JP2017105527A - 半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法及び半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体 - Google Patents

半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法及び半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体 Download PDF

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朋陽 中村
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【課題】大面積・薄型の半導体封止用硬化性樹脂シートを輸送、搬送する場合に割れや欠け及び変形を防ぐことができる半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法を提供することを目的とする。【解決手段】 半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法であって、(a)前記半導体封止用硬化性樹脂シートを保持部材に載置する工程、(b)前記保持部材及び該保持部材に載置された前記半導体封止用硬化性樹脂シートを、包装資材に収容する工程、(c)前記保持部材及び前記半導体封止用硬化性樹脂シートを収容した前記包装資材内を減圧下で密封する真空包装工程を有することを特徴とする半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法及び半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、半導体装置の高集積化、薄型化が進行しており、これらの半導体装置を製造する際に、生産性の面から、大面積・薄型の基板やウエハの一括成形を行う傾向にある。
このような大面積・薄型の基板やウエハの一括成形を行う場合、液状樹脂や固形のトランスファー用エポキシ樹脂封止材を用いる従来の方法では、成形時の樹脂の移動量、流動量が大きく基板やウエハ上に搭載された半導体素子などの電子部品の位置ずれが生じてしまうことがある。また、大面積・薄型の基板やウエハを封止した場合、基板やウエハに反りが生じることが大きな問題となる。
このような大面積・薄型の基板やウエハを一括成形する場合における基板やウエハ上に搭載された電子部品の位置ずれや、基板やウエハの反りを解決する方法として、半導体封止用熱硬化性樹脂シートを用いる方法や、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させて、該熱硬化性樹脂を半硬化又は硬化した樹脂含浸繊維基材と、該樹脂含浸繊維基材の片面上に形成された未硬化の熱硬化性樹脂からなる未硬化樹脂層とを有する半導体封止用基材付封止材を用いる方法が開発されている(特許文献1及び特許文献2)。
しかし、このような半導体封止用熱硬化性樹脂シートや半導体封止用基材付封止材は、それ自体が大面積・薄型の形状となっているため、輸送時や搬送時に割れや欠け及び変形が起こりやすい恐れがある。さらにこれらの材料は熱硬化性樹脂であり、室温においても硬化反応が進行することから、所定の成形性及び流れ性を確保するために、輸送・保管は5℃以下の低温輸送・保管することが一般的であり、特にこのような低温時に梱包された包装材内で上記材料が動いてしまうことがあれば、割れや欠け及び変形が生じやすくなる。
従来、300mmを超える大径のシリコンウエハなどは、ウエハーケースと呼ばれる専用の樹脂容器を用いたり、ウレタンフォームなどのクッション材を挟んだりする方法で梱包し、割れや欠けを防止する対策を取ってきた(特許文献3、4)。
また、導電性シリコーンゴムコンパウンドをアルミラミネート袋に入れ、減圧脱気後に封止して梱包保管することで、経時的な可塑度の低下や物性の変化を抑制する方法が提案されている(特許文献5、6)。しかし、これらの方法で上記半導体封止用熱硬化性樹脂シートや半導体封止用基材付封止材を梱包、保管、輸送しようとしても厚さが非常に薄いため、割れや欠け及び変形などの問題が発生しやすい。このような問題が発生しない梱包方法の開発が求められていた。
特開2014−197670号公報 特開2012−151451号公報 特許4,007,415号公報 特許4,547,712号公報 特開2008−162594号公報 特開2009−173345号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、大面積・薄型の半導体封止用硬化性樹脂シートを輸送、搬送する場合に、割れや欠け及び変形を防ぐことができる半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法及び半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法であって、
(a)前記半導体封止用硬化性樹脂シートを保持部材に載置する工程、
(b)前記保持部材及び該保持部材に載置された前記半導体封止用硬化性樹脂シートを、包装資材に収容する工程、
(c)前記保持部材及び前記半導体封止用硬化性樹脂シートを収容した前記包装資材内を減圧下で密封する真空包装工程、
を有することを特徴とする半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法を提供する。
このように半導体封止用硬化性樹脂シートが保持部材に載置され、包装資材で真空包装された状態であれば、大面積・薄型の半導体封止用硬化性樹脂シートであっても、包装資材内の半導体封止用硬化性樹脂シートを固定することができ、半導体封止用硬化性樹脂シートを搬送する際に保持部材ごと搬送することができる。そのため、輸送や搬送、保管の際に、梱包された包装資材内の半導体封止用硬化性樹脂シートが動いてしまうことによる半導体封止用硬化性樹脂シートの割れや欠け及び変形を防ぐことが可能となる。このような梱包方法により梱包された半導体封止用硬化性樹脂シートであれば、半導体素子搭載基板等を封止する際に、割れや欠けおよび変形のない良好な状態で封止することができ、封止成形時における電子部品(半導体素子)の不具合を抑制できる半導体封止用硬化性樹脂シートとなる。
また、前記半導体封止用硬化性樹脂シートとして、熱硬化性樹脂組成物から構成される層を含有するものを用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物から構成される層を含有する半導体封止用硬化性樹脂シートであれば、半導体封止用硬化性樹脂シートの生産面で好ましい。
また、前記半導体封止用硬化性樹脂シートとして、薄膜状の熱硬化性樹脂組成物の層に支持基材が貼り合わされたものを用いることが好ましい。
このような半導体封止用硬化性樹脂シートは、特に大面積・薄型の基板やウエハを封止する場合の反りを抑制することが可能となる。本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法は、このような大面積・薄型の基板やウエハを封止するために用いる大面積・薄型の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法として好適に利用することができる。
