JP2019020102A - 塗装用乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワークの塗装品質の低下を防ぎつつ塗膜の乾燥に要する時間を短縮することができ且つ構造を簡素化できる塗装用乾燥装置を提供する。【解決手段】 塗装された自動車ボディとしてのワークWを乾燥する塗装用乾燥装置1は、乾燥炉10と、ワークWを乾燥炉10の炉内空間11を通じて搬送方向Dに連続搬送するためのコンベア20と、乾燥炉10の炉内空間11に導入され、コンベア20によって搬送方向Dに連続搬送されるワークWに向かい合う状態で搬送方向Dに移動する被加熱部材30と、被加熱部材30を乾燥炉10の炉内空間11への導入前に加熱する加熱装置40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、塗装されたワークを乾燥する塗装用乾燥装置に関する。
この種の塗装用乾燥装置は、例えば、塗装工程で塗装処理された後の自動車ボディの塗膜の乾燥に使用される。この乾燥装置の一例として、自動車ボディを乾燥炉内で連続搬送しながら、熱風によってこの自動車ボディの塗膜を乾燥するように構成されたものが知られている。
この乾燥装置では、熱風が乾燥炉内を上昇し炉内下部に滞留しにくいことや、自動車ボディの底部に板厚の厚い部材が集中していることで、この底部の温度が上がりにくい。従って、自動車ボディの底部の昇温時間が律速となって、自動車ボディ全体の昇温に要する時間が長くなるという問題がある。また、自動車ボディの塗膜の乾燥初期の段階で熱風を用いる場合には、熱風によって巻き上げられたごみ等の異物が塗膜に付着し易くなり、これにより自動車ボディの塗装品質が低下するという問題が生じ得る。
そこで、これらの問題を解消するために、例えば下記の特許文献1に開示の乾燥炉を採用することができる。この乾燥炉は、自動車ボディを各停止位置で一時的に停留させるようにタクト搬送(間欠搬送)するコンベアと、このコンベアによって搬送される自動車ボディを加熱する加熱コイルを有する加熱装置と、を備えている。
この乾燥炉によれば、加熱装置を自動車ボディの底部に向けて配置することによって、熱風を使用することなく自動車ボディの底部を直接加熱できる。このため、自動車ボディを熱風で加熱する構造に比べて昇温時間を短縮でき、またごみ等の異物が塗膜に付着しにくいため、自動車ボディの塗装品質の低下を防ぐことができる。
特開2005−87819号公報
しかしながら、この乾燥炉を採用した場合には、自動車ボディを各停止位置に一時的に停留させて加熱する処理を複数繰り返す必要があり、自動車ボディを連続搬送しながら加熱する構造に比べると、乾燥工程全体に要する時間が長くなる。
かといって、タクト搬送を止めて連続搬送を採用しようとすると、例えば加熱装置自体を高温の乾燥炉内に配置して自動車ボディの動きに同期させて連続的に動かす必要があり、そのための構造が複雑になる。
また、このような問題は、塗装された自動車ボディの塗膜の乾燥のみならず、自動車ボディ以外の他のワークの塗膜の乾燥についても同様に起こり得る。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ワークの塗装品質の低下を防ぎつつ塗膜の乾燥に要する時間を短縮することができ且つ構造を簡素化できる塗装用乾燥装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
塗装されたワークを乾燥する塗装用乾燥装置であって、
乾燥炉と、
上記ワークを上記乾燥炉の炉内空間を通じて搬送方向に連続搬送するためのコンベアと、
上記乾燥炉の上記炉内空間へ導入され、上記コンベアによって上記搬送方向に連続搬送される上記ワークに向かい合う状態で上記搬送方向に移動する被加熱部材と、
上記被加熱部材を上記乾燥炉の上記炉内空間への導入前に加熱する加熱装置と、
を備える、塗装用乾燥装置、
にある。
