JP2017161344A - 制御棒操作監視方法及び制御棒操作監視システム - Google Patents

制御棒操作監視方法及び制御棒操作監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉の運転中において制御棒挿入阻止信号の生成の判定精度を向上させることができる制御棒操作監視方法を提供する。【解決手段】炉心の軸方向に配置される複数のLPRM6を含む4つの中性子検出器集合体5A,5B,5C及び5Dが炉心に同時に挿入される複数の挿入選択制御棒4のそれぞれに隣接して配置される。4つまたは3つの中性子検出器集合体5ごとに設けられた中性子束比算出ユニット51において、炉心の制御棒挿入端に最も近い位置Aの各LPRM6の平均LPRM信号に対する、位置B,位置C及び位置Dのそれぞれの各LPRM6の平均LPRM信号の比(中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AA)を中性子束比算出装置13Aでそれぞれ算出する。これらの中性子束比のうち最大の中性子束比が設定中性子束比を超えたとき、局所領域制御棒挿入監視装置11Aが生成した制御棒挿入阻止信号を出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、制御棒操作監視方法及び制御棒操作監視システムに係り、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な、制御棒の挿入操作を監視できる制御棒操作監視方法及び制御棒操作監視システムに関する。
沸騰水型原子炉では、制御棒の操作、具体的には、制御棒の引抜操作の監視が、一般的に行われている。この制御棒の引抜操作の監視は、炉心に配置された中性子検出器の一種である局所出力領域モニター(LPRM)からの出力信号が入力される制御棒引抜監視装置を用いて行われる。
沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に存在する炉心には、複数の燃料集合体が装荷されている。炉心は、1体の制御棒及びこの制御棒の周囲に配置された4体の燃料集合体を含む複数のセルを有する。LPRMを含む複数のLPRM集合体は、隣り合う4つのセルのそれぞれに含まれる1体の燃料集合体であって互いに隣り合っている4体の燃料集合体のコーナー部に囲まれた領域(制御棒が挿入されない領域)の一部にそれぞれ配置される。具体的には、炉心の対角線に対する1/2対称性を考慮して、その対角線で折り返した場合に、制御棒が装荷されている対角の全ての位置に装荷されているようになっている。各LPRM集合体は、チューブ、及びこのチューブ内で、炉心の軸方向において異なる位置である4つの位置(A,B,C及びD)にそれぞれ配置される4つのLPRMを含んでいる。位置A,B,C及びDのうち位置Aは最も下方に位置し、位置B,C及びDは、炉心の軸方向において、この順に、高くなっている。
沸騰水型原子炉の運転中において、原子炉出力を上昇させるために、炉心から引き抜かれる制御棒が選択される。制御棒の引き抜きは、1本の制御棒を引き抜くシングルモードまたは複数本の制御棒を同時に引き抜くギャングモードで行われる。
特開平1−253695号公報に記載されているように、炉心から引き抜く制御棒が選択されたとき、この選択された制御棒の周囲に存在してこの制御棒に近接した4体のLPRM集合体が選択され、選択された4体のLPRM集合体で位置A及び位置Cに配置された合計8個のLPRMから出力された各信号が、制御棒引抜監視装置の一つのチャンネルに入力されて平均化される。さらに、その4体のLPRM集合体で位置B及び位置Dに配置された合計8個のLPRMから出力された各信号(LPRM信号)が、制御棒引抜監視装置のもう一つのチャンネルに入力されて平均化される。前者のチャンネル(A及びC)で得られたLPRM信号の平均及び後者のチャンネル(B及びD)で得られたLPRM信号の平均のいずれかが設定値を超えたとき、制御棒引抜監視装置は、選択された制御棒の引き抜きを阻止する制御棒引抜阻止信号をその選択された制御棒を操作する制御棒駆動装置に出力する。この制御棒駆動装置は駆動を停止し、選択された制御棒の引き抜きが阻止される。
上記の制御棒引抜監視装置は、原子炉出力の上昇のための制御棒の引抜き操作において引き抜かれる制御棒に隣接する燃料集合体の異常な出力上昇を抑え、燃料集合体に含まれる燃料棒の破損を防止する機能を有する。このような制御棒引抜監視装置は、出力上昇による燃料棒の破損を防止するという観点から、原子炉出力が上昇する制御棒引抜きのみを監視対象としている。
炉心への制御棒の挿入を阻止する機能を有する制御棒操作監視装置の一例が、特開2012−163438号公報に記載されている。この制御棒操作監視装置は、炉心からの制御棒の引き抜きを阻止する機能も有している。
原子炉においては、複数本の制御棒を引き抜いて原子炉を短時間局所的に臨界にする冷温臨界試験が、原子炉の運転停止中に実施される。冷温臨界試験では、制御棒の1ノッチ引き抜き時の反応度投入量が制限されており、この制限を超える場合には、この1ノッチの制御棒引き抜き前に分散操作が行われる。分散操作とは、反応度価値の大きい制御棒の引き抜き操作を行う前に、他の制御棒を引き抜いて小さい反応度価値を投入してこの投入された反応度価値を確認し、問題がなければ、当該他の制御棒を挿入した後に、反応度価値の大きい前者の制御棒を引き抜く操作である。分散操作では、制御棒の引き抜き操作と他の制御棒の挿入操作の両方が行われる。
特開2012−163438号公報に記載された制御棒操作監視装置は、分散操作において挿入する制御棒がシーケンスと異なって選択された場合には、その選択された制御棒の炉心への挿入を阻止する。また、分散操作において引き抜く制御棒がシーケンスと異なって選択された場合には、その制御棒操作監視装置は、その選択された制御棒の炉心からの引き抜きを阻止する。
特開平1−253695号公報 特開2012−163438号公報
原子炉の運転中における炉心への制御棒の挿入は、原子炉出力を減少させるため、燃料棒の破損の危険性は少ない。しかしながら、制御棒を炉心に挿入する場合でも、多数の制御棒が同時に挿入されるときには、炉心の軸方向における出力分布が歪み、制御棒が挿入されていない炉心上部の出力が上昇するため、その部分で燃料棒の破損が発生する可能性がある。したがって、制御棒の挿入時においても、誤った制御棒の挿入操作に伴う出力の局所的な増大を監視し、万が一、燃料棒の破損の可能性がある場合には制御棒の挿入を阻止することが望ましい。
前述の制御棒引抜監視装置では、引き抜く制御棒が選択されると、前述したように、一つのチャンネル(A及びC)においてその選択制御棒に近接する位置A及び位置Cに存在する8個のLPRMからのLPRM信号が平均化され、他の一つのチャンネル(B及びD)においてその選択制御棒に近接する位置B及び位置Dに存在する8個のLPRMからのLPRM信号が平均化される。これらの二つのチャンネルのそれぞれで平均化されたLPRM信号の値は、平均出力領域モニター(APRM)の出力信号の値に規格化される。例えば、選択された制御棒の引き抜き前の原子炉出力が定格出力の100%であれば、制御棒引抜監視装置の前述の二つのチャンネルで平均化されたそれぞれの値は100%となる。そして、制御棒の引き抜き操作により、いずれかのチャンネルで平均化された値が、例えば105%になると、選択された制御棒の引き抜きが阻止される。
二つのチャンネルでそれぞれ平均化されたLPRM信号のいずれかが設定値を超えたときに制御棒の引き抜きを阻止するという制御棒引抜監視装置における制御棒の引き抜き阻止の考え方を、制御棒の挿入阻止に適用した場合には、以下の課題が生じることを発明者らが新たに見出した。
すなわち、複数本の制御棒を炉心に同時に挿入した場合には、炉心上部の出力が上昇するが、炉心下部の出力が低下する。このため、位置A及び位置Cにおける各LPRM信号を平均化し、位置B及び位置Dにおける各LPRM信号を平均化した場合には、出力の上昇を検知することが難しくなり、制御棒の挿入阻止を適切に行うことができなくなる。
また、制御棒の挿入操作により炉心上部の出力が上昇する場合において、例えば、チャンネルで平均化されたLPRM信号の値が100%から105%に変化するときのように、その平均値の変化幅が小さい場合には、LPRM信号のゆらぎの影響を受け、LPRM信号の平均化された値が設定値を超えてしまい、制御棒の炉心への挿入が阻止される可能性がある。すなわち、LPRM信号のゆらぎの影響がなければ、制御棒の炉心への挿入が継続されるにもかかわらず、LPRM信号のゆらぎの影響により、原子炉の通常運転時における制御棒の適切な挿入操作を間違って阻止してしまう可能性がある。
このため、原子炉の通常運転時における制御棒の挿入阻止の判断を精度良く行い、制御棒の挿入操作の間違った阻止を防止することが必要になる。
本発明の目的は、原子炉の運転中において制御棒挿入阻止信号の生成の判定精度を向上させることができる制御棒操作監視方法及び制御棒操作監視システムを提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、炉心に挿入される挿入選択制御棒に隣接する中性子検出器集合体に含まれて炉心の軸方向に配置される複数の中性子検出器のうち炉心の制御棒挿入端に最も近い第1の位置に存在する中性子検出器で測定される中性子束に対する、この中性子検出器よりも炉心の他端側の第2の位置に存在する他の中性子検出器で測定される中性子束の比である中性子束比を算出し、
この中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、その挿入選択制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成することにある。
第1の位置に存在する中性子検出器で測定される中性子束に対する第2の位置に存在する他の中性子検出器で測定される中性子束の比である中性子束比を算出し、この中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、その挿入選択制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成するので、原子炉の運転中において制御棒挿入阻止信号の生成の判定精度を向上させることができ、その制御棒挿入阻止信号を間違って生成することを低減することができる。
本発明によれば、原子炉の運転中において制御棒挿入阻止信号の生成の判定精度を向上させることができ、その制御棒挿入阻止信号を間違って生成することを低減できる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の制御棒操作監視システムを示す構成図である。 図1に示された制御棒挿入監視装置の詳細構成図である。 本発明の好適な他の実施例である実施例2の制御棒操作監視システムを示す構成図である。
発明者らは、制御棒引抜監視装置における制御棒の引き抜き阻止の考え方を制御棒の挿入阻止に適用した場合に生じる課題を改善する対策について種々の検討を行った。この検討結果を以下に説明する。
原子炉の運転中における燃料棒の破損回避に対しては、前述したように、制御棒引抜監視装置を設置し、二つのチャンネルでそれぞれ平均化されたLPRM信号のいずれかが設定値を超えたとき、制御棒引抜監視装置によりその選択制御棒の引き抜きを阻止することが一般に行われている。
通常運転時のシングルモード(1本)またはギャングモード(4、8本)による制御棒の挿入では炉心の出力が局所的に増加する可能性はほとんどないが、何らかの原因により全ての制御棒またはそれと同程度の本数の制御棒がモータ駆動の制御棒駆動機構により同時に挿入される場合は、炉心の出力が局所的に増加する可能性がある。なお、全ての制御棒を挿入する場合でも適切な本数毎に時間差を設けて順次挿入すれば、局所的な出力の増加は回避できる。制御棒の挿入により炉心の出力が局所的に設定値を超える場合には、燃料棒の破損を避けるためにも、挿入操作されている制御棒の挿入阻止を行う必要がある。上記の制御棒引き抜き阻止の考え方を、制御棒の挿入阻止に適用した場合には、前述の二つの課題が生じる。すなわち、第1の課題は、炉心下部のLPRM信号(位置AのLPRM信号または位置BのLPRM信号)と炉心上部のLPRM信号(位置CのLPRM信号または位置DのLPRM信号)を平均化することにより、出力の上昇を検知することが難しくなることである。さらに、第2の課題は、LPRM信号の平均値の変化幅が小さい場合には、LPRM信号のゆらぎの影響を受け、LPRM信号の平均化された値が設定値を超えてしまい、正常な制御棒の炉心への挿入が誤って阻止される可能性があることである。
