JP2019094252A - 防火複層ガラス - Google Patents

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【課題】適切な部位に適切な反射膜が被覆され、製造コストが必要最小限に抑制されるにも拘わらず充分な防火特性を有する防火複層ガラスを提供する。【解決手段】防火複層ガラスは、耐熱ガラス板2と、耐熱ガラス板2の片側に間隔をおいて且つ耐熱ガラス板2と平行に配設された片側非耐熱ガラス板4と、耐熱ガラス板2の他側に間隔をおいて且つ耐熱ガラス板2と平行に配設された他側非耐熱ガラス板6とを含む。片側非耐熱ガラス板4の、耐熱ガラス板2に対面する内面、及び他側非耐熱ガラス板6の、耐熱ガラス板2に対面する内面には、銀系低放射膜20が被覆されている。【選択図】図1

Description

本発明は、防火複層ガラス、更に詳しくは耐熱ガラス板とこの耐熱ガラス板の片側に間隔をおいて且つ耐熱ガラス板と平行に配設された片側非耐熱ガラス板と、耐熱ガラス板の他側に間隔をおいて且つ耐熱ガラス板と平行に配設された他側非耐熱ガラス板とを含む防火複層ガラスに関する。
透視性を損なうことがない防火複層ガラスとして、下記特許文献1には、耐熱結晶化ガラス板と、耐熱結晶化ガラス板の片側に間隔おいて且つ耐熱結晶化ガラス板と平行に配設された片側非耐熱ガラス板と、耐熱結晶化ガラス板の他側に間隔おいて且つ耐熱結晶化ガラス板と平行に配設された他側非耐熱ガラス板とを含む防火複層ガラスが開示されている。片側非耐熱ガラス板及び他側非耐熱ガラス板の外面、即ち耐熱結晶化ガラス板と対面しない側面には、非銀系低放射膜が被覆されている。
また、下記特許文献2には、透視性を損なうことがない防火複層ガラスとして、低膨張ガラス板或いは化学強化ガラス板である耐熱ガラス板と、耐熱ガラス板の片側に間隔おいて且つ耐熱ガラス板と平行に配設された片側非耐熱ガラス板と、耐熱ガラス板の他側に間隔おいて且つ耐熱ガラス板と平行に配設された他側非耐熱ガラス板とを含む防火複層ガラスが開示されている。耐熱ガラス板の表面或いは片側非耐熱ガラス板又は他側非耐熱ガラス板の表面には必要に応じて適宜の反射膜が被覆される。
特開2014−97901公報 再公表特許WO2014/168219公報
而して、上記特許文献1及び2に開示された防火複層ガラスには、適切な部位に適切な反射膜が被覆されておらず、製造コストが高価になるにも拘わらず充分な防火特性が得られない、という問題がある。例えば、上記特許文献1に開示されている防火複層ガラスにおいては、非耐熱ガラス板の外面に非銀系低放射膜を被覆しているが、これらの非銀系低放射膜は、建造物の外側又は内側からの火炎に直接的に晒されると容易に損傷され、低放射膜の機能、即ち熱反射機能、を充分に発揮することができない。従って、製造コストに対して充分な防火特性が得られない。また、上記特許文献2に開示されている防火複層ガラスにおいては、耐熱ガラスの表面に反射膜を被覆しているが、かような反射膜は防火に対して有効に作用しない。
本発明は、上記のとおりの事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、適切な部位に適切な反射膜が被覆され、製造コストが必要最小限に抑制されるにも拘わらず充分な防火特性を有する、新規且つ改良された防火複層ガラスを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、片側非耐熱ガラス及び他側非耐熱ガラス板の内面、即ち耐熱結晶化ガラス板に対面する面、に銀系低反射膜を被覆することによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決する防火複層ガラスとして、耐熱ガラス板と、該耐熱ガラス板の片側に間隔をおいて且つ該耐熱ガラスと平行に配設された片側非耐熱ガラス板と、該耐熱ガラス板の他側に間隔をおいて且つ該耐熱ガラスと平行に配設された他側非耐熱ガラス板とを含む防火複層ガラスにおいて、
