JP2018145334A - エーテル化セルロース繊維及び水を含有する組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】起泡性に優れる新規な組成物に関すること。【解決手段】エーテル化セルロース繊維及び水を含有する組成物であって、該エーテル化セルロース繊維が、置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維である、組成物。【選択図】なし

Description

本発明はエーテル化セルロース繊維及び水を含有する組成物、並びに前記エーテル化セルロース繊維からなる起泡剤に関する。更に詳しくは、分散体である組成物、皮膚用処理剤組成物、毛髪用処理剤組成物、硬質表面用処理剤組成物及び衣料用処理剤組成物等として好適に用いられる組成物、並びに起泡剤に関する。
従来、有限な資源である石油由来のプラスチック材料が多用されていたが、近年、環境に対する負荷の少ない技術が脚光を浴びるようになり、かかる技術背景の下、天然に多量に存在するバイオマスであるセルロース繊維を用いた各種の組成物が注目されている。
例えば、特許文献1には、高圧噴射処理により解繊することで得たセルロースナノファイバーが開示されている。
特開2015−157796号公報
セルロース繊維そのものは水中において起泡性をほとんど示さないが、特定の改質セルロース繊維を使用すると、意外にも起泡性を示すことを新たに見出した。
本発明は、起泡性に優れる新規な組成物に関する。
本発明は、下記〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕 エーテル化セルロース繊維及び水を含有する組成物であって、該エーテル化セルロース繊維が、置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維である、組成物。
〔2〕 置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維からなる起泡剤。
本発明によれば、起泡性に優れる新規な組成物を提供することができる。
本発明の構成によれば、意外にも起泡性を発現する。その理由は明らかではないが、本発明にかかるセルロース繊維はエーテル結合を介して官能基を有することにより、界面活性が発現することで、水分散液での起泡性が発現できると推定される。
更に本発明の構成によれば、皮膚に適用した際にはさらさら感及びコート感が発揮され、毛髪に適用した際にはまとまり性、櫛通り性及び艶感が発揮され、硬質表面に適用した際には水滴の接触角増加効果が発揮され、並びに衣料に適用した際にはしわ抑制効果及び速乾効果が発揮される。これらの理由は明らかではないが、以下のように推定される。
一般にセルロース繊維は皮膚、毛髪、繊維上に残留して成膜形成することやコートの効果が知られているが、本発明にかかるセルロース繊維を用いる組成物を用いて皮膚、毛髪、硬質表面、衣料等の処理(塗布、洗浄など)を行った場合は、官能基の効果により、残留量が増加すること、あるいは表面に均一に残留するなどの残留状態が変化すること、もしくは官能基の効果によりセルロース繊維自体の疎水性が向上することにより、前記効果が得られるものと推定される。
本発明の組成物は、エーテル化セルロース繊維及び水を含有する。
[エーテル化セルロース繊維]
本発明におけるエーテル化セルロース繊維は、セルロース繊維表面に置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介して結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維であることを特徴とする。なお、本明細書において、「エーテル結合を介して結合」とは、セルロース繊維表面の水酸基に修飾基が反応して、エーテル結合した状態を意味する。
本発明における置換基を有してもよい炭化水素基において、炭化水素基としては、飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、フェニル基等の芳香族炭化水素基、又はシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基が挙げられ、起泡性、経済性の観点から、好ましくは、飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、飽和の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基である。
また、本発明における置換基を有してもよい炭化水素基において、置換基としては、ハロゲン原子、オキシエチレン基等のオキシアルキレン基及び水酸基等が挙げられ、起泡性、経済性の観点から、好ましくはオキシエチレン基及び水酸基である。
このようなエーテル化セルロース繊維の好適な態様(態様1)として、例えば、下記一般式(1)で表される置換基及び下記一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有するものが挙げられる。
−CH−CH(R)−R (1)
−CH−CH(R)−CH−(OA)−O−R (2)
〔式中、一般式(1)及び一般式(2)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、一般式(1)及び一般式(2)におけるRはそれぞれ独立して炭素数3以上30以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルを示し、一般式(2)におけるnは0以上50以下の数、Aは炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示す。〕
態様1の具体例としては、例えば、下記一般式(4)で表されるエーテル化セルロース繊維が例示される。
Figure 2018145334
〔式中、Rは同一又は異なって、水素、もしくは前記一般式(1)で表される置換基及び前記一般式(2)で表される置換基から選ばれる置換基を示し、mは20以上3000以下の整数が好ましく、但し、全てのRが同時に水素である場合を除く〕
一般式(4)で表されるエーテル化セルロース繊維は、Rが同一又は異なって、水素、もしくは、一般式(1)で表される置換基及び/又は一般式(2)で表される置換基を示すものであり、前記置換基が導入されたセルロースユニットの繰り返し構造を有するものである。繰り返し構造の繰り返し数として、一般式(4)におけるmは、起泡性の観点から20以上3000以下の整数が好ましく、100以上2000以下がより好ましい。
(置換基を有していてもよい炭化水素基)
態様1のエーテル化セルロース繊維は、前記の一般式(1)及び下記一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基を単独で又は任意の組み合わせで導入される。なお、導入される置換基が前記置換基群のいずれか一方の場合であっても、各置換基群においては同一の置換基であっても2種以上が組み合わさって導入されてもよい。
一般式(1)及び一般式(2)におけるRは水素原子又は水酸基を示す。起泡性の観点から、一般式(1)及び一般式(2)におけるRは水酸基が好ましい。
一般式(1)におけるRは、炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。アルキル基の炭素数は、3以上30以下であるが、起泡性の観点から、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下である。具体的には、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、イコシル基、トリアコンチル基等が例示される。
一般式(2)におけるRは、炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。アルキル基の炭素数は、3以上30以下であるが、起泡性の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、起泡性、入手性及び反応性向上の観点から、好ましくは27以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、更に好ましくは12以下である。具体的には、前記した一般式(1)におけるRと同じものが挙げられる。