上記の塗装用乾燥装置において、ワークはコンベアによって乾燥炉の炉内空間を通じて搬送方向に連続搬送される。このとき、乾燥炉の炉内空間への導入前に加熱装置によって予め直接加熱された被加熱部材は、このワークに向かい合う状態で搬送方向に移動する。このため、乾燥炉の炉内空間において、ワークは、被加熱部材から放出された放射熱によって、またこの放射熱で熱せられた空気の自然対流によって間接的に加熱されながら、搬送方向に連続搬送される。
従って、この塗装用乾燥装置によれば、ワークを熱風で加熱する場合に生じ得る塗装品質の低下を防ぐことができる。また、ワークを連続搬送しながら被加熱部材によって継続的に加熱することができるため、タクト搬送のようにワークを間欠的に搬送する場合に比べて乾燥工程全体に要する時間を短縮できる。更に、被加熱部材の加熱源である加熱装置を乾燥炉の外部に配置できるため、加熱装置自体を乾燥炉の炉内空間に配置する場合に比べて構造を簡素化できる。
以上のごとく、上記の態様によれば、ワークの塗装品質の低下を防ぎつつ塗膜の乾燥に要する時間を短縮することができ且つ構造を簡素化できる塗装用乾燥装置を提供することが可能になる。
本実施形態の塗装用乾燥装置を側方から視た全体図。 図1中の乾燥炉の第1乾燥ゾーンを導入口側から視た図。 図1中の乾燥炉の第2乾燥ゾーンを導入口側から視た図。 図1中のコンベアのベルト部の部分拡大図。 図4のV-V線断面矢視図。 図1中のコンベアのベルト部を斜め上方から視た斜視図。
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
上記の塗装用乾燥装置において、上記コンベアは、無端環状のベルト部と、上記ベルト部を循環回転させる駆動部と、上記ベルト部のベルト表面側に上記ワークを支持可能に設けられた支持部と、を備え、上記被加熱部材は、上記ベルト部の上記支持部によって支持された上記ワークの直下に位置するように上記ベルト部の表面側に設けられているのが好ましい。
この乾燥装置において、駆動部が回転部を駆動することによってベルト部が循環回転し、被加熱部材はワークの直下をこのベルト部と一体となって搬送方向に移動する。このため、被加熱部材をワークと一体的に同一の速度で搬送することができ、被加熱部材によるワークの加熱効率を高めることができる。特に、ワークをその直下から加熱することによって、ワーク全体の昇温に要する時間を短縮できる。
また、加熱装置で直接加熱された被加熱部材を、ワークの搬送前の準備段階でコンベアによって循環回転させることによって、乾燥炉の炉内空間の昇温を短時間で行うことができ、また炉内空間を予め昇温することによって結露の発生を防ぐことができる。
上記の塗装用乾燥装置において、上記被加熱部材の複数が上記ベルト部に上記搬送方向に互いに間隔を隔てて配置されており、1つの上記被加熱部材が上記ワークの直下を上記搬送方向に移動するとき、別の上記被加熱部材が上記加熱装置によって加熱されるように構成されているのが好ましい。
この乾燥装置によれば、1つのワークの乾燥中に、次のワークの乾燥に使用する被加熱部材を予め加熱装置で加熱して準備しておくことができるため合理的である。
上記の塗装用乾燥装置において、上記被加熱部材は、磁性体を含み、上記加熱装置は、交流電源に接続された加熱コイルを有する誘導加熱装置であり、上記加熱コイルに交流電流が通電されたときの電磁誘導によって上記磁性体が自己発熱することを利用して上記被加熱部材を加熱するように構成されているのが好ましい。
この乾燥装置によれば、誘導加熱装置を使用して被加熱部材を加熱することによって、この被加熱部材の温度を短時間で上昇させることができる。
上記の塗装用乾燥装置は、上記加熱装置によって加熱された後であって且つ上記乾燥炉の上記炉内空間に導入される前の上記被加熱部材の温度を検出する温度検出部と、上記温度検出部によって検出される上記被加熱部材の検出温度が目標温度になるように上記加熱装置の出力を制御する制御装置と、を備えるのが好ましい。
この乾燥装置によれば、被加熱部材によるワークの塗膜の乾燥状態が一定となるように調整することができる。
上記の塗装用乾燥装置において、上記制御装置は、種類の異なる複数の上記ワークのそれぞれに対応した上記目標温度を記憶する記憶部を有し、上記コンベアによって連続搬送される上記ワークの種類に応じて上記記憶部からこのワークに対応した上記目標温度を読み出して、上記温度検出部によって検出される検出温度がこの目標温度になるように上記加熱装置の出力を制御するのが好ましい。
