JP2017100490A - 速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の状況に応じた適切な最高速度を設定することができる速度制御装置を提供する。【解決手段】電動車椅子100は電動車椅子100の走行速度を調節する操作レバー103を備えている。また、電動車椅子100に備えられている演算装置1は電動車椅子100の周囲の混雑度に応じて走行速度の上限値を設定する設定部11と、設定部11で設定された上限値を超えないように、操作レバー103による調節に基づき電動車椅子100の走行速度を制御する制御部12と、を備えている。そして、制御部12は、設定部11による上限値Vmaxの設定変更に伴い電動車椅子100の走行速度を変化させる場合に、当該走行速度を上限値Vmaxの設定変更に伴い新たに設定される目標速度に向けて徐々に変化させる。【選択図】図2

Description

本発明は、移動体の走行速度を制御する速度制御装置に関する。
動力源を内蔵して当該動力源により走行する移動体として、例えば電動車椅子は、最高速度を設定する速度切替スイッチと操作量に応じた速度で走行するための操作レバーを設けている。そして、速度切替スイッチで設定した最高速度の範囲内において、操作レバーの操作量に応じた速度で走行するように車輪駆動用モータの回転速度を変更することにより走行速度の制御を行っている。したがって、使用者は、例えば操作レバーの倒し具合(操作量)を加減することで速度を調整する。また、この種の電動車椅子の使用者は、常に設定可能な最大の速度に最高速度を設定したままの状態で、状況に応じて操作レバーの倒し具合を加減することにより速度を調整しながら走行していることが多い。
しかしながら、人通りの多い場所や道幅の狭い場所や障害物が多い場所等では、安全のため速度を落として走行することが望まれるが、速度切替スイッチにより最高速度を高速に設定した状態で、使用者が誤って操作レバーを最大まで倒してしまうと,急加速し歩行者や障害物に衝突する危険性が高くなる。
また、横断歩道や踏切を横断する際、速度切替スイッチにより最高速度を低速に設定していると、操作レバーを最大に倒しても渡りきれない場合がある。また、屋外を走行する場合と屋内を走行する場合とでは使用者の速度の感じ方が異なる。屋内は走行可能な領域が狭く、さらに家具等の障害物も多いので、屋外の開けた環境では危険を感じない速度であっても危険に感じる場合がある。
このように、状況に応じて適切な最高速度が存在するが、状況が変わる度に使用者が速度切替スイッチを切り替えるのは手間である。
電動車椅子の走行速度の調節方法については、例えば、特許文献1には、走行路面の凹凸状態を検出して、凹凸の程度を判定し、その結果によって電動車椅子のモータの回転側を制御することで速度を調整することが記載されている。
また、特許文献2には、有効視野などの運転能力評価値を入力し、その運転能力評価値から、前進最高速度などの具体的な制御パラメータが求めて、当該制御パラメータに基づいた制御を行うことが記載されている。
特開平4−255405号公報 特開2014−39772号公報
特許文献1に記載の方法は、走行路面に凹凸がある場合に速度を調整するだけであるので、調整が行われる場面が限定される。また、使用者の意思に関わらず速度が調整されてしまうので、変更する前後の速度差が大きい場合、使用者が急加速または急減速と感じる場合がある。また、特許文献2に記載の方法は、あくまで使用者の能力に合わせることであり、外部の状況については考慮されていない。
また、特許文献1、2に記載の方法は、走行速度を調整しているが、周囲の状況や走行速度によっては、変更する必要が無い場合や使用者の調節に任せた方がよい場合もあり、走行速度の上限値である最高速度を設定する方が望ましい。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑み、例えば、周囲の状況に応じた適切な走行速度の上限値を設定することができる速度制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体の走行速度を調節する調節部の調節量を取得する取得部と、外部環境に応じて前記移動体の走行速度の上限値を設定する設定部と、前記設定部で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して前記取得部が取得した調節量に基づき前記移動体の走行速度を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記設定部による前記上限値の設定変更に伴い前記移動体の走行速度を変化させる場合に、前記目標速度に向けて徐々に変化させることを特徴とする速度制御装置である。
また、請求項12に記載の発明は、移動体の走行速度の上限値を制御する速度制御装置の速度制御方法であって、外部環境に応じて前記移動体の走行速度の上限値を設定する設定工程と、前記設定工程で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して前記移動体の走行速度を調節する調節部の調節量に基づき前記移動体の走行速度を制御する制御工程と、を含み、前記制御工程は、前記設定工程による前記上限値の設定変更に伴い前記移動体の走行速度を変化させる場合に、前記目標速度に向けて徐々に変化させることを特徴とする速度制御方法である。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の速度制御方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とする速度制御プログラムである。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の速度制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明の第1の実施例にかかる速度制御装置を有する電動車椅子の概略構成図である。 図1に示された演算装置等の概略構成図である。 図1に示された演算装置における速度制御の動作原理についての説明図である。 図1に示された演算装置の走行速度の上限値の設定動作のフローチャートである。 本発明の第2の実施例にかかる速度制御装置の走行速度の上限値の設定動作のフローチャートである。 道幅のレベル判定例である。 本発明の第3の実施例にかかる速度制御装置の走行速度の上限値の設定動作のフローチャートである。 路面勾配のレベル判定例である。 本発明の第4の実施例にかかる速度制御装置の走行速度の上限値の設定動作のフローチャートである。 路面の滑り易さのレベル判定例である。 本発明の第5の実施例にかかる速度制御装置の走行速度の上限値の設定動作のフローチャートである。 横断歩道の残りの横断距離の説明図である。 