一般式(2)におけるAは、炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基であり、隣接する酸素原子とオキシアルキレン基を形成する。Aの炭素数は1以上6以下であるが、起泡性、入手性及びコストの観点から、好ましくは2以上であり、同様の観点から、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が例示され、なかでも、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
一般式(2)におけるnは、アルキレンオキサイドの付加モル数を示す。nは0以上50以下の数であるが、起泡性、入手性及びコストの観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であり、同様の観点から、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。
一般式(2)におけるAとnの組み合わせとしては、起泡性の観点から、好ましくはAが炭素数2以上3以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基で、nが0以上20以下の数の組み合わせであり、より好ましくはAが炭素数2以上3以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基で、nが5以上15以下の数の組み合わせである。
一般式(1)で表される置換基の具体例としては、例えば、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、イコシル基、プロピルヒドロキシエチル基、ブチルヒドロキシエチル基、ペンチルヒドロキシエチル基、ヘキシルヒドロキシエチル基、ヘプチルヒドロキシエチル基、オクチルヒドロキシエチル基、2−エチルヘキシルヒドロキシエチル基、ノニルヒドロキシエチル基、デシルヒドロキシエチル基、ウンデシルヒドロキシエチル基、ドデシルヒドロキシエチル基、ヘキサデシルヒドロキシエチル基、オクタデシルヒドロキシエチル基、イソオクタデシルヒドロキシエチル基、イコシルヒドロキシエチル基、トリアコンチルヒドロキシエチル基等が挙げられる。
一般式(2)で表される置換基の具体例としては、例えば、3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ヘキトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ヘキトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−オクトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−オクトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、6−エチル―3−ヘキトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、6−エチル―3−ヘキトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−デトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−デトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ウンデトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ウンデトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ドデトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ドデトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ヘキサデトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−ヘキサデトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−オクタデトキシエチレンオキシド−2−ヒドロキシ−プロピル基、3−オクタデトキシ−2−ヒドロキシ−プロピル基等が挙げられる。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数は0以上50以下であればよく、例えば、前記したエチレンオキシド等のオキシアルキレン基を有する置換基において付加モル数が10、12、13、20モルの置換基が例示される。
(導入率)
態様1のエーテル化セルロース繊維において、セルロースの無水グルコースユニット1モルに対する前記一般式(1)で表される置換基及び一般式(2)で表される置換基から選ばれる置換基の導入率は、置換基の種類により一概には限定できないが、起泡性の観点から、好ましくは0.0001モル以上、より好ましくは0.0005モル以上、更に好ましくは0.0007モル以上であり、また、セルロースI型結晶構造を有し、起泡性の観点から、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.3モル以下、更に好ましくは1.0モル以下、更に好ましくは0.8モル以下、更に好ましくは0.6モル以下、更に好ましくは0.5モル以下である。ここで、一般式(1)で表される置換基と一般式(2)で表される置換基のいずれもが導入されている場合は合計した導入モル率のことである。なお、本明細書において、導入率は、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができ、また、導入モル比又は修飾率と記載することもある。
本発明におけるエーテル化セルロース繊維の更に好適な態様(態様2)として、例えば、下記一般式(1)で表される置換基及び下記一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基、並びに下記一般式(3)で表される置換基が、それぞれ独立して、エーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有するものが挙げられる。
−CH−CH(R)−R (1)
−CH−CH(R)−CH−(OA)−O−R (2)
−CH−CH(R)−R (3)
〔式中、一般式(1)及び一般式(2)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、一般式(1)及び一般式(2)におけるRはそれぞれ独立して炭素数3以上30以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、一般式(2)におけるnは0以上50以下の数、Aは炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、一般式(3)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、Rは炭素数1以上2以下のアルキル基を示す。〕
態様2のエーテル化セルロース繊維の具体例としては、例えば、下記一般式(5)で表されるものが例示される。
Figure 2018145334
〔式中、Rは同一又は異なって、水素、(a)前記一般式(1)で表される置換基及び前記一般式(2)で表される置換基から選ばれる置換基、もしくは(b)前記一般式(3)で表される置換基を示し、mは20以上3000以下の整数が好ましく、但し、全てのRが、同時に水素である場合、同時に置換基(a)である場合、及び同時に置換基(b)である場合を除く〕