これらの課題を改善し、原子炉の運転中における、制御棒の炉心への挿入操作を精度良く阻止できるのはどのような対策であるのか、について発明者らは種々の検討を行った。これらの検討によって、発明者らは、一つの知見を得ることができた。この知見は、挿入された選択制御棒に近接してこの制御棒の周囲に存在する燃料集合体の軸方向の出力は、この燃料集合体の、その選択制御棒の挿入部分に隣接している部分で低くなり、最も低いその出力は制御棒の炉心への挿入度合いによってほとんど変化しないという現象に着目することにより得られた。
例えば、沸騰水型原子炉では、制御棒が下方から炉心に挿入される。このため、沸騰水型原子炉では、挿入された選択制御棒に近接してこの制御棒の周囲に存在する燃料集合体の軸方向の出力は、この燃料集合体の、炉心の下端側でより早く出力が低くなる。また、加圧水型原子炉では、制御棒が上方から炉心に挿入される。このため、加圧水型原子炉では、挿入された選択制御棒に近接してこの制御棒の周囲に存在する燃料集合体の軸方向の出力は、この燃料集合体の、炉心の上端側でより早く出力が低くなる。
このような現象に着目することによって、炉心に制御棒が挿入された状態において、挿入された選択制御棒に近接してこの制御棒の周囲に存在する燃料集合体の、炉心の制御棒挿入端(沸騰水型原子炉における炉心の下端、及び加圧水型原子炉の炉心の上端)側でのその選択制御棒の挿入部分に隣接している部分での出力(以下、説明の都合上、燃料集合体の隣接部分の出力という)を基準にし、燃料集合体のその部分での出力に対する、挿入された選択制御棒に近接してこの制御棒の周囲に存在するその燃料集合体の、その選択制御棒の挿入部分に隣接していない部分での出力(以下、説明の都合上、燃料集合体の非隣接部分の出力という)の比に基づいて、選択制御棒の挿入を阻止するか否かを判定すれば良いとの新たな知見を得ることができた。
燃料集合体の隣接部分の出力は、挿入選択制御棒に近接して配置された、複数の中性子検出器を含む中性子検出器集合体の、その挿入選択制御棒の炉心への挿入部分に隣接している中性子検出器で検出された中性子束に相当する。また、燃料集合体の非隣接部分の出力は、その中性子検出器集合体の、その挿入選択制御棒の炉心への挿入部分に隣接していない中性子検出器で検出された中性子束に相当する。
燃料集合体の隣接部分の出力に対する燃料集合体の非隣接部分の出力の比を用いて制御棒挿入阻止信号を出力するかの判定することによって、炉心下部の出力(位置AのLPRM信号または位置BのLPRM信号)と炉心上部の出力(位置CのLPRM信号または位置DのLPRM信号)の平均化を行う必要がなくなるために第1の課題を解消することができ、さらに、全ての制御棒またはそれと同程度の本数の制御棒がFMCRDにより同時に挿入される場合には、軸方向出力分布が異常に歪むことから挿入阻止信号を励起する出力比は大きな値を設定できるため、正常な挿入操作の場合ではゆらぎがあったとしても設定値には到達しにくくなるため、ゆらぎの影響による制御棒挿入阻止信号の生成を抑制でき、第2の課題を改善することができる。
上記の新たな知見に基づいてなされた本発明の、実施例を、以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の制御棒操作監視方法を、図面を用いて以下に説明する。
まず、本実施例の制御棒操作監視方法が適用される改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の概略を、図1を用いて説明する。原子炉1は、原子炉圧力容器2、複数の燃料集合体3が装荷された炉心(図示せず)及び複数の制御棒4を備えている。これらの燃料集合体3が装荷された炉心は原子炉圧力容器2内に配置される。ABWRでは、例えば、191本の制御棒が設けられている。制御棒4が炉心に装荷されて隣り合う燃料集合体3の相互間に挿入され、各制御棒4の周りを4体の燃料集合体3が取り囲んでいる。それぞれの制御棒4は、別々に、モータ駆動の制御棒駆動機構(以下、CRDという)7に連結される。このCRD7は、スクラム時に制御棒4を炉心に急速挿入するとき、モータではなく高圧の駆動水により駆動される。CRD7は、原子炉圧力容器2の底部に取り付けられた制御棒駆動機構ハウジング(図示せず)内に設置され、制御棒4の炉心への挿入操作及び制御棒4の炉心からの引抜操作を行う。炉心の軸方向に配置された4個の局所出力領域モニター(以下、LPRMという)6を含む複数のLPRM集合体5が、炉心内で燃料集合体3の相互間で制御棒4の操作に支障が生じない位置に配置される。各LPRM6は中性子検出器であり、炉心の軸方向に配置された複数個(例えば、4個)のLPRM6を含むLPRM集合体5は中性子検出器集合体である。これらのLPRM集合体5は、炉心の対角線に対する1/2対称性を考慮して、その対角線で折り返した場合に、制御棒が装荷されている対角の全ての位置に装荷されているようになっている。炉心流量検出器9が原子炉圧力容器2に設置される。各LPRM集合体5のチューブ(図示せず)内で、4個のLPRM6が、図2に示すように、炉心の下端から炉心の上端に向かってA,B,C及びDのそれぞれの位置に配置されている。
本実施例の制御棒操作監視方法に用いられる制御棒操作監視システム10は、図1に示すように、制御棒挿入監視装置11、制御棒引抜監視装置15、制御棒操作監視装置16及び制御棒駆動補助盤17を有する。
各LPRM6に1本ずつ接続された配線20は、制御棒引抜監視装置15に接続される。各LPRM6に1本ずつ接続された配線20に別々に接続された各配線22は、平均出力領域モニター(以下、APRMという)47に接続される。炉心流量検出器9が配線23によって制御棒引抜監視装置15に接続される。制御棒引抜監視装置15が、配線24によって制御棒操作監視装置16に接続される。表示装置19を有する操作盤18が配線26によって制御棒操作監視装置16に接続される。制御棒操作監視装置16が配線27によっても操作盤18に接続される。制御棒駆動補助盤17が、配線28によって制御棒操作監視装置16に接続され、配線29によってCRD7に接続される。
各LPRM6に1本ずつ接続された配線20に別々に接続された配線21は、制御棒挿入監視装置11に接続される。さらに、制御棒挿入監視装置11に接続された配線31は、制御棒操作監視装置16に接続される。
制御棒挿入監視装置11の構成を、図2を用いて説明する。制御棒挿入監視装置11は、局所領域制御棒挿入監視装置(第1制御棒挿入監視装置)11A、広域領域制御棒挿入監視装置(第2制御棒挿入監視装置)11B及びオア回路50を有する。
局所領域制御棒挿入監視装置11Aは複数の中性子束比算出ユニット51、複数の制御棒挿入阻止装置14A及びオア回路49を含み、各中性子束比算出ユニット51は、4つの中性子束平均装置12A及び一つの中性子束比算出装置13Aを含んでいる。
中性子束比算出ユニット51の個数と挿入選択制御棒の本数の関係を以下に説明する。
一つの運転サイクルにおける原子炉の運転においては、後述するように、複数の制御棒パターン交換が実施される。これらの制御棒パターン交換においては、制御棒パターン交換実施前とその実施後では、原子炉の運転中に炉心に挿入されて原子炉出力の制御に用いられる制御棒4の炉心横断面におけるパターンが変わっている。挿入選択制御棒4の炉心への挿入は、制御棒パターン交換時に行われる。このとき、複数の挿入選択制御棒4が同時に炉心に挿入される。
局所領域制御棒挿入監視装置11Aでは、同時に挿入される複数の挿入選択制御棒4ごとに、中性子束比算出ユニット51を設けることが好ましい。これにより、同時に挿入される複数の挿入選択制御棒4のそれぞれに隣接する燃料集合体の出力が設定出力を超えたかをリアルタイムで判定することができる。
しかしながら、一つの運転サイクルにおける制御棒パターン交換において同時に挿入する挿入選択棒4の本数は、その運転サイクルで実施される複数の制御棒パターン交換の間においては勿論のこと、一つの制御棒パターン交換においても異なっている。一つの制御棒パターン交換においては、挿入すべき挿入選択制御棒4を本数の異なる複数のグループに分け、グループごとに複数の挿入選択制御棒4を同時に挿入する可能性もある。このため、一つの運転サイクルの複数の制御棒パターン交換において、同時に挿入される挿入選択制御棒4の本数のうち最大の本数に基づいて、中性子束比算出ユニット51の個数を決定する。中性子束比算出ユニット51の個数は、制御棒パターン交換において同時に挿入される挿入選択制御棒4の最大本数と同じにする。
各中性子束比算出ユニット51に含まれる複数の中性子束平均装置12Aは、炉心に挿入される挿入選択制御棒4に近接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5のそれぞれの位置Aに配置されたLPRM6、その4つのLPRM集合体5のそれぞれの位置Bに配置されたLPRM6、その4つのLPRM集合体5のそれぞれの位置Cに配置されたLPRM6及びその4つのLPRM集合体5のそれぞれの位置Dに配置されたLPRM6ごとに設けられる。位置Aに配置されたLPRM6に対応して設けられた中性子束平均装置12Aが、中性子束平均装置12Aaである。位置Bに配置されたLPRM6に対応して設けられた中性子束平均装置12Aが、中性子束平均装置12Abである。位置Cに配置されたLPRM6に対応して設けられた中性子束平均装置12Aが、中性子束平均装置12Acである。位置Dに配置されたLPRM6に対応して設けられた中性子束平均装置12Aが、中性子束平均装置12Adである。
例えば、一つの運転サイクルの複数の制御棒パターン交換において同時に挿入される挿入選択制御棒4の最大本数が、8本であると想定する。この場合には、局所領域制御棒挿入監視装置11Aは、8つの中性子束比算出ユニット51及び8つの制御棒挿入阻止装置14Aを有する。
選択挿入制御棒4に近接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5のそれぞれに含まれるLPRM6と中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adとの接続状態の概念を以下に説明する。
或る1本の挿入選択制御棒4に近接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5が、例えば、図2に示されたLPRM集合体5A,5B,5C及び5Dであるとする。LPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれに含まれる、位置Aに配置されたLPRM6が、別々の配線21により、一つの中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Aaに接続される。LPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれに含まれる、位置Bに配置されたLPRM6が、別々の配線21により、その中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Abに接続される。LPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれに含まれる、位置Cに配置されたLPRM6が、別々の配線21により、その中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Acに接続される。また、LPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれに含まれる、位置Dに配置されたLPRM6が、別々の配線21により、その中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Adに接続される。
