JP2017105657A - ガラス繊維ストランドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス繊維ストランドの歩留まり向上を図るべく、ガラス繊維フィラメントの糸切れを即座に検知することを可能にしたガラス繊維ストランドの製造方法を提供する。
【解決手段】ブッシング3と集束ローラ6との間のガラス繊維フィラメント群Fをカメラ10によって撮像して一次画像データD1を生成する撮像工程(STEP−1)と、一次画像データD1を画像処理装置11によって画像処理する画像処理工程(STEP−2)と、画像処理工程(STEP−2)で実行した画像処理結果に基づいてガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知装置12により検知する糸切れ検知工程(STEP−3)と、を備え、糸切れ検知工程においてガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知したときに、ガラス繊維ストランドSの形成を停止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス繊維ストランドの製造方法の技術に関し、より詳しくは、ガラス繊維ストランドの製造において、ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知するための方法に関する。
従来、ガラス繊維ストランドの製造に際し、ガラス繊維ストランドを構成するガラス繊維フィラメントの糸切れを検知する方法が種々検討されている。
特許文献1に記載された従来のガラス繊維フィラメントの切断検知方法では、ブッシング(オリフィス)を通して紡出されつつあるガラス繊維フィラメントが切断した際に、オリフィス位置に生成する溶融ガラスビーズの成長に伴う輝度もしくは輻射熱の変化を放射温度計によって電気信号としてとらえて、ガラス繊維フィラメントの切断を検知するように構成している。
特開昭53−41521号公報
特許文献1に記載のガラス繊維フィラメントの切断検知方法では、放射温度計を用いてガラス繊維フィラメントの切断を検知する構成としているが、放射温度計の検知範囲は狭いため、放射温度計を水平往復運動可能に構成して、ガラス繊維フィラメントの束に対して放射温度計を走査して、ガラス繊維フィラメントの切断を検知する構成としている。
このため、特許文献1に記載のガラス繊維フィラメントの切断検知方法では、放射温度計による計測位置以外で糸切れが生じた場合には、その糸切れ位置が次に走査されるまでは糸切れを検知することができず、糸切れの検知が遅れる場合がある、という問題があった。
このため、従来のガラス繊維フィラメントの切断検知方法では、紡糸作業の停止が遅れて、製品として使えないガラス繊維ストランドが長時間製造されてしまい、ガラス繊維ストランドの歩留まりの悪化を招いていた。
本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、ガラス繊維ストランドの歩留まり向上を図るべく、ガラス繊維フィラメントの糸切れを即座に検知することを可能にしたガラス繊維ストランドの製造方法を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法は、ブッシングに設けられた複数の孔部から溶融ガラスを引き出すことで形成された複数のガラス繊維フィラメントからなるガラス繊維フィラメント群を、集束装置によって集束してガラス繊維ストランドを形成するガラス繊維ストランドの製造方法であって、前記ブッシングと前記集束装置との間の前記ガラス繊維フィラメント群を撮像手段によって撮像して一次画像データを生成する撮像工程と、前記一次画像データを画像処理手段によって画像処理する画像処理工程と、前記画像処理工程で実行した画像処理結果に基づいて前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知手段により検知する糸切れ検知工程と、を備え、前記糸切れ検知工程において前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知したときに、前記ガラス繊維ストランドの形成を停止することを特徴とする。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れを即座に検知することができる。
また、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、前記画像処理手段は、前記一次画像データを高輝度領域と低輝度領域に二値化処理する手段であり、前記検知手段は、前記画像処理工程で実行した画像処理結果から前記高輝度領域を検出して、前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知することを特徴とする。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れを確実に検知することができる。