一般式(5)で表されるエーテル化セルロース繊維は、Rが同一又は異なって、水素、(a)前記一般式(1)で表される置換基及び前記一般式(2)で表される置換基から選ばれる置換基、もしくは、(b)前記一般式(3)で表される置換基を示すものであり、前記置換基が導入されたセルロースユニットの繰り返し構造を有するものである。繰り返し構造の繰り返し数として、一般式(5)におけるmは20以上3000以下の整数が好ましく、起泡性の観点から100以上2000以下がより好ましい。
(置換基を有していてもよい炭化水素基)
態様2のエーテル化セルロース繊維における、置換基を有していてもよい炭化水素基は、(a)前記の一般式(1)で表される置換基及び一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基、ならびに、(b)前記の一般式(3)で表される置換基であり、即ち、(a)群の置換基と(b)群の置換基が共に結合され、各群において単独で又は任意の組み合わせで導入される。なお、(a)群の置換基においては、一般式(1)で表される置換基又は一般式(2)で表される置換基のいずれか一方の場合であっても、各置換基においては同一の置換基であっても2種以上が組み合わさって導入されてもよい。(a)群の置換基において、一般式(1)で表される置換基と一般式(2)で表される置換基が、それぞれ、単独で又は2種以上が組み合わせて導入されてもよい。
一般式(1)及び一般式(2)については、態様1と同様である。
一般式(3)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、起泡性の観点から、水酸基が好ましい。
一般式(3)におけるRは炭素数1以上2以下のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基である。一般式(3)で表される置換基の具体例としては、例えば、プロピル基、ブチル基、2−ヒドロキシ−プロピル基、2−ヒドロキシ−ブチル基等が挙げられる。
(導入率)
態様2のエーテル化セルロース繊維において、セルロースの無水グルコースユニット1モルに対する前記一般式(1)で表される置換基及び一般式(2)で表される置換基から選ばれる置換基の導入率は態様1と同様であり、セルロースの無水グルコースユニット1モルに対する前記一般式(3)で表される置換基の導入率は、セルロースI型結晶構造を有し、起泡性の観点から、好ましくは1.5モル以下、より好ましくは1.0モル以下、更に好ましくは0.8モル以下であり、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.02モル以上、更に好ましくは0.04モル以上である。
(平均繊維径)
本発明におけるエーテル化セルロース繊維としては、置換基の種類に関係なく、平均繊維径に特に限定はない。例えば、平均繊維径がマイクロオーダーの態様、平均繊維径がナノオーダーの態様が例示される。
マイクロオーダーの態様のエーテル化セルロース繊維は、起泡性、取扱い性、入手性、及びコストの観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは10μm以上である。また、上限は特に設定されないが、起泡性、取扱い性の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下である。なお、本明細書において、マイクロオーダーのセルロース繊維の平均繊維径は、以下の方法に従って測定することができる。
具体的には、例えば、絶乾したセルロース繊維をイオン交換水中で家庭用ミキサー等を用いて攪拌して繊維を解した後、更にイオン交換水を加え均一になるよう攪拌して得られた水分散液の一部を、メッツォオートメーション社製の「Kajaani Fiber Lab」にて分析する方法が挙げられる。かかる方法により、平均繊維径がマイクロオーダーの繊維径を測定することができる。
ナノオーダーの態様のエーテル化セルロース繊維は、起泡性、取扱い性、入手性、及びコストの観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、更に好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上であり、起泡性及び取扱い性の観点から、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下、より更に好ましくは120nm以下である。なお、本明細書において、ナノオーダーのセルロース繊維の平均繊維径は、以下の方法に従って測定することができる。
具体的には、微細化処理を行なった際に得られた分散液を、光学顕微鏡(キーエンス社製、「デジタルマイクロスコープVHX−1000」)を用いて倍率300〜1000倍で観察し、繊維30本以上の平均値を計測することで、ナノオーダーの繊維径を測定することができる。光学顕微鏡での観察が困難な場合は、前記分散液に溶媒を更に加えて調製した分散液を、マイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe (NCH)を使用)を用いて測定することができる。一般に、高等植物から調製されるセルロースナノファイバーの最小単位は6×6の分子鎖がほぼ正方形の形でパッキングされていることから、AFMによる画像で分析される高さを繊維の幅と見なすことができる。
(結晶化度)
本発明におけるエーテル化セルロース繊維の結晶化度は、起泡性発現の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上である。また、原料入手性の観点から、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下、更に好ましくは80%以下、更に好ましくは75%以下である。なお、本明細書において、セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値から算出したセルロースI型結晶化度であり、後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。セルロースI型結晶構造の有無は、X線回折測定において、2θ=22.6°にピークがあることで判定することができる。
[エーテル化セルロース繊維の製造方法]
本発明におけるエーテル化セルロース繊維は、上記したようにセルロース繊維表面に、置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介して結合しているが、置換基の導入は、特に限定なく公知の方法に従って行うことができる。
以下、態様1及び態様2のエーテル化セルロース繊維を製造する方法の具体的な例を説明する。
(態様1のエーテル化セルロース繊維を製造する方法)
態様1のエーテル化セルロース繊維の製造方法の具体例として、セルロース系原料に対し、塩基存在下、特定の化合物を反応させる態様が挙げられる。
(セルロース系原料)
セルロース系原料は、特に制限はなく、木本系(針葉樹・広葉樹)、草本系(イネ科、アオイ科、マメ科の植物原料、ヤシ科の植物の非木質原料)、パルプ類(綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等)、紙類(新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等)が挙げられる。なかでも、入手性及びコストの観点から、木本系、草本系が好ましい。
セルロース系原料の形状は、特に制限はないが、取扱い性の観点から、繊維状、粉末状、球状、チップ状、フレーク状が好ましい。また、これらの混合物であってもよい。
