JP2016207610A - 複合高分子電解質膜およびその製造方法ならびに膜電極接合体、燃料電池 - Google Patents

複合高分子電解質膜およびその製造方法ならびに膜電極接合体、燃料電池 Download PDF

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泰宏 曽田
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Abstract

【課題】疎水性多孔質基材に充填する架橋性芳香族高分子電解質とイオン性基を有する重合性モノマー、イオン性基を有さない架橋剤の組成比を最適化し複合高分子電解質中の電解質成分量が多く、且つイオン交換容量の多い複合高分子電解質膜と、複合高分子電解質膜を用いた膜/電極接合体、燃料電池を提供すること。【解決手段】架橋性芳香族高分子電解質、イオン性基を有する重合性モノマー、イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤を疎水性多孔質基材の空孔に充填した後、活性エネルギー線照射により架橋した複合高分子電解質膜であって、前記架橋性芳香族高分子電解質100質量部に対して前記イオン性基を有する重合性モノマーが35〜140質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が10〜25質量部である複合高分子電解質膜。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐久性とプロトン伝導性を有する複合高分子電解質膜及びその製造方法に関するものである。
高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を挙げることが出来る。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜として高いプロトン伝導率を有すると共に、化学的、熱的、電気化学的および力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとして、従来、パーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしながら、現在、特に注目されている固体高分子型燃料電池用途においては、燃料である水素ガスの透過が大きいなどの特性面での課題に加え、フッ素を含むため廃棄時の環境汚染や、発電時に発生するフッ酸が燃料電池のシステムを腐食するという問題点が指摘されている。
一方、パーフルオロカーボンスルホン酸膜に代わる電解質膜として、ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどのポリマーにスルホン酸基などイオン性基を導入した、いわゆる炭化水素系高分子固体電解質が近年盛んに検討されている。しかしながら、炭化水素系高分子固体電解質はパーフルオロカーボンスルホン酸に比べて水和・膨潤しやすく、寸法変化が大きいため、乾燥・湿潤の繰り返しにより破断してしまうなどの機械的な特性に問題があることが指摘されている。
炭化水素系高分子固体電解質膜の機械的強度を上げる方法として、電解質膜を架橋する方法が挙げられる。ポリアリーレン系電解質存在下にラジカル重合性モノマーを開始剤存在下で反応させた架橋性高分子電解質膜(例えば、特許文献1参照)、高分子フィルムにプロトン伝導性基を導入されてなる高分子電解質膜中に多官能性トリアジン化合物、多官能性トリアジン化合物前躯体を含む電解質膜(例えば、特許文献2参照)、イオン性基を有する芳香族電解質に、分子中に3個のアリル基を有する化合物を加えて架橋した電解質膜(例えば、特許文献3参照)が報告されている。
さらに、高分子固体電解質膜の機械的強度を向上させ、寸法変化を抑制する方法として、高分子固体電解質膜に種々の補強材を組み合わせた複合高分子固体電解質膜が提案されており、イオン交換性基を有する重合性化合物を多孔質基材に充填した電解質膜(例えば、特許文献4参照)などが報告されている。
しかしながら、ポリアリーレン系高分子電解質のような剛直な分子構造を有する架橋性芳香族高分子電解質は分子鎖間の凝集によりイオン性基を有さない架橋剤と相分離するため、イオン性基を有するモノマーを混合し架橋性芳香族高分子電解質と架橋剤の相溶性を改善する必要がある。この相溶性はイオン性基を有するモノマーの添加量が増えるほど改善されるが、一方で特許文献4のような疎水性多孔質基材に充填する際にはイオン性基を有するモノマーの増加により充填物の濡れ性が悪くなるため含浸不良を起こす。またイオン性基を有さない架橋剤は疎水性多孔質基材との濡れ性が良いため、添加量が増えると疎水性多孔質基材中に濃縮され、架橋性芳香族高分子電解質およびイオン性基を有するモノマーの疎水性多孔質基材内への充填が阻害され、イオン交換容量の少ない複合高分子電解質膜になる。
特開2003−82012号公報 特開2007−335264号公報 特開2015−38866号公報 特許第4979236公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、疎水性多孔質基材に充填する架橋性芳香族高分子電解質とイオン性基を有する重合性モノマー、イオン性基を有さない架橋剤の組成比を最適化し複合高分子電解質中の電解質成分量が多く、且つイオン交換容量の多い複合高分子電解質膜と、複合高分子電解質膜を用いた膜/電極接合体、燃料電池を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)架橋性芳香族高分子電解質、イオン性基を有する重合性モノマー、イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤を疎水性多孔質基材の空孔に充填した後、活性エネルギー線照射により架橋した複合高分子電解質膜であって、前記架橋性芳香族高分子電解質100質量部に対して前記イオン性基を有する重合性モノマーが35〜140質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が10〜25質量部である複合高分子電解質膜。
(2)前記架橋性芳香族高分子電解質100質量部に対して前記イオン性基を有する重合性モノマーが40〜120質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が15〜20質量部である(1)に記載の複合高分子電解質膜。
(3)前記架橋性芳香族高分子電解質が、下記化学式1および下記化学式2で示される繰り返し構造を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の複合高分子電解質膜。

