JP2019077002A - 切削インサート、敷金及びホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】切削チップを効果的に冷却して工具の長寿命化を図ることができる切削インサートを提供すること。
【解決手段】切削チップ14と、この切削チップ14が装着されるベースインサート12と、を備える切削インサート10であって、この切削インサート10の上面の、切削チップ14とベースインサート12の境界部から、切削チップ14とベースインサート12との境界面に沿って形成され、切削インサート10の下面の、切削チップ14とベースインサート12の他の境界部に及ぶ流路PAが形成される切削インサート10。
【選択図】図2

Description

本発明は、切削インサート、敷金及びホルダに関する。
特許文献1には、超硬基材のコーナ部にcBN焼結体やダイヤモンド焼結体からなる超高圧焼結体4を有し、その超高圧焼結体4に切れ刃5が形成された超高圧焼結体工具に、噴出口6bが工具の刃先コーナ部直下の逃げ面8に開口する給油口6を設け、逃げ面8に対する噴出口の傾き角を20°以上、70°以下に設定することにより、工具の長寿命化を図ると同時に、加工面品位を向上させる超高圧焼結体工具が開示されている。
特許文献2には、円柱状のワーク21を、円柱軸を中心として回転させるためのワーク回転手段16と、回転する前記ワーク21に接触して切削するための切削手段22とを有し、前記切削手段49は、前記ワーク21の加工部25に噴霧媒体Mを噴出するための噴霧手段47を備えることにより、ワークの加工部を効率よく冷却し、切削手段の寿命を長くし、効率良く切粉等の除去を行うことができる切削加工装置が開示されている。
また、特許文献3には、工具本体14の先端部に形成されたチップ座20上に設けるシート部材22を、その上面部に溝部26を有するとともに、溝部26に切欠部28、30が形成された構造とし、また、工具本体14には、冷却液供給部と切欠部28とを連通する流路が形成することにより、スローアウェイチップを効果的に冷却して刃先寿命と加工精度を向上させることができるスローアウェイ式旋削工具が開示されている。
特開2013−49106号公報 特開2001−287103号公報 特開平06−254704号公報
しかしながら、切れ刃を構成する焼結体部分である切削チップを十分に冷却するための手段は、未だに提供されていない。切削チップが高温になると、加工精度の悪化や、切削チップの摩耗が進行しやすくなるなどの問題が発生する。
そこで、本発明は、切削チップを効果的に冷却して工具の長寿命化を図ることができる切削インサート、敷金及びホルダを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る切削インサートは、第1の上面と、第1の下面と、第1の上面と第1の下面とを接続する第1の側面と、を備えるベースインサートと、第2の上面と、第2の下面と、第2の上面と第2の下面とを接続する第2の側面と、を備える切削チップと、を備える。そして、第1の側面は、第2の側面と対向する第1の装着面と、第1の上面、第1の下面及び第1の装着面と接続する第1の周側面と、を備え、第2の側面は、第1の装着面と対向する第2の装着面と、第2の上面、第2の下面及び第2の装着面と接続し、少なくとも第2の上面と接続する稜線に第1の切れ刃が形成される第2の周側面と、を備える。さらに、第1の装着面は、第2の装着面と固着する第1の固着面と、第2の装着面と離間して対向する第1の流路面とを備え、第1の流路面と、第2の装着面のうち、第1の流路面に対向する第2の流路面とによって、第2の上面及び第2の下面に連通し、切削チップを冷却するクーラントが流通するための流路を構成する。
本発明の他の態様に係る敷金は、このような切削インサートを保持するためのホルダと、切削インサートとホルダとの間に配設される。そして、ねじを用いて切削インサートをホルダに固定するために設けられた第1の貫通孔と、流路にクーラントを導入するために設けられたクーラント流路と、を備える。
本発明の他の態様に係るホルダは、このような切削インサートを、敷金を介して保持するためのものである。そして、切削インサートを固定するための固定手段と、クーラントを導入するための孔部とを備える。
