以下、添付図面を参照して、気体噴射装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、実施形態に係る気体噴射装置1の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、気体噴射装置1は、ベースシャーシ11とカバーシャーシ12とによって形成される筐体の内部に空気を圧縮して噴射する機構を備える。なお、筐体内部の構成については、図2以降を参照して後述する。また、以下の説明では、便宜上、気体噴射装置1のベースシャーシ11側を下、カバーシャーシ12側を上として説明する。
気体噴射装置1は、車両の外部に設けられる車載装置へ向けて圧縮空気を噴射することにより、車載装置に付着した雨滴や雪片、埃、泥などの付着物を除去する装置である。例えば、気体噴射装置1は、車両の後方を撮像するバックモニタ用のリアカメラのレンズ、車両の前方を広角に撮像するマルチアングルビジョン用のフロントカメラのレンズ、車両のサイドミラー等へ向けて噴射する圧縮空気の風圧によって付着物を除去する。
カバーシャーシ12は、圧縮空気を出力する出力部13が上面に設けられる。出力部13には、送気管(図示略)の基端が連結される。送気管の先端には、付着物の除去対象へ向けられた噴射ノズルが設けられる。
かかる気体噴射装置1は、車両の制御装置から所定の制御信号が入力される場合に、圧縮空気を噴射する。車両の制御装置は、例えば、運転者によって車両のシフトレバーがR(リバース)の位置へ操作される場合に、リアカメラ用の気体噴射装置1へ制御信号を出力して圧縮空気を噴射させる。
また、車両の制御装置は、例えば、運転者によって車両の方向指示器が操作される場合や、フロントカメラの洗浄スイッチが操作される場合に、フロントカメラ用の気体噴射装置1へ制御信号を出力して圧縮空気を噴射させる。
また、車両の制御装置は、例えば、運転者によって車両の方向指示器が操作される場合や、サイドミラーの洗浄スイッチが操作される場合に、サイドミラー用の気体噴射装置1へ制御信号を出力して圧縮空気を噴射させる。
次に、図2を参照し、ベースシャーシ11とカバーシャーシ12とによって形成される筐体の内部に収納される機構について説明する。図2は、実施形態に係る気体噴射装置1の分解斜視図である。
図2に示すように、ベースシャーシ11の内部には、片側の内壁に寄せて第1減速ギア21、第2減速ギア22、および第3減速ギア23が、それぞれ噛合された状態で回転可能に配置される。
また、ベースシャーシ11の第1減速ギア21、第2減速ギア22、および第3減速ギア23が寄せて配置される内壁と隣接する壁面には、車両の制御装置から制御信号が入力されるコネクタの接続部14が取り付けられる。
また、ベースシャーシ11は、底面における第1減速ギア21、第2減速ギア22、および第3減速ギア23の配置領域と、接続部14の配置領域とを除く領域の略中央位置に、ベースシャーシ軸16が設けられる。
ベースシャーシ軸16は、ベースシャーシ11の底面から上方へ向けて立設され、ベースシャーシ11と一体に形成される。かかるベースシャーシ軸16は、筒状に形成され、ピストンバネ30と、ピストン部31と、シリンダ部41とが順次嵌装される。ピストンバネ30は、ピストン部31をシリンダ部41の上側の端面(以下、「上面」と記載する)へ向けて付勢する付勢部として機能する。
ピストン部31は、内部にピストンバネ30を収納可能なスペースを有しており、円筒状の外壁面における下端の1箇所に突起32を備え、上側の端面(以下、「上面」と記載する)の2箇所に通気孔33を備える。
一方の通気孔33には、逆止弁34が設けられ、他方の通気孔33には、打突音吸収ゴム35が設けられる。なお、ピストン部31の外壁面に設けられる突起32、通気孔33に設けられる逆止弁34、および打突音吸収ゴム35の機能については、図4A〜図5Bを参照して後述する。
かかるピストン部31は、シリンダ部41に挿嵌され、シリンダ部41の内部で上下方向へ往復移動可能に設けられる。ただし、ピストン部31は、ベースシャーシ軸16に対しては、回転不可能に設けられる。ピストン部31の回転を禁止する構造の一例については、図7A〜図7Cを参照して後述する。