本発明の第6の実施例にかかる速度制御装置の走行速度の上限値の設定動作のフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態にかかる速度制御装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる速度制御装置は、移動体の走行速度を調節する調節部の調節量を取得する取得部と、外部環境に応じて移動体の走行速度の上限値を設定する設定部と、設定部で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して取得部が取得した調節量に基づき移動体の走行速度を制御する制御部と、を備えている。そして、制御部は、設定部による上限値の設定変更に伴い移動体の走行速度を変化させる場合に、目標速度に向けて徐々に変化させる。このようにすることにより、人通りの多い場所や道幅の狭い場所や障害物が多い場所等の外部環境に応じて上限値を設定することができる。したがって、周囲の状況に応じた適切な走行速度の上限値を設定することができる。よって、使用者が意識的に操作レバー等の操作をしなくても安全な速度で走行することができる。また、徐々に走行速度を変化させるので、使用者に急加速等による衝撃等が加わることが無く、スムーズに速度を変更することができる。
また、目標速度は設定変更後の上限値または調節量に応じた値である。したがって、例えば、調節部で最大の調節量で走行していた場合は、設定変更後の上限値を目標速度として徐々に変化させる。或いは、設定部で設定変更後の上限値が調節部による本来の調節量による速度を上回る場合は、その本来の調節量による速度を目標速度として徐々に変化させる。
また、制御部は、設定部に設定された上限値が現在の走行速度よりも低い値に設定された場合、新たな目標速度を設定変更後の上限値としてもよい。このようにすることにより、上限値が現状より低い値に設定変更された場合に、その範囲で最も早い速度で走行することができる。したがって、使用者等の意思に近い速度で走行させることができる。
また、制御部は、設定部に設定された上限値が現在の走行速度よりも高い値に設定された場合は、移動体の走行速度を調節量に応じた値または設定変更後の上限値のいずれか低い速度を新たな目標速度としてもよい。このようにすることにより、上限値が現状より高い値に設定変更された場合に、使用者等の意思にできるかぎり沿った速度で走行することができる。
また、現在の走行速度が上限値未満であり、設定変更後の上限値が当該現在の走行速度よりも高い値であった場合は、現在の走行速度を目標速度としてもよい。このようにすることにより、走行速度を維持できる場合は変更せず、使用者等は、上限値の変更を意識せずに走行させることができる。
また、設定部が上限値の設定を変更した場合に、当該変更を通知する通知部を更に備えてもよい。このようにすることにより、使用者は、加速または減速することや、走行速度の上限値が上がったことを認識することができる。
また、設定部は、移動体周囲の混雑度、移動体が走行している道幅、移動体が走行している路面の勾配および移動体が走行している路面の滑りやすさのうち少なくとも1以上を外部環境として上限値を設定してもよい。このようにすることにより、移動体周囲の混雑度、移動体が走行している道幅、移動体が走行している路面の勾配および移動体が走行している路面の滑りやすさといった外部環境に基づいて走行速度の上限値を設定することができる。
また、設定部は、移動体周囲の歩行者の平均速度を取得し、当該平均速度に基づいて上限値を設定してもよい。このようにすることにより、例えば移動体が電動車椅子等の歩行者と同等の車両である場合に、周囲の状況に合わせた速度で走行することができる。例えば、人ごみの中であれば、自動的に上限値を下げることが可能となる。
また、設定部は、移動体が横断歩道または踏切を横断する際に、横断を制限される状態に切り替わるまでの残り時間を推定し、推定した残り時間と残りの横断距離とに基づいて上限値を設定してもよい。このようにすることにより、横断歩道等を走行時に赤信号等の横断を制限される状態に切り替わるまでに渡りきれないといった状況を少なくすることができる。
また、設定部は、歩道の無い道路の端を走行していることを検知した場合は、上限値を低下させてもよい。このようにすることにより、例えば、電動車椅子等で歩道の無い車道走行時に、必要以上に速度を上昇することがなくなり、安全に走行することができる。
また、設定部は、移動体が、屋内に位置することを検知した場合は、上限値を低下させてもよい。このようにすることにより、屋内走行時には自動的に速度を落として走行することができる。
また、本発明の一実施形態にかかる速度制御方法は、外部環境に応じて移動体の走行速度の上限値を設定する設定工程と、設定工程で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して移動体の走行速度を調節する調節部による調節に基づき移動体の走行速度を制御する制御工程と、を含み、制御工程は、設定工程による上限値の設定変更に伴い移動体の走行速度を変化させる場合に、目標速度に向けて徐々に変化させる。このようにすることにより、人通りの多い場所や道幅の狭い場所や障害物が多い場所の外部環境に応じて上限値を設定することができる。したがって、周囲の状況に応じた適切な走行速度の上限値を設定することができる。よって、使用者が意識的に操作レバー等の操作をしなくても安全な速度で走行することができる。また、徐々に走行速度を変化させるので、使用者に急加速等による衝撃等が加わることが無く、スムーズに速度を変更することができる。
また、上述した速度制御方法をコンピュータにより実行させる速度制御プログラムとしてもよい。このようにすることにより、コンピュータを用いて、人通りの多い場所や道幅の狭い場所や障害物が多い場所の外部環境に応じて上限値を設定することができる。また、徐々に走行速度を変化させるので、使用者に急加速等による衝撃等が加わることが無く、スムーズに速度を変更することができる。
また、上述した速度制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
本発明の第1の実施例にかかる速度制御装置を図1乃至図4を参照して説明する。本実施例にかかる速度制御装置としての演算装置1は、図1に示したように、移動体としての電動車椅子100に搭載されている。
図1は、本発明の一実施例にかかる速度制御装置を有する移動体としての電動車椅子の構成図である。図1に示したように、電動車椅子100には、演算装置1の他にGPS受信機2と、速度検出手段としての速度センサ3と、ジャイロセンサ4と、通信機5と、外界センサ6と、が搭載されている。
電動車椅子100は、車体に、左右一対の前輪101及び左右一対の後輪102が設けられている。前輪101は車体の前方側に設けられている。後輪102は車体の後方側に設けられている。前輪101は、その直径は後輪102の直径より小さくなっている。