また、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、前記検知手段は、前記画像処理工程で実行した画像処理結果から高輝度領域の大きさを検出し、前記高輝度領域の大きさが第一の閾値以上である場合に、前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知することを特徴とする。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れをより確実に検知することができる。
また、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、前記ガラス繊維フィラメント群は、アプリケータによって集束剤を塗布された後で、前記集束装置によって集束されるものであって、前記撮像手段は、前記ブッシングと前記アプリケータの間の、前記ガラス繊維フィラメント群を撮像することを特徴とする。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れを確実に検知することができる。
また、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、前記ガラス繊維フィラメント群は、噴霧ノズルから噴霧される冷却液によって冷却された後で、前記アプリケータによって前記集束剤が塗布されるものであって、前記撮像手段は、前記ブッシングと前記噴霧ノズルの間の、前記ガラス繊維フィラメント群を撮像することを特徴とする。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れをより確実に検知することができる。
また、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、前記画像処理手段は、前記一次画像データおよび前記画像処理工程で実行した画像処理結果における、前記ブッシングの近傍のデータを除外することを特徴とする。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れをより即座に検知することができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントの糸切れを即座に検知することができる。これにより、ガラス繊維ストランドの歩留まり向上を図ることができる。
ガラス繊維フィラメントの紡出状況を示す図、(a)糸切れがない状態を示す図、(b)糸切れが生じ、溶融ガラスビーズが生成されている状態を示す図、(c)奥まった位置で糸切れが生じ、溶融ガラスビーズが生成されている状態を示す図。 本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法における糸切れを検知するための工程を示すフローチャート。 ガラス繊維製造装置の全体構成を示す正面模式図。 ガラス繊維製造装置の全体構成を示す側面模式図。 画像処理装置による二値化処理(糸切れが無い場合)を説明するための模式図、(a)一次画像データの生成状況を示す図、(b)二次画像データの生成状況を示す図。 画像処理装置による二値化処理(糸切れがある場合)を説明するための模式図、(a)一次画像データの生成状況を示す図、(b)二次画像データの生成状況を示す図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法について、図1および図2を用いて説明をする。
本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法は、多数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維ストランドを製造する方法であり、図1(a)に示すように、ブッシングから紡出された複数のガラス繊維フィラメントf・f・・・を集束してガラス繊維ストランドを製造するものである。
本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法では、溶融炉(図示せず)において溶融された溶融ガラスGが、フィーダー(図示せず)に供給され、フィーダーの底部に設けられた多数の孔部を備えるブッシングから、溶融ガラスGが引き出され、略円錐状の溶融ガラスコーンCを形成しつつ、溶融ガラスコーンCの下端から糸状のガラス繊維フィラメントfとして引き出される。そして、複数のガラス繊維フィラメントf・f・・・を集束して、ガラス繊維ストランドを製造する。
このような製造方法でガラス繊維ストランドを製造するときには、図1(b)に示すように、ブッシングから引き出されたガラス繊維フィラメントfに糸切れが生じる場合があり、糸切れした部位では、ガラス繊維フィラメントfではなく溶融ガラスビーズBが形成される。溶融ガラスビーズBは、ブッシングから引き出された溶融ガラスGが糸状とならずに略球状に成長したものである。
また、奥まった位置でガラス繊維フィラメントfが糸切れした場合には、図1(c)に示すような状態で溶融ガラスビーズBが現れるが、視認方向においてガラス繊維フィラメントfと溶融ガラスビーズBが重なっていたとしても、溶融ガラスビーズBの外観は、容易に認識することができる。
