JP2017115026A - 温度時間積算型インジケータ、及び温度時間積算量の測定方法 - Google Patents

温度時間積算型インジケータ、及び温度時間積算量の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮光していない環境下(例えば太陽光下や蛍光灯下)で使用しても、温度と時間の積算量を正確に測定できる温度時間積算型インジケータを提供する。【解決手段】一般式(1)で表される化合物を含み、且つ光酸発生剤を実質的に含まない色素層Aと、前記光酸発生剤を含み、且つ前記一般式(1)で表される化合物を実質的に含まない光酸発生剤層Bとを含み、波長200〜380nmの光を100mW/cm2照射したときに、前記光酸発生剤から発生する酸の量が、前記光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上である、温度時間積算型インジケータ。【化1】【選択図】図1

Description

本発明は、温度時間積算型インジケータ、及び温度時間積算量の測定方法に関する。
近年、食品の品質管理の必要性が増してきている。特に、生ものや弁当等の所謂、足が早いものに対する鮮度管理や品質管理は、重要視されている。これらの管理を行うことによって、消費者に対する安全性の確保だけでなく、廃棄物の抑制といった産業的価値も認識されつつある。
品質管理は、工場(製造時)だけなく、物流、小売、消費者のそれぞれで行うことが望まれているため、物品毎に品質管理できるツールが必要となる。また、品質管理は、様々な商品に対して行うことが望まれているため、オンデマンドに多品種少ロットの商品に対して品質管理できるツールが必要となる。
品質管理の中で最も重要視されるパラメータとして、温度がある。従来の温度管理のツールとしては、温度と時間を最も精度よく管理できることから、データロガーが使用されている。しかしながら、データロガーは比較的大きく、高価であることから、物品毎に温度管理を行うことはできない。
物品毎に温度管理を行うツールとしては、ロイコ染料を用いた温度管理インジケータがある(例えば特許文献1)。しかしながら、この温度管理インジケータは、例えば温度が閾値を超えたかどうかの温度の管理はできるが、時間の概念がないため、温度と時間の積算量を管理することはできなかった。そのため、食品等の鮮度管理には不適切であった。
温度と時間の積算量を管理できるツール、所謂、TTI(Time-Temperature Indicator)としては、OnVuがある。OnVuは、温度帯によって色が変わる材料を含み、色の変化によって温度と時間の積算量を管理するものである(例えば特許文献2参照)。このように、TTIを用いることで、食品等の鮮度管理を個別に行うことができる。一方で、OnVuは、熱により発色しやすいことから、測定前(使用前)の保存温度を一定以下に制御する必要があり、用途が制限されるという問題があった。
これに対して、特定の色素と、光酸発生剤とを含有するTTIが提案されている(例えば特許文献2)。このTTIは、使用時に光照射して光酸発生剤から酸(プロトン)を発生させる。この酸が色素を分解することで、色素を褪色又は変色させる。このように、使用時に光照射して酸を発生させるので、使用前の保存状態に関係なく、使用中の温度と時間の積算量を管理できる。
特許第5110900号公報 特許第5194210号公報 特開2001−89758号公報
しかしながら、特許文献3に示されるTTIを一般照明下で使用すると、遮光下で使用した場合と比べて、測定される温度と時間の積算量が大きくずれるという問題があった。つまり、特許文献2に示されるTTIは、遮光下でしか温度と時間の積算量を正しく測定できないという問題があった。そのため、TTIの用途が制限されるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、遮光していない環境下(例えば太陽光下や蛍光灯下)で使用しても、温度と時間の積算量を正確に測定できる温度時間積算型インジケータを提供することを目的とする。
[1] 一般式(1)で表される化合物を含み、且つ光酸発生剤を実質的に含まない色素層Aと、前記光酸発生剤を含み、且つ前記一般式(1)で表される化合物を実質的に含まない光酸発生剤層Bとを含み、波長254nmの光を100mW/cm照射したときに、前記光酸発生剤から発生する酸の量が、前記光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上である、温度時間積算型インジケータ。
Figure 2017115026
(一般式(1)中、
Zは、芳香族環又は芳香族複素環を構成する原子群を表し、
Rは、前記芳香族環又は芳香族複素環が有する置換基を表し、
mは、0〜3の整数を表し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよく、
CPは、発色団を構成する基を表し、
Lは、前記Zで表される原子群と前記CPとを連結し、これらと共役系を形成し、且つ前記光酸発生剤から発生する酸によって切断される二重結合を有する連結基を表す)
[2] 前記色素層Aと前記光酸発生剤層Bとの間に、前記一般式(1)で表される化合物と前記光酸発生剤とを含む混合層Cをさらに含む、[1]に記載の温度時間積算型インジケータ。
[3] 前記混合層Cの厚みの、前記色素層A、前記光酸発生剤層B及び前記混合層Cの合計厚みに対する比率が80%以下である、[2]に記載の温度時間積算型インジケータ。
[4] 前記色素層Aと前記光酸発生剤層Bの少なくとも一方は、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上のバインダ樹脂をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の温度時間積算型インジケータ。
[5] 基材層Dをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の温度時間積算型インジケータ。
[6] 前記基材層Dは、前記光酸発生剤層Bと接し、且つ透明である、[5]に記載の温度時間積算型インジケータ。
[7] 一般式(1)で表される化合物と、光酸発生剤と、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂とを含み、波長254nmの光を100mW/cm照射したときに、前記光酸発生剤から発生する酸の量が、前記光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上である混合層Eを含む、温度時間積算型インジケータ。
Figure 2017115026
(一般式(1)中、
Zは、芳香族環又は芳香族複素環を構成する原子群を表し、
Rは、前記芳香族環又は芳香族複素環が有する置換基を表し、
mは、0〜3の整数を表し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよく、
CPは、発色団を構成する基を表し、
Lは、前記Zで表される原子群と前記CPとを連結し、これらと共役系を形成し、且つ前記光酸発生剤から発生する酸によって切断される二重結合を有する連結基を表す)
[8] 前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、前記光酸発生剤100質量部に対して20〜120質量部である、[7]に記載の温度時間積算型インジケータ。
[9] 基材層Dをさらに含む、[7]又は[8]に記載の温度時間積算型インジケータ。
[10] 前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)、(3)又は(4)で表される化合物である、[1]〜[9]のいずれかに記載の温度時間積算型インジケータ。
Figure 2017115026