また、前記熱硬化性樹脂組成物として、未硬化または半硬化状態のものを用いることが好ましい。
このような未硬化または半硬化状態の熱硬化性樹脂組成物は、半導体の封止用途に適しているため、半導体封止用硬化性樹脂シートに好適に用いることができる。
また、前記半導体封止用硬化性樹脂シートの厚さを、0.1〜5mmとすることが好ましい。
上記範囲の厚さであれば、包装資材を減圧密封する際に、包装資材の半導体封止用硬化性樹脂シートへの追従性が良いために好ましい。
また、前記保持部材の主面面積が、前記保持部材に載置する前記半導体封止用硬化性樹脂シートの主面面積に対して100〜170%であり、かつ、前記保持部材の形状が、前記半導体封止用硬化性樹脂シートの主面の全面を保持するものであることが好ましい。
このような保持部材であれば、半導体封止用硬化性樹脂シートを収容した梱包体を搬送する場合に、より確実に半導体封止用硬化性樹脂シートの割れや欠け及び変形を防ぐことができる。
また、前記保持部材の厚さを、0.2mm〜20mmとすることが好ましい。
このような保持部材の厚さであれば、梱包時に嵩張らず、かつ変形がしにくい保持部材となる。
また、前記包装資材として、JIS Z 0208:1976記載の方法で測定した透湿度が50g/m・24h以下のものを用いることが好ましい。
このような包装資材を用いれば、梱包された半導体封止用硬化性樹脂シートが、外気の湿気の影響を受けて変質する恐れがないため、好ましい。
また、本発明では、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体であって、前記半導体封止用硬化性樹脂シート及び該半導体封止用硬化性樹脂シートを保持する保持部材が、減圧状態の包装資材内に密封されたものであることを特徴とする半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を提供する。
このような半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体であれば、輸送、搬送する場合における半導体封止用硬化性樹脂シートの割れや欠け及び変形を大幅に防止することができる。
以上のように、本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法であれば、大面積・薄型の半導体封止用硬化性樹脂シートを輸送、搬送する場合における半導体封止用硬化性樹脂シートの割れや欠け及び変形を大幅に防止することができる。また、このような梱包方法により梱包された半導体封止用硬化性樹脂シートであれば、半導体素子搭載基板等を封止する際に、割れや欠けおよび変形のない良好な状態で封止することができ、封止成形時における電子部品(半導体素子)の不具合を抑制できる半導体封止用硬化性樹脂シートとなる。
本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法の一例を示すフロー図である。 本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体の一例を示す概略断面図である。 本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体の別の一例を示す概略断面図である。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、半導体封止用硬化性樹脂シートを保持部材に載置した状態で包装資材に収納し、減圧下で密封・梱包することで、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は図1で示すように、半導体封止用硬化性樹脂シート1の梱包方法であって、
(a)前記半導体封止用硬化性樹脂シート1を保持部材2に載置する工程、
(b)前記保持部材2及び該保持部材に載置された前記半導体封止用硬化性樹脂シート1を、包装資材3に収容する工程、
(c)前記保持部材2及び前記半導体封止用硬化性樹脂シート1を収容した前記包装資材3内を減圧下で密封する真空包装工程、
を有することを特徴とする半導体封止用硬化性樹脂シート1の梱包方法である。
以下、本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法、及び半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体について詳細に説明する。
[半導体封止用硬化性樹脂シート1]
本発明において、半導体封止用硬化性樹脂シート1としては、半導体を封止するための硬化性樹脂シートとして使用することができるものであれば特に限定されない。封止する対象となる半導体素子搭載基板等に応じて、単層のシートであっても、積層された2層以上からなるシートであってもよい。該シートを構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、室温硬化性樹脂等が挙げられ特に限定されるものではないが、生産性などを考慮すると熱硬化性樹脂やエネルギー線硬化性樹脂が好ましい。特に、半導体封止用硬化性樹脂シートとして、熱硬化性樹脂組成物から構成される層を含有するものを用いることが好ましい。
また、前記半導体封止用硬化性樹脂シート1として、薄膜状の熱硬化性樹脂組成物の層に支持基材が貼り合わされたものを用いることもできる。特に、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させて、該熱硬化性樹脂を半硬化又は硬化した樹脂含浸繊維基材を支持基材とし、該樹脂含浸繊維基材の片面上に形成された未硬化の熱硬化性樹脂からなる薄膜状の未硬化樹脂層とを有する半導体封止用基材付封止材等を、半導体封止用硬化性樹脂シート1として使用することができる。このような半導体封止用硬化性樹脂シート1は、大面積・薄型の基板やウエハを一括成形する場合における基板やウエハ上に搭載された電子部品の位置ずれや、基板やウエハの反りを防止することができるために好ましい。
また、半導体封止用硬化性樹脂シート1の形状は、シート状であれば特に限定はされず、円形状、多角形状であってもよい。
また、半導体封止用硬化性樹脂シート1の面積は特に限定されないが、半導体封止用硬化性樹脂シートを用いた半導体装置の生産性の点から100cm以上が好ましく、400cm〜2,500cmがより好ましい。
また、半導体封止用硬化性樹脂シート1の厚さは特に限定されないが、50mm以下が好ましく、0.1mm〜5mmがより好ましい。厚さが50mm以下であれば、包装資材を減圧密封する時に、包装資材の該板状樹脂組成物への追従性が良いため、保持部材との間に空間ができる恐れがないために好ましい。
(硬化性樹脂)
本発明における半導体封止用硬化性樹脂シートに用いられる硬化性樹脂としては、特に限定はされないが、通常半導体素子の封止に使用される、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂、及びシアネートエステル樹脂等が挙げられる。また、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂などの熱硬化性樹脂を使用することもできる。