そして、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法では、図2に示すように、複数のガラス繊維フィラメントf・f・・・の束を撮像手段によって撮像して一次画像データを生成する撮像工程(STEP−1)と、一次画像データを画像処理手段によって画像処理し、該画像処理結果に基づいて二次画像データを生成する画像処理工程(STEP−2)と、前記画像処理結果に基づいて糸切れを検知する糸切れ検知工程(STEP−3)を備える構成としている。
次に、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法に用いるガラス繊維製造装置について、図3および図4を用いて説明する。
図3および図4に示すガラス繊維製造装置1は、多数のガラス繊維フィラメントf・f・・・を集束してガラス繊維ストランドSを製造するための装置であり、フィーダー2、ブッシング3、噴霧ノズル4、アプリケータ5、集束ローラ6、ワインダー7、トラバース機構8、等を備えるとともに、カメラ10、画像処理装置11、検知装置12、制御装置13を備えている。そして、ガラス繊維製造装置1は、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法を実現することができる。
フィーダー2は、溶融炉(図示せず)において溶融された溶融ガラスGが供給され、一旦貯溜される槽状の部位であり、フィーダー2の底部に、ブッシング3が設けられている。
ブッシング3は、複数の孔部(図示せず)が複数行複数列のマトリックス状に形成された白金製の部材であり、その下面において、それぞれの前記孔部に連通し、中空部を有する複数のノズル3a・3a・・・を備えている。
噴霧ノズル4は、ブッシング3のノズル3aから引き出されたガラス繊維フィラメントf・f・・・の束(以下、ガラス繊維フィラメント群Fと呼ぶ)に冷却液を噴霧するためのノズルである。ガラス繊維フィラメント群Fは、噴霧ノズル4から冷却液が噴霧されることによって冷却される。
アプリケータ5は、ガラス繊維フィラメント群Fを集束する前に、ガラス繊維フィラメント群Fに集束剤Aを塗布するための部位であり、集束剤Aが貯溜されるトレイ5aと、集束剤Aを塗布するための塗布ローラ5bを備えている。
集束ローラ6は、ガラス繊維フィラメント群Fを集束するための集束装置であり、集束ローラ6の軸方向における中央において、両端に比して小径となっている部位である集束部6aが形成されている。
ガラス繊維フィラメント群Fは、集束ローラ6の集束部6aに寄せ集められることによって集束され、1本の紐状の形態をなすガラス繊維ストランドSが形成される。
ワインダー7は、ガラス繊維ストランドSを巻き取るコレット9を回転駆動するための機構であり、トラバース機構8は、ワインダー7に配置されたコレット9に対してガラス繊維ストランドSを均等に巻きつけるために、ガラス繊維ストランドSを綾振りするための機構である。
このような構成のガラス繊維製造装置1では、溶融炉(図示せず)において溶融された溶融ガラスGがフィーダー2に供給され、フィーダー2の底部に設けられたブッシング3の多数のノズル3a・3a・・・から、溶融ガラスGが引き出されることで、複数のガラス繊維フィラメントf・f・・・が形成される(図1(a)参照)。
そして、ガラス繊維製造装置1は、ブッシング3の多数のノズル3a・3a・・・から引き出されたガラス繊維フィラメント群Fに対して、アプリケータ5によって集束剤Aを塗布し、集束ローラ6でガラス繊維フィラメント群Fを集束しながらワインダー7で巻き取ることで、ガラス繊維ストランドSを製造することができる。
さらに、ガラス繊維製造装置1では、撮像手段であるカメラ10と、カメラ10により撮像した一次画像データを画像処理するための手段である画像処理装置11と、糸切れして揺らめくガラス繊維フィラメントfや溶融ガラスビーズBを検知する検知装置12と、検知装置12からの信号に従ってガラス繊維製造装置1の動作を制御する制御装置13、を備えている。
カメラ10は、例えば、撮像素子としてCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを備えたものを採用することができる。
ガラス繊維製造装置1では、ブッシング3の多数のノズル3a・3a・・・から引き出された直後のガラス繊維フィラメント群Fを視野に捉えることができる位置に、カメラ10を配置する構成としている。
尚、本実施形態で示すガラス繊維製造装置1は、1系統のガラス繊維ストランドSを製造することができるものであるが、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法を実現するガラス繊維製造装置は、同時に2系統以上のガラス繊維ストランドSを製造できる構成であってもよい。