(式中、R1、R2は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R3が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a、bは1〜4の整数を示す。p、qは、p+q=1を満たす0または1である。)

(式中、m、nは正の整数、m+n=5〜1000を示す。R4は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。rは1または2であり、dは4−rを示す。AはOR5もしくはN(R6)(R7)を示し、R5は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R6及びR7は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。)
(4)前記イオン性基を有する重合性モノマーがスルホン酸基、ホスホン酸基のうち少なくとも一つを有する(1)〜(3)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(5)前記イオン性基を有する重合性モノマーが下記化学式3で示される(1)〜(4)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。

(式中、R8は水素、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかである。R9は直接結合、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかである。tは1〜5のいずれかである。)Bは水素、OR10もしくはN(R11)(R12)を示し、R10は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R11及びR12は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R11及びR12は同一であっても異なっていてもよい。)
(6)前記イオン性基を有する重合性モノマーがビニルスルホン酸である(1)〜(5)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(7)前記イオン性基を有さない架橋剤がトリアリルイソシアネートである(1)〜(6)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(8)前記疎水性多孔性基材がオレフィン系多孔性基材であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(9)前記高分子電解質膜のイオン交換容量が1.6〜6.0meq/gであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の複合高分子電解質膜を用いた燃料電池用高分子電解質膜電極接合体。
(11)前記(10)に記載の高分子電解質膜電極接合体を用いた燃料電池。
本発明により、複合高分子電解質中の電解質成分量が多く、且つイオン交換容量の多い複合高分子電解質膜と、複合高分子電解質膜を用いた膜/電極接合体、燃料電池を提供することができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明における架橋性芳香族高分子電解質はその分子鎖中に活性エネルギー線によりラジカルを発生する官能基を有していることが好ましく、特に構造を限定されるものではないが、プロトン伝導性や耐久性の観点から化学式1および化学式2で示される繰り返し構造を有することが好ましい。

(式中、R1、R2は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R3が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a、bは1〜4の整数を示す。p、qは、p+q=1を満たす0または1である。)

(式中、m、nは正の整数、m+n=5〜1000を示す。R4は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。rは1または2であり、dは4−rを示す。AはOR5もしくはN(R6)(R7)を示し、R5は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R6及びR7は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。)
m+n=5〜1000としたが、m+n<5では、電解質としての形状を保つことが困難である。一方、m+n>1000は重合することが容易ではない。より好ましくはm+n=10〜500である。
mおよびnの比率は、特に制限されるものではないが、複合高分子電解質膜製膜後のプロトン伝導性や架橋反応性の面から、m/n(モル分率)で0.95/0.05〜0.6/0.4であることが好ましく、0.9/0.1〜0.75/0.25であることがより好ましい。これらの値はNMRなどの一般的な手法により求めることができる。
化学式2で示される構造を有する架橋性芳香族高分子電解質のイオン交換容量(IEC)は特に制限されるものではないが、プロトン伝導性の観点から3.0meq/g以上であれば良い。ただし、IECが高すぎると膨潤が大きくなるなどの問題があるため、実質的に3.0〜8.4meq/gであることが好ましく、中でも3.5〜8.0meq/gがより好ましく、4.0〜7.5meq/gが最も好ましい。
ここで、イオン交換容量とは、乾燥した高分子電解質膜1グラムあたりに導入されたイオン交換基量であり、値が大きいほどイオン交換基の量が多いことを示す。例えば、スルホン酸基とした場合、スルホン酸基密度(meq/g)の値として示すことができる。イオン交換容量は、キャピラリー電気泳動、元素分析、中和滴定などにより求めることが可能である。これらの中でも測定の容易さから、中和滴定法によりイオン交換容量を求めることが好ましい。本発明のイオン交換容量は中和滴定法により測定した値を用いるが、他の方法でも大きな差はなく採用可能である。
以下、本発明の架橋性芳香族高分子電解質の製造方法について説明する。
化学式1の構造を有する架橋性芳香族高分子電解質を製造するための原料化合物のひとつとして、化学式5に示される置換基を有してもよいジハロベンゼン化合物が挙げられる。

