JP2017107947A - 半導体装置、電子機器、及び、半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、電子機器、及び、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シンプルな電極構造のP型のLTPSTFTを搭載した半導体装置、当該半導体装置の製造方法、及び、当該半導体装置を搭載した電子機器を実現する。
【解決手段】基材と、前記基材上に形成された真性半導体のシリコン層と、前記シリコン層上に離間して形成された一対のメタル層と、前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を備え、前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上である、ことを特徴とする半導体装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、電子機器、及び、半導体装置の製造方法に関する。
近年、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(LTPS TFT:Low Temperature Poly Silicon)が、次世代モバイルディスプレイの基礎技術として脚光を浴びている。LTPS TFTは、現在TFT液晶に用いられているアモルファスシリコンTFTに比べて電荷キャリアモビリティーが数100倍もあり、しかも変形温度が低い(650℃)ガラス基板上であっても直接形成することができる利点がある。
しかしながら、LTPSTFTの製造には、アモルファスシリコンをポリシリコンに結晶化するためのエキシマレーザーアニール(ELA)、シリコン層にソース/ドレイン領域を形成する不純物ドーピングのためのイオン注入、注入したイオンを活性化させるアニール処理、等の工程が必要である。また、通常、アモルファスシリコン層の積層にはプラズマCVD等の化学的気相成長(CVD)法を用いるが、このアモルファスシリコン層が水素を含むため積層後に約500℃で2時間ほどアニールする脱水素処理が必要となる。これらの製造工程を行うには、各種の高価な装置が複数台必要であり、しかもメンテナンス費用が高額である。
ここで、特許文献1には、基材上に形成した真性半導体のシリコン層上の両端部に、直接、又は、接合界面付近のごく薄いシリコン−チタン層(反応層又は混合層)を介してチタン層を接続した構造について開示されている。このシリコン層は、スパッタ法又はCVD法で形成されたアモルファスシリコン層に対し、青色半導体レーザーを用いたレーザーアニール(BLDA)を行うことで結晶化したポリシリコン層としてある。
アモルファスシリコン層を結晶化させるためのレーザーアニールにBLDAを用いることにより、ポリシリコン層が高品質化し、レーザー出力の制御により結晶粒径の制御も可能になる。また、製造装置の小型化、製造コストや製造装置の維持コストの低減も実現可能である。更に、BLDAを用いると結晶化の際に基材等への熱的影響がほとんど無くなるため、低温でアモルファスシリコン層を形成できるスパッタ法とBLDAによるレーザーアニールとを組み合わせることにより、基材として従来に比べて耐熱性の低いものを採用可能となる。
また、特許文献1には、上述したシリコン層の上にゲート絶縁層を介してゲート電極を形成し、シリコン層をチャネル層とし、チタン層をそれぞれソース/ドレインとして、シリコン層、チタン層及びゲート電極によって薄膜トランジスタとする構成について開示されている。この薄膜トランジスタでは、シリコン層が真性半導体であるため、イオン注入や不純物のドープが不要である。また、チタンの仕事関数がシリコンの電子親和力に近くなるため、シリコン層とチタン層とを接続した界面のショットキーバリアが電子に対して小さく、チタン層からシリコン層への電子注入がオーミックに近い比較的小さい電圧で可能となる。また、真正シリコンの真空準位からフェルミ準位までのエネルギーギャップがチタンの仕事関数よりも大きいため、チタン層とシリコン層とを接続した界面において、シリコン層の伝導準位がフェルミ準位側に曲がって形成され、かつチタンからシリコンへの電子に対する障壁(ショットキーバリア)高さが低くなり、チタン層からシリコン層への電子の注入が容易となり、実効的に易動度が向上する。
特開2015−43388号公報
上述した特許文献1には、N型のLTPSTFTについて開示されているものの、P型のLTPSTFTについては開示されておらず、シンプルな電極構造のP型のLTPSTFTの開発が待ち望まれていた。同時に、N型のLTPSTFTとP型のLTPSTFTとを同じ基材上に形成したCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の開発や、N型のLTPS TFTとP型のLTPSTFTとセンサーダイオードとを同じ基材上に形成した素子の開発も待ち望まれていた。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、シンプルな電極構造のP型のLTPS TFTを搭載した半導体装置、当該半導体装置の製造方法、及び、当該半導体装置を搭載した電子機器を実現することを目的とする。
本発明の態様の1つは、 基材と、前記基材上に形成された真性半導体のシリコン層と、前記シリコン層上に離間して形成された一対のメタル層と、前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を備え、前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上である、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、真性半導体のシリコン層とメタル層の間がショットキー接合されており、しかもメタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であるため、メタル層のエネルギー準位は、真性半導体のシリコン層のフェルミ準位と価電子帯のエネルギー準位との間に位置することになる。このように、仕事関数が真性半導体であるシリコン層のフェルミ準位よりも高い金属材料を用いてメタル層を形成することにより、価電子帯へのホール注入を可能にしている。このように構成した半導体装置は、一対のメタル層がソース/ドレインとなるP型のTFTとして動作する。
本発明の選択的な態様の1つは、メタル層が金(Au)層である、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、真性半導体のシリコン層と金(Au)層の間がショットキー接合されており、しかも金(Au)層の仕事関数が5.1[eV]であるため、金(Au)層のエネルギー準位は、真性半導体のシリコン層のフェルミ準位と価電子帯のエネルギー準位との間に位置することになる。このように、仕事関数が真性半導体であるシリコン層のフェルミ準位よりも高い金(Au)を用いることにより、電子に対して、シリコンチャネル部の導電帯へのバリアは高くなるが、一方、価電子帯へのホール注入を可能にしている。このように構成した半導体装置は、一対の金(Au)層がソース/ドレインとなるP型のTFTとして動作する。
