JP2016108687A - ポリエステル系繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル系繊維布帛およびその製造方法 Download PDF

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芳哲 星野
柄澤 留美
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留美 柄澤
恒光 喜多川
Tsunemitsu Kitagawa
恒光 喜多川
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Abstract

【課題】パーフルオロオクタン酸(PFOA)を含有しない炭素数が6以下のフッ素系撥水剤を使うことにより、PFOAによる環境残留性と生態蓄積性の課題を解決し、洗濯耐久性を有する撥水性能と黒色深色性とを両立させたポリエステル系繊維布帛の提供。【解決手段】ポリエステル系繊維を含む黒色に染色された布帛を染色後に低温プラズマ処理を施した繊維表面に、フッ素系撥水剤及びアクリル酸エステル重合物を含む混合分散液を付与・固着し、乾燥させ乾熱処理をすることにより製造することができ、撥水剤の飛行時間二次イオン質量分析によるPFOAの含有量が、0.02ppb未満のポリエステル系繊維布帛。フッ素系撥水剤が炭素数6以下のパーフルオロアルキル基含有アクリレート共重合体からなる、ポリエステル系繊維布帛。【選択図】なし

Description

本発明は、パーフルオロオクタン酸(以下、PFOAと略すことがある。)の排出を抑えた環境に配慮した洗濯耐久性に優れた深色性と撥水性を有するポリエステル系繊維を含む布帛に関するもので、主に学衣詰襟用途に好適な布帛、およびその製造方法に関するものである。
従来、布帛において深色性と撥水性の機能を付与するために、フッ素系撥水剤が広く使用されていたが、これらのフッ素系撥水剤は、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する構造となっており、この構造から副生成物として環境残留性と生態蓄積性が懸念されるPFOAが微量に含有する可能性が指摘されていることから、炭素数を6以下にすることにより、PFOAを含有しないフッ素系撥水剤を使用した布帛が要望されている。
しかしながら、炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系撥水剤は、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する撥水剤と比較して撥水性能、特に洗濯耐久性が劣ることが課題となっている。
また、炭素数6以下のフッ素系撥水剤とアクリル系樹脂で同浴処理することにより、布帛に撥水材を固着させた場合も、洗濯耐久性を有する撥水性能と深色性を両立させることは難しいが、学衣詰襟用途の布帛では、洗濯耐久性に優れた撥水性能と黒色に特化した深色性とを同時に達成することが求められる。
従来、布帛にフッ素系撥水剤と低屈折化合物で処理して洗濯耐久性を有する撥水性と深色性を付与することが知られている。具体的には、予め低温プラズマ処理を施し、染色後にフッ素系撥水剤と低屈折率化合物とをパディング法で付与する方法が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この提案は、染色前に低温プラズマ処理をすることにより染料の吸尽性を向上させる方法であり、この低温プラズマ処理によりフッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物を強固に固着させることにより、洗濯耐久性を有する撥水性と深色性を付与する方法である。
また、洗濯耐久性を有する深色撥水加工布帛の製造方法として、プラズマ加工処理後の布帛に、フッ素系撥水剤と深色化剤の反応性シリコーンや反応性ウレタンを同時に付与する方法が提案されているが(特許文献2参照。)、この提案の場合、一般的なフッ素系撥水剤は、PFOAを含有する可能性があることに加えて、シリコーン樹脂による風合い変化や滑脱抵抗力の低下や、ウレタン系樹脂による染色堅牢度を低下させるという課題がある。
また別に、洗濯耐久性を有する制電性と撥水性を兼ね備えたポリアミド繊維布帛の製造方法として、プラズマ処理後にフッ素系撥水剤と制電剤を同時に付与する方法が提案されている(特許文献3参照。)。しかしながら、この提案は、ポリアミド繊維に対する制電性と撥水性を付与するための技術であり、ポリエステル繊維を含む布帛に黒色の深色性と撥水性を付与する技術とは本質的に異なるものである。
特開平7−310278号公報 特開2007−291537号公報 特開2013−49942号公報