本発明の他の態様に係る切削インサートは、切削チップと、この切削チップが装着されるベースインサートを備える切削インサートであって、切削インサートの上面の、切削チップとベースインサートの境界部から、切削チップとベースインサートとの境界面に沿って形成され、切削インサートの下面の、切削チップとベースインサートの他の境界部に及ぶ流路が形成されている。
切削インサート10の斜視図 切削インサート10の断面図 クーラントCの流れを示した図 ベースインサート12及び切削チップ14の斜視図 ホルダ16の斜視図 ホルダ16に切削インサート10が装着されている様子を示した図 切削インサート24の斜視図 切削チップ28の斜視図 敷金30の斜視図
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
図1(a)は、切削インサート10の斜視図であり、図1(b)は、切削インサート10の上面に対向する方向から見た平面図である。この切削インサート10は、頂角が80°及び100°、内接円が13mm、厚さ5mm、コーナー半径を0.8mmとする平面視で菱形の形状をしている。
この切削インサート10は、ベースインサート12と、このベースインサート12の対向する2つの頂点にろう付け等の手段により固着される切削チップ14及び14’を備える。
ベースインサート12は、超硬合金からなり、上面12a(第1の上面)、下面12b(第1の下面)及び上面12aと下面12bを接続する側面(第1の側面)を有する。この側面は、切削チップ14を装着するための装着面12c(第1の装着面)と、上面12a、下面12b及び装着面12cに接続され、外方に露出する周側面12d(第1の周側面)から構成される。また、上面12aと下面12bをほぼ垂直に貫通する貫通孔12eが形成されている。
ベースインサート12の対向する頂点には、それぞれ切削チップ14及び14’が装着されている。切削チップ14及び14’は、立方晶化ほう素の焼結体(以下「cBN焼結体」という)から構成される。cBN焼結体の表面には、例えば、5μmの厚さを有する耐熱用硬質皮膜を形成してもよい。
この切削チップ14は、上面14a(第2の上面)、下面14b(第2の下面)及び上面14aと下面14bを接続する側面(第2の側面)を有する。この側面は、ベースインサート12の装着面12cに対向する装着面14c(第2の装着面)と、上面14a、下面14b及び装着面14cに接続され、外方に露出する周側面14d(第2の周側面)から構成される。さらに、上面14aと周側面14dとが交差して形成される、または、上面14aと周側面14dとを接続する稜線14e(稜線)には、コーナー部14fを挟んで二つの切れ刃14gと14g’(第1の切れ刃)と、この切れ刃を接続するコーナー切れ刃が形成されている。切削チップ14’は、切削チップ14と同じ構造である。
図1(b)に示されるように、このベースインサート12と切削チップ14は、上面12a及び14aに対向する方向から見た平面視において、稜線14e上に位置するコーナー部14fを通る直線L1(直線)に対して線対称に設けられている。
また、上面14aと下面14bは同じ構成をしており、ベースインサート12と切削チップ14は、上面12a(及び12b)と下面12b(及び14b)を含む二つの面の中間に位置する参照面に対して面対称に設けられる。従って、この切削インサート10は、上面14aと周側面14dとの稜線に設けられる二つの切れ刃14g(順方向)及び14g’(逆方向)に加え、下面14bと周側面14dとの稜線に設けられる二つの切れ刃、さらに、切削チップ14’に同様に設けられる4つの切れ刃を用いてそれぞれ加工することができる。その他、上面12a及び上面14a側に備わる各構成要件と同等の構成を全て下面12b及び下面14b側にも備える。
図2(a)は、切削インサート10を、直線L1を含み、上面12a、上面14a、下面12b及び下面14bに垂直な断面で切った断面図である。
この図に示されるように、切削チップ14とベースインサート12の境界には、流路部PA1〜PA3からなる流路PAが形成される。
そして切削チップ14の上面14aに設けられた切れ刃14g又は14g’を用いて加工する際には、この流路PAを、クーラントCが下面側から上面側に流通することで、切削チップ14に発生した熱をクーラントCに吸収させ、排熱を促進することができる。一方で、切削チップ14の下面14bに設けられた切れ刃を用いて加工する際には、クーラントCの流通方向は逆になる。