該片側非耐熱ガラス板の、該耐熱結晶化ガラス板に対面する内面、及び該他側非耐熱ガラス板の、該耐熱結晶化ガラス板に対面する内面には、銀系低放射膜が被覆されている、ことを特徴とする防火複層ガラスが提供される。
該耐熱ガラス板は耐熱結晶化ガラス板であるのが好都合である。好ましくは、該片側非耐熱ガラス板の外面及び該他側非耐熱ガラス板の外面には被覆が施されていない。好適実施形態においては、該片側非耐熱ガラス板と該他側非耐熱ガラス板との少なくともいずれか一方は、防犯層を介在せしめて2枚の非耐熱ガラス板を接合した複合防犯非耐熱ガラス板である。該耐熱ガラス板の片側面の外周面部と該片側非耐熱ガラス板の該内面の外周縁部との間には、スペーサ部材が配設されていると共にシール材が配設されており、該耐熱ガラス板の他側面の外周縁部と該他側非耐熱ガラス板の該内面の外周縁部との間にも、スペーサ部材が配設されていると共にシール材が配設されているのが好都合である。
本発明の防火複層ガラスにおいては、建造物の外側からの強力火炎に対しては、片側(即ち外側)非耐熱ガラス板は損傷されてしまうが、充分な耐熱特性を有する耐熱ガラスは損傷されることなく維持され、そして火炎に起因する高温は耐熱ガラスに防護されている他側(即ち内側)非耐熱ガラスの内面に被覆されている低放射膜の反射作用によって建造物内への伝導が効果的に遮断され、同様に建造物の内側からの強力火炎に対しても、他側(即ち内側)非耐熱ガラス板は損傷されてしまうが、充分な耐熱特性を有する耐熱ガラスは損傷されることなく維持され、そして火炎に起因する高温は耐熱ガラスに防護されている片側(即ち外側)非耐熱ガラスの内面に被覆されている低放射膜の反射作用によって建造物外への伝導が効果的に遮断され、かくして必要製造コストが必要最小限に抑制されるにも拘らず充分な防火特性が達成される。
本発明に従って構成された防火複層ガラスの好適実施形態の断面図。 本発明に従って構成された防火複層ガラスの他の好適実施形態の断面図。
以下、本発明に従って構成された防火複層ガラスの好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された図示の防火複層ガラスは中央に位置する耐熱ガラス板2と、耐熱ガラス板2の片側(図1において左側であり、建造物の外側)に適宜の間隔をおいて且つ耐熱ガラスス板2と平行に配設された片側非耐熱ガラス板4と、耐熱ガラス板2の他側(図1において右側であり、建造物の内側)に適宜の間隔をおいて且つ耐熱ガラス板2と平行に配設された他側非耐熱ガラス板6とを含んでいる。耐熱ガラス板2は、熱膨張率が著しく小さい或いは実質上零である耐熱結晶化ガラス板であるのが好都合である。好適な耐熱結晶化ガラス板としては、日本電気硝子株式会社から商品名「ファイアライト」として販売されている耐熱結晶化ガラスを挙げることができる。耐熱ガラス板2を構成する耐熱結晶化ガラスは3.0乃至6.0mm程度の厚さであるのが好適である。片側非耐熱ガラス板4及び他側非耐熱ガラス板6は通常のフロートガラス板から構成することができる。片側非耐熱ガラス板4及び他側非耐熱ガラス板6の厚さは3.0乃至5.0mm程度でよい。