そこで本発明の目的は、パーフルオロオクタン酸(PFOA)を含有しない炭素数が6以下のフッ素系撥水剤を使用することにより、PFOAによる環境残留性と生態蓄積性の課題を解決しながら、洗濯耐久性を有する撥水性能と深色性とを両立させたポリエステル系繊維布帛を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであり、本発明のポリエステル系繊維布帛は、ポリエステル系繊維を含む黒色に染色された布帛であって、染色後に低温プラズマ処理が施された繊維表面にフッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物が固着されてなり、前記のフッ素系撥水剤の飛行時間二次イオン質量分析によるPFOAの含有量が、検出限界の0.02ppb未満であることを特徴とするポリエステル系繊維布帛である。
本発明のポリエステル系繊維布帛の好ましい態様によれば、前記のフッ素系撥水剤は、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体からなることである。
本発明のポリエステル系繊維布帛の好ましい態様によれば、染色後の生地のL値(明度)に対して、前記のフッ素系撥水剤および前記のアクリル酸エステル重合物を固着させた後の布帛のL値の低下は1.0以上である。
本発明のポリエステル系繊維布帛の好ましい態様によれば、前記のポリエステル系繊維布帛の洗濯20回後の撥水性は、3級以上である。
本発明のポリエステル系繊維布帛の好ましい態様によれば、前記のポリエステル系繊維を含む布帛に、羊毛が混合されてなることである。
本発明のポリエステル系繊維布帛は、黒色に染色された生地に、低温プラズマ処理を施し、次いでフッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物を含む混合分散液を付与した後、乾燥させ乾熱処理をすることにより製造することができる。
本発明のポリエステル系繊維布帛の製造方法の好ましい態様によれば、前記のフッ素系撥水剤として、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体が用いられる。
本発明は、PFOAの排出を抑え環境に配慮したフッ素系撥水剤を使用しながら、洗濯耐久性に優れた深色性と撥水性を有する布帛について鋭意検討した結果、黒色染色後の布帛に予め低温プラズマ処理し、フッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物を布帛上に固着させることにより、上記の課題を一挙に解決することを究明したものである。
すなわち、本発明によれば、パーフルオロオクタン酸(PFOA)を含有しないフッ素系撥水剤を使用することにより、PFOAによる環境残留性と生態蓄積性の課題を解決しながら、洗濯耐久性を有する撥水性能と深色性とを両立させたポリエステル系繊維布帛が得られる。
本発明のポリエステル系繊維布帛は、ポリエステル系繊維を含む黒色に染色された布帛であって、染色後に低温プラズマ処理が施された繊維表面にフッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物が固着されてなり、前記のフッ素系撥水剤の飛行時間二次イオン質量分析によるPFOAの含有量が、検出限界の0.02ppb未満のポリエステル系繊維布帛である。
本発明で用いられるポリエステル系繊維を含む布帛または生地は、さらにレーヨンやアセテート等の再生繊維、綿、麻、絹および羊毛等の天然繊維が含まれることが許容され、中でも、発色性、風合いおよび保温性の観点から羊毛が混合された布帛が好ましく用いられる。
本発明に使用される布帛または生地の形態としては、織物、編物および不織布等を挙げることができる。
本発明では、黒色に染色されたポリエステル系繊維を含む生地に対し、予め低温プラズマ処理を行うことを特徴としており、その後、フッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物の混合分散液を、パッド−ドライ−キュア法で繊維表面上に固着させるものである。本発明では、このように予め低温プラズマ処理がされた繊維表面が親水性化されていることから、フッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物が繊維状に強固に固着し、優れた洗濯耐久性を有する撥水性と深色性とを得ることができる。
本発明においては、フッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物の混合分散液に、イソシアネート系架橋剤やメラミン系架橋剤をさらに混合して使用することができる。本発明でいうところの黒色とは、布帛を測色した際に、L値が17.0以下のものを指す。
本発明に使用される低温プラズマ処理は、ガスに高電圧を印加することによって発生する放電を意味するものであり、このような放電には、火花放電、コロナ放電およびグロー放電等種々の形態のものがあるが、本発明で好適に用いられる放電形態は、繊維に損傷を与えにくく放電が均一であるグロー放電である。
グロー放電は、好ましくは500Pa以下の減圧下で発生させ、装置内雰囲気のガスをプラズマ化するもので、ガスの種類としては、Ar、N、He、CO、CO、空気および水蒸気等が挙げられ、好適には5〜180秒の範囲の処理時間で行われる。
