JP2019046765A - リチウムイオン電池用電極の製造方法及びリチウムイオン電池用電極の製造装置 - Google Patents

リチウムイオン電池用電極の製造方法及びリチウムイオン電池用電極の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極活物質層の表面の荒れがないリチウムイオン電池用電極の製造方法を提供する。【解決手段】シート状の基材10を一方向に移動させながら、基材10表面に積層された電極活物質21を含んでなる電極組成物20の厚さを、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材30を用いて調整して電極活物質層を得る調厚工程を有するリチウムイオン電池用電極の製造方法。厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、第1主面におけるベルトの移動方向が基材の移動方向と略反対方向であり、第2主面におけるベルトの移動方向が基材の移動方向と略同一方向であり、調厚工程において第1主面が基材と略対向するように、かつ、厚さ調整部材が有する端部のうち、第1主面におけるベルトの終点と第2主面におけるベルトの始点とを接続する第1端部が電極組成物と接触するように厚さ調整部材を配置するリチウムイオン電池用電極の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池用電極の製造方法及びリチウムイオン電池用電極の製造装置に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池ともいう)に注目が集まっている。
このようなリチウムイオン電池を製造する方法としては、プレスローラ表面に粉体を連続的に供給し、プレスローラとは逆方向に回転するスキージローラによって該粉体の厚さを調整した後に集電体に転写させる方法や、活物質とバインダとを含む複合粒子をシート状の集電体上に供給し、スキージで平坦化した後、ロール圧延して活物質層を形成する方法等が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2014−198293号公報 特開2016−62654号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、スキージローラの直径が粉体の粒子径よりも大きいため、スキージローラによって粉体をすくい上げることができずに、スキージローラの前段に粉体が滞留し、スキージにより均される粉体の表面が荒れてしまうことがあった。スキージにより均されるはずの粉体表面が荒れていると、活物質の密度にばらつきが生じることとなるため、電池特性のばらつきや歩留まりの低下の原因となっていた。
特許文献2に記載された方法でも、特許文献1と同様に、スキージの前段に活物質とバインダとを含む複合粒子が滞留してしまい、表面の荒れ、被覆層の剥離という問題を有していた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、電極活物質層の表面の荒れがないリチウムイオン電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、シート状の基材を一方向に移動させながら、上記基材表面に積層された電極活物質を含んでなる電極組成物の厚さを、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材を用いて調整して上記電極組成物からなる電極活物質層を得る調厚工程を有するリチウムイオン電池用電極の製造方法であって、上記厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、かつ、前記第1主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略反対方向であり、前記第2主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略同一方向であり、上記調厚工程において、上記第1主面が上記基材と略対向するように、かつ、上記厚さ調整部材が有する端部のうち、上記第1主面における上記ベルトの終点と上記第2主面における上記ベルトの始点とを接続する第1端部が上記電極組成物と接触するように上記厚さ調整部材を配置することを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造方法;電極組成物を積層したシート状の基材を移動させる基材搬送手段と、上記電極組成物の厚さを調整する調厚手段とを備えたリチウムイオン電池用電極の製造装置であって、上記調厚手段は、上記電極組成物と接触する、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材であり、上記厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、かつ、上記第1主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略反対方向であり、上記第2主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略同一方向であり、上記第1主面が上記基材と略対向するように、かつ、上記厚さ調整部材が有する端部のうち、上記第1主面における上記ベルトの終点と上記第2主面における上記ベルトの始点とを接続する第1端部が前記電極組成物と接触するように上記厚さ調整部材が配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造装置に関する。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法は、電極活物質層の表面の荒れがないリチウムイオン電池用電極を得ることができる。