電動車椅子100の車体は、例えば鋼管製のフレームにより構成されたフレーム構造体である。そして、車体には、使用者が走行速度の調節を行う操作レバー103、使用者が着席する座席104、使用者の足部を乗せるフットプレート105、後輪102を駆動する駆動部106等が設けられている。
調節部としての操作レバー103は、電動車椅子100の走行速度の調節を行う。操作レバー103は、例えば、進行方向に向かって倒すように操作することで、電動車椅子100の走行速度を上昇させる。したがって、レバーの可動範囲の最大位置(最大の操作量)まで倒すことで後述する設定部11が設定した上限値の速度で走行することができる。また、操作レバー103とは別に、使用者が走行速度の上限値を設定するための速度切替スイッチが操作レバー103の操作量の近傍に設けられている。この速度切替スイッチは、例えば、高速、中速、低速の3段階に切り替え可能となっている。
駆動部106は、後輪102を駆動するためのモータや、モータに電力を供給するバッテリ等を有している。即ち、駆動部106は、電動車椅子100の動力源として機能する。
電動車椅子100に搭載された通信機5は、インターネット等のネットワーク網に無線通信で接続することができ、このネットワーク網を介して外部サーバ装置等と通信可能となっている。
通信機5は、演算装置1と無線通信を行い、外部サーバ装置から各種情報を取得したり、演算装置1の演算結果を送信したりする。通信機5は、LTE(Long Term Evolution)やW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の携帯電話網で利用されている通信方式でもよい。また、Wi−Fi(登録商標)等の無線LANの通信方式であってもよいし、それらを切り替えて利用できるものであってもよい。
外界センサ6は、電動車椅子100の周囲(特に前方)に存在する歩行者等を検出する。検出された情報に基づいて演算装置1では電動車椅子100の周囲の混雑度合いを判定する。外界センサ6の具体例としては、カメラやレーザースキャナなどを用いることができる。カメラの場合は、撮影された範囲から画像処理によって歩行者等を抽出する方法等の周知の方法を用いればよい。レーザースキャナの場合は、レーザ光を照射して、その反射光から歩行者等を抽出する方法等の周知の方法を用いればよい。或いは、通信機5がプローブ情報や高度化地図のリアルタイムデータを取得して、GPS受信機2を用いて取得した現在地に基づいて混雑度を取得してもよい。この場合、通信機5とGPS受信機2とが外界センサとして機能する。
電動車椅子100に搭載されている機器の機能的構成図を図2に示す。演算装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを備えたマイクロコンピュータ及び、GPS受信機2、速度センサ3、ジャイロセンサ4、通信機5、外界センサ6、操作レバー103、駆動部106、と接続するためのインタフェース等を有している。また、演算装置1は、ROM等に記憶される制御プログラムを実行することにより、設定部11と、制御部12と、して機能する。また、操作レバー103とのインタフェースが取得部となる。
設定部11は、外界センサ6が取得した情報に基づいて電動車椅子100の走行速度の上限値(最高速度)を設定する。即ち、外部環境に応じて走行速度の上限値を設定する。
制御部12は、操作レバー103の操作量、速度センサ3が検出した電動車椅子100の走行速度、及び、設定部11が設定した上限値に基づいて電動車椅子100の走行速度を決定し、駆動部106を制御する。即ち、設定部11で設定された上限値を超えないように、取得した操作レバー103による調節量に基づき走行速度を制御する。
GPS受信機2は、周知のように複数のGPS(Global Positioning System)衛星から発信される電波を受信して、現在地情報(緯度、経度)を求めて演算装置1に出力する。
速度センサ3は、電動車椅子100が走行している速度(走行速度)を検出する。速度センサ3は、例えば後輪102の回転数から検出するものや、モータの回転数から検出するものであってもよい。
ジャイロセンサ4は、電動車椅子100のピッチ方向の回転角速度等を取得する。ここで、ピッチとは電動車椅子100の進行方向に対して上下方向の傾き(横方向を軸とした回転角)を示す。ジャイロセンサ4は、例えば静電容量型や圧電型等、どのような方式のセンサでもよいが、電動車椅子100に搭載するので小型であることが好ましい。
次に、本実施例における速度制御の動作原理について図3を参照して説明する。図3は、電動車椅子100の走行速度(V)を縦軸に、時間(t)を横軸にしたグラフである。図3(a)は走行速度の上限値を低下させる場合の制御例、図3(b)は走行速度の上限値を上昇させる場合の制御例である。
まず、図3(a)について説明する。図3(a)の速度V1は操作レバー103の操作量が最大の場合の走行速度、速度V2は操作レバー103の走査量が中の場合の走行速度、速度V3は操作レバー103の操作量が小の場合の走行速度である(実際は操作レバー103の操作量はもっと細分化できるが説明の都合上3種類に簡略化する)。
図3(a)の太線は設定部11が設定した走行速度の上限値である。この上限値は、当初は速度V1に設定されているが、時刻t1で後述する外部環境の変化に応じて速度V2と速度V3の間に設定変更されるとする(太線)。この場合、当初速度V1で走行していた場合(破線)は、時刻t1以降設定変更後の速度へ向けて徐々に速度を低下させる。また、当初速度V2で走行していた場合(一点鎖線)も、同様に時刻t1以降設定変更後の速度へ向けて徐々に速度を低下させる。この設定変更後の速度が新たな目標速度(設定変更後の上限値)となる。即ち、設定部11に設定された上限値が現在の走行速度よりも低い値に設定された場合、電動車椅子100(移動体)の走行速度を目標速度(設定変更後の上限値)に向けて徐々に低下させる。つまり、図3(a)の場合、使用者の操作よりも設定部11が設定した上限値が優先される。
一方、当初速度V3で走行していた場合(二点鎖線)は、上限値が設定変更されても速度V3は設定変更後の上限値以下であるので、速度V3を維持する。つまり、設定変更後であっても上限値以下の範囲では、使用者の操作に基づいて走行する。
次に、図3(b)について説明する。図3(b)の場合、設定部11が設定した走行速度の上限値が当初は速度V2と速度V3の間に設定されているが、時刻t2で後述する外部環境の変化に応じて速度V1に設定変更されるとする。この場合、操作レバー103の操作量が最大であった場合(破線)は、時刻t2以降速度V1へ向けて徐々に速度を上昇させる。また、操作レバー103の操作量が中であった場合(一点鎖線)も、同様に時刻t1以降速度V2へ向けて徐々に速度を上昇させる。この設定変更後の速度が新たな目標速度となる(調節量に応じた値)。したがって、図3(b)の場合は、操作レバー103の操作量によって複数(2種類)の速度に変化することとなる。即ち、設定部11に設定された上限値が現在の走行速度よりも高い値に設定された場合は、電動車椅子100(移動体)の走行速度を調節量に応じた値または設定変更後の上限値のいずれか低い速度を目標速度として走行速度を徐々に上昇させる。