本発明の選択的な態様の1つは、シリコン層の表面の面粗度が、算術平均粗さで1nm〜10nm程度である、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、シリコン層とメタル層の界面が平坦・平滑であるため、シリコン層とメタル層の間に安定なショットキー接合が形成される。
本発明の選択的な態様の1つは、シリコン層とメタル層との接合部において、シリコン層は自然酸化膜が除去された構造である、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、シリコン層とメタル層の界面にシリコン層の自然酸化膜が除去されていることから、シリコン層とメタル層の間に安定なショットキー接合が形成される。
本発明の選択的な態様の1つは、シリコン層は、結晶粒径が数十nm〜数百nmのポリシリコンで構成されている、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、シリコン層を構成するポリシリコンの結晶粒径が小粒径で揃っているため、半導体装置のチャネル層を構成するシリコン層における電界効果移動度が向上し、半導体装置の電流駆動能力が向上する。これにより、例えば、画素駆動にTFTを用いる場合に、特にOLED(有機EL)駆動の場合、画素当たりのTFT使用数を少なくすることが可能であり、製品コストを低減することができる。
本発明の選択的な態様の1つは、シリコン層は、ネオン(Ne)スパッタリングで形成されたアモルファスシリコンをレーザーアニールで結晶化したポリシリコンで形成されている、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、アモルファスシリコンをレーザーアニールしてポリシリコンに多結晶化する際に、スパッタリングガスであるネオンが放出されやすく、シリコン層内にスパッタリングガスが残存しにくいため、シリコン層の表面形状が平坦・平滑に形成される。これにより、シリコン層とメタル層の界面形状が平坦・平滑に形成されることになり、シリコン層とメタル層の間に安定なショットキー接合が形成される。
本発明の選択的な態様の1つは、メタル層は、自然酸化膜が除去されたシリコン層の表面上に設けられた真空蒸着層である、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、自然酸化膜が除去されたシリコン層の表面上に、真空蒸着で形成されたメタル層が設けられているため、メタル層の形成によりシリコン層の表面形状が荒れにくく、シリコン層とメタル層の界面形状が平坦・平滑に形成されることになり、シリコン層とメタル層の間に安定なショットキー接合が形成される。
本発明の選択的な態様の1つは、
メタル層の仕事関数と、シリコン層の電子親和力に当該シリコン層の導電帯と価電子帯の間のバンドギャップと、の差が、略0.3[eV]より小さい、ことを特徴とする半導体装置である。
このように構成された半導体装置においては、メタル層の仕事関数と、シリコン層の電子親和力に当該シリコン層の導電帯と価電子帯の間のバンドギャップと、の差が、略0.3[eV]より小さいため、シリコン層とメタル層の界面準位の影響が緩和し、シリコン層とメタル層の界面準位(シリコン層のダングリングボンドのエネルギー準位)が電子をトラップしにくくなる。これにより、シリコン層とメタル層の界面構造により形成されるエネルギー準位のうち、界面準位よりも仕事関数が大きく寄与する半導体装置となる。
本発明の他の態様の1つは、基材と、前記基材上に形成された真性半導体のシリコン層と、前記シリコン層上に離間して形成された一対のメタル層と、前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を備え、前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、前記メタル層をソース/ドレインとし、前記シリコン層、前記メタル層及び前記ゲート電極により薄膜トランジスタが構成された半導体装置を備え、前記薄膜トランジスタによって駆動される、ことを特徴とする電子機器である。
本発明の他の態様の1つは、基材と、前記基材上の第一領域に形成された真性半導体の第一シリコン層と、前記第一シリコン層上に離間して形成された一対の第一メタル層と、前記一対の第一メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第一ゲート電極と、前記基材上の第二領域に形成された真性半導体の第二シリコン層と、前記第二シリコン層上に離間して形成された一対の第二メタル層と、前記一対の第二メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第二ゲート電極と、を備え、前記第一シリコン層と前記第一メタル層とがショットキー接合されており、前記第一メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、前記第二シリコン層と前記第二メタル層とがショットキー接合されており、前記第二メタル層の仕事関数が4.5[eV]未満である、ことを特徴とする半導体装置である。
本発明の他の態様の1つは、基材と、前記基材上の第一領域に形成された真性半導体の第一シリコン層と、前記第一シリコン層上に離間して形成された一対の第一メタル層と、前記一対の第一メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第一ゲート電極と、前記基材上の第二領域に形成された真性半導体の第二シリコン層と、前記第二シリコン層上に離間して形成された一対の第二メタル層と、前記一対の第二メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第二ゲート電極と、前記基材上の第三領域に形成された真性半導体の第三シリコン層と、前記第三シリコン層上に離間して形成された第三メタル層及び第四メタル層と、を備え、前記第一シリコン層と前記第一メタル層とがショットキー接合されており、前記第一メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、前記第二シリコン層と前記第二メタル層とがショットキー接合されており、前記第二メタル層の仕事関数が4.5[eV]未満であり、前記第三シリコン層と前記第三メタル層とがショットキー接合されており、前記第三メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、前記第三シリコン層と前記第四メタル層とがショットキー接合されており、前記第四メタル層の仕事関数が4.5[eV]未満である、ことを特徴とする半導体装置である。