その場合のガラス繊維製造装置は、ガラス繊維ストランドSの系統ごとにカメラ10を配置する構成としても良いし、2系統以上のガラス繊維ストランドS・S・・・を1台のカメラ10で撮像する構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、1系統のガラス繊維ストランドSに対して、1台のカメラ10を備える構成のガラス繊維製造装置1を例示したが、1系統のガラス繊維ストランドSに対して、左右から複数(例えば2台)のカメラ10・10によって一次画像データを撮像する構成としても良い。
そして、ガラス繊維製造装置1では、カメラ10によって、ブッシング3から引き出された直後のガラス繊維フィラメント群Fを撮像することによって、ガラス繊維フィラメント群Fと、ガラス繊維フィラメント群Fと同じ領域において形成される溶融ガラスビーズBと、糸切れして揺らめくガラス繊維フィラメントf等を捉えた一次画像データを生成するように構成されている。
画像処理装置11は、カメラ10によって撮像した一次画像データを画像処理するための装置であり、一次画像データを二値化処理し、該二値化処理した結果に基づいて二次画像データを生成することができるように構成されている。
また、検知装置12は、二値化処理した結果に基づいて、糸切れして揺らめくガラス繊維フィラメントfや溶融ガラスビーズBを検知することができるように構成されている。
尚、画像処理装置11としては、カメラ10と接続するインターフェースと、ROM・RAM・HDD等の記憶装置と、CPU(演算装置)と、表示装置等を備え、所定の画像処理プログラムがインストールされた汎用のパーソナルコンピュータを使用することができる。検知装置12としては、画像処理装置11と接続するインターフェースと、ROM・RAM・HDD等の記憶装置と、CPU(演算装置)と、表示装置等を備え、所定の糸切れ検知プログラムがインストールされた汎用のパーソナルコンピュータを使用することができる。
ここで、ガラス繊維製造装置1における一次画像データと二次画像データの生成状況について、図5および図6を用いて説明をする。
一次画像データは、カメラ10によって、ガラス繊維フィラメント群Fを撮像することによって生成される(図3参照)。尚、カメラ10によって、ガラス繊維フィラメント群Fを撮像するときには、糸切れして揺らめくガラス繊維フィラメントfや、ガラス繊維フィラメント群Fと同じ領域において形成される溶融ガラスビーズB等が撮像される。
図5(a)および図6(a)に示す如く、ガラス繊維製造装置1において、カメラ10の視野Xには、ブッシング3から引き出された直後の複数のガラス繊維フィラメントf(即ち、ガラス繊維フィラメント群F)が捉えられている。
溶融ガラスGは、高温に熱せられて赤熱しており、輝度が高い状態となっている。また、ブッシング3は、溶融ガラスGとともに高温に熱せられており、赤熱し輝度が高い状態となっている。
一方、ガラス繊維フィラメント群Fは、ブッシング3から離間するにつれて自然に冷却されていくため、溶融ガラスGに比して輝度が低くなっている。
しかしながら、ガラス繊維フィラメントfは、糸切れしたときに揺らめくと、ブッシング3の輻射光が糸切れしたガラス繊維フィラメントfで反射して、高輝度に輝くという特性を有している。
また、ブッシング3のノズル3aから溶融ガラスGが引き出されてガラス繊維フィラメントfが形成されるとき、ブッシング3とガラス繊維フィラメントfとの境界部には、溶融ガラスコーンCが形成されている。このとき形成される溶融ガラスコーンCは、輻射により輝度が高い状態となっている。
さらに、図6(a)に示す如く、ガラス繊維フィラメントfに糸切れが発生したときに、ブッシング3の直後において形成される溶融ガラスビーズBは、赤熱し輝度が高い状態となっている。溶融ガラスビーズBは、成長しブッシング3から離間するにつれて自然に冷却されていくが、ガラス繊維フィラメントfに比して熱容量が大きく、冷却の進行が緩やかであるため、ガラス繊維フィラメントfの輝度に比して高い輝度に保持されている。
つまり、カメラ10によって、ガラス繊維フィラメント群Fを撮像して生成された一次画像データD1には、糸切れして揺らめくガラス繊維フィラメントf、ガラス繊維フィラメント群F、溶融ガラスビーズB、溶融ガラスコーンC等の各部位の輝度の情報が含まれており、高輝度領域が発生する様子が画像として記録されている。
尚、カメラ10との配置の関係において、より奥まった位置でガラス繊維フィラメントfに糸切れが発生したとき、ガラス繊維フィラメントfと重なった溶融ガラスビーズBは、外観において容易に認識可能である(図1(c)参照)。このため、カメラ10によって撮像された一次画像データには、糸切れが発生した場所に関わらず、溶融ガラスビーズBに係る情報が含まれる。
二次画像データは、カメラ10によって生成された一次画像データを、画像処理装置11で画像処理した結果に基づいて生成される(図3参照)。
画像処理装置11による画像処理は、一次画像データを二値化処理することによって行われる。
図5(a)(b)では、糸切れが生じない場合の一次画像データD1と二次画像データD2の生成状況を示している。また、図6(a)(b)では、糸切れが生じ、溶融ガラスビーズBが生じた場合の一次画像データD1と二次画像データD2の生成状況を示している。尚ここでは、説明の便宜上、視野Xに表示されている一つの格子が、各画像データD1・D2における一つの画素に対応しているものとする。
