JP2017118850A - マシュマロの製造方法およびミックス粉 - Google Patents

マシュマロの製造方法およびミックス粉 Download PDF

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Abstract

【課題】マシュマロ生地の製造直後において、流動性を長期に保つことができるとともに硬さ変化などの物性変化が小さく、かつマシュマロのカット時には刃に付着しにくいことから、2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なものが得られるマシュマロの製造方法およびミックス粉を提供する。【解決手段】本発明のマシュマロの製造方法は、少なくとも水、糖質、およびゲル化剤を配合し、生地を得るマシュマロの製造方法であって、さらに粉末油脂を配合することを特徴としている。本発明のミックス粉は、糖質、粉末油脂、およびゲル化剤を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、マシュマロの製造方法およびマシュマロ製造用のミックス粉に関する。
マシュマロには、原材料によりメレンゲタイプとメレンゲ不使用タイプの2種類がある。
メレンゲタイプは、卵白を泡立て、加熱した糖液を入れ、その後ゼラチンを添加するタイプである。加熱した糖液は卵白の殺菌にも有用となっている。メレンゲタイプは、熱に弱く、長期流通が難しいことから小売販売をするケーキ店などで販売されている。保存性が悪く2週間程度の日持ちである。
メレンゲ不使用タイプ(糖液による起泡)は、加熱した糖液を作製し、ゼラチン等のゲル化剤と混合し起泡するタイプである。水と糖とを混合し110〜120℃程度に煮詰めた糖液に、溶解したゼラチン液を混合し、起泡させ36℃前後に冷却後、適宜成形し製造されている。メレンゲを使用しておらず、長期保存可能であることから流通菓子(マシュマロ)や2次加工され菓子やパンとして使用される。例えばパンやケーキ、クッキー等の製菓製パンにトッピングやナッペ、フィリングとして2次加工され喫食される。
マシュマロは、ゲル化剤による固化と糖の結晶化により、通常は36℃前後で固化することから、上記のような2次加工をする場合は、長期に流動性を保つことが求められている。
またメレンゲ不使用タイプでは、2次加工の際に物性の変化が少ないことが望ましい。例えば、硬さが変化すると、作業工程を見直す必要がある。例えばトッピングする場合には、圧力などの変更が必要である。
さらに、製造したマシュマロをカットする際には、刃にマシュマロが付着すると作業性が悪くなることから、刃にマシュマロが付着しにくいことが望まれている。
マシュマロは、通常は水と糖とを混合し、110〜120℃程度の高温で煮詰めることが必要である。砂糖の主成分であるショ糖は、煮詰め温度により物性が変わる。シロップを火にかけ煮詰めていくと、水分だけが徐々に蒸発し、100℃を超えるあたりでは水分が全体の17%程度となる。さらに煮詰めることにより水分が蒸発しシロップの温度が上がり粘りが強くなる。また煮詰めたものを冷却すると非常に細かい結晶状態とすることができる。マシュマロはシロップを110℃程度まで煮詰めることで飽和溶液とガラス体の間の過飽和溶液の状態となり、糖が強固な骨格となり、固化時の保形性を得ていると考えられる。
しかし、温度を110℃以上とするためには、特殊な装置が必要であり、簡便な方法での製造が難しく、110℃以上のような高温であるため、作業時の安全性に懸念がある。
また、ゼラチンなどのゲル化剤を高温の状態で添加すると、ゲル化剤自体のゲル強度が低下したり、ゲル化剤溶液が沸騰し、その際に泡をかみ、マシュマロの外観が悪くなったりする。そのため糖溶液を110〜120℃程度に煮詰めた後、ゲル化剤を添加するには、100℃以下としてから添加することが多い。
従来、マシュマロの製造方法として次のような技術が提案されている。
特許文献1、2は、起泡剤として乾燥卵白を使用するもので、洋菓子や和菓子に充填したり、絞り機でトッピングしたりするために流動性のあるマシュマロを製造することを目的として、乾燥卵白とペプチド類を配合することが提案されている。実施例では水分量が多い配合で比較的低温での流動性があることが記載されている。しかし、流動性を長期に保つことや、硬さ変化などの物性変化を抑えることが難しく、またマシュマロをカットする際の刃への付着性などを改善することはできない。