その一つの中性子束比算出ユニット51では、中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adが、一つの中性子束比算出装置13Aに接続される。
前述の或る1本の挿入選択制御棒4と同時に炉心に挿入される残りの7本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応して、局所領域制御棒挿入監視装置11Aに設けられた残りの7つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれにおいても、前述の一つの中性子束比算出ユニット51と同様に、中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adが、その7本の挿入選択制御棒4のうち該当する1本の挿入選択制御棒4に近接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5のそれぞれの位置AにおけるLPRM6,位置BにおけるLPRM6,位置CにおけるLPRM6及び位置DにおけるLPRM6に接続され、さらに、一つの中性子束比算出装置13Aに接続される。
以上に述べた、選択挿入制御棒4に近接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5のそれぞれに含まれるLPRM6と中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adとの接続状態の概念は、制御棒パターン交換で同時に8本の挿入選択制御棒4が選択されたときにおけるそれらの接続状態を示している。一つの運転サイクルにおいて実施される複数回の制御棒パターン交換では、常に同じ挿入選択制御棒4が操作されるとは限らず、炉心の横断面において異なる位置に配置された制御棒が挿入選択制御棒4として操作されることもあり、また、同時に炉心に挿入される挿入選択制御棒4の本数も最大本数(例えば、8本)以下の範囲で異なっている。以上の事情を考慮し、選択された各選択挿入制御棒4に近接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5のそれぞれに含まれるLPRM6と中性子束比算出ユニット51に含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adとの接続状態の自由度を担保するために、制御棒挿入監視装置11は所定の数のLPRM信号選択部を有している。これらのLPRM信号選択部を用いた、LPRM集合体5の各LPRM6と中性子束比算出ユニット51の中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adとの接続状態を以下に説明する。
8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Aaは、中性子束比算出ユニット51ごとに制御棒挿入監視装置11の別々のLPRM信号選択部(図示せず)を介して、配線21により、複数の制御棒パターン交換において挿入される全ての挿入選択制御棒4のそれぞれに近接してそれぞれの周囲に配置された各LPRM集合体5の位置Aに存在するLPRM6に接続される。8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Abは、中性子束比算出ユニット51ごとに制御棒挿入監視装置11の別々の他のLPRM信号選択部を介して、配線21により、その全ての挿入選択制御棒4のそれぞれに近接してそれぞれの周囲に配置された各LPRM集合体5の位置Bに存在するLPRM6に接続される。8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Acは、中性子束比算出ユニット51ごとに制御棒挿入監視装置11の別々の他のLPRM信号選択部を介して、配線21により、その全ての挿入選択制御棒4のそれぞれに近接してそれぞれの周囲に配置された各LPRM集合体5の位置Cに存在するLPRM6に接続される。8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Adは、中性子束比算出ユニット51ごとに制御棒挿入監視装置11の別々の他のLPRM信号選択部を介して、配線21により、その全ての挿入選択制御棒4のそれぞれに近接してそれぞれの周囲に配置された各LPRM集合体5の位置Dに存在するLPRM6に接続される。
8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれの中性子束比算出装置13Aは、別々の制御棒挿入阻止装置14Aに接続される。各制御棒挿入阻止装置14Aがオア回路49に接続される。
広域領域制御棒挿入監視装置11Bは、複数の中性子束平均装置12B、中性子束比算出装置13B及び制御棒挿入阻止装置14Bを含んでいる。中性子束平均装置12Bは、炉心に配置された全てのLPRM集合体5に含まれる位置AのLPRM6、位置BのLPRM6、位置CのLPRM6及び位置DのLPRM6ごとに設けられる。
具体的には、図2に示された全て(n本)のLPRM集合体5であるLPRM集合体5A,5B,5C,5D,……,5nのそれぞれに含まれる、位置Aに配置されたLPRM6が、別々の配線21により中性子束平均装置12Baに接続される。それらのLPRM集合体5のそれぞれに含まれる、位置Bに配置されたLPRM6が、別々の配線21により中性子束平均装置12Bbに接続される。それらのLPRM集合体5のそれぞれに含まれる、位置Cに配置されたLPRM6が、別々の配線21により中性子束平均装置12Bcに接続される。また、それらのLPRM集合体5のそれぞれに含まれる、位置Dに配置されたLPRM6が、別々の配線21により中性子束平均装置12Bdに接続される。さらに、中性子束平均装置12Ba,12Bb,12Bc及び12Bdが中性子束比算出装置13Bに接続され、中性子束比算出装置13Bが制御棒挿入阻止装置14Bに接続される。
局所領域制御棒挿入監視装置11Aのオア回路49及び広域領域制御棒挿入監視装置11Bの制御棒挿入阻止装置14Bがオア回路50に接続される。前述した、制御棒挿入監視装置11に接続された配線31は、制御棒挿入監視装置11のオア回路50に接続される。
ABWRでは、2体のCRD7ごとに1台の水圧制御ユニットが設けられ、1台の水圧制御ユニットが2体のCRD7に接続されている。水圧制御ユニットの個数は、ABWRに設けられたCRD7の体数の1/2である。水圧制御ユニットは、アキュームレータ41、及び加圧された窒素が充填された窒素容器42を含んでいる。窒素容器42がアキュームレータ41に接続される。開閉弁であるスクラム弁43が設けられたスクラム配管44が、アキュームレータ41と1体のCRD7を接続する。図示されていないが、他のスクラム弁43が設けられた他のスクラム配管44が、スクラム弁43の上流で図示されているスクラム配管44に接続され、さらに、他の1体のCRD7に接続される。操作盤18に接続された配線52が、アキュームレータ41に接続された各スクラム配管44に設けられた各スクラム弁43に接続される。
制御棒操作監視システム10を用いて行われる本実施例の制御棒操作監視方法を以下に説明する。本実施例の制御棒操作監視方法は、制御棒引抜監視方法及び制御棒挿入監視方法を含んでいる。
まず、その制御棒引抜監視方法について説明する。
或る一つの運転サイクルのABWR起動時において、制御棒4が、CRD7の操作により、炉心から引抜かれて未臨界状態から臨界状態になる。その後、制御棒4がさらに引抜かれる昇温昇圧過程を経て、原子炉出力が定格出力まで上昇される。このような制御棒4の引抜きに際して、制御棒引抜シーケンスの制御棒引抜情報が、順次、操作盤18の表示装置19に表示される。引抜き対象の制御棒(以下、引抜選択制御棒という)4に関する制御棒引抜情報は、引抜選択制御棒4の炉心横断面における位置情報及び設定引抜量の情報を含んでいる。オペレータは、表示装置19に表示された制御棒引抜情報に基づいて、次に引抜く引抜選択制御棒4の炉心横断面での位置情報及び設定引抜量情報を操作盤18から入力する。これらの情報を入力することによって、該当する引抜選択制御棒4を操作するCRD7に対する制御棒引抜指令が、操作盤18から配線26を経て制御棒操作監視装置16に出力される。この制御棒引抜指令は、引抜選択制御棒4の上記位置情報及び設定引抜量情報を含んでいる。
さらに、制御棒引抜指令を入力した制御棒操作監視装置16は、引抜選択制御棒4に対する制御棒引抜要求信号を配線28を経て制御棒駆動補助盤17に出力する。制御棒引抜要求信号に基づいて制御棒駆動補助盤17から出力された制御棒引抜信号が、上記位置情報で指定された引抜選択制御棒4を操作するCRD7のモータを駆動させる。モータの駆動によってCRD7が操作され、引抜選択制御棒4が設定引抜量だけ炉心から徐々に引抜かれる。引抜選択制御棒4の引抜量は、CRD7に設けられた制御棒位置検出器(図示せず)で検出された、炉心軸方向における引抜選択制御棒4の位置に基づいて把握することができる。
原子炉出力の上昇過程では、引抜選択制御棒4の引抜きによって、原子炉出力が上昇する。特に、引抜選択制御棒4に隣接する4体の燃料集合体3で出力が増大する。
ABWRの運転中、炉心には冷却水が供給され、燃料集合体3に含まれる各燃料棒を冷却する。炉心に供給される冷却水流量は、インターナルポンプ(図示せず)によって制御され、炉心流量検出器9によって検出される。その冷却水流量を検出した炉心流量検出器9は、炉心流量信号33を配線23に出力する。この炉心流量信号33が制御棒引抜監視装置15に入力される。各燃料集合体3内の各燃料棒に含まれた核燃料物質の核分裂で発生した熱によってその冷却水が加熱され、冷却水の一部が蒸気になる。この蒸気は、原子炉圧力容器2に接続された主蒸気配管(図示せず)によりタービン(図示せず)に導かれる。
炉心内に配置された各LPRM集合体5に設けられたそれぞれのLPRM6は、ABWRの起動後において、燃料集合体3に含まれる核燃料物質の核分裂によって発生した中性子束を検出し、この中性子束の検出信号(以下、LPRM信号という)を出力する。それぞれのLPRM6から出力されたLPRM信号(中性子検出信号)30は、配線20を通って制御棒引抜監視装置15に入力され、配線20及び配線22を通ってAPRM47に入力される。APRM47はLPRM信号30を平均して原子炉出力を求める。
制御棒引抜監視装置15は、オペレータの操作盤18での誤操作等により、引抜選択制御棒4の過剰引抜きが発生し、引抜選択制御棒4の周りに位置してこの引抜選択制御棒4に隣接する燃料集合体3における出力の増加幅が大きくなる場合において、その燃料集合体3内の燃料棒の破損を防止するために、その引抜選択制御棒4の引抜きを阻止する機能を有する。このため、制御棒引抜監視装置15は、配線20を通してLPRM信号30を、及び配線23を通して炉心流量信号33を入力する。制御棒引抜監視装置15は、引抜選択制御棒4の引抜きを監視するために、引抜選択制御棒4に近接してその周囲に位置するLPRM集合体5内に存在する各LPRM6から出力された各LPRM信号のうち、該当するLPRM信号を用いて、制御棒引抜監視に用いる原子炉出力である制御棒引抜監視出力(以下、RBM値と称する)を算出する。
具体的には、制御棒引抜監視装置15のLPRM信号選択部(図示せず)は、引抜選択制御棒4が炉心の中央部に位置している場合には、その引抜選択制御棒4に隣接している4つのLPRM集合体5内に存在する合計16個のLPRM6のそれぞれから出力されたLPRM信号30を、引抜選択制御棒4が炉心の周辺部に位置している場合には、その引抜選択制御棒4に隣接している3つまたは2つのLPRM集合体5内に存在する全てのLPRM6のそれぞれから出力されたLPRM信号30を選択する。そして、制御棒引抜監視装置15は、入力した炉心流量信号33及びこのLPRM信号選択部で選択された全てのLPRM信号30のうち位置A及び位置Cに配置された各LPRM信号30の平均値を用いてRBM値(第1RBM値)を算出し、さらに、炉心流量信号33及びその全てのLPRM信号30のうち位置B及び位置Dに配置された各LPRM信号30の平均値を用いてRBM値(第2RBM値)を算出する。第1RBM値及び第2RBM値の算出は、制御棒引抜監視装置15の演算周期ごとに行われ、第1RBM値及び第2RBM値は新たに算出された第1RBM値及び第2RBM値によって更新される。