本発明の他の態様の1つは、基材上にアモルファスシリコンのシリコン層を積層する工程と、青色半導体レーザーアニールで前記シリコン層をポリシリコンに結晶化する工程と、金属の真空蒸着により、前記シリコン層の上に一対のメタル層を離間形成する工程と、前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、を含み、前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上である、ことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
半導体装置の製造方法の選択的な態様の1つは、シリコン層は、真性シリコンのネオン(Ne)スパッタリングによりアモルファスシリコンとして基材上に積層される、ことを特徴とする。
半導体装置の製造方法の選択的な態様の1つは、メタル層の形成前に、ポリシリコンに結晶化されたシリコン層の表面の自然酸化膜を除去する工程を更に含む、ことを特徴とする。
半導体装置の製造方法の選択的な態様の1つは、メタル層の形成後に、シリコン層を水素化する工程を更に含む、ことを特徴とする。
半導体装置の製造方法の選択的な態様の1つは、シリコン層の上にメタル層を形成する工程の後の工程を250℃以下で行う、ことを特徴とする。
以上説明した半導体装置は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。また、本発明は、上述した半導体装置を備えたシステム、上述した半導体装置の製造方法の各工程に対応する機能をコンピュータに実現させる半導体製造プログラム、当該半導体製造プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、等としても実現可能である。
本発明によれば、シンプルな電極構造のP型のLTPS TFTを搭載した半導体装置、当該半導体装置の製造方法、及び、当該半導体装置を搭載した電子機器を実現することができる。
第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成の概略を示す図である。 半導体装置の各種エネルギー準位を説明する図である。 本願の発明者が実際に作製したP型のTFTの動作試験結果を示すグラフである。 第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成の概略を示す図である。 第3の実施形態に係る半導体装置の断面構成の概略を示す図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する図である。
以下、下記の順序に従って本発明を説明する。
(1)第1の実施形態:
(2)第2の実施形態:
(3)第3の実施形態:
(4)第4の実施形態:
(1)第1の実施形態:
図1は、本実施形態に係る半導体装置100の断面構成の概略を示す図である。本実施形態に係る半導体装置100は、薄膜トランジスタ(TFT)の構成を有し、シリコン層をチャネル層とし、当該チャネル層の真性シリコン(i−Si)にショットキー接合するメタル層がソース/ドレインを構成するPチャネルポリシリコンTFTである。
半導体装置100は、基材10と、基材10上に形成された真性半導体のシリコン層30と、シリコン層30上に離間して形成された一対のメタル層50,50と、一対のメタル層50,50の間のシリコン層30上に、ゲート絶縁膜60を介して形成されたゲート電極71と、を備える。基材10とシリコン層30の間にはバッファー層20が設けられている。バッファー層20としては、例えば、窒化シリコン(SiN)膜及び/又は二酸化シリコン(SiO)膜で構成される。
基材10としては、100℃〜500℃程度の耐熱性を有する材料で作製されたものであれば様々なものを採用可能である。具体的な一例としては、ガラスパネルや、100℃〜500℃程度の耐熱性を有するプラスチック(ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート等)が挙げられる。
シリコン層30は、真性半導体である真性シリコン(i−Si)のポリシリコンで形成されている。シリコン層30のポリシリコンは、基材10上のバッファー層20上に積層されたアモルファスシリコンをレーザーアニールによって結晶化して形成されたものである。シリコン層30の表面(基材10に対面しない側)は、自然酸化膜がエッチング等により除去された上でメタル層50,50が積層されており、特にメタル層50,50が積層されたメタル層50,50との接合部について自然酸化膜が除去されている。
シリコン層30の表面の面粗度は、例えば算術平均粗さで1nm〜10nm程度であり、特に、メタル層50,50が積層された部位の面粗度を算術平均粗さで1nm〜10nm程度かそれ以下、としてある。
上述したレーザーアニールを青色半導体レーザーアニール(BLDA)で行うことにより、シリコン層30を構成するポリシリコンを数十nm〜数百nmの小粒径に結晶粒径に制御することができる。すなわち、半導体装置100としてのTFTを構成するシリコン層30のポリシリコンの結晶粒径を万遍なく小粒径化できる。これにより、多数のTFTを生産する際にTFTの特性均一性が向上し、歩留まりが向上し、生産コストが低減する。
また、上述したレーザーアニールをBLDAで行うことにより、エキシマレーザーアニール(ELA)でレーザーアニールを行う場合に比べて、シリコン層30を構成するポリシリコンの結晶粒の結晶性が高品質化する。すなわち、半導体装置100のチャネル層を構成するシリコン層30における電界効果移動度が向上し、半導体装置100の電流駆動能力が向上する。これにより、例えば、画素駆動にTFTを用いる場合に、特にOLED駆動で、画素当たりのTFT使用数を少なくすることが可能であり、製品コストを低減することができる。
また、上述したレーザーアニールをBLDAで行うことにより、シリコン層30の表面形状が平坦・平滑に形成される(面粗度が向上する)。これにより、メタル層50,50との接合界面がショットキーバリアの形成に理想的な状態に近づき、シリコン層30とメタル層50,50の界面準位の影響が緩和される。すなわち、メタル層50,50の仕事関数と、シリコン層30の電子親和力に当該シリコン層30の導電帯と価電子帯の間のバンドギャップと、の差が、略0.3[eV]より小さくなり、メタル層50,50の仕事関数の効果が顕在化し、シリコン層30の上に積層されるメタル層50,50との間に良好なショットキー接合が形成される。
更に、上述したレーザーアニールにBLDAを採用することにより、ELAを採用した場合に比べて製造装置のコストや装置のメンテナンスコストも低減できる。
より具体的なシリコン層30の形成方法として、ネオン(Ne)スパッタリングで形成されたアモルファスシリコンをレーザーアニールにより結晶化して形成されたポリシリコンが例示される。ネオンの原子半径がアルゴンに比べて小さいことから、ネオン(Ne)スパッタリングで形成したアモルファスシリコンを結晶化したポリシリコンにおいては、面荒れが抑制される(面粗度が向上する)。また、BLDA加熱時に、NeはArよりより低温でスムースに膜からの放出が期待されるため、シリコン層30の表面形状に凹凸が形成されず平坦・平滑になりやすい。結果として、結晶内部には、スパッタリングガス(Ne)が残存しにくい。