また、セルロース系原料は、取扱い性等の観点から、生化学的処理、化学処理、及び機械処理から選ばれる少なくとも1つの前処理を予め行なうことができる。生化学的処理としては、使用する薬剤には特に制限がなく、例えばエンドグルカナーゼやエキソグルカナーゼ、ベータグルコシダーゼといった酵素を使用する処理が挙げられる。化学処理としては、使用する薬剤には特に制限がなく、例えば塩酸や硫酸などによる酸処理、過酸化水素やオゾンなどによる酸化処理が挙げられる。機械処理としては、使用する機械や処理条件には特に制限がなく、例えば、高圧圧縮ロールミルや、ロール回転ミル等のロールミル、リングローラーミル、ローラーレースミル又はボールレースミル等の竪型ローラーミル、転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル又は遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル又はアニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル、高速遠心ローラーミルやオングミル等の圧密せん断ミル、乳鉢、石臼、マスコロイダー、フレットミル、エッジランナーミル等の磨砕機、ナイフミル、ピンミル、カッターミル等が挙げられる。
また、上記機械処理の際に水やエタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、トルエン、キシレン等の溶媒、フタル酸系やアジピン酸系、トリメリット酸系などの可塑剤、尿素やアルカリ(土類)金属水酸化物、アミン系化合物などの水素結合阻害剤、等の助剤を添加することで機械処理による形状変化の促進を行うこともできる。このように形状変化を加えることで、セルロース系原料の取扱い性が向上し、置換基の導入が良好となって、ひいては得られるエーテル化セルロース繊維の物性も向上させることが可能となる。添加助剤の使用量は、用いる添加助剤や使用する機械処理の手法等によって変わるが、形状変化を促進する効果を発現する観点から、原料100質量部に対して、通常5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であり、また、形状変化を促進する効果を発現する観点及び経済性の観点から、通常10000質量部以下、好ましくは5000質量部以下、より好ましくは3000質量部以下である。
セルロース系原料の平均繊維径は、特に制限はないが、取扱い性及びコストの観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、更に好ましくは10μm以上、更に好ましくは15μm以上である。また、上限は特に設定されないが、取扱い性の観点から、好ましくは10,000μm以下、より好ましくは5,000μm以下、更に好ましくは1,000μm以下、更に好ましくは500μm以下、より更に好ましくは100μm以下である。
また、製造工程数低減の観点から、あらかじめ微細化されたセルロース系原料を用いてよく、その場合の平均繊維径は、入手性およびコストの観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、更に好ましくは3nm以上、更に好ましくは10nm以上である。また、上限は特に設定されないが、取扱い性の観点から、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下、より更に好ましくは80nm以下である。
なお、セルロース系原料の平均繊維径は、前記したエーテル化セルロース繊維と同様にして測定することができる。
セルロース系原料の組成は、特に限定されないが、セルロース系原料中のセルロース含有量が、セルロースファイバーを得る観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、入手性の観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下であるものが好ましい。ここで、セルロース系原料中のセルロース含有量とは、セルロース系原料中の水分を除いた残余の成分中のセルロース含有量のことである。
また、セルロース系原料中の水分含有量は、特に制限はなく、入手性及びコストの観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、取扱い性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは絶乾処理したもの、即ち10質量%以下である。
(塩基)
本製造態様においては、前記セルロース系原料に、塩基を混合する。
塩基としては、特に制限はないが、エーテル化反応を進行させる観点から、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、1〜3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール及びその誘導体、ピリジン及びその誘導体、並びにアルコキシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
1〜3級アミンとは、1級アミン、2級アミン、及び3級アミンのことであり、具体例としては、エチレンジアミン、ジエチルアミン、プロリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
4級アンモニウム塩としては、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
イミダゾール及びその誘導体としては、1−メチルイミダゾール、3−アミノプロピルイミダゾール、カルボニルジイミダゾール等が挙げられる。
ピリジン及びその誘導体としては、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ピコリン等が挙げられる。
アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられる。
塩基の量は、セルロース系原料の無水グルコースユニットに対して、エーテル化反応を進行させる観点から、好ましくは0.01等量以上、より好ましくは0.05等量以上、更に好ましくは0.1等量以上、更に好ましくは0.2等量以上であり、製造コストの観点から、好ましくは10等量以下、より好ましくは8等量以下、更に好ましくは5等量以下、更に好ましくは3等量以下である。
なお、前記セルロース系原料と塩基の混合は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、特に制限はなく、例えば、水、イソプロパノール、t−ブタノール、ジメチルホルムアミド、トルエン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサン、1,4−ジオキサン、及びこれらの混合物が挙げられる。
セルロース系原料と塩基の混合は、均一に混合できるのであれば、温度や時間は特に制限はない。
次に、前記で得られたセルロース系原料と塩基の混合物に、置換基を有していてもよい炭化水素基を導入するための化合物を添加して、セルロース系原料かかる化合物とを反応させる。かかる化合物としては、セルロース系原料と反応する際に、前記一般式(1)で表される置換基及び一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基をエーテル結合を介して結合させることができるものであれば特に制限はなく、本発明においては、反応性及び非ハロゲン含有化合物の観点から、反応性を有する環状構造基を有する化合物を用いることが好ましく、エポキシ基を有する化合物を用いることが好ましい。以下に、それぞれの化合物を例示する。
一般式(1)で表される置換基をエーテル結合を介して結合させることができる化合物としては、例えば、下記一般式(1A)で示される酸化アルキレン化合物及び一般式(1B)で示されるアルキルハライドが好ましい。かかる化合物は公知技術に従って調製したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。該化合物の総炭素数としては、起泡性の観点から、3以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは8以上、更に好ましくは12以上であり、起泡性の観点から、32以下であり、好ましくは27以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは12以下である。
Figure 2018145334