特許文献3には、低温でも包餡性などの作業性の良い含気泡生地を得ることを目的として、含気泡生地にマルトシルトレハロースを配合することが提案されている。しかし、流動性を長期に保つことや、硬さ変化などの物性変化を抑えることが難しく、またマシュマロをカットする際の刃への付着性などを改善することはできない。
特許文献4〜6には、マシュマロ生地に油脂を添加する技術が提案されている。
特許文献4では、泡の安定性を向上させるために起泡性乳化脂を添加している。しかし、歯切れのよい食感を得ることはできず、またマシュマロをカットする際の刃への付着性を改善することはできない。
特許文献5では、食感としてヌガーのようなチューイング性をもたせたマシュマロ様食品を目的として、大豆油などの油脂を添加している。しかし、歯切れのよい食感を得ることはできない。また、気泡感を高めるために加水分解植物タンパクを配合したことが記載されているが、乳タンパクについては記載されていない。
特許文献6では、噛み応えがよく、軽くてクリーミーな食感を目的として、ゼラチンおよび糖質を含む生地をホイップして比重0.2〜0.5の生地を得た後、この生地にカカオマス、ココアパウダー、チョコレートなどの油脂性原料を添加して比重0.9以下のマシュマロ生地を得ることが提案されている。しかし、歯切れのよい食感を得ることはできない。
特開2009−261381号公報 特開2009−261382号公報 国際公開第2006/16529号 特開2013−243990号公報 特開平4−335861号公報 特開2002−291413号公報
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、マシュマロ生地の製造直後において、流動性を長期に保つことができるとともに硬さ変化などの物性変化が小さく、かつマシュマロのカット時には刃に付着しにくいことから、2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なものが得られるマシュマロの製造方法およびミックス粉を提供することを課題としている。
また本発明は、製造時に110℃以上のような高温で処理することなく、安全かつ簡便にマシュマロ生地を得ることができるマシュマロの製造方法およびミックス粉を提供することを別の課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のマシュマロの製造方法は、少なくとも水、糖質、およびゲル化剤を配合し、生地を得るマシュマロの製造方法であって、さらに粉末油脂を配合することを特徴としている。
このマシュマロの製造方法において、さらに乳ペプチドを配合することが好ましい。
本発明のミックス粉は、糖質、粉末油脂、およびゲル化剤を含有する。
本発明によれば、マシュマロ生地の製造直後において、流動性を長期に保つことができるとともに硬さ変化などの物性変化が小さく、かつマシュマロのカット時には刃に付着しにくいことから、2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なものが得られる。
さらに、乳ペプチドを配合することで、製造時に110℃以上のような高温で処理することなく、安全かつ簡便にマシュマロ生地を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
1.マシュマロの製造方法
本発明のマシュマロの製造方法に使用される糖質としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類、フルクトース、ショ糖(スクロース)、マルトース、トレハロースなどの二糖類、オリゴ糖、デキストリン、水飴などの多糖類、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトールなどの糖アルコールや異性化糖などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ショ糖を主成分とする粉末状のものが好ましく、例えば、グラニュー糖、上白糖などの砂糖が挙げられる。また、砂糖と共に、トレハロース、水飴、転化糖などを好ましく併用することができ、特にマシュマロの歯切れが向上する点から砂糖とトレハロースを組み合わせることが好ましい。砂糖とトレハロースの配合比率は、質量比で99〜60:40〜1が好ましく、トレハロースに対する砂糖の比率(砂糖/トレハロース)を1.5〜4とすることが好ましく、1.5〜2.5とすることがより好ましい。またマシュマロ生地の流動性が向上する点からは砂糖と水飴を組み合わせることが好ましい。