メタル層50,50は、仕事関数が4.5[eV]以上の金属で形成されている。仕事関数が4.5[eV]以上の金属の代表的なものとしては、金(Au)や白金(Pt)が例示される。金(Au)の仕事関数は5.1[eV]、白金(Pt)の仕事関数は5.65[eV]である。図2は、半導体装置100の各種エネルギー準位を説明する図である。
図2には、真性シリコン(i−Si)の伝導帯のエネルギー準位E、価電子帯のエネルギー準位E、及び、フェルミ準位Eを示しつつ、メタル層50,50を構成する金属の一例として金(Au)のエネルギー準位EAuを示してある。真空準位と伝導帯のエネルギー準位Eとの差分が、真性シリコン(i−Si)の電子親和力(4.05[eV])、真空準位と金(Au)のエネルギー準位EAuとの差分が、金(Au)の仕事関数(5.1[eV])である。なお、後述する第2の実施形態で説明するメタル層150,150を構成する金属の一例としてチタン(Ti)のエネルギー準位ETiも併記してある。
同図から分かるように、メタル層50,50を構成する金(Au)のエネルギー準位EAuは、真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eと価電子帯のエネルギー準位Eとの間に位置している。このように、仕事関数が真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eよりも高い金属材料をソース/ドレインに用いることで価電子帯からのホール注入が可能となることは、本願の発明者が独自の発想に基づき、実際に仕事関数が真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eよりも高い金(Au)をシリコン層30上に積層したメタル層50,50を形成し、実験によりP型のTFTとして動作することを証明したものである。
図3は、本願の発明者が実際に作製したP型のTFTの動作試験結果を示すグラフである。
図3に示すように、メタル層50,50は、表面変化を抑制する水素化処理を行うことで性能が向上する。水素化処理は、例えば、窒素(N)に対して4%程度の水素(H)を加えた雰囲気下で400℃以下の熱処理で行う手法、プラズマCVD装置やスパッタ装置等を用いた水素プラズマアニール処理(プラズマ発生用ガスは、H又はH/N)で行う手法、等がある。この低温での水素化処理を行うことにより、メタル層50,50を構成する金(Au)と真性シリコン(i−Si)とのシリサイド反応が抑制される。これにより、後述するメタル層50,50とシリコン層30との間のショットキー接合が安定する。
メタル層50,50は、自然酸化膜が除去されたシリコン層30の表面に積層されており、シリコン層30の表面形状を荒らさない(維持する)ように積層形成されている。シリコン層30の表面形状を荒らさない積層の方法としては、例えば、真空蒸着、電子ビーム蒸着、低電力プラズマによるスパッタ法などがある。
シリコン層30とメタル層50,50の間はショットキー接合であり、しかも、メタル層50,50の仕事関数が、真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eよりも真性シリコン(i−Si)の価電子帯のエネルギー準位Eに近くなるため、シリコンと接続したときのホールに対するショットキーバリアが小さくなる。これにより、メタル層からチャネルシリコンの価電子帯へのホール注入が可能となる。
また、シリコン層30表面の面粗度が1nm〜15nm程度であること、自然酸化膜が除去されたシリコン層30表面の上にメタル層50,50を製膜していること、水素化によりシリコン層30とメタル層50,50のシリサイド化が抑制されていることにより、シリコン層30とメタル層50,50の間のショットキー接合が安定する。このため、シリコン層30とメタル層50,50の接合により形成される界面準位が、メタル層50,50の仕事関数よりも低くなる。
ゲート電極71及びソース/ドレイン電極70,70は、金属または合金(シリサイドなど)を用いて形成できる。ゲート電極71及びソース/ドレイン電極70,70は、同じ材料で形成してもよく、具体的には、通常、配線層に使用されるアルミニウム(Al)を使用することができる。ゲート電極71及びソース/ドレイン電極70,70を同じ材料で形成する場合、これらを同じ工程で同時形成することができる。スパッタ法などによりゲート絶縁膜60は、二酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)を用いて形成できる。
(2)第2の実施形態:
図4は、本実施形態に係る半導体装置300の断面構成の概略を示す図である。
本実施形態に係る半導体装置200は、第一領域に形成されたP型のTFTと第二領域に形成されたN型のTFTとにより構成される相補型TFTの構成を有し、上述した第1の実施形態に係るpチャネルポリシリコンTFTとしての半導体装置100と、シリコン層をチャネル層とし、当該チャネル層の真性シリコン(i−Si)にショットキー接合するメタル層がソース/ドレインを構成するNチャネルポリシリコンTFTとしての半導体装置200と、を同じ基材10上に形成した構成である。
すなわち、半導体装置100は、基材10と、基材10上に形成された真性半導体のシリコン層30(第一シリコン層)と、シリコン層30上に離間して形成された一対のメタル層50,50(第一メタル層)と、一対のメタル層50,50の間のシリコン層30上に、ゲート絶縁膜60を介して形成されたゲート電極71(第一ゲート電極)と、を備える。基材10とシリコン層30の間にはバッファー層20が設けられている。
一方、半導体装置200は、基材10と、基材10上に形成された真性半導体のシリコン層130(第二シリコン層)と、シリコン層130上に離間して形成された一対のメタル層150,150(第二メタル層)と、一対のメタル層150,150の間のシリコン層130上に、ゲート絶縁膜160を介して形成されたゲート電極171(第二ゲート電極)と、を備える。基材10とシリコン層130の間には、半導体装置100のバッファー層20と同じバッファー層20が設けられている。
このように、半導体装置200において、基材10及びシリコン層30、並びに、基材10とシリコン層30の間に形成されるバッファー層20は、上述した第1の実施形態に係る半導体装置100と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
シリコン層130は、真性半導体である真性シリコン(i−Si)のポリシリコンで形成されている。シリコン層130のポリシリコンは、シリコン層30と同様に、基材10上のバッファー層20上に積層されたアモルファスシリコンをレーザーアニールによって結晶化して形成されたものである。シリコン層130の表面(基材10に対面しない側)も、自然酸化膜がエッチング等により除去された上でメタル層150,150が積層されており、特にメタル層150,150が積層されたメタル層50,50との接合部について自然酸化膜が除去されている。また、シリコン層130についても、シリコン層30と同様のBLDA処理が為されている。また、シリコン層130についても、ネオンガススパッタリングで積層したアモルファスシリコンを用いて形成してもよい。