≪エポキシ樹脂≫
本発明において熱硬化性樹脂組成物に用いることができるエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、又は4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂のようなビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、及びフェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂など室温で液状や固体の公知のエポキシ樹脂が挙げられる。また、必要に応じて、上記以外のエポキシ樹脂を目的に応じて一定量併用することができる。
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物にはエポキシ樹脂の硬化剤を含めることができる。このような硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、各種アミン誘導体、酸無水物や酸無水物基を一部開環させカルボン酸を生成させたものなどを使用することができる。中でも、本発明における半導体封止用硬化性樹脂シートを用いて製造される半導体装置の信頼性を確保するために、フェノールノボラック樹脂を用いることが好ましい。特に、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂の混合比をエポキシ基とフェノール性水酸基の比率が1:0.8〜1.3となるように混合することが好ましい。
更に、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進するため、反応促進剤(触媒)としてイミダゾール誘導体、フォスフィン誘導体、アミン誘導体、有機アルミニウム化合物などの金属化合物等を使用してもよい。
エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤等の添加剤を目的に応じて適宜添加配合することができる。
≪シリコーン樹脂≫
本発明において硬化性樹脂に用いることができるシリコーン樹脂としては、特に限定されないが、例えば熱硬化性、又はUV硬化性のシリコーン樹脂等が挙げられる。特に、熱硬化性樹脂である付加硬化型シリコーン樹脂を含む組成物を用いて熱硬化性樹脂組成物から構成される層を形成することが好ましい。付加硬化型シリコーン樹脂組成物としては、(A)非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物(例えば、アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン)、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(C)白金系触媒を必須成分とするものが特に好ましい。以下、これら(A)〜(C)成分について説明する。
(A)成分:非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物
(A)成分の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(1)で示される、分子鎖両末端が脂肪族不飽和基含有トリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状ジオルガノポリシロキサンなどの、オルガノポリシロキサンが例示される。
111213SiO−(R1415SiO)−(R1617SiO)−SiR111213 (1)
(式中、R11は非共役二重結合含有一価炭化水素基を示し、R12〜R17はそれぞれ同一又は異種の一価炭化水素基を示し、a及びbは0≦a≦500、0≦b≦250、かつ0≦a+b≦500を満たす整数である。)
上記一般式(1)中、R11は非共役二重結合含有一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜8、特に好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基で代表される脂肪族不飽和結合を有する非共役二重結合含有一価炭化水素基である。
上記一般式(1)中、R12〜R17はそれぞれ同一又は異種の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。また、このうちR14〜R17は、より好ましくは脂肪族不飽和結合を除く一価炭化水素基であり、特に好ましくはアルケニル基等の脂肪族不飽和結合を持たないアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。更に、このうちR16、R17は芳香族一価炭化水素基であることが好ましく、フェニル基やトリル基等の炭素数6〜12のアリール基等であることが特に好ましい。
上記一般式(1)中、a及びbは0≦a≦500、0≦b≦250、かつ0≦a+b≦500を満たす整数であり、aは10≦a≦500であることが好ましく、bは0≦b≦150であることが好ましく、またa+bは10≦a+b≦500を満たすことが好ましい。
上記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンは、例えば、環状ジフェニルポリシロキサン、環状メチルフェニルポリシロキサン等の環状ジオルガノポリシロキサンと、末端基を構成するジフェニルテトラビニルジシロキサン、ジビニルテトラフェニルジシロキサン等のジシロキサンとのアルカリ平衡化反応によって得ることができるが、この場合、アルカリ触媒(特にKOH等の強アルカリ)による平衡化反応においては、少量の触媒でも不可逆反応で重合が進行するため、定量的に開環重合のみが進行し、末端封鎖率も高いため、通常、シラノール基及びクロル分は含有されない。
上記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンとしては、具体的に下記のものが例示される。
Figure 2017105527
(上記式において、k、mは、0≦k≦500、0≦m≦250、かつ0≦k+m≦500を満たす整数であり、好ましくは5≦k+m≦250、かつ0≦m/(k+m)≦0.5を満たす整数である。)
(A)成分としては、上記一般式(1)で示される直鎖構造を有するオルガノポリシロキサンの他、必要に応じて、3官能性シロキサン単位、4官能性シロキサン単位等を含む三次元網目構造を有するオルガノポリシロキサンを併用することもできる。このような(A)非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物は、1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物中の非共役二重結合を有する基(例えば、Si原子に結合するアルケニル基等の二重結合を有する一価炭化水素基)の量は、全一価炭化水素基(Si原子に結合する全ての一価炭化水素基)のうち0.1〜20モル%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜10モル%、特に好ましくは0.2〜5モル%である。非共役二重結合を有する基の量が0.1モル%以上であれば硬化させたときに良好な硬化物を得ることができ、20モル%以下であれば硬化させたときの機械的特性が良いため好ましい。