本発明のマシュマロの製造方法における糖質の配合量は、マシュマロ生地に対して50〜75質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。また、マシュマロの製造時に添加される全量の水に対して190〜300質量%が好ましく、200〜280質量%がより好ましい。
本発明のマシュマロの製造方法に使用されるゲル化剤としては、ゼラチン、寒天、カラギーナン、ジェランガム、ペクチン、キサンタンガム、アラビヤガム、プルランなどが挙げられる。
これらの中でも、ゼラチンが好ましく、特にゼリー強度が150〜250のゼラチンを用いることが、マシュマロの保形性が良好となる点から好ましい。ここでゼリー強度は、ゼラチンの品質規格であり日本工業規格JIS K6503−1996に定められた測定方法により測定することができる。このようなゼラチンとしては、ゼラチンAP250(新田ゼラチン株式会社製)、ゼラチンAPM−250(ゼライス株式会社製)などの市販品が商業的に入手可能である。
本発明のマシュマロの製造方法におけるゲル化剤の配合量は、マシュマロ生地に対して1〜10質量%が好ましい。
本発明のマシュマロの製造方法においては、粉末油脂を配合する。粉末油脂を配合することで、2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なマシュマロを得ることができる。
本発明のマシュマロの製造方法に使用される粉末油脂としては、特に限定されるものではないが、水中油型乳化物を乾燥した粉末油脂を好ましく用いることができる。
粉末油脂に使用される油脂としては、食用であれば特に限定されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、カカオ脂、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、魚油それらの分別油またはそれらの加工油(硬化およびエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)などが挙げられる。これらの油脂は、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、油脂がラウリン系油脂を使用したものであると、経時的な食感(歯切れ)の変化が少ない点から好ましい。ここでラウリン系油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上、好ましくは40〜55質量%、より好ましくは45〜50質量%である。このようなラウリン系油脂としては、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のマシュマロの製造方法における粉末油脂の配合量は、糖質とゲル化剤の総量に対して10質量%以下が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.5〜7.5質量%が最も好ましい。粉末油脂の配合量がこの範囲内であると、マシュマロの製造時における粉末油脂の溶解性が良好で、生地中で微細な油滴が均一に分散し、これにより2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なマシュマロが得られる。
以下に、本発明のマシュマロの製造方法に使用される粉末油脂の一例について説明する。
粉末油脂は、賦形剤を含む水相に、上記のような油脂を含む油相を添加し、ホモミキサーなどで攪拌後、ホモジナイザーなどで均質化することにより、水中油型乳化物とし、その後、乾燥粉末化して得ることができる。
水中油型乳化物を乾燥粉末化する方法としては、一般的に知られている噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法などを用いることができる。
賦形剤としては、例えば、乳タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、コラーゲン、ゼラチンなどのタンパク、これらタンパクの分解物、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類、フルクトース、ショ糖(スクロース)、マルトース、トレハロースなどの二糖類、オリゴ糖、デキストリン、デンプンなどの多糖類、増粘多糖類、糖アルコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