画像処理装置11は、画像処理プログラムによって、一次画像データD1の各画素における輝度を算出する。
そして、画像処理装置11は、図5(b)および図6(b)に示すように、所定の閾値以上の輝度を有する画素を「高輝度領域」として白色で表示し、所定の閾値未満の輝度である画素を「低輝度領域」として黒色で表示することによって二値化し、二次画像データD2を生成する。
尚、このときの「所定の閾値」は、糸切れしていないときのガラス繊維フィラメントfの最大輝度よりも高い値で、溶融ガラスビーズBの最低輝度よりも低い値とする。
図5(a)(b)に示す如く、ガラス繊維フィラメントfに糸切れが発生していない場合において、生成された二次画像データD2には、最もブッシング3に近い(即ち、ブッシング3の直後の)1段目の各画素において、高輝度領域が現れている。
このような1段目の高輝度領域は、正常にガラス繊維フィラメントfを紡糸しているときの溶融ガラスコーンCの輻射に起因するものや、ブッシング3の輻射に起因するものである。また、斯かる二次画像データにおいては、2段目以後の各画素においては高輝度領域が現れていない。
一方、図6(a)(b)に示す如く、ガラス繊維フィラメントfに糸切れが発生し、溶融ガラスビーズBが生じている場合において、生成された二次画像データD2には、2段目以後の各画素において、高輝度領域が現れている。
このときの高輝度領域の増大は、溶融ガラスコーンCやブッシング3に起因するものではなく、溶融ガラスビーズBの発生に起因するものであると認められる。
即ち、図5(b)と図6(b)を比較して判るように、溶融ガラスビーズBが生じると、高輝度領域が増大するため、増大した高輝度領域を検出することによって、溶融ガラスビーズBの発生を検知することができる。
あるいは、ガラス繊維フィラメントfに糸切れが発生し、未だ溶融ガラスビーズBが生じていない段階であっても、糸切れしたガラス繊維フィラメントfが揺らめくと、ブッシング3からの輻射光が糸切れしたガラス繊維フィラメントfで反射して高輝度に輝くため、この場合にも高輝度領域が増大する。
即ち、ガラス繊維フィラメントfに糸切れが発生すると、ガラス繊維フィラメントfが揺らめくことによって、あるいは、溶融ガラスビーズBが生じることによって、高輝度領域が増えるため、このようにして増加した高輝度領域を検出することによって、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知することができる。
そして、検知装置12は、ガラス繊維フィラメントfが糸切れした時点で、あるいは遅くとも、溶融ガラスビーズBが、二次画像データD2における2段目の各画素に対応する位置まで成長した時点で、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知することができる。
即ち、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、画像処理装置11は、一次画像データD1を二値化処理して二次画像データD2を生成して、検知装置12は、画像処理した結果である二次画像データD2から増加した高輝度領域を検出して、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知するものである。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを即座に検知することができる。
また、ガラス繊維製造装置1では、高輝度領域の増大面積に第一の閾値(以下、第一閾値Z1と呼ぶ)を設定しておき、検出した高輝度領域の増大面積が第一閾値Z1以上である場合に、検知装置12によって、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知する構成としてもよい。
即ち、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、画像処理装置11は、一次画像データD1を二値化処理して二次画像データD2を生成して、検知装置12は、画像処理した結果である二次画像データD2から高輝度領域の大きさを検出し、前記高輝度領域の大きさが第一閾値Z1以上である場合に、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知するものである。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを確実に検知することができる。
また、例えば、第一閾値Z1のみを設定した場合には、カメラ10の視野Xに外光等のノイズが入った場合に、検知装置12は、溶融ガラスビーズBが生じたものと誤判断をする可能性がある。
このため、高輝度領域の面積に係る閾値には、第二の閾値(以下、第二閾値Z2と呼ぶ)を設定してもよい。
溶融ガラスビーズBが成長できる大きさには限界があるため、溶融ガラスビーズBの想定される最大の大きさに基づいて第二閾値Z2を設定する。