(式中、X、Yはフッ素を除くハロゲン原子であり、X、Yはそれぞれ同一でも異なってもよい。R〜R、a、b、p、qは上記で定義したものと同じ意味を表す。)
具体的には、置換基を有してよい2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、3,4−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジブロモベンゾフェノン、2,5−ジブロモベンゾフェノン、3,4−ジブロモベンゾフェノン、2,4’−ジブロモベンゾフェノン、4,4’−ジブロモベンゾフェノンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも、置換基を有してもよい2,5−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノンが好ましい。
さらに化学式2の構造を有する架橋性芳香族高分子電解質を製造するための原料化合物のひとつとして、化学式6に示される置換基を有してもよいジハロベンゼンスルホン酸エステルが挙げられる。

(式中、X、Yはフッ素を除くハロゲン原子であり、X、Yはそれぞれ同一でも異なってもよい。Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。sは1または2であり、eは4−sを示す。CはOR13またはNR14 で表され、R13は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R14は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示す。)
具体的には、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル) 、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル) 、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル) 、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシルが好ましい。
上記原料を用いてカップリング重合する際に、ニッケル化合物、配位子、還元剤の触媒系で重合することができる。
ニッケル化合物として、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン) 、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等のゼロ価ニッケル化合物、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等のハロゲン化ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケルカルボン酸塩、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス( トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド等の2価ニッケル化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、ニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ハロゲン化ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリドが好ましい。
ニッケル化合物の使用量はモノマーに対して0.01〜500mol%がよく、ニッケル化合物の使用量が多すぎると分子量が小さくなる傾向にある。また精製が困難かつコスト的な問題から実用的には100mol%以下である。一方、少なすぎると系中に存在する水の影響により触媒能がなくなる可能性があり、実用的には1mol%以上である。すなわち、1〜100mol%が好ましい。
配位子として、含窒素ニ座配位子またはリン配位子が挙げられる。含窒素二座配位子としては2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられ、2,2’−ビピリジンが好ましい。一方、リン配位子としてはトリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィンが好ましい。配位子の使用量はニッケル化合物に対して、含窒素ニ座配位子は0.5〜8.0当量、好ましくは1.0〜4.0当量である。
還元剤としては亜鉛を用いることができるが、限定されるものではない。使用量は通常モノマーに対して1当量以上であり、上限は設けない。実用的には重合後の精製を考慮すると5当量以下、好ましくは2当量以下である。
重合溶媒としては、モノマー組成物及び生成するポリアリーレンが溶解し得る溶媒であればよい。そのような溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でもエーテル溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。溶媒の使用量は、多すぎると分子量の小さなポリアリーレンが得られやすく、少なすぎるとモノマー組成物及び生成するポリアリーレンの溶解性の観点から好ましくない。モノマー組成物中のモノマーに対して、通常1〜200重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。
反応は通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施することが好ましいが、これらに限定されるものではない。重合時間は0.5時間〜48時間以内で行い、反応温度は室温〜溶媒の沸点までで行うことができ、特に制限されない。
反応後は酸性水溶液に再沈し、有機溶媒で精製することでポリマー中間体を合成する。目的のポリアリーレン以外の化合物を溶解し且つ目的のポリアリーレンを溶解しない溶媒または溶解しにくい溶媒により精製する。反応混合物を上記溶媒と混合して目的のポリアリーレンのみを析出させ、濾過を行うことで、目的のポリアリーレンを取り出すことができる。得られたポリアリーレンの分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。上記酸性水溶液としては塩酸が好ましく、上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類またはアセトン、アセトニトリル等が挙げられ、2−プロパノールおよびアセトンが好ましい。
続いて、脱保護、酸変換する方法に関して説明する。
スルホン酸エステルは通常、酸またはアルカリによる加水分解もしくはアルカリ金属ハロゲン化物またはハロゲン化第四級アンモニウムと反応させ、次いで酸処理する方法が挙げられる。今回製造する水溶性ポリアリーレンスルホン酸類は通常の方法で実施すると、酸またはアルカリ水溶液に溶解し、目的とするポリマーを得ることができない。
そこで、アルカリ金属ハロゲン化物またはアミン塩酸塩を反応させ、次いで固体酸により酸処理する方法が挙げられる。アルカリ金属ハロゲン化物としては、例えば、臭化リチウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられ、アミン塩酸塩としては、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩等が挙げられ、臭化リチウム及びトリメチルアミン塩酸塩が好ましい。使用量はポリマー中のスルホン酸エステルに対して1.1〜10当量、好ましくは2〜8当量である。
反応に使用する溶媒は脱保護剤およびポリマーが溶解することが条件として挙げられる。そのような溶媒としてN−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。反応温度は通常、0〜200℃、好ましくは80〜160℃である。
反応後の溶液中にはスルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマー、脱保護剤の反応残渣、反応溶媒が存在しているために精製を行う必要がある。精製に用いる溶媒として、スルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマーが溶解せず脱保護剤の反応残渣が溶解する溶媒、またはスルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマーが溶解し脱保護剤の反応残渣が溶解しない溶媒が求められる。生成したポリマーが溶解せず脱保護剤の反応残渣が溶解する溶媒としてハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。中でもクロロホルムが好ましい。
スルホン酸アンモニウム型またはスルホン酸金属塩型に変換されたポリマーを酸変換する方法として、固体酸を用いる方法が挙げられる。固体酸として陽イオン交換樹脂がよい。陽イオン交換樹脂の使用量は陽イオン交換樹脂のイオン交換容量に依存するが、平衡反応であるため目的のポリマーのイオン交換容量の10倍以上の相当量が必要とされる。特に上限は設けないが、実用的には20倍以下である。
固体酸が分散したポリマー水溶液から固体酸をろ別し、ポリマー水溶液を濃縮し乾燥する事により目的とするポリマーを製造することができる。
本発明におけるイオン性基を有する重合性モノマーは高分子電解質膜の電気化学特性が良好なスルホン酸基およびホスホン酸基を有することが好ましい。
本発明におけるイオン性基を有する重合性モノマーはラジカル重合性であることが好ましい。ここでラジカル重合性の化合物には活性エネルギー線照射によりラジカルが発生しラジカル重合開始点となる化合物も含む。
本発明における架橋性芳香族高分子電解質およびイオン性基を有する重合性モノマーは活性エネルギー線によりラジカル重合する。ここで、活性エネルギー線とはその照射によりラジカル重合性組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、α線、γ線、X線などの高エネルギー放射線、紫外線、可視光線、赤外線などの紫外線から赤外線に至る光線、電子線などの粒子線を広く包含するものである。なかでも、電子線照射は2級および3級炭素間での架橋反応が可能であり、炭素―水素結合を有する高分子主鎖および側鎖、直鎖もしくは環状脂肪族化合物と高密度な架橋が期待できるため、より好ましい。
上記のイオン性基を有する重合性モノマーとして、スルホン酸基、ホスホン酸基のうち少なくとも一つを有することが好ましい。
上記のイオン性基を有する重合性モノマーとして、下記の化学式3で示されるモノマーがより好ましい。

