JP2016143873A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターンの倒壊を抑制または防止しつつ、基板の表面を良好に乾燥させることができる、基板処理方法および基板処理装置を提供すること。
【解決手段】基板処理装置は、微細パターンが表面に形成された基板をチャンバ内に搬入する工程(ステップS1)と、基板の表面に付着した薬液を、リンス液を用いて洗い流すリンス工程(ステップS4)と、リンス工程の後、基板の上面に過熱水蒸気を供給して、基板の表面を乾燥させる乾燥工程(ステップS6)とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、処理液を用いて基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象となる基板の例には、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ等の基板の表面に処理液を供給して、その基板の表面が処理液を用いて処理される。
たとえば、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、基板をほぼ水平に保持しつつ、その基板を回転させるスピンチャックと、このスピンチャックによって回転される基板の表面に処理液を供給するためのノズルとを備えている。たとえば、スピンチャックに保持された基板に対して薬液が供給され、その後にリンス液が供給されることにより、基板上の薬液がリンス液に置換される。その後、基板の上面(表面)上からリンス液を排除するためのスピン乾燥処理が行われる。スピン乾燥処理では、基板が高速回転されることにより、基板に付着しているリンス液が振り切られて除去(乾燥)される。このようなスピン乾燥処理では、基板表面において隣り合う微細パターンの間に入り込んだリンス液を、十分に除去できない結果、乾燥不良が生じるおそれがある。
そのため、下記特許文献1のように、リンス処理後の基板の表面に、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)液等の常温の有機溶剤を供給して、基板表面において隣り合う微細パターンの間に入り込んだリンス液を有機溶剤に置換し、基板表面を乾燥させる手法が提案されている。
特開平9−38595号公報
しかしながら、近年、高集積化のために、基板(たとえば半導体ウエハ)の表面に形成されるパターンが微細構造(微細でかつアスペクト比の高い構造)を有している。このような微細構造を有するパターンは倒壊し易いので、スピン乾燥処理前に有機溶剤を基板表面に供給するだけでは、このようなパターンの倒壊を十分に抑制できないおそれがある。
そこで、本発明の目的は、基板乾燥時におけるパターンの倒壊を抑制または防止できる、基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
基板乾燥時のパターンの倒壊は、隣り合うパターン間に存在する液(処理液)に発生する表面張力が、当該パターン間を引っ張ることが原因であると考えられている。液の表面張力と基板表面の乾燥に要する時間との積で導き出される「表面張力の力積」の増大に従って、基板乾燥時にパターン倒壊し易くなる。したがって、本願発明者は、当該表面張力の力積を低減させることにより、パターンの倒壊を抑制可能であると考えている。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、所定のパターンが表面に形成された基板を、その表面を上方に向けた状態で保持する基板保持工程と、前記基板の表面を、処理液を用いて処理すべく、前記基板の表面に、当該基板の表面の一部または全域を覆う処理液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記処理液工程の後、前記処理液の液膜に過熱水蒸気を供給して、前記基板の表面を乾燥させる乾燥工程とを含む、基板処理方法を提供する。
過熱水蒸気とは、水の沸点を超える温度の水蒸気のことである(以下、この明細書において同じ)。
この方法によれば、乾燥工程では、処理液工程後の基板上の処理液の液膜に過熱水蒸気が供給される。過熱水蒸気は高温であるので、基板表面における過熱水蒸気の供給位置にある処理液が、基板表面(隣り合うパターン間を含む)から蒸発除去させられる。これにより、基板表面を良好に乾燥できる。
基板表面に供給される乾燥用気体を過熱水蒸気とするので、同じ温度を有する高温の空気や高温の窒素ガスを乾燥用気体として用いる場合と比較して、乾燥用気体(過熱水蒸気)から基板表面の処理液に与えられる熱量が高い。
具体的には、処理液の沸点未満の温度を有する基板に過熱水蒸気が供給されると、過熱水蒸気は凝縮する(水が気相から液相に相転移する)。この過熱水蒸気の凝縮に伴って発生する熱量が、基板表面の処理液に与えられる。加えて、過熱水蒸気の比熱容量が比較的高く、そのため、過熱水蒸気が有している潜熱の熱量は高い。これらにより、基板表面の処理液に高い熱量を与えることができる。また、過熱水蒸気は極めて高い浸透力を有している。そのため、パターンが微細構造を有していても、隣り合うパターン間の深部にまで過熱水蒸気が届く。そのため、過熱水蒸気を基板表面に供給することにより、隣り合うパターン間に含まれる処理液を良好に除去できる。
したがって、乾燥用気体として過熱水蒸気を用いることにより、高温の空気や高温の窒素ガスを乾燥用気体として用いる場合と比較して、基板表面の処理液が昇温し易いから、基板表面の乾燥に要する時間を短縮可能である。
また、過熱水蒸気の供給により、基板表面の処理液が温められて昇温する。一般的に、液の表面張力は当該液の温度上昇に従って減少する。したがって、過熱水蒸気の供給により、隣り合うパターン間に存在する処理液の表面張力を低減できる。
以上により、基板表面の処理液の表面張力を低減でき、かつ基板表面の乾燥に要する時間を短縮できるから、処理液の表面張力と基板表面の乾燥に要する時間との積で導き出される表面張力の力積の低減を図ることができる。これにより、基板乾燥時におけるパターンの倒壊を抑制または防止できる。
請求項2に記載の発明は、前記乾燥工程は、過熱水蒸気ノズルから前記基板の一部に過熱水蒸気を吹き付けて、前記処理液の液膜に液膜除去領域を形成する液膜除去領域形成工程を含む、請求項1記載の基板処理方法である。
この方法によれば、基板の一部に過熱水蒸気を吹き付けることにより、処理液の液膜に液膜除去領域が形成される。そして、液膜除去領域では、パターンおよび/または基板自身に過熱水蒸気が供給される。過熱水蒸気の供給により過熱水蒸気と基板との間で熱交換が行われ、基板に供給された過熱水蒸気は沸点未満まで温度低下して凝縮する。その後、基板の上面に対する過熱水蒸気の供給が続行されることにより、水の薄膜に熱が補給され、当該水の薄膜が昇温する。そして、基板の上面に対する過熱水蒸気の供給がさらに続行されることにより、水の薄膜に熱が補給され、水の薄膜が、パターンの表面および/または基板自身の表面から蒸発除去される。それ以降は、基板の上面に供給される過熱水蒸気の凝縮は生じない。
