JP2017170696A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
また、熱溶融転写方式によれば、被転写体に、宛名、顧客情報、ナンバリング、バーコードなどの属性情報を代表とする可変情報を、コンピューターおよび熱転写プリンターを用いて、簡単に出力し、記録することができる。
しかしながら、特許文献1において開示される熱転写シートを含む従来の熱転写シートは、接着層と被転写体との接着性および接着層と着色層との密着性が十分ではなく、これらの間に有機溶剤が染み込んでしまい、その耐有機溶剤性は改良の余地があった。
基材と、着色層と、接着層とをこの順に備えてなる熱転写シートであって、
着色層が、着色剤、ポリエステル系樹脂を含んでなり、
接着層が、ガラス転移温度が50℃以上、80℃以下のポリエステル系樹脂を含んでなる水系塗布層であることを特徴とする。
また、本発明によれば、かすれ、つぶれが生じない細線印字ができる、すなわち、高い細線印字性有する熱転写シートを提供することができる。
さらに、本発明によれば、保存時に熱転写シートの背面にインキなどの裏移り(ブロッキング)が生じない、すなわち、高い耐ブロッキング性を有する熱転写シートを提供することができる。
本発明による熱転写シート10は、図1に表すように、基材1と、着色層2と、接着層3とをこの順に備えてなる。
また、一実施形態において、熱転写シート10は、基材1と、着色層2との間に、剥離層4を備えていても良い。
さらに、一実施形態において、熱転写シート10は、基材1の着色層2を設けた面とは反対の面に背面層5を備えていても良い。
以下、本発明による熱転写シートが備える各層について説明する。
基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルムなどの樹脂フィルムなどが挙げられる。
着色層は、着色剤およびポリエステル系樹脂を含んでなる。
本明細書において、「ポリエステル系樹脂」とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合することにより得られるエステル基を含むポリマーを意味し、例えば、PET、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびPENなどが挙げられる。
また、多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
また、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールAなどが挙げられる。
また、ポリエステル系樹脂には、上記した多価カルボン酸および多価アルコールを3種以上共重合してなるものであってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。
さらに、本明細書において、ポリエステル系樹脂には、その変性物も含まれる。ポリエステル系樹脂の変性物としては、例えば、ウレタン変性ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
より好ましくは、ポリエステル系樹脂Aの数平均分子量は、15000以上、40000以下であり、さらに好ましくは、15000以上、25000以下である。
より好ましくは、ポリエステル系樹脂Bの数平均分子量は、2000以上、5000以下である。
着色層が、上記のよう数平均分子量を有するポリエステル系樹脂Aおよびポリエステル系樹脂Bを含んでなることにより、熱転写の際の尾引きなどの発生を防止することができると共に、熱転写シートの耐有機溶剤性を向上させることができる。
数平均分子量は、JIS K 7252−1(2008年)に準拠して、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算にて得られた値である。
なお、着色層は、ポリエステル系樹脂Aを2種以上含んでなるものあってもよく、ポリエステル系樹脂Bを2種以上含んでなるものであってもよい。
着色層が、高分子量ポリエステル系樹脂と、低分子量ポリエステル系樹脂とを上記のような割合で含んでなることにより、熱転写の際の尾引きなどの発生を防止することができると共に、熱転写シートの耐有機溶剤性をより向上させることができる。
着色層に含まれるポリエステル系樹脂のガラス転移温度を上記数値範囲とすることにより、熱転写シートの転写性を良好なものとしつつ、耐ブロッキング性を向上させることができる。
ガラス転移温度は、JIS K 7121(2012年)に準拠して、DSC(示査走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求めることができる。
着色層に含まれるポリエステル系樹脂の合計含有量を上記数値範囲とすることにより、接着層との密着性をより高めることができるため、耐有機溶剤性を向上させることができる。また、耐擦過性および印画濃度を向上させることもできる。
高い有機溶剤性を実現するという観点からは、着色層におけるその他の樹脂の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが最も好ましい。
着色層の厚さを上記数値範囲とすることにより、細線印字性を向上させることができる。
接着層は、着色層上に設けられ、ガラス転移温度が50℃以上、80℃以下のポリエステル系樹脂を含んでなる水系塗布膜である。
接着層が、着色層と同様に、上記ポリエステル系樹脂を含んでなることにより、被転写体および着色層との接着性が改善され、耐有機溶剤性を向上させることができる。また、細線印字性および耐ブロッキング性を向上させることもできる。
さらに、接着層が水系塗布膜であることにより、長時間印刷を継続した場合の塗布量安定性を向上させることができる。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度を上記数値範囲とすることにより、耐有機溶剤性、細線印字性および耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。
接着層に含まれるポリエステル系樹脂の数平均分子量を上記数値範囲とすることにより、熱転写シートの転写性を維持しつつ、耐有機溶剤性を向上させることができる。また、耐擦過性を向上させることもできる。
接着層におけるポリエステル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、被転写体との接着性および着色層体との密着性をより高めることができ、耐有機溶剤性を向上させることができる。
接着層の厚さを上記数値範囲とすることにより、細線印字性を向上させることができる。
剥離層は、所望により、基材と、着色層との間に配置され、熱転写の際に、着色層などと共に被転写体上へ転写される層である。
本発明において背面層は、熱転写する際の基材の裏面側(基材の着色層が設けられていない側)からの加熱によるスティキングやシワなどの悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。背面層を設けることによって、耐熱性に劣るプラスチックフィルムを基材とした熱転写シートにおいてもスティッキングが起こることなく熱転写することが可能であって、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工のし易さなどのメリットが生かせる。