なお、徐々に変化させる速度の割合(図中の破線や一点鎖線の傾き)は、使用者が急加速や急減速と感じない程度である。例えば、加減速時の加速度の上限を設定し、その上限加速度以内で加減速するようにすればよい。
一方、当初速度V3で走行していた場合(二点鎖線)は、上限値が設定変更されても速度V3は設定変更後の上限値以下であるので、速度V3を維持する。つまり、設定変更後であっても上限値以下の範囲では、使用者の操作に基づいて走行する。即ち、制御部12は、現在の走行速度が上限値未満であり、設定変更後の上限値が当該現在の走行速度よりも高い値であった場合は、現在の走行速度を目標速度として維持する。
以上の説明から明らかなように、制御部12は、設定部11による上限値の設定変更に伴い電動車椅子100の走行速度を変化させる場合に、上限値の設定変更に伴い新たに設定される目標速度に向けて徐々に変化させる。
次に、設定部11において外界センサ6の検出結果に基づいて走行速度の上限値を設定する方法について図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS101において、外界センサ6で歩行者を検出してステップS102に進む。
次に、ステップS102において、ステップS101で検出された歩行者の数に基づいて混雑度を判定し、混雑度が“小”の場合はステップS103に進み、混雑度が“大”の場合はステップS104に進み、混雑度が“中”の場合はステップS106に進む。混雑度の判定基準は、例えば外界センサ6を構成するカメラの撮影範囲における歩行者の密度等が挙げられる。
次に、ステップS103において、混雑度が“小”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定されている速度Vdefに設定し、ステップS101に戻る。つまり、周囲に人が少ないので、速度切替スイッチに設定された上限値の範囲で速度を調節することを許容する。
一方、ステップS104においては、混雑度が“大”であると判定されたので、歩行者の平均速度Vpを計算しステップS105に進む。歩行者の平均速度Vpは、例えば、外界センサ6としてカメラを用いた場合であれば、所定時間間隔における移動距離等や密度の変化等から算出すればよい。
次に、ステップS105において、上限値Vmaxを平均速度Vpに設定し、ステップS101に戻る。つまり、周囲に人が多いので、周囲の人の速度以下にするように上限値を設定する。即ち、電動車椅子100(移動体)周囲の歩行者の平均速度を取得し、当該平均速度に基づいて上限値Vmaxを設定している。
一方、ステップS106においては、混雑度が“中”であると判定されたので、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速に設定されているか否かを判断する。高速に設定されている場合(YESの場合)はステップS107に進み、そうでない場合(NOの場合)はステップS108に進む。
次に、ステップS107において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速であったので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される中速の速度に設定し、ステップS101に戻る。つまり、混雑度が中程度の場合、速度切替スイッチが高速では上限値として速すぎると判定し中速以下に設定変更する。
次に、ステップS108において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速でなかったので、上限値Vmaxは速度切替スイッチで設定されている速度Vdefのまま変更せず、ステップS101に戻る。
上述したフローチャートによって上限値Vmaxが設定変更された後は、制御部12によって、図3に示したように走行速度を徐々に変化させる。即ち、上述したフローチャートが設定工程であり、図3に示した走行速度の変化が制御工程となる。
なお、上述したフローチャートでは、混雑度が“大”の場合、歩行者の平均速度に上限値Vmaxを設定していたが、速度切替スイッチで設定される低速の速度に設定するようにしてもよい。
また、本実施例では、混雑度に応じて歩行者の平均速度に上限値Vmaxを設定していたが、混雑度によらず、常に歩行者の平均速度を算出して、その平均速度と速度切替スイッチで設定される速度のうち低い方を上限値Vmaxとするようにしてもよい。
本実施例によれば、電動車椅子100は電動車椅子100の走行速度を調節する操作レバー103を備えている。また、電動車椅子100に備えられている演算装置1は電動車椅子100の周囲の混雑度に応じて走行速度の上限値を設定する設定部11と、設定部11で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して操作レバー103による調節に基づき電動車椅子100の走行速度を制御する制御部12と、を備えている。そして、制御部12は、設定部11による上限値Vmaxの設定変更に伴い電動車椅子100の走行速度を変化させる場合に、目標速度に向けて徐々に変化させる。このようにすることにより、人通りの多い場等所の外部環境に応じて上限値を設定することができる。したがって、周囲の状況に応じた適切な走行速度の上限値Vmaxを設定することができる。よって、使用者が意識的に操作レバー等の操作をしなくても安全な速度で走行することができる。また、徐々に走行速度を変化させるので、使用者に急加速等による衝撃等が加わることが無く、スムーズに速度を変更することができる。
また、制御部12は、設定部11に設定された上限値が現在の走行速度よりも低い値に設定された場合、図3(a)に示したように電動車椅子100の走行速度を新たな目標速度としている。このようにすることにより、上限値が現状より低い値に設定変更された場合に、その範囲で最も早い速度で走行することができる。したがって、使用者等の意思に近い速度で走行させることができる。
また、制御部12は、設定部11に設定された上限値が現在の走行速度よりも高い値に設定された場合は、図3(b)に示したように、電動車椅子100の走行速度を調節に応じた値または設定変更後の上限値のいずれか低い速度を新たな目標速度としている。このようにすることにより、上限値が現状より高い値に設定変更された場合に、使用者等の意思にできるかぎり沿った速度で走行することができる。
また、現在の走行速度が上限値未満であり、設定変更後の上限値が当該現在の走行速度よりも高い値であった場合は、図3に示した二点鎖線のように現在の走行速度を目標速度としている。このようにすることにより、走行速度を維持できる場合は変更せず、使用者等は、上限値の変更を意識せずに走行させることができる。