第二閾値Z2を設定した場合において、高輝度領域の面積が第二閾値Z2以上となった場合には、検知装置12によって、高輝度領域の増大が溶融ガラスビーズBの発生に起因するものではないと判断させることができる。
即ち、前記ガラス繊維ストランドの製造方法において、高輝度領域の大きさが第一閾値Z1以上であって、かつ、第二閾値Z2以下である場合に、検知装置12はガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知するものである。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、外乱による影響を排除して、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを確実に検知することができる。
ガラス繊維製造装置1を用いたガラス繊維ストランドの製造方法について、図5および図6を用いて説明をする。
図5(a)および図6(a)に示す如く、ガラス繊維製造装置1によってガラス繊維ストランドSを製造するとき、カメラ10の視野Xには、ブッシング3から紡出された直後のガラス繊維フィラメントf・f・・・(即ち、ガラス繊維フィラメント群F)が捉えられており、カメラ10によって、視野Xにおけるガラス繊維フィラメント群Fを撮像することによって、撮像工程(STEP−1)が実行される(図2参照)。
撮像工程(STEP−1)では、カメラ10の視野Xにおいて、ガラス繊維フィラメント群Fを捉えた画像が撮像され、一次画像データD1が生成される。このとき生成された一次画像データD1は、リアルタイムで画像処理装置11に入力される。
ガラス繊維製造装置1を用いたガラス繊維ストランドの製造方法では、撮像工程(STEP−1)におけるカメラ10の視野Xを、ガラス繊維フィラメント群Fが存在する範囲であるブッシング3から集束ローラ6の間の領域W1内とする。
カメラ10の視野Xを、ブッシング3から集束ローラ6の間の領域W1内の範囲とすることによって、カメラ10によって、ガラス繊維フィラメント群Fと溶融ガラスビーズBを捉えた一次画像データD1を生成することができる。
溶融ガラスビーズBは、集束剤Aが塗布されると冷却され、溶融ガラスビーズBとガラス繊維フィラメントfとの輝度の差異が小さくなって、溶融ガラスビーズBの検知がしにくくなる。
このため、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法では、撮像工程(STEP−1)におけるカメラ10の視野Xを、ブッシング3からアプリケータ5の間の領域W2内の範囲とすることが好ましい。
カメラ10の視野Xを、ブッシング3からアプリケータ5の間の領域W2内の範囲とすることによって、溶融ガラスビーズBの輝度が高い状態で一次画像データD1を生成することができるため、溶融ガラスビーズBを確実に検知することができる。
即ち、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、ガラス繊維フィラメントfは、アプリケータ5によって集束剤Aを塗布された後で、集束ローラ6によって集束されるものであって、撮像手段たるカメラ10は、ブッシング3とアプリケータ5の間の領域W2において、ガラス繊維フィラメント群Fを撮像するものである。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを確実に検知することができる。
さらに、溶融ガラスビーズBは、噴霧ノズル4から冷却液が噴霧されると冷却され、溶融ガラスビーズBとガラス繊維フィラメントfとの輝度の差異が小さくなるため、溶融ガラスビーズBの検知がしにくくなる。
このため、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法では、撮像工程(STEP−1)におけるカメラ10の視野Xを、アプリケータ5の手前であって、さらにブッシング3から噴霧ノズル4の間の領域W3内の範囲とすることがより好ましい。
カメラ10の視野Xを、ブッシング3から噴霧ノズル4の間の領域W3内の範囲とすることによって、溶融ガラスビーズBの輝度がより高い状態で一次画像データD1を生成することができるため、溶融ガラスビーズBをより確実に検知することができる。
即ち、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、ガラス繊維フィラメントfは、噴霧ノズル4から噴霧される冷却液によって冷却された後で、アプリケータ5によって集束剤Aが塗布されるものであって、撮像手段たるカメラ10は、ブッシング3と噴霧ノズル4の間の領域W3において、ガラス繊維フィラメント群Fを撮像するものである。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントfの糸切れをより確実に検知することができる。
次に、ガラス繊維製造装置1では、画像処理装置11に入力された一次画像データD1を画像処理装置11によって画像処理して、画像処理工程(STEP−2)が実行される(図2参照)。