引抜選択制御棒4の引抜き操作により第1RBM値及び第2RBM値のいずれかが制御棒引抜阻止設定値(以下、RBL値という)に到達したとき、制御棒引抜監視装置15は、配線24を通して、ロッドブロックのための制御棒引抜阻止信号34を制御棒操作監視装置16に出力する。制御棒操作監視装置16は、制御棒引抜阻止信号34に基づいて制御棒引抜停止要求信号36を出力する。配線28を通して制御棒引抜停止要求信号36を入力した制御棒駆動補助盤17は、制御棒引抜停止信号38を配線29を通して引抜選択制御棒4が連結されたCRD7に伝える。これにより、該当するCRD7のモータの回転が停止され、引抜選択制御棒4の炉心からの引抜きが阻止される。原子炉の起動時においては、制御棒引抜シーケンスと異なる制御棒を選択することが許されないので、原子炉の起動時において引抜選択制御棒の引き抜きが阻止された場合には、この引抜選択制御棒を炉心に挿入して引き抜き前の位置まで戻し、制御棒引抜シーケンスに基づいた引抜選択制御棒の引き抜き操作が実施される。
前述の一つの運転サイクルにおいて、オペレータは、操作盤18の表示装置19に表示された制御棒引抜シーケンスの制御棒引抜情報に基づいて、引抜選択制御棒4の炉心横断面での位置情報及び設定引抜量情報を、引抜選択制御棒4ごとに操作盤18から、順次、入力する。この操作により、炉心から制御棒4が、順次、引き抜かれ、原子炉出力が定格出力に到達する。そして、ABWRは、定格出力で運転される。ABWRでは、原子炉出力を定格出力に保持するために、炉心に挿入されている制御棒4がCRD7を用いて炉心から徐々に引き抜かれる。
次に、本実施例の制御棒操作監視方法の制御棒挿入監視方法について説明する。
炉心に装荷された全燃料集合体に含まれる核燃料物質を有効に利用するために、すなわち、一つの運転サイクルの原子炉の運転期間において全燃料集合体に含まれる核燃料物質をできるだけ一様に燃焼させるために、一つの運転サイクルにおいて複数回の制御棒パターン交換が実施される。制御棒パターン交換は、炉心に挿入されたそれぞれの制御棒の、炉心の横断面における位置及び炉心への挿入度合いを変更する操作である。本実施例では、制御棒パターン交換は、例えば、2回実施されるとする。
このような制御棒パターンの交換は、炉心に供給する冷却水流量を低減して(または制御棒4を炉心に挿入して)原子炉出力を定格出力から、例えば、80%出力まで低下させ、今まで挿入されていた制御棒4とは炉心の横断面において異なる位置に存在する複数の制御棒4を炉心に挿入し、制御棒パターン交換の前まで炉心に挿入されていた複数の制御棒を全引抜き状態にすることによって行われる。その制御棒の挿入は、例えば、複数本の制御棒(挿入選択制御棒)4を同時に挿入することによって行われ、炉心に挿入された複数の挿入選択制御棒4によって新たな所定の制御棒パターンが形成される。この制御棒パターンが形成された後、例えば、炉心に供給する冷却水流量を増加して原子炉出力を定格出力まで上昇させ、原子炉出力を定格出力に保持した原子炉の運転が継続される。
制御棒パターン交換実施中において、複数の挿入選択制御棒4を同時に挿入したとき、増加したLPRM信号のゆらぎの影響により、挿入選択制御棒4の挿入阻止が生じる可能性がある。
前述の一つの運転サイクルにおける原子炉の運転中において1回目の制御棒パターン交換の時期に到達したと想定する。操作盤18の表示装置19にその制御棒パターン交換前における制御棒パターンが、既に、操作盤18の表示装置19に表示されている。そして、その制御棒パターン交換後における制御棒パターンが、新たに、操作盤18の表示装置19に表示される。前者の制御棒パターンに含まれる各制御棒4は今回の制御棒パターン交換において炉心から全引抜される引抜選択制御棒4であり、後者の制御棒パターンに含まれる各制御棒4は今回の制御棒パターン交換において炉心に新たに挿入される挿入選択制御棒4である。
前述のように、原子炉出力を定格出力から80%出力まで減少させる。1回目の制御棒パターン交換において炉心に挿入される複数の制御棒4は、複数のグループに分けられており、所定の順番によってグループごとに複数の挿入選択制御棒4が同時に炉心に挿入される。挿入選択制御棒の挿入シーケンスに係る、挿入選択制御棒4の炉心横断面における位置情報及び設定挿入量の情報を含む制御棒挿入情報が、操作盤18の表示装置19に表示される。
1回目の制御棒パターン交換において或る挿入選択制御棒のグループが8本の挿入選択制御棒4(本実施例における全制御棒パターン交換において同時に挿入される挿入選択制御棒の最大本数)を含んでいるとする。このグループの8本の挿入選択制御棒4が同時に炉心に挿入される場合について説明する。この8本の挿入選択制御棒4に係る制御棒挿入情報が操作盤18の表示装置19に表示される。オペレータは、表示された8本の挿入選択制御棒4の制御棒挿入情報に基づいて、各挿入選択制御棒4の炉心横断面における位置情報及び設定挿入量情報を操作盤18から入力する。その後、8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに連結された各CRD7に対する制御棒挿入指令が、操作盤18から配線26を経て制御棒操作監視装置16に出力される。この制御棒挿入指令は、挿入選択制御棒4の上記位置情報及び設定挿入量情報を含んでいる。
挿入選択制御棒4に関する上記の制御棒挿入指令は、操作盤18から、局所領域制御棒挿入監視装置11AのLPRM信号選択部を制御する制御装置(図示せず)にも出力される。この制御装置は、入力した制御棒挿入指令に基づいて、該当するLPRM6のLPRM信号が一つの中性子束比算出ユニット51の該当する中性子束平均装置12Aに入力されるように、該当するLPRM信号選択部を操作する。
例えば、上記したように、8本の挿入選択制御棒4が選択された場合には、8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adは、上記の制御装置によって操作された該当するLPRM信号選択部によって、該当する挿入選択制御棒4に近接してこの周囲に配置された各LPRM集合体5の位置Aに存在するLPRM6、位置Bに存在するLPRM6、位置Cに存在するLPRM6及び位置Dに存在するLPRM6に接続される。
さらに、制御棒挿入指令を入力した制御棒操作監視装置16は、挿入選択制御棒4に対する制御棒挿入要求信号を配線28を経て制御棒駆動補助盤17に出力する。制御棒挿入要求信号に基づいて制御棒駆動補助盤17から出力された制御棒挿入信号が、上記位置情報で指定された挿入選択制御棒4を操作するCRD7のモータを駆動させる。モータは、制御棒4の引抜き時とは逆方向に回転される。これによって、挿入選択制御棒4が設定挿入量に到達するまで炉心に挿入される。挿入選択制御棒4の挿入量は、前述の制御棒位置検出器で検出された、炉心軸方向における挿入選択制御棒4の位置に基づいて把握することができる。
8本の挿入選択制御棒4が1回目の制御棒パターン交換において同時に炉心に挿入されるとき、この8本の挿入選択制御棒4に近接する各LPRM集合体5のそれぞれの位置Aに存在する各LPRM6が、中性子束を検出し、LPRM信号を出力する。これらのLPRM信号は、挿入されている8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する4つのLPRM集合体5ごとに、操作された該当するLPRM信号選択部を介して8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する中性子束比算出ユニット51の中性子束平均装置12Aaに別々に入力される。8つの中性子束比算出ユニット51の各中性子束平均装置12Aaは、位置Aに存在する4個のLPRM6からのLPRM信号を平均化し、位置Aに対する平均LPRM信号を生成する。
その8本の挿入選択制御棒4に近接する各LPRM集合体5のそれぞれの位置Bに存在する各LPRM6が、中性子束を検出し、LPRM信号を出力する。これらのLPRM信号は、挿入されている8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する4つのLPRM集合体5ごとに、操作された該当するLPRM信号選択部を介して8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する中性子束比算出ユニット51の中性子束平均装置12Abに別々に入力される。8つの中性子束比算出ユニット51の各中性子束平均装置12Abは、位置Bに存在する4個のLPRM6からのLPRM信号を平均化し、位置Bに対する平均LPRM信号を生成する。
その8本の挿入選択制御棒4に近接する各LPRM集合体5のそれぞれの位置Cに存在する各LPRM6が、中性子束を検出し、LPRM信号を出力する。これらのLPRM信号は、挿入されている8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する4つのLPRM集合体5ごとに、操作された該当するLPRM信号選択部を介して8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する中性子束比算出ユニット51の中性子束平均装置12Acに別々に入力される。8つの中性子束比算出ユニット51の各中性子束平均装置12Acは、位置Cに存在する4個のLPRM6からのLPRM信号を平均化し、位置Cに対する平均LPRM信号を生成する。
その8本の挿入選択制御棒4に近接する各LPRM集合体5のそれぞれの位置Dに存在する各LPRM6が、中性子束を検出し、LPRM信号を出力する。これらのLPRM信号は、挿入されている8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する4つのLPRM集合体5ごとに、操作された該当するLPRM信号選択部を介して8本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する中性子束比算出ユニット51の中性子束平均装置12Adに別々に入力される。8つの中性子束比算出ユニット51の各中性子束平均装置12Adは、位置Dに存在する4個のLPRM6からのLPRM信号を平均化し、位置Dに対する平均LPRM信号を生成する。
8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれにおいて、中性子束平均装置12Aaで生成された位置Aの平均LPRM信号(平均中性子束)、中性子束平均装置12Abで生成された位置Bの平均LPRM信号(平均中性子束)、中性子束平均装置12Acで生成された位置Cの平均LPRM信号(平均中性子束)、及び中性子束平均装置12Adで生成された位置Dの平均LPRM信号(平均中性子束)は、中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adに接続された中性子束比算出装置13Aに入力される。そして、8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれの中性子束比算出装置13Aは、位置Aの平均LPRM信号に対する、位置Bの平均LPRM信号の比(中性子束比BA/AA)、位置Cの平均LPRM信号の比(中性子束比CA/AA)、及び中性子束平均装置12Adで生成された位置Dの平均LPRM信号の比(中性子束比DA/AA)をそれぞれ算出する。