図1は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法を構成する調厚工程の一例を模式的に示す図である。 図2は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法を構成する調厚工程で用いられる厚さ調整部材の一例を模式的に示す図である。 図3は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、基材に対して厚さ調整部材が配置される様子を模式的に示す図である。 図4(a)は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において用いられる厚さ調整部材の別の一例を模式的に示す断面図であり、図4(b)は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において用いられる厚さ調整部材のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。 図5(a)は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、厚さ調整部材の第2主面から電極組成物を除去する方法の一例を模式的に示す側面図であり、図5(b)は、図5(a)における上面図である。 図6は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置の一例を模式的に示す図である。 図7は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置を用いてリチウムイオン電池用電極を製造する方法の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、リチウムイオン電池と記載する場合、リチウムイオン二次電池も含む概念とする。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法は、シート状の基材を一方向に移動させながら、上記基材表面に積層された電極活物質を含んでなる電極組成物の厚さを、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材を用いて調整して上記電極組成物からなる電極活物質層を得る調厚工程を有するリチウムイオン電池用電極の製造方法であって、上記厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、かつ、上記第1主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略反対方向であり、上記第2主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略同一方向であり、上記調厚工程において、上記第1主面が上記基材と略対向するように、かつ、上記厚さ調整部材が有する端部のうち、上記第1主面における上記ベルトの終点と上記第2主面における上記ベルトの始点とを接続する第1端部が上記電極組成物と接触するように上記厚さ調整部材を配置することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法は、シート状の基材を一方向に移動させながら、上記基材表面に積層された電極活物質を含んでなる電極組成物の厚さを厚さ調整部材を用いて調整して上記電極組成物からなる電極活物質層を得る調厚工程を有する。
調厚工程で用いる厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、第1主面、第2主面及び第1端部を有する。
第1主面は基材と対向する面であり、第1主面においては、ベルトが始点から終点までを一定方向(基材の移動方向と略反対方向)に移動している。第2主面は、第1主面とは略反対側に配置される面であり、第2主面においては、ベルトが始点から終点までを一定方向(基材の移動方向と略同一方向)に移動している。
第1端部は、第1主面におけるベルトの終点と第2主面におけるベルトの始点とが接続されている箇所である。
なお、第1主面におけるベルトの始点、及び、第2主面におけるベルトの終点は、互いに接続されていてもよい。
以下に、第1主面におけるベルトの始点と第2主面におけるベルトの終点が第2端部において接続されているものを説明する。
第2端部は、第2主面におけるベルトの終点と第1主面におけるベルトの始点とが接続されている箇所である。
厚さ調整部材は、第1端部と電極組成物とが接触するように、かつ、第1主面が基材と略対向するように配置される。
本発明のリチウムイオン電池の製造方法の例について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法を構成する調厚工程の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、調厚工程では、シート状の基材10を一方向(図1において矢印Aで示される方向)に移動させながら、基材10表面に積層された電極活物質を含んでなる電極組成物20の厚さを厚さ調整部材30を用いて調整する。厚さ調整部材30により厚さが調整された電極組成物20は、電極活物質層21となる。
基材を一方向に移動させる手段は特に限定されないが、図1に示すように、載置部110aと駆動部110bからなる基材搬送手段110により、基材10を一方向に移動させてもよい。また、基材10自身が充分な機械的強度を有している場合には、載置部110aを設けることなく、駆動部110b上に直接基材10を配置する等の方法によって、基材10を一方向に移動させてもよい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法に用いられる厚さ調整部材の構成について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法を構成する調厚工程で用いられる厚さ調整部材の一例を模式的に示す図である。