本発明で好適に使用されるフッ素系撥水剤は、炭素数が好ましくは6以下1以上のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体であって、飛行時間二次イオン質量分析(TOF−SIMS)によりPFOAの含有量が検出限界(0.02ppb)未満であり、この分析方法は高速液体クロマトグラフィーを用いたPFOAの検出限界(2ppb)よりも高感度な分析を可能としており、実質的にPFOAを含有していないことを示す指標とした。PFOAの含有量は、少ないほど好ましい態様である。
また、本発明で用いられるフッ素系撥水剤の市販品としては、旭硝子(株)製のアサヒガードEシリーズAG−E061、クラリアントジャパン(株)製のNUVA N2114、ダイキン工業(株)製のユニダインTG−5521、日華化学(株)製のNKガードS22、および京浜化成(株)製のMKT−B70等が挙げられる。
また、本発明で使用されるアクリル酸エステル重合物は、その屈折率が1.5以下のものであることが好ましく、例えば、ポリブチルアクリレートやポリメチルアクリレート等のアクリル酸エステル重合物またはその共重合物を使用することができる。アクリル酸エステル重合物の市販品としては、北広ケミカル(株)製のライトエポックAKBや、(株)京絹化成製のブライトン339−40等が挙げられる。
フッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物の使用割合は、実用上使用に適した濃度範囲として、フッ素系撥水剤を化合物固形分として好ましくは0.1〜30.0g/L、より好ましくはコストと薬剤効果の観点から10.0〜20.0g/Lと、アクリル酸エステル重合物を化合物固形分として好ましくは0.1〜10.0g/L、より好ましくはコストと薬剤効果の観点から0.1〜4.0g/Lの範囲で混合分散させた混合分散液を、生地(布帛)質量に対して好ましくは10〜150質量%、より好ましくは薬剤付着効率の観点から、20〜150質量%、さらに好ましくは80〜150質量%の混合分散液を付着させることが好ましい態様である。
この混合分散液は、水系エマルジョンまたは任意の酸でpHが調整された水系エマルジョンにより、調合することができる。任意の酸としては、蟻酸、酢酸、硫酸、クエン酸およびリンゴ酸またはこれら酸を使用した緩衝液等を使用することができる。また、水系エマルジョンの布帛への浸透性を向上させる目的で、溶媒を混合添加することができる。この溶媒としては、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。また、添加濃度は、実用上に適した濃度範囲として、0〜60g/Lの範囲で添加することが好ましい。
深色性を数値化する尺度は、国際照明委員会(CIE)で規格化されたCIELABより求められるL値(明度)を使用し、ΔL値は基準色(染色後または先染め品は精練後)対比のパッド−ドライ−キュア後の布帛のL値との差をL値低下とし、実質的に深色性が付与されたと目視で確認できる指標としてΔL≧1.0を達成することにより、課題である深色性が付与できたものと判断した。
また、洗濯耐久性を有した撥水性能を数値化する尺度として、JIS L0217:1995の付表1の番号103法の洗濯条件で20回洗濯した後の撥水性(JIS L1092:2009 スプレー法)を用いて評価し、3級以上の場合に実質的な撥水性を有している指標として判断した。
本発明で使用されるフッ素系撥水剤とアクリル酸エステル重合物の混合分散液に、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに制電剤、柔軟剤および硬仕上げ剤を含有させることができる。
深色性を数値化する尺度は、国際照明委員会(CIE)で規格化されたCIELABより求められるL値(明度)を使用し、ΔL値は基準色(染色後または先染め品は精練後)対比のパッド−ドライ−キュア後の布帛のL値の差を表す。測色計には、コニカミノルタ製の“CM−2600d”を用いて測色した。
このポリエステル系繊維を含む布帛は、黒色に染色された生地に、低温プラズマ処理を施し、次いで、好ましくは炭素数が6以下1以上のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体からなるフッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物を含む混合分散液を付与した後、ネットドライヤー、シリンダードライヤー、テンター等の設備を用いて乾燥させその後、ベーキング機やテンター等の設備を用いて乾熱処理を施すことにより製造することができる。
この黒色に染色された生地については、わた、スライバーおよび糸形状等の状態で染色した後、生地形状に加工される先染めを採用することができる。また、わた、スライバーおよび糸等を生地形状に加工した後、その生地を染色する後染めを採用することができる。
ポリエステル系繊維布帛の用途については、紳士服、婦人服、礼服、学生服、ジャケット、カジュアルウェア、ユニフォームおよびスポーツウェア等の一般衣料用途の布帛として使用できるが、特に好ましくは、礼服や詰襟学生服用途の布帛として使用することができる。