すなわち、基板の上面に供給される過熱水蒸気はその初期段階において凝縮するが、基板自身およびパターンが沸点を超えた後は、凝縮が起こらない。また、過熱水蒸気の凝縮により形成された水の薄膜は、その後の過熱水蒸気の断続的な供給により蒸発乾燥させられる。以上により、過熱水蒸気の凝縮に伴う結露が、基板上で生じない。したがって、結露に基づくパーティクルが基板上において発生するのを抑制または防止できる。
請求項3に記載の発明は、前記液膜形成工程は、前記基板の表面の全域を覆う処理液の液膜を形成するものであり、前記液膜除去領域形成工程は、前記過熱水蒸気ノズルから、前記基板の回転中心を含む中央部に過熱水蒸気を吹き付ける吹き付け工程を含み、前記乾燥工程は、さらに、前記吹き付け工程に並行して、前記基板を回転させる基板回転工程と、前記基板回転工程および前記吹き付け工程に並行して、前記基板の表面における過熱水蒸気の供給位置を、前記基板の前記中央部から、前記基板の表面の周縁を含む周縁部まで移動させる供給位置移動工程とを含む、請求項2に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、基板表面の全域に形成された処理液の液膜に、過熱水蒸気ノズルから過熱水蒸気を吹き付けることにより、基板表面の中央部に液膜除去領域が形成される。過熱水蒸気ノズルからの過熱水蒸気の吐出、および基板を回転させながら、基板表面における過熱水蒸気の供給位置を中央部から周縁部まで移動させることにより、液膜除去領域を基板表面の全域に拡大できる。したがって、基板表面の全域から処理液を除去でき、これにより、基板表面の全域を良好に乾燥できる。
また、基板表面において、過熱水蒸気の供給位置の走査済みの領域を除く領域が処理液の液膜で覆われているので、基板表面における未乾燥領域が雰囲気中の酸素と反応しない。また、基板表面における、過熱水蒸気の供給位置は、過熱水蒸気(気体のHO)の雰囲気にあり、酸素分子がほとんど存在しない。これらにより、基板の全域を低酸素雰囲気下で乾燥できる。したがって、ウォーターマークの発生を抑制または防止できる。
請求項4に記載のように、前記処理液は水であってもよい。この場合、過熱水蒸気の吐出開始時に基板表面に水が存在している(少なくとも隣り合うパターン間に水が存在している)から、当該基板表面の処理液に、発生した凝縮後の水を良好に吸収できる。これにより、過熱水蒸気の供給に伴う、基板表面におけるパーティクルの発生を、より一層効果的に抑制できる。
また、請求項5に記載のように、前記処理液は、低表面張力を有する有機溶剤であってもよい。この場合、隣り合うパターン間に存在するのが表面張力の低い有機溶剤であるので、隣接するパターン同士の引き付け合う力が弱まる。したがって、パターンに作用する表面張力の力積を低減できるから、パターンの倒壊をより一層効果的に抑制できる。
前記の目的を達成するための請求項6に記載の発明は、所定のパターンが表面に形成された基板を保持する基板保持手段と、前記基板の表面に処理液を用いた処理液処理を施すべく、前記基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、前記処理液処理の後、前記基板の表面を乾燥させるために、当該基板の表面に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給手段とを含む、基板処理装置を提供する。
この構成によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項7に記載の発明は、前記過熱水蒸気供給手段による過熱水蒸気の供給とは別に、前記基板を加熱する加熱手段をさらに含んでいてもよい。
この場合、過熱水蒸気の供給とは別に、加熱手段からの加熱によっても、基板が温められる。そのため、より大きな熱量を基板表面の処理液に付与できる。これにより、基板表面の乾燥を促進でき、その結果、基板表面の乾燥に要する時間を、より一層短縮できる。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を水平方向に見た図である。 処理ユニットの処理対象の基板の表面を拡大して示す断面図である。 前記処理ユニットによって行われる処理の第1の処理例について説明するためのフローチャートである。 前記第1の処理例を説明するための図解的な図である。 図3Bに続く工程を説明するための模式的な図である。 乾燥工程における基板の表面状態を説明するための断面図である。 図4Bに続く工程を説明するための模式的な図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の一部を図解的に示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置によって行われる処理の第2の処理例について説明するためのフローチャートである。 前記第2の処理例を説明するための図解的な図である。 本発明の基板処理装置の変形例を説明するための図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を水平方向に見た図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを、処理液や処理ガスによって一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板Wを処理液を用いて処理する処理ユニット2と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置3(制御手段)とを含む。
各処理ユニット2は、枚葉式のユニットである。各処理ユニット2は、内部空間を有する箱形のチャンバ4と、チャンバ4内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持手段)5と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に薬液を供給するための薬液供給ユニット6と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に、水を供給するための水供給ユニット(処理液供給手段)7と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に、過熱水蒸気(水の沸点を超える温度の水蒸気)を供給するための過熱水蒸気供給ユニット(過熱水蒸気供給手段)8と、スピンチャック5の周囲を取り囲む筒状のカップ9とを含む。
チャンバ4は、スピンチャック5やノズルを収容する箱状の隔壁10と、隔壁10の上部から隔壁10内に清浄空気(フィルタによってろ過された空気)を送る送風ユニットとしてのFFU(ファン・フィルタ・ユニット)11と、隔壁10の下部からチャンバ4内の気体を排出する排気ダクト12とを含む。FFU11は、隔壁10の上方に配置されており、隔壁10の天井に取り付けられている。FFU11は、隔壁10の天井からチャンバ4内に下向きに清浄空気を送る。排気ダクト12は、カップ9の底部に接続されており、基板処理装置1が設置される工場に設けられた排気処理設備に向けてチャンバ4内の気体を導出する。したがって、チャンバ4内を下方に流れるダウンフロー(下降流)が、FFU11および排気ダクト12によって形成される。基板Wの処理は、チャンバ4内にダウンフローが形成されている状態で行われる。