図2に示すように、厚さ調整部材30は、表面に沿って一定方向に回転するベルト31を備えている。さらに厚さ調整部材30は、第1主面32と、第1主面32とは反対側に配置される第2主面33とを有する。第1主面32と第2主面33とは、第1端部34及び第2端部35で接続されており、第1端部34には回転軸41が、第2端部35には駆動軸42が配置され、ベルト31を一定方向に回転させる駆動力となっている。
第1主面32において、ベルト31は始点32aから終点32bまでを一定方向(図2中、矢印Bで示す方向)に移動する。また第2主面33において、ベルト31は始点33aから終点33bまでを一定方向(図2中、矢印Bで示す方向)に移動する。また、第1端部34は、第1主面32の終点32bと第2主面33の始点33aとを所定半径の半円(図2中、両矢印dで示される長さの1/2倍値であり、この長さ(d/2)をベルトの曲げ半径ともいう)で接続している。
なお、第1主面32の終点32bと第2主面33の始点33aを接続する線を点とみなした場合、第1主面32の始点32aと第2主面33の終点33bを接続する線、第1主面32及び第2主面33によって囲まれる平面形状が略三角形となることから、図2に示す厚さ調整部材30の断面形状は、略三角形であるといえる。
厚さ調整部材により電極組成物の厚さを調整する原理について説明する。
基材表面に積層された電極組成物は基材の移動方向と同じ方向に移動している。これに対して、厚さ調整部材の第1主面におけるベルトは基材の移動方向と略反対方向に移動し、第2主面におけるベルトは基材の移動方向と略同一方向に移動している。従って、電極組成物と厚さ調整部材との接触部分において、基材上に積層された電極組成物のうち、上記接触部分における第2主面の始点よりも基材側(下側)に配置された部分については、基材上に残留するが、その他の部分(すなわち上記接触部分における第2主面の始点よりも上側の部分)については、第2主面上に移動する。
従って、基材上に積層された電極組成物の厚さを、基材と厚さ調整部材の第1主面の最下点との距離(すなわち、厚さ調整部材と基材との最短距離)に対応する厚さに調整して電極活物質層を得ることができる。
このとき、接触部分においては第2主面の始点よりも上側の部分に位置する電極組成物が第2主面上に移動するため、厚さ調整部材によって電極組成物の流れがせき止められているものではないため、電極組成物が滞留することがおこりにくい。従って、電極組成物の滞留によって電極活物質に必要以上の応力がかかって、厚さ調整部材により電極組成物が均されて得られる電極活物質層の表面が荒れることを抑制することができる。
また特許文献1では、スキージローラとプレスローラとの間を通過する粉体に必要以上の応力がかかり、粉体が被覆層を備える場合には、該被覆層が剥離してしまうなどの問題を有しているが、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法では、電極活物質が、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層により被覆された被覆活物質(後述する)である場合であっても、電極活物質に必要以上の応力がかかりにくいため、被覆層の剥離が生じにくい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法により得られた電極組成物は、集電体と組み合わせることによってリチウムイオン電池用電極となる。なお、基材が集電体である場合には、別途集電体と組み合わせる必要はない。
また、得られたリチウムイオン電池用電極を、対となる電極と組み合わせてセパレータを介して配置し、必要に応じて電池外装体に収容する等の方法により、リチウムイオン電池を得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、電極組成物のうち過剰分を、ベルトの回転力により厚さ調整部材の第2主面にすくい上げて分離することが望ましい。
電極組成物のうち過剰分(電極組成物を目的の厚さとする際に不要となる分の電極活物質であって、具体的には厚さ調整部材の第1端部よりも第2主面側(上側)に存在する電極組成物)がベルトの回転力により厚さ調整部材の第2主面にすくい上げて分離されることにより、厚さ調整部材の前段(上流側)に電極組成物が滞留しなくなるため、電極活物質層の表面の平滑性がさらに良好となり好ましい。加えて、電極組成物が厚さ調整部材の前段に滞留しないため、被覆活物質を用いた場合には、被覆層の剥離がより生じにくい。またベルトに過度な応力が加わらず、厚さ調整部材のライフが長くなり好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、基材と厚さ調整部材の第1主面の最下点との間の距離は特に限定されず、得たい電極活物質層の厚さに応じて適宜調整すればよい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、基材の移動速度は特に限定されないが0.001〜1m/sであることが望ましい。
基材の移動方向が上記範囲であると、電極組成物の過剰分をベルトの回転力により厚さ調整部材の第2主面にすくい上げて分離することがさらに容易となり望ましい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、ベルトの移動速度は特に限定されないが、0.001〜1m/sであり、かつ、基材の移動速度よりも速いことが望ましい。