(一般式(2)〜(4)のZ、R、m及びCPは、前記一般式(1)のZ、R、m及びCPとそれぞれ同義である)
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の温度時間積算型インジケータが付与された被測定物を得る工程と、前記被測定物に付与された前記温度時間積算型インジケータに、波長200〜380nmの光を照射する工程と、前記光が照射された前記被測定物を保存する工程と、前記保存する工程の前後における前記温度時間積算型インジケータの色の変化から、前記保存する工程において被測定物が受けた温度と時間の積算量を測定する工程とを含む、温度時間積算量の測定方法。
[12] 前記温度時間積算型インジケータは、[1]〜[6]及び[10]のいずれかに記載の温度時間積算型インジケータであって、前記温度時間積算型インジケータの光酸発生剤層B側に光を照射する、[11]に記載の温度時間積算量の測定方法。
本発明によれば、遮光していない環境下(例えば太陽光下や蛍光灯下)で使用しても、温度と時間の積算量を正確に測定できる温度時間積算型インジケータを提供することができる。
本発明の第1の実施形態の温度時間積算型インジケータの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の温度時間積算型インジケータの他の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態の温度時間積算型インジケータの一例を示す図である。
前述の通り、特許文献2に示されるTTIに光照射した後、遮光していない環境下(例えば太陽光下や蛍光灯下)で使用した場合、温度と時間の積算量を正確に測定することができなかった。この原因は明らかではないが、測定トリガ付与時(光照射時)に酸を発生せずに残存する光酸発生剤が、使用環境中の太陽光や蛍光灯に含まれるUV光によって酸を発生し、それにより色素の分解が起こるためであると考えられる。つまり、測定トリガ付与時(光照射時)に発生した酸だけでなく、使用中に新たに発生した酸も色素の分解に寄与するため、酸による色素の分解速度が、本来の値からずれてしまう。その結果、TTIとして正確な測定ができないと考えられる。
測定トリガ付与時(光照射時)に酸を発生せずに残存する光酸発生剤は、色素と光酸発生剤とが均一に混合された層において多くなりやすい。即ち、色素と光酸発生剤とが均一に混合された層では、照射された光の多くが色素やバインダ樹脂に吸収されるので、光酸発生剤に光が届きにくい。特に、上記層のうち光照射面からの遠い部分(UV光源から遠い部分)では、光酸発生剤に十分に光が届きにくい。それにより、測定トリガ付与時(光照射時)に光酸発生剤から発生する酸の量が極端に少なくなり、酸を発生していない光酸発生剤が多く残存しやすい。
これに対して本発明者らは、測定トリガ付与時(光照射時)に、酸を発生せずに残存する光酸発生剤を極力少なくすればよいことに着目した。具体的には、本発明者らは、測定トリガ付与時(光照射時)の光酸発生剤からの酸の発生量を、光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して少なくとも30モル%以上となるように調整すれば、一般照明下で使用しても、遮光下で使用した場合と同様に、温度と時間の積算量を正確に測定できることを見出した。
そのために、本発明の第1の実施形態では、色素層Aと光酸発生剤層Bとに分離する。それにより、温度時間積算型インジケータに照射した光が、光酸発生剤に選択的に届きやすくし得る。その結果、光照射時の光酸発生剤からの酸発生を大幅に増やすことができるので、光照射時に酸を発生せずに残存する光酸発生剤の量を低減できる。
色素層Aと光酸発生剤層Bとの間に混合層Cをさらに設けることで、光照射時に発生した酸による色素の分解が一層スムーズに行われやすい。即ち、TTIの性能は、「発生した酸の拡散速度」と「発生した酸による色素の分解速度」の2つが影響しあう。TTIの性能は、発生した酸の拡散速度が速いと、色素の分解速度のみに依存するので、退色は比較的速くなる。一方、発生した酸の拡散速度が遅いと、酸の拡散速度に依存するので、退色は比較的遅くなる。色素層Aと光酸発生剤層Bとの間に混合層Cをさらに設けることで、酸の拡散速度を一層速くすることができるので、短時間で色の変化を生じやすくしうる。
また、本発明の第2の実施形態では、色素と光酸発生剤とを含む混合層Eにおいて、色素と光酸発生剤の含有比率を調整し、且つ光吸収性の低いバインダ樹脂を含む。それにより、温度時間積算型インジケータに照射した光が、色素やバインダ樹脂によって吸収される割合を少なくし、光酸発生剤に届きやすくし得る。その結果、光照射時の光酸発生剤からの酸発生を大幅に増やすことができるので、光照射時に酸発生せずに残存する光酸発生剤の量を低減できる。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
1.温度時間積算型インジケータ
本発明の温度時間積算型インジケータは、色素と、光酸発生剤とを含み、且つ波長254nmの光を100mW/cm照射したときの光酸発生剤からの酸発生量が、光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して少なくとも30モル%以上となるものである。
波長200〜380nmの光を100mW/cm照射したときの光酸発生剤から発生する酸の量は、以下の方法で測定することができる。温度時間積算型インジケータの一部を切り出して得られる試料片を、40℃の純水に浸し、24時間静置する。その後、試料片から純水中に溶解した酸の量を、pHメータ(ポータブル型pHメータ D−72 堀場社製)を用いて測定する。そして、純水に溶解した酸の量の、純水に浸す前の試料片に含まれる光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対する割合を算出して得ることができる。
「光酸発生剤から理論上発生する酸の全量」は、以下の方法で求めることができる。インジケータの、光酸発生剤を含む層の一部を採取し、溶媒に溶解させてサンプルを得る。このサンプルを、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS:Liquid Chromatography Mass Spectrometry)して、光酸発生剤成分を分離し、該分離した光酸発生剤成分をさらにNMR測定して化学構造を特定する。特定された化学構造から理論上発生する酸の量を算出する。「光酸発生剤から理論上発生する酸の全量(モル数)」は、「光酸発生剤の全量(モル数)」と同じであることが好ましい。
光照射時の酸発生量を光酸発生剤の全量に対して30モル%以上とするためには、本発明の温度時間積算型インジケータが、「色素を含み、光酸発生剤を実質的に含まない色素層Aと、光酸発生剤を含み、色素を実質的に含まない光酸発生剤層Bとの積層物」を含むか(本発明の第1の実施形態);「色素と、光酸発生剤と、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂とを含み、色素と光酸発生剤との含有比率が調整された混合層E」を含むことが好ましい(本発明の第2の実施形態)。
1-1.第1の実施形態について
本発明の第1の実施形態の温度時間積算型インジケータは、色素層Aと、光酸発生剤層Bとを含み、それらの間に混合層Cをさらに含むことが好ましい。
1-1-1.色素層A
色素層Aは、色素を含み、且つ光酸発生剤を実質的に含まない層である。色素層Aが光酸発生剤を実質的に含まないとは、色素層Aにおける光酸発生剤の含有量が、色素層Aにおける色素と光酸発生剤の合計含有量に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であることをいう。