スピンチャック5として、基板Wを水平方向に挟んで基板Wを水平に保持する挟持式のチャックが採用されている。具体的には、スピンチャック5は、スピンモータ(基板回転手段)13と、このスピンモータ13の駆動軸と一体化されたスピン軸14と、スピン軸14の上端に略水平に取り付けられた円板状のスピンベース15とを含む。
スピンベース15の上面には、その周縁部に複数個(3個以上。たとえば6個)の挟持部材16が配置されている。複数個の挟持部材16は、スピンベース15の上面周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。
また、スピンチャック5としては、挟持式のものに限らず、たとえば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、スピンチャック5に保持された基板Wを回転させる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
薬液供給ユニット6は、薬液を吐出する薬液ノズル17と、薬液ノズル17に接続された薬液配管18と、薬液配管18に介装された薬液バルブ19と、薬液ノズル17が先端部に取り付けられた第1のノズルアーム20と、第1のノズルアーム20を揺動させることにより、薬液ノズル17を移動させる第1のノズル移動ユニット21とを含む。
薬液バルブ19が開かれると、薬液配管18から薬液ノズル17に供給された薬液が、薬液ノズル17から下方に吐出される。薬液バルブ19が閉じられると、薬液ノズル17からの薬液の吐出が停止される。第1のノズル移動ユニット21は、薬液ノズル17を基板Wの上面に沿って移動させることにより、薬液の供給位置を基板Wの上面内で移動させる。さらに、第1のノズル移動ユニット21は、薬液ノズル17から吐出された薬液が基板Wの上面に供給される処理位置と、薬液ノズル17が平面視でスピンチャック5の側方に退避した退避位置との間で、薬液ノズル17を移動させる。
薬液ノズル17から吐出される薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。
水供給ユニット7は、水を吐出する水ノズル22と、水ノズル22に接続された水配管23と、水配管23に介装された水バルブ24と、水ノズル22が先端部に取り付けられた第2のノズルアーム25と、第2のノズルアーム25を揺動させることにより、水ノズル22を移動させる第2のノズル移動ユニット26とを含む。
水バルブ24が開かれると、水配管23から水ノズル22に供給された水が、水ノズル22から下方に吐出される。水バルブ24が閉じられると、水ノズル22からの水の吐出が停止される。第2のノズル移動ユニット26は、水ノズル22を基板Wの上面に沿って移動させることにより、水の供給位置を基板Wの上面内で移動させる。さらに、第2のノズル移動ユニット26は、水ノズル22から吐出された水が基板Wの上面に供給される処理位置と、水ノズル22が平面視でスピンチャック5の側方に退避した退避位置との間で、水ノズル22を移動させる。
水ノズル22から吐出される水は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。水は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
薬液ノズル17および水ノズル22の双方を、スキャンノズルであるとして説明しているが、薬液ノズル17および水ノズル22の少なくとも一つが、吐出口を静止した状態で処理液(薬液または水)を吐出する固定ノズルであってもよい。
過熱水蒸気供給ユニット8は、過熱水蒸気を吐出する過熱水蒸気ノズル27と、過熱水蒸気ノズル27に接続された過熱水蒸気配管28と、過熱水蒸気配管28に介装された過熱水蒸気バルブ29と、過熱水蒸気ノズル27が先端部に取り付けられた第3のノズルアーム30と、第3のノズルアーム30を揺動させることにより、過熱水蒸気ノズル27を移動させる第3のノズル移動ユニット31とを含む。
過熱水蒸気バルブ29が開かれると、過熱水蒸気配管28から過熱水蒸気ノズル27に供給された過熱水蒸気が、過熱水蒸気ノズル27から下方に吐出される。過熱水蒸気バルブ29が閉じられると、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吐出が停止される。第3のノズル移動ユニット31は、過熱水蒸気ノズル27を基板Wの上面に沿って移動させることにより、過熱水蒸気の供給位置SP(図3B参照)を基板Wの上面内で移動させる。さらに、第3のノズル移動ユニット31は、過熱水蒸気ノズル27から吐出された過熱水蒸気が基板Wの上面に供給される処理位置と、過熱水蒸気ノズル27が平面視でスピンチャック5の側方に退避した退避位置との間で過熱水蒸気ノズル27を移動させる。
カップ9は、スピンチャック5に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。カップ9は、スピンベース15を取り囲んでいる。スピンチャック5が基板Wを回転させている状態で、処理液(薬液または水)が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、上向きに開いたカップ9の上端部9aは、スピンベース15よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された処理液は、カップ9によって受け止められる。そして、カップ9に受け止められた処理液は、図示しない回収装置または廃液装置に送られる。
図1Bは、処理ユニット2の処理対象の基板Wの表面を拡大して示す断面図である。処理対象の基板Wは、たとえばシリコンウエハであり、そのパターン形成面である表面51にナノスケールの微細パターン(微細構造を有するパターン)52が形成されている。微細パターン52は、図1Bに示すように、凸形状(柱状)を有する構造体53が行列状に配置されたものであってもよい。この場合、構造体53の線幅W1はたとえば10nm〜45nm程度に、微細パターン52の隙間W2はたとえば10nm〜数百μm程度に、それぞれ設けられている。
また、微細パターン52は、微細なトレンチにより形成されたライン状のパターンが、繰り返し並ぶものであってもよい。
また、微細パターン52は、薄膜に、複数の微細孔(ボイド(void)またはポア(pore))を設けることにより形成されていてもよい。
微細パターン52は、たとえば絶縁膜を含む。また、微細パターン52は、導体膜を含んでいてもよい。より具体的には、微細パターン52は、複数の膜を積層した積層膜により形成されており、さらには、絶縁膜と導体膜とを含んでいてもよい。微細パターン52は、単層膜で構成されるパターンであってもよい。絶縁膜は、SiO膜や窒化膜であってもよい。また、導体膜は、低抵抗化のための不純物を導入したアモルファスシリコン膜であってもよいし、金属膜(たとえば金属配線膜)であってもよい。