ここで流路PAは、下面12bと下面14bの境界から出発し、切削チップ14から離れる方向に進行する流路部PA3と、流路部PA3に接続し、上面12a及び上面14aに向かってほぼ垂直に進行する流路部PA2と、流路部PA2に接続し、切削チップ14に近づく方向に進行して上面12aと上面14aの境界に接続する流路部PA1から構成される。
図2(b)は、クーラントCが流路部PA1から流出する様子を示す平面図である。
この図に示されるように、上面12a及び上面14aは、これに対向する方向から見た平面視において、稜線14eを通る直線L1に対して線対称に形成されている。さらに、上面12aと上面14aの境界線、または、上面12aと装着面12cとの稜線であるB1も直線L1に対して線対称であり、波打った線分である。
境界線B1のうち、周側面に接続する両端を点P2及びP2’(端点)と定義し、点P2とP2’の中点に位置し、境界線B1と直線L1との交点を点P1(交点)と定義する。このとき、境界線B1上の各点におけるコーナー部14f(直線L1と稜線14eとの交点)との直線L1方向における距離は、以下のような関係を有する。
まず、中点P1から所定距離以内は、コーナー部14fとの直線L1方向の距離は一定である。すなわち、この線分は、直線L1と垂直である。そして、その後、中点P1から離れるほどコーナー部14fとの直線L1方向の距離は大きくなり、点P3(点P3’)において最大になる。そして、点P3(及び点P3’)から端点P2(点P2’)に近づくほど、コーナー部14fとの直線L1方向の距離は小さくなる。
同様に、切削チップ14’とベースインサート12の境界には、流路PAと同じ構造を有する流路P’が形成され、切削チップ14’を用いて加工する際には、この流路P’を、クーラントCが流通することで、切削チップ14’に発生した熱をクーラントCに吸収させ、排熱を促進することができる。
図3(a)は、比較例の切削インサートIによりワークを加工する際の、クーラントCを用いた冷却方法を示し、図3(b)は、本実施形態に係る切削インサート10によりワークを加工する際の、クーラントCを用いた冷却方法を示す。
比較例の場合は、切削インサートIの外側のみからクーラントCを噴射させている。このため、切れ刃周辺に向かうクーラントCの量がそもそも少なく、また、その多くのクーラントCがワークの切りくずWに跳ね返されてしまうため、効率的に切れ刃周辺を冷却することができない。さらに、クーラントCを噴射するためのノズルの取り付け位置や向きに制約があり、適切な位置及び角度となるようにノズルを調整することが難しいという問題もある。
一方で、本実施形態の場合は、クーラントCが切削インサート10の内部を通過する際に、切削チップ14を直接的に冷却することができる。また、クーラントCを遮る切りくずWが少ないので、切削チップ14の加工面近傍にクーラントCを効率良く噴射させ、冷却を促進させることができる。さらに、切りくずWの裏側にクーラントCが当たるため、切りくずWをすくい面から強制的に引き離し、クレータ摩耗を抑制することができる。また、クーラントCが当たった際に、切りくずWが変形し、切りくずの処理性を向上させることも期待できる。
特に、クーラントCの出口側の流路部PA1は、切削チップ14に近づく方向に進行して上面14aと上面12aの境界部に接続するので、より加工面近傍にクーラントCを噴射することができる。
また、クーラントCの入口側の流路部PA3は、下面14bと12bの境界部から出発し、切削チップ14から遠ざかる方向に進行するので、下面12b側の切れ刃を用いて加工する際に、切削される箇所に近い位置にクーラントCを噴射することができる。このため、切削チップ14の冷却を促進し、切削インサート10の長寿命化を図ることができる。ただし、図3(b)に示されるようにクーラントCを切削インサート10の内部から噴射させると同時に、追加的に、図3(a)に示されるように切削インサート10の外部からクーラントCを噴射させてもよい。
図4(a)は、切削チップ14が装着され、一体化される前のベースインサート12の斜視図である。図4(b)は、同じく切削チップ14の斜視図である。また、図4(c)は両者を固着させた際の斜視図を示している。
図4(a)に示されるように、切削チップ14が装着される装着面12cは、切削チップ14とろう付け等の手段により固着される固着面12h(第1の固着面)と、切削チップ14の装着面14cと離間して対向する流路面12f(第1の流路面)とを備える。
