JP2018024552A - 装飾陶器の製造法 - Google Patents

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彰 玉田
Akira Tamada
彰 玉田
伊織 名嘉眞
Iori Nakama
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Abstract

【課題】ガラス層を形成した陶器の上に種々の装飾物を置いた後、これを樹脂層で被覆、硬化させても、その樹脂層がガラス層から剥離せず、長い間、美感を維持できる装飾陶器の製造方法の提供。【解決手段】陶器の窪み2中に形成したガラス層3b上に、接着剤層4を形成し、次いでこの接着剤層4上に所要の装飾物5を載置した後、樹脂材料6a6b6cを充填し、これを硬化させてなる装飾陶器の製造法。【選択図】図1

Description

本発明は装飾陶器の製造法に関し、更に詳細には装飾物を利用することで意匠性を高めた装飾陶器の製造法に関する。
陶器はその本質的機能の他に、その表面に種々の装飾を施して全体の美感を高めることが良く行われている。このような装飾としては、古くからの縄文の他、櫛目、布目、指押し、貝や植物等の型押しなどが知られている。また、異なる材料を用いて装飾を与える方法も知られており、その一つとして、例えば、皿、杯、灰皿等の陶器の窪みの中にガラスの層を形成し、あたかもそこに水がたまっているような印象を与える技術が知られている。
しかし、上記のガラス層を形成する技術の意匠性は、あたかも陶器の底に水が入っているように見えるだけに止まるものであり、これに更に新しい技術を加え、その意匠性を高めることが要望されている。
本発明者は、ガラス層を形成した陶器の上に形成されたガラス層の上に、種々の装飾物、例えば、花等の乾燥植物(押し花)や星砂等を置き、その上をきれいに樹脂層で覆い、硬化させれば、あたかも装飾物が水の中に存在するように見えることを着想した。
しかしながら、単にガラス層上を樹脂層で覆い、硬化させた場合、経時的に剥離が生じ、実用性が著しく低下するという問題があり、この点の解消が必要となっていた。
本発明は、上記実情下においてなされたものであり、ガラス層上の装飾物を樹脂層で被覆、硬化させても、その樹脂層がガラス層から剥離せず、長い間、美感を維持できる装飾陶器の製造方法の提供をその課題とするものである。
本発明者は、ガラス層と樹脂層間の剥離を防ぐ方法に関し鋭意検討を行っていたところ、樹脂層の形成に先立ち特定の接着剤による被膜を形成することで、ガラス層と樹脂層間の経時的な剥離を防ぐことができることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、陶器の窪み中に形成したガラス層上に、接着剤層を形成し、次いでこの接着剤層上に所要の装飾物を載置した後、樹脂材料を充填し、これに光または紫外線を照射して硬化させることを特徴とする装飾陶器の製造法である。
本発明の装飾陶器の製造法によれば、陶器上に設けられたガラス層の上に光硬化または紫外線効果樹脂中に封入された装飾物を固着した陶器が提供され、この陶器は、装飾物があたかも水中に存在するような印象を与えるため、皿、杯、灰皿、飾りタイル、飾り陶片等として利用することができる。
本発明の装飾陶器の製造工程の一例を模式的に示す図面である。
本発明によれば、装飾陶器は、
(1)ガラス層形成工程
(2)接着層形成工程
(3)装飾物載置工程
(4)樹脂被覆・硬化工程
の各工程により製造される。
これら行程のうち、ガラス層形成工程(1)は、陶器上にガラス層を形成させる工程である。この工程は、図1のA、B、Cで模式的に示される。
この工程は、皿、杯、灰皿、飾りタイル、飾り陶片等(以下、「陶器」という)の形状とした素地(1a)の窪み2にガラス層の原料となるガラス片、ガラス砂等(以下、「ガラス原料」という;3a)を入れ、これを窯の中で素地とガラス原料が共に焼成される温度にまで昇温させることにより行われる。