また、微細パターン52の膜厚Tは、たとえば、50nm〜5μm程度である。また、微細パターン52は、たとえば、アスペクト比(線幅W1に対する膜厚Tの比)が、たとえば、5〜500程度であってもよい(典型的には、5〜50程度である)。
図2は、処理ユニット2によって行われる処理の第1の処理例について説明するためのフローチャートである。図3A〜3Dは、前記第1の処理例を説明するための図解的な図である。以下では、図1Bに示す基板Wの表面が処理される例について説明する。図4A〜4Cは、乾燥工程(S6)における基板Wの表面状態を説明するための断面図である。
図1Aおよび図2を参照しつつ第1の処理例について説明する。図3A〜3D、および図4A〜4Cについては適宜参照する。
基板処理装置1によって基板Wが処理されるときには、チャンバ4内に基板Wが搬入される(ステップS1)。具体的には、制御装置3は、ノズル17,22,27等のチャンバ4内の構成がスピンチャック5の上方から退避している状態で、搬送ロボット(図示しない)に基板Wをチャンバ4内に搬入させる。そして、制御装置3は、基板Wの表面(パターン形成面)51が上に向けられた状態で、搬送ロボットに基板Wをスピンチャック5上に載置させる(基板保持工程)。その後、制御装置3は、基板Wがスピンチャック5に保持されている状態でスピンモータ13を回転させる。これにより、基板Wの回転が開始される(ステップS2)。制御装置3は、スピンチャック5上に基板Wが載置された後、搬送ロボットをチャンバ4内から退避させる。
次いで、基板Wに薬液を供給する薬液工程(ステップS3)が行われる。具体的には、制御装置3は、第1のノズル移動ユニット21を制御することにより、薬液ノズル17を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3は、薬液バルブ19を開いて、回転状態の基板Wの上面に向けて薬液ノズル17から薬液を吐出させる。制御装置3は、この状態で第1のノズル移動ユニット21を制御することにより、基板Wの上面に対する薬液の供給位置を中央部と周縁部との間で移動させる。そして、薬液バルブ19が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、薬液バルブ19を閉じて、薬液ノズル17からの薬液の吐出を停止させる。その後、制御装置3は、第1のノズル移動ユニット21を制御することにより、薬液ノズル17をスピンチャック5の上方から退避させる。
薬液ノズル17から吐出された薬液は、基板Wの上面に供給された後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板Wの上面全域に薬液が行き渡り、基板Wの上面全域が薬液によって処理される。さらに、制御装置3は、基板Wが回転している状態で、基板Wの上面に対する薬液の供給位置を中央部と周縁部との間で移動させる。これにより、薬液の供給位置が、基板Wの上面全域を通過し、基板Wの上面全域が走査(スキャン)される。そのため、薬液ノズル17から吐出された薬液が、基板Wの上面全域に直接吹き付けられ、基板Wの上面全域が均一に処理される。予め定める時間が経過すると、制御装置3は、薬液バルブ19を閉じて、薬液ノズル17からの薬液の吐出を停止させ、その後、第2のノズル移動ユニット26を制御することにより、薬液ノズル17をスピンチャック5の上方から退避させる。
次いで、純水を含む水(リンス液)を基板Wに供給するリンス工程(ステップS4)が行われる。具体的には、制御装置3は、第2のノズル移動ユニット26を制御することにより、水ノズル22を退避位置から処理位置に移動させる。その後、制御装置3は、水バルブ24を開いて、回転状態の基板Wの上面に向けて水ノズル22から水を吐出させる。制御装置3は、この状態で第2のノズル移動ユニット26を制御することにより、基板Wの上面に対する水の供給位置を中央部と周縁部との間で移動させる。
薬液ノズル17から吐出された薬液と同様に、水ノズル22から吐出された水は、基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そのため、基板W上の薬液は、水によって外方に押し流され、基板Wの周囲に排出される。これにより、基板W上の薬液が、水によって洗い流される。さらに、制御装置3は、基板Wが回転している状態で、基板Wの上面に対する水の供給位置を中央部と周縁部との間で移動させるので、水の供給位置が、基板Wの上面全域を通過し、基板Wの上面全域が走査される。そのため、水ノズル22から吐出された水が、基板Wの上面全域に直接吹き付けられ、基板Wの上面全域が均一に処理される。
次に、基板Wへの水の供給を停止させた状態で水の液膜32を基板W上に保持するパドルリンス工程(処理液工程。ステップS5)が行われる。具体的には、制御装置3は、スピンチャック5を制御することにより、基板Wの上面全域が水に覆われている状態で、基板Wの回転を停止させる、もしくは、リンス工程(S4)での回転速度よりも低速の低回転速度(たとえば約10〜30rpm)まで基板Wの回転速度を低下させる(図3Aには、約10rpmで低速回転させられた状態を示す)。これにより、基板Wの上面に、基板Wの上面の全域を覆うパドル状の水の液膜32が形成される。この状態では、基板Wの上面の水の液膜32に作用する遠心力が水と基板Wの上面との間で作用する表面張力よりも小さいか、あるいは前記の遠心力と前記の表面張力とがほぼ拮抗している。基板Wの減速により、基板W上の水に作用する遠心力が弱まり、基板W上から排出される水の量が減少する。
制御装置3は、基板Wが静止している状態もしくは基板Wが低回転速度で回転している状態で、水バルブ24を閉じて、水ノズル22からの水の吐出を停止させる。制御装置3は、基板Wへの水の供給を停止した後、第2のノズル移動ユニット26を制御することにより、水ノズル22をスピンチャック5の上方から退避させる。これにより、図3Aに示すように、基板Wの上面全域を覆う水の液膜32が基板W上に保持される。この状態では、図4Aに示すように、水の液膜32の液面は、微細パターン52の上端よりも上方に位置している(微細パターン52が水の液膜32に完全に浸されている)。そして、微細パターン52の間には、その底部(当該空間における基板W自身の表面51に極めて近い位置)まで水が行き渡っている。また、基板Wの上面にパドル状の水の液膜32が形成された後に、基板Wの上面への水の供給が続行されていていてもよい。
次いで、制御装置3は、乾燥工程(ステップS6)を行う。