また、図4(a)に示されるように、切削チップ14の装着面14cは、ベースインサート12の固着面12hと固着とする固着面14c’と、流路面12fと離間して対向することで、流路PAの内面の一部を構成する流路面14c’’(第2の流路面)を備える。
ベースインサート12の固着面12hは、図2(b)の平面図で示される線分B1(中点P1、端点P2及びP2’、点P3及びP3’を通過する線分)を通過し、上面12a及び下面12bに垂直な面である。また、流路面12fは、固着面12hの中央部において、内側に、すなわち、切削チップ14から離れる方向に窪んでいる面を備えている。
一方で、図4(b)に示されるように、切削チップ14の上面14aは、すくい面14hと、すくい面14hに接続し、下面14b方向に窪んで流路PAに接続する導入面14iを備える。すくい面14hは、平面である必要はなく、すくい面として機能できる程度に平坦であってもよいし、チップブレーカを形成してもよい。固着面14c’及び流路面14c’’は、参照面に垂直な面内に含まれる。
そして、図4(c)に示されるように、切削チップ14をベースインサート12に装着した際に、流路面12fの上端及び下端が露出するように、導入面14iを上面14a及び下面14bにそれぞれ設けることにより、流路PAに連通する開口部OPを上面14a及び下面14bに形成することができる。
ここで、流路面12fの固着面12hに対する角度や、導入面14iの角度を調整することによって、クーラントCの噴射角度や噴射位置を調整することができる。たとえば、流路面12fの内面のうち、上下を向いた面を90度に近づけることによって、クーラントCが噴射する角度をすくい面と平行に近づけることができる。
また、切削チップ14とベースインサート12は、固着面においてセレーション結合している。このため、固着面の面積を増加させて接着力(力学的な接着)を高めることができる。また、横方向(直線L1と垂直な方向)の外力に対しても固着を保つことができる。
以上のとおり、本実施の形態によれば、切削インサート10の上面の、切削チップ14とベースインサート12の境界部から、切削チップ14とベースインサート12との境界面に沿って形成され、切削インサート10の下面の、切削チップ14とベースインサート12の境界部に及ぶ流路PAを形成した。このように、本来であれば、十分な接着力(力学的な接着)を担保するためにベースインサートと切削チップの対向する全面を固着したいところ、あえて一部がクーラントCの流路となるように構成させた。このため、ベースインサートと切削チップの境界においても、切削チップの放熱を促進させることが可能になる。
また、上述したとおり、より多くのクーラントCを加工部近傍に噴射させることが可能になるから切削チップ14の冷却を促進させることができる。さらに、切りくずの裏側からクーラントCを噴射することにより、切りくずの排出を促進させることもできる。
ただし、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。たとえば、cBN焼結体以外の切削チップ(たとえばダイヤモンド焼結体)を備える切削インサートに用いることができる。また、旋削以外の切削工具にも、本実施形態に示される技術思想を適用することができる。また、平面視において、三角形、六角形、その他の多角形や丸形等のネガティブ型またはポジティブ型の切削チップに適用することもできる。また、ベースインサート12と切削チップ14は、貫通孔12eに対して回転対称に設けてもよいし、貫通孔12eの軸に垂直な直線に対して軸対称(すなわち、上面12aと下面12bをひっくり返してそのまま使用できる)に設けてもよい。また、上面14aと周側面14dとを接続する稜線14e(稜線)は、ホーニングされている領域を含んでもよい。
また、流路PAは、一つに限られず、複数の流路を設けてもよいし、中途で複数の流路に分かれる構成となっていてもよい。また、ベースインサートと切削チップは、必ずしも面一になる必要はない。用途に応じて、たとえば、ベースインサートの上面12aよりも切削チップの上面14aが突出する構成となっていてもよい。
また、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、この実施形態又は他の実施形態で示した構成の一部を適用しない切削インサートや、構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