〔式中、Rは炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。〕
X−(CH−R (1B)
〔式中、Rは炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子である。〕
一般式(1A)及び(1B)におけるRは、炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。アルキル基の炭素数は、3以上30以下であるが、起泡性の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上であり、起泡性の観点から、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、更に好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。具体的には、一般式(1)で表される置換基におけるRの項に記載のものを挙げることができる。
一般式(1A)で示される化合物の具体例としては、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシオクタデカンが挙げられる。
一般式(1B)で示される化合物の具体例としては、1−クロロペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロオクタン、1−クロロデカン、1−クロロドデカン、1−クロロヘキサデカン、1−クロロオクタデカン、1−ブロモペンタン、1−ブロモヘキサン、1−ブロモオクタン、1−ブロモデカン、1−ブロモドデカン、1−ブロモヘキサデカン、1−ブロモオクタデカン、1−ヨードペンタン、1−ヨードヘキサン、1−ヨードオクタン、1−ヨードデカン、1−ヨードドデカン、1−ヨードヘキサデカン、1−ヨードオクタデカンが挙げられる。
一般式(2)で表される置換基をエーテル結合を介して結合させることができる化合物としては、例えば、下記一般式(2A)で示されるグリシジルエーテル化合物が好ましい。かかる化合物は公知技術に従って調製したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。該化合物の総炭素数としては、起泡性の観点から、5以上が好ましく、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上、更に好ましくは20以上であり、起泡性の観点から、100以下が好ましく、より好ましくは75以下、更に好ましくは50以下である。
Figure 2018145334
〔式中、Rは炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Aは炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基、nは0以上50以下の数を示す〕
一般式(2A)におけるRは、炭素数3以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。アルキル基の炭素数は、3以上30以下であるが、起泡性の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、起泡性の観点から、好ましくは27以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、更に好ましくは12以下である。具体的には、一般式(2)で表される置換基におけるRの項に記載のものを挙げることができる。
一般式(2A)におけるAは、炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基であり、隣接する酸素原子とオキシアルキレン基を形成する。Aの炭素数は1以上6以下であるが、入手性及びコストの観点から、好ましくは2以上であり、同様の観点から、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。具体的には、一般式(2)で表される置換基におけるAの項に記載のものが例示され、なかでも、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
一般式(2A)におけるnは、アルキレンオキサイドの付加モル数を示す。nは0以上50以下の数であるが、入手性及びコストの観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であり、同様の観点から、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。
一般式(2A)で示される化合物の具体例としては、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、イソステアリルグリシジルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。
前記化合物の量は、得られるエーテル化セルロース繊維における前記一般式(1)で表される置換基及び/又は一般式(2)で表される置換基の所望の導入率により決めることができるが、反応性の観点から、セルロース系原料の無水グルコースユニットに対して、好ましくは0.01等量以上、より好ましくは0.1等量以上、更に好ましくは0.3等量以上、更に好ましくは0.5等量以上、更に好ましくは1.0等量以上であり、製造コストの観点から、好ましくは10等量以下、より好ましくは8等量以下、更に好ましくは6.5等量以下、更に好ましくは5等量以下である。
(エーテル反応)
前記化合物とセルロース系原料とのエーテル反応は、溶媒の存在下で、両者を混合することにより行うことができる。溶媒としては、特に制限はなく、前記塩基を存在させる際に使用することができると例示した溶媒を用いることができる。
溶媒の使用量としては、セルロース系原料や前記置換基を有していてもよい炭化水素基を導入するための化合物の種類によって一概には決定されないが、セルロース系原料100質量部に対して、反応性の観点から、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは75質量部以上、更に好ましくは100質量部以上、更に好ましくは200質量部以上であり、生産性の観点から、好ましくは10,000質量部以下、より好ましくは5,000質量部以下、更に好ましくは2,500質量部以下、更に好ましくは1,000質量部以下、更に好ましくは500質量部以下である。
混合条件としては、セルロース系原料や前記置換基を有していてもよい炭化水素基を導入するための化合物が均一に混合され、十分に反応が進行できるのであれば特に制限はなく、連続的な混合処理は行っても行わなくてもよい。1Lを超えるような比較的大きな反応容器を用いる場合には、反応温度を制御する観点から、適宜攪拌を行ってもよい。
反応温度としては、セルロース系原料や前記置換基を有していてもよい炭化水素基を導入するための化合物の種類及び目標とする導入率によって一概には決定されないが、反応性を向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、熱分解を抑制する観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下、更に好ましくは100℃以下である。
反応時間としては、セルロース系原料や前記置換基を有していてもよい炭化水素基を導入するための化合物の種類及び目標とする導入率によって一概には決定されないが、反応性の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上、より好ましくは6時間以上、更に好ましくは10時間以上であり、生産性の観点から、好ましくは60時間以下、より好ましくは48時間以下、更に好ましくは36時間以下である。
また、エーテル化セルロース繊維は、前記反応後に、取扱い性の観点から、例えば、セルロース系原料に対して行う前処理と同様の処理を反応物に対して行なって、チップ状やフレーク状、粉末状にしてもよい。かかる処理によって形状変化がもたらされることで、得られるエーテル化セルロース繊維を水に添加した場合は、より低エネルギーでエーテル化セルロース繊維と水の組成物を製造できる。