また、設定部11は、電動車椅子100周囲の歩行者の平均速度Vpを計算し、当該平均速度Vpに基づいて上限値を設定している。このようにすることにより、電動車椅子100の周囲の状況に合わせた速度で走行することができる。例えば、人ごみの中であれば、自動的に上限値を下げることが可能となる。
なお、設定部11が上限値の設定を変更した場合に、当該変更を通知する通知部としての表示手段や音声出力手段等を更に備えてもよい。このようにすることにより、使用者は、加速または減速することや、走行速度の上限値が上がったことを認識することができる。表示手段としては、電動車椅子100に液晶ディスプレイ等を設けたり、発光ダイオード等のインジケータを設けること等が挙げられる。音声出力手段としては、電動車椅子100にスピーカを設けてブザー音やガイド音声等を出力すること等が挙げられる。或いは、スマートフォン等の携帯端末と通信するようにして、当該携帯端末の表示画面やスピーカを利用してもよい。更には携帯端末のバイブレーション機能を利用して通知するようにしてもよい。
本実施例の第2の実施例にかかる速度制御装置について、図5及び図6を参照して説明する。なお、前述した第1の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例の場合、構成や速度制御の原理は第1の実施例と同様であるが、走行速度の上限値の設定の際に考慮する外部環境が、電動車椅子100が走行している道幅となる。本実施例では、現在走行している道幅が狭いときは上限値が小さくなるように設定する。
本実施例における走行速度の上限値を設定する方法について図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS201において、外界センサ6で道幅を取得してステップS202に進む。道幅の取得方法は、例えば外界センサ6を構成するカメラやレーザースキャナを用いた周知の方法により道幅を計測する。もしくは、通信機5を介して外部サーバ装置から地図データを取得しておき、GPS受信機2、速度センサ3、ジャイロセンサ4等を用いて推定した現在地に基づいて地図データから道幅を取得してもよい。或いは、現在地の情報を外部サーバ装置へ送信して道幅を外部サーバ装置等から取得するようにしてもよい。
次に、ステップS202において、ステップS201で取得された道幅のレベルを判定し、道幅が“大”の場合はステップS203に進み、道幅が“小”の場合はステップS204に進み、道幅が“中”の場合はステップS205に進む。
図6に道幅レベルの定義例を示す。レベル小は、道幅1.5m未満であり、車椅子(電動車椅子100)1台がぎりぎり通れる幅である。レベル中は、道幅1.5m以上3m未満であり、車椅子と歩行者、もしくは車椅子2台が横に並んで走行できる幅である。レベル大は、道幅3m以上であり、車椅子と歩行者が複数いても余裕がある幅である。勿論図6は一例であるので適宜変更しても構わない。
次に、ステップS203において、道幅が“大”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定されている速度Vdefに設定しステップS201に戻る。つまり、道幅が広いので、速度切替スイッチに設定された上限値の範囲で速度を調節することを許容する。
一方、ステップS204においては、道幅が“小”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される低速の速度に設定しステップS201に戻る。つまり、道幅が狭いので低い速度に設定する。
一方、ステップS205においては、道幅が“中”であると判定されたので、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速に設定されているか否かを判断する。高速に設定されている場合(YESの場合)はステップS206に進み、そうでない場合(NOの場合)はステップS207に進む。
次に、ステップS206において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速であったので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される中速の速度に設定し、ステップS201に戻る。つまり、道幅が中程度の場合、速度切替スイッチが高速では上限値として速すぎると判定し中速以下に設定変更する。
次に、ステップS207において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速でなかったので、上限値Vmaxは速度切替スイッチで設定されている速度Vdefのまま変更せずステップS201に戻る。
本実施例によれば、設定部11は、電動車椅子100が走行している道幅に基づいて上限値を設定している。このようにすることにより、電動車椅子100が走行している道幅といった外部環境に基づいて走行速度の上限値を設定することができる。
本実施例の第3の実施例にかかる速度制御装置について、図7及び図8を参照して説明する。なお、前述した第1、第2の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例の場合、構成や速度制御の原理は第1の実施例と同様であるが、走行速度の上限値の設定の際に考慮する外部環境が、電動車椅子100が走行している路面の勾配となる。本実施例では、現在走行している路面の勾配が大きいときは上限値が小さくなるように設定する。
本実施例における走行速度の上限値を設定する方法について図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS301において、ジャイロセンサ4で路面の勾配を取得してステップS302に進む。つまり、ジャイロセンサ4を用いて電動車椅子100の姿勢角を推定し、その姿勢角から路面の勾配を算出する。もしくは、傾斜計等を用いてもよい。或いは、第2の実施例と同様に地図データから路面の勾配を取得してもよい。
次に、ステップS302において、ステップS301で取得された路面の勾配のレベルを判定し、路面の勾配が“小”の場合はステップS303に進み、路面の勾配が“大”の場合はステップS304に進み、路面の勾配が“中”の場合はステップS305に進む。
図8に道幅レベルの定義例を示す。レベル小は、路面の勾配が2°未満である。レベル中は、路面の勾配が2°以上4°未満である。レベル大は、路面の勾配が4°以上である。勿論図8は一例であるので適宜変更しても構わない。
次に、ステップS303において、路面の勾配が“小”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定されている速度Vdefに設定しステップS301に戻る。つまり、勾配が緩いので、速度切替スイッチに設定された上限値の範囲で速度を調節することを許容する。