[ホルダ及び敷金の構成]
以下、上記実施形態に係る切削インサート10を保持するためのホルダ16(バイト本体)ならびに敷金18の構成について説明する。
図5に示されるように、ホルダ16は、クロムモリブデン鋼から構成される断面四角形の棒状のシャンク部16Sと、ホルダの先端の角部に凹設されたインサート座16Cを備えている。
インサート座16Cは、平面視において、切削インサート10と同様の略菱形である。インサート座16Cは、上面を向いた座面16Dと、この座面16Dから立ち上がって座面16Dとほぼ垂直の二つの壁面16Eを備える。
座面16Dには、座面上に設置される敷金18(または、シム、等と呼ばれる場合もある)を固定するためのねじ穴(不図示)が形成され、ねじにより敷金18を固定することができる。
また、ホルダ16は、敷金18上に設置される切削インサート10を押え金20にて固定するためのクランプスクリュー22用のねじ穴16Fが形成されている。さらに、敷金18に形成される溝部18A(クーラント流路)を介して切削インサート10にクーラントCを供給するための供給口16Gが壁面16Eに形成されている。
敷金18は、平面視において切削インサート10と同様の菱形であり、その2つの側面は、固定時にインサート座の二つのチップ壁面16Eに密着され、他の2つの側面は、平面視において、ホルダ16の端面から若干突出するように設計されている。また、クーラントCを供給するために、ホルダ16に設けられた供給口16Gと一端が連通し、切削インサート10が載置されたときに切削インサート10の流路部PA3と他端が連通する溝部18Aが設けられている。さらに、中央部に座面16Dに形成されるねじ穴18Cに螺合するねじを貫通させるための貫通孔18Bが形成されている。ねじの頭が止まるように、この貫通孔18Bの開口部はテーパ状に設けられている。
図6は、押え金20にて敷金18及びその敷金18上に載置される切削インサート10が固定された様子を示す斜視図である。
この図に示されるように、切削インサート10のベースインサート12の上面12aは、クランプスクリュー22にてホルダ16に固定された押え金20により、敷金18を介してホルダ16の座面16Dに固定されている。このとき、2つの壁面16Eには、敷金18の2つの壁面と、ベースインサート12の周側面12dのうち2面が接触固定されている。
また、クーラントCは、ホルダ16の下部から供給される。ホルダの下部には、供給口16Gに連通する孔16Hが形成され、この孔16Hからホルダ16内部を通ったクーラントCは、供給口16Gから、敷金18の溝16Aを経由して切削インサート10の流路PAに供給される。
以上のようなホルダ16及び敷金18を用いることにより、切削チップを効果的に冷却して工具の長寿命化を図ることが可能になる。
[変形例]
以下、第1の実施形態に係る切削インサート10の変形例について説明する。なお、他の実施の形態と同様の構造又は機能の部分については、説明を省略又は簡略化する。
図7は、変形例に係る切削インサート24の斜視図である。この切削インサート24は、ベースインサート26と、切削チップ28が、第1の実施形態に係る切削インサート10とは異なる。
ベースインサート26は、上面26aと、下面26bと、切削チップ28が装着される装着面26cと、これら上面26a、下面26b及び装着面26cと接続される周側面26dを備える。
図7に示されるとおり、このベースインサート26の周側面26dは、上面26aと下面26bとの中間部分において、上面26a側を向いた斜面及び下面26b側を向いた斜面と、これに接続される側面部26d’が、菱形形状の連なる二辺にわたり形成されている。同様に、菱形形状の他の二辺にも、上面26a側を向いた斜面及び下面26b側を向いた斜面と、これに接続される側面部26d’’が形成されている。
このように側面部26d’及び26d’’を設けた。このため、切削インサート10を金型成形するために、ダイスの中で、切削インサートの上面側のパンチと、下面側のパンチでプレスする際に、両パンチの外周の先端部が側面部26d’及び26d’’を成形するために平坦となっている。このため、側面部26d’及び26d’’を設けず両パンチの先端が鋭角にとがる場合と比較して、金型として用いられるパンチを欠けにくくすることができる。また、上面26a側を向いた斜面で切削インサート10を押圧することにより、切削インサート10の加工中の浮き上がりを効果的に抑制することができる。また、ベースインサート26を薄くすることも可能になるので、製造コストを削減することもできる。