(式中、R8は水素、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかである。R9は直接結合、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかである。tは1〜5のいずれかである。)Bは水素、OR10もしくはN(R11)(R12)を示し、R10は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R11及びR12は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R11及びR12は同一であっても異なっていてもよい。)
本発明におけるスルホン酸基を有する重合性モノマーとしてビニルスルホン酸誘導体、アリルスルホン酸誘導体、直鎖もしくは環状脂肪族スルホン酸誘導体を使用することができるが重合反応性の観点からビニルスルホン酸誘導体およびアリルスルホン酸誘導体が好ましい。具体的にはビニルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸およびそれらの塩などが挙げられる。
本発明におけるホスホン酸を重合性モノマーとしてビニルホスホン酸誘導体およびアリルホスホン酸誘導体、直鎖もしくは環状脂肪族ホスホン酸誘導体を使用することができるが重合反応性の観点からビニルホスホン酸誘導体およびアリルホスホン酸誘導体が好ましい。具体的にはビニルホスホン酸、4−スチレンスルホン酸、4−ビニルベンジルホスホン酸、アリルホスホン酸、アリルホスホン酸アリルそれらの塩などが挙げられる。
本発明におけるイオン性基を有さない2官能以上の架橋剤は、架橋密度の観点から3官能以上であることが好ましい。更に耐加水分解性の観点からエステル、エーテル結合のような分解しやすい分子構造を無い架橋剤がより好ましい。具体的には、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、及びそれらの誘導体及び反応物を挙げることができる。
本発明における架橋性芳香族高分子電解質、イオン性基を有する重合性モノマー、イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤を疎水性多孔性基材内に充填する際、前記架橋性芳香族高分子電解質100質量部に対して前記イオン性基を有する重合性モノマーが35〜140質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が10〜25質量部であることが好ましく、前記イオン性基を有する重合性モノマーが40〜120質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が15〜20質量部であることがより好ましい。
本発明におけるイオン性基を有する重合性モノマーが35質量部より少ない場合、架橋性芳香族高分子電解質との相分離が進み、前記架橋性芳香族高分子電解質の架橋部で発生したラジカルと重合性モノマーの反応が阻害される。また、前記イオン性基を有する重合性モノマーが140質量部より多い場合、疎水性多孔質基材と電解質成分との濡れ性が悪化するため充填量が減少する。
本発明におけるイオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が10質量部より少ない場合、疎水性多孔質基材と電解質成分との濡れ性悪化による充填不良が生じ、また架橋密度の低下による電解質成分の溶出量が増えるため電解質成分の充填量が減少する。また、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤は疎水性多孔質基材との濡れ性が良いため、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤は、25質量部より多い場合、疎水性多孔質基材内に濃縮され、前記架橋性芳香族高分子電解質および前記イオン性基を有する重合性モノマーの充填を阻害する。また、疎水性多孔室内に充填された電解質成分中の前記イオン性基を有さない架橋剤の割合が増えることから、イオン交換容量およびプロトン伝導性も減少する。
本発明に用いられる多孔質基材の材質としては、プロトン伝導を遮断や妨害しないものであれば特に限定するものではないが、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を鑑みれば、脂肪族系高分子または芳香族系高分子が好ましく使用される。脂肪族系高分子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、ここで言うポリエチレンとは、ポリエチレンの結晶構造を有するエチレン系のポリマーの総称であり、例えば直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)や、低密度ポリエチレン(LDPE)の他に、エチレンと他のモノマーとの共重合体をも含み、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称されるエチレン、α−オレフィンとの共重合体や超高分子量ポリエチレンなどを含む。またここで言うポリプロピレンはポリプロピレンの結晶構造を有するポリプロピレン系のポリマーの総称であり、一般に使用されているプロピレン系ブロック共重合体、ランダム共重合体など(これらはエチレンや1−ブテンなどとの共重合体である)を含むものである。