粉末油脂は、必要に応じて、乳化剤を用いることができる。乳化剤は、食品用であれば特に限定されるものではなく、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウムなどが挙げられる。粉末油脂に乳化剤を配合する場合、通常は、油溶性乳化剤は油相に、水溶性乳化剤は水相に配合する。油相および水相には、酸化防止剤、着色料、フレーバーなどを適宜に配合してもよい。
以下に粉末油脂の製造方法の一例を説明する。
乳化工程では、前記の各原材料を乳化機の撹拌槽に投入して撹拌混合した後、圧力式ホモジナイザーで均質化する。
原材料の配合比は、特に限定されるものではないが、例えば、油脂と賦形剤の合計量100質量部に対して水50〜200質量部の範囲内にすることができる。
配合手順は、特に限定されるものではないが、例えば、賦形剤を水に室温で分散後、加熱下に攪拌して完全に溶解させた後、ホモミキサーで攪拌しながら、油脂を加熱溶解させたものを滴下して乳化することができる。
得られた乳化液は、圧力式ホモジナイザーに供給することによって油滴サイズが微細化される。例えば、市販の圧力式ホモジナイザーを用いて、10〜250kgf/cm2の程度の圧力をかけて均質化し、油滴サイズを微細化することができる。
次に、均質化した乳化液を高圧ポンプで噴霧乾燥機の入口に供給し、高温熱風を吹き込み、噴霧乾燥機の槽内に上方から噴霧する。噴霧乾燥された粉末は槽内底部に堆積される。噴霧乾燥機としては、例えば、アトマイザー方式やノズル方式で噴霧するスプレードライヤーを用いることができる。
次に、噴霧乾燥された粉末を噴霧乾燥機の槽内から取り出した後、振動流動槽などにより搬送しながら冷風で冷却することによって、粉末油脂を製造することができる。なお、適宜のときに加熱殺菌工程などを設けることもできる。
本発明では、少なくとも水、糖質、粉末油脂、およびゲル化剤を配合することによって、マシュマロ生地を製造する。例えば、以上に説明した原材料を用いて、次の方法で製造することができる。
水、糖質、粉末油脂、およびゲル化剤は、これらをすべて混合した後に加熱してもよいが、ゲル化剤は、特に100℃を超える温度に糖液を加熱する場合には、当該温度まで加熱後、100℃以下に放冷した糖液に添加することが、マシュマロの保形性が向上する点から好ましい。
好ましい態様は次のとおりである。水と糖質と粉末油脂とを混合し溶解することによって糖液を作製し、これとは別途に、水とゲル化剤を混合し、溶解させゲル化剤水溶液を作製する。糖液を作製する際には、水と糖質を添加し、溶解後に粉末油脂を添加してもよく、水と糖質と粉末油脂のすべてを混合してもよい。
次に、上記で作製した糖液を加熱する。加熱温度は、糖質と水の含有量にもよるが、糖質が溶解する温度であればよく、殺菌工程を兼ねることを考慮すると、80℃以上が好ましい。また、安全性を考慮すると、120℃以下が好ましく、110℃未満がより好ましく、100℃前後が特に好ましい。
マシュマロは、糖質が強固な骨格となり、固化時の保形性を得るために、通常は水と糖質とを混合し110〜120℃程度の高温で煮詰めることが必要である。しかし、本発明のマシュマロの製造方法では、さらに乳ペプチドを配合することで、製造時に110℃以上のような高温で処理することなく、安全かつ簡便にマシュマロ生地を得ることができる。
すなわち、本発明のマシュマロの製造方法の好ましい態様において、起泡させる工程の前に、少なくとも水、糖質、粉末油脂、および乳ペプチドを配合して加熱する工程を含み、その加熱温度が110℃未満、より好ましくは100℃以下である。
乳ペプチドを配合することより、加熱温度が110℃未満のような低温であっても、マシュマロの保形性が良好になる。特に、加熱温度を110℃未満、さらには100℃以下とし加熱時に煮詰めることをせずとも、良好な保形性を得ることができる。すなわち、粉末油脂と乳ペプチドを併用することで、加熱温度を通常よりも低温としてマシュマロ生地を製造することができる。