また更に、エーテル化セルロース繊維は、前記反応後に、公知の微細化処理を行って微細化してもよい。例えば、有機溶媒中で高圧ホモジナイザー等を用いた処理を行なうことで微細化することができる。また、あらかじめ微細化処理されたセルロース系原料を用いて前記した置換基の導入反応を行って微細エーテル化セルロース繊維を得ることもできるが、起泡性の観点から、前記置換基導入の反応後に、公知の微細化処理を行って微細化することが好ましい。
具体的には、例えば、平均繊維径が5μm以上のエーテル化セルロース繊維を得る場合は、容器駆動式媒体ミルや媒体攪拌式ミルなどの機械処理を行なうことができる。また、平均繊維径が1nm以上500nm以下のエーテル化セルロース繊維を得る場合は、マスコロイダー等の磨砕機を用いた処理や有機溶媒中で高圧ホモジナイザー等を用いた処理を行うことができる。
反応後は、未反応の化合物や塩基等を除去するために、適宜後処理を行うことができる。該後処理の方法としては、例えば、未反応の塩基を酸(有機酸、無機酸など)で中和し、その後、未反応の化合物や塩基が溶解する溶媒を用いて洗浄することができる。所望により、更に乾燥(真空乾燥など)を行ってもよい。
かくして、エーテル化セルロース繊維が得られる。
(態様2のエーテル化セルロース繊維を製造する方法)
かかる製造方法の一例としては、例えば、塩基存在下、態様1のエーテル化セルロース繊維と、一般式(3)で表される置換基をエーテル結合を介して結合させることができる化合物とを反応させる方法が挙げられる。本発明においては、一般式(1)及び/又は(2)で表される置換基の導入と、一般式(3)で表される置換基の導入との導入順は問わず、一般式(3)で表される置換基の導入条件は、態様1と同じ条件を採用できる。
一般式(3)で表される置換基をエーテル結合を介して結合させることができる化合物としては、例えば、下記一般式(3A)で示される酸化アルキレン化合物及び一般式(3B)で示されるアルキルハライドが好ましい。かかる化合物は公知技術に従って調製したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。該化合物の総炭素数としては、起泡性の観点から、3以上4以下である。
Figure 2018145334
〔式中、Rは炭素数1以上2以下のアルキル基を示す。〕
X−(CH−R (3B)
〔式中、Rは炭素数1以上2以下のアルキル基を示し、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子である。〕
一般式(3A)及び(3B)におけるRは、炭素数1以上2以下のアルキル基であり、メチル基又はエチル基である。
一般式(3A)で示される化合物の具体例としては、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシブタンが挙げられる。
一般式(3B)で示される化合物の具体例としては、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、1−ヨードプロパン、1−ヨードブタン等が挙げられる。
前記化合物の量は、得られるセルロース繊維における前記一般式(3)で表される置換基の所望の導入率により決めることができるが、起泡性の観点から、セルロース系原料の無水グルコースユニットに対して、好ましくは5.0等量以下であればよく、下限は0.02等量程度である。
(水)
本発明の組成物を構成する水は、特に制限されないが、夾雑物ができるだけ少ないものが好ましい。例えば、上水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水、超純水が好ましい水である。
[組成物]
エーテル化セルロース繊維は、水と混合して本発明の組成物とすることができる。本発明はまた、エーテル化セルロース繊維と水とを含有してなる組成物を提供する。
本発明の組成物中のエーテル化セルロース繊維の含有量は、起泡性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、コストの観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の組成物中の水の含有量は、コストの観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、起泡性の観点から、好ましくは99.99質量%以下、より好ましくは質量%以下、更に好ましくは99.95質量%以下、更に好ましくは99.9質量%以下である。
本発明の組成物中のエーテル化セルロース繊維量は、水100質量部に対して、起泡性の観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上であり、また、エーテル化セルロース繊維を含有させる観点から、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
本発明の組成物は、前記以外の他の成分として、無機塩類、有機塩類、界面活性剤、オイル類、保湿剤、防腐剤、有機微粒子、無機微粒子、染料、消臭剤、香料、有機溶媒等の機能性添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。かかる成分含有割合としては、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜含有されても良いが、例えば、組成物中50質量%以下が好ましく、40質量%程度以下がより好ましく、30質量%程度以下が更に好ましい。
本発明の組成物は、例えば、エーテル化セルロース繊維と水との分散体で存在し、提供される。
本発明の組成物は、意外にも起泡性に富む効果を有する。従って、本発明の組成物は起泡剤組成物として提供される。また、本発明の組成物から水を除いたもの、即ち、置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維を起泡剤としてもよい。
具体的には、かかる効果を利用して、ボディーシャンプー、ハンドクリーナー、シェーブローション、洗顔剤、クレンジングクリーム、化粧水、美容液、パック、軟膏、貼布剤等の皮膚用処理剤組成物、シャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、ヘアスタイリング剤、ヘアトリートメント剤、染毛剤、育毛剤等の毛髪用処理剤組成物、食器洗い用洗剤、トイレ用洗浄剤、タイル用洗浄剤、金属用洗浄剤、バスタブ用洗浄剤、フロア用洗浄剤等の硬質表面用処理剤組成物、並びに衣料用洗剤、洗濯柔軟剤、衣料用糊剤、仕上げ剤等の衣料用処理剤組成物からなる群より選択される1種以上の用途に使用することができる。
(組成物の製造方法)
本発明の組成物は、各々の用途に合わせて、前記エーテル化セルロース繊維と水、更に必要により各種添加剤を含有する原料を、公知の攪拌機を用いて混合することにより調製することができる。
エーテル化セルロース繊維と水との混合割合や、各種添加剤の添加量については、前記の範囲を満たすように設定すればよい。
以下、製造例、実施例及び試験例を示して本発明を具体的に説明する。なお、この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。例中の部は、特記しない限り質量部である。なお、「常圧」とは101.3kPaを、「室温」とは25℃を示す。
製造例1(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル化剤の製造)