この乾燥装置によれば、種類の異なる複数のワークのそれぞれに適した乾燥条件に加熱装置を調節することができ、汎用性に優れた乾燥装置を実現できる。
上記の塗装用乾燥装置において、上記乾燥炉は、上記炉内空間に、第1乾燥ゾーンと、上記搬送方向について上記第1乾燥ゾーンの下流に位置する第2乾燥ゾーンと、上記第2乾燥ゾーンに向けて熱風を供給する熱風供給部と、を備えるのが好ましい。
この乾燥装置において、熱風供給部は、第1乾燥ゾーンには設けられておらず、この第1乾燥ゾーンの下流に位置する第2乾燥ゾーンにのみ設けられている。第1乾燥ゾーンと第2乾燥ゾーンは互いに連続してもよいし、或いは第1乾燥ゾーンと第2乾燥ゾーンとの間に別の乾燥ゾーンが介在していてもよい。
ここで、第1乾燥ゾーンでは乾燥初期の段階のワークが搬送されるのに対して、第2乾燥ゾーンでは第1乾燥ゾーンよりも塗膜の硬化が進行した段階のワークが搬送される。このため、第2乾燥ゾーンでは熱風によって巻き上げられた異物がワークの塗膜に付着しにくく、その一方で熱風を使用することによってワーク全体の昇温時間を短縮できる。
以下、塗装されたワークの塗膜の乾燥に使用する塗装用乾燥装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
この実施形態を説明するための図面において、特にことわらない限り、塗装用乾燥装置を構成する乾燥炉の長手方向である第1方向を矢印Xで示し、この乾燥炉の幅方向である第2方向を矢印Yで示し、第1方向X及び第2方向Yのいずれにも直交する乾燥炉の高さ方向(上下方向)である第3方向を矢印Zで示すものとする。
(実施形態)
図1〜図3に示されるように、本実施形態の塗装用乾燥装置(以下、単に「乾燥装置」という。)1は、自動車ボディとしてのワークWの塗膜の乾燥処理を行うための装置である。この乾燥処理によれば、ワークWの外部からの加熱によってこのワークWの表面に形成されている塗膜が加熱乾燥される。この乾燥処理は「焼付乾燥」とも称呼される。
乾燥装置1は、乾燥炉10と、コンベア20と、被加熱部材30と、加熱装置40と、温度センサ50と、制御装置60と、を備えている。
乾燥炉10は、筒軸が第1方向Xに延在する略角筒形状を呈しており、第1方向Xの両端部のうちの一方に設けられた導入口10aと、この両端部のうちの他方に設けられた導出口10bと、筒内空間としての炉内空間11と、を備えている。この場合、ワークWが炉内空間11を導入口10a側から導出口10b側へと向かう方向が、このワークWの搬送方向Dとなる。
この乾燥炉10は、炉内空間11に、第1乾燥ゾーン11aと、第2乾燥ゾーン11bと、を備えている。第1乾燥ゾーン11aは、炉内空間11の中でワークWの搬送方向Dについて最も上流に位置している。第2乾燥ゾーン11bは、第1乾燥ゾーン11aに連続しており、炉内空間11の中でワークWの搬送方向Dについて第1乾燥ゾーンの11aの下流に位置している。
ここで、第1乾燥ゾーン11aは、炉内空間11のうちワークWが乾燥初期の段階で搬送される領域である。これに対して、第2乾燥ゾーン11bは、炉内空間11のうちワークWが第1乾燥ゾーン11aよりも塗膜の硬化が進行した状態で搬送される領域である。第1乾燥ゾーン11aを「暗赤ゾーン」といい、第2乾燥ゾーン11bを「対流ゾーン」ということもできる。
図2に示されるように、乾燥炉10の炉内空間11のうち第1乾燥ゾーン11aには、第2方向Yの両側の炉壁面13から炉内空間11を加熱する側面加熱構造が設けられている。この側面加熱構造として、熱風を循環させることによって炉内空間11を加熱する構造(図2中の矢印を参照)と、側面ヒータパネル及び赤外線ランプを使用して炉内空間11を加熱する構造の双方が採用されている。
図3に示されるように、乾燥炉10の炉内空間11には、熱風供給部としての送風ダクト12が設けられている。この送風ダクト12は、炉内空間11の第2乾燥ゾーン11bに向けて熱風を供給可能に構成されている。即ち、この送風ダクト12は、第1乾燥ゾーン11aには設けられておらず、この第1乾燥ゾーン11aの下流に位置する第2乾燥ゾーン11bにのみ設けられている。