ベルトの移動速度が上記範囲であり、かつ、ベルトの移動速度が基材の移動速度よりも速いと、電極組成物の過剰分をベルトの回転力により厚さ調整部材の第2主面にすくい上げて分離することがさらに容易となり望ましい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、第2主面におけるベルトの移動速度は基材の移動速度以上であることが望ましく、基材の移動速度に対する第2主面におけるベルトの移動速度(相対速度)が、0〜10m/sであることがより望ましい。
ベルトの移動速度を基材の移動速度以上とすることにより、電極組成物をベルトの回転力により第2主面にすくい上げることがさらに容易になる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、電極組成物の表面に対する厚さ調整部材の接触角は、2〜39°であることが望ましい。
なお、電極組成物の表面に対する厚さ調整部材の接触角は、厚さ調整部材を厚さ方向に2等分する面を延長した面と基材表面とのなす角を意味し、実際には、第1主面を延長した面と基材表面とのなす角と、第2主面を延長した面と基材表面とのなす角との平均値より求める。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、厚さ調整部材の第1主面を延長した面と基材表面とのなす角は、1°以上であることが望ましい。
また、厚さ調整部材の第2主面を延長した面と基材表面とのなす角は40°以下であることが望ましい。
第2主面を延長した面と基材表面とのなす角が40°を超える場合、第2主面上の電極組成物が基材側に滑り落ち、電極活物質層の表面を荒らしてしまうことがある。
基材と厚さ調整部材とのなす角について、図3を用いて説明する。
図3は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、基材に対して厚さ調整部材が配置される様子を模式的に示す図である。
図3に示すように、厚さ調整部材30を構成する第1主面32を延長した面と基材10とのなす角はθで示される。また、厚さ調整部材30を構成する第2主面33を延長した面と基材10とのなす角はθで示される。ここで、基材10に対する厚さ調整部材30の接触角は、厚さ調整部材30を厚さ方向に2等分する面を延長した面と基材10とのなす角θに相当し、実際にはθとθの平均値で表される。
また、第2主面33を延長した面と基材10とのなす角θから第1主面32を延長した面と基材10とのなす角θを減ずることにより、第1端部34における厚さ調整部材自体の角度θ(すなわち、第1端部34側における第1主面32と第2主面33とのなす角)を算出することができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、第1端部における厚さ調整部材自体の角度は、39°以下であることが望ましく、25°以下であることがより望ましく、15°以下であることが更に望ましい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、第1端部におけるベルトの曲げ半径の2倍値は、0.2mm以下であることが望ましい。
第1端部におけるベルトの曲げ半径の2倍値が大きすぎると、第2主面にすくい上げることができない活物質粒子の数が増えると考えられるが、第1端部におけるベルトの曲げ半径の2倍値が0.2mm以下であると、第2主面にすくい上げることのできない電極活物質粒子の数を減らすことができる。
さらに、第1端部におけるベルトの曲げ半径の2倍値は、電極活物質の個数基準累積粒粒度分布曲線において得られる80%粒子径(d80)よりも小さいことがより望ましく、50%粒子径(d50)よりも小さいことがさらに望ましい。
第1端部におけるベルトの曲げ半径の2倍値が上記範囲であると、第2主面に活物質粒子をすくい上げる精度が良好となり、ほとんどの電極活物質粒子をすくい上げることができる。
また、第1端部におけるベルトの曲げ半径の2倍値は0.01μm以上であることがより望ましく、0.02mm以上であることがさらに望ましい。
なお、電極活物質粒子の個数基準累積粒度分布曲線は、レーザー回折・散乱法と紫外線半導体レーザー光源(波長375nm)を用いた公知の粒度分布測定装置(島津製作所社製ナノ粒子径分布測定装置 SALA−7100等)を用いて得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、厚さ調整部材の形状は、第1主面、第2主面及び第1端部を有する形状であればよく、図1〜図3に示す形状に限定されない。
厚さ調整部材の形状としては、上記に示した断面が略三角形となる形状の他に、第1主面と第2主面が略並行に配置される略板状であってもよく、第1主面と略並行な第3主面が第2主面と同じ側(第1主面とは反対側)に配置され、かつ、第3主面により第1主面と第2主面とが接続される、断面が略四角形となる形状(第1端面となる側の端部において、第2主面側の角を落とした略板状)であってもよい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において用いられる厚さ調整部材の別の例を、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。
図4(a)は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において用いられる厚さ調整部材の別の一例を模式的に示す断面図であり、図4(b)は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において用いられる厚さ調整部材のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
図4(a)に示す厚さ調整部材30’は、表面に沿って一定方向に回転するベルト31を備えている。さらに厚さ調整部材30’は、第1主面32と、第1主面32とは反対側に配置される第2主面33とを有し、第1主面32と第2主面33は第1端部34及び第2端部35で接続されており、第1主面32と第2主面33は略平行に配置されている。