具体的には、制御装置3は、スピンモータ13を制御して、基板Wの回転速度を零または低回転速度から、乾燥処理速度(たとえば100rpm)まで上昇させる(基板回転工程)。また、制御装置3は、第3のノズル移動ユニット31を制御することにより、過熱水蒸気ノズル27を退避位置から中央位置に移動させる。過熱水蒸気ノズル27が中央位置に配置された後、制御装置3は、過熱水蒸気バルブ29を開く。これにより、図3Bに示すように、乾燥処理速度で回転中の基板Wの上面の供給位置SPに向けて、過熱水蒸気ノズル27から過熱水蒸気が吹き付けられる(吹き付け工程)。過熱水蒸気ノズル27から吐出される過熱水蒸気の温度は、100℃を超えて200℃以下、より好ましくは170℃以上200℃以下である。これは、基板Wおよび微細パターン52の耐熱温度や、過熱水蒸気配管28を構成する樹脂材料の耐熱温度を考慮したものである。このように過熱水蒸気は極めて高温であるので、基板Wの供給位置SPに存在する水が基板Wの上面から蒸発除去させられる。
具体的には、図4Aに示すように、まず、水の液膜32における微細パターン52上の部分に配置されている水の液膜32に高温の過熱水蒸気が吹き付けられる。基板Wの上面の供給位置SPにある水が、吹き付け圧力(ガス圧)で物理的に押し拡げられ、当該供給位置SPから吹き飛ばされて除去されられる(図4B参照)。これにより、基板Wの上面の全域に形成された水の液膜32の供給位置SPに、円形の穴態様の液膜除去領域33が形成される。
基板Wの上面に吹き付けられる過熱水蒸気は、極めて高い浸透力を有している。そのため、隣り合う微細パターン52間の深部にまで過熱水蒸気が届く。したがって、過熱水蒸気を基板Wの上面に供給することにより、隣り合う微細パターン52間に含まれる水を良好に除去できる。これにより、図4Cに示すように、供給位置SPにおいて、微細パターン52の外表面および/または基板W自身の表面が露出するようになる(図4Cでは、微細パターン52の外表面および基板W自身の表面が露出している状態を示している)。
基板W(微細パターン52および/または基板W自身)に対する過熱水蒸気の供給により過熱水蒸気と基板Wとの間で熱交換が行われ、基板Wに供給された過熱水蒸気は100℃未満まで温度低下して凝縮する。過熱水蒸気の凝縮により生成された水(液体のHO)は、図4Cに示すように、微細パターン52の表面および/または基板Wの表面51で、水の薄膜54を形成する。その後基板Wの上面に対する過熱水蒸気の供給が続行されることにより、水の薄膜54に熱が補給され、水の薄膜54が、微細パターン52の表面および基板W自身の表面から蒸発除去される。それ以降は、基板Wの上面に供給される過熱水蒸気の凝縮は生じない。すなわち、過熱水蒸気の凝縮により形成された水の薄膜54は、その後の過熱水蒸気の断続的な供給により蒸発乾燥させられる。そのため、過熱水蒸気の凝縮に伴う結露が基板W上で生じない。
図4A〜4Cに示すように、基板Wの上面に供給される乾燥用気体を過熱水蒸気とするので、同じ温度を有する高温の空気や高温の窒素ガスを乾燥用気体として用いる場合と比較して、乾燥用気体(過熱水蒸気)から基板W上の水(水の液膜32、および微細パターン52の間に存在する水)に与えられる熱量が高い。
具体的には、水(液相の水)、または水の沸点未満の温度を有する基板Wの上面に過熱水蒸気が供給されることにより、過熱水蒸気は凝縮する(水が気相から液相に相転移する)。この過熱水蒸気の凝縮に伴って発生する熱量が、基板W上の水に与えられる。また、過熱水蒸気は、空気や窒素ガスと比べて高い比熱容量を有しており(過熱水蒸気:0.46kcal/kg・℃ 空気:0.24kcal/kg・℃ 窒素ガス:0.25kcal/kg・℃)、そのため、過熱水蒸気が有している潜熱の熱量は高い。これらにより、高い熱量を基板W上の水に与えることができる。
したがって、乾燥用気体として過熱水蒸気を用いることにより、乾燥工程(S6)の処理時間を短く設定しても、基板Wの上面を良好に乾燥できる。
過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吐出流量は、たとえば50(リットル/分)以上300(リットル/分)以下であることが望ましい。過熱水蒸気の吐出流量が50(リットル/分)以上と大流量であるので、過熱水蒸気の吹き付けにより、供給位置SPにおいて水の液膜32に液膜除去領域33を容易に形成できる。また、過熱水蒸気の吐出流量が300(リットル/分)以下であるので、排気処理設備による排気ダクト12を介した排気により、チャンバ4内での過熱水蒸気の滞留を抑制または防止できる。
また、基板Wの乾燥処理速度は、過熱水蒸気の供給により供給位置SPから側方に押し出された水が供給位置SPに戻ることを阻止できる大きさの遠心力が発生するような速度に設定されており、たとえば約100rpmに設定されている。
制御装置3は、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吹き付け、および基板Wの回転を行いながら、第3のノズル移動ユニット31を制御して、過熱水蒸気ノズル27を、前記の中央位置から径方向外方に向けて水平に移動させる(供給位置移動工程)。これにより、基板Wの上面における過熱水蒸気の供給位置SPが、中央部から周縁部まで移動させられる。この場合、過熱水蒸気の供給位置SPを基板Wの上面の全域に走査させることができ、これにより、液膜除去領域33が基板Wの上面の全域に拡大する。
液膜除去領域33が最初に基板Wの上面の中央部に配置されるので、液膜除去領域33の内部には水が存在していない。したがって、基板Wの上面の中央部から確実に水を除去でき、基板Wの中央部に乾燥不良が生じることを抑制または防止できる。
また、過熱水蒸気の供給位置SPの走査済みの領域を除く領域が水の液膜32で覆われているので、基板Wの上面において未乾燥の領域が雰囲気中の酸素と反応することを防止できる。また、基板Wの上面における、過熱水蒸気の供給位置SPは、過熱水蒸気(気体のHO)の雰囲気にあり、酸素分子がほとんど存在しない。したがって、基板Wの上面の全域が低酸素雰囲気下で乾燥される。
過熱水蒸気ノズル27が周縁位置まで移動された後、制御装置3は、過熱水蒸気バルブ29を閉じて、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吹き付けを停止させる。制御装置3は、基板Wへの過熱水蒸気の供給を停止した後、第3のノズル移動ユニット31を制御することにより、過熱水蒸気ノズル27をスピンチャック5の上方から退避させる。また、制御装置3は、スピンモータ13を制御して、スピンチャック5の回転(基板Wの回転)を停止させる(ステップS7)。また、制御装置3は、スピンチャック5による基板Wの回転を停止させる。
これにより、一枚の基板Wに対する処理が終了し、制御装置3は、基板Wを搬入したときと同様に、処理済みの基板Wを搬送ロボットによってチャンバ4内から搬出させる(ステップS8)。
以上によりこの実施形態によれば、乾燥工程(S6)では、パドルリンス工程(S5)後の濡れた基板Wの上面に過熱水蒸気が供給される。過熱水蒸気は高温であるので、基板W上面における供給位置にあるリンス液が、基板W上面(隣り合う微細パターン52間を含む)から蒸発除去させられる。これにより、基板W上面を良好に乾燥できる。