また、(A)成分の非共役二重結合を有する有機ケイ素化合物は芳香族一価炭化水素基(Si原子に結合する芳香族一価炭化水素基)を有することが好ましく、芳香族一価炭化水素基の含有量は、全一価炭化水素基(Si原子に結合する全ての一価炭化水素基)の0〜95モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%である。芳香族一価炭化水素基は樹脂中に適量含まれた方が、硬化させたときの機械的特性が良く製造もしやすいという利点がある。
(B)成分:オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)成分としては、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH基」と称する)を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。1分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば、架橋剤として作用し、(B)成分中のSiH基と(A)成分のビニル基、その他のアルケニル基等の非共役二重結合含有基とが付加反応することにより、硬化物を形成することができる。
また、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、芳香族一価炭化水素基を有することが好ましい。このように、芳香族一価炭化水素基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば、上記の(A)成分との相溶性を高めることができる。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよく、例えば、芳香族炭化水素基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを(B)成分の一部又は全部として含ませることができる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、特に限定されないが、例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1−グリシドキシプロピル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−グリシドキシプロピル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−グリシドキシプロピル−5−トリメトキシシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、トリメトキシシラン重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とからなる共重合体等が挙げられる。
また、下記構造で示される化合物、あるいはこれらの化合物を材料として使用して得られるオルガノハイドロジェンポリシロキサンも用いることができる。
Figure 2017105527
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよく、1分子中のケイ素原子の数(又は重合体の場合は重合度)は2以上が好ましく、より好ましくは3〜500、特に好ましくは4〜300程度である。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のアルケニル基等の非共役二重結合を有する基1個当たり(B)成分中のSiH基が0.7〜3.0個となる量であることが好ましく、1.0〜2.0個であることが特に好ましい。
(C)成分:白金系触媒
(C)成分の白金系触媒としては、例えば塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、キレート構造を有する白金錯体等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。
(C)成分の白金系触媒の配合量は、硬化有効量(いわゆる、触媒量)でよく、通常、(A)成分及び(B)成分の総質量100質量部あたり、白金族金属の質量換算で0.1〜500ppmであることが好ましく、特に0.5〜100ppmの範囲であることが好ましい。
≪エポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂≫
本発明において熱硬化性樹脂組成物に用いることができるエポキシ樹脂とシリコーン樹脂からなる混成樹脂としては、特に限定されないが、例えば前述のエポキシ樹脂と前述のシリコーン樹脂を用いたものを挙げることができる。
≪シアネートエステル樹脂≫
本発明において熱硬化性樹脂組成物に用いることができるシアネートエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えばシアネートエステル化合物又はそのオリゴマーと、硬化剤としてフェノール化合物及びジヒドロキシナフタレンのいずれか又は両方を配合した樹脂組成物が挙げられる。
シアネートエステル化合物又はそのオリゴマー
シアネートエステル化合物又はそのオリゴマーとして使用する成分は、下記一般式(2)で示されるものである。
Figure 2017105527
(式中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
Figure 2017105527
のいずれかを示す。Rは水素原子又はメチル基であり、n=0〜30の整数である。)
ここで、シアネートエステル化合物としては、1分子中にシアネート基を2個以上有するものであり、具体的には、多芳香環の2価フェノールのシアン酸エステル、例えばビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、ビス(4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−シアネートフェニル)メタン、ビス(4−シアネートフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−シアネートフェニル)−2,2−プロパン、ジ(4−シアネートフェニル)エーテル、ジ(4−シアネートフェニル)チオエーテル、多価フェノールのポリシアン酸エステル、例えばフェノールノボラック型シアネートエステル、クレゾールノボラック型シアネートエステル、フェニルアラルキル型シアネートエステル、ビフェニルアラルキル型シアネートエステル、ナフタレンアラルキル型シアネートエステルなどが挙げられる。
前述のシアネートエステル化合物はフェノール類と塩化シアンを塩基性下で反応させることにより得られる。上記シアネートエステル化合物は、その構造より軟化点が106℃の固形のものから、常温で液状のものまでの幅広い特性を有するものの中から用途に合せて適宜選択することができる。