耐熱ガラス板2の片側面(図1において左側面)の外周縁部と非耐熱ガラス板4の内面(耐熱ガラス板2に対面する、図1において右側面)の外周縁部との間には、スペーサ部材8が配設されていると共にシール材10及び12が配設されている。更に詳述すると、スペーサ部材8はアルミニウム、ステンレス鋼又は鉄の如き適宜の金属或いはこれらの金属とポリアミド樹脂の如き硬質合成樹脂との複合材料から中空形状に形成されているのが好都合である。かかるスペーサ部材8の両側面にはブチル系或いはポリイソブチレン系でよい一次シール材10が塗布されており、耐熱ガラス板2の片側面の外周縁部と片側非耐熱ガラス板4の内面の外周縁部とは一次シール材10に密着されてスペーサ部材8に接合される。しかる後にスペーサ部材8及び一次シール材10の外周面上にシリコーン系或いはポリサルファイド系でよい二次シール材12が充填され、かくして耐熱ガラス板2と片側非耐熱ガラス4との間の空間14が密封される。耐熱ガラス板2の他側面(図1において右側面)の外周縁部と非耐熱ガラス板6の内面(耐熱ガラス板2に対面する、図1において左側面)の外周縁部との間にも、同様に、スペーサ部材8が配設されていると共にシール材10及び12が配設されている。即ち、スペーサ部材8の両側面上にはブチル系或いはポリイソブチレン系でよい一次シール材10が塗布されており、耐熱ガラス板2の他側面の外周縁部と他側非耐熱ガラス板6の内面の外周縁部とは一次シール材10に密着されてスペーサ部材8に接合される。しかる後にスペーサ部材8及び一次シール材10の外周面上にシリコーン系或いはポリサルファイド系でよい二次シール材12が充填され、かくして耐熱ガラス板2と他側非耐熱ガラス6との間の空間16が密封される。上記のとおりの防火複層ガラスは、塩化ビニルの如き適宜の合成樹脂樹或いはアルミニウムの如き適宜の金属から形成された枠体18に装填されて、防火窓或いは防火扉として建造物に組み込まれる。
本発明に従って構成された防火複層ガラスにおいては、片側非耐熱ガラス板4の、耐熱ガラス板2に対面する内面(図1において右側面)及び他側非耐熱ガラス板6の、耐熱ガラス板2に対面する内面(図1において左側面)に、銀系低放射膜20が被覆されていることが重要である。図1に図示する実施形態においては、片側非耐熱ガラス板4の内面及び他側非耐熱ガラス板6の内面における、スペーサ部材8、一次シール材10及び二次シール材12が配設されている外周縁部には銀系低放射膜が被覆されていないが、外周縁部以外の全領域に渡って銀系低放射膜20が被覆されている。非銀系低放射膜、例えば酸化スズ(SnO)膜を被覆することも意図され得るが、非銀系低放射膜は銀系放射膜20に比べて放射率が大きい故に、本発明においては効果的な防火のためには放射率が充分に小さい銀系放射膜20を被覆することが重要である。一方、銀系低放射膜20は非銀系低放射膜に比べて物理的特性が劣り損傷され易いが、片側非耐熱ガラス板4及び他側非耐熱ガラス板6の外面ではなく内面に被覆される故に、物理的特性が劣ることによって問題が発生することはない。
片側非耐熱ガラス板4及び他側非耐熱ガラス板6の外面には、製造コストの増大を避けるため、低放射膜等の被覆を施さないのが好ましい。片側非耐熱ガラス板4及び他側非耐熱ガラス板6の外面に低放射膜を被覆したとしても、後の説明からも理解される如く、防火特性が効果的に向上されることはない。同様に、耐熱ガラス板2の両表面にも低放射膜等の被覆を施さないのが望ましい。