送風ダクト12は、炉内空間11の第2乾燥ゾーン11bにおいて、第2方向Yの両側の炉壁面13(図3参照)にそれぞれ複数(図3では3つずつ)設けられている。この送風ダクト12は、液化天然ガス(LNG)が燃焼した燃焼ガスを送気可能な送風機14の吐出配管に接続されている。
従って、燃焼ガスの熱風は、送風機14で吐出された後で、送風ダクト12を通じて第2乾燥ゾーン11bに供給される。また、第2乾燥ゾーン11bを流れた熱風は、排気ダクト16を通じて排気される。この場合、第2乾燥ゾーン11bではワークWの塗膜の硬化が進行しており、熱風によって巻き上げられた異物がワークWの塗膜に付着しにくく、その一方で熱風を使用することによってワークW全体の昇温時間を短縮できる。
なお、ワークW全体の昇温時間を短縮する目的で、炉内空間11の第1乾燥ゾーン11aに送風ダクト12と同様の熱風供給部を追加することもできる。この場合、熱風供給部から供給される熱風は、異物を巻き上げない程度の低い風量に設定されるのが好ましい。これにより、第1乾燥ゾーン11aにおいてワークW全体の昇温時間を短縮しつつも、ワークWの塗膜への異物の付着を防ぐことができる。
コンベア20は、ワークWを乾燥炉10の炉内空間11を通じて搬送方向Dに連続搬送する搬送手段である。このコンベア20によれば、ワークWが乾燥炉10の導入口10aから炉内に導入されて炉内空間11を搬送方向Dに通過した後、導出口10bから炉外へ導出される一連の搬送動作を、一時的な停留を伴うことなく連続して行うことができる。
なお、ここでいう「連続搬送」とは、被搬送物の移動と停留を繰り返すタクト搬送のような間欠的な搬送形態と相違する形態であって、被搬送物をその一時的な停留を伴うことなく一定の速度で或いは速度を変えながら連続的に搬送する形態をいう。
このコンベア20は、それぞれが前後の回転部21,22の間に張設された無端環状のベルト部23と、後側の回転部22を駆動してベルト部23を循環回転させる駆動部としての電動モータ26と、ベルト部23のベルト表面側にワークWを支持可能に設けられた支持部としての複数のアタッチ27と、を有する。
ベルト部23は、電動モータ26によって駆動されることによって図1中の右回り方向に循環回転するように構成されている。このため、このベルト部23は、乾燥炉10の炉内空間11を搬送方向Dに移動し回転部22で反転した後に、搬送方向Dとは逆方向へ移動する。
このとき、ベルト部23は、乾燥炉10の第3方向Zの下方に取付けられた略角筒形状のコンベアケース15内を搬送方向Dとは逆方向へ移動する。このベルト部23は、コンベアケース15内に設けられた回転体28を介して支持されるようになっている。その後、回転部21で反転した後に再び乾燥炉10の炉内空間11を搬送方向Dに移動する。
ここで、図4に示されるように、ベルト部23は、第2方向Yに離間して配置された無端環状の2つのチェーン24と、これら2つのチェーン24の間に架け渡されて固定され且つ搬送方向Dに並置された複数のスラット25と、を備えている。複数のスラット25のうちの一部のスラット25にアタッチ27が設けられている。
アタッチ27は、ワークWの底面に設けられた係合部Waを保持可能な係合凹部27aを備えている。本実施形態では、1つのスラット25に設けられた2つのアタッチ27と、別のスラット25に設けられた2つのアタッチ27を合わせた計4つのアタッチ27によって、1つのワークWの前後2つの係合部Waを保持するように構成されている。
図4及び図5に示されるように、チェーン24は、複数対のプレート24a,24bと、各対のプレート24a,24bの間に回転軸24dを中心に回転可能に設けられた2つのローラー24cと、プレート24a,24bに取付けられ且つスラット25に固定されるブラケット24eと、を有する。また、ローラー24cは、乾燥炉10の炉内空間11に設けられた支持レール29によって走行可能に支持されている。このため、チェーン24は、乾燥炉10の炉内空間11を支持レール29によって搬送方向Dへ円滑に移動できるようになっている。