前記芳香族系高分子としては、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルフィドスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。さらに、セルロースやポリ乳酸も使用できる。
多孔質材料として多孔質フィルムを選択する場合、電気化学的な安定性、コストの観点からポリエチレンやポリプロピレンに代表される脂肪族ポリオレフィンフィルムが好ましい。
また、ポリオレフィンに被抽出物を添加し、微分散させ、シート化した後に被抽出物を溶媒などにより抽出して孔を形成し、必要に応じて抽出前および/または後に延伸加工を行う工程を有する抽出法で得られた湿式法で得られた多孔質材料も使用可能である。また自己組織化によるハニカム状に開口した多孔質材料や炭酸カルシウムなどの造孔剤を添加し延伸により多孔質化したフィルムも使用可能である。
多孔質基材の空隙率は使用する高分子電解質のイオン交換容量によって適宜実験的に求められるが、複合高分子電解質膜のプロトン伝導性や、高分子電解質溶液の充填の容易さの観点から、30%以上90%以下が好ましく、35%以上70%以下がより好ましい。空隙率が35%以上であれば、高分子電解質溶液が多孔質材料の内部まで充填が容易となりプロトン伝導パスが複合高分子電解質膜の厚み芳香に連続的に形成されやすい。また、90%以下であれば製膜工程での作業性が良好となり、複合高分子電解質膜の乾湿寸法変化や吸水時の機械的強度の低下を抑制できる。
多孔質基材の空隙率は、多孔質材料を正方形に切り取り、一辺の長さをL(cm)、重量W(g)、厚みD(cm)、を測定して、以下の式より求めることができる。
空隙率=100−100(W/ρ)/(L2×D)
上記式中のρは、フィルム密度を示す。ρはJIS K7112(1980)のD法の密度勾配管法にて求めた値を用いる。このときの密度勾配管用液は、エタノールと水を用いる。
多孔質基材の厚みは、目的とする複合高分子電解質膜の膜厚により適宜決定できるが、1〜100μmであることが実用上好ましい。フィルム厚みが1μm未満では、製膜工程および二次加工工程における張力によってフィルムが伸び、縦じわの発生や、破断する場合がある。また、100μmを超えると、高分子電解質の充填が不十分となりプロトン伝導性が低下する。
本発明の複合高分子電解質膜は、前記多孔質基材に前記架橋性芳香族高分子電解質および上記ラジカル重合性化合物の混合溶液を含浸させ、溶媒を除去した後に、活性エネルギー線照射によって架橋を進行させることで得られる。
以下に複合高分子電解質膜の製造法について説明する。架橋性芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合溶液の多孔膜への含浸方法は特に限定されず、該多孔質基材と上記混合溶液が接触するような態様をとればよく、上記混合溶液を溜めた溶液槽に、該多孔質基材を浸漬した後に溶媒を除去する工程、該溶液を多孔質基材に流延塗布して含浸させる工程、該溶液を基材上に流延塗布しその後に該多孔質基材を貼り合わせて含浸させる工程などが挙げられる。
本発明における架橋性芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合比は、上記のIECの範囲から逸脱しないものであれば特に限定されないが、芳香族高分子電解質/ラジカル重合性化合物(質量%比)で90/10〜40/60の範囲であることが好ましく、プロトン伝導性や耐久性および反応性の面から75/25〜40/60であることが特に好ましい。
本発明における架橋性芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合溶液の濃度は、流動性を有する範囲であれば、特に限定されるものではないが、1質量%〜30質量%であり、好ましくは,3質量%〜15質量%である。
上記混合溶液における溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類やジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性有機溶媒および水などが挙げられる。これらの溶剤はそれぞれ混合されていても良い。乾燥速度および製膜性の観点からアルコール系の溶媒と水の混合溶媒を用いることが好ましく、メタノールと水の混合溶媒を用いることがより好ましい。
架橋性芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の混合溶液の多孔膜への含浸後に、得られた複合膜に対して、活性エネルギー線照射によりラジカルを発生させ、架橋を進行させることで本発明の高分子電解質膜を得ることができる。
また、これらの処理と並行またはその処理後に加熱処理を行うこともできる。架橋性芳香族高分子電解質およびラジカル重合性化合物の一部を反応させることができればよく、具体的な加熱条件については、特に限定されないが、反応性の面から50℃〜150℃の温度で処理することが好ましく、80〜150℃で処理することがより好ましい。
本発明の複合高分子電解質膜のイオン交換容量(IEC)は、複合高分子電解質膜のプロトン伝導性の観点から、1.6meq/g以上であれば良く、膜の形態安定性について考慮すると1.6meq/g以上6.0meq/g以下であることが好ましく、2.0meq/g以上4.0meq/gであることがより好ましい。IECが1.6meq/gより低いとプロトン伝導性が不十分で、IECが6.0meq/gより高いと膜の形態安定性に問題が出てしまう。