図4(b)に示す厚さ調整部材30’’は、表面に沿って一定方向に回転するベルト31を備えている。さらに厚さ調整部材30’’は、第1主面32、第2主面33及び第3主面38を有しており、第1主面32と第2主面33とが第1端部34により接続されており、第1主面32と第3主面38とが第2端部35により接続されており、第2主面33と第3主面38とが第1接続部36により接続されている。
なお、図4(a)に示す厚さ調整部材30’は、図3に示した厚さ調整部材30の、第1端部34における厚さ調整部材自体の角度θを0°としたものでもある。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、基材上に電極組成物を積層する方法は特に限定されず、原料タンクやスクリューフィーダから電極組成物を基材上に供給する方法や、押出成形により電極組成物を基材上に供給する方法等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、厚さ調整部材により基材上から分離された電極組成物は、厚さ調整部材上から該電極組成物を除去し原料タンク等に移動させて再利用してもよい。
厚さ調整部材上から電極組成物を除去する方法の例について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。
図5(a)は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、厚さ調整部材の第2主面から電極組成物を除去する方法の一例を模式的に示す側面図であり、図5(b)は、図5(a)における上面図である。
図5(a)に示すように、電極組成物20は、基材10上から厚さ調整部材30の第2主面33上に移動する電極組成物22と、基材10上に残る電極活物質層21とに分けられる。厚さ調整部材30により基材10上から厚さ調整部材30の第2主面33上に移動した電極組成物22は、第2主面の終点33bに到達した後、厚さ調整部材30の下部に設けられた回収ベルト50上に落下する。図5(b)に示すように、回収ベルト50は基材10の移動方向(図5(a)中、矢印Aで示される方向)とは異なる方向(図5(b)中、矢印Cで示される方向)に移動しており、回収ベルト50上に落下した電極組成物23は任意の場所、例えば原料タンク等に再充填される。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法においては、調厚工程の前に、基材表面に積層された電極組成物の密度を均一化する操作を行うことが望ましい。
電極組成物の密度を均一化する操作としては、公知の方法を用いることができ、基材表面に積層された電極組成物に振動を加える方法等が挙げられる。
また、電極組成物を篩にかけ、篩を通過して落下する電極組成物を基材表面で直接受けて積層する方法によっても、基材表面に均一な密度で積層した電極組成物を得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法においては、調厚工程の後に、厚さが調整された電極活物質層に対して、圧縮、乾燥などの処理を行ってもよい。
また、必要に応じて、得られた電極組成物を所定形状に分割し、集電体と組み合わせたり、電池外装体内に収容してもよい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、基材を構成する材料は特に限定されないが、正極集電体や負極集電体等の集電体として機能するもの、又は、基材表面からの電極組成物のとの分離が容易であるものが望ましい。
集電体としては、銅、アルミニウム、炭素コーティングアルミニウム、チタン、ステンレス鋼及びニッケル等の金属製集電箔、導電性高分子からなる樹脂集電体(特開2012−150905号公報等に記載されている)、導電性炭素シート及び導電性ガラスシート等が挙げられる。
基材表面からの電極組成物の剥離が容易であるものとしては、表面に離型処理等の非付着性処理を行った樹脂フィルムやフッ素樹脂等が好ましく挙げられる。
ベルトを構成する材料は特に限定されないが、フッ素樹脂等の非付着性表面を有する材料が好ましく挙げられる。
ベルトを構成する材料がフッ素樹脂等の非付着性表面を有する材料であると、厚さ調整部材の第1端部と電極組成物との接触点における接触抵抗が小さいためベルト表面に電極組成物が付着しにくく、基材表面に積層された電極活物質層の表面が平滑になりやすい。
電極組成物を構成する電極活物質及び電解液について説明する。
電極活物質は、正極活物質であっても負極活物質であってもよい。
また、電極組成物は、必要に応じて、導電助剤を含んでいてもよい。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1−xCo、LiMn1−yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜35μmであることがより好ましく、2〜30μmであることがさらに好ましい。
負極活物質としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素−炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素−アルミニウム合金、珪素−リチウム合金、珪素−ニッケル合金、珪素−鉄合金、珪素−チタン合金、珪素−マンガン合金、珪素−銅合金及び珪素−スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
上記負極活物質のうち、内部にリチウム又はリチウムイオンを含まないものについては、予め負極活物質の一部又は全部にリチウム又はリチウムイオンを含ませるプレドープ処理を施してもよい。