シリコン層130の表面の面粗度は、例えば算術平均粗さで1nm〜10nm程度であり、特に、メタル層150,150が積層された部位の面粗度を算術平均粗さで1nm〜10nm程度かそれ以下、としてある。
メタル層150,150は、仕事関数が4.5[eV]未満の金属で形成されている。仕事関数が4.5[eV]未満の金属の代表的なものとしては、チタン(Ti)や銀(Ag)、錫(Sn)が例示される。チタン(Ti)の仕事関数は4.33[eV]、銀(Ag)の仕事関数は4.26[eV]、錫(Sn)の仕事関数は4.42[eV]である。
図2において、真空準位とチタン(Ti)のエネルギー準位ETiとの差分が、チタン(Ti)の仕事関数(4.33[eV])である。
同図から分かるように、メタル層150,150を構成するチタン(Ti)のエネルギー準位ETiは、真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eと伝導帯のエネルギー準位Eとの間に位置している。このように、仕事関数が真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eよりも低い金属材料をソース/ドレインに用いることで金属から伝導帯への電子注入が可能となる。なお、このようにして作製されたN型のTFTの動作性能は、上述した背景技術に記載した特許文献1(本願の発明者の先行特許出願)に記載されている。
また、メタル層150,150についても、上述したメタル層50,50と同様の表面変化を抑制する水素化処理を行うことで性能が向上する。
また、メタル層150,150は、自然酸化膜が除去されたシリコン層130の表面に積層されており、シリコン層130の表面形状を荒らさない(維持する)ように積層形成されている。シリコン層130の表面形状を荒らさない積層の方法としては、例えば、真空蒸着、電子ビーム蒸着、低電力プラズマによりSi表面の損傷を抑えたスパッタ法などがある。
シリコン層130とメタル層150,150の間はショットキー接合であり、しかも、メタル層150,150の仕事関数が、真性シリコン(i−Si)のフェルミ準位Eよりも真性シリコン(i−Si)の伝導帯のエネルギー準位Eに近くなるため、シリコンと接続したときの電子に対するショットキーバリアが小さくなる。これにより、メタル層からチャネルシリコンの伝導帯への電子注入が可能となる。
また、シリコン層130表面の面粗度が1nm〜10nm程度であること、自然酸化膜が除去されたシリコン層130表面の上にメタル層150,150を製膜していること、水素化によりシリコン層130とメタル層150,150のシリサイド化が抑制されていることにより、シリコン層130とメタル層150,150の間のショットキー接合が安定する。このため、シリコン層130とメタル層150,150の接合により形成される界面準位による影響が緩和される。すなわち、メタル層150,150の仕事関数と、シリコン層130の電子親和力と、の差が、略0.3[eV]より小さくなる。
ゲート電極171及びソース/ドレイン電極170,170は、金属または合金を用いて形成できる。ソース/ドレイン電極170の一方と、ソース/ドレイン電極70の一方は、金属または合金の配線180により電気的に接続される。ゲート電極71、ソース/ドレイン電極70,70、ゲート電極171、ソース/ドレイン電極170,170及び配線180は、同じ材料で形成してもよく、具体的には、通常、配線層に使用されるアルミニウム(Al)を使用することができる。ゲート電極71、ソース/ドレイン電極70,70、ゲート電極171、ソース/ドレイン電極170,170及び配線180を同じ材料で形成する場合、これらを同じ工程で同時形成することができる。ゲート絶縁膜160は、二酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)を用いて形成できる。
(3)第3の実施形態:
図5は、本実施形態に係る半導体装置500の断面構成の概略を示す図である。本実施形態に係る半導体装置500は、第一領域に形成されたP型のTFTと第二領域に形成されたN型のTFTとにより構成される相補型TFTに加えて第三領域に形成される薄膜光検出ダイオードを設けた構成であり、上述した第2の実施形態に係る相補型TFTとしての半導体装置300と、薄膜状に形成したシリコン層にショットキー接合する2種類のメタル層がアノード/カソードをそれぞれ構成する薄膜光検出ダイオードとしての半導体装置400と、を同じ基材10上に形成した構成である。
すなわち、半導体装置100は、基材10と、基材10上に形成された真性半導体のシリコン層30と、シリコン層30上に離間して形成された一対のメタル層50,50と、一対のメタル層50,50の間のシリコン層30上に、ゲート絶縁膜60を介して形成されたゲート電極71と、を備える。基材10とシリコン層30の間にはバッファー層20が設けられている。
一方、半導体装置200は、基材10と、基材10上に形成された真性半導体のシリコン層130と、シリコン層130上に離間して形成された一対のメタル層150,150と、一対のメタル層150,150の間のシリコン層130上に、ゲート絶縁膜160を介して形成されたゲート電極171と、を備える。基材10とシリコン層130の間には、半導体装置100のバッファー層20と同じバッファー層20が設けられている。
他方、半導体装置400は、基材10と、基材10上に形成された薄膜状の真性半導体のシリコン層230(第三シリコン層)と、シリコン層230上に離間して形成された一対のメタル層250,255(第三メタル層、第四メタル層)と、を備える。シリコン層230は、シリコン層30,130と同じ材質、構造を有しており、メタル層250は半導体装置100のメタル層50と同じ金属材料で形成されており、メタル層255は半導体装置200のメタル層150と同じ金属材料で形成されている。
メタル層250とシリコン層230の間の界面構造は、メタル層50とシリコン層30の間の界面構造と同様であり、メタル層255とシリコン層230の間の界面構造は、メタル層150とシリコン層130の間の界面構造と同様である。メタル層250には金属または合金を用いて形成されたアノード電極270が接続され、メタル層255には金属または合金を用いて形成されたカソード電極271が接続されている。
基材10とシリコン層130の間には、半導体装置100のバッファー層20と同じバッファー層20が設けられている。また、特に半導体装置400の形成範囲において、基材10とバッファー層20との間に光反射性が良好な金属薄膜で形成された反射層240が設けられている。なお、図5には、相補型TFTの形成領域についても、基材10とバッファー層20との間に反射層240を共通して設けた状態を示してある。