本発明の複合高分子電解質膜は、イオン交換膜として用いることができる。また、電極触媒層を結合して膜/電極接合体とすることで、燃料電池や電解膜として用いることができる。電極触媒層は触媒と電極材料からなり、公知の材料を用いることができる。例えば、拡散層としては、カーボンペーパーやカーボンクロスなど、導電性の多孔質材料を用いることができるが、それらに限定されるものではない。カーボンペーパーやカーボンクロスなど、導電性の多孔質材料は、撥水処理、親水処理などの表面処理がされたものを用いることもできる。触媒には、公知の材料を用いることができる。例えば、白金、白金とルテニウムなどの合金、白金とコバルトの合金、パラジウムなどの非白金金属をコアとし表面に白金を有するコアシェル触媒、Nを含むカーボンアロイ触媒などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。触媒や触媒を坦持した粒子を含む電極触媒層のバインダーにはプロトン伝導性を有する樹脂を用いることができ、フッ素系高分子電解質やその分散液を用いることができる。また、撥水性を良くするためのフッ素樹脂を加えたり、保水性をよくするために親水性樹脂を加えたりすることもできる。
膜/電極接合体は、従来からの公知の方法を用いて行うことができ、例えば、電極表面に接着剤を塗布して高分子電解質膜と電極触媒層とを接着する方法または高分子電解質膜と電極触媒層とを加熱加圧する方法、触媒とバインダーの分散液を、電解質膜に塗布又は噴霧し乾燥する方法等がある。接着剤としては、ナフィオン(商品名)溶液など公知のものを用いてもよいし、本発明の複合高分子電解質膜構成するイオン性基含有ポリマーを主成分としたものを用いてもよいし、他の炭化水素系プロトン伝導性ポリマーを主成分とするものを用いてもよい。
本発明の複合高分子電解質膜は、高分子電解質膜/電極接合体とした後、酸素及び燃料の流路を有するセパレーターで挟むことにより燃料電池の単セルとなり、単セルを連結することで燃料電池スタックを得ることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、各種測定は次のように行った。
<高分子電解質膜の評価方法>
以下に高分子電解質膜の評価方法を示す。なお評価するに際しては、特別な記載がない
限り、厚みや質量を正確に測ることを目的とし、室温が20℃で相対湿度が40±5RH
%にコントロールされた測定室内で評価を行った。なお、測定に際してサンプルは、24
時間以上、測定室内で静置したものを使用した。
<複合高分子電解質膜の厚み>
複合高分子電解質膜の厚みは、マイクロメーター(Mitutoyo、標準マイクロメ
ーター)を用いて測定することにより求めた。測定は10箇所行い、その平均値を厚みと
した。
<イオン交換容量>
乾燥したプロトン交換膜100mgを、0.01MのNaOH水溶液50mlに浸漬し
、25℃で2時間攪拌した。その後、0.02MのHCl水溶液で中和滴定した。中和滴
定には、平沼産業(株)製、電位差滴定装置COMTITE−980を用いた。イオン交
換当量は下記式で計算して求めた。
イオン交換容量[meq/g]=(10−滴定量[mL])/2
<プロトン伝導性>
自作測定用プローブ(テフロン(登録商標)製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直
径:0.2mm)を押しあて、80℃、50%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガ
ノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間のインピーダンスを
SOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSE
Rにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離とC−Cプロットから見積も
られる抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャ
ンセルしたプロトン伝導率(σ)を算出した。
σ[S/cm]=1/膜幅[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm]
合成例1
架橋性芳香族高分子電解質であるポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]の合成例を示す。
30ml反応容器<A>に無水塩化ニッケル(97mg、0.75mmol)、トリフェニルホスフィン(780mg、3.0mmol)、沃化ナトリウム(56mg、0.37mmol)、亜鉛粉末(980mg、15mmol)を量りとり、テトラヒドロフラン3mlを加えた。70℃まで昇温し、10分間撹拌した。異なる30ml反応容器<B>に2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸2,2−ジメチルプロピル(1.9g、6.3mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(0.28g、1.12mmol)にテトラヒドロフラン(7ml)を加えた。反応容器<B>の溶液を反応容器<A>に移し、70℃で6時間撹拌した。反応溶液を10%塩酸水溶液100mlに注ぎ、ろ過した。次いで、アセトン100ml中に分散させ、反応混合物を溶解し、ろ過することにより目的としたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,2−ジメチルプロピル−2,5−ベンゾフェノン]を1.3g合成することができた。Mn=5300。