これらの中でも、電池容量等の観点から、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物が好ましく、炭素系材料としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素及びアモルファス炭素がさらに好ましく、珪素系材料としては、酸化珪素及び珪素−炭素複合体がさらに好ましい。
負極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、2〜10μmであることがさらに好ましい。
本明細書において、負極活物質の体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
導電助剤は、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.02〜5μmであることがより好ましく、0.03〜1μmであることがさらに好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
導電助剤の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤は、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電助剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1〜20μmであることが好ましい。
電極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆層により被覆された被覆活物質であってもよい。
電極活物質の周囲が被覆層で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
なお、電極活物質として正極活物質を使用した場合の被覆活物質を被覆正極活物質といい、被覆活物質層を被覆正極活物質層ともいう。また電極活物質として負極活物質を使用した場合の被覆活物質を被覆負極活物質といい、被覆活物質層を被覆負極活物質層ともいう。
被覆層を構成する高分子化合物としては、特開2017−054703号公報に非水系二次電池活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
電解液としては、リチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する公知の電解液を使用することができる。
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPFである。
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
ラクトン化合物としては、5員環(γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ−バレロラクトン等)等を挙げることができる。
環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−トリフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン及び2−メトキシエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
上述した被覆活物質を製造する方法について説明する。
被覆活物質は、例えば、高分子化合物及び電極活物質並びに必要により用いる導電剤を混合することによって製造してもよく、被覆層に導電剤を用いる場合には高分子化合物と導電剤とを混合して被覆材を準備したのち、該被覆材と電極活物質とを混合することにより製造してもよく、高分子化合物、導電剤及び電極活物質を混合することによって製造してもよい。
なお、電極活物質と高分子化合物と導電剤とを混合する場合、混合順序には特に制限はないが、電極活物質と高分子化合物とを混合した後、更に導電剤を加えて更に混合することが好ましい。
上記方法により、高分子化合物と必要により用いる導電剤を含む被覆層によって電極活物質の表面の少なくとも一部が被覆される。
被覆材の任意成分である導電剤としては、電極組成物を構成する導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、電極組成物は、電極活物質を含み、電極活物質と電解液とを含むことがより望ましい。
電極組成物には、さらに、溶液乾燥型の公知の電極用バインダー(カルボキシメチルセルロース、SBRラテックス及びポリフッ化ビニリデン等)や粘着性樹脂等が含まれていてもよい。
ただし、公知の電極用バインダーではなく、粘着性樹脂を含むことが望ましい。電極組成物が上記の溶液乾燥型の公知の電極用バインダーを含む場合には、調厚工程の後に乾燥工程を行う必要があるが、粘着性樹脂を含む場合には、乾燥工程を行う必要がないためである。乾燥工程を行わない場合、加熱による電極組成物の収縮や亀裂の発生がおこらないため好ましい。
また、電極活物質、電解液及び粘着性樹脂を含む電極組成物は、調厚工程を経た後であっても、電極活物質層が非結着体のままで維持される。電極活物質層が非結着体であれば、電極活物質層を厚くすることができ、高容量の電池を得ることができ好ましい。
粘着性樹脂としては、被覆層を構成する高分子化合物(特開2017−054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂等)に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10−255805号公報等に粘着剤として記載されたものを好適に用いることができる。