8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれの中性子束比算出装置13Aに別々に接続された各制御棒挿入阻止装置14Aは、該当する中性子束比算出装置13Aから、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAを入力し、これらの中性子束比のうちの最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定する。それぞれの制御棒挿入阻止装置14Aは、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているときに挿入選択制御棒4の挿入を阻止する制御棒挿入阻止信号48である信号「1」を出力し、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていないときに挿入選択制御棒4の挿入を阻止しない非制御棒挿入阻止信号である信号「0」を出力する。
本実施例では、各制御棒挿入阻止装置14Aにおいて最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていないと判定されるので、全ての制御棒挿入阻止装置14Aが信号「0」を出力する。全ての制御棒挿入阻止装置14Aから出力された信号「0」は、オア回路49に入力される。このオア回路49は、入力信号が全て「0」であるので非制御棒挿入阻止信号である信号「0」を出力する。
他方、広域領域制御棒挿入監視装置11Bの中性子束平均装置12Baには、炉心に配置された全てのLPRM集合体5のそれぞれの位置Aに配置された各LPRM6から出力されたLPRM信号が入力される。中性子束平均装置12BaはそれらのLPRM信号の平均LPRM信号(平均中性子束)を生成する。広域領域制御棒挿入監視装置11Bの中性子束平均装置12Bbには、その全てのLPRM集合体5のそれぞれの位置Bに配置された各LPRM6から出力されたLPRM信号が入力される。中性子束平均装置12BbはそれらのLPRM信号の平均LPRM信号(平均中性子束)を生成する。広域領域制御棒挿入監視装置11Bの中性子束平均装置12Bcには、その全てのLPRM集合体5のそれぞれの位置Cに配置された各LPRM6から出力されたLPRM信号が入力される。中性子束平均装置12BcはそれらのLPRM信号の平均LPRM信号(平均中性子束)を生成する。さらに、広域領域制御棒挿入監視装置11Bの中性子束平均装置12Bdには、その全てのLPRM集合体5のそれぞれの位置Dに配置された各LPRM6から出力されたLPRM信号が入力される。中性子束平均装置12BdはそれらのLPRM信号の平均LPRM信号(平均中性子束)を生成する。
中性子束平均装置12Ba,12Bb,12Bc及び12Bdのそれぞれで生成された平均LPRM信号は、中性子束比算出装置13Bに入力される。中性子束比算出装置13Bは、中性子束比算出装置13Aと同様に、入力したそれらの平均LPRM信号を用いて、位置Aの平均LPRM信号に対する、位置Bの平均LPRM信号の比(中性子束比BB/AB)、位置Cの平均LPRM信号の比(中性子束比CB/AB)、及び中性子束平均装置12Adで生成された位置Dの平均LPRM信号の比(中性子束比DB/AB)をそれぞれ算出する。中性子束比算出装置13Bに接続された制御棒挿入阻止装置14Bは、中性子束比算出装置13Bから入力した中性子束比BB/AB,CB/AB及びDB/ABを入力し、これらの中性子束比のうちの最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定する。制御棒挿入阻止装置14Bは、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているときに制御棒挿入阻止信号48である生成した信号「1」を出力し、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていないときに非制御棒挿入阻止信号である生成した信号「0」を出力する。本実施例では、その最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていないので、制御棒挿入阻止装置14Bは非制御棒挿入阻止信号であるその信号「0」を出力する。
制御棒挿入阻止装置14Bから出力された信号「0」(非制御棒挿入阻止信号)及びオア回路49から出力された信号「0」(非制御棒挿入阻止信号)が、オア回路50に入力される。このとき、オア回路50、すなわち、制御棒挿入監視装置11は、信号「0」、すなわち、非制御棒挿入阻止信号を出力する。
制御棒挿入監視装置11からの非制御棒挿入阻止信号を入力した制御棒操作監視装置16は、制御棒挿入停止要求信号37を出力しないので、8本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が継続される。これらの挿入選択制御棒4の炉心への挿入量が設定挿入量に達したとき、この8本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が停止される。
その後、1回目の制御棒パターン交換において、他のグループの複数の挿入選択制御棒4を同時に炉心に挿入する。このグループの挿入選択制御棒の本数は、8本よりも少ない、例えば、4本である。オペレータは、表示された4本の挿入選択制御棒4の制御棒挿入情報に基づいて、各挿入選択制御棒4の炉心横断面における位置情報及び設定挿入量情報を操作盤18から入力する。その後、4本の挿入選択制御棒4のそれぞれに連結された各CRD7に対する制御棒挿入指令が、操作盤18から配線26を経て制御棒操作監視装置16に出力される。これによって、4本の挿入選択制御棒4が、それらのCRD7の操作によって炉心に挿入される。
4本の挿入選択制御棒4のそれぞれに近接してそれぞれの挿入選択制御棒4の周囲に配置された各4つのLPRM集合体5ごとに、位置Aに存在する各LPRM6、位置Bに存在する各LPRM6、位置Cに存在する各LPRM6及び位置Dに存在する各LPRM6を、局所領域制御棒挿入監視装置11Aの4つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adに接続する必要がある。その制御棒挿入指令を入力した前述の制御装置が局所領域制御棒挿入監視装置11Aの該当するそれぞれのLPRM信号選択部を操作することによって、4本の挿入選択制御棒4のそれぞれに対応する前述の各4つのLPRM集合体5の位置Aに存在する各LPRM6、位置Bに存在する各LPRM6、位置Cに存在する各LPRM6及び位置Dに存在する各LPRM6が、局所領域制御棒挿入監視装置11Aに含まれる8つの中性子束比算出ユニット51のうちの4つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adに接続される。このため、前述の各4本のLPRM集合体5の位置Aに存在する各LPRM6からのLPRM信号、位置Bに存在する各LPRM6からのLPRM信号、位置Cに存在する各LPRM6からのLPRM信号及び位置Dに存在する各LPRM6からのLPRM信号が、局所領域制御棒挿入監視装置11Aの4つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adに入力される。
4つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに含まれる中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Adは、前述したように、位置Aの平均LPRM信号、位置Bの平均LPRM信号、位置Cの平均LPRM信号、及び位置Dの平均LPRM信号を生成する。また、4つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれの中性子束比算出装置13Aは、前述したように、中性子束比BA/AA、中性子束比CA/AA及び中性子束比DA/AAをそれぞれ算出する。4つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれの中性子束比算出装置13Aに接続された4つの制御棒挿入阻止装置14Aは、前述したように、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのうちの最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定する。本実施例では、それぞれの制御棒挿入阻止装置14Aは、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていないので、非制御棒挿入阻止信号である生成した信号「0」を出力する。この結果、オア回路49も信号「0」を出力する。
さらに、広域領域制御棒挿入監視装置11Bの制御棒挿入阻止装置14Bは信号「0」を出力する。オア回路49及び制御棒挿入阻止装置14Bの各出力を入力するオア回路50、すなわち、制御棒挿入監視装置11は、非制御棒挿入阻止信号(信号「0」)を出力する。この結果、4本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が、これらの挿入選択制御棒4の炉心への挿入量が設定挿入量に達するまで継続される。
4本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が終了した後、1回目の制御棒パターン交換において、まだ、炉心に挿入されない挿入選択制御棒4が残っている場合には、挿入選択制御棒4の挿入シーケンスに係る制御棒挿入情報に基づいて、オペレータが、挿入選択制御棒4の炉心横断面における位置情報及び設定挿入量情報を操作盤18から入力することにより、残っている挿入選択制御棒4が炉心に挿入される。
1回目の制御棒パターン交換における挿入選択制御棒4が全て炉心に挿入された後、この制御棒パターン交換の前まで炉心に挿入されていた複数の制御棒が全引抜きされる。これらの引抜選択制御棒4の引抜きは、前述したように、操作盤18の表示装置19に表示された制御棒引抜シーケンスの制御棒引抜情報に基づいて、オペレータが、引抜選択制御棒4の炉心横断面での位置情報及び設定引抜量情報を入力することによって行われる。選択された各引抜選択制御棒4が、全引抜き状態になるまで炉心から、順次、引き抜かれる。引抜選択制御棒4に近接してこの引抜選択制御棒4の周囲に配置された4本のLPRM集合体5の各LPRM6から出力されたLPRM信号が、制御棒引抜監視装置15に入力される。制御棒引抜監視装置15は、第1RBM値及び第2RBM値を算出し、第1RBM値及び第2RBM値のいずれかがRBL値に到達したとき、制御棒引抜阻止信号34を出力する。しかしながら、1回目の制御棒パターン交換での全ての引抜選択制御棒4の引抜き操作では、第1RBM値及び第2RBM値のいずれもがRBL値に到達しなかった。
全ての引抜選択制御棒4の引抜き操作が完了したとき、1回目の制御棒パターン交換が終了する。炉心に供給される冷却水流量が増加され、原子炉出力が定格出力まで増加される。原子炉の定格出力での運転が継続され、やがて、2回目の制御棒パターン交換が実行される。2回目の制御棒パターン交換においても、対象となる挿入選択制御棒4及び引抜選択制御棒4が異なるが、複数の挿入選択制御棒4の炉心への挿入操作及び複数の引抜選択制御棒4の炉心からの引抜き操作が行われる。2回目の制御棒パターン交換が終了した後、原子炉の定格出力での運転が行われる。やがて、原子炉の運転が停止され、一つの運転サイクルが終了する。
ここで、制御棒挿入監視方法における挿入選択制御棒4の挿入阻止が生じる場合を想定して説明する。1回目の制御棒パターン交換において、8本の挿入選択制御棒4がモータ駆動のCRD7によってゆっくりと炉心に挿入されるこれらの挿入選択制御棒4の挿入操作時に、局所領域制御棒挿入監視装置11Aの8つの中性子束比算出ユニット51のそれぞれに別々に接続された8つの制御棒挿入阻止装置14Aのうちの少なくとも1つの制御棒挿入阻止装置14Aが入力した中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのうちの最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていると判定したとき、その少なくとも1つの制御棒挿入阻止装置14Aが制御棒挿入阻止信号48である生成した信号「1」を出力する。このため、オア回路49も信号「1」を出力する。広域領域制御棒挿入監視装置11Bの制御棒挿入阻止装置14Bが非制御棒挿入阻止信号である信号「0」を出力したとき、オア回路49及び制御棒挿入阻止装置14Bのそれぞれの出力信号を入力するオア回路50は、信号「1」である制御棒挿入阻止信号48を出力する。