色素は、光酸発生剤から発生した酸によって分解されて、褪色又は変色する化合物である。これらの色素は、耐光性を有すること、具体的には酸を発生させるための光照射によって分解しないことが好ましい。そのような色素は、一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017115026
一般式(1)のZは、芳香族環又は芳香族複素環を構成する原子群を表す。
芳香族環は、5員若しくは6員の芳香族環又はそれらの縮合環である。芳香族環の炭素原子数は6〜15であることが好ましい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、及びナフタレン−3−オン環が含まれる。
中でも、芳香族環は、5員若しくは6員の芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
芳香族複素環は、5員若しくは6員の芳香族複素環又はそれらの縮合環、或いは5員若しくは6員の芳香族複素環と5員若しくは6員の芳香族環との縮合環である。芳香族複素環の炭素原子数と窒素原子数の合計は、4〜15であることが好ましい。芳香族複素環の例には、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、及びピリジン環等が含まれる。
中でも、芳香族複素環は、5員若しくは6員の芳香族複素環であることが好ましく、チオフェン環、フラン環、ピロール環又はピリジン環がより好ましい。
一般式(1)のRは、Zで表される芳香族環又は芳香族複素環が有する置換基を表す。置換基の例には、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、n−ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンズアミド基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、イミド基(例えばフタルイミド基等)、及びヘテロ環基(例えばピリジル基等)、ハロゲン原子(例えば塩素原子)が含まれる。中でも、ジアルキルアミノ基が好ましい。これらの置換基の炭素原子数の上限値は、例えば10、好ましくは6とし得る。これらの置換基は、更に置換されていてもよい。
一般式(1)のmは、0〜3の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよい。
一般式(1)のCPは、発色団を構成する基を表す。CPの例には、5−ピラゾロン類、イミダゾール類、ピラゾロピロール類、ピラゾロイミダゾール類、ピラゾロトリアゾール類、ピラゾロテトラゾール類、バルビツール酸類、チオバルビツール酸類、ローダニン類、ヒダントイン類、チオヒダントイン類、オキサゾロン類、イソオキサゾロン類、インダンジオン類、ピラゾリジンジオン類、オキサゾリジンジオン類、ヒドロキシピリドン類、ピラゾロピリドン類、ケトエステル類、ケトアミド類、フェノール類、ベンゾチアゾール類から誘導される基が含まれる。これらの基は、さらに置換基を有してもよい。置換基は、Rで表される置換基と同様のものが挙げられる。中でも、消色性、保存性等を高める観点から、ピラゾロトリアゾール類が好ましい。
一般式(1)のLは、Zで表される原子群とCPで表される発色団を構成する基とを連結し、これらと共役系を形成し、且つ光酸発生剤から発生した酸によって切断される二重結合を有する基である。Lの例には、=CR−、=CR−CH=(Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基)、及び窒素原子を含む基(=N−、−N=N−)が含まれる。Lで表される基は、置換基をさらに有してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)、(3)又は(4)で表される化合物であることが好ましく、保存性の観点では、一般式(3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2017115026
一般式(2)〜(4)のZ、R、m及びCPは、一般式(1)のZ、R、m及びCPとそれぞれ同義である。
一般式(2)で表される化合物はメチン系色素、一般式(3)で表される化合物はアゾメチン系色素、一般式(4)で表される化合物はアゾ系色素ともいう。これらのアゾ系色素、メチン系色素及びアゾメチン色素は、発生した酸によって二重結合部位が切断されることで、褪色したり、変色したりし得るので、TTIに特に好適である。
一般式(1)で表される化合物の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
色素層Aにおける色素と光酸発生剤の合計含有量(好ましくは色素層Aにおける色素の含有量)は、色素層Aに対して例えば20質量%以上、好ましくは25質量%以上とし得る。色素と光酸発生剤の合計含有量が20質量%以上であると、使用前(測定前)の発色が十分であり、温度履歴を経た後の色の変化を認識しやすいからである。
色素層Aは、色素を安定に保持しやすくするだけでなく、色素を外部刺激が保護し、TTIとしての機能を安定化させる観点から、バインダ樹脂をさらに含むことが好ましい。
バインダ樹脂の例には、セルロースエステル系樹脂(例えばセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等)、アクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート等)、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリアリレート等)、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及びこれらの水素化物等の環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ABS樹脂、ポリ乳酸、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、及びシリコーン等が含まれる。
色素層Aにおけるバインダ樹脂の含有量は、色素層Aに対して例えば80質量%以下、好ましくは75質量%以下である。バインダ樹脂の含有量が80質量%以下であると、測定前での発色状態や温度履歴を経た後の色の変化が損なわれにくいからである。
色素層Aの厚みは、例えば3〜100μmとし得る。色素層Aの厚みが3μm以上であると、光照射前の発色が十分であるので、温度履歴を経た後の色の変化を把握しやすい。色素層Aの厚みが100μm以下であると、インジケータの厚みが過剰に厚くなるのを抑制し得る。
1-1-2.光酸発生剤層B
光酸発生剤層Bは、光酸発生剤を含み、且つ色素を実質的に含まない層である。光酸発生剤層Bが色素を実質的に含まないとは、光酸発生剤層Bにおける色素の含有量が、光酸発生剤層Bにおける色素と光酸発生剤の合計含有量に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であることをいう。
光酸発生剤は、特に制限されないが、光照射により良好に酸発生しうる観点から、下記一般式(5)、(6)又は(7)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017115026
一般式(5)〜(7)のR〜Rは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表す。これらの2以上の基が、単結合、−NR−、−O−、−S−及び−CO−からなる群より選ばれる基を介して連結されていてもよい。
一般式(5)〜(7)のm、n及びpは、0〜5の整数を表す。但し、m、n及びpが同時に全て0となることはなく、少なくともいずれか一つは、1〜5の整数となる。R〜Rのそれぞれは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(5)〜(7)の中でも、色素の分解をスムーズに生じ得る観点から、一般式(5)で表される化合物が好ましい。