本発明に従って構成された上述したとおりの防火複層ガラスにおいては、建造物の外側からの火炎に対しては、火炎が直接的に作用する片側非耐熱ガラス板4は損傷されてしまう(本発明者等の経験によれば、上記特許文献1に開示されている如く片側非耐熱ガラス板4の外面に低放射膜が被覆されていたとしても、直接的に作用する火炎によって片側非耐熱ガラス板4は損傷されてしまう)が、耐熱ガラス2は損傷されることなく維持される。そして、火炎に起因する高温は、密封されている空間16による断熱作用と共に、耐熱ガラス板2によって防護されている他側非耐熱ガラス板6の内面に被覆されている銀系低放射膜20に反射作用によって、建造物内への伝導が効果的に遮断される。同様に、建造物の内側からの火炎に対しては、火炎が直接的に作用する他側非耐熱ガラス板6は損傷されてしまうが、耐熱ガラス2は損傷されることなく維持される。そして、火炎に起因する高温は、密封されている空間14の断熱作用と共に、耐熱ガラス板2によって防護されている片側ガラス板4の内面に被覆されている銀系低放射膜20に反射作用によって、建造物内への伝導が効果的に遮断される。
図2には、本発明に従って構成された防火複層ガラスの他の好適実施形態が図示されている。図2に図示する防火複層ガラスにおいては、他側非耐熱ガラス板6は、防犯層6aを介在せしめて2枚の非耐熱ガラス板6b及び6cを接合することによって形成された複合防犯非耐熱ガラス板から構成されている。防犯層6aはポリビニルブチラール膜或いはポリカーボネート板から形成することができ、非耐熱ガラス板6b及び6cは通常のフロートガラス板でよい。防犯層6aは0.8乃至2.3mm程度の厚さを有し、ガラス板6b及び6cの各々は2.0乃至5.0mm程度の厚さを有し、他側非耐熱ガラス板6の厚さは4.8乃至12.3mm程度であるのが好都合である。所望ならば、他側非耐熱ガラス板6を複合防犯非耐熱ガラス板から構成することに代えて或いはこれに加えて片側非耐熱ガラス板4を複合防犯非耐熱ガラス板から構成することもできる。片側非耐熱ガラス板4と他側非耐熱ガラス板6との少なくとも一方が複合防犯非耐熱ガラス板から構成されている場合、防火複層ガラスは防火特性に加えて防犯特性(ドライバー或いはバール等を使用した破損に対する高い抵抗力)を備える。図2に図示する防火複層ガラスの上述した点以外の構成は、図1に図示する防火複層ガラスと実質上同一である。
2:耐熱ガラス板
4:片側非耐熱ガラス板
6:他側非耐熱ガラス板
6a:防犯層
6b:非耐熱ガラス板
6c:非耐熱ガラス板
8:スペーサ部材
10:一次シール材
12:二次シール材
14:空間
16:空間
18:枠体
20:銀系低放射膜

Claims (5)

  1. 耐熱ガラス板と、該耐熱ガラス板の片側に間隔をおいて且つ該耐熱ガラス板と平行に配設された片側非耐熱ガラス板と、該耐熱ガラス板の他側に間隔をおいて且つ該耐熱ガラス板と平行に配設された他側非耐熱ガラス板とを含む防火複層ガラスにおいて、
    該片側非耐熱ガラス板の、該耐熱ガラス板に対面する内面、及び該他側非耐熱ガラス板の、該耐熱ガラス板に対面する内面には、銀系低放射膜が被覆されている、ことを特徴とする防火複層ガラス。
  2. 該耐熱ガラス板は耐熱結晶化ガラス板である、請求項1記載の防火複層ガラス。
  3. 該片側非耐熱ガラス板の外面及び該他側非耐熱ガラス板の外面には被覆が施されていない、請求項1又は2記載の防火複層ガラス。
  4. 該片側非耐熱ガラス板と該他側非耐熱ガラス板との少なくともいずれか一方は、防犯層を介在せしめて2枚の非耐熱ガラス板を接合した複合防犯非耐熱ガラス板である、請求項1から3までのいずれかに記載の防火複層ガラス。
  5. 該耐熱ガラス板の片側面の外周面部と該片側非耐熱ガラス板の該内面の外周縁部との間には、スペーサ部材が配設されていると共にシール材が配設されており、該耐熱ガラス板の他側面の外周縁部と該他側非耐熱ガラス板の該内面の外周縁部との間にも、スペーサ部材が配設されていると共にシール材が配設されている、請求項1から4までのいずれかに記載の防火複層ガラス。
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