このように、乳ペプチドを配合することより、110℃未満のような低温で製造することができることから、作業時の安全性が良好である。また、糖液の温度を110℃以上とするには、特殊な装置が必要であるが、そのような装置を使用せずともよく、簡便な製造が可能である。さらに、ゼラチンなどのゲル化剤を、糖液を110〜120℃程度の高温の状態で添加すると、ゲル化剤自体のゲル強度が低下しマシュマロの保形性が低下したり、ゲル化剤水溶液が沸騰し、その際に泡をかみ、マシュマロの外観が悪くなったりするが、加熱温度を通常よりも低温、例えば100℃以下としてマシュマロ生地を製造することができるので、ゲル化剤の添加方法に制約が少ないことから簡便な製造が可能である。
乳ペプチドは、乳タンパクを加水分解したものであり、例えば、ホエイ由来の乳タンパク(αラクトアルブミン、βラクトグロブリン、ラクトフェリンなど)、カゼイン由来の乳タンパク(αカゼイン、βカゼイン、κカゼインなど)を加水分解したものが挙げられ、ホエイ由来の乳ペプチドとしては、W800(森永乳業株式会社製)、LE80GF―US(日本新薬株式会社製)、カゼイン由来の乳ペプチドとしては、エマルアップ、C800、CPOP、CU2500A、MCH-30(森永乳業株式会社製)、CE90GMM、CE90STL、WE80BG(日本新薬株式会社製)などの市販品が商業的に入手可能である。これらの中でも、保形性が良好となる点を考慮すると、ホエイ由来の乳ペプチドとカゼイン由来の乳ペプチドを併用することが好ましい。
糖液を加熱後、ゲル化剤を含有する糖液を例えば40〜45℃程度に保温しながら起泡(ホイップ)させる。ここで、糖液を110〜120℃程度に煮詰めた後にゲル化剤を添加するには、糖液を100℃以下としてからゲル化剤水溶液を添加することが好ましい。これにより、ゲル化剤自体のゲル強度が低下しマシュマロの保形性が低下したり、ゲル化剤溶液が沸騰し、その際に泡をかみ、マシュマロの外観が悪くなったりすることを抑制できる。糖液を110℃未満で加熱する場合、水、糖質、粉末油脂、およびゲル化剤をすべて混合した後に加熱してもよいが、特に100℃を超える温度に加熱する場合には、糖液を加熱した後に添加することが、マシュマロの保形性が向上する点から好ましく、糖液を加熱した後、100℃以下に放冷してから添加することがより好ましい。
ゲル化剤が添加された糖液を起泡させる方法としては、例えば、ミキサーなどの撹拌機を用いることができる。これにより、比重が好ましくは0.3〜0.6、より好ましくは0.5程度となるまで起泡させ成形してマシュマロが製造される。
成形は、マシュマロ生地が自然放冷により固化する前にノズルから連続的に押し出し、所望の大きさに切断する方法や、パンや菓子などにトッピングする場合は、デポジッターや絞り袋等により所望の形状に成形する方法が挙げられる。
マシュマロ生地は、成形後、自然放冷あるいは、冷却し、溶解した状態のゲル化剤が固化し最終製品のマシュマロが得られる。
本発明により得られるマシュマロは、流通菓子としてマシュマロ単独で食用に供されてもよく、2次加工によってマシュマロをパンや菓子などの可食物と組み合わせた食品として食用に供されてもよいが、例えば、パンやケーキ、クッキーなどの製菓製パンにトッピングやナッペ、フィリングとして2次加工される用途に好適である。
本発明によれば、マシュマロ生地の製造直後において、流動性を長期に保つことができるとともに硬さ変化などの物性変化が小さく、かつマシュマロのカット時には刃に付着しにくいことから、2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なものが得られる。例えば、製菓、製パン工場などの通常の製造設備を用いてマシュマロを製造するに際して、固化前の流動性のある状態のマシュマロ生地を利用することが容易となる。
本発明のマシュマロの製造方法では、本発明の効果を損なわない範囲内において、その他の原材料を配合することができる。その他の原材料としては、例えば、果汁、ジャム、ココア、チョコレートなどの呈味成分、香料、色素、乳化剤、乳成分(脱脂乳、クリーム、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク濃縮ホエイパウダー、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム等)などが挙げられる。これらは糖液を作製するときに添加してもよく、起泡後に添加してもよい。熱により風味が変化するものであれば、起泡後に添加することが好ましい。
2.マシュマロ製造用のミックス粉