このうち、シアネート基の当量が小さいもの、即ち官能基間分子量が小さいものは硬化収縮が小さく、低熱膨張、高Tg(ガラス転移温度)の硬化物を得ることができる。シアネート基当量が大きいものは若干Tgが低下するが、トリアジン架橋間隔がフレキシブルになり、低弾性化、高強靭化、低吸水化が期待できる。
なお、シアネートエステル化合物中に結合あるいは残存している塩素は好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下であることが好適である。50ppm以下であれば、長期高温保管時、熱分解により遊離した塩素あるいは塩素イオンが酸化されたCuフレームやCuワイヤー、Agメッキを腐食させ、剥離や電気的不良を引き起こす可能性が少ない。また樹脂の絶縁性も良好となる。
(硬化剤)
一般にシアネートエステル樹脂の硬化剤や硬化触媒としては金属塩、金属錯体や活性水素を持つフェノール性水酸基や一級アミン類などが用いられるが、本発明において用いることができる熱硬化性樹脂組成物としては、特にフェノール化合物やジヒドロキシナフタレンが好適に用いられる。
上記のシアネートエステル樹脂の硬化剤として好適に用いることができるフェノール化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(3)で示されるものを例示できる。
Figure 2017105527
(式中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
Figure 2017105527
のいずれかを示す。Rは水素原子又はメチル基であり、p=0〜30の整数である。)
ここで、フェノール化合物としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を持つフェノール樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールA型樹脂、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル型樹脂、ビフェニルアラルキル型樹脂、ナフタレンアラルキル型樹脂が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール化合物はフェノール性水酸基当量が小さいもの、例えば水酸基当量120以下のものはシアネート基との反応性が高く、120℃以下の低温でも硬化反応が進行する。この場合はシアネート基に対する水酸基のモル比を小さくするとよい。好適な範囲はシアネート基1モルに対し0.05〜0.11モルである。この場合、硬化収縮が少なく、低熱膨張で高Tgの硬化物が得られる。
一方、フェノール性水酸基当量が大きいもの、例えば水酸基当量175以上のものはシアネート基との反応が抑えられ保存性が良く、流動性が良い組成物が得られる。好適な範囲はシアネート基1モルに対し0.1〜0.4モルである。この場合、Tgは若干低下するが吸水率の低い硬化物が得られる。希望の硬化物特性と硬化性を得るために、これらフェノール樹脂は2種類以上併用することもできる。
上記のシアネートエステル樹脂の硬化剤として好適に用いることができるジヒドロキシナフタレンは下記一般式(4)で表される。
Figure 2017105527
ここでジヒドロキシナフタレンとしては、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。これらのうち、融点が130℃の1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレンは非常に反応性が高く、少量でシアネート基の環化反応を促進する。融点が200℃以上の1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンは比較的反応が抑制される。
これらジヒドロキシナフタレンを単独で使用した場合、官能基間分子量が小さく、かつ剛直な構造であるため硬化収縮が小さく、高Tgの硬化物が得られる。また水酸基当量の大きい1分子中に2個以上の水酸基を持つフェノール化合物と併用することにより硬化性を調整することもできる。
上記フェノール化合物及びジヒドロキシナフタレン中のハロゲン元素やアルカリ金属などは、120℃、2気圧下での抽出で10ppm、特に5ppm以下であることが好ましい。
(着色剤)
本発明において、半導体封止用硬化性樹脂シートに用いられる硬化性樹脂組成物は、上述の硬化性樹脂に加えて着色剤を含んでもよい。用いられる着色剤としては特に限定されるものでなく、公知の顔料又は染料を単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、外観及びレーザーマーキング性向上の観点から、黒色系の着色剤が好ましい。
黒色系の着色剤としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾ系顔料(アゾメチンブラックなど)、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられ、中でもカーボンブラックが好ましく用いられる。
着色剤は、硬化性樹脂組成物100質量部中に、0.1〜30質量部含まれることが好ましく、特に1〜15質量部含まれることが好ましい。
(無機充填材)
また、本発明において、半導体封止用硬化性樹脂シートに用いられる硬化性樹脂組成物には、無機充填材を配合することができる。配合される無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミノシリケート、ボロンナイトライド、ガラス繊維、三酸化アンチモン等が挙げられる。
特に、硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂と無機充填材との結合強度を強くするため、添加する無機充填材として、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合してもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシラン等を用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に限定されるものではない。
無機充填材の配合量は、硬化性樹脂組成物中のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの樹脂成分の総質量100質量部に対し、100〜1,300質量部が好ましく、特に200〜1,000質量部が好ましい。100質量部以上であれば十分な強度を得ることができ、1,300質量部以下であれば流動性低下による充填性の不良が抑制され、結果として基板に搭載された半導体素子やウエハに形成された半導体素子を良好に封止することができる。なお、この無機充填材は、硬化性樹脂組成物全体の50〜95質量%、特に60〜90質量%の範囲で含有することが好ましい。
また、本発明における半導体封止用硬化性樹脂シート1は、表面保護のためのポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのカバーフィルムが付いた状態のものであってもよい。中でもポリテトラフルオロエチレン製フィルムが剥離性良好なため好ましい。上記カバーフィルムは、少なくとも保持部材と接触する面とは反対側の面に貼付されていることが好ましい。