被加熱部材30は、アタッチ27によって支持されたワークWの直下に位置するように、ベルト部23の表面側のスラット25の表面に、特にはスラット25の表面のうちアタッチ27の上端部27bよりも低所に取付けられている。
本実施形態では、いずれも同一寸法を有する同形状の複数の被加熱部材30が使用されている。被加熱部材30は、磁性体である鉄系材料からなる平板状の部材であり、加熱装置40によって加熱される。即ち、被加熱部材30自体が磁性体として構成されている。複数の被加熱部材30を同形状とすることで、複数の被加熱部材30のそれぞれに対する加熱装置40の加熱条件を一定にすることができる。
図6に示されるように、複数の被加熱部材30は、ベルト部23に搬送方向Dに互いに間隔を隔てて配置されている。各被加熱部材30は、乾燥炉10の炉内空間11のうちコンベア20のベルト部23によって搬送方向Dに連続搬送されているとき、ワークWに向かい合う状態でこのワークWの直下をこのワークWと同期して搬送方向Dに移動するように構成されている。
ここでいう「向かい合う状態」とは、被加熱部材30がワークWとの間に別の部材を介在させることなく直に対向配置された状態をいう。この状態を、被加熱部材30とワークWが微小な空間を隔てて直面した状態、或いは被加熱部材30とワークWが互いに近接した状態ということもできる。
図1及び図2に示されるように、加熱装置40は、被加熱部材30を乾燥炉10の炉内空間11への導入前に加熱する機能を有する。この機能を実現するために、加熱装置40は、乾燥炉10の外部であって且つこの乾燥炉10の導入口10aの近傍に被加熱部材30に向けて配置されるのが好ましい。これにより、加熱装置40によって加熱された被加熱部材30を、その温度を殆ど低下させることなく乾燥炉10の導入口10aから炉内空間11に速やかに導入できる。
被加熱部材30は、乾燥炉10の炉内空間11への導入された後、ベルト部23と一体となってワークWの直下を搬送方向Dへ移動する。即ち、この被加熱部材30は、ワークWと同一の速度で搬送方向Dへ移動する。その後、この被加熱部材30は、乾燥炉10の導出口10bから炉外へ導出され、今度はコンベアケース15内を搬送方向Dとは反対方向へ移動する。そして、この被加熱部材30は、コンベアケース15から出て加熱装置40によって加熱された後に、再び乾燥炉10の導入口10aから炉内空間11に導入される。
本実施形態では、1つの被加熱部材30がワークWの直下を搬送方向Dに移動するとき、別の被加熱部材30が加熱装置40によって加熱されるように構成されている。本構成によれば、1つのワークWの塗膜の乾燥中に、次のワークWの塗膜の乾燥に使用する被加熱部材30を予め加熱装置40で加熱して準備しておくことができるため合理的である。
また、本実施形態では、コンベアケース15は、乾燥炉10の炉外における被加熱部材30の移動経路を囲うように構成されている。本構成によれば、被加熱部材30の温度が低下しにくくなるため、加熱装置40の出力を抑えることができエネルギー効率を高めることが可能になる。
加熱装置40は、加熱コイル41を有する誘導加熱装置として構成されている。加熱コイル41は、インバータ回路(図示省略)を介して交流電源70に接続されている。本構成によれば、加熱装置40の加熱コイル41に交流電流が交流電源70から通電されたときの電磁誘導によって磁性体が自己発熱することを利用して被加熱部材30が加熱される。この加熱装置40は、「IH(Induction Heating)ヒーター」とも称呼される。なお、この加熱装置40の設置数は、必要に応じて適宜に選択可能である。
ここで、被加熱部材30が加熱される原理について具体的に説明する。加熱装置40の加熱コイル41に交流電流が流れると、この加熱コイル41を取り巻くように磁力線が発生する。そして、この磁力線により、鉄材料からなる被加熱部材30には、電磁誘導の原理によって渦電流が流れる。このとき、被加熱部材30には渦電流が流れたときに電気抵抗によってジュール熱が発生する。これにより、被加熱部材30は、自己発熱することによって加熱される。この加熱装置40によれば、電磁誘導の原理で被加熱部材30そのものだけを加熱することができ、被加熱部材30の急速加熱を実現できる。このため、被加熱部材30の温度を短時間で上昇させることができる。
