JP2017155349A - 脱墨剤、及び脱墨パルプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で示される化合物を含有する脱墨剤、及び前記脱墨剤を用いた、活性エネルギー線硬化型インク印刷古紙を含む印刷古紙からインクを剥離させる工程と、剥離された活性エネルギー線硬化型インクを含むインクをフローテーション系から除去する工程とを含む脱墨パルプの製造方法。インクを剥離させる工程とは、解離工程、高濃度処理工程又は熟成工程を含むものである脱墨パルプの製造方法。
【選択図】なし
Description
<脱墨剤:一般式(1)で示される化合物>
本実施形態の脱墨剤には下記一般式(1)で示される化合物(第四級アンモニウム塩)が含まれる。これらは1種又は2種以上を使用することが出来る。
活性エネルギー線硬化型インクは熱エネルギーを必要とせず活性エネルギー線を照射するだけで簡便に硬化するインクであり、活性エネルギー線としては、可視光、UV、EB、LED、赤外線、X線、α線、β線、γ線などが挙げられ、活性エネルギー線硬化型インクとしては、例えば、UV硬化型インク、EB硬化型インク、LED硬化型インク、可視光硬化型インクなどがある。いずれのインクも、活性エネルギー線の照射により重合反応が起こり硬化するものである。
脱墨パルプの原料となる古紙は、印刷などされた紙類であればよく、金属インク、枚葉インク、新聞インク、オフ輪インク、トナーなどの酸化重合タイプ、浸透乾燥タイプ、加熱乾燥タイプ、熱硬化タイプ、活性エネルギー線硬化タイプなどあらゆるインクにより、凸版印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、インクジェット印刷などのあらゆる印刷方法によって印刷された新聞紙、雑誌、OA紙、チラシ、色上紙、模造紙、感熱や感圧記録紙、昇華転写紙などの上質古紙、中質古紙、低質古紙などが挙げられる。本実施形態の脱墨剤は、未剥離インクが多く残留しやすい活性エネルギー線硬化型インク印刷古紙の脱墨に対して特に有用である。なお、印刷古紙は様々な種類のインクが混在しているのが一般的であり、その中には活性エネルギー線硬化型インクが含まれている場合がある。
従来の脱墨パルプの製造方法は、一般的に、(I)古紙からインクを剥離する工程と、(II)剥離されたインクを排出する工程とを含む。より具体的には、(I)古紙からインクを剥離する必須工程としては、(A)古紙に物理的な操作を施して古紙の繊維を解きほぐす離解(パルピング)工程、任意な工程としては、(B)スクリーン等を用いて粗い不要物を取り除く粗選工程、(C)古紙を絞り攪拌(例えばニーディング操作)を行って古紙からインクの剥離を促進する高濃度処理工程、(D)古紙に加熱や漂白の処理などを含むがおもに離解された古紙をそのまま放置する熟成工程を含み、(II)剥離されたインクを排出する必須工程としては、(E)剥離したインクを泡に吸着後浮上させて除去するフローテーション工程、任意な工程としては、(F)古紙に水を加えて攪拌した後絞ったりする操作を繰り返して水中に出たインクを除去する洗浄工程を含む。前記具体的な脱墨工程はこれに限ったものではない。
本実施形態の脱墨剤の使用量は、脱墨性、コストの観点から、用いられる古紙の乾燥重量に対して、脱墨剤の純分として0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.0005質量%〜5質量%がより好ましく、0.001質量%〜1質量%が特に好ましい。
脱墨パルプの製造方法には通常、印刷古紙のインク除去のためにアルカリ剤が添加される。本実施形態の脱墨パルプの製造方法にもアルカリ剤を添加した方が好ましい。アルカリ剤は、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機系アルカリ剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を使用することが出来る。
アルカリ剤の使用量は、pHが6以上になるように添加することが好ましく、8以上がより好ましく、9以上が特に好ましい。
まず本実施形態の脱墨パルプの製造方法に添加する非イオン性界面活性剤について説明する。
次に本実施形態の脱墨パルプの製造方法に添加する高級脂肪酸またはその塩について説明する。
本実施形態の非イオン性界面活性剤、高級脂肪酸またはその塩の使用量は、脱墨性、コストの観点から、用いられる古紙の乾燥重量に対して、純分として0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜5質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
本実施形態の脱墨剤の添加時期は脱墨性の観点から、前記脱墨パルプの製造工程において、(I)古紙からインクを剥離する工程で添加する。具体的には(I)の工程を構成する複数の工程((A)離解(パルピング)工程、(B)粗選工程、(C)高濃度処理工程、(D)熟成工程)のいずれか一つ以上の工程で添加することが挙げられる。