一方、ステップS304においては、路面の勾配が“大”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される低速の速度に設定しステップS301に戻る。つまり、勾配がきついので低い速度に設定する。
一方、ステップS305においては、路面の勾配が“中”であると判定されたので、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速に設定されているか否かを判断する。高速に設定されている場合(YESの場合)はステップS306に進み、そうでない場合(NOの場合)はステップS307に進む。つまり、勾配が中程度の場合、速度切替スイッチが高速では上限値として速すぎると判定し中速以下に設定変更する。
次に、ステップS306において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速であったので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される中速の速度に設定しステップS301に戻る。
次に、ステップS307において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速でなかったので、上限値Vmaxは速度切替スイッチで設定されている速度Vdefのまま変更せず、ステップS301に戻る。
本実施例によれば、設定部11は、電動車椅子100が走行している路面の勾配に基づいて上限値を設定している。このようにすることにより、電動車椅子100が走行している路面の勾配といった外部環境に基づいて走行速度の上限値を設定することができる。
本実施例の第4の実施例にかかる速度制御装置について、図9及び図10を参照して説明する。なお、前述した第1乃至第3の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例の場合、構成や速度制御の原理は第1の実施例と同様であるが、走行速度の上限値の設定の際に考慮する外部環境が、電動車椅子100が走行している路面の滑り易さとなる。滑り易い路面とは、例えば、雨で濡れた路面や雪道、凍結路面等をいう。本実施例では、現在走行している路面が滑り易いときは上限値が小さくなるように設定する。
本実施例における走行速度の上限値を設定する方法について図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS401において、路面の滑り易さを取得してステップS402に進む。路面の状態は場所や時間によって刻々と変化するため、リアルタイムに検出することが望ましい。本実施例では、路面の滑り易さは、例えばGPS受信機2を用いて推定した現在地の気象情報を通信機5から取得して判断してもよいし、カメラやレーザースキャナなどから構成される外界センサ6を用いて路面の状態を検出することで判断してもよい。或いは、通信機5がプローブ情報や高度化地図のリアルタイムデータを取得して、GPS受信機2を用いて取得した現在地に基づいて判断することもできる。
次に、ステップS402において、ステップS401で取得された路面の滑り易さのレベルを判定し、滑り易さが“小”の場合はステップS403に進み、滑り易さが“大”の場合はステップS404に進み、滑り易さが“中”の場合はステップS405に進む。
図10に滑り易さのレベルの定義例を示す。レベル小は、乾燥路面である。レベル中は、雨で濡れた道、雪道である。レベル大は、凍結路面である。勿論図10は一例であるので適宜変更しても構わない。
次に、ステップS403において、滑り易さが“小”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定されている速度Vdefに設定しステップS401に戻る。つまり、路面が滑り易いので、速度切替スイッチに設定された上限値の範囲で速度を調節することを許容する。
一方、ステップS404においては、滑り易さが“大”であると判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される低速の速度に設定しステップS401に戻る。つまり、路面が滑り易いので低い速度に設定する。
一方、ステップS405においては、滑り易さが“中”であると判定されたので、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速に設定されているか否かを判断する。高速に設定されている場合(YESの場合)はステップS406に進み、そうでない場合(NOの場合)はステップS407に進む。
次に、ステップS406において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速であったので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される中速の速度に設定しステップS401に戻る。つまり、路面の滑り易さが中程度の場合、速度切替スイッチが高速では上限値として速すぎると判定し中速以下に設定変更する。
次に、ステップS407において、速度切替スイッチで設定されている速度Vdefが高速でなかったので、上限値Vmaxは速度切替スイッチで設定されている速度Vdefのまま変更せず、ステップS401に戻る。
なお、本実施例において、滑り易さが“大”と判定された場合は、電動車椅子100の車輪の回転速度変化にも制限を加えることでより安全な走行を実現することができる。
本実施例によれば、設定部11は、電動車椅子100が走行している路面の滑り易さに基づいて上限値を設定している。このようにすることにより、電動車椅子100が走行している路面の滑り易さといった外部環境に基づいて走行速度の上限値を設定することができる。
本実施例の第5の実施例にかかる速度制御装置について、図11及び図12を参照して説明する。なお、前述した第1乃至第4の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例の場合、構成や速度制御の原理は第1の実施例と同様であるが、走行速度の上限値の設定の際に考慮する外部環境が横断歩道横断時における赤信号(横断を制限される状態)に切り替わるまでの残り時間と残りの横断距離との関係となる。つまり、赤信号に切り替わるまでに渡りきれないと判断された場合は、上限値が大きくなるように設定する。
本実施例における走行速度の上限値を設定する方法について図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS501において、横断歩道を走行中か否かを判断し、走行中の場合(YESの場合)はステップS502に進み、そうでない場合(NOの場合)は本ステップで待機する。横断歩道を走行中か否かは、例えば、外界センサ6を構成するカメラが撮影した画像から推定することができる。また、レーザースキャナで路面を計測し、レーザの反射強度から横断歩道を認識し推定してもよい。或いは、第2の実施例と同様に現在地と地図データから推定してもよい。