この制御棒挿入阻止信号48は、制御棒操作監視装置16に入力される。制御棒操作監視装置16は、入力した制御棒挿入阻止信号48に基づいて制御棒挿入停止要求信号37を出力する。配線28を通して制御棒挿入停止要求信号37を入力した制御棒駆動補助盤17は、制御棒挿入停止信号39を、配線29を通して、同時に挿入される8本の挿入選択制御棒4が連結されたそれぞれのCRD7に伝える。これにより、これらのCRD7のモータの回転が停止され、同時に挿入されつつある8本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が阻止される。
同時に挿入される8本の挿入選択制御棒4のそれぞれが、炉心への挿入時においてCRD7におけるモータ駆動によってゆっくりと炉心に挿入されるとき、最終的に原子炉出力が低下するが、それらの挿入選択制御棒4の炉心への挿入の過程において、何らかの原因で、炉心の軸方向における出力分布が異常に歪み、燃料棒が破損する可能性がある。前述したように挿入選択制御棒の挿入を阻止する本実施例は、このような炉心の軸方向における出力分布の異常な歪みによる燃料棒の損傷を防止することができる。
制御棒操作監視装置16は、入力した制御棒挿入阻止信号48を配線27を通して操作盤18に出力する。操作盤18に入力された制御棒挿入阻止信号48が表示装置19に表示されるので、表示装置19を見たオペレータは、挿入選択制御棒4の炉心への挿入が阻止されたことを知ることができる。
炉心への挿入選択制御棒4の挿入が阻止されたとき、原子炉はスクラムされる。表示装置19を見て挿入選択制御棒4の炉心への挿入が阻止されたことを知ったオペレータは、操作盤18に設けられたスクラム用のレバー(図示せず)をONの位置まで回転させる。このレバーの回転により発生したスクラム信号は、配線52を通って2体のCRD7に接続されるスクラム配管44のそれぞれに設けられたスクラム弁43に伝えられ、これらのスクラム弁43を開く。窒素容器42内の加圧空気によって加圧されている、アキュームレータ41内の高圧の駆動水は、2本のスクラム配管44を通って各CRD7に供給される。このため、2体のCRD7が高圧の駆動水によって駆動され、これらのCRD7に連結された各制御棒4が急速に炉心に挿入される。この結果、原子炉の運転が停止される。その後、挿入選択制御棒4の炉心への挿入阻止の原因が究明される。
ここでは、8本の挿入選択制御棒4が同時に炉心に挿入されるときにおいてこれらの挿入選択制御棒4の挿入阻止について述べた。しかしながら、同時に挿入される8本の挿入選択制御棒4に対する挿入阻止が生じなく、他の複数本の挿入選択制御棒4の同時挿入において、オア回路49が信号「1」を出力し、制御棒挿入阻止装置14Bがる信号「0」を出力したときにおいても、他の複数本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が阻止される。
間違った挿入選択制御棒が挿入される場合には、特開2012−163438号公報に記載されているように、挿入選択制御棒4を選択するとき(挿入選択制御棒4の位置を入力するとき)、入力された挿入選択制御棒4の位置情報が、挿入選択制御棒の挿入シーケンスにおける挿入選択制御棒の位置情報と異なっている場合に、選択された挿入選択制御棒の挿入が阻止される。本実施例において、局所領域制御棒挿入監視装置11Aにより挿入選択制御棒4の炉心への挿入を阻止する制御棒挿入阻止信号、及び広域領域制御棒挿入監視装置11Bにより挿入選択制御棒4を含む全制御棒4の炉心への挿入を阻止する制御棒挿入阻止信号のそれぞれが生成される要因である「何らかの原因」は、例えば、前述の挿入選択制御棒の選択間違いに基づいて挿入選択制御棒の挿入を阻止するシステムの故障、及び挿入選択制御棒の操作を制御するシステムの誤信号の出力等を想定している。
また、同時に挿入される前述の8本の挿入選択制御棒4が選択されるとき、何らかの原因で、これらの挿入選択制御棒4を含む全制御棒がモータ駆動のCRD7によってゆっくりと炉心に挿入された場合について説明する。このとき、それぞれの挿入選択制御棒4に近接してそれぞれの挿入選択制御棒4の周囲に配置された各LPRM集合体5、すなわち、炉心に配置された全LPRM集合体5の位置Aに存在する全LPRM6からのLPRM信号が中性子束平均装置12Baに入力され、全LPRM集合体5の位置Bに存在する全LPRM6からのLPRM信号が中性子束平均装置12Baに入力される。そして、全LPRM集合体5の位置Cに存在する全LPRM6からのLPRM信号が中性子束平均装置12Bcに入力され、全LPRM集合体5の位置Dに存在する全LPRM6からのLPRM信号が中性子束平均装置12Bdに入力される。中性子束平均装置12Ba,12Ba,12Bc及び12Bdのそれぞれは、位置Aに対する平均LPRM信号、位置Bに対する平均LPRM信号、位置Cに対する平均LPRM信号及び位置Dに対する平均LPRM信号を生成する。これらの平均LPRM信号は、中性子束比算出装置13Bに入力される。中性子束比算出装置13Bは、入力した各平均LPRM信号に基づいて中性子束比BB/AB、中性子束比CB/AB及び中性子束比DB/ABのそれぞれを算出する。
これらの中性子束比を入力する制御棒挿入阻止装置14Bは、これらの中性子束比のうち最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定する。例えば、LPRM信号がゆらぎの影響を受けてその最大の中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、制御棒挿入阻止装置14Bは制御棒挿入阻止信号48である生成した信号「1」を出力する。このため、局所領域制御棒挿入監視装置11Aのオア回路49の出力が信号「1」であるか信号「0」であるかに拘わらず、制御棒挿入監視装置11のオア回路50は制御棒挿入阻止信号(信号「1」)48を出力する。このため、炉心に挿入されつつある全制御棒の炉心への挿入が阻止される。
本実施例では、炉心の軸方向における異なる複数の位置(位置A、位置B、位置C及び位置D)にそれぞれ位置するLPRM6を有し、かつ炉心内で挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5の、炉心の軸方向において炉心の制御棒挿入端(炉心の下端)に最も近い位置(位置A)に配置された4つのLPRM(第1のLPRM)6のそれぞれからのLPRM信号の平均に対する、その4つのLPRM集合体5の、第1のLPRM6よりも炉心の制御棒挿入端とは反対側の炉心の他端(炉心の上端)側で炉心の軸方向において同じ位置に位置する他の4つのLPRM(第2のLPRM)6からのLPRM信号の平均の比、すなわち、中性子束比を算出する。本実施例では、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAの3つの中性子束比が求められる。これらの中性子束比のうち最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているときに、制御棒挿入阻止信号48が制御棒挿入監視装置11から出力される。このような本実施例では、制御棒挿入監視装置11が中性子束比に基づいて制御棒挿入阻止信号48を出力するか否かを判定しているので、引抜選択制御棒の引抜き時に行われる炉心下部の出力(位置AのLPRM信号または位置BのLPRM信号)と炉心上部の出力(位置CのLPRM信号または位置DのLPRM信号)の平均化を行う必要がなくなり、複数の挿入選択制御棒4を同時に挿入するときにおける、挿入選択制御棒4に隣接する燃料集合体の出力上昇を、制御棒挿入阻止信号48を生成するか、すなわち、制御棒挿入阻止信号48を出力するかの判定に精度良く反映させることができる。
また、中性子束比を用いることで、挿入阻止信号を生成する設定値を大きくすることが可能であるため、正常な挿入操作の場合ではゆらぎがあったとしても設定値には到達しにくくなり、ゆらぎの影響による制御棒挿入阻止信号の生成を抑制することができる。このため、中性子束比に基づいた制御棒挿入阻止信号48を出力するかの判定は中性子束のゆらぎの影響をあまり受けずに行うことができ、制御棒挿入阻止信号48を出力するかの判定精度、すなわち、制御棒挿入阻止信号48を生成するかの判定精度を向上させることができる。
このため、中性子束比に基づいた制御棒挿入阻止信号48を生成するかの判定により、原子炉の運転中における、挿入選択制御棒4の炉心への挿入操作を精度良く阻止することができ、そして、その挿入操作の間違った阻止を低減することができる。
ところで、例えば、挿入選択制御棒4の上端が炉心の下端から位置BのLPRM6よりも少し上の位置まで挿入されているとき、この挿入選択制御棒4に隣接してこの挿入選択制御棒4の周囲に位置する4体の燃料集合体3の出力は、この挿入選択制御棒4の挿入部分に隣接している部分で最も低くなる。それ故、この挿入選択制御棒4に隣接してこの挿入選択制御棒4の周囲に配置された4つのLPRM集合体5のそれぞれの位置A及び位置Bに存在するLPRM6から出力されるLPRM信号が最も小さくなり、位置A及び位置Bに存在するLPRM6のそれぞれから出力されるLPRM信号はほぼ等しい。その4つのLPRM集合体5のそれぞれの、この挿入選択制御棒4の挿入部分に隣接していない部分に位置する各LPRM6(位置Cに存在する各LPRM6及び位置Dに存在する各LPRM6)から出力されるLPRM信号は大きくなる。
このような状態では、上記の4つのLPRM集合体5の各LPRM6からのLPRM信号を入力する或る一つの中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aで算出される中性子束比BA/AAは約1となり、中性子束比CA/AA及びDA/AAのそれぞれは大きな値となる。挿入選択制御棒4の上端が炉心の下端から位置BのLPRM6よりも少し上の位置まで挿入されているとき、制御棒挿入阻止装置14Aにおいて設定中性子束比を超えているかの判定の対象になる最大中性子束比は、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのうちの中性子束比CA/AA及びDA/AAのいずれかになる。
本実施例では、各制御棒挿入阻止装置14Aは、入力した中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのうち最大となる中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定しているので、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのそれぞれが設定中性子束比を超えているかを別々に判定する場合に比べて制御棒挿入阻止信号48を生成するかの判定をより短時間に行うことができる。このため、挿入選択制御棒4の挿入阻止が必要な場合には、それだけ早く挿入選択制御棒4の挿入阻止を行うことができる。