一般式(5)〜(7)のXは、アニオン残基を表す。アニオン残基の例には、PF 、BF 、B(C 、CFSO 、及びP(C が含まれる。
光酸発生剤の具体例には、以下のものが含まれる。
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
Figure 2017115026
光酸発生剤層Bにおける色素と光酸発生剤の合計含有量(好ましくは光酸発生剤層Bにおける光酸発生剤の含有量)は、光酸発生剤層Bに対して例えば20質量%以上、好ましくは30質量%以上とし得る。色素と光酸発生剤の合計含有量が20質量%以上であると、光照射により光酸発生剤が酸を十分に発生しやすいので、色の変化を一層生じやすい。
光酸発生剤層Bにおける光酸発生剤は、光照射によって発生したラジカルが、周辺から水素原子を抜き取ることによって酸を発生する。従って、酸を安定に発生させやすくする観点から、光酸発生剤層Bは、バインダ樹脂をさらに含むことが好ましい。
光酸発生剤層Bに含まれるバインダ樹脂は、色素層Aに含まれるバインダ樹脂と同義である。但し、ポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂等のUV波長を強く吸収する樹脂は、光酸発生剤からの酸の発生を妨げやすい。従って、光酸発生剤からの酸の発生を妨げないようにする観点から、UV吸収が少ないか又はほぼ無視できるバインダ樹脂、具体的には波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上、好ましくは50%以上であるバインダ樹脂を選択することが好ましい。波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂の例には、スチレン系(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体(アクリル系樹脂)、セルロースエステル系樹脂(例えばセルローストリアセテート)、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール等が含まれ、好ましくはポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート及びポリビニルアルコールが含まれる。このように、光透過率が高いバインダ樹脂を用いることで光照射時間を短縮できるので、過剰な光照射によるバインダ樹脂の分解等も抑制できる。
バインダ樹脂の重量平均分子量は、バインダ樹脂の種類にもよるが、例えば1000〜250000とし、好ましくは1000〜100000とし得る。バインダ樹脂の重量平均分子量が1000以上であると、それを含む層に良好な機械強度を付与しやすく、250000以下であると、それを含む溶液の粘度が過度に上昇せず、塗布性が損なわれにくい。バインダ樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によりポリスチレン換算にて測定することができる。
バインダ樹脂の光の平均透過率は、以下の方法で測定することができる。
1)バインダ樹脂を、それを溶解可能な溶媒(例えばポリスチレンであればトルエン)に溶解させた溶液を、ガラス基板上に塗布した後、乾燥させて、厚み100μmの塗膜を得る。
2)得られた塗膜を剥がしとり、分光光度計U−3300 日立ハイテクロノジー社製を用いて波長200〜360nmの領域の平均透過率を測定する。得られた測定値を「波長200〜360nmの光の平均透過率」とする。
光酸発生剤層Bにおけるバインダ樹脂の含有量は、光酸発生剤層Bに対して例えば80質量%以下、好ましくは70質量%以下である。バインダ樹脂の含有量が80質量%以下であると、光照射による光酸発生剤からの酸発生が妨げられにくいからである。
光酸発生剤層Bの厚みは、5〜300μmであることが好ましい。光酸発生剤層Bの厚みが10μm以上であると、光照射によって酸を十分に発生させることができるので、色の変化を生じやすい。光酸発生剤層Bの厚みが300μm以下であると、光照射により発生した酸の拡散距離が長くなって酸が色素層Aに到達しにくくなることに起因する変色速度の低下を抑制できるので、TTIとしての機能が損なわれ難い。光酸発生剤層Bの厚みは、10〜100μmであることがより好ましい。
光酸発生剤層Bの厚みは、色素層Aと光酸発生剤層Bの合計厚みに対して10〜50%としうる。光酸発生剤層Bの厚みが10%以上であると、光照射時の酸発生量を十分に多くすることができる。
1-1-3.混合層C
本発明の温度時間積算型インジケータは、色素層Aと光酸発生剤層Bとの間に、色素と光酸発生剤の両方を含む混合層Cをさらに有することが好ましい。そのような混合層Cでは、光照射により発生した酸の色素までの拡散距離が短いため、酸が色素の分解に迅速に消費されやすい。従って、短時間で色の変化を生じやすい。
混合層Cにおける色素の含有量は、混合層Cにおける色素と光酸発生剤の合計含有量に対して10質量%超90質量%未満であることが好ましい。同様に、混合層Cにおける光酸発生剤の含有量は、混合層Cにおける色素と光酸発生剤の合計含有量に対して10質量%超90質量%未満であることが好ましい。混合層Cにおける色素の含有量は、混合層Cにおける光酸発生剤の含有量100質量部に対して20〜120質量部とし得る。
混合層Cにおける色素と光酸発生剤の合計含有量は、混合層Cに対して例えば20質量%以上、好ましくは30質量%以上とし得る。色素と光酸発生剤の合計含有量が20質量%以上であると、光照射により光酸発生剤が酸を十分に発生しやすいので、色の変化を一層生じやすい。
混合層Cは、光酸発生剤層Bと同様のバインダ樹脂をさらに含んでもよい。但し、光酸発生剤からの酸の発生を妨げないようにする観点から、UV吸収が少ないバインダ樹脂、具体的には波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂を選択することが好ましい。混合層Cにおけるバインダ樹脂の含有量は、光酸発生剤層Bにおけるバインダ樹脂の含有量と同様とし得る。
混合層Cの厚みは、色素層Aと光酸発生剤層Bと混合層Cの合計厚みに対して20〜85%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。混合層Cの厚みが20%以上であると、光照射によって発生した酸の色素までの拡散距離が短く、色素を迅速に分解し得るので、短時間で色の変化を生じやすい。混合層Cの厚みが85%以下であると、照射された光の一部が色素やバインダ樹脂に吸収されて、光酸発生剤に光が十分に届かなくなるのを抑制し得る。それにより、一般照明下でも温度と時間の積算量を正確に測定し得る。混合層Cの厚みは、10〜50μmであることが好ましく、20〜40μmであることがより好ましい。
混合層Cは、温度時間積算型インジケータの厚み方向の組成をTOF−SIMSにて測定することによって確認することができる。
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、必要に応じて基材層D、粘着剤層F及び保護層Gをさらに有してもよい。
1-1-4.基材層D
基材層Dは、寸法安定性がよく、光や熱に耐えるものであればよく、前述のバインダ樹脂と同様の樹脂を主成分とするフィルム、紙、布、及びアルミノシリケートガラス、石英ガラス等の無機物を主成分とするシート等を用いることができる。中でも、良好な耐熱性を有し、且つ基材層Dを介した光照射を可能とし得る観点から、透明な樹脂フィルムが好ましく、セルロースエステル系樹脂フィルムがより好ましい。
基材層Dは、光酸発生剤層Bと接するように配置されてもよいし、色素層Aと接するように配置されてもよい。基材層Dが、光酸発生剤層Bと接するように配置される場合、基材層Dを介して光酸発生剤層Bに光を照射可能とする観点から、基材層Dは透明であることが好ましい。