次に、本発明のポリエステル系繊維布帛とその製造方法について、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。本発明における特性の評価方法は、次のとおりである。
1.初期撥水性(級):
JIS L1092:2009 スプレー法による撥水性評価により、3級以上合格とした。
2.20回洗濯後撥水性(級):
JIS L0217:1995 103法に規定されている洗濯条件で20回洗濯後のJIS L1092:2009 スプレー法による撥水性評価により、3級以上を合格とした。
3.L値とL値低下:
深色性を数値化する尺度は、国際照明委員会(CIE)で規格化されたCIELABより求められるL値(明度)を使用し、ΔL値は基準色(染色後または先染め品は精練後)対比のパッド−ドライ−キュア後の布帛のL値との差をL値低下とし、ΔL≧1.0を合格とした。測色計には、コニカミノルタ製の“CM−2600d”を用いて測色した。
4.フッ素系撥水剤のPFOA濃度(ppb):
飛行時間二次イオン質量分析(TOF−SIMS)により、フッ素系撥水剤に含まれるPFOA濃度を測定し、PFOA濃度が検出限界である0.02ppb未満を合格とした。
5.洗濯耐久性:
上記1.2.3.4.の特性すべて合格しているものは洗濯耐久性を有する性能を満たしていると判断して「○」とし、これらの特性のうち一つでも不合格項目があるものを「×」とした。
<実施例1>
経糸に84dtex−24フィラメントのポリエステルマルチフィラメントからなる双糸を用い、緯糸に250dtex−72フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を用いて経糸143本/インチ、緯糸113本/インチのカシドス組織の織物を製織した。次に、得られたカシドス組織織物を精練した後、黒色染料のダイアニックス タキシードブラックFを用いて液流染色し、還元洗浄後、乾燥した生地を作成した。次に、得られた生地に対し、低温プラズマ処理を5.5KV、0.6A、53Pa、および空気雰囲気の条件下で実施した。
次に、京浜化成(株)製のフッ素系撥水剤であるMKT−B70を40g/L、京絹化成(株)製のアクリル酸エステル重合物であるブライトン339−40を8g/L、DIC(株)製のメラミン系架橋剤であるベッカミンM−3を4g/L、DIC(株)製のメラミン用触媒であるキャタリストACXを1g/Lの濃度で調製した水系エマルジョンを作製し、パッド−ドライ−キュア法により、この水系エマルジョンを上記のようにして作成した生地質量に対して85質量%となるようにパディングした後、得られた生地を130℃の温度の乾熱を用いて乾燥し、次いで180℃の温度で乾熱処理を行うことにより、キュア処理を行った。上記の水系エマルジョンの組成を、表1に示す。
染色後生地L値対比のパッド−ドライ−キュア後の布帛のL値との差をL値低下とし、L値低下および撥水性評価の結果を、表2に示した。パッド−ドライ−キュア後の布帛は、染色後生地との対比で、L値が1.0以上低下しており深色化できていることを確認することができた。同布帛をJIS L0217:1995 103法の洗濯条件で20回洗濯した後の撥水性(JIS L1092:2009 スプレー法)を評価したところ、3級以上の撥水性を確認することができた。評価結果から、深色性と耐久撥水性を同時に満たしていることを確認することができた。評価結果をまとめて、表2に示す。
<実施例2>
経糸に84dtex−24フィラメントのポリエステルマルチフィラメントからなる双糸を用い、緯糸に167dtex−48フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を用いて、経糸102本/インチ、緯糸110本/インチのカシドス組織の織物を製織した。次に、得られたカシドス組織織物を精練した後、黒色染料のダイアニックス タキシードブラックFを用いて液流染色し、還元洗浄後、乾燥した生地を作成した。次に、得られた生地に対し、低温プラズマ処理を5.5KV、0.6A、53Pa、および空気雰囲気の条件で実施した。
次に、京浜化成(株)製のフッ素系撥水剤であるMKT−B70を40g/L、京絹化成(株)製のアクリル酸エステル重合物であるブライトン339−40を8g/L、DIC(株)製のメラミン系架橋剤であるベッカミンM−3を4g/L、DIC(株)製のメラミン用触媒であるキャタリストACXを1g/Lの濃度で調製した水系エマルジョンを作製し、パッド−ドライ−キュア法により、この水系エマルジョンを上記のようにして作成した生地質量に対して85質量%となるようパディングした後、得られた生地を130℃の温度の乾熱を用いて乾燥し、次いで180℃の温度で乾熱処理を行うことにより、キュア処理を行った。上記の水系エマルジョンの組成を、表1に示す。