画像処理工程(STEP−2)では、図5(a)および図6(a)に示すような一次画像データD1を、画像処理装置11によって二値化処理して、画像処理結果に基づいて図5(b)および図6(b)に示すような二次画像データD2を生成する。
次に、ガラス繊維製造装置1では、画像処理工程(STEP−2)で実行した画像処理結果に基づいて糸切れを検知して、検知装置12により糸切れ検知工程(STEP−3)が実行される(図2参照)。
糸切れ検知工程(STEP−3)では、検知装置12によって、画像処理結果に基づく図5(b)および図6(b)に示すような二次画像データD2に基づいて高輝度領域を検出し、ガラス繊維フィラメントfが糸切れしているか否かを判断する。
尚、糸切れ検知工程(STEP−3)では、検知装置12によって、画像処理結果に基づく二次画像データD2に基づいて高輝度領域の面積を算出し、第一閾値Z1や第二閾値Z2を用いて、ガラス繊維フィラメントfが糸切れしているか否かの判断をしてもよい。
尚、ガラス繊維製造装置1では、ブッシング3自体が熱せされて赤熱しており、ブッシング3の直後では、ブッシング3の像と溶融ガラスビーズBの像が重なってしまうため、ブッシング3に近接している部位では、溶融ガラスビーズBの生成を検知することが困難である。
このため、ガラス繊維製造装置1では、撮像工程(STEP−1)において、ブッシング3を含んだ範囲をカメラ10の視野Xとしておき、画像処理工程(STEP−2)の時点で、画像処理装置11によって、ブッシング3の赤熱が影響を及ぼす範囲(例えば、図5(b)および図6(b)に示すブッシング3の直後の1段目の画素)の画像データを除外して、画像処理を行う構成としている。
例えば、図5(b)および図6(b)に示すブッシング3の直後の1段目の画素の画像データを除外しておけば、2段目の画素に高輝度領域が検出されたときに、即座にガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知することが可能になる。
即ち、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法において、画像処理手段たる画像処理装置11は、一次画像データD1と画像処理工程(STEP−2)で実行した画像処理結果における、ブッシング3の近傍のデータを除外するものである。
このような構成のガラス繊維ストランドの製造方法によれば、ガラス繊維フィラメントfの糸切れをより即座に検知することができる。
あるいは、ガラス繊維製造装置1では、ブッシング3から少し下に離間した位置が、カメラ10の視野Xの上端となるように構成してもよく、撮像工程(STEP−1)におけるカメラ10の視野Xに、ブッシング3の直後におけるガラス繊維フィラメント群Fを含まないように構成してもよい。
そして、ガラス繊維製造装置1では、検知装置12が、糸切れ検知プログラムによって溶融ガラスビーズBの発生を検知したときには、検知装置12から制御装置13にその旨の信号を出力し、制御装置13によって、ワインダー7の動作を停止して、ガラス繊維ストランドSの巻き取りを中止するように構成している。
ガラス繊維製造装置1では、ガラス繊維フィラメント群Fの各部位で死角ができないようにカメラ10の視野Xを設定しておけば、もれなく溶融ガラスビーズBの発生を検知することができるため、糸切れが生じたときに、ガラス繊維ストランドSの製造を即座に中止することができる。
このようにガラス繊維製造装置1を用いたガラス繊維ストランドの製造方法では、画像処理の手法によって、溶融ガラスビーズBの発生を検知して、即座に糸切れを検知することができ、さらに、糸切れを検知したときに、即座に紡糸作業を停止させることができるため、製品として出荷できない無駄なガラス繊維ストランドの生成を最小限にとどめることができ、ガラス繊維ストランドSの歩留まり向上を図ることができる。
即ち、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法は、ブッシング3に設けられた複数の孔部から溶融ガラスGを引き出すことで形成された複数のガラス繊維フィラメントf・f・・・からなるガラス繊維フィラメント群Fを、集束ローラ6によって集束してガラス繊維ストランドSを生成するガラス繊維ストランドの製造方法であって、ブッシング3と集束ローラ6との間のガラス繊維フィラメント群Fを撮像手段たるカメラ10によって撮像して一次画像データD1を生成する撮像工程(STEP−1)と、一次画像データD1を画像処理手段たる画像処理装置11によって画像処理する画像処理工程(STEP−2)と、画像処理工程(STEP−2)で実行した画像処理結果に基づいてガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知装置12により検知する糸切れ検知工程(STEP−3)と、を備え、糸切れ検知工程においてガラス繊維フィラメントfの糸切れを検知したときに、ガラス繊維ストランドSの形成を、ワインダー7の動作を停止させて停止するものである。