炉心に配置された全LPRM集合体5の位置A、位置B、位置C及び位置Dに存在するそれぞれの全LPRM6からのLPRM信号が入力される広域領域制御棒挿入監視装置11Bでは、前述したように、中性子束比算出装置13Bが中性子束比BB/AB、中性子束比CB/AB及び中性子束比DB/ABのそれぞれが算出され、制御棒挿入阻止装置14Bがこれらの中性子束比のうち最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定し、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているとき、制御棒挿入阻止信号48を出力する。このような広域領域制御棒挿入監視装置11Bを備えている本実施例では、同時に挿入される複数本の挿入選択制御棒4が選択されたときに、何らかの原因で、これらの挿入選択制御棒4を含む全制御棒4が炉心に挿入された場合には、広域領域制御棒挿入監視装置11Bにおける制御棒挿入阻止信号48を出力するかの判定を、中性子束比を用いて行い、そして、挿入阻止信号を出力する設定中性子束比の値を大きくすることにより、この判定を中性子束のゆらぎの影響をあまり受けずに行うことができ、制御棒挿入阻止信号48を生成するかの判定精度を向上させることができる。このため、広域領域制御棒挿入監視装置11Bの作用により、複数の挿入選択制御棒4を含む全ての制御棒4の炉心への挿入を阻止することができる。さらに、広域領域制御棒挿入監視装置11Bは全てのLPRM集合体5における位置A、位置B、位置C及び位置DのそれぞれのLPRM信号を平均し、各位置の平均LPRM信号を用いて前述の中性子束比を算出するため、操作されている挿入選択制御棒4の位置情報がない場合においても、リアルタイムに挿入選択制御棒4の監視が可能になる。
本実施例では、同時に複数本の挿入選択制御棒4をゆっくりと炉心に挿入しているときに挿入選択制御棒4の挿入が阻止された場合には、その挿入阻止後に原子炉をスクラムさせる。このスクラムにおいては、原子炉1に設けられた全制御棒4が瞬時に炉心に挿入される。このため、原子炉のスクラムにおいては、同時に複数本の挿入選択制御棒4のそれぞれが、CRD7におけるモータ駆動によりゆっくりと炉心に挿入されるときに生じる可能性のある軸方向出力分布の異常な歪みが生じなく、燃料棒が破損しない。また、挿入選択制御棒4の挿入時において、何らかの原因で、この挿入選択制御棒4を含む全ての制御棒4がゆっくりと炉心に挿入された場合においても、同様に、全制御棒4が瞬時に炉心に挿入され、原子炉がスクラムされる。
また、本実施例では、挿入選択制御棒4の挿入を阻止した後に原子炉のスクラムが行われるので、挿入選択制御棒4の挿入阻止の原因究明を早期に行うことができ、挿入選択制御棒4の挿入が阻止された原子炉の再起動を早く行うことができる。
本実施例では、それぞれの中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aに制御棒挿入阻止装置14Aを別々に接続しているが、それぞれの中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aを一つの制御棒挿入阻止装置14Aに接続してもよい。この場合には、局所領域制御棒挿入監視装置11Aはオア回路49を有していなく、一つの制御棒挿入阻止装置14Aがオア回路50に直接接続される。
一つの制御棒挿入阻止装置14Aが、各中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aで算出された中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAを入力する。制御棒挿入阻止装置14Aは、各中性子束比算出装置13Aから入力した中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAに基づいて中性子束比算出装置13Aごとに中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのうちの最大中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定する。
同時に挿入される挿入選択制御棒4が8本である場合には、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAが、8つの中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aのそれぞれから一つの制御棒挿入阻止装置14Aに入力される。一つの中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aから入力された中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAのうちの最大中性子束比が設定中性子束比を超えているとき、制御棒挿入阻止装置14Aは制御棒挿入阻止信号48を出力する。これにより、8本の挿入選択制御棒4の炉心への挿入が阻止される。
このように、各中性子束比算出ユニット51の中性子束比算出装置13Aを一つの制御棒挿入阻止装置14Aに接続することにより、複数の中性子束比算出ユニット51に対して制御棒挿入阻止装置14Aが一つで済み、制御棒操作監視システム10の構成が簡素化される。
本実施例では、局所領域制御棒挿入監視装置11Aに、同時に挿入される挿入選択制御棒4の最大本数と同じ個数の中性子束比算出ユニット51を設け、さらに、それぞれの中性子束比算出ユニット51に、4つの中性子束平均装置12A、すなわち、中性子束平均装置12Aa,12Ab,12Ac及び12Ad、及び1つの中性子束比算出装置13Aを設けている。そして、同時に挿入される挿入選択制御棒4の本数(最大本数以下の本数)に対応する個数の中性子束比算出ユニット51ごとに、1本の挿入選択制御棒4に近接してその周囲に存在する4本のLPRM集合体5A,5B,5C及び5Dの位置A,位置B,位置C及び位置Dのそれぞれにおける平均LPRM信号を求め、これらの平均LPRM信号に基づいて中性子束比B/A,C/A及びD/Aを算出している。
これに対して、局所領域制御棒挿入監視装置11Aを、記憶装置、一つの中性子束平均装置12A,一つの中性子束比算出装置13A及び一つの制御棒挿入阻止装置14Aを含む構成にしてもよい。
このような構成の局所領域制御棒挿入監視装置11Aは、LPRM信号の入力により、以下に述べる処理を実行するこの局所領域制御棒挿入監視装置11Aでは、同時に挿入される複数本の挿入選択制御棒4のそれぞれに別々に近接して各挿入選択制御棒4の周囲に存在する4本のLPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれの位置A,それぞれの位置B,それぞれの位置C及びそれぞれの位置Dに存在する各LPRM6からLPRM信号が入力され、これらのLPRM信号が前述の記憶装置に記憶される。一つの中性子束平均装置12Aは、その記憶装置に記憶されたLPRM信号のうち、同時に挿入された複数本の挿入選択制御棒4うちの1本の挿入選択制御棒4に近接して各挿入選択制御棒4の周囲に存在する4本のLPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれの位置Aに配置された各LPRM6から出力された4つのLPRM信号を平均し、位置Aにおける平均LPRM信号を求める。さらに、その中性子束平均装置12Aは、その4本のLPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれの位置B,位置C及び位置Dのそれぞれに配置された各LPRM6から出力された4つのLPRM信号を平均し、位置B,位置C及び位置Dのおける平均LPRM信号を求める。求めた各位置の平均LPRM信号は、前述の記憶装置に記憶される。さらに、その中性子束平均装置12Aは、複数本の挿入選択制御棒4うちの残りの挿入選択制御棒4のそれぞれに対しても、同様に、4本のLPRM集合体5A,5B,5C及び5Dのそれぞれの位置A,位置B,位置C及び位置Dにおける平均LPRM信号を求めて記憶装置に記憶する。
一つの中性子束比算出装置13Aは、同時に挿入された複数本の挿入選択制御棒4の1本の挿入選択制御棒4ごとに、該当する位置A,位置B,位置C及び位置Dにおける平均LPRM信号を記憶装置から読み出し、中性子束比BA/AA、中性子束比CA/AA及び中性子束比DA/AAをそれぞれ算出する。さらに、一つの制御棒挿入阻止装置14Aは、同時に挿入された複数本の挿入選択制御棒4の1本の挿入選択制御棒4ごとに、中性子束比BA/AA,CA/AA及びDA/AAを記憶装置から読み出して入力し、これらの中性子束比のうちの最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているかを判定する。この制御棒挿入阻止装置14Aは、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えているときに該当する挿入選択制御棒4の挿入を阻止する制御棒挿入阻止信号48である信号「1」を出力し、最大の中性子束比が設定中性子束比を超えていないときに挿入選択制御棒4の挿入を阻止しない非制御棒挿入阻止信号である信号「0」を出力する。
このような局所領域制御棒挿入監視装置11Aは、中性子束平均装置12A,中性子束比算出装置13A及び制御棒挿入阻止装置14Aのそれぞれの個数を低減することができるので、構成を単純化することができる。
本発明の好適な他の実施例である実施例2の制御棒操作監視方法を、図3を用いて以下に説明する。
本実施例の制御棒操作監視方法に用いられる制御棒操作監視システム10Aは、図3に示すように、制御棒挿入監視装置11、制御棒引抜監視装置15、制御棒操作監視装置16、制御棒駆動補助盤17及びスクラム制御装置40を備えている。
このような制御棒操作監視システム10Aは、実施例1の制御棒操作監視システム10にスクラム制御装置40を付加した構成を有する。スクラム制御装置40は、配線31によって制御棒挿入監視装置11、具体的には、制御棒挿入監視装置11のオア回路50に接続される。また、スクラム制御装置40は、配線45によってスクラム弁43に接続される。制御棒操作監視システム10Aの、スクラム制御装置40に係る以外の構成は、制御棒操作監視システム10の構成と同じである。
本実施例の制御棒操作監視方法では、制御棒操作監視システム10Aは、制御棒操作監視システム10と同様に機能する。制御棒操作監視システム10Aの制御棒挿入監視装置11及び制御棒引抜監視装置15は制御棒操作監視システム10の制御棒挿入監視装置11及び制御棒引抜監視装置15と同様に作用し、制御棒挿入監視装置11は制御棒挿入阻止信号48を出力し、制御棒引抜監視装置15は制御棒引抜阻止信号34を出力する。
制御棒挿入監視装置11の局所領域制御棒挿入監視装置11Aのオア回路49から制御棒挿入阻止信号48が出力されたときには、広域領域制御棒挿入監視装置11Bの制御棒挿入阻止装置14Bから制御棒挿入阻止信号48が出力されない場合でも、制御棒挿入監視装置11のオア回路50から制御棒挿入阻止信号48が出力される。オア回路50から出力された制御棒挿入阻止信号48は、スクラム制御装置40に入力される。制御棒挿入阻止信号48を入力したスクラム制御装置40は、配線45を通してスクラム弁43に伝えられるスクラム信号46を出力する。このスクラム信号は、全ての水圧制御ユニットのアキュームレータ41に連絡される各スクラム配管44に設けられたスクラム弁43に伝えられる。これにより、全てのスクラム弁43が開いて各アキュームレータ41内の高圧の駆動水が全てのCRD7に供給され、全制御棒4が炉心に緊急挿入され、原子炉がスクラムされる。
広域領域制御棒挿入監視装置11Bの制御棒挿入阻止装置14Bから制御棒挿入阻止信号48が出力されたときには、制御棒挿入監視装置11の局所領域制御棒挿入監視装置11Aのオア回路49から制御棒挿入阻止信号48が出力されない場合でも、制御棒挿入監視装置11のオア回路50から制御棒挿入阻止信号48が出力される。このときも、全てのスクラム弁43が開いて各アキュームレータ41内の高圧の駆動水が全てのCRD7に供給され、全制御棒4が炉心に緊急挿入され、原子炉がスクラムされる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、制御棒挿入監視装置11から出力された制御棒挿入阻止信号48を制御装置40に入力するので、実施例1よりも早く原子炉をスクラムすることができる。
本実施例では、該当するCRD7のモータの駆動によって複数の挿入選択制御棒4を炉心に挿入している操作を、アキュームレータ41からの高圧駆動水を全CRD7に供給することによる全制御棒4の緊急挿入操作に切り替えているので、実質的に、実施例1のように制御棒挿入阻止信号48に基づいて同時に炉心に挿入される複数の挿入選択制御棒4の挿入を阻止する操作が行われている。