基材層Dの厚みは、2〜200μmであることが好ましい。基材層Dの厚みが2μm以上であると、基材層Dのハンドリング性を良好とし得る。基材層Dの厚みが200μm以下であると、温度時間積算型インジケータが厚くなり過ぎない。基材層Dの厚みは、20〜100μmであることがより好ましい。
基材層Dの表面は、色素層Aや光酸発生剤層Bの接着性を改善したり、色素の染着を防止したりする観点から、ポリマーからなる下引き層をさらに含んでもよい。
1-1-5.粘着剤層F
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、基材層Dの裏面(色素層Aや光酸発生剤層Bが積層される面とは反対側の面)又は色素層Aの表面に、離型シート付きの粘着剤層Fをさらに含んでもよい。それにより、温度時間積算型インジケータから離型シートを剥がした後、露出する粘着剤層Fの面を被測定物に貼り付けることで、被測定物に色素層Aと光酸発生剤層Bの積層物を付与することができる。
粘着剤層Fを構成する粘着剤の例には、ゴム系共重合樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、及びアクリル系共重合樹脂が含まれる。離型シートの例には、シリコーン紙、離型処理ポリエステルフィルム等が含まれる。
1-1-6.保護層G
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、その最表面に保護層Gをさらに含んでもよい。保護層Gは、例えば2枚の温度時間積算型インジケータを重ねた際に、一方の温度時間積算型インジケータの最表面にある色素層A又は光酸発生剤層Bと、他方の温度時間積算型インジケータの基材層Dとが粘着するのを防止したり、色素層A又は光酸発生剤層Bの表面に傷が付くのを防止したりし得る。
保護層Gは、ポリプロピレン、ポリエチレン等の透明樹脂層であり得る。透明樹脂層は、透明樹脂フィルムをラミネートしたものであってもよいし、透明樹脂を塗布形成したものであってもよい。
1-1-7.層構成
前述の各層は、任意に配置され得る。前述の各層は、それぞれ1層だけであってもよいし、2層以上あってもよい。本実施形態の温度時間積算型インジケータの層構成の例には、以下のものが含まれる。
基材層D/色素層A/光酸発生剤層B
基材層D/光酸発生剤層B/色素層A
基材層D/色素層A/混合層C/光酸発生剤層B
基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A
基材層D/色素層A/混合層C/光酸発生剤層B/保護層G
基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A/保護層G
基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A/粘着剤層F
粘着剤層F/基材層D/色素層A/混合層C/光酸発生剤層B
基材層D/光酸発生剤層B/色素層A/光酸発生剤層B
基材層D/光酸発生剤層B/色素層A/基材層D
図1は、本実施形態の温度時間積算型インジケータの一例を示す図である。図1に示されるように、温度時間積算型インジケータ10は、基材層11と、光酸発生剤層13と、混合層15と、色素層17とをこの順に含む。温度時間積算型インジケータ10への光の照射は、光酸発生剤からの酸を効率よく発生させる観点では、基材層11を介して行うことが好ましい(図1の矢印方向参照)。この場合、基材層11を介して光酸発生剤層15へ光照射する観点から、基材層11は透明であることが好ましい。
図2は、本実施形態の温度時間積算型インジケータの他の例を示す図である。図2に示されるように、温度時間積算型インジケータ10’は、基材層11と、色素層17と、混合層15と、光酸発生剤層13とをこの順に含む。温度時間積算型インジケータ10’への光照射は、光酸発生剤からの酸を効率よく発生させる観点では、光酸発生剤層17側から行うことが好ましい(図2の矢印方向参照)。この場合、基材層11は、透明であってもよいし、透明でなくてもよい。
1-1-8.物性
(光酸発生量)
本実施形態の温度時間積算型インジケータの、波長254nmの光を100mW/cm照射したときの光酸発生剤からの酸発生量は、前述の通り、光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上であり、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。
光照射時の酸発生量は、色素層Aと光酸発生剤層Bの厚みの比率によって調整できる。光照射時の酸発生量を多くするためには、例えば光酸発生剤層Bの厚みの比率を、色素層Aに対して大きくすればよい。
(厚み)
本実施形態の温度時間積算型インジケータの厚みは、例えば1000μm以下とし得る。温度時間積算型インジケータの厚みが1000μm以下であると、シールやラベルとして利用できるためインジケータとしての利用範囲が広がる。
1-1-9.作用
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、光酸発生剤層Bに直接又は基材層Dを介して光を照射することで、光酸発生剤に選択的に光を照射することができる。それにより、光酸発生剤層Bから酸を高効率で発生させることができるので、光照射時に酸を発生せずに残存する光酸発生剤量を少なくできる。従って、一般照明下で使用(保存)しても、当該酸を発生せずに残存する光酸発生剤による影響を低減できるので、使用時の温度と時間の積算量を正確に測定することができる。
1-1-10.製造方法
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、例えばi)基材層D上に、色素層用溶液aと光酸発生剤層用溶液bの一方を塗布して、色素層Aと光酸発生剤層Bの一方を得る工程と、ii)得られた層上に、色素層Aと光酸発生剤層Bの他方を積層する工程とを経て製造され得る。
i)の工程について
色素層用溶液aは、前述の色素と、溶媒とを含み、必要に応じて前述のバインダ樹脂をさらに含み得る。光酸発生剤層用溶液bは、前述の光酸発生剤と、溶媒とを含み、必要に応じて前述のバインダ樹脂をさらに含み得る。これらの溶液に用いられる溶媒は、色素又は光酸発生剤を良好に溶解し得るものであればよく、トルエン等の炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、メタノール、アルコール、イソプロパノール等のアルコール類、及びメチルエチルケトン等のケトン類が含まれる。
色素層用溶液a又は光酸発生剤層用溶液bが塗布される基材層Dの表面は、これらの溶液の濡れ性や接着性を高める観点から、コロナ放電処理が施されてもよい。これらの溶液の塗布は、公知の塗布法、例えばスピンコーティング、キャスティング、ダイコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ローラコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、インクジェットコーティング等で行うことができる。
ii)の工程について
色素層Aと光酸発生剤層Bの他方の積層は、i)の工程で得られた層上に、色素層用溶液aと光酸発生剤層用溶液bの他方を塗布して行ってもよいし(塗布法)、他の基材層D’上に予め形成した色素層Aと光酸発生剤層Bの他方を転写又は熱圧着して行ってもよい(転写法)。
ii)の工程を塗布法で行う場合、i)の工程とii)の工程の間に、乾燥工程をさらに行ってもよい。この乾燥工程の条件を調整することで、混合層Cの厚みを調整することができる。例えば、乾燥時間を極端に短くすれば、色素層用溶液aの塗膜と光酸発生剤層用溶液bの塗膜とが混ざり合いやすいので、混合層Cの厚みを大きくすることができる。逆に、乾燥時間を極端に長くすれば、色素層用溶液aの塗膜と光酸発生剤層用溶液bの塗膜とが混ざり合いにくいので、混合層Cの厚みを小さくすることができる。