このような構成により、ガラス繊維フィラメントfの糸切れを即座に検知することができ、これにより、ガラス繊維ストランドSの歩留まり向上を図ることができる。また、ガラス繊維フィラメントfの糸切れに早く気付くことができるため、切断したガラス繊維フィラメントf等がトラバース機構8等に絡みついて、ガラス繊維製造装置1が破損するようなことも防止でき、さらに、ガラス繊維製造装置1の停止から復旧までに要する時間の短縮化を図ることもできる。
また、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法によれば、溶融ガラスビーズB等が、コレット9に巻き取られた製品(ケーキ)に付着することを抑制できるため、製品の品質向上も図ることができる。
尚、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法では、ガラス繊維ストランドを巻き取る構成としているが、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法は、このような態様に限定されず、ガラス繊維ストランドを巻き取らずに、引き出した直後に切断する構成としてもよい。この場合、ローラカッターと、回転可能なウレタンローラとを備えた切断装置の間にガラス繊維ストランドを送ることで、ガラス繊維ストランドが切断され、ウレタンローラの回転を停止させることで、ガラス繊維ストランドの生成を停止させることができる。
また、本発明の一実施形態に係るガラス繊維ストランドの製造方法では、画像処理装置で画像処理し、検知装置によって糸切れを検知する構成としているが、本発明に係るガラス繊維ストランドの製造方法は、このような態様に限定されず、1つの装置により画像処理を実行し、糸切れを検知する構成としてもよい。
1 ガラス繊維製造装置
3 ブッシング
4 噴霧ノズル
5 アプリケータ
6 集束ローラ
7 ワインダー
10 カメラ
11 画像処理装置
12 検知装置
13 制御装置
f ガラス繊維フィラメント
F ガラス繊維フィラメント群
S ガラス繊維ストランド

Claims (6)

  1. ブッシングに設けられた複数の孔部から溶融ガラスを引き出すことで形成された複数のガラス繊維フィラメントからなるガラス繊維フィラメント群を、集束装置によって集束してガラス繊維ストランドを形成するガラス繊維ストランドの製造方法であって、
    前記ブッシングと前記集束装置との間の前記ガラス繊維フィラメント群を撮像手段によって撮像して一次画像データを生成する撮像工程と、
    前記一次画像データを画像処理手段によって画像処理する画像処理工程と、
    前記画像処理工程で実行した画像処理結果に基づいて前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知手段により検知する糸切れ検知工程と、
    を備え、
    前記糸切れ検知工程において前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知したときに、前記ガラス繊維ストランドの形成を停止する、
    ことを特徴とするガラス繊維ストランドの製造方法。
  2. 前記画像処理手段は、
    前記一次画像データを高輝度領域と低輝度領域に二値化処理する手段であり、
    前記検知手段は、
    前記画像処理工程で実行した画像処理結果から前記高輝度領域を検出して、前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知する、
    請求項1に記載のガラス繊維ストランドの製造方法。
  3. 前記検知手段は、
    前記画像処理工程で実行した画像処理結果から高輝度領域の大きさを検出し、前記高輝度領域の大きさが所定の閾値以上である場合に、前記ガラス繊維フィラメントの糸切れを検知する、
    請求項2に記載のガラス繊維ストランドの製造方法。
  4. 前記ガラス繊維フィラメント群は、アプリケータによって集束剤を塗布された後で、前記集束装置によって集束されるものであって、
    前記撮像手段は、前記ブッシングと前記アプリケータの間の、前記ガラス繊維フィラメント群を撮像する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス繊維ストランドの製造方法。
  5. 前記ガラス繊維フィラメント群は、噴霧ノズルから噴霧される冷却液によって冷却された後で、前記アプリケータによって前記集束剤が塗布されるものであって、
    前記撮像手段は、前記ブッシングと前記噴霧ノズルの間の、前記ガラス繊維フィラメント群を撮像する、
    請求項4に記載のガラス繊維ストランドの製造方法。
  6. 前記画像処理手段は、
    前記一次画像データおよび前記画像処理工程で実行した画像処理結果における、前記ブッシングの近傍のデータを除外する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス繊維ストランドの製造方法。
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