温度センサ50は、加熱装置40によって加熱された後であって且つ乾燥炉10の炉内空間11に導入される前の被加熱部材30の温度を検出する温度検出部として構成されている。この温度検出部としての機能を実現するために、温度センサ50は、乾燥炉10の外部であって且つ加熱装置40と乾燥炉10の導入口10aとの間において被加熱部材30に向けて配置されている。この温度センサ50によれば、複数の被加熱部材30のそれぞれについて加熱装置40によって加熱された直後の温度が継続的に検出される。
制御装置60は、送風機14、電動モータ26、加熱装置40、温度センサ50、電源70の各接続要素に電気的に接続されている。この制御装置60は、対象となる接続要素によって検出された情報や予定された演算式などを予め記憶する記憶部61と、予定された演算式に基づいて演算を行う演算部62と、この算部62における演算結果に基づいて対象となる接続要素に制御信号を出力する出力部63と、を備えている。
この制御装置60によれば、送風機14及び電動モータ26のそれぞれのオンオンが制御される。また、この制御装置60によれば、温度センサ50によって検出される被加熱部材30の検出温度Tが目標温度Taになるように加熱装置40の出力がフィードバック制御される。これにより、各被加熱部材30の検出温度Tを目標温度Taに制御でき、被加熱部材30によるワークWの塗膜の乾燥状態が一定となるように調整することができる。
また、本実施形態の乾燥装置1は、種類の異なる複数のワークWを乾燥するように構成されている。このため、制御装置60の記憶部61には、種類の異なる複数のワークWのそれぞれに対応した目標温度Taが記憶されている。このため、この制御装置60は、コンベア20によって連続搬送されるワークWの種類に応じて記憶部61からこのワークWに対応した目標温度Taを読み出して、温度センサ50によって検出される検出温度Tがこの目標温度Taになるように加熱装置40の出力を制御する。即ち、ワークWの種類に応じた目標温度Taに基づいて加熱装置40の出力が可変制御される。
これにより、被加熱部材30の検出温度Tがその加熱対象であるワークWに適した温度になるように調節される。従って、種類の異なる複数のワークWのそれぞれに適した乾燥条件に加熱装置40を調節することができ、汎用性に優れた乾燥装置1を実現できる。
なお、制御装置60は、作業者が入力したワーク情報を検出することによってコンベア20が連続搬送するワークWの種類を特定するように構成されてもよいし、或いはカメラ等によって撮影されたデータの画像処理結果に基づいてワークWの種類を特定するように構成されてもよい。
上述の実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
上記の乾燥装置1において、ワークWはコンベア20によって乾燥炉10の炉内空間11を通じて搬送方向Dに連続搬送される。このとき、乾燥炉10の炉内空間11への導入前に加熱装置40によって予め直接加熱された被加熱部材30は、このワークWに向かい合う状態でこのワークの直下をコンベア20と同期して搬送方向Dに移動する。このため、乾燥炉10の炉内空間11において、ワークWは、被加熱部材30から放出された放射熱によって、またこの放射熱で熱せられた空気の自然対流によって間接的に加熱されながら、搬送方向Dに連続搬送される。
従って、この乾燥装置1によれば、ワークWを熱風で加熱する場合に生じ得る塗装品質の低下を防ぐことができる。また、ワークWを連続搬送しながら被加熱部材30によって継続的に加熱することができるため、タクト搬送のようにワークWを間欠的に搬送する場合に比べて乾燥工程全体に要する時間を短縮できる。更に、被加熱部材30の加熱源である加熱装置40を乾燥炉10の外部に配置できるため、加熱装置40自体を乾燥炉10の炉内空間11に配置する場合に比べて構造を簡素化できる。