シリンダ部41は、上面に気体の噴射口43が設けられる。かかる噴射口43は、カバーシャーシ12における気体の出力部13と対向する位置に設けられる。また、シリンダ部41は、外壁面における上端の1箇所に突起42を備える。なお、かかる突起42は、後述するスイッチ52によって検知される被検知部として機能する。
また、シリンダ部41は、下側の端面が開放されており、下端の外周に第3減速ギア23と噛合するギア44が形成されている。かかるシリンダ部41は、内部にピストン部31が挿嵌され、ベースシャーシ軸16に対して回転可能に設けられる。
また、第1減速ギア21、第2減速ギア22、および第3減速ギア23上には、モータ24が設けられる。モータ24は、シリンダ部41を回転駆動する駆動部として機能する。かかるモータ24は、モータホルダ25に取り付けられ、モータホルダ25がビス26によってベースシャーシ11に固定されることでベースシャーシ11内に設置される。なお、モータ24の回転軸にはウォームギア27が圧入される。
また、モータ24上には、制御基板51が設けられる。制御基板51には、車両の制御装置から入力される制御信号に基づいてモータ24の動作を制御する制御回路等が設けられる。また、制御基板51には、シリンダ部41の突起42を検知するスイッチ52が設けられる。なお、スイッチ52の用途については、図4A〜図5Bを参照して後述する。
カバーシャーシ12は、上述した各構成要素がベースシャーシ11内に配置された後、ベースシャーシ11に被せられ、ビス15によってベースシャーシ11に対して圧着固定される。
これにより、ベースシャーシ11とカバーシャーシ12とによって形成される筐体の内部では、ピストンバネ30の付勢力によってピストン部31およびシリンダ部41が上方向へ付勢され、シリンダ部41の上面がカバーシャーシ12の下面に圧接される。
次に、図3を参照し、モータ24の駆動力の伝達経路、およびシリンダ部41の上面に設けられる噴射口43の形状等について説明する。図3は、実施形態に係る気体噴射装置1の内部を示す平面視による説明図である。
図3には、カバーシャーシ12および制御基板51を取り外した状態の気体噴射装置1を示している。また、図3では、第1減速ギア21、第2減速ギア22、および第3減速ギア23の配置が分かるように、モータホルダ25の図示を省略すると共に、モータ24を透視図で示している。
なお、図3以降の図面に記載している各構成要素のうち、図2に示す構成要素と同一の構成要素については、図2に示す符号と同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
図3に示すように、第1減速ギア21、第2減速ギア22、および第3減速ギア23は、ぞれぞれ、ベースシャーシ11の底面に立設される軸に挿入され、軸周りに回転する。なお、図3では、ウォームギア27の斜歯、およびウォームギア27と噛合する第1減速ギア21の斜歯の図示を省略している。
第1減速ギア21および第2減速ギア22は、下段ギア上に下段ギアよりも大径の上段ギアが重畳されて供回りする構造の2段ギアである。第3減速ギア23は、下段ギア上に下段ギアよりも小径の上段ギアが重畳されて供回りする構造の2段ギアである。
ウォームギア27は、第1減速ギア21の上段ギアと噛合する。第1減速ギア21の下段ギアは、第2減速ギア22の上段ギアと噛合する。第2減速ギア22の下段ギアは、第3減速ギア23の下段ギアと噛合する。
第3減速ギア23の上段ギアは、シリンダ部41の下端に形成されたギア44と噛合する。これにより、モータ24の駆動力は、第1減速ギア21、第2減速ギア22、第3減速ギア23、シリンダ部41の下端に形成されるギア44の順に伝達されてシリンダ部41を回転させる。
ピストン部31とシリンダ部41とは、カム構造を介して連係している。そして、ピストン部31は、シリンダ部41の回転に連動してピストンバネ30を圧縮しながらシリンダ部41の内部で下方向へ移動することによって、シリンダ部41内へ空気を取り込む。
その後、ピストン部31は、シリンダ部41との連係が解除されると、ピストンバネ30の伸張力によってシリンダ部41で上方向へ勢いよく移動することにより、空気を圧縮してシリンダ部41の上面に設けられた噴射口43から噴射する。