また、イソシアネート化合物などを使用することにより硬化させることのできる2液硬化型の樹脂をバインダー樹脂として含んでいても良い。このような樹脂としては、ポリビニルアセタール系樹脂やポリビニルブチラール系樹脂などが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
一実施形態において、本発明による熱転写シートは、基材と、剥離層との間に離型層を備えていてもよい。離型層とは、熱転写の際に、基材上に留まる層である。
また、一実施形態において、本発明による熱転写シートは、任意の層間の接着性を向上させる中間層を備えていてもよい。
具体的には、エポキシ樹脂で、カットした熱転写シート(試験片)を包埋した後、超薄切片法(ミクロトームとダイヤモンドカッターによるカット)により、試験片の厚さ方向に切断面を形成し、この切断面をイオンスパッタリング(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:E−1045、ターゲット:Pt、電流:15mA、10秒)した後、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:S−4800TYPE I、加速電圧:3.0kv、エミッション電流:10μA、作動距離:8mm、検出器:Mix)を使用することにより、試験片の断面画像を取得し、この画像から計測した。
厚さ4.5μmの易接着処理済みPETフィルムの基材シートの一方の面に、下記組成の背面層用塗工液を、塗布量が固形分換算で0.3g/m2となるように塗布し、乾燥させることにより背面層を形成した。なお、背面層の厚さは、0.3μmであった。
<背面層用塗工液>
・スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 11部
・線状飽和ポリエステル系樹脂 0.3部
・ジンクステアリルホスフェート 6部
・メラミン樹脂粉末 3部
・メチルエチルケトン 80部
<剥離層用塗工液>
・カルナバワックス 100部
・水 450部
・IPA 450部
<着色層用塗工液>
・カーボンブラック 33.4部
・ポリエステル系樹脂A 33.3部
(Mn:17000、Tg:67)
・ポリエステル系樹脂B 33.3部
(Mn:3000、Tg:53)
・トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 900部
<接着層用塗工液>
・ポリエステル系樹脂X1 100部
(Mn:18000、Tg:67)
・水 450部
・IPA 450部
着色層に含まれるポリエステル系樹脂AおよびB、接着層に含まれるポリエステル系樹脂Xを表1〜6に示すように変更した以外は実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
実施例および比較例の熱転写シートを用いて、Zebra105SLプリンター、印字スピード4IPS、印字エネルギー26、被転写体として白色のPETラベル(Avery社製、商品名:72825)にpicketバーコード(図2参照)を印字し、染色堅ろう度摩擦試験機 FR−2S型(スガ試験機株式会社製、JIS L 0849(2013年)の摩擦試験機II形に準拠したもの)を使用し、イソプロピルアルコール(IPA)を0.5cc染み込ませた綿布を用いて荷重800gで100往復の擦過をし、耐有機溶剤性を評価した。
バーコードチェッカーQuick Check 850(Honeywell社製)を用いて評価を行い、評価基準は以下の通りであった。なお、擦過前のバーコードチェッカーの評価結果はすべてA判定であることを確認してから耐有機溶剤評価を実施した。
(評価基準)
A:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がA判定である。
B:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がB判定である。
C:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がC判定である。
D:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がD判定以下である。
プリンターとして、Zebra社製ラベルプリンター Zebra96XiIII(サーマルヘッド 600dpi(dot per inch))を使用し、印字スピード4IPS(inch per second)、印字エネルギーを20から30の範囲で1段階ずつ印字した。被転写体として銀色のPETラベル(Avery社製、商品名:72826)を用い、また、印字パターンとして1dot分の細線を含むpicketバーコード(図3参照)を印字した。印字物を目視にて評価した。評価基準は以下の通りであった。
(評価基準)
A:印字可能なエネルギー範囲が広く、印字エネルギー3つ以上で、かすれ・つぶれのない細線印字ができている。
B:印字可能なエネルギー範囲が広く、印字エネルギー2つで、かすれ・つぶれのない細線印字ができている。
C:印字可能なエネルギー範囲が広く、印字エネルギー1つで、かすれ・つぶれのない細線印字ができている。
D:印字可能なエネルギー範囲がなく、カスレ・つぶれが発生し、細線印字ができない。
実施例および比較例で得られた各熱転写シートを2枚ずつ、接着層側の面と、背面層側の面とが向き合うように重ね合わせ、12kgf/cm2の圧をかけ、45℃に24時間静置した。静置後に接着層と背面層を剥がし、その剥がしやすさから耐ブロッキング性を評価した。評価基準は以下の通りであった。
(評価基準)
A:接着層と背面層を容易に剥がすことができる。
B:接着層と背面層の貼り付きが僅かに発生するが、実用上問題なし。
C:接着層と背面層の貼り付きが発生するが実用上問題なし。
D:接着層と背面層の貼り付きが発生し、実用上も問題がある。
2 着色層
3 接着層
4 剥離層
5 背面層
10 転写シート
Claims (6)
- 基材と、着色層と、接着層とをこの順に備えてなる熱転写シートであって、
前記着色層が、着色剤、ポリエステル系樹脂を含んでなり、
前記接着層が、ガラス転移温度が50℃以上、80℃以下のポリエステル系樹脂を含んでなる水系塗布層であることを特徴とする、熱転写シート。 - 前記着色層が、前記ポリエステル系樹脂として、数平均分子量が15000以上のポリエステル系樹脂Aおよび数平均分子量が5000以下のポリエステル系樹脂Bを含んでなる、請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記着色層の厚さが、0.2μm以上、0.8μm以下である、請求項1または2に記載の熱転写シート。
- 前記接着層の厚さが、0.1μm以上、0.6μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記接着層に含まれるポリエステル樹脂のガラス転移温度が、52℃以上、67℃以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記基材と、前記着色層との間に、剥離層をさらに備えてなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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