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉は、糖質、粉末油脂、およびゲル化剤を含有する。これらの糖質、粉末油脂、およびゲル化剤については、上記項目1において説明したとおりのものが使用できる。
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉は、粉末状であるこれらの糖質、粉末油脂、およびゲル化剤を常法により均一に混合することによって、これらを含む粉末(粉体状)として得られる。
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉における糖質、粉末油脂、およびゲル化剤の配合比率は、質量比で80.0〜96.5:0.5〜12.0:3.0〜8.0が好ましい。
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉を用いて、マシュマロを製造する際には、上記項目1において説明した方法に準じて、このミックス粉を水と混合し、得られた混合液(糖液)を加熱する。この際にマシュマロ生地の流動性を向上させる点から、水飴を併用することもできる。この糖液を起泡させることによって、マシュマロ生地を得ることができる。
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉を用いて、マシュマロを製造する際には、マシュマロの保形性が向上し、またゲル化剤自体のゲル強度が低下したり、ゲル化剤溶液が沸騰し、その際に泡をかみ、マシュマロの外観が悪くなったりすることを抑制できる点から、糖液を110℃未満で加熱することが好ましく、100℃以下で加熱することがより好ましい。このような点から、本発明のマシュマロ製造用のミックス粉を用いて、マシュマロを製造する際には、乳ペプチドを配合することが好ましい。これにより、加熱温度が110℃未満のような低温であっても、マシュマロの保形性が良好になる。乳ペプチドについては、上記項目1において説明したとおりのものが使用できる。乳ペプチドは、予め本発明のマシュマロ製造用のミックス粉に配合してもよく、あるいは、マシュマロ製造時に、ミックス粉や水などと混合してもよい。
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉には、本発明の効果を損なわない範囲内において、その他の原材料を配合することができる。その他の原材料としては、上記項目1において説明したとおりのものが使用できる。
本発明のマシュマロ製造用のミックス粉によれば、粉末油脂を配合することで、マシュマロ生地の製造直後において、流動性を長期に保つことができるとともに硬さ変化などの物性変化が小さく、かつマシュマロのカット時には刃に付着しにくいことから、2次加工する際の作業性に優れ、さらに食感として歯切れが良好なものが得られる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1の配合は質量%、表2〜表4の配合は質量部を示す。
(1)粉末油脂の作製
表1に記載の油脂に乳化剤を添加し70℃に加熱し撹拌後、油相とした。表1の油相と水相の合計質量と同量の温水(60℃)にカゼインナトリウム、コーンシロップを添加し70℃に加熱し、水相とした。水相と油相を混合した後、圧力式ホモジナイザーを用いて150kgf/cm2の圧力で均質化し、水中油型乳化物を得た。得られた水中油型乳化物を、ノズル式スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥し、水分1.5質量%の粉末油脂を得た(噴霧乾燥条件:入口温度210℃)。
Figure 2017118850
(2)マシュマロの作製
<実施例1〜6、比較例1〜2>
表3の成分(1)の水とゼラチンを混合し、ゼラチンを膨潤させた後、60℃に加温し溶解させゼラチン溶液を得た。
表3の成分(2)を混合し、撹拌しながら直火にかけ、115℃まで加熱した。その後当該溶液を100℃まで放冷後、前記ゼラチン溶液を添加し、生地温度が40℃を下回らないように保持しながらミキサーで比重が0.5となるまで起泡させマシュマロ生地を得た。
その後、起泡させたマシュマロ生地を室温で放冷しマシュマロを得た。
<実施例7〜12、比較例3〜6>
表4の成分(1)の水とゼラチンを混合し、ゼラチンを膨潤させた後、60℃に加温し溶解させゼラチン溶液を得た。