基板Wの上面に供給される乾燥用気体を過熱水蒸気とするので、同じ温度を有する高温の空気や高温の窒素ガスを乾燥用気体として用いる場合と比較して、乾燥用気体(過熱水蒸気)から基板W上の水に与えられる熱量が高い。加えて、過熱水蒸気は極めて高い浸透力を有するから、隣り合う微細パターン52間の深部にまで過熱水蒸気が届く。そのため、過熱水蒸気を基板Wの上面に供給することにより、隣り合う微細パターン52間に含まれる水を良好に除去できる。これらにより、乾燥用気体として過熱水蒸気を用いることにより、高温の空気や高温の窒素ガスを乾燥用気体として用いる場合と比較して、基板W上の水が昇温し易いから、基板Wの上面の乾燥に要する時間を短縮可能である。
また、過熱水蒸気の供給により、基板Wの上面上の水が温められて昇温する。一般的に、液体の表面張力は当該液体の温度上昇に従って減少する。したがって、過熱水蒸気の供給により、隣り合う微細パターン52間に存在する水の表面張力を低減できる。
以上により、基板W上の水の表面張力を低減でき、併せて基板Wの上面の乾燥に要する時間を短縮できるから、水の表面張力と基板Wの上面の乾燥に要する時間との積で導き出される「表面張力の力積」の低減を図ることができる。これにより、基板Wの乾燥時における微細パターン52の倒壊を抑制または防止できる。
また、基板Wの上面の全域に形成された水の液膜32に、過熱水蒸気ノズル27から過熱水蒸気を吹き付けることにより、基板Wの上面の中央部に液膜除去領域33を形成する。過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吹き付け、および基板Wの回転を行いながら、基板Wの上面における過熱水蒸気の供給位置SPを中央部から周縁部まで移動させることにより、液膜除去領域33を基板Wの上面の全域に拡大できる。したがって、基板Wの上面の全域から水を除去でき、これにより、基板Wの上面の全域を良好に乾燥できる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置101の一部を図解的に示す図である。
図5において、第1の実施形態に示された各部に対応する部分には、図1〜図10の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
第2の実施形態に係る基板処理装置101が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、スピンチャック5に保持されている基板Wを下方から加熱するホットプレート(加熱手段)102を備えている点である。スピンチャック5のスピンベースと、スピンチャック5に保持された基板Wとの間の空間に、ホットプレート102が収容されている。
ホットプレート102は、たとえばセラミックや炭化ケイ素(SiC)を用いて形成されており、円板状をなしている。ホットプレート102は、基板Wよりもやや小径の円形をなす平坦な基板対向面102aを有している。ホットプレート102の内部には、たとえば抵抗式のヒータ103が埋設されている。ヒータ103への通電によりヒータ103が発熱し、これにより、基板対向面102aを含むホットプレート102全体が発熱する。ホットプレート102の基板対向面102aは、基板Wの下面に近接しており、そのため、ホットプレート102の加熱状態では、基板対向面102aからの熱が熱輻射により基板Wの下面に与えられ、これにより基板Wが温められる。
制御装置3は、乾燥工程(図2のS6)に並行して、ホットプレート102を加熱状態に制御する。具体的には、制御装置3は、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吹き付け開始に先立って、ホットプレート102を加熱状態に制御する。そして、加熱開始から、ホットプレート102が所定の高温に達するような時間が経過した後、制御装置3(図1参照)は、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吹き付けを開始させる。過熱水蒸気ノズル27から過熱水蒸気が吐出停止されるまで、ホットプレート102による基板Wの加熱が続行される。基板Wの乾燥処理速度で回転させる点や、基板Wの上面の供給位置SPを移動させる点は、乾燥工程(図2のS6)に関連して前述した通りである。
また、ホットプレート102が昇降可能に設けられていて、ホットプレート102には、図5に破線で示すように、ホットプレート102を昇降するための昇降ユニット104が結合されていてもよい。昇降ユニット104は、ホットプレート102を、基板対向面102aが基板Wの下面に近接する上位置と、基板対向面102aが基板Wの下方に大きく退避する下位置との間で昇降させる。昇降ユニット104は、上位置と下位置との間の各所で、ホットプレート102を水平姿勢に保持する。
この場合、制御装置3は、基板Wに対する処理(図2に示す第1の処理例)の実行中、ヒータ103を制御して、ホットプレート102を常時加熱状態に維持する。そして、処理の開始からパドルリンス工程までの処理(図2に示すS1〜S5)の間は、ホットプレート102は、下位置に配置されている。そして、乾燥工程(図2のS6)の実行に際し、制御装置3は、昇降ユニット104を制御して、加熱状態にあるホットプレート102を下位置から上位置に向けて移動させ、上位置に配置する。これにより、ホットプレート102によって基板Wが温められる。
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。すなわち、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の基板Wへの供給とは別に、ホットプレート102からの加熱によっても、基板Wが温められる。そのため、基板W上の水の液膜32に、より大きな熱量を付与できる。これにより、基板Wの上面の乾燥を促進でき、その結果、基板Wの上面の乾燥に要する時間を、より一層短縮できる。
また、第2の実施形態において、過熱水蒸気の基板Wへの供給に並行して基板Wを加熱する場合について説明したが、過熱水蒸気の供給に先立って、基板Wを加熱するようにしてもよい。この場合、基板Wの余熱によって、乾燥工程(図2のS6)において、基板Wの上面の乾燥を促進できる。また、過熱水蒸気の供給前から過熱水蒸気の供給中に亘って、基板Wを加熱するようにしてもよい。
また、第2の実施形態において、ホットプレート102による基板Wの保持状態で、基板Wの下面がホットプレート102と接触可能に設けられていてもよい。すなわち、基板対向面102aが基板Wの下面に近接する状態で、ホットプレート102が基板Wを下方から接触支持するようにしてもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置201によって行われる処理の第2の処理例について説明するためのフローチャートである。図7A,7Bは、前記第2の処理例を説明するための図解的な図である。