このとき、気体噴射装置1は、ピストン部31が空気を押圧する場合に空気の押圧面となる上面と対向するシリンダ部41の上面に圧縮空気の噴射口43が設けられているため、空気を効率よく圧縮して噴射させることができる。
また、シリンダ部41の上面には、平面視においてベースシャーシ軸16を囲んで等間隔に配置された同一形状の複数個(ここでは、3個)の噴射口43が設けられる。これにより、気体噴射装置1は、各噴射口43から均一な風速および風量の圧縮空気を噴射させることができる。
また、各噴射口43は、平面視において角がない円弧状の長穴形状となっている。これにより、各噴射口43は、平面視矩形状の角がある噴射口に比べて噴射する気流に乱れが発生することを抑制することができる。
なお、ここでは、噴射口43の平面視形状を円弧状の長穴形状としたが、噴射口43の平面視形状は、角がない円形や楕円形であってもよい。また、ここでは、噴射口43の個数を3個としたが、ベースシャーシ軸16を囲んで等間隔に配置されるのであれば、2個であってもよく、4個以上であってもよい。
次に、図4A〜図5Bを参照し、シリンダ部41およびピストン部31の形状、動作、およびスイッチ52の機能について説明する。図4A〜図5Bは、実施形態に係る気体噴射装置1の動作説明図である。
図4A〜図4Cでは、ベースシャーシ11およびカバーシャーシ12の図示を省略している。また、図5A、図5Bでは、カバーシャーシ12の図示を省略している。図5Aには、図4Bに示す気体噴射装置1をA−A´線で切断した場合の内部構造を示している。図5Bには、図4Cに示す気体噴射装置1をB−B´線で切断した場合の内部構造を示している。
また、図4A〜図4Cでは、シリンダ部41の内部形状と、ピストンの上下位置および回転位置が分かるように、シリンダ部41を透視図によって示している。図4Aに示すように、シリンダ部41の内壁面には、ピストン部31の外壁面の回りを下りながら周回するカム斜面45が形成された螺旋カム構造が設けられる。
カム斜面45は、シリンダ部41の最下点に到達する箇所から鉛直上方へ延伸して所定の最上点となる箇所に接続される。かかるシリンダ部41に挿嵌されるピストン部31は、ピストンバネ30によって上方向へ付勢される。このため、ピストン部31の外壁面に設けられる突起32の上面は、カム斜面45の下面に圧接される。
この状態でモータ24が回転し、モータ24の駆動力が第3減速ギア23からシリンダ部41の下端に形成されたギア44へ伝達されると、シリンダ部41が反時計回りに回転する。このとき、前述したように、ピストン部31は、シリンダ部41の内部を上下方向に移動可能であるが、回転が禁止されている。
このため、ピストン部31は、シリンダ部41が反時計方向へ回転すると、ピストン部31の外壁面に設けられた突起32がカム斜面45によって押し下げられ、シリンダ部41の内部をピストンバネ30の付勢力に抗しながら下方向へ移動する。このように、ピストン部31の外壁面に設けられた突起32は、シリンダ部41が回転する場合に、カム斜面45と当接して連係しながら下降する連係部として機能する。
そして、図4Bに示すように、ピストン部31の突起32がカム斜面45の最下点の箇所に到達すると、図5Aに示すように、ピストンバネ30が圧縮され、シリンダ部41の内部には、シリンダ部41の上面とピストン部31の上面との間に空間が形成される。
このとき、ピストン部31が下方向へ移動する期間に逆止弁34が開状態になり、シリンダ部41の内部に空気が取り込まれ、ピストン部31の下方向への移動が停止すると、逆止弁34が閉状態になる。
このように、気体噴射装置1では、シリンダ部41のカム斜面45とピストン部31の突起32とが連係して螺旋カム機構として機能することにより、簡易な構造でシリンダ部41の回転運動をピストン部31の下降運動に変換して吸気することができる。
このため、気体噴射装置1は、ピストンに連結されたロッドをシリンダから引き出す動作によって吸気する一般的なピストン型の構造では必要不可欠なロッドの可動領域を確保する必要がない。したがって、気体噴射装置1は、一般的なピストン型の構造よりも小型化が可能になる。
その後、さらにシリンダ部41が反時計回りに回転すると、ピストン部31の突起32がカム斜面45の最下点の箇所を通過し、ピストン部31とシリンダ部41との連係が解除される。