30ml反応容器に合成したポリマー(1g、スルホン酸エステルユニット4.4mmol分に相当)、トリメチルアミン塩酸塩(2.1g、22mmol)、NMP 20mlを計量し、120℃で12時間攪拌した。反応混合物をクロロホルム100mlで洗浄し、トリメチルアミン塩酸塩の反応残渣が除去できるまでクロロホルムで洗浄した。100ml三角フラスコに精製したポリマー、陽イオン交換樹脂(ダウエックスモノスフィアー650C)10g、純水10gを計量し室温で12時間攪拌した。陽イオン交換樹脂をろ過により除去し、ポリマー水溶液を濃縮、乾燥し、目的物を0.7g合成することができた。合成したポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]のイオン交換容量は5.5meq/gであった。
実施例1
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸40mg、トリアリルイソシアヌレート20mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は41%、イオン交換容量2.12meq/g、プロトン伝導性0.020S/cmであった。
実施例2
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸70mg、トリアリルイソシアヌレート15mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は42%、イオン交換容量2.16meq/g、プロトン伝導性0.045S/cmであった。
実施例3
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸100mg、トリアリルイソシアヌレート15mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は46%、イオン交換容量2.41meq/g、プロトン伝導性0.038S/cmであった。
実施例4
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸100mg、トリアリルイソシアヌレート20mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は46%、イオン交換容量2.36meq/g、プロトン伝導性0.032S/cmであった。
実施例5
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸120mg、トリアリルイソシアヌレート15mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は46%、イオン交換容量2.06meq/g、プロトン伝導性0.030S/cmであった。
比較例1
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸30mg、トリアリルイソシアヌレート15mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は30%、イオン交換容量0.97meq/g、プロトン伝導性は膜抵抗が高く測定できなかった。
比較例2
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸30mg、トリアリルイソシアヌレート40mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は37%、イオン交換容量0.83meq/g、プロトン伝導性は膜抵抗が高く測定できなかった。
比較例3
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸70mg、トリアリルイソシアヌレート40mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は37%、イオン交換容量1.47meq/g、プロトン伝導性0.006S/cmであった。
比較例4
合成例1で得られたポリ[(p−フェニレンスルホン酸)−2,5−ベンゾフェノン]100mg、ビニルスルホン酸150mg、トリアリルイソシアヌレート15mgをメタノール/水[90/10(w/w)]混合溶液4.3gに溶解させた。その後、メタノールに浸漬したポリエチレン製多孔膜(サイズ:10.5×10.5cm、膜厚:9μm、空孔率:35%)をPTFE製基材上に置き、その上から上記ポリマー溶液をコートし、窒素雰囲気下室温で乾燥させた。乾燥後の複合高分子電解質膜をプラスチックの枠に固定し、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション所有、EBC300キュアトロン)を用いて窒素雰囲気下、加速電圧250kV、電子線照射線量500kGyで電子線架橋を行った。電子線照射後、枠から複合高分子電解質膜をはずし、超純水500mlに浸け80℃の乾燥機中で24時間保持し、架橋が不十分な成分を溶出させ除去した。
得られた複合膜中の電解質率は30%、イオン交換容量1.55meq/g、プロトン伝導性0.009S/cmであった。
表1および表2から、本発明の複合高分子電解質膜は疎水性多孔質基材内の電解質成分の充填量、イオン交換容量が多く、且つプロトン伝導性が高く、燃料電池膜としての応用に期待が持てる。
本発明の複合高分子電解質膜は、複合高分子電解質中の電解質量、イオン交換容量が多く、プロトン伝導性も高いことから、燃料電池の実用性が大幅に向上することが期待でき、産業界の発展に寄与するところ大である。