本実施形態のアルカリ剤、非イオン性界面活性剤、高級脂肪酸またはその塩の添加時期は特に限定するものではないが、脱墨性の観点から、前記脱墨パルプの製造工程において、(I)古紙からインクを剥離する工程と、(II)剥離されたインクを排出する工程の(E)フローテーション工程のいずれか一つ以上の工程で添加することが好ましく、(II)の工程より前の、(I)の工程を構成する複数の工程((A)離解(パルピング)工程、(B)粗選工程、(C)高濃度処理工程、(D)熟成工程)のいずれか一つ以上の工程で添加することがより好ましい。更に、アルカリ剤は本発明の脱墨剤添加と同時期、あるいはその前に添加することが好ましい。また、脱墨パルプの製造方法において発生した白水を再利用する場合には、再利用する白水に添加してもよい。
また場合により、本実施形態の脱墨パルプの製造方法には、更にアニオン性界面活性剤を添加することができる。アニオン性界面活性剤としては高級アルコールのアルキレンオキシド付加物の硫酸エステル化物、高級アルコールのアルキレンオキシド付加物のリン酸エステル化物(モノエステル、ジエステル、トリエステル)、アルキル硫酸エステル化物、アルキルリン酸エステル化物(モノエステル、ジエステル、トリエステル)、アルキルスルホネートなどが挙げられる。
実施例、比較例に用いた脱墨剤:一般式(1)の化合物を下記表1、2に示す。表1、2においてR2〜R4は置換基としてのEO及び POは、それぞれ、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を示し、数字は付加モル数を示す。また表中で、例えば化合物No.(E3)のようにR2とR3の項目にまたいで(EO)4Hという記載がある場合は、R2とR3に合計で4モルのエチレンオキシドを付加したということを表す。また、例えば化合物No.(E12)のようにR1がラウリル/ステアリル(50/50)という記載がある場合は、R1がラウリル基である化合物とステアリル基である化合物が50:50で混合した化合物であることを表す。表3に実施例、比較例に使用した非イオン性界面活性剤、高級脂肪酸を示す。
JIS標準離解機に、印刷会社より入手したUV硬化型インク印刷古紙(以下古紙という)を100g、水酸化ナトリウムを2.5質量%(対古紙)、一般式(1)の化合物(E1)を0.4質量%(対古紙)、化合物(P1)を0.15質量%(対古紙)、及び水を古紙の濃度が5質量%となるように入れ、温度40℃にて、10分間離解した(離解工程)。一般式(1)の化合物(E1)処理時の処理槽のpHは12.5であった。
実施例2〜55、比較例1〜23は、表4〜10に示す成分及び組成に変えた他は、実施例1と同じ方法で熟成後の試験紙、及びフローテーション後の試験紙を得、下記評価試験に供した。
比較例24では、以下の手順にて試験紙を作成し、評価を行った。
熟成後の試験紙(又はフローテーション後の試験紙)の5cm×5cm部分(4箇所)について同倍率にてスキャナーで画像を取り込み、この画像を解析ソフト(Image Pro Plus)によって熟成後(又はフローテーション後)ダート面積率(%)、熟成後(又はフローテーション後)ダート平均粒子径(μm)を測定した。
フローテーション後の試験紙の脱墨性について試験紙から30cmの距離から目視にて観察を行い下記評価基準に従い評価した。評価結果を表4〜11に示す。なお、インクの微細化度合は、ダートの平均粒子径が80μm未満であることが好ましい。
2:粒径の細かいインク粒子がわずか見られる、大きいインク粒子は見られない
3:粒径の細かいインク粒子が多く見られる、大きいインク粒子は見られない
4:粒径の細かい粒子が多く見られ、大きいインク粒子はわずか見られる
5:粒径の細かい粒子と大きい粒子ともに多く見られる
脱墨性については、3の評価であれば実用上問題がなく、評価が1,2であればさらに脱墨性が優れていることになる。
表4〜7に示した実施例の結果から明らかなように、本実施形態の脱墨剤、及び脱墨パルプの製造方法によって得られた脱墨パルプは、インク粒子が細かく破壊されることでフローテーション処理によって細かいインク粒子が泡と共に系外に除去される結果、特に粒径の大きなインク粒子はほとんど見られず品質のよい脱墨パルプが得られた。
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
Claims (2)
- 下記一般式(1)で示される化合物を含有することを特徴とする脱墨剤。
(R1は、炭素数1〜22のアルキル基若しくはヒドロキシアルキル基、又は炭素数2〜22のアルケニル基若しくはヒドロキシアルケニル基であり、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基若しくはヒドロキシアルケニル基、ベンジル基、グリシジル基、又は下記一般式(2)で示される基であって、A1Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、nはA1Oの繰り返し単位の数であり、R2、R3、R4におけるnの合計が1〜15の整数であり、Yは水素又は炭素数1〜8のアシル基であり、R2、R3、R4の少なくとも一つ以上が下記一般式(2)で示される基である。X−は対イオンである。)
- 活性エネルギー線硬化型インク印刷古紙を含む印刷古紙からインクを剥離させる工程と、
剥離された活性エネルギー線硬化型インクを含むインクをフローテーション系から除去する工程と、
を含む脱墨パルプの製造方法において、前記インクを剥離させる工程で請求項1に記載された脱墨剤を用いることを特徴とする脱墨パルプの製造方法。
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