表4の成分(2)を混合し、撹拌しながら直火にかけ、100℃まで加熱した。その後、前記ゼラチン溶液を添加し、生地温度が40℃を下回らないように保持しながらミキサーで比重が0.5となるまで起泡させマシュマロ生地を得た。
その後、起泡させたマシュマロ生地を室温で放冷しマシュマロを得た。
<実施例13、14>
表2に示す配合(質量部)で各成分を混合し、ミックス粉を作製した。
表4に示す配合(質量部)でミックス粉と乳ぺプチドを混合した。この混合物に水を添加し(実施例13は水と水飴を添加)、撹拌しながら直火にかけ、100℃まで加熱した。その後生地温度が40℃を下回らないように保持しながらミキサーで比重が0.5となるまで起泡させマシュマロ生地を得た。
その後、起泡させたマシュマロ生地を室温で放冷しマシュマロを得た。
Figure 2017118850
(3)評価
上記の実施例および比較例について以下の評価を行った。
[粘度変化]
200mlビーカーにマシュマロ生地を入れ、B型粘度計で製造直後の生地粘度(40℃)と、水分が蒸発しないよう表面をラップで覆い、40℃で1時間保温したときの生地粘度を測定し、変化率を以下の基準で評価した。
条件:ローターNo.6 回転数20rpm
変化率(%)=|1時間後の粘度−直後の粘度|/直後の粘度×100
評価基準
◎:変化率が10%以下
○:変化率が10%超〜15%以下
△:変化率が15%超〜50%以下
×:変化率が50%超
[流動性試験1]
200mlビーカーにマシュマロ生地を入れ、40℃に保持しながら、撹拌を続け、30分後に、撹拌を止めた際の流動性を確認した。
ビーカーを傾けた際のマシュマロ生地が流れる角度を目視により以下の基準で評価した。
評価基準
◎:傾きが25度未満で流動
○:傾きが25度以上45度未満で流動
△:45度以上で流動
×:45度以上傾けても流動しない(固化)
[流動性試験2]
流動性の確認として、パンへのトッピング試験を行った。
上記流動性試験1のマシュマロ生地(40℃に保持しながら、撹拌を続け、30分後の生地)を絞り袋に入れ、口径13.5mmの丸口金を使用し、市販のアンパン(直径6センチ、ドーム状)の上部に50グラムをトッピングし以下の基準で評価した。
評価基準
○:アンパンの表面を流れ、全体を被覆できる。
△:アンパンの表面を流れるが、全体は被覆できない。
×:アンパンの上部にとどまる。
[歯切れ]
製造直後と、製造後20℃で3日間保存したマシュマロの歯切れをパネルにより以下の基準で評価した。
なおパネルは、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準嗅覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判断された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
評価基準
◎:10名中8名以上が良好であると評価した。
○:10名中7〜5名が良好であると評価した。
△:10名中4〜3名が良好であると評価した。
×:10名中2名以下が良好であると評価した。
[離水]
20℃で7日間保存したマシュマロの離水の有無を目視で判断した。
[付着性]
20℃で3日間保存したマシュマロをナイフでカットし、ナイフへの付着の度合いを目視にて以下の基準で評価した。
評価基準
◎:全く付着なし
○:ほぼ付着なし
△:若干付着あり
×:付着あり
上記の評価結果を表3および表4に示す。
Figure 2017118850
Figure 2017118850

Claims (5)

  1. 少なくとも水、糖質、およびゲル化剤を配合し、生地を得るマシュマロの製造方法であって、
    さらに粉末油脂を配合する、マシュマロの製造方法。
  2. 粉末油脂の配合量が、糖質とゲル化剤の総量に対して10質量%以下である、請求項1に記載のマシュマロの製造方法。
  3. さらに乳ペプチドを配合する、請求項1または2に記載のマシュマロの製造方法。
  4. 起泡させる工程の前に、少なくとも水、糖質、粉末油脂、および乳ペプチドを配合して加熱する工程を含み、その加熱温度が110℃未満である、請求項3に記載のマシュマロの製造方法。
  5. 糖質、粉末油脂、およびゲル化剤を含有する、マシュマロ製造用のミックス粉。
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