図8(a)は、変形例に係る切削チップ28の斜視図を示している。図8(b)は、この切削チップ28がベースインサート26に装着されている様子を示している。
図8(a)に示されるように、この切削チップ28は、切削チップ14とは、平坦部28hにつながる導入面28iの形状が異なっている。具体的には、導入面28iの表面には、クーラントCが流通する方向とは垂直な方向に凹凸が形成されている。たとえば、レーザ加工によりこのような凹凸を形成することができる。
このような凹凸を表面に形成することによって、クーラントCと切削チップ14の接触面積を増加することができるので、より効果的に切削チップ14の冷却を促進することが可能になる。
図9は、変形例に係る敷金30を示している。この敷金30は、溝部18Aの替りに、クーラントCを供給するための貫通孔30Aを備えている点が、敷金18と異なる。具体的には、敷金30の中央部に設けられた、敷金30をホルダに固定するためのねじを貫通させる貫通孔30B(第1の貫通孔)と、切削インサート10(又は切削インサート24)の流路PAにクーラントCを供給するための貫通孔30Aが形成されている。この貫通孔30Aは、切削インサート10が設置された際に、切削インサート10の流路PA3が存在する位置とはずれて形成されている。そのため、敷金30の下面から供給されるクーラントCをベースインサート12の下面12bにぶつかって減速させ、液だまり30Cを介して切削インサート10に供給される。このような構成とすることにより、切削インサート10の流路内に気泡等がとどまりにくくなるから、冷却が阻害されにくい。また、流路の開口部が異なる位置に形成された切削インサートであっても、液だまり30Cを介して貫通孔30Aと連通させることが可能になるから、異なる位置にクーラントの流路が設けられた様々な切削インサートに敷金30を用いることができる。
以上のとおり、上述した実施形態に係る切削インサート、敷金及びホルダによれば、切削チップを効果的に冷却して工具の長寿命化を図ることができる。
なお、切削インサート10のホルダによる固定方法には制限がなく、様々な手段を用いることが可能である。たとえば、押え駒を用いた固定方法のほか、ねじ止め、レバー式、楔式、偏芯ピン式等で切削インサート10を固定することができる。
10…切削インサート、12…ベースインサート、12a…第1の上面、12b…第1の下面、12c…第1の装着面、12d…第1の周側面、12e…貫通孔、12f…第1の流路面、12h…第1の固着面、14…切削チップ、14a…第2の上面、14b…第2の下面、14c…第2の装着面、14c’…第2の固着面、14c’’…第2の流路面、14d…第2の周側面、14e…稜線、14f…コーナー部、14g…切れ刃、14g’…切れ刃、14h…すくい面、14i…導入面、16…ホルダ、16C…インサート座、16D…座面、16E…壁面、16F…ねじ穴、16H…孔、16G…供給口、16S…シャンク部、18…敷金、18A…溝部、18B…貫通孔、18C…ねじ穴、20…押え金、22…クランプスクリュー、H…ホルダ、PA…流路、PA1…流路部、PA2…流路部、PA3…流路部、P1…交点、P2…端点、P2’…端点、S…敷金

Claims (15)

  1. 第1の上面と、第1の下面と、前記第1の上面と前記第1の下面とを接続する第1の側面と、を備えるベースインサートと、
    第2の上面と、第2の下面と、前記第2の上面と前記第2の下面とを接続する第2の側面と、を備える切削チップと、
    を備える切削インサートであって、
    前記第1の側面は、
    前記第2の側面と対向する第1の装着面と、
    前記第1の上面、前記第1の下面及び前記第1の装着面と接続する第1の周側面と、
    を備え、
    前記第2の側面は、
    前記第1の装着面と対向する第2の装着面と、
    前記第2の上面、前記第2の下面及び前記第2の装着面と接続し、少なくとも前記第2の上面と接続する稜線に第1の切れ刃が形成される第2の周側面と、
    を備え、
    前記第1の装着面は、
    前記第2の装着面と固着する第1の固着面と、
    前記第2の装着面と離間して対向する第1の流路面とを備え、