Claims (11)

  1. 架橋性芳香族高分子電解質、イオン性基を有する重合性モノマー、イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤を疎水性多孔質基材の空孔に充填した後、活性エネルギー線照射により架橋した複合高分子電解質膜であって、前記架橋性芳香族高分子電解質100質量部に対して前記イオン性基を有する重合性モノマーが35〜140質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が10〜25質量部である複合高分子電解質膜。
  2. 前記架橋性芳香族高分子電解質100質量部に対して前記イオン性基を有する重合性モノマーが40〜120質量部、前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤が15〜20質量部である請求項1に記載の複合高分子電解質膜。
  3. 前記架橋性芳香族高分子電解質が、下記化学式1および下記化学式2で示される繰り返し構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の複合高分子電解質膜。

    (式中、R1、R2は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。R3は炭素数1〜20のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示す。R3が置換基を有する場合、該置換基は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、該置換基を複数有する場合はそれらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。a、bは1〜4の整数を示す。p、qは、p+q=1を満たす0または1である。)

    (式中、m、nは正の整数、m+n=5〜1000を示す。R4は水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかであり、置換基は同一であっても異なっていてもよい。rは1または2であり、dは4−rを示す。AはOR5もしくはN(R6)(R7)を示し、R5は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R6及びR7は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R6及びR7は同一であっても異なっていてもよい。)
  4. 前記イオン性基を有する重合性モノマーがスルホン酸基、ホスホン酸基のうち少なくとも一つを有する請求項1〜3のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  5. 前記イオン性基を有する重合性モノマーが下記化学式3で示される請求項1〜4のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。

    (式中、R8は水素、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかである。R9は直接結合、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかである。tは1〜5のいずれかである。)Bは水素、OR10もしくはN(R11)(R12)を示し、R10は水素、アルカリ金属、炭素数1〜20のアルキル基のいずれかを示し、R11及びR12は水素または炭素数1〜20のアルキル基のいずれかであり、R11及びR12は同一であっても異なっていてもよい。)
  6. 前記イオン性基を有する重合性モノマーがビニルスルホン酸である請求項1〜5のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  7. 前記イオン性基を有さない2官能以上の架橋剤がトリアリルイソシアネートである請求項1〜6のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  8. 前記疎水性多孔性基材がオレフィン系多孔性基材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  9. 前記高分子電解質膜のイオン交換容量が1.6〜6.0meq/gであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の複合高分子電解質膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の複合高分子電解質膜を用いた燃料電池用高分子電解質膜電極接合体。
  11. 請求項10に記載の高分子電解質膜電極接合体を用いた燃料電池。
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