半導体封止用硬化性樹脂シート1を作製する方法としては、例えば、半導体封止用硬化性樹脂シート用の硬化性樹脂組成物の各材料を均一に分散混合し、調製した樹脂組成物を溶融混練後、Tダイにより押出成形してシート状に形成する方法や、調製した樹脂組成物を有機溶剤等に溶解または分散してワニスを調製し、このワニスをポリエステル等の基材上に塗工し乾燥させることでシートを得る方法、溶融混練し、粉砕した熱硬化性樹脂組成物を粉砕した粉を用いて熱プレスによりシートを形成する方法などが挙げられる。中でも、生産性を考慮すると、溶融混練後、Tダイにより押出成形してシート状にすることが好ましい。
また、薄膜状の熱硬化性樹脂組成物の層に支持基材が貼り合わされた構造を有する半導体封止用硬化性樹脂シート1を作製する方法としては、上記の方法で得られたシート状(薄膜状)の熱硬化性樹脂組成物層を、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させ硬化した支持基材上と一体化することにより、半導体封止用硬化性樹脂シート1とすることができる。
[保持部材2]
本発明において、保持部材2として使用できるものは特に制限されず、半導体封止用硬化性樹脂シート1の材料に応じて、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂製の板、ガラス板、金属板などを使用することができる。中でも、輸送・搬送時の取り扱い性を考慮すると、樹脂製の板が好ましく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂が特に好ましい。また、保持部材2としては、支持基材として上記で例示した、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させて、該熱硬化性樹脂を半硬化又は硬化した樹脂含浸繊維基材を用いることもできる。
保持部材2の大きさは、特に制限されないが、保持部材の主面面積が半導体封止用硬化性樹脂シートの主面面積以上であることが好ましく、かつ、該保持部材の形状が、該樹脂シートの主面の全面を保持するものであることが好ましい。具体的には、前記保持部材の主面面積が、前記半導体封止用硬化性樹脂シートの主面面積に対して100〜170%であることが好ましく、特に好ましくは110〜150%である。また、前記半導体封止用硬化性樹脂シートの形状が四角形である場合、保持部材の短辺および長辺の長さは、該半導体封止用硬化性樹脂シートにおける対応する辺の長さの100〜130%であることが好ましく、特に好ましくは105〜120%である。また、前記半導体封止用硬化性樹脂シートの形状が円形の場合は、保持部材の直径は該半導体封止用硬化性樹脂シートにおける直径の100〜130%であることが好ましく、特に好ましくは105〜120%である。
このような保持部材であれば、半導体封止用硬化性樹脂シートを収容した梱包体を搬送する場合に、搬送時の外部からの衝撃が半導体封止用硬化性樹脂シートに直接影響することなく、半導体封止用硬化性樹脂シートの割れや欠け及び変形を確実に防ぐことが可能となる。
また、前記保持部材の厚さは0.2mm〜20mmであることが好ましく、0.6〜10mmがより好ましい。このような保持部材の厚さであれば、梱包時に嵩張らず、かつ変形がしにくい保持部材となる。
[包装資材3]
本発明において、包装資材3として使用できるものは、特に制限されず、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの一般的な包装用樹脂フィルムや、高密度ポリエチレンフィルム、ナイロンやポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、アルミラミネートしたフィルム、ポリエチレン等の材質を用いた多層フィルムなどの樹脂フィルムや、アルミ箔などの金属箔フィルムを用途に応じて使用することができ、吸湿防止性、強度およびヒートシール性等の観点から、ポリエチレンとナイロンの多層フィルムが好ましい。
なお、前記包装資材は、JIS Z 0208:1976記載の方法で測定した透湿度が50g/m・24h以下であり、更には30g/m・24h以下であるフィルム材料であることが好ましい。このような包装資材を用いれば、梱包された半導体封止用硬化性樹脂シートが、外気の湿気の影響を受けて変質する恐れがないため、好ましい。
また、前記包装資材の厚さは吸湿防止性、強度、ヒートシール性、減圧密封時の材料形状への追従性等の観点から25〜300μmであることが好ましい。
また、減圧密封後の密封性維持の観点から、前記包装資材は、JIS K 7126記載の方法で測定した酸素透過度が3000cc/m・atm・24h以下であり、更には1000cc/m・atm・24h以下であるフィルム材料であることが好ましい。
次に、本発明の、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法における各工程について説明する。
図1の(a)は、半導体封止用硬化性樹脂シート1を、保持部材2に載置(積層)する工程である。載置する方法としては特に限定されず、半導体封止用熱硬化性樹脂組成物の製造方法によって、製造ライン上に積層工程を組み込んだり、カバーフィルムごと材料をスライドして移動させたりするなどの方法で保持部材上に載置することができる。
例えば、半導体封止用硬化性樹脂シートを溶融混練後、Tダイ押出により形成する場合、Tダイから流れてきた半導体封止用硬化性樹脂シートをコンベアにて引き取り、円形状や多角形状に切断した後さらにコンベア上に流し、コンベアから流れてきた半導体封止用硬化性樹脂シートをコンベアの終点に設置した保持部材上に積層していく方法などが挙げられる。
保持部材2上に半導体封止用硬化性樹脂シート1を載置(積層)した後、シート表面に汚れが無いかどうか、割れや欠け、変形がないかの外観検査工程を有することが好ましい。
図1の(b)は(a)で保持部材2上に載置(積層)した半導体封止用硬化性樹脂シート1を、包装資材3に収納する工程である。収納する方法としては特に制限されず、手動または自動搬送装置などを用いて保持部材ごと持ち上げ包装資材に収納するなどの方法で収納することができる。
図1の(c)は、(b)で保持部材2上に載置(積層)された半導体封止用熱化性樹脂シート1を収納した包装資材内を減圧して、密封する工程である。異物混入を防ぐため、包装資材は事前に20秒〜300秒程度の一定時間でエアブローを行い、ほこりを除去する工程を有することが好ましい。
減圧密封する方法としては、特に制限されず、例えば富士インパルス社製の真空シーラーを用いて包装資材内を減圧した状態で包装資材をヒートシールすることで減圧密封する方法などが挙げられる。また、減圧密封時の圧力は70,000Pa以下が好ましく、100Pa〜50,000Paがより好ましい。
このような半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法であれば、大面積・薄型の材料(半導体封止用硬化性樹脂シート1)であっても、材料を搬送する際に保持部材ごと搬送できるため、材料の割れや欠け及び変形の発生を防ぐことができ、また、前記保持部材上に積層された半導体封止用硬化性樹脂シートが収納された包装資材を減圧し、密封することで、包装資材内の半導体封止用硬化性樹脂シートを固定することができ、輸送や搬送の際、梱包された包装資材内の材料が動いてしまうことによる割れや欠け、および変形の発生を大幅に減少させることが可能な梱包方法となる。