ここで、非結着体とは、電極組成物を構成する電極活物質同士が、互いに結合していないことを意味し、結合とは不可逆的に電極活物質同士が固定されていることを意味する。
なお、溶液乾燥型の電極用バインダーは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に固定するものを意味する。一方、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性を有する樹脂を意味する。
溶液乾燥型の電極バインダーと接着性樹脂とは異なる材料である。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法において、電極組成物は、乾燥粉体でも湿潤粉体でもよいが、湿潤粉体であることが望ましい。湿潤粉体は、乾燥した電極活物質に少量の液体(電解液又は電解質溶媒)との混合物であり、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態であることがより望ましい。
湿潤粉体における電解液の割合は、特に限定されないが、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態とするためには、正極の場合には電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5〜15重量%、負極の場合には電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5〜25重量%とすることが望ましい。
続いて、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置について説明する。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置は、電極組成物を積層したシート状の基材を移動させる基材搬送手段と、上記電極組成物の厚さを調整する調厚手段とを備えたリチウムイオン電池用電極の製造装置であって、上記調厚手段は、上記電極組成物と接触する、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材であり、上記厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、かつ、上記第1主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略反対方向であり、上記第2主面における上記ベルトの移動方向が上記基材の移動方向と略同一方向であり、上記第1主面が上記基材と略対向するように、かつ、上記厚さ調整部材が有する端部のうち、上記第1主面における上記ベルトの終点と上記第2主面における上記ベルトの始点とを接続する第1端部が前記電極組成物と接触するように上記厚さ調整部材が配置されていることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置は、基材搬送手段と調厚手段とを備えている。
基材搬送手段によって、シート状の基材と該基材上に積層した電極組成物とを一方向に移動させながら、電極組成物の厚さを調厚手段によって調整することで、表面が平坦で厚さのばらつきが少ない電極組成物を得ることができる。
そのため、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法により得られる電極を用いたリチウムイオン電池の電池特性のばらつきを抑制し、電極及び電池の製造における歩留まりを向上させることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置の構成について、図6を用いて説明する。
図6は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置の一例を模式的に示す図である。
図6に示すように、リチウムイオン電池用電極の製造装置100は、載置部110aと駆動部110bからなる基材搬送手段110と、調厚手段130からなる。調厚手段130は、厚さ調整部材である。厚さ調整部材の構成は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法における厚さ調整部材と同一である為、説明は省略する。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置を用いてリチウムイオン電池用電極を製造する方法について、図7を用いて説明する。
図7は、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置を用いてリチウムイオン電池用電極を製造する方法の一例を模式的に示す図である。
図7に示すように、載置部110aと駆動部110bからなる基材搬送手段110の上部に基材10が配置されている。基材10上には、電極組成物20が積層されており、駆動部110bが駆動することにより、載置部110a、基材10及び電極組成物20が一定方向(図7中、矢印Aで示す方向)に移動する。
調厚手段130は電極組成物20と接触するように配置されている。調厚手段130の構成については、図1及び図2で示した厚さ調整部材30と同様であるので説明を省略する。
調厚手段130によって、電極組成物20の厚さが所定の厚さに調整された電極活物質層21が得られる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置を用いると、基材上に積層された電極活物質のうち、調厚手段の第1主面よりも基材側(下側)に配置された部分が基材上に残留し、その他の部分(すなわち第1主面よりも上側の部分)がベルトの移動によって第2主面上に移動する。従って、基材上に積層された電極組成物の厚さを、基材と第1主面との間の距離に対応する厚さに調整することができる。