混合層Cの形成は、i)の工程とii)の工程の間に、混合層用溶液cを塗布して行ってもよい。混合層用溶液cは、前述の色素と、前述の光酸発生剤と、溶媒とを含み、必要に応じて前述のバインダ樹脂をさらに含み得る。混合層用溶液cに用いられる溶媒は、色素層用溶液aと光酸発生剤層用溶液bに用いられる溶媒と同義である。
1-2.第2の実施形態について
本発明の第2の実施形態の温度時間積算型インジケータは、色素と、光酸発生剤と、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂とを含み、光酸発生剤と色素との含有比率が所定の範囲に調整された混合層Eを含む。
1-2-1.混合層E
混合層Eは、色素と、光酸発生剤と、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂とを含む。
混合層Eに含まれる色素及び光酸発生剤は、第1の実施形態における色素及び光酸発生剤とそれぞれ同義である。
混合層Eにおける色素の含有量は、光酸発生剤の含有量100質量部に対して20〜120質量部であることが好ましい。色素の含有量が光酸発生剤に対して120質量部以下であると、混合層Eに照射された光が色素で吸収される割合を少なくし、光酸発生剤に光を十分に届きやすくし得るので、光照射時の酸発生量を多くすることができる。色素の含有量が光酸発生剤に対して20質量部以上であると、光照射前での十分な発色が損なわれにくい。混合層Eにおける色素の含有量は、光酸発生剤の含有量100質量部に対して30〜80質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることがさらに好ましい。
混合層Eにおける色素及び光酸発生剤の合計含有量は、混合層Eに対して40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
混合層Eにおける波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂は、第1の実施形態における波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂と同義である。このように、光の平均透過率が低いバインダ樹脂は、混合層Eに照射された光を吸収しにくいので、照射した光が光酸発生剤に十分に届きやすくし得る。それにより、光照射時の酸発生量を多くすることができる。混合層Eにおけるバインダ樹脂の含有量は、第1の実施形態の光酸発生剤層Bにおけるバインダ樹脂の含有量と同様とし得る。
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、必要に応じて基材層D、粘着剤層F及び保護層Gをさらに有してもよい。本実施形態における基材層D、粘着剤層F及び保護層Gは、第1の実施形態における基材層D、粘着剤層F及び保護層Gとそれぞれ同義である。
1-2-2.層構成
前述の各層は、任意に配置され得る。前述の各層は、それぞれ1層だけであってもよいし、2層以上あってもよい。本実施形態の温度時間積算型インジケータの層構成の例には、以下のものが含まれる。
基材層D/混合層E
基材層D/混合層E/保護層G
粘着剤層F/基材層D/混合層E/保護層G
図3は、本実施形態の温度時間積算型インジケータの一例を示す図である。図3に示されるように、温度時間積算型インジケータ20は、基材層21と、混合層23とを含む。温度時間積算型インジケータ20への光の照射は、混合層23側から行ってもよいし、基材層21が透明である場合は基材層21側から行ってもよい。
1-2-3.物性
(光酸発生量)
本実施形態の温度時間積算型インジケータの、波長254nmの光を100mW/cm照射したときの光酸発生剤からの酸発生量は、前述の通り、光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上である。
光照射時の酸発生量は、色素と光酸発生剤の含有比率や、バインダ樹脂の種類によって調整できる。光照射時の酸発生量を多くするためには、例えば光酸発生剤に対する色素の含有量を少なくしたり、光の平均透過率が低いバインダ樹脂を選択したりすればよい。
(厚み)
本実施形態の温度時間積算型インジケータの厚みは、本発明の第1の実施形態の温度時間積算型インジケータの厚みと同様とし得る。
1-2-4.作用
本実施形態の温度時間積算型インジケータに光を照射すると、照射された光のうち、色素やバインダ樹脂で吸収される光の割合が少ないので、光酸発生剤に十分に届きやすい。それにより、光酸発生剤から酸を高効率で発生させることができるので、光照射時に酸を発生せずに残存する光酸発生剤量を少なくできる。従って、一般照明下で使用(保存)しても、当該酸を発生せずに残存する光酸発生剤による影響を低減できるので、使用時の温度と時間の積算量を正確に測定することができる。
1-2-5.製造方法
本実施形態の温度時間積算型インジケータは、例えば基材層D上に、混合層用溶液eを塗布及び乾燥させて混合層Eを得る工程を経て製造され得る。混合層用溶液eは、前述の色素と、前述の光酸発生剤と、溶媒とを含み、必要に応じて前述のバインダ樹脂をさらに含み得る。混合層用溶液eに用いられる溶媒は、色素層用溶液aや光酸発生剤層用溶液bに用いられる溶媒と同義である。
1-3.形態
本発明の温度時間積算型インジケータの形態は、特に制限されず、ラベルであってもよいし、包装紙であってもよいし、印刷層であってもよい。
2.温度時間積算量の測定方法
本発明の温度時間積算量の測定方法は、1)本発明の温度時間積算型インジケータが付与された被測定物を得る工程と、2)被測定物に付与された温度時間積算型インジケータに、波長200〜380nmの光を照射する工程と、3)光が照射された被測定物を保存する工程と、4)保存する工程の前後の温度時間積算型インジケータの色の変化から、保存する工程において被測定物が受けた温度と時間の積算量を測定する工程とを含む。
1)の工程について
本工程では、本発明の温度時間積算型インジケータが付与された被測定物を得る。
本発明の温度時間積算型インジケータが付与された被測定物を得る方法は、特に限定されず、例えばラベル状の温度時間積算型インジケータを被測定物に貼り付ける方法、温度時間積算型インジケータが付与された包装紙で被測定物を包装する方法、及び被測定物に前述の色素層用溶液aと光酸発生剤層用溶液bを逐次印刷したり、混合層用溶液eを被測定物に印刷したりする方法でありうる。
例えば、被測定物にラベル状の温度時間積算型インジケータを貼り付ける場合、離型シート付き粘着剤層Fを有する温度時間積算型インジケータを用いることが好ましい。温度時間積算型インジケータから離型シートを剥がした後、露出した粘着剤層Fを被測定物に貼り付けることで、温度時間積算型インジケータが付与された被測定物を得ることができる。
2)の工程について
本工程では、被測定物の温度時間積算型インジケータに光を照射して測定トリガを付与し、測定を開始する。具体的には、光を照射することで、温度時間積算型インジケータに含まれる光酸発生剤から酸を発生させる。
照射する光は、波長200〜380nmの光であることが好ましく、UV−B(波長280〜315nm)又はUV−C(波長200nm以上280nm未満)の波長領域の光であることがより好ましい。光の照射量は、温度時間積算型インジケータに含まれる光酸発生剤から酸を十分に発生させ得る程度であればよく、例えば50〜2000mW/cmとし得る。
光照射は、温度時間積算型インジケータの光酸発生剤層B側に行うことが好ましい。光酸発生剤からの酸の発生を促進するためである。例えば図1の温度時間積算型インジケータへの光照射は、基材層11側から行うことが好ましい(同図の矢印方向参照)。
3)の工程について