次に、ステップS502において、残りの横断距離Dを取得してステップS502に進む。残りの横断距離Dのイメージを図12に示す。図12に示したように、残りの横断距離Dは電動車椅子100が横断歩道を横断中に現在地から横断歩道の終端までの距離である。この残りの横断距離Dは、ステップS501と同様に、カメラ画像やレーザースキャナ等から推定することができる。或いは、現在地と地図データから推定してもよい。
次に、ステップS503において、横断完了したか否かを判定し、横断完了した場合(YESの場合)はステップS504に進み、横断完了していない場合(NOの場合)はステップS505に進む。横断完了したか否かの判定は、残りの横断距離Dが判定距離Δ未満であるか否かで判定する。判定距離Δは“0”であれば、残りの横断距離を“0”として判定できるが、例えば、横断歩道の終端の手前1m未満など終端付近であれば横断完了と判定しても問題ないと考えられるので、変数として適宜変更できるようにしている。
次に、ステップS504において、横断完了したと判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定されている速度Vdefに設定する。この場合は、上限値Vmaxの設定変更は行われず、現状維持のまま走行を継続できる。
一方、ステップS505においては、横断完了と判定されなかったので、赤信号に切り替わるまでの残り時間Tを取得してステップS506に進む。赤信号に切り替わるまでの残り時間Tは、例えば、カメラ画像から信号の青点滅や残り時間目盛りの表示等を検出することにより推定してもよい。または、交通管制センターから通信により信号情報を受信することで赤信号までの残り時間を取得してもよい。
次に、ステップS506において、現在の上限値Vmaxで横断完了できるか否かを判定し、横断完了できる場合(YESの場合)はステップS502に戻り、横断完了できない場合(NOの場合)はステップS507に進む。現在の上限値Vmaxで横断完了できるか否かは、例えば、残りの横断距離Dを現在の上限値Vmaxで除算し、その結果が残り時間T以下の場合は横断完了できると判定すればよい。
次に、ステップS507において、このままでは横断完了できないと判定されたので、新たな上限値Vmax’を計算してステップS508に進む。新たな上限値Vmax’は,上限値Vmax’=D/(T+α)で計算すればよい。α(α>0)は加速に要する時間である。また、横断完了に余裕を持たせるために,調整係数β(β≧0)を設定し、新たな上限値Vmax’=D/(T+α)+βとしてもよい。即ち、推定した前記残り時間Tと残りの横断距離Dとに基づいて上限値Vmaxを設定している。
なお、本実施例においては、上限値を変更した場合であって、操作レバー103の操作量が最大となっていない場合は、上述した通知部等を利用して、速度を上げることを促すような通知を併せて行ってもよい。
なお、上述したフローチャートでは、横断歩道を横断する際で説明したが、踏切を横断する際であっても同様にして上限値Vmaxを設定変更することができる。
本実施例によれば、設定部11は、電動車椅子100が横断歩道を横断時に、赤信号に切り替わるまでの残り時間Tを推定し、推定した残り時間Tと残りの横断距離Dとに基づいて上限値を上昇させている。このようにすることにより、横断歩道走行時に赤信号に切り替わるまでに渡りきれないといった状況を少なくすることができる。
本実施例の第6の実施例にかかる速度制御装置について、図13を参照して説明する。なお、前述した第1乃至第5の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例の場合、構成や速度制御の原理は第1の実施例と同様であるが、走行速度の上限値の設定の際に考慮する外部環境が屋外か屋内かとなる。つまり、屋内を走行する場合は、上限値が小さくなるように設定する。
本実施例における走行速度の上限値を設定する方法について図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS601において、屋内へ移動したか否かを判定し、屋内へ移動した場合(YESの場合)はステップS602に進み、そうでない場合(NOの場合)は本ステップで待機する。屋内へ移動したか否かは、第2の実施例と同様に、現在地と地図データから判定してもよい。或いは、外界センサ6として構成したカメラ等を用いて施設の入口を検出し、そこを通過したかどうかを検知することにより判定してもよい。
次に、ステップS602において、屋内に移動したと判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定される低速の速度に設定しステップS603に進む。即ち、電動車椅子100(移動体)が、屋内に位置することを検知した場合は、上限値Vmaxを低下させている。
次に、ステップS603において、屋外へ移動したか否かを判定し、屋外へ移動した場合(YESの場合)はステップS604に進み、そうでない場合(NOの場合)は本ステップで待機する。屋外へ移動したか否かは、ステップS601と同様にして判断すればよい。
次に、ステップS604において、屋外に移動したと判定されたので、上限値Vmaxを速度切替スイッチで設定されている速度Vdefに設定してステップS601に戻る。つまり、屋外であるので速度を高くすることを許容する。
なお、図13のフローチャートでは、屋内へ移動したことを先に判定していたが、屋外へ移動したことを先に判定してもよい。
本実施例によれば、設定部11は、電動車椅子100が、屋内に位置することを検知した場合は、上限値を低下させている。このようにすることにより、屋内走行時には自動的に速度を落として走行することができる。また、自動で上限値を調節することで、屋外から屋内へ、もしくは屋内から屋外へ移動する度に一時停止して使用者が速度を設定変更する手間を省くことができる。
なお、設定部11は、外部環境として歩道の無い道路の端を走行していることを検知した場合は、上限値を低下させてもよい。歩道の無い道路であるかは、現在地と地図データに基づいて判定可能である。或いは、カメラやレーザースキャナ等から判定してもよい。このようにすることにより、例えば、電動車椅子100で歩道の無い道路走行時に、必要以上に速度を上昇することがなくなり、歩行者や路上の障害物に衝突することなく安全に走行することができる。
また、上記において、右側走行を義務付けられている移動体の場合は、右側を走行しているのか左側を走行しているのかを検知して、誤って左側を走行している場合は、上限値を小さくするとともに、通知部にメッセージを表示するなどして,使用者に警告をしてもよい。
また、上述した複数の外部環境は、組み合わせて判定してもよい。そのようにすることにより、より多くの外部環境に対応して電動車椅子100の上限値を設定することができる。