染色後生地L値対比のパッド−ドライ−キュア後の布帛のL値との差をL値低下とし、L値低下および撥水性評価の結果を、表2に示した。加工後の布帛は、染色後との対比で、L値が1.0以上低下しており深色化できていることを確認することができた。同布帛をJIS L0217:1995 103法の洗濯条件で20回洗濯した後の撥水性(JIS L1092:2009 スプレー法)を評価したところ、3級以上の撥水性を確認することができた。評価結果から、深色性と耐久撥水性を同時に満たしていることを確認することができた。評価結果をまとめて、表2に示す。
<実施例3>
経糸にポリエステル繊維ステープル60質量%と羊毛40質量%からなる64番手の黒色先染め撚糸双糸で撚糸回数が800T/mの双糸を用い、緯糸に84dtex−24フィラメントの黒色原液原着ポリエステルマルチフィラメント糸からなる双糸を用いて、経糸143本/インチ、緯糸90本/インチのカシドス組織の織物を製織した。次に、得られたカシドス組織織物を、精練した後、乾燥した生地を作成した。次に、得られた生地に対し、低温プラズマ処理を5.5KV、0.6A、170Pa、および空気雰囲気の条件で実施した。
次に、京浜化成(株)製のフッ素系撥水剤であるMKT−B70を40g/L、京絹化成(株)製のアクリル酸エステル重合物であるブライトン339−40を8g/L、DIC(株)製のメラミン系架橋剤であるベッカミンM−3を4g/L、DIC(株)製のメラミン用触媒であるキャタリストACXを1g/Lの濃度で調製した水系エマルジョンを作製し、パッド−ドライ−キュア法により、この水系エマルジョンを上記のようにして作成した生地質量に対して85質量%となるようパディングした後、得られた生地を130℃の温度の乾熱を用いて乾燥し、次いで180℃の温度で乾熱処理を行うことにより、キュア処理を行った。上記の水系エマルジョンの組成を、表1に示す。
精練後生地L値対比のパッド−ドライ−キュア後の布帛のL値との差をL値低下とし、L値低下および撥水性評価の結果を、表2に示した。加工後の布帛は、精練後との対比で、L値が1.0以上低下しており深色化できていることを確認することができた。同布帛をJIS L0217:1995 103法の洗濯条件で20回洗濯した後の撥水性(JIS L1092:2009 スプレー法)を評価したところ、3級以上の撥水性を確認することができた。評価結果から、深色性と耐久撥水性を同時に満たしていることを確認することができた。評価結果をまとめて、表2に示す。
<比較例1>
低温プラズマ処理を省いたこと以外は、実施例1と同様工程で生地を加工し、L値低下および撥水性評価の結果を、表2に示した。加工後の布帛は、染色後との対比で、L値が1.0以上低下しており、深色化できていることを確認することができたが、同布帛をJIS L0217:1995 103法の洗濯条件で20回洗濯した後の撥水性(JIS L1092:2009 スプレー法)を評価したところ、3級以上の撥水性が得られなかったことから、評価結果から、深色性と耐久撥水性が同時に満たせないことを確認した。評価結果をまとめて、表2に示す。
Figure 2016108687
Figure 2016108687

Claims (7)

  1. ポリエステル系繊維を含む黒色に染色された布帛であって、染色後に低温プラズマ処理が施された繊維表面にフッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物が固着されてなり、前記フッ素系撥水剤の飛行時間二次イオン質量分析によるPFOAの含有量が、0.02ppb未満であることを特徴とするポリエステル系繊維布帛。
  2. フッ素系撥水剤が、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体からなることを特徴とする請求項1記載のポリエステル系繊維布帛。
  3. 染色後の生地のL値(明度)に対して、フッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物を固着させた後の布帛のL値の低下が1.0以上であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル系繊維布帛。
  4. 洗濯20回後の撥水性が3級以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系繊維布帛。
  5. ポリエステル系繊維を含む布帛に、羊毛が混合されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系繊維布帛。
  6. ポリエステル系繊維を含む黒色に染色された生地に、低温プラズマ処理を施し、次いでフッ素系撥水剤およびアクリル酸エステル重合物を含む混合分散液を付与した後、乾燥させ乾熱処理を施すことを特徴とするポリエステル系繊維布帛の製造方法。
  7. フッ素系撥水剤が、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体からなることを特徴とする請求項6記載のポリエステル系繊維布帛の製造方法。
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