図2は、本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体10の概略断面図の一例であり、半導体封止用硬化性樹脂シート1及び該半導体封止用硬化性樹脂シート1を保持する保持部材2が、減圧状態の包装資材3内に密封されたものである半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体10である。このような半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体10は、本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法により梱包されたものである。
図3は、本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体10において、半導体封止用硬化性樹脂シート1として、薄膜状の熱硬化性樹脂組成物の層4に支持基材5が貼り合わされたものを用いた場合の梱包体10の概略断面図である。
このような梱包体で搬送された半導体封止用硬化性樹脂シートであれば、半導体素子搭載基板等を封止する場合に、割れや欠けおよび変形のない良好な状態で封止することができ、封止成形時における電子部品(半導体素子)の不具合を抑制できる半導体封止用硬化性樹脂シートとなる。
尚、本発明において梱包する半導体封止用硬化性樹脂シートは、特に、直径300mm(12インチ)以上の半導体素子を搭載した大径基板や半導体素子を形成した大径ウエハを封止する場合に好適に利用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
[半導体封止用硬化性樹脂シートの作製]
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON−N655、DIC製)60質量部、フェノールノボラック樹脂(商品名:BRG555、昭和高分子製)30質量部、平均粒径7μmの球状シリカ(商品名:MSS−7、龍森製)400質量部、触媒TPP(トリフェニルホスフィン)0.2質量部、シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM403、信越化学工業製)0.5質量部、黒色顔料:カーボンブラック(商品名:3230B 、三菱化学製)3質量部を高速混合装置で十分混合した後、連続混練装置で加熱混練し、次いでTダイから押し出しすることにより390mm×490mm、厚さ0.4mmの半導体封止用硬化性樹脂シートを得た。
[保持部材の準備]
400mm×500mm、厚さ1mmのポリエチレン板の保持部材を準備した。
[包装資材の準備]
500mm×600mm、厚さ70μmのポリエチレンとナイロンの3層構造の包装資材(メーカー:富士インパルス製、商品名:FNシリーズ、透湿度:8g/m・24h)を準備した。
[梱包工程]
上記で作製した半導体封止用硬化性樹脂シートを、上記で準備した保持部材上に載置し、保持部材ごと上記で準備した包装資材に収納した。ついで富士インパルス製真空シーラーを用いて、包装資材内を1kPaまで減圧した状態で包装資材を150℃、1秒でヒートシールすることで、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(実施例2)
実施例1において、保持部材の材質をポリエチレンテレフタレート板とした以外は同様とし、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(実施例3)
実施例1において、保持部材の材質をポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン(登録商標))板とした以外は同様とし、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(実施例4)
実施例1において、保持部材の材質をアルミ板とした以外は同様とし、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(実施例5)
[半導体封止用硬化性樹脂シートの作製]
<支持基材の作製>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON−N695、DIC製)60質量部、フェノールノボラック樹脂(商品名:TD2090、DIC製)30質量部、黒色顔料カーボンブラック(商品名:3230B、三菱化学製)3質量部、触媒TPP(トリフェニルホスフィン)0.6質量部に、トルエン300質量部を加えて攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物のトルエン分散液を調製した。
このエポキシ樹脂組成物のトルエン分散液に繊維基材としてEガラスクロス(日東紡績製、厚さ:150μm)を浸漬することにより、エポキシ樹脂組成物のトルエン分散液をEガラスクロスに含浸させた。該ガラスクロスを120℃で15分間放置することによりトルエンを揮発させた。該ガラスクロスを175℃で5分間加熱成型して成型品を得、更にこれを180℃で4時間加熱(2次硬化)することで、含浸させたエポキシ樹脂組成物を硬化させ、繊維基材層の両面にエポキシ樹脂組成物の硬化物層が形成された、400mm×500mm、厚さ0.2mmのエポキシ樹脂含浸繊維基材を得た。
<封止樹脂層となる樹脂組成物の作製>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON−N655、DIC製)60質量部、フェノールノボラック樹脂(商品名:BRG555、昭和高分子製)30質量部、平均粒径7μmの球状シリカ(商品名:MSS−7、龍森製)400質量部、触媒TPP(トリフェニルホスフィン)0.2質量部、シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM403、信越化学工業製)0.5質量部、黒色顔料:カーボンブラック(商品名:3230B、三菱化学製)3質量部を高速混合装置で十分混合した後、連続混練装置で加熱混練し、次いでTダイから押し出しすることにより390mm×490mm、厚さ0.4mmの板状の半導体封止用熱硬化性樹脂組成物を得た。
<半導体封止用硬化性樹脂シート(半導体封止用基材付封止材)の作製>
上記エポキシ樹脂含浸繊維基材上に、上記板状の熱硬化性樹脂組成物を載せ、ニッコーマテリアルズ社製の真空ラミネータを用いて、50Pa、50℃、60sの条件でラミネートすることにより半導体封止用硬化性樹脂シートを得た。
[保持部材の準備]
420mm×520mm、厚さ0.5mmのポリエチレン板の保持部材を準備した。
[包装資材の準備]
500mm×600mm、厚さ70μmのポリエチレンとナイロンからなる3層構造の包装資材(メーカー:富士インパルス製、商品名:FNシリーズ、透湿度:8g/m・24h)を準備した。を準備した。
[梱包工程]