1000Lの反応槽に、ポリオキシエチレン(13)−n−アルキル(C12)エーテル(花王社製、エマルゲン120、アルキル鎖長;n−C12、オキシエチレン基のモル平均重合度;13)250kgを融解して仕込み、更にテトラブチルアンモニウムブロミド(広栄化学工業社製)3.8kg、エピクロルヒドリン(ダウケミカル社製)81kg、トルエン83kgを投入して、攪拌・混合した。槽内温度を50℃に維持しつつ、攪拌しながら、48質量%水酸化ナトリウム水溶液(南海化学社製)130kgを1時間で滴下した。滴下終了後、槽内温度を50℃に維持したまま6時間、攪拌・熟成した。熟成終了後、反応混合物を水250kgで6回水洗して塩及びアルカリを除去し、その後、有機相を減圧(6.6kPa)下、90℃まで昇温し、残留するエピクロルヒドリン、溶媒及び水を留去した。減圧下、更に水蒸気250kgを吹き込んで低沸点化合物を除去し、下式の構造を有するn−アルキル(C12)ポリオキシエチレン(13)グリシジルエーテル(以下、エマルゲン120GEともいう。)240kgを得た。
Figure 2018145334
実施例1<エーテル化セルロース繊維の水性分散体1の調製>
まず、絶乾したセルロース粉末(レッテンマイヤー社製、ARBOCEL BC200)45gに、6.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液96g(和光純薬社製 水酸化ナトリウム顆粒及びイオン交換水により調製、NaOH0.55等量/無水グルコースユニット1等量(AGU:セルロース原料がすべて無水グルコースユニットで構成されていると仮定し算出、以下同様))を添加し、均一に混合した後、酸化プロピレン39g(和光純薬社製、2.4等量/AGU)を添加し、密閉した後に50℃、24h静置反応を行った。反応後、酢酸(和工光純薬社製)で中和し、水/イソプロパノール(和光純薬社製)混合溶媒で十分に洗浄することで不純物を取り除き、更に50℃で一晩真空乾燥を行うことで、1種類の置換基を有するエーテル化セルロース繊維を得た。
次に、上記で得られたエーテル化セルロース繊維45gに、6.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液96g(NaOH0.55等量/AGU)を添加し、均一に混合した後、1,2−エポキシヘキサン5.6g(0.20等量/AGU)を添加し、密閉した後に70℃、20h静置反応を行った。反応後、酢酸で中和し、アセトン(和光純薬社製)及び水/イソプロパノール混合溶媒で十分に洗浄することで不純物を取り除き、更に50℃で一晩真空乾燥を行うことで、2種類の置換基を有するエーテル化セルロース繊維を得た。
得られた2種類の置換基を有するエーテル化セルロース繊維1.2gをイオン交換水98.8g中に投入し、ホモジナイザー(プライミクス社製、T.K.ロボミックス)にて3000rpm、30分間攪拌後、高圧ホモジナイザー(吉田機械社製、「ナノヴェイタL−ES」)にて100MPaで10パス処理することで、微細化されたエーテル化セルロース繊維が水中に分散した微細エーテル化セルロース分散体1(固形分濃度1.2質量%)を得た。
実施例2<エーテル化セルロース繊維の水性分散体2の調製>
実施例1にて得られた1種類の置換基を有するエーテル化セルロース繊維45gに、6.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液96g(NaOH0.55等量/AGU)を添加し、均一に混合した後、製造例1で調製したポリオキシアルキレンアルキルエーテル化剤23g(0.10等量/AGU)を添加し、密閉した後に70℃、20h静置反応を行った。反応後、酢酸で中和し、アセトン(和光純薬社製)及び水/イソプロパノール混合溶媒で十分に洗浄することで不純物を取り除き、更に50℃で一晩真空乾燥を行うことで、2種類の置換基を有するエーテル化セルロース繊維を得た。
得られた2種類の置換基を有するエーテル化セルロース繊維1.4gをイオン交換水100g中に投入し、実施例1と同様の分散処理を行うことで、微細化されたエーテル化セルロース繊維が水中に分散した微細エーテル化セルロース分散体1(固形分濃度1.4質量%)を得た。
得られた微細エーテル化セルロース繊維分散体について、置換基導入率、及び結晶構造の確認(結晶化度)を、下記試験例1、2の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
試験例1(置換基導入率(置換度))
得られたエーテル化セルロース繊維中に含有される、疎水エーテル基の含有量%(質量%)は、Analytical Chemistry, Vol.51, No.13, 2172(1979)、「第十五改正日本薬局方(ヒドロキシプロピルセルロースの分析方法の項)」等に記載の、セルロースエーテルのアルコキシ基の平均付加モル数を分析する手法として知られるZeisel法に準じて算出した。以下に手順を示す。
(i)200mLメスフラスコにn−オクタデカン0.1gを加え、ヘキサンにて標線までメスアップを行い、内標溶液を調製した。
(ii)精製、乾燥を行ったエーテル化セルロース繊維100mg、アジピン酸100mgを10mLバイアル瓶に精秤し、ヨウ化水素酸2mLを加えて密栓した。
(iii)上記バイアル瓶中の混合物を、スターラーチップにより攪拌しながら、160℃のブロックヒーターにて1時間加熱した。
(iv)加熱後、バイアルに内標溶液3mL、ジエチルエーテル3mLを順次注入し、室温で1分間攪拌した。
(v)バイアル瓶中の2相に分離した混合物の上層(ジエチルエーテル層)をガスクロマトグラフィー(SHIMADZU社製、「GC2010Plus」)にて分析した。分析条件は以下のとおりであった。
カラム:アジレント・テクノロジー社製DB−5(12m、0.2mm×0.33μm)
カラム温度:100℃→10℃/min→280℃(10min Hold)
インジェクター温度:300℃、検出器温度:300℃、打ち込み量:1μL
使用したエーテル化試薬、即ち、酸化プロピレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル化剤及び1,2−エポキシヘキサンの検出量から、エーテル化セルロース繊維中のエーテル基の含有量(質量%)を算出した。
得られたエーテル基含有量から、下記数式(1)を用いてモル置換度(MS)(無水グルコースユニット1モルに対する置換基モル量)を算出した。
(数式1)
MS=(W1/Mw)/((100−W1)/162.14)
W1:エーテル化セルロース繊維中のエーテル基の含有量(質量%)
Mw:導入したエーテル化試薬の分子量(g/mol)
試験例2(結晶構造の確認)
エーテル化セルロース繊維の結晶構造は、リガク社製の「RigakuRINT 2500VC X−RAY diffractometer」を用いて以下の条件で測定することにより確認した。
測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation、管電圧:40kv、管電流:120mA、測定範囲:回折角2θ=5〜45°、X線のスキャンスピード:10°/minとした。測定用サンプルは面積320mm×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製した。また、セルロースI型結晶構造の結晶化度は得られたX線回折強度を、以下の式(A)に基づいて算出した。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
一方、上記式(A)で得られる結晶化度が35%以下の場合には、算出精度の向上の観点から、「木質科学実験マニュアル」(日本木材学会編)のP199−200の記載に則り、以下の式(B)に基づいて算出することが好ましい。
したがって、上記式(A)で得られる結晶化度が35%以下の場合には、以下の式(B)に基づいて算出した値を結晶化度として用いることができる。
セルロースI型結晶化度(%)=[Ac/(Ac+Aa)]×100 (B)
〔式中、Acは、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)、(011面)(回折角2θ=15.1°)および(0−11面)(回折角2θ=16.2°)のピーク面積の総和、Aaは,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)のピーク面積を示し、各ピーク面積は得られたX線回折チャートをガウス関数でフィッティングすることで求める〕