    前記第1の流路面と、前記第2の装着面のうち、前記第1の流路面に対向する第2の流路面とによって、前記第2の上面及び前記第2の下面に連通し、前記切削チップを冷却するクーラントが流通するための流路を構成する切削インサート。
  2. 前記第2の上面は、前記第2の上面に対向する方向から見た平面視において、前記稜線を通過する直線について線対称である請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記第1の上面と前記第1の装着面との境界である境界線は、前記第1の上面に対向する方向から見た平面視において、前記直線との交点と、前記境界線の2つの端点との間に、前記直線方向において、前記直線と前記第2の周側面との交点との距離が最大になる点がそれぞれ存在する請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記第2の周側面と前記第2の下面とを接続する第2の稜線に第2の切れ刃が形成される請求項1から3のいずれか一項に記載の切削インサート。
  5. 前記第2の下面は、前記第2の下面に対向する方向から見た平面視において、前記第2の稜線を通過する第2の直線について線対称である請求項4に記載の切削インサート。
  6. 前記第1の下面と前記第1の装着面との境界である第2の境界線は、前記第1の下面に対向する方向から見て、前記第2の直線との交点である第2の交点と、前記第2の境界線の2つの端点との間に、前記第2の直線方向において、前記第2の直線と前記第2の周側面との交点との距離が最大になる点がそれぞれ存在する請求項5に記載の切削インサート。
  7. 前記第1の固着面は、前記第1の上面又は前記第1の下面に垂直な面内にある請求項1から6のいずれか一項に記載の切削インサート。
  8. 前記第1の流路面は、前記切削チップから離れる方向に、前記第1の固着面から窪んでいる面を備える請求項7に記載の切削インサート。
  9. 前記流路は、前記第1の上面に対向する方向から見た平面視において、
    前記第1の上面と前記第2の上面の境界から出発し、前記切削チップから離れる方向に進行する第1の流路部と、
    この第1の流路部に接続し、前記第1の下面の方向に進行する第2の流路部と、
    この第2の流路部に接続し、前記切削チップに近づく方向に進行して前記第1の下面と前記第2の下面の境界に接続する第3の流路部と、を備える請求項1から8のいずれか一項に記載の切削インサート。
  10. 前記第2の上面は、
    第1の平坦部と、
    この第1の平坦部から前記第2の下面方向に窪んで前記流路に接続する第1の導入面と、
    を備える請求項1から9のいずれか一項に記載の切削インサート。
  11. 前記第1の導入面の表面には、前記クーラントが流通する方向と垂直な方向に、凹凸が形成されている請求項10に記載の切削インサート。
  12. 前記第1の周側面は、前記第1の上面と前記第1の下面との中間部に、前記第1の上面側を向く少なくとも一つの側面部を備える請求項1から11のいずれか一項に記載の切削インサート。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の切削インサートを保持するためのホルダと、前記切削インサートとの間に配設するための敷金であって、
    ねじを用いて前記切削インサートを前記ホルダに固定するために設けられた第1の貫通孔と、
    前記流路に前記クーラントを導入するために設けられたクーラント流路と、
    を備える敷金。
  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載の切削インサートを、持するためのホルダであって、
    前記切削インサートを固定するための固定手段を備え、
    前記クーラントを導入するための供給口が形成されたホルダ。
  15. 切削チップと、この切削チップが装着されるベースインサートと、を備える切削インサートであって、この切削インサートの上面の、前記切削チップと前記ベースインサートの境界部から、前記切削チップと前記ベースインサートとの境界面に沿って形成され、前記切削インサートの下面の、前記切削チップと前記ベースインサートの他の境界部に及ぶ流路が形成される切削インサート。
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