その結果、ワークWの塗装品質の低下を防ぎつつ乾燥に要する時間を短縮することができ且つ構造を簡素化できる乾燥装置1を提供することができる。
特に、ワークWをその直下から被加熱部材30で加熱することによって、ワークWの底部に板厚の厚い部材が集中している場合でもこの底部の温度が上がり易くなる。従って、ワークWの各部位間での温度差を小さく抑えてワークWの歪の発生を防ぐことができる。また、ワークWの底部の昇温時間を短縮できることで、乾燥炉10における工程数の削減、乾燥炉10の搬送方向Dの長さ(炉長)の短縮化、乾燥炉10の下流に設けられる待避ラインとしてのストレージ部の長さ(ストレージ長)の短縮化が可能になる。
上記の乾燥装置1によれば、電動モータ26が回転部22を駆動することによってベルト部23が循環回転し、被加熱部材30はワークWの直下をこのベルト部23と一体となって搬送方向Dに移動する。このため、被加熱部材30をワークWと一体的に同一の速度で搬送することができ、被加熱部材30によるワークWの加熱効率を高めることができる。
上記の乾燥装置1によれば、加熱装置40で直接加熱された被加熱部材30を、ワークWの搬送前の準備段階でコンベア20によって循環回転させることによって、乾燥炉10の炉内空間11の昇温を短時間で行うことができ、また炉内空間11を予め昇温することによって結露の発生を防ぐことができる。
例えば、冬季などの低温条件下において、乾燥炉10を予め昇温することなく炉内空間11へ燃焼ガスを供給すると、この燃焼ガスが急激に冷やされて炉壁面で結露し、炉壁面に付着している付着物が剥離することが懸念される。この場合、炉壁面から剥離した付着物は、ワークWの塗装品質に影響を及ぼし得る。
そこで、本実施形態では、加熱装置40で直接加熱された被加熱部材30を準備段階で循環回転させて乾燥炉10を予め昇温することによって、炉内空間11へ燃焼ガスを供給されたときの結露の発生を防いで、炉壁面に付着している付着物が剥離しにくくできる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、被加熱部材30がワークWの直下を搬送方向Dに移動する場合について例示したが、被加熱部材30がワークWに向かい合う状態であれば、この被加熱部材30をワークWの直下以外の位置で搬送方向Dに移動させることができる。例えば、被加熱部材30がワークWの側方や上方において搬送方向Dに移動する構造を採用することもできる。
上記の実施形態では、被加熱部材30自体が磁性体として構成される場合、即ち被加熱部材30の全体が磁性体である場合について例示したが、これに代えて被加熱部材30の一部を磁性体によって構成するようにしてもよい。また、被加熱部材30の全体或いは一部を、磁性体であるステンレス系材料によって構成することもできる。
上記の実施形態では、被加熱部材30を電磁誘導の原理を利用して加熱する場合について例示したが、これに代えて、別の方法で被加熱部材30を加熱することもできる。例えば、被加熱部材30に代えて熱伝導性が高い材料からなる被加熱部材を使用し、この被加熱部材を熱風で加熱した後に乾燥炉10の炉内空間11へ導入する構造を採用することもできる。
上記の実施形態では、被加熱部材30がワークWの直下をこのワークWと同一の速度で搬送方向Dへ移動する場合について例示したが、これに代えて、被加熱部材30がワークWの直下をこのワークWとは異なる速度で移動するような構造を採用することもできる。
上記の実施形態では、ワークWの搬送のためにベルト部23が環状回転する構造を有するコンベア20について例示したが、これに代えて、直線的に一方向に移動したり双方向に往復動作したりするようなベルト部を有するコンベアを採用することもできる。
上記の実施形態では、温度センサ50によって検出される被加熱部材30の検出温度Tが目標温度Taになるように加熱装置40の出力を制御する場合について例示したが、厳密な温度管理を要しない場合にはこの制御を省略することもできる。
上記の実施形態では、乾燥装置1によって種類の異なる複数のワークWを乾燥することを想定して、制御装置60の記憶部61が種類の異なる複数のワークWのそれぞれに対応した目標温度Taを予め記憶する場合について例示したが、単一種類のワークWを乾燥する場合には、制御装置60の記憶部61がこのワークWのための1つの目標温度Taのみを記憶すればよいことは勿論である。