したがって、図4Cに示すように、ピストン部31の突起32が、ピストンバネ30の伸張力により、カム斜面45の鉛直上方へ延伸する部分に沿ってカム斜面45の最高点まで上方向へ一気に移動する。
これにより、図5Bに示すように、ピストン部31は、下死点からシリンダ部41の上面に衝突する上死点まで一気に上昇し、シリンダ部41の内部の空気を圧縮して噴射口43から外部へ噴射させる。
このとき、ピストン部31は、上面がシリンダ部41の上面に衝突するが、上面にある2つの通気孔33のうち、片方の通気孔33には、打突音吸収ゴム35が設けられているため、打突音を低減することができる。
このように、気体噴射装置1は、一般的なピストン型の機構と同様に、空気を圧縮する方向に圧縮空気を噴射させるので、効率よく空気の圧縮および噴射を行うことができる。また、気体噴射装置1は、シリンダの内部で羽根部材を揺動させて空気を圧縮する羽型の機構に比べて空気の漏れが少ないピストン型の機構であるため、羽型の機構に比べて空気の圧縮能力を向上させることができる。
また、気体噴射装置1は、シリンダ部41の外壁に設けられる突起42を制御基板51に設けられるスイッチ52により検出することによって、シリンダ部41の内部におけるピストン部31の位置を容易に検出することができる。
スイッチ52は、例えば、シリンダ部41に対して進出後退可能な可動部を備える。そして、スイッチ52は、可動部がシリンダ部41の突起42と接触しない状態では進出してオフとなり、可動部が突起42と接触して後退する場合にオンとなる。かかるスイッチ52は、オンおよびオフの状態を示す信号を制御基板51に設けられる制御回路へ出力する。
このため、シリンダ部41の内部におけるピストン部31の上下位置で検出したい位置が予め決まっている場合には、ピストン部31がその位置まで移動した時点でスイッチ52がオンになる位置、またはオンからオフになる位置に突起42を設けておく。
これにより、例えば、制御回路は、スイッチ52がオンになった場合、または、スイッチ52がオンからオフになった場合に、ピストン部31が所望の位置まで移動したと推定することができる。
このように、シリンダ部41の外壁に設けられる突起42は、スイッチ52によって検知される被検知部として機能する。スイッチ52は、突起42を検知する検知部として機能する。そして、制御基板51に設けられる制御回路は、スイッチ52による突起42の検知結果に基づいてピストン部31の往復移動位置を推定する推定部として機能する。
これにより、気体噴射装置1は、例えば、用途やユーザの要望に応じて、シリンダ部41における突起42の配設位置を変更したり、突起42の配設位置が異なるシリンダ部41と交換したりすることで、動作や制御のバリエーションの幅を広げることができる。
例えば、図4Bおよび図4Cに示すように、空気を噴射する直前に突起42がスイッチ52の可動部を後退させてスイッチ52がオフになる位置に突起42を設けておくことができる。かかる場合、気体噴射装置1では、空気の噴射直後に突起42がスイッチ52を通過してスイッチ52がオンからオフになる。
制御基板51に設けられる制御回路は、このように、スイッチ52がオンからオフになった直後、すなわち、空気が噴射された直後に、シリンダ部41の回転駆動を停止させる。これにより、制御回路は、ピストン部31を空気噴射直後の位置となる上死点で停止させておくことができる。
また、気体噴射装置1では、これとは逆に、空気を噴射する直前にスイッチ52がオンからオフとなる位置に突起42を設けておくこともできる。これにより、制御回路は、ピストン部31を空気噴射直前の位置となる下死点で停止させておくことができる。
気体噴射装置1は、ピストン部31を下死点で停止させておく構成の場合、最短時間で初回の空気噴射を行うことができる。ただし、かかる構成の気体噴射装置1は、空気噴射を行った場合、空気の噴射音、空気噴射後に次回の空気噴射を行う直前の位置までシリンダ部41を回転させるモータ音、空気噴射直前の位置でシリンダ部41を停止させるブレーキ音という三種類の音が発生する。
これに対して、気体噴射装置1は、ピストン部31を上死点で停止させておく構成の場合、気体噴射直後にシリンダ部41を停止させることになるが、この時、ブレーキ音が鳴っても、ブレーキ音が直前に発生する空