このように、半導体装置500において、相補型TFTとしての半導体装置300は、反射層240を共通して設けた点を除くと上述した第2の実施形態に係る半導体装置300と同様の構成であるため詳細な説明は省略する。
(4)第4の実施形態:
次に、図6〜図9を参照しつつ、上述した第3の実施形態に係る半導体装置500の製造方法について説明する。なお、上述した第1の実施形態に係る半導体装置100や第2の実施形態に係る半導体装置300の構成は、第3の実施形態に係る半導体装置500に含まれているため、その製造方法は別途に説明することはしないが、本実施形態の説明によって開示されるものである。
まず、基材10を用意し、基材10上に反射層240及びバッファー層20を形成する(図6(a))。
反射層240は、例えば、蒸着等の手法で、光反射性が良好な金属薄膜を基材10に積層して形成される。光反射性が良好な金属としては、チタン、モリブデン、クロム、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
バッファー層20は、RFスパッタやCVD等の手法で厚さ約50nm程度の窒化シリコン層を基材10上に形成し、その窒化シリコン層の上に、RFスパッタやCVD等の手法で厚さ約100nmの二酸化シリコン層を積層して形成される。むろん、基材10とシリコン層30との間で各種パラメータ(結晶の格子定数、エネルギー準位、表面の物理的な凹凸の平坦等)について所望の緩衝機能を実現できれば、バッファー層20の材質は特に制限されない。
次に、バッファー層20の上にアモルファスシリコン層30’を形成する(図6(b))。アモルファスシリコン層30’は、純度の高いシリコン単結晶のスパッタリングにより形成される。スパッタリングガスとしては、原子半径が比較的小さいネオン(Ne)ガスを用いることが好ましいが、アルゴン(Ar)ガス等の原子半径の大きいスパッタリングガスを用いることもできる。アモルファスシリコン層30’は、例えば約50nmの膜厚で形成する。なお、アモルファスシリコン層30’の形成には、CVD等の他の手法を用いても構わない。
次に、アモルファスシリコン層30’をレーザーアニールによってポリシリコン層30”に結晶化する(図6(c))。本実施形態では、レーザーアニールとしてBLDAを用いて膜剥がれが生じない程度のレーザー出力でアニールを行う。スパッタ成膜されたアモルファスシリコンに膜剥がれが生じない程度のレーザー出力としては、スキャンスピードが500mm/s、ビームスポットが2.4×600μmの場合に6W以下程度である。BLDAでアニールすることにより、ELAでアニールする場合に比べて面荒れが抑制される。なお、青色半導体レーザー装置は、エキシマレーザー装置に比べて安定性、寿命、サイズ、コスト、メンテナンス面で有利である。
アモルファスシリコン層30’に含まれるスパッタリングガスは、レーザーアニールによってアモルファスシリコン層30’が昇温すると放出される。ここで、アルゴンに比べて原子半径の小さいネオンは、アモルファスシリコン層30’を昇温すると無理なくガスとして放出される。このため、高レーザー出力でレーザーアニールを行ってもポリシリコン層30”が荒れにくく、アルゴンをスパッタリングガスとして用いた場合に比べて、ポリシリコン層30”の結晶性が良好となる。また、アルゴンをスパッタリングガスとして用いた場合に比べて、ポリシリコン層30”のシート抵抗値が向上する(低く抑えられる)。
このように、ネオンガスを用いたスパッタリングで形成したアモルファスシリコン層30’をBLDAでレーザーアニールして形成したポリシリコン層30”は、その表面の面粗度が非常に低く抑えられることとなり、例えば算術平均粗さで1nm〜10nm程度である。
次に、ポリシリコン層30”をエッチングして、半導体装置100を構成するシリコン層30、半導体装置200を構成するシリコン層130、及び、半導体装置400を構成するシリコン層230、を分離形成するパターニングを行う。具体的には、シリコン層30,130,230として残す部位の上にそれぞれレジスト膜R1を形成し(図6(d))、シリコン層30,130,230以外のポリシリコン層30”をエッチングにより除去する(図6(e))。その後、レジスト膜R1を除去することで、基材10上にシリコン層30,130,230がそれぞれ形成された状態となる(図6(f))。
次に、シリコン層30,130,230(特に、次にメタル層150,150を形成するシリコン層130、メタル層255を形成するシリコン層230)の表面の自然酸化膜を除去する。この自然酸化膜の除去は、例えば、10mlのバッファードフッ酸(BHF)と10mlの純水の混合液に1秒程度浸漬し、その後、純水に1分程度浸漬することで行う。
次に、シリコン層30,130,230の上にチタンのメタル層150’を形成する(図7(g))。このメタル層150’は、例えば、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ製膜等で形成できる。特に、メタル層150’を真空蒸着で形成した真空蒸着層とした場合、他の成膜手法に比べてシリコン層30,130,230の表面に与えるダメージが少なく、シリコン層30,130,230の表面とメタル層150’の界面形状がより平坦・平滑に形成される。メタル層150’とシリコン層30,130,230の表面との間の接合はショットキー接合であり、この接合界面の形状をより平坦・平滑にすることによってショットキーバリアの形成に理想的な界面形状に近い形状が実現される。
次に、水素化を行う。水素化は、シリコン層30,130,230を形成した後の何れかのタイミングで行えばよく、本実施形態では、メタル層150’を形成した後のタイミングで行っている。水素化は、具体的には、例えば窒素で4%に希釈した水素ガスをフォーミングガスとして400℃以下の熱処理を行うことで、シリコン中のダングリングボンドを水素終端する。これにより、メタル層150’を構成するチタンとシリコン層30,130,230を構成するシリコンとのシリサイド反応が抑制され、各々安定のまま変化しなくなる。すなわち、メタル層150’とシリコン層30,130,230の表面との間のショットキー接合が安定する。また、メタル層150’の積層以降のプロセスで行う熱工程を、400℃以下(好ましくは300℃以下)に制限することにより、メタル層150’の表面の変化(酸化や反応)が抑制される。
次に、メタル層150’をエッチングして、半導体装置200を構成するメタル層150,150、半導体装置400を構成するメタル層255、を互いに離間した状態に分離形成するパターニングを行う。具体的には、メタル層150,150,255として残す部位の上にそれぞれレジスト膜R2を形成し(図7(h))、メタル層150,150,255以外のメタル層150”をエッチングにより除去する(図7(i))。その後、レジスト膜R2を除去することで、シリコン層130上にメタル層150,150が、シリコン層230の上にメタル層255が、それぞれ形成された状態となる(図7(j))。
次に、シリコン層30,130,230(特に、次にメタル層50,50を形成するシリコン層30、メタル層250を形成するシリコン層230)の表面の自然酸化膜を除去する。この自然酸化膜の除去は、例えば、10mlのバッファードフッ酸(BHF)と10mlの純水の混合液に1秒程度浸漬し、その後、純水に1分程度浸漬することで行う。