本発明で用いられる素地は、ガラス材料が溶融してガラス層を形成する窪みがあれば、この形状や大きさには特に制約はない。また、素地は陶土により形成されるが、この陶土にも特段制約はなく、一般に陶芸用として使用されている粘土などを利用することができる。更に、ガラス材料としても特に制約はないが、破砕したガラス片、例えば、平均粒径が2〜5mm程度で、同じ色のものを集めた、カレットといわれるものを利用することができる。更に必要によっては、ガラス材料と共に夜光粉末を使用しても良い。このようにすることで、焼成後のガラス層を夜光を発するものとすることができ、より美感を高めることができる。
この工程において、その窪みにガラス材料等を入れた素地は、ガラス粉等が溶融しガラス層を形成する温度以上、好ましくは、1150〜1250℃程度の温度で、5〜6時間程度以上、好ましくは、6時間〜20時間程度、より好ましくは12時間〜20時間程度焼成される。こうすることにより、図1のCで示すように陶器1bの窪み2中にガラス層3が形成される。
なお、上記の素地は、陶土で形作った後、単に乾燥させた状態のものを使用し、これを直接焼成しても良いが、陶土で形成した素地に釉薬を掛け、乾燥させた後のもの、あるいは釉薬を掛け、素焼きをしたものを利用し、この窪みにガラス材料等を入れ、焼成しても良い。釉薬で処理した素地を用いて焼成すると、焼成により釉薬から形成されるガラス質の層とガラス層の密着が陶土直接の場合と比べ高くなり、剥離などの問題はより起こりにくい。また、釉薬として色釉薬を使用すれば、窪みのガラス層の色と、コントラストや調和の取れた陶器を調製することができる。
次に、上記工程1で焼成された陶器のガラス層を含む上面には、図1のDで示されるように接着剤層4が形成される(工程(2))。
この接着剤層が形成される部分は、後の工程で樹脂材料により被覆される部分と同じか、若干大きめにすることが好ましい。また、接着剤層の形成に使用される接着剤としては、加熱などの工程を必要としないものが好ましく、例えば、エポキシ系などの2液型接着剤を使用することが好ましい。
この接着剤層は、薄く均一に塗布することが好ましい。なお、ここでは一般に接着剤とされているものを用いるため接着剤層と表現したが、接着剤は、固体と固体の間を接着することが一般的であり、本発明のように、液状で流動性がある樹脂材料に対しては、接着剤としての使用とはいえない。
次いで、図1のEで示すように表面が接着剤層4で覆われたガラス層3b上に装飾物5を載置する(工程(3))。
このガラス層上に載置される装飾物としては、水分やその他の液体成分を全くあるいはほとんど含んでいないものが好ましく、その例としては、サンゴの微細破片である星砂、小さな貝の貝殻、押し花のような乾燥植物、金属片、ラメ等の金属−高分子複合材料片、乾燥された昆虫等が挙げられる。これらの装飾物は、接着剤層により固定されるため、次の工程で樹脂材料により被覆される際にも、ほとんどその位置を変えることがない。
上記のように、ガラス層上に載置された装飾物は、更に、図1のFで示すように樹脂材料6aにより被覆された後、硬化される(工程(4))。
この工程において被覆に用いられる樹脂材料は、光または紫外線(以下、「UV」という)硬化性の樹脂であり、このような性質を有するものであれば種々のものを使用することができる。具体的には、UV硬化アクリレートのような、不飽和ポリエステル系樹脂材料を使用することができる。
この樹脂材料は、硬化後も透明性を保持するものであることが好ましく、液状であることが充填性の面から好ましい。
最後に、樹脂材料により被覆された装飾物は、その樹脂材料で指定された強度の光あるいはUVを照射し、硬化させる。この工程での光の波長、強度は樹脂材料により異なるので、当該樹脂材料での指示に従い、実施すればよい。
このようにすることにより、ガラス層上の樹脂材料中に装飾物が封入される。この状態では、若干粘着性があるが、更に、例えば太陽光に当てることで、硬化が進み、完全な装飾陶器が得られる。
なお、上記の樹脂材料による被覆工程および硬化工程は、1回でも良いが、複数回、例えば2〜5回程度繰り返すことが、樹脂層を厚くし、装飾物が樹脂層の奥に封じ込まれたように見え、また樹脂層の表面が滑らかになるため好ましい。この状態を図1のGに示す。
このように樹脂材料による被覆および光又はUV照射による硬化を繰り返す場合は、樹脂材料による被覆後、指定された強度の光あるいはUVを照射し、硬化させた後、また樹脂材料で被覆し、同様に硬化させる工程を繰り返せばよい。
