛性を有している
    ことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の放射性物質の破砕片の回収装置。
  18. さらに、前記回収容器の下方に設けられ、前記回収容器の前記底板の上から落下する核燃料物質の破砕片と衝突して、当該核燃料物質の破砕片を複数の方向に拡散させる1乃至複数枚の拡散板を有する
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項17のいずれか一項に記載の放射性物質の破砕片の回収装置。
  19. 前記回収容器は、運搬に用いられる運搬用金具を備えており、
    さらに、前記回収容器の前記運搬用金具と係合して、前記貯水施設の上方で前記回収容器を支持する支持体を有している
    ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれか一項に記載の放射性物質の破砕片の回収装置。
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