第3の実施形態に係る基板処理装置201が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、図1Aに破線で示すように、処理ユニット2が、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面に、処理液として、低表面張力を有する有機溶剤の一例としてのイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)を供給するための有機溶剤供給ユニット(処理液供給手段)41をさらに含む点である。
有機溶剤供給ユニット41は、IPAを吐出する有機溶剤ノズル42と、有機溶剤ノズル42に接続された有機溶剤配管43と、有機溶剤配管43に介装された有機溶剤バルブ44と、有機溶剤ノズル42が先端部に取り付けられた第4のノズルアーム45と、第4のノズルアーム45を揺動させることにより、有機溶剤ノズル42を移動させる第4のノズル移動ユニット46とを含む。
有機溶剤バルブ44が開かれると、有機溶剤配管43から有機溶剤ノズル42に供給されたIPAが、有機溶剤ノズル42から下方に吐出される。有機溶剤バルブ44が閉じられると、有機溶剤ノズル42からのIPAの吐出が停止される。第4のノズル移動ユニット46は、有機溶剤ノズル42を基板Wの上面に沿って移動させることにより、IPAの供給位置を基板Wの上面内で移動させる。さらに、第4のノズル移動ユニット46は、有機溶剤ノズル42から吐出されたIPAが基板Wの上面に供給される処理位置と、有機溶剤ノズル42が平面視でスピンチャック5の側方に退避した退避位置との間で有機溶剤ノズル42を移動させる。
基板処理装置201の処理ユニット2では、図6に示す第2の処理例が行われる。
以下、図1および図6を参照して第2の処理例について説明する。図2および図7A,7Bは、適宜参照する。
第2の処理例は、パドルリンス工程(ステップS15)の後、基板Wの上面の水の液膜32をIPAで置換する有機溶剤置換工程(処理液工程。ステップS16)を行う点で、図2に示す第1の処理例と相違している。有機溶剤置換工程(S16)の後には、乾燥工程(ステップS17)が行われる。
図6に示すステップS11〜S15の工程は、それそれ、図2に示すステップS1〜S5と同等の工程であり、また、図6に示すステップS18,S19の工程は、それそれ、図2に示すステップS7,S8と同等の工程である。そのため、これらの工程については、説明を省略する。
有機溶剤置換工程(S16)では、制御装置3は、制御装置3は、第4のノズル移動ユニット46を制御することにより、有機溶剤ノズル42を退避位置から中央位置に移動させる。有機溶剤ノズル42が中央位置に静止された状態で、制御装置3は、基板Wの回転速度をパドルリンス工程(S15)と同じ速度に維持しつつ有機溶剤バルブ44を開く。これにより、回転停止している、もしくは、リンス工程(S4)での回転速度よりも低速の低回転速度(たとえば10〜30rpm)で回転している基板Wの上面の中央部に向けて、液体のIPAが吐出される。基板Wの上面の中央部へのIPAの供給により、基板Wの上面の液膜32に含まれる水がIPAに順次置換されていく。これにより、基板Wの上面に、基板Wの上面の全域を覆うパドル状のIPAの液膜47が保持される。この状態では、基板Wの上面のIPAの液膜47に作用する遠心力がIPAと基板Wの上面との間で作用する表面張力よりも小さいか、あるいは前記の遠心力と前記の表面張力とがほぼ拮抗している。
基板Wの上面にIPAの液膜47が保持された状態では、IPAの液膜47の液面は、微細パターン52の上端よりも上方に位置している(微細パターン52がIPAの液膜47に完全に浸されている)。そして、微細パターン52の間には、その底部(当該空間における基板W自身の表面51に極めて近い位置)までIPAが行き渡っている。次いで、制御装置3は、乾燥工程(ステップS17)を行う。
乾燥工程(S17)は、図2に示す乾燥工程(S6)と同等の工程である。
具体的には、制御装置3は、スピンモータ13を制御して、基板Wの回転速度を乾燥処理速度(たとえば100rpm)まで上昇させ、また、第3のノズル移動ユニット31を制御して、過熱水蒸気ノズル27を中央位置に移動させる。その後、制御装置3は、過熱水蒸気バルブ29を開く。これにより、過熱水蒸気ノズル27から過熱水蒸気が吹き付けられる。乾燥処理速度で回転中の基板Wの上面の供給位置SPに、過熱水蒸気ノズル27から過熱水蒸気が吹き付けられる。供給位置SPは、過熱水蒸気の吹き付け開始時には、基板Wの上面の中央部に配置されている。過熱水蒸気の吹き付けにより、基板Wの上面の供給位置SPにあるIPAが、吹き付け圧力(ガス圧)で物理的に押し拡げられ、当該供給位置SPから吹き飛ばされて除去されられる。これにより、基板Wの上面の全域に形成されたIPA液膜47の供給位置SPに、円形の穴態様の液膜除去領域48が形成される(液膜除去領域形成工程)。
基板Wの上面に吹き付けられる過熱水蒸気は、極めて高い浸透力を有している。そのため、隣り合う微細パターン52間の深部にまで過熱水蒸気が届く。したがって、過熱水蒸気を基板Wの上面に供給することにより、隣り合う微細パターン52間に含まれるIPAを良好に除去できる。
この場合、前述の第1の実施形態で説明したように、過熱水蒸気の凝縮により形成された水の薄膜54は、その後の過熱水蒸気の断続的な供給により蒸発乾燥させられる。そのため、過熱水蒸気の凝縮に伴う結露が基板W上で生じない。
また、制御装置3は、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吹き付け、および基板Wの回転を行いながら、第3のノズル移動ユニット31を制御して、過熱水蒸気ノズル27を、前記の中央位置から径方向外方に向けて水平に移動させる。これにより、基板Wの上面における過熱水蒸気の供給位置SPが、中央部から周縁部まで移動させられる。この場合、過熱水蒸気の供給位置SPを基板Wの上面の全域に走査させることができ、これにより、液膜除去領域48が基板Wの上面の全域に拡大する。過熱水蒸気ノズル27が周縁位置まで移動された後、制御装置3は、過熱水蒸気バルブ29を閉じて、過熱水蒸気ノズル27からの過熱水蒸気の吐出を停止させる。
第2の処理例では、処理液として、低表面張力を有するIPAを用いるので、第1の処理例の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。すなわち、隣り合う微細パターン52間に存在するのが表面張力の低いIPAであるので、隣接するパターン同士の引き付け合う力が弱まる。したがって、微細パターン52に作用する表面張力の力積を低減できるから、微細パターン52の倒壊をより一層効果的に抑制できる。