次に、シリコン層30,130,230及びメタル層150,150,255の上に金(Au)のメタル層50’を形成する(図7(k))。このメタル層50’は、例えば、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ製膜等で形成できる。特に、メタル層50’を真空蒸着で形成した場合、他の成膜手法に比べてシリコン層30,130,230の表面に与えるダメージが少なく、シリコン層30,130,230の表面とメタル層50’の界面形状がより平坦・平滑に形成される。メタル層50’とシリコン層30,130,230の表面との間の接合はショットキー接合であり、この接合界面の形状をより平坦・平滑にすることによってショットキーバリアの形成に理想的な界面形状に近い形状が実現される。
次に、再度の水素化を行う。具体的には、例えば窒素で4%に希釈した水素ガスをフォーミングガスとして250℃以下の熱処理を行うことで、シリコン中のダングリングボンドを水素終端する。これにより、メタル層50’を構成するチタンとシリコン層30,130,230を構成するシリコンとのシリサイド反応が抑制され、各々安定のまま変化しなくなる。すなわち、メタル層50’とシリコン層30,130,230の表面との間のショットキー接合が安定する。また、メタル層50’の積層以降のプロセスで行う熱工程を、250℃以下に制限することにより、メタル層50’の表面の変化(酸化や反応)が抑制される。
次に、メタル層50’をエッチングして、半導体装置100を構成するメタル層50,50、半導体装置400を構成するメタル層250、を分離形成するパターニングを行う。具体的には、メタル層50,50,250として残す部位の上にそれぞれレジスト膜R3を形成し(図8(l))、メタル層50,50,255以外のメタル層50”をエッチングにより除去する(図8(m))。その後、レジスト膜R3を除去することで、シリコン層30上にメタル層50,50が、シリコン層230の上にメタル層250が、それぞれ形成された状態となる(図8(n))。
次に、シリコン層30,130,230(特に、次にゲート絶縁膜を形成するシリコン層30,130)の表面の自然酸化膜を除去する。この自然酸化膜の除去は、例えば、10mlのバッファードフッ酸(BHF)と10mlの純水の混合液に1秒程度浸漬し、その後、純水に1分程度浸漬することで行う。
次に、メタル層50,50,150,150,250,255の上から絶縁層を積層形成する(図8(o))。絶縁層60’は、RFスパッタやCVD等の手法で厚さ約100nm程度の二酸化シリコンを積層して形成される。
次に、絶縁層60’をエッチングしてメタル層50,50,150,150,250,255まで貫通するコンタクトホールを形成する。具体的には、メタル層50,50,150,150,250,255へのコンタクトホールを形成する部位以外の上にレジスト膜R4を形成し(図8(p))、レジスト膜R4が形成されない部位の絶縁層60’を、メタル層50,50,150,150,250,255の表面が露出するまでエッチングする(図9(q))。その後、レジスト膜R4を除去することで、絶縁層60’にメタル層50,50,150,150,250,255まで貫通するコンタクトホールが形成された状態となる(図9(r))。これにより、ゲート絶縁膜60,160が形成され、各半導体装置の電極や配線以外の表面を覆う絶縁膜が形成される。
次に、ソース/ドレイン電極70,70、ソース/ドレイン電極170,170、及び、配線180を形成する。具体的には、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ製膜等により、絶縁層60’の表面に配線となる金属又は合金材料70’を積層しつつ、コンタクトホールにも電極となる同じ金属又は合金材料を充填する(図9(s))。積層、充填する金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)がある。その後、ソース/ドレイン電極70,70、ソース/ドレイン電極170,170、及び、配線180として残す部位以外の上にレジスト膜R5を形成し(図9(t))、ソース/ドレイン電極70,70、ソース/ドレイン電極170,170、及び、配線180以外の金属材料をエッチングにより除去する(図9(u))。その後、レジスト膜R5を除去することで、ソース/ドレイン電極70,70、ゲート電極71、ソース/ドレイン電極170,170、ゲート電極171、アノード電極270、カソード電極271、及び、配線180が各半導体装置100,200,400に形成された状態となる(図9(v))。
以上説明した製造方法によれば、上述した第3の実施形態に係る半導体装置500を製造することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限られず、上述した各実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した各実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また,本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
10…基材、20…バッファー層、30…シリコン層、30’…アモルファスシリコン層、30”…ポリシリコン層、50…メタル層、50’…メタル層、60…ゲート絶縁膜、60’…絶縁層、70…ドレイン電極、70’…金属又は合金材料、71…ゲート電極、100…半導体装置、130…シリコン層、150…メタル層、150’…メタル層、160…ゲート絶縁膜、170…ドレイン電極、171…ゲート電極、180…配線、200…半導体装置、230…シリコン層、240…反射層、250…メタル層、255…メタル層、270…アノード電極、271…カソード電極、300…半導体装置、400…半導体装置、500…半導体装置、R1…レジスト膜、R2…レジスト膜、R3…レジスト膜、R4…レジスト膜、R5…レジスト膜

Claims (16)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成された真性半導体のシリコン層と、
    前記シリコン層上に離間して形成された一対のメタル層と、
    前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を備え、
    前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、