調厚手段は電極組成物の流れをせき止めるものではないため、調厚手段の上流側(第1端部よりも上流側)に電極組成物が滞留することがない。従って、滞留する電極組成物によって電極活物質層の表面が荒れること、及び、調厚手段に必要以上の応力がかかって被覆活物質を用いた場合の被覆層の剥離を抑制することができる。
そのため、本発明の製造方法で得られる電極を用いたリチウムイオン電池の電池特性のばらつきを抑制し、電極及び電池の製造における歩留まりを向上させることができる。
基材搬送手段としては、公知のベルトコンベア等を使用することができるが、上下方向の振動が極めて少ないことが望ましい。
調厚手段としては、本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法で説明した厚さ調整部材を好適に用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造装置は、基材搬送手段及び調厚手段以外にも、電極組成物を基材上に積層する電極組成物供給手段や厚さを調整した後の電極組成物を所定の密度まで圧縮する圧縮手段等、リチウムイオン電池用電極を製造する際に必要な他の工程を実現するための手段を備えていてもよい。
本発明のリチウムイオン電池用電極の製造方法は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター、ハイブリッド自動車及び電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の電極を製造する方法として有用である。
10 基材
20、22、23 電極組成物
21 電極活物質層
30、30’、30’’ 厚さ調整部材
31 ベルト
32 第1主面
33 第2主面
34 第1端部
35 第2端部
36 第1接続部
38 第3主面
41 回転軸
42 駆動軸
50 回収ベルト
100 リチウムイオン電池用電極の製造装置
110 基材搬送手段
110a 載置部
110b 駆動部
130 調厚手段

Claims (7)

  1. シート状の基材を一方向に移動させながら、前記基材表面に積層された電極活物質を含んでなる電極組成物の厚さを、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材を用いて調整して前記電極組成物からなる電極活物質層を得る調厚工程を有するリチウムイオン電池用電極の製造方法であって、
    前記厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、かつ、前記第1主面における前記ベルトの移動方向が前記基材の移動方向と略反対方向であり、前記第2主面における前記ベルトの移動方向が前記基材の移動方向と略同一方向であり、
    前記調厚工程において、前記第1主面が前記基材と略対向するように、かつ、前記厚さ調整部材が有する端部のうち、前記第1主面における前記ベルトの終点と前記第2主面における前記ベルトの始点とを接続する第1端部が前記電極組成物と接触するように前記厚さ調整部材を配置することを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  2. 前記調厚工程において、前記基材表面に積層された前記電極組成物のうち、前記厚さ調整部材の前記第1端部よりも前記第2主面側に存在する電極組成物を、前記ベルトの回転力により前記厚さ調整部材の前記第2主面にすくい上げて分離する請求項1に記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  3. 前記第1端部における前記ベルトの曲げ半径の2倍値は、前記電極活物質の個数基準累積粒度分布曲線において得られる80%粒子径(d80)よりも小さい請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  4. 前記厚さ調整部材の前記第2主面における前記ベルトの移動速度は前記基材の移動速度以上であり、
    前記基材の移動速度に対する前記第2主面における前記ベルトの移動速度は、0〜10m/sである請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  5. 前記厚さ調整部材の前記第1主面を延長した面と前記基材表面とのなす角が1°以上であり、前記厚さ調整部材の前記第2主面を延長した面と前記基材表面とのなす角が40°以下である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  6. 前記電極活物質層は、前記電極活物質、電解液及び粘着性樹脂を含む非結着体である請求項1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン電池用電極の製造方法。
  7. 電極組成物を積層したシート状の基材を移動させる基材搬送手段と、前記電極組成物の厚さを調整する調厚手段とを備えたリチウムイオン電池用電極の製造装置であって、
    前記調厚手段は、前記電極組成物と接触する、第1主面及び第2主面を有する厚さ調整部材であり、
    前記厚さ調整部材は、その表面に沿って一定方向に回転するベルトを備え、かつ、前記第1主面における前記ベルトの移動方向が前記基材の移動方向と略反対方向であり、前記第2主面における前記ベルトの移動方向が前記基材の移動方向と略同一方向であり、
    前記第1主面が前記基材と略対向するように、かつ、前記厚さ調整部材が有する端部のうち、前記第1主面における前記ベルトの終点と前記第2主面における前記ベルトの始点とを接続する第1端部が前記電極組成物と接触するように前記厚さ調整部材が配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池用電極の製造装置。
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