上記実施例で得られたエーテル化セルロース繊維の組成を表1に示す。ここで、実施例1で得られた水性分散体1をCNF-1、実施例2で得られた水性分散体2をCNF-2、及び比較対象としての比較例1で用いるセルロース繊維(CNF)(スギノマシン社製、BiNFi−s)をCNF-RFと記載する。
Figure 2018145334
上記のCNF-1、CNF-2及びCNF-RFを用い、イオン交換水で有効成分が0.3質量%になるように希釈し、それぞれの試験液とした。比較例2としては、セルロース繊維を添加せず、イオン交換水のみのものを試験液とした。これらの試験液を用いて、以下に示す評価基準、評価方法により、起泡、皮膚塗布、毛髪塗布、硬質表面塗布及び衣料塗布の試験を行った。結果を表2に示す。
評価方法
<起泡試験>
試験液20gを100mL蓋付きメスシリンダーに入れ、10回/10秒間の速さで振とうを行い、静置直後の泡量(空気相と泡面境界の目盛−溶液相と泡面境界)を測定した。
<皮膚塗布試験>
5人の専門パネラーが、試験液0.5mLを手指に塗布し、水道水ですすいだ後、乾燥し、以下に示す評価基準及び評価方法により、乾燥後のさらさら感、乾燥後のコート感の評価を行った。表2には、5人の評価の平均点を記載した。
・乾燥後のさらさら感
5:非常にさらさらし、皮膚のべたつきを全く感じない。
4:さらさらし、ほとんどべたつきを感じない。
3:普通(比較例2と同等)。
2:さらさらせず、はっきりとべたつきを感じる。
1:非常にべたつく(さらさら感が全く感じない)。
・乾燥後のコート感
5:コート感が強く、指先のかさつきを全く感じない。
4:コート感があり、指先のかさつきが弱い。
3:普通(比較例2と同等)。
2:コート感がなく、指先のかさつきが強い。
1:全くコート感がなく、指先のかさつきが非常に強い。
<毛髪塗布試験>
5人の専門パネラーが、試験液0.1mLをトレス(アジア毛、約15cm、1g)に塗布、すすぎ、乾燥(ドライヤー)を行い、以下に示す評価基準及び評価方法により、塗布時の髪のまとまり性、乾燥後の髪のまとまり性、乾燥後の櫛通り性、及び乾燥後の髪の艶感の評価を行った。表2には、5人の評価の平均点を記載した。
・塗布時又は乾燥後の髪のまとまり性
5:髪のまとまりが非常によい。
4:髪のまとまりがよい。
3:普通(比較例2と同等)。
2:髪のまとまりが悪い。
1:髪が全くまとまらない。
・乾燥後の櫛通り性
5:櫛通りが非常に良い。
4:櫛通りが良い。
3:櫛通りが普通(比較例2と同等)。
2:櫛通りが悪い。
1:櫛通りが非常に悪い。
・乾燥後の髪の艶感
5:艶感が強い。
4:艶感がややある。
3:普通(比較例2と同等)。
2:艶感があまりない。
1:艶感が全くない。
<硬質表面塗布試験>
試験液0.1mLをスライドガラス(18mm×50mm)に一様になるように塗布後、イオン交換水(100mL)ですすぎ、ドライヤーを用いて乾燥させた。マイクロシリンジにてイオン交換水(0.02mL)を上記処理を行ったスライドガラスに滴下し、光学顕微鏡(キーエンス社製、「デジタルマイクロスコープVHX−1000」、倍率25倍)にて滴下後5秒後の液滴を撮影後、本機を用いて接触角を算出した。数値(接触角)が大きいほど表面が疎水的となり、撥水性が良好である。
<衣料塗布試験>
50mLのガラス製サンプル瓶(マルエム社製、No.7)に試験液10gおよびイオン交換水20gを入れ、均一に混合した後に、木綿布(5cm×5cm)を入れ、30回/10秒で激しく振とうし、試験液を木綿布に十分浸漬させた。1時間静置後、試験液を排水し、水道水(40mL、25℃)にて3回共洗いを行った後に乾燥させた。これらの木綿布を用いて、乾燥後のしわ抑制性と、速乾性を評価した。
乾燥後の木綿布の使用感
5人の専門パネラーにより、以下に示す評価基準及び評価方法により、乾燥後のしわ抑制性について評価を行った。表2には、5人の評価の平均点を記載した。
・乾燥後のしわ抑制性
5:繊維を強く絞っても、しわが全く生じない。
4:繊維を強く絞っても、しわが生じにくい。
3:繊維を強く絞ると、しわが生じるが、弱く絞る場合は、しわが生じない。
(比較例2と同等)
2:繊維を弱く絞っても、僅かにしわが生じる。
1:繊維を弱く絞っても、大量のしわが生じる。
速乾性
乾燥後の木綿布にイオン交換水0.5gを浸漬させたのち、ドライヤーにて乾燥を行い、30秒後、60秒後及び90秒後の水分重量を測定することで乾燥速度を評価した。短時間で水分減少する方が速乾性に優れることを示す。
Figure 2018145334
表2より以下のことが分かった。
起泡性に関して、実施例1、2と比較例1から、単なるセルロース繊維では起泡性は見られず、エーテル化セルロース繊維とすることで明確に起泡性が確認できた。
皮膚塗布、毛髪塗布、硬質表面塗布及び衣料塗布に関して、比較例1の単なるセルロース繊維は、基準の水と同程度の効果であったが、実施例1、2のエーテル化セルロース繊維では、明確に効果が向上していた。
本発明のエーテル化セルロース繊維と水とを含有する組成物は、皮膚や毛髪、硬質表面、衣料の洗浄剤の用途に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. エーテル化セルロース繊維及び水を含有する組成物であって、該エーテル化セルロース繊維が、置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維である、組成物。
  2. エーテル化セルロース繊維が、下記一般式(1)で表される置換基及び下記一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維である、請求項1に記載の組成物。
    −CH−CH(R)−R (1)
    −CH−CH(R)−CH−(OA)−O−R (2)
    〔式中、一般式(1)及び一般式(2)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、一般式(1)及び一般式(2)におけるRはそれぞれ独立して炭素数3以上30以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキルを示し、一般式(2)におけるnは0以上50以下の数、Aは炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示す。〕
  3. エーテル化セルロース繊維が、下記一般式(1)で表される置換基及び下記一般式(2)で表される置換基から選ばれる1種又は2種以上の置換基、並びに下記一般式(3)で表される置換基が、それぞれ独立して、エーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維である、請求項1に記載の組成物。
    −CH−CH(R)−R (1)
    −CH−CH(R)−CH−(OA)−O−R (2)
    −CH−CH(R)−R (3)
    〔式中、一般式(1)及び一般式(2)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、一般式(1)及び一般式(2)におけるRはそれぞれ独立して炭素数3以上30以下の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、一般式(2)におけるnは0以上50以下の数、Aは炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、一般式(3)におけるRは水素原子又は水酸基を示し、Rは炭素数1以上2以下のアルキル基を示す。〕
  4. 分散体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 皮膚用処理剤組成物、毛髪用処理剤組成物、硬質表面用処理剤組成物又は衣料用処理剤組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 置換基を有していてもよい炭化水素基がエーテル結合を介してセルロース繊維に結合しており、セルロースI型結晶構造を有する改質セルロース繊維からなる起泡剤。
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