    前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上である、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. メタル層は、金(Au)層である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. シリコン層の表面の面粗度は、算術平均粗さで1nm〜10nm程度である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. シリコン層とメタル層との接合部において、シリコン層は自然酸化膜が除去された構造である、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の半導体装置。
  5. シリコン層は、結晶粒径が数十nm〜数百nmのポリシリコンで構成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. シリコン層は、ネオン(Ne)スパッタリングで形成されたアモルファスシリコンをレーザーアニールで結晶化したポリシリコンで形成されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. メタル層は、自然酸化膜が除去されたシリコン層の表面上に設けられた真空蒸着層である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. メタル層の仕事関数と、シリコン層の電子親和力に当該シリコン層の導電帯と価電子帯の間のバンドギャップと、の差が、略0.3[eV]より小さい、
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 基材と、
    前記基材上に形成された真性半導体のシリコン層と、
    前記シリコン層上に離間して形成された一対のメタル層と、
    前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、を備え、
    前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、
    前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、
    前記メタル層をソース/ドレインとし、前記シリコン層、前記メタル層及び前記ゲート電極により薄膜トランジスタが構成された半導体装置を備え、
    前記薄膜トランジスタによって駆動される、
    ことを特徴とする電子機器。
  10. 基材と、
    前記基材上の第一領域に形成された真性半導体の第一シリコン層と、
    前記第一シリコン層上に離間して形成された一対の第一メタル層と、前記一対の第一メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第一ゲート電極と、
    前記基材上の第二領域に形成された真性半導体の第二シリコン層と、
    前記第二シリコン層上に離間して形成された一対の第二メタル層と、前記一対の第二メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第二ゲート電極と、
    を備え、
    前記第一シリコン層と前記第一メタル層とがショットキー接合されており、
    前記第一メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、
    前記第二シリコン層と前記第二メタル層とがショットキー接合されており、
    前記第二メタル層の仕事関数が4.5[eV]未満である、
    ことを特徴とする半導体装置。
  11. 基材と、
    前記基材上の第一領域に形成された真性半導体の第一シリコン層と、
    前記第一シリコン層上に離間して形成された一対の第一メタル層と、
    前記一対の第一メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第一ゲート電極と、
    前記基材上の第二領域に形成された真性半導体の第二シリコン層と、
    前記第二シリコン層上に離間して形成された一対の第二メタル層と、
    前記一対の第二メタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介して形成された第二ゲート電極と、
    前記基材上の第三領域に形成された真性半導体の第三シリコン層と、
    前記第三シリコン層上に離間して形成された第三メタル層及び第四メタル層と、
    を備え、
    前記第一シリコン層と前記第一メタル層とがショットキー接合されており、
    前記第一メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、
    前記第二シリコン層と前記第二メタル層とがショットキー接合されており、
    前記第二メタル層の仕事関数が4.5[eV]未満であり、
    前記第三シリコン層と前記第三メタル層とがショットキー接合されており、
    前記第三メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上であり、
    前記第三シリコン層と前記第四メタル層とがショットキー接合されており、
    前記第四メタル層の仕事関数が4.5[eV]未満である、
    ことを特徴とする半導体装置。
  12. 基材上にアモルファスシリコンのシリコン層を積層する工程と、
    青色半導体レーザーアニールで前記シリコン層をポリシリコンに結晶化する工程と、
    金属の真空蒸着により、前記シリコン層の上に一対のメタル層を離間形成する工程と、
    前記一対のメタル層の間の前記シリコン層上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、を含み、
    前記シリコン層と前記メタル層との間はショットキー接合であり、
    前記メタル層の仕事関数が4.5[eV]以上である、
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. シリコン層は、真性シリコン(i−Si)のネオン(Ne)スパッタリングによりアモルファスシリコンとして基材上に積層される、
    ことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. メタル層の形成前に、ポリシリコンに結晶化されたシリコン層の表面の自然酸化膜を除去する工程を更に含む、
    ことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. メタル層の形成後に、シリコン層を水素化する工程を更に含む、
    ことを特徴とする請求項12〜請求項14の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. シリコン層の上にメタル層を形成する工程の後の工程を250℃以下で行う、
    ことを特徴とする請求項12〜請求項15の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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