本工程では、光が照射された被測定物を所定の時間保存する。その間、温度時間積算型インジケータにおいて、上記2)の工程で発生した酸が色素を徐々に分解し、褪色又は変色させる。本発明の温度時間積算型インジケータは、太陽光や一般照明下においても、遮光下と同様の色の変化を示し得るので、保存環境は、遮光下に限定されず、一般照明下であってもよい。
4)の工程について
本工程では、保存する工程の前後の温度時間積算型インジケータの色の変化から、保存する工程で被測定物が受けた温度と時間の積算量を測定する。具体的には、3)の工程の前後における温度時間積算型インジケータの色の変化は、温度時間積算型インジケータに含まれる色素の分解量に依存し;色素の分解量は、色素が分解される速度(温度)と時間に依存する。そのため、色の変化を測定することで、3)の工程で被測定物が受けた温度と時間の積算量を推定できる。
色の変化量は、例えば3)の工程の前後における、温度時間積算型インジケータの色を、蛍光分光濃度計(コニカミノルタ社製 FD−7)にて測定することで得ることができる。
本発明の温度時間積算型インジケータは、光照射により光酸発生剤から発生する酸の量が一定以上に調整されている。従って、遮光下に限らず、一般照明下で被測定物を保存した場合でも、保存時に受けた温度と時間の積算量を正確に把握することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.温度時間積算型インジケータの材料
実施例/比較例で用いた各成分を、以下に示す。
1)一般式(1)で表される化合物(色素)
Figure 2017115026
2)光酸発生剤
Figure 2017115026
3)バインダ樹脂
PMMA:ポリメチルメタクリレート、重量平均分子量Mw:10000
PVC:ポリ塩化ビニル
バインダ樹脂の光の平均透過率を、以下の方法で測定した。
(光の平均透過率の測定)
1)バインダ樹脂をトルエンに溶解させた溶液を、ガラス基板上に塗布した後、乾燥させて、厚み100μmの塗膜を得た。
2)得られた塗膜を剥がしとり、分光光度計U−3300 日立ハイテクロノジー社製を用いて波長200〜360nmの領域の平均透過率を測定した。
その結果、PMMAの波長200〜360nmの光の平均透過率は58%であり、PVCの波長200〜360nmの光の平均透過率は9%であった。
2.温度時間積算型インジケータの作製
<実施例1>
(溶液A1の調製)
色素である化合物(1−1)と、バインダ樹脂であるPMMA(Mw=10000)とを、化合物(1−1):PMMA=1:3の質量比でトルエンに溶解させて、溶液A1を得た。
(溶液B1の調製)
次いで、光酸発生剤である化合物(2−1)と、バインダ樹脂であるPMMA(Mw=10000)とを、化合物(2−1):PMMA=1:2の質量比でTHFに溶解させて、溶液B1を得た。
(温度時間積算型インジケータの作製)
基材として、厚み100μmのセルロースジアセテートフィルムを準備した。このセルロースジアセテートフィルム上に、上記で得られた溶液B1を塗布した後、乾燥させて、厚み30μmの第1の層を形成した。次いで、この第1の層上に、上記で得られた溶液A1を塗布した後、乾燥させて、厚み20μmの第2の層を形成した。それにより、総厚み150μmの温度時間積算型インジケータを得た。
得られたインジケータの各厚みにおける成分比を、TOF−SIMS(Physical Electronics社製、2100TRIFT2)にて観察した結果、色素と光酸発生剤の両方を含む混合層Cの厚みは38.9μmであった。つまり、得られたインジケータの層構成は、基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A(100μm/6.2μm/38.9μm/4.7μm)であることがわかった。
<実施例2>
第1の層の厚みを100μmに変更した以外は実施例1と同様にして総厚み220μmの温度時間積算型インジケータを得た。
得られたインジケータの各厚みにおける成分比を、TOF−SIMSにて実施例1と同様に観察した結果、色素と光酸発生剤の両方を含む混合層Cの厚みは37.9μmであった。つまり、得られたインジケータの層構成は、基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A(100μm/67.2μm/37.9μm/14.6μm)であることがわかった。
<実施例3>
(溶液E1の調製)
色素である化合物(1−1)と、光酸発生剤である化合物(2−1)と、バインダ樹脂であるPMMA(Mw=10000)とを、化合物(1−1):化合物(2−1):PMMA=2:3:5の質量比でTHFに溶解させて、溶液E1を得た。
上記で得られた溶液E1を、基材であるセルロースジアセテート(DAC)フィルム(100μm)上に塗布した後、乾燥させて、厚み30μmの混合層Eを得た。それにより、基材層D/混合層Eの積層構造を有する、総厚み130μmの温度時間積算型インジケータを得た。
<実施例4>
(溶液A2の調製)
色素である化合物(1−2)と、バインダ樹脂であるPMMA(Mw=10000)とを、化合物(1−2):PMMA=1:3の質量比でトルエンに溶解させて、溶液A2を得た。
そして、溶液A1を、溶液A2に変更した以外は実施例1と同様にして総厚み150μmの温度時間積算型インジケータを得た。
得られたインジケータの各厚みにおける成分比を、TOF−SIMSにて実施例1と同様に観察した結果、色素と光酸発生剤の両方を含む混合層Cの厚みは38.9μmであった。つまり、得られたインジケータの層構成は、基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A(100μm/6.3μm/39.2μm/5.3μm)であることがわかった。
<実施例5>
(溶液A3の調製)
色素である化合物(1−3)と、バインダ樹脂であるPMMA(Mw=10000)とを、化合物(1−3):PMMA=1:3の質量比でトルエンに溶解させて、溶液A3を得た。
そして、溶液A1を、溶液A3に変更した以外は実施例1と同様にして、総厚み150μmの温度時間積算型インジケータを得た。
得られたインジケータの各厚みにおける成分比を、TOF−SIMSにて実施例1と同様に観察した結果、色素と光酸発生剤の両方を含む混合層Cの厚みは38.9μmであった。つまり、得られたインジケータの層構成は、基材層D/光酸発生剤層B/混合層C/色素層A(100μm/6.2μm/38.9μm/4.7μm)であることがわかった。
<実施例6>
セルロースジアセテート(DAC)フィルム(100μm)を2枚準備した。そして、一方のセルロースジアセテート(DAC)フィルム(100μm)に溶液B1を塗布した後、乾燥させて、厚み30μmの光酸発生剤層Bを形成した。同様に、他方のセルロースジアセテート(DAC)フィルム(100μm)に溶液A1を塗布した後、乾燥させて、厚み30μmの色素層Aを形成した。一方のセルロースジアセテートフィルム上に形成した光酸発生剤層Bと、他方のセルロースジアセテートフィルム上に形成した色素層Aとを重ね合わせて熱圧着して、総厚み260μmの温度時間積算型インジケータを得た。
得られたインジケータの各厚みにおける成分比を、TOF−SIMSにて実施例1と同様に観察した結果、色素と光酸発生剤の両方を含む混合層Cの厚みは0μmであった。つまり、得られたインジケータの層構成は、基材層D/光酸発生剤層B/色素層A/基材層D(100μm/30μm/30μm/100μm)であることがわかった。
<比較例1>
色素である化合物(1−1)と、光酸発生剤である化合物(2−1)と、メジウム(ポリ塩化ビニル 東京インキ株式会社製PSY-T)とを、化合物(1−1):化合物(2−1):ポリ塩化ビニル=1:1:10質量比で混合して、インキ1を得た。
溶液B1を、上記で得られたインキに変更し、乾燥後の厚みが50μmとなるようにした以外は実施例1と同様にして、基材層D/インキ層の積層構造を有する、総厚み150μmの温度時間積算型インジケータを得た。