前述した各実施例はモータ駆動型のCRD7を設けたABWRに適用した例である。通常の原子炉出力の制御時における制御棒の操作及び緊急挿入時における制御棒の操作を、共に、駆動水の圧力によって行うCRDを備えた沸騰水型原子炉(例えば、BWR−5)に、各実施例に適用された制御棒操作監視システム10及び10Aのそれぞれを適用してもよい。
1…原子炉、2…原子炉圧力容器、3…燃料集合体、4…制御棒、5…局所出力領域モニター集合体(中性子検出器集合体)、6…局所出力領域モニター(中性子検出器)、7…制御棒駆動機構、10,10A…制御棒操作監視システム、11…制御棒挿入監視装置、11A…局所領域制御棒挿入監視装置、11B…広域領域制御棒挿入監視装置、12A,12Aa,12Ab,12Ac,12Ad,12Ba,12Bb,12Bc,12Bd…中性子束平均装置、13A,13B…中性子束比算出装置、14A,14B…制御棒挿入阻止装置、15…制御棒引抜監視装置、16…制御棒操作監視装置、18…操作盤、40…制御装置、41…アキュームレータ、43…スクラム弁、44…スクラム配管、49,50…オア回路、51…中性子束比算出ユニット。

Claims (17)

  1. 炉心に挿入される挿入選択制御棒に隣接する中性子検出器集合体に含まれて前記炉心の軸方向に配置される複数の中性子検出器のうち前記炉心の制御棒挿入端に最も近い第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束に対する、この中性子検出器よりも前記炉心の他端側の第2の位置に存在する他の前記中性子検出器で測定される中性子束の比である第1中性子束比を算出し、
    前記第1中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記挿入選択制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成することを特徴とする制御棒操作監視方法。
  2. 前記中性子検出器が、前記第1の位置から前記炉心の他端側で前記軸方向において相互に位置が異なる複数の前記第2の位置にそれぞれ配置されているとき、前記第1中性子束比は、前記複数の第2の位置のそれぞれの前記中性子束に対して算出され、前記制御棒挿入阻止信号の生成は、算出される前記第1中性子束比のうち最大の前記第1中性子束比が前記設定中性子束比を超えるときに行われる請求項1に記載の制御棒操作監視方法。
  3. 前記第1中性子束比の算出は、前記挿入選択制御棒に隣接する複数の前記中性子検出器集合体のそれぞれの前記第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均し、前記複数の前記中性子検出器集合体のぞれぞれの前記第2の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均し、前記第1の位置における前記中性子束の平均に対する前記第2の位置における前記中性子束の平均の比を算出することによって行われる請求項1に記載の制御棒操作監視方法。
  4. 前記中性子検出器が、各前記中性子検出器集合体内で前記第1の位置から前記炉心の他端側で前記軸方向において相互に位置が異なる複数の前記第2の位置にそれぞれ配置されているとき、前記第1中性子束比は、前記第1の位置における前記中性子束の平均を用いて前記複数の第2の位置のそれぞれの前記中性子束の平均に対して算出され、前記制御棒挿入阻止信号の生成は、算出される前記第1中性子束比のうち最大の前記第1中性子束比が前記設定中性子束比を超えるときに行われる請求項3に記載の制御棒操作監視方法。
  5. 炉心の軸方向に配置される複数の中性子検出器を含む複数の中性子検出器集合体であって前記炉心に同時に挿入される複数の挿入選択制御棒のそれぞれに隣接して配置される前記複数の中性子検出器集合体ごとに設けられた中性子束比算出ユニットにおいて、前記軸方向に配置される前記複数の中性子検出器のうち前記炉心の制御棒挿入端に最も近い第1の位置に存在する前記中性子検出器よりも前記炉心の他端側で前記軸方向において相互に位置が異なる複数の第2の位置にそれぞれ存在する他の前記中性子検出器で測定される中性子束ごとに、前記第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束に対する前記第2の位置に存在する前記他の中性子検出器で測定される前記中性子束の比である第1中性子束比を算出し、
    それぞれの前記中性子束比算出ユニットに接続された一つの制御棒挿入阻止装置が、前記中性子束比算出ユニットで算出される前記第1中性子束比のうち最大の前記第1中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記挿入選択制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成することを特徴とする制御棒操作監視方法。
  6. 前記炉心内に配置される全ての中性子検出器集合体のそれぞれの前記第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均し、前記全ての中性子検出器集合体のぞれぞれの前記第2の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均し、前記全ての中性子検出器集合体の前記第1の位置における前記中性子束の平均に対する前記全ての中性子検出器集合体の前記第2の位置における前記中性子束の平均の比である第2中性子束比を算出し、前記第2中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記炉心内の、前記挿入選択制御棒を含む全ての制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御棒操作監視方法。
  7. 前記制御棒挿入阻止信号によって前記挿入選択制御棒の前記炉心への挿入が阻止される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御棒操作監視方法。
  8. 前記挿入選択制御棒の前記炉心への挿入阻止の後、全ての制御棒が前記炉心内に緊急挿入される請求項7に記載の制御棒操作監視方法。
  9. 前記制御棒挿入阻止信号によって全ての制御棒が前記炉心内に緊急挿入される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の制御棒操作監視方法。
  10. 前記第1中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記制御棒挿入阻止信号によって前記挿入選択制御棒の前記炉心への挿入が阻止される請求項6に記載の制御棒操作監視方法。
  11. 前記第2中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記制御棒挿入阻止信号によって前記挿入選択制御棒を含む全ての制御棒の前記炉心への挿入が阻止される請求項6に記載の制御棒操作監視方法。
  12. 第1制御棒挿入監視装置を備え、
    前記第1制御棒挿入監視装置が、炉心に挿入される挿入選択制御棒に隣接する中性子検出器集合体に含まれて前記炉心の軸方向に配置される複数の中性子検出器のうち前記炉心の制御棒挿入端に最も近い第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束に対する、この中性子検出器よりも前記炉心の他端側の第2の位置に存在する他の前記中性子検出器で測定される中性子束の比である第1中性子束比を算出する第1中性子束比算出装置、及び前記第1中性子束比算出装置に接続され、前記第1中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記挿入選択制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成する第1制御棒挿入阻止装置を有することを特徴とする制御棒操作監視システム。
  13. 前記第1制御棒挿入監視装置が、前記挿入選択制御棒に隣接する複数の前記中性子検出器集合体のそれぞれの前記第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均する第1中性子束平均装置、及び前記複数の前記中性子検出器集合体のぞれぞれの前記第2の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均する第2中性子束平均装置を含んでおり、
    前記第1中性子束比算出装置が、前記第1中性子束平均装置及び前記第2中性子束平均装置に接続され、前記第1中性子束平均装置で求められる前記中性子束の平均に対する前記第2中性子束平均装置で求められる前記中性子束の平均の比である前記第1中性子束比を算出する第1中性子束比算出装置である請求項12に記載の制御棒操作監視システム。
  14. それぞれの前記中性子検出器集合体内で前記第1の位置から前記炉心の他端側で前記軸方向において相互に位置が異なる複数の前記第2の位置にそれぞれ配置されているとき、前記第1中性子束比を、前記第1の位置における前記中性子束の平均を用いて前記複数の第2の位置のそれぞれの前記中性子束の平均に対して算出する前記第1中性子束算出装置、及び前記制御棒挿入阻止信号の生成を、算出される前記第1中性子束比のうち最大の前記第1中性子束比が前記設定中性子束比を超えるときに行う前記第1制御棒挿入阻止装置を有する請求項13に記載の制御棒操作監視システム。
  15. 前記第1制御棒挿入監視装置が、前記第1中性子束平均装置、前記第2中性子束平均装置及び第1中性子束比算出装置を含む複数の中性子束比算出ユニットを有しており、
    前記中性子束比算出ユニットが、前記炉心に同時に挿入される複数の挿入選択制御棒のそれぞれに隣接して配置される前記複数の中性子検出器集合体ごとに設けられ、
    それぞれの前記中性子束比算出ユニットの第1中性子束比算出装置に接続された一つの前記制御棒挿入阻止装置であって前記中性子束比算出ユニットの前記第1中性子束比算出装置で算出される前記第1中性子束比のうち最大の前記第1中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記挿入選択制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成する前記第1制御棒挿入阻止装置を有する請求項13に記載の制御棒操作監視システム。
  16. 前記制御棒挿入阻止信号に基づいて前記挿入選択制御棒を含む、原子炉に設けられる全ての制御棒を前記炉心に緊急挿入させる制御装置を備えた請求項12ないし15のいずれか1項に記載の制御棒操作監視システム。
  17. 第2制御棒挿入監視装置を備え、
    前記第2制御棒挿入監視装置が、前記炉心内に配置される全ての前記中性子検出器集合体の前記第1の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均し、前記全ての中性子検出器集合体のぞれぞれの前記第2の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均する第3中性子束平均装置、前記全ての中性子検出器集合体のぞれぞれの前記第2の位置に存在する前記中性子検出器で測定される中性子束を平均する第4中性子束平均装置、前記第3中性子束平均装置及び前記第4中性子束平均装置に接続され、前記第3中性子束平均装置で求められる前記中性子束の平均に対する前記第4中性子束平均装置で求められる前記中性子束の平均の比である第2中性子束比を算出する第2中性子束比算出装置、及び前記第2中性子束比が設定中性子束比を超えるとき、前記炉心内の、前記挿入選択制御棒を含む全ての制御棒に対する制御棒挿入阻止信号を生成する第2制御棒挿入阻止装置を有する請求項12ないし15のいずれか1項に記載の制御棒操作監視システム。
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