上記で作製した半導体封止用硬化性樹脂シートを、上記で準備した保持部材上に載置(積層)し、保持部材ごと上記で準備した包装資材に収納した。ついで富士インパルス製真空シーラーを用いて、包装資材内を1kPaまで減圧した状態で包装資材を150℃、1秒ヒートシールすることで、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(実施例6)
実施例1において、包装資材として、500mm×600mm、厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(メーカー:出光ユニテック製、商品名:ユニロンG−100#25、透湿度:90g/m・24h)からなる包装資材を用いること以外は同様とし、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(比較例1)
実施例1において、保持部材を用いず、梱包時に減圧を行わずにヒートシールを行い、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(比較例2)
実施例1において保持部材を用いないこと以外は同様とし、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
(比較例3)
実施例1において、梱包時に減圧を行わないこと以外は同様とし、半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体の特性を以下のようにして評価した。評価結果を表1に示す。
[半導体封止用硬化性樹脂シートの割れ評価試験]
半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体20個を、高さ1mの台から5m離れた高さ1mの台へハンドキャリーにより移動させた場合の割れが生じた個数を数えた。
[半導体封止用硬化性樹脂シートの欠け評価試験]
半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体20個を、高さ1mの台から5m離れた高さ1mの台へハンドキャリーにより移動させた場合の欠けが生じた個数を数えた。
[半導体封止用硬化性樹脂シートの変形評価試験]
半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体20個を、高さ1mの台から5m離れた高さ1mの台へハンドキャリーにより移動させた場合の変形が生じた個数を数えた。
[半導体封止用硬化性樹脂シートの保存安定性評価試験]
半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体を温度30℃、湿度80%RHの環境下に196時間放置した後、半導体封止用硬化性樹脂シートを包装資材内から取り出し、175℃におけるゲル化時間を測定した。
Figure 2017105527
表1に示すように、本発明の梱包方法を用いて梱包した半導体封止用硬化性樹脂シート(実施例1〜6)は、半導体封止用硬化性樹脂シートを保持部材ごと取り扱えることに加え、取り扱い時に包装資材内の半導体封止用硬化性樹脂シートがずれることなく、割れや欠け、変形がなかった。一方、本発明の範囲外の方法で梱包した半導体封止用硬化性樹脂シート(比較例1〜3)は、割れや欠け、変形の発生が顕著となった。尚、実施例1〜5においては、透湿度が8g/m・24hの包装資材を用いたため、温度30℃、湿度80%RHの環境下に196時間放置した後も硬化性樹脂のゲル化時間はほぼ変わらなかったが、実施例6ではゲル化時間が長くなり、硬化不良となった。
以上のことから、本発明の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法であれば、材料(半導体封止用硬化性樹脂シート)を搬送する際に保持部材ごと搬送できるため、材料の割れや欠け及び変形を防ぐことができ、また、前記保持部材上に積層された半導体封止用硬化性樹脂シートが収納された包装資材を減圧し、密封することで、包装資材内の半導体封止用硬化性樹脂シートを固定することができ、輸送や搬送の際、梱包された包装資材内の材料が動いてしまうことによる割れや変形を大幅に防ぐことが可能となることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。
1…半導体封止用硬化性樹脂シート、 2…保持部材、 3…包装資材、
4…熱硬化性樹脂組成物の層、 5…支持基材、 10…梱包体。

Claims (9)

  1. 半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法であって、
    (a)前記半導体封止用硬化性樹脂シートを保持部材に載置する工程、
    (b)前記保持部材及び該保持部材に載置された前記半導体封止用硬化性樹脂シートを、包装資材に収容する工程、
    (c)前記保持部材及び前記半導体封止用硬化性樹脂シートを収容した前記包装資材内を減圧下で密封する真空包装工程、
    を有することを特徴とする半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  2. 前記半導体封止用硬化性樹脂シートとして、熱硬化性樹脂組成物から構成される層を含有するものを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  3. 前記半導体封止用硬化性樹脂シートとして、薄膜状の熱硬化性樹脂組成物の層に支持基材が貼り合わされたものを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物として、未硬化または半硬化状態のものを用いることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  5. 前記半導体封止用硬化性樹脂シートの厚さを、0.1〜5mmとすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  6. 前記保持部材の主面面積が、前記保持部材に載置する前記半導体封止用硬化性樹脂シートの主面面積に対して100〜170%であり、かつ、前記保持部材の形状が、前記半導体封止用硬化性樹脂シートの主面の全面を保持するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  7. 前記保持部材の厚さを、0.2mm〜20mmとすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  8. 前記包装資材として、JIS Z 0208:1976記載の方法で測定した透湿度が50g/m・24h以下のものを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包方法。
  9. 半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体であって、
    前記半導体封止用硬化性樹脂シート及び該半導体封止用硬化性樹脂シートを保持する保持部材が、減圧状態の包装資材内に密封されたものであることを特徴とする半導体封止用硬化性樹脂シートの梱包体。
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