また、移動体がパーソナルモビリティの場合、歩行者と同等の速度で走行するだけでなく、自動車等と同等の速度で走行する場合もある。パーソナルモビリティとは、人間が搭乗して運転操作を行う一人乗り用のロボット等である。その場合も外部環境に合わせて走行速度の上限値を変更することは有用である。
例えばパーソナルモビリティにおいて、車道を走行しているのか歩道を走行しているのかを検知して、車道を走行している場合は上限値を大きくし(例えば、時速60km/h)、歩道を走行している場合は上限値を小さくする(例えば、時速6km/h)。車道を走行しているのか歩道を走行しているのかは、現在地と地図データから判定したり、カメラやレーザースキャナなどで判定すればよい。
また、パーソナルモビリティにおいて、歩道のない道路を走行時に、右側を走行しているのか左側を走行しているのかを検知して、右側を走行している場合は上限値を小さくする(例えば、時速6km/h)。そして、通知部にメッセージを表示するなどして、使用者に警告を通知してもよい。更には、一方通行を誤って進入した場合も同様に上限値を小さくする(例えば、時速6km/h)。そして、通知部にメッセージを表示するなどして、使用者に警告を通知してもよい。一方通行かどうか、進行方向が規定の方向と合致しているかどうかは、現在地と地図データから判断したり、カメラやレーザースキャナなどを用いて道路標識を認識し、車両進入禁止の標識が設置されている道に進入したかどうかを検出することにより判定すればよい。
また、上述した実施例では、移動体として電動車椅子100やパーソナルモビリティで説明したが、シニアカー、ゴルフカート、自動車等であってもよい。また、動力源も電気でモータを駆動するに限らず、ガソリンエンジン等の内燃機関であってもよく、動力源を内蔵し、当該動力源により移動する移動体であればよい。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の速度制御装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1 演算装置(速度制御装置)
2 GPS受信機
3 速度センサ
4 ジャイロセンサ
5 通信機
6 外界センサ
11 設定部
12 制御部
100 電動車椅子(移動体)
103 操作レバー(調節部)

Claims (14)

  1. 移動体の走行速度を調節する調節部の調節量を取得する取得部と、
    外部環境に応じて前記移動体の走行速度の上限値を設定する設定部と、
    前記設定部で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して前記取得部が取得した調節量に基づき前記移動体の走行速度を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記設定部による前記上限値の設定変更に伴い前記移動体の走行速度を変化させる場合に、前記目標速度に向けて徐々に変化させることを特徴とする速度制御装置。
  2. 前記目標速度は前記設定変更後の上限値または前記調節量に応じた値であることを特徴とする請求項1に記載の速度制御装置。
  3. 前記制御部は、前記設定部に設定された前記上限値が現在の走行速度よりも低い値に設定された場合、新たな前記目標速度を設定変更後の上限値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の速度制御装置。
  4. 前記制御部は、前記設定部に設定された前記上限値が現在の走行速度よりも高い値に設定された場合は、前記移動体の走行速度を前記調節量に応じた値または設定変更後の上限値のいずれか低い速度を新たな前記目標速度とすることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  5. 前記制御部は、現在の走行速度が前記上限値未満であり、設定変更後の前記上限値が当該現在の走行速度よりも高い値であった場合は、現在の走行速度を前記目標速度とすることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  6. 前記設定部が前記上限値の設定を変更した場合に、当該変更を通知する通知部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  7. 前記設定部は、前記移動体周囲の混雑度、前記移動体が走行している道幅、前記移動体が走行している路面の勾配および前記移動体が走行している路面の滑り易さのうち少なくとも1以上を前記外部環境として前記上限値を設定することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  8. 前記設定部は、前記移動体周囲の歩行者の平均速度を取得し、当該平均速度に基づいて前記上限値を設定することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  9. 前記設定部は、前記移動体が横断歩道または踏切を横断する際に、横断を制限される状態に切り替わるまでの残り時間を推定し、推定した前記残り時間と残りの横断距離とに基づいて前記上限値を設定することを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  10. 前記設定部は、歩道の無い道路の端を走行していることを検知した場合は、前記上限値を低下させることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  11. 前記設定部は、前記移動体が、屋内に位置することを検知した場合は、前記上限値を低下させることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の速度制御装置。
  12. 移動体の走行速度の上限値を制御する速度制御装置の速度制御方法であって、
    外部環境に応じて前記移動体の走行速度の上限値を設定する設定工程と、
    前記設定工程で設定された上限値を超えないように、目標速度を決定して前記移動体の走行速度を調節する調節部の調節量に基づき前記移動体の走行速度を制御する制御工程と、
    を含み、
    前記制御工程は、前記設定工程による前記上限値の設定変更に伴い前記移動体の走行速度を変化させる場合に、前記目標速度に向けて徐々に変化させることを特徴とする速度制御方法。
  13. 請求項12に記載の速度制御方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とする速度制御プログラム。
  14. 請求項13に記載の速度制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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