実施例1〜6及び比較例1で得られた温度時間積算型インジケータの、1)光照射時の酸発生量、及び2)60℃における色の変化(遮光時及び一般照明時)を、以下の方法で測定した。
(光照射時の酸発生量)
得られた温度時間積算型インジケータの一部を切り出して試料片を得た。この試料片を、40℃の純水に浸し、24時間静置した。その後、試料片から純水中に溶解した酸の量を、pHメータ(ポータブル型pHメータ D−72 堀場社製)を用いて測定した。そして、純水に浸す前の試料片に含まれる光酸発生剤の量から発生する酸の量に対する、純水に溶解した酸の量の割合を算出し、酸発生量(モル%)とした。
(色の変化)
1)得られた温度時間積算型インジケータのセルロースジアセテートフィルム側から波長254nmの光を100mW/cmの条件で照射した。その直後、温度時間積算型インジケータの色濃度を、反射濃度計Macbeth RD-918にて測定した。
2)この温度時間積算型インジケータを、遮光下又は一般照明下(UV−A(波長315〜400nm)、照射量0.1mJ/cm)、60℃で一定時間保存した。その後、温度時間積算型インジケータの色濃度を、前述と同様にして測定した。
3)上記1)と2)の測定値を下記式に当てはめて、24時間保存後及び48時間保存後の色濃度の、保存前の色濃度に対する割合を算出した。
保存後の色の保持率(%)=(保存後の色濃度/保存前の色濃度)×100
保存後の色の保持率が低いほど、変色が多いことを示す。
実施例1〜6及び比較例1の評価結果を表1に示す。
Figure 2017115026
表1に示されるように、実施例1〜6の温度時間積算型インジケータは、光酸発生量が30モル%以上であり、一般照明下における色の変化量(=100−保存後の色の保持率)と、遮光下における色の変化量とがほぼ同じであることが示される。つまり、実施例1〜6の温度時間積算型インジケータは、一般照明下においても温度と時間の積算量を正確に測定できることが示される。
これに対して比較例1の温度時間積算型インジケータは、光酸発生量が30モル%未満であり、一般照明下における色の変化量が、遮光下における色の変化量と比べて著しく異なることが示される。即ち、光照射時に酸発生せずに残存する光酸発生剤が多いことから、一般照明下で保存する間に残存する光酸発生剤が酸を発生し、色の変化が遮光時よりも大きくなると考えられる。つまり、比較例1の温度時間積算型インジケータは、一般照明下では温度と時間の積算量を正確に測定できないことが示される。
本発明によれば、遮光していない環境下(例えば太陽光下や蛍光灯下)で使用しても、温度と時間の積算量を正確に測定できる温度時間積算型インジケータを提供できる。
10、10’、20 温度時間積算型インジケータ
11、21 基材層(D)
13 光酸発生剤層(B)
15 混合層(C)
17 色素層(A)
23 混合層(E)

Claims (12)

  1. 一般式(1)で表される化合物を含み、且つ光酸発生剤を実質的に含まない色素層Aと、
    前記光酸発生剤を含み、且つ前記一般式(1)で表される化合物を実質的に含まない光酸発生剤層Bとを含み、
    波長254nmの光を100mW/cm照射したときに、前記光酸発生剤から発生する酸の量が、前記光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上である、温度時間積算型インジケータ。
    Figure 2017115026
    (一般式(1)中、
    Zは、芳香族環又は芳香族複素環を構成する原子群を表し、
    Rは、前記芳香族環又は芳香族複素環が有する置換基を表し、
    mは、0〜3の整数を表し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよく、
    CPは、発色団を構成する基を表し、
    Lは、前記Zで表される原子群と前記CPとを連結し、これらと共役系を形成し、且つ前記光酸発生剤から発生する酸によって切断される二重結合を有する連結基を表す)
  2. 前記色素層Aと前記光酸発生剤層Bとの間に、前記一般式(1)で表される化合物と前記光酸発生剤とを含む混合層Cをさらに含む、請求項1に記載の温度時間積算型インジケータ。
  3. 前記混合層Cの厚みの、前記色素層A、前記光酸発生剤層B及び前記混合層Cの合計厚みに対する比率が80%以下である、請求項2に記載の温度時間積算型インジケータ。
  4. 前記色素層Aと前記光酸発生剤層Bの少なくとも一方は、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上のバインダ樹脂をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度時間積算型インジケータ。
  5. 基材層Dをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度時間積算型インジケータ。
  6. 前記基材層Dは、前記光酸発生剤層Bと接し、且つ透明である、請求項5に記載の温度時間積算型インジケータ。
  7. 一般式(1)で表される化合物と、光酸発生剤と、波長200〜360nmの光の平均透過率が30%以上であるバインダ樹脂とを含み、波長254nmの光を100mW/cm照射したときに、前記光酸発生剤から発生する酸の量が、前記光酸発生剤から理論上発生する酸の全量に対して30モル%以上である混合層Eを含む、温度時間積算型インジケータ。
    Figure 2017115026
    (一般式(1)中、
    Zは、芳香族環又は芳香族複素環を構成する原子群を表し、
    Rは、前記芳香族環又は芳香族複素環が有する置換基を表し、
    mは、0〜3の整数を表し、mが2以上のとき、複数のRは同じでも異なっていてもよく、
    CPは、発色団を構成する基を表し、
    Lは、前記Zで表される原子群と前記CPとを連結し、これらと共役系を形成し、且つ前記光酸発生剤から発生する酸によって切断される二重結合を有する連結基を表す)
  8. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、前記光酸発生剤100質量部に対して20〜120質量部である、請求項7に記載の温度時間積算型インジケータ。
  9. 基材層Dをさらに含む、請求項7又は8に記載の温度時間積算型インジケータ。
  10. 前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)、(3)又は(4)で表される化合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の温度時間積算型インジケータ。
    Figure 2017115026
    (一般式(2)〜(4)のZ、R、m及びCPは、前記一般式(1)のZ、R、m及びCPとそれぞれ同義である)
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の温度時間積算型インジケータが付与された被測定物を得る工程と、
    前記被測定物に付与された前記温度時間積算型インジケータに、波長200〜380nmの光を照射する工程と、
    前記光が照射された前記被測定物を保存する工程と、
    前記保存する工程の前後における前記温度時間積算型インジケータの色の変化から、前記保存する工程において被測定物が受けた温度と時間の積算量を測定する工程とを含む、温度時間積算量の測定方法。
  12. 前記温度時間積算型インジケータは、請求項1〜6及び10のいずれか一項に記載の温度時間積算型インジケータであって、
    前記温度時間積算型インジケータの光酸発生剤層B側に光を照射する、請求項11に記載の温度時間積算量の測定方法。
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