なお、光あるいはUV照射による硬化後の樹脂層は、前記したように若干粘着性が残っているので、被覆、硬化を繰り返す場合には、樹脂層上に再度装飾物を載置してから、被覆、固化を繰り返すこともできる。このようにすることで、深さ(高さ)の異なる数段の位置に装飾物を配置することも可能である。また、前記の若干粘着性が残っている樹脂層上に粉状の発光塗料(夜光粉末)を散布すれば、光によって発光させることもできる。
以上のようにすることで、装飾物を透明樹脂中に封入した装飾陶器が容易に得られ、このものは経時的な耐久性を有するものである。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
装飾タイル片の製造(1):
沖縄県恩納村産出の陶芸用赤土を採取し、直径約10cm、厚さ約10mmのタイル素地を調製した。この素地の中央には、直径約2.5cm、深さ約6mmの窪みを形成した。
このタイル素地に、コバルト釉を掛け、2〜3時間風乾した後、窪み中に青色カレット(平均粒径2mm〜5mm)を、その8分目まで入れた。これを陶芸用ガス窯中、1250℃で17時間焼成した。この結果、窪み中の約4割程度までにガラス層が形成されたタイル片が形成された。
焼成終了後、2日かけて品温を室温まで下げ、タイル片のガラス層上および窪みの上側までエポキシ系2液型接着剤(ボンドクイック5(金属、ガラス、陶磁器用)/コニシ株式会社製)を薄く塗布した。ガラス層上に、数粒の星砂と小さい花の押し花を置き、その上からUV硬化樹脂(商品名:商品名;KIYOHARA UVクラフトレジン液 紫外線硬化樹脂液(ハードタイプ)/清原株式会社製)を注入し、被覆した。
UV照射装置(GELNAIL UV LIGHT(DIVA−UV36w)を用い、UVを120秒照射することで、UV硬化樹脂層を硬化させた。次いで、再度同じUV硬化樹脂で被覆し、同じ条件でUVを照射した。これをもう一度繰り返した。
最後にこのタイル片を屋外に持ち出し、日光に12時間曝露した。得られたタイル片のUV硬化樹脂表面には粘着性は全くなく、また装飾物である星砂と押し花が透明な樹脂中にきれいに封入されていた。
実 施 例 2
装飾タイル片の製造(2):
実施例1と同様にしてガラス層が形成されたタイル片を得た。これに実施例1と同様にエポキシ系2液型接着剤を塗布し、小さい花の押し花を置き、UV硬化樹脂で被覆後、実施例1と同様硬化させた。
次いで、まだ粘着性を有するUV硬化樹脂上に、星砂と粉状の発光塗料(商品名:夜光粉末/株式会社ペパレス製作所製)を置き、同じUV硬化樹脂で被覆し、UV照射により硬化させた。この工程を再度繰り返した。
最後に実施例1と同様に、このタイル片を日光に曝露させた。得られたタイル片のUV硬化樹脂表面には粘着性は全くなく、また装飾物である星砂と押し花と星砂および発光塗料が透明な樹脂中、異なる高さできれいに封入されていた。
なお、実施例1および2で調製したタイル片を、屋外に置いて暴露試験を行ったが、長期間にわたって陶器部と装飾物を封入した硬化樹脂部の間での剥離は認められなかった。
1a … … 陶器素地
1b … … 陶器
2 … … 窪み
3a … … ガラス材料
3b … … ガラス層
4 … … 接着剤層
5 … … 装飾物(星砂)
6a … …最初の硬化樹脂層
6b … …2番目の硬化樹脂層
6c … …3番目の硬化樹脂層

Claims (5)

  1. 陶器の窪み中に形成したガラス層上に、接着剤層を形成し、次いでこの接着剤層上に所要の装飾物を載置した後、樹脂材料を充填し、これを硬化させることを特徴とする装飾陶器の製造法。
  2. 接着剤層が、2液型接着剤により形成される請求項1記載の装飾陶器の製造法。
  3. 装飾物が、サンゴの微細破片、貝殻、乾燥植物、金属片、金属−高分子複合材料片または乾燥された昆虫から選ばれたものである請求項1または2記載の装飾陶器の製造法。
  4. 樹脂材料が光または紫外線硬化樹脂材料であり、光または紫外線の照射により前記樹脂を硬化させる請求項1ないし3の何れかの項記載の装飾陶器の製造法。
  5. 樹脂材料の充填およびこれに対する光若しくは紫外線照射による硬化を複数回繰り返す請求項1ないし4の何れかの項記載の装飾陶器の製造法。

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