上記の実施形態では、乾燥炉10の炉内空間11において第1乾燥ゾーン11aと第2乾燥ゾーン11bが互いに連続する場合について例示したが、第1乾燥ゾーン11aと第2乾燥ゾーン11bとの間に別の乾燥ゾーンが介在していてもよい。
上記の実施形態では、ワークWである自動車ボディのための乾燥装置1について例示したが、この乾燥装置1を、自動車ボディ以外の他のワークのための乾燥設備に適用することもできる。
1 塗装用乾燥装置
10 乾燥炉
11 炉内空間
11a 第1乾燥ゾーン
11b 第2乾燥ゾーン
12 送風ダクト(熱風供給部)
20 コンベア
23 ベルト部
26 電動モータ(駆動部)
27 アタッチ(支持部)
30 被加熱部材(磁性体)
40 加熱装置(誘導加熱装置)
41 加熱コイル
50 温度センサ(温度検出部)
60 制御装置
61 記憶部
70 交流電源
D 搬送方向
T 検出温度
Ta 目標温度
W ワーク(自動車ボディ)

Claims (7)

  1. 塗装されたワークを乾燥する塗装用乾燥装置であって、
    乾燥炉と、
    上記ワークを上記乾燥炉の炉内空間を通じて搬送方向に連続搬送するためのコンベアと、
    上記乾燥炉の上記炉内空間へ導入され、上記コンベアによって上記搬送方向に連続搬送される上記ワークに向かい合う状態で上記搬送方向に移動する被加熱部材と、
    上記被加熱部材を上記乾燥炉の上記炉内空間への導入前に加熱する加熱装置と、
    を備える、塗装用乾燥装置。
  2. 上記コンベアは、無端環状のベルト部と、上記ベルト部を循環回転させる駆動部と、上記ベルト部のベルト表面側に上記ワークを支持可能に設けられた支持部と、を備え、
    上記被加熱部材は、上記ベルト部の上記支持部によって支持された上記ワークの直下に位置するように上記ベルト部の表面側に設けられている、請求項1に記載の塗装用乾燥装置。
  3. 上記被加熱部材の複数が上記ベルト部に上記搬送方向に互いに間隔を隔てて配置されており、1つの上記被加熱部材が上記ワークの直下を上記搬送方向に移動するとき、別の上記被加熱部材が上記加熱装置によって加熱されるように構成されている、請求項2に記載の塗装用乾燥装置。
  4. 上記被加熱部材は、磁性体を含み、上記加熱装置は、交流電源に接続された加熱コイルを有する誘導加熱装置であり、上記加熱コイルに交流電流が通電されたときの電磁誘導によって上記磁性体が自己発熱することを利用して上記被加熱部材を加熱するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗装用乾燥装置。
  5. 上記加熱装置によって加熱された後であって且つ上記乾燥炉の上記炉内空間に導入される前の上記被加熱部材の温度を検出する温度検出部と、
    上記温度検出部によって検出される上記被加熱部材の検出温度が目標温度になるように上記加熱装置の出力を制御する制御装置と、
    を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗装用乾燥装置。
  6. 上記制御装置は、種類の異なる複数の上記ワークのそれぞれに対応した上記目標温度を記憶する記憶部を有し、上記コンベアによって連続搬送される上記ワークの種類に応じて上記記憶部からこのワークに対応した上記目標温度を読み出して、上記温度検出部によって検出される検出温度がこの目標温度になるように上記加熱装置の出力を制御する、請求項5に記載の塗装用乾燥装置。
  7. 上記乾燥炉は、上記炉内空間に、第1乾燥ゾーンと、上記搬送方向について上記第1乾燥ゾーンの下流に位置する第2乾燥ゾーンと、上記第2乾燥ゾーンに向けて熱風を供給する熱風供給部と、を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗装用乾燥装置。
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