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、連続流を吐出する過熱水蒸気ノズル27ではなく、図8に示すように、下面に多穴を有する多穴ノズル301を用いて、基板Wの上面に過熱水蒸気を供給するようにしてもよい。多穴ノズル301の下面は、気体(すなわち過熱水蒸気)を下方に吐出する多数の貫通孔302が形成された、水平なパンチングプレート303によって構成されている。パンチングプレート303は、平面視で、基板Wの上面の全域を覆うことが可能な大きさおよび形状を有している。多穴ノズル301には、過熱水蒸気配管304が接続されている。過熱水蒸気配管304には、過熱水蒸気バルブ305が介装されている。多穴ノズル301には、ノズル移動ユニット306が結合されている。ノズル移動ユニット306は、スピンチャック5の側方に設けられた鉛直な揺動軸線(図示しない)まわりに多穴ノズル301を回動させる。また、ノズル移動ユニット306は、多穴ノズル301を上下方向に移動させる。ノズル移動ユニット306は、たとえば、退避位置、上位置(図8に破線で示す位置)、および近接位置(図8に実線で示す位置)のいずれかに多穴ノズル301を位置させる。退避位置は、多穴ノズル301がスピンチャック5の側方に退避する位置であり、上位置および近接位置は、多穴ノズル301が基板Wの中央部の上方に配置される位置である。上位置は、近接位置の上方の位置であり、近接位置は、上位置よりも多穴ノズル301の下面が基板Wの上面中央部に近接する位置である。
乾燥工程(図2のS6および図6のS17)において、多穴ノズル301は、近接位置に配置される。この状態で、パンチングプレート303が、基板Wの上面の全域を覆っている。過熱水蒸気バルブ305が開かれると、過熱水蒸気源からの過熱水蒸気は、過熱水蒸気配管304を通って多穴ノズル301内に導かれる。これにより、パンチングプレート13から、スピンチャック5に保持されている基板Wに過熱水蒸気が吹き付けられる。
この変形例では、乾燥工程(図2のS6および図6のS17)において、基板Wは静止させられていてもよい。この場合、基板保持手段として、図8のようなスピンチャック5(基板Wを回転可能な構成)を用いる必要はなく、基板Wを載置可能なプレートや載置台を基板保持手段として用いてもよい。
また、基板Wの上面にパドル状の液膜32,47が保持されている状態で、基板Wの上面に対する過熱水蒸気の供給が開始される(乾燥工程(図2のS6および図6のS17)が開始される)として説明したが、基板Wの上面に保持されている液膜32,47はパドル状の液膜に限られない。たとえば、基板の上面に処理液(水またはIPA)を供給しながら、基板Wを(たとえば10〜1000rpm)回転させると、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面に処理液が拡がり、換言すると、基板Wの上面の全域を覆う処理液の液膜が形成される。このような状態で、基板Wの上面に対する過熱水蒸気の供給が開始されるようになっていてもよい。
また、処理液の液膜は、基板Wの上面の全域を覆うものでなく、一部を覆うものであってもよい。
また、基板Wへの過熱水蒸気の供給開始時に、基板Wの上面が濡れていれば、基板Wの上面に処理液の液膜が形成されていてなくてもよい。基板Wの上面が濡れている状態では、微細パターン52の間に処理液が存在する。
また、処理対象の基板Wの表面(上面)に微細パターン52に形成されているものとして説明したが、基板Wの表面(上面)に形成されているパターンが、微細構造を有していなくてもよい。
また、本発明に用いられる有機溶剤(低表面張力を有する有機溶剤)はIPAに限られない。有機溶剤は、IPA、メタノール、エタノール、HFE(ハイドロフロロエーテル)、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む。また、有機溶剤としては、単体成分のみからなる場合だけでなく、他の成分と混合した液体であってもよい。たとえば、IPAとアセトンの混合液であってもよいし、IPAとメタノールの混合液であってもよい。
また、前述の各実施形態では、基板処理装置1,101,201が円板状の基板を処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置1,101,201は、液晶表示装置用ガラス基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
1,101,201 基板処理装置
5 スピンチャック(基板保持手段)
7 リンス液供給ユニット(処理液供給手段)
8 過熱水蒸気供給ユニット(過熱水蒸気供給手段)
41 有機溶剤供給ユニット(処理液供給手段)
51 上面(表面)
52 微細パターン(パターン)
102 ホットプレート(加熱手段)
W 基板

Claims (7)

  1. 所定のパターンが表面に形成された基板を、その表面を上方に向けた状態で保持する基板保持工程と、
    前記基板の表面を、処理液を用いて処理すべく、前記基板の表面に、当該基板の表面の一部または全域を覆う処理液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記処理液工程の後、前記基板の表面のうち前記処理液の液膜が形成されている部分に過熱水蒸気を供給して、前記基板の表面を乾燥させる乾燥工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記乾燥工程は、過熱水蒸気ノズルから前記基板の一部に過熱水蒸気を吹き付けて、前記処理液の液膜に液膜除去領域を形成する液膜除去領域形成工程を含む、請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記液膜形成工程は、前記基板の表面の全域を覆う処理液の液膜を形成するものであり、
    前記液膜除去領域形成工程は、前記過熱水蒸気ノズルから、前記基板の回転中心を含む中央部に過熱水蒸気を吹き付ける吹き付け工程を含み、
    前記乾燥工程は、さらに、
    前記吹き付け工程に並行して、前記基板を回転させる基板回転工程と、
    前記基板回転工程および前記吹き付け工程に並行して、前記基板の表面における過熱水蒸気の供給位置を、前記基板の前記中央部から、前記基板の表面の周縁を含む周縁部まで移動させる供給位置移動工程とを含む、請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記処理液は水である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記処理液は、低表面張力を有する有機溶剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 所定のパターンが表面に形成された基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板の表面に処理液を用いた処理液処理を施すべく、前記基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記処理液処理の後、前記基板の表面を乾燥させるために、当該基板の表面に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給手段とを含む、基板処理装置。
  7. 前記過熱水蒸気供給手段による過熱水蒸気の供給とは別に、前記基板を加熱する加熱手段をさらに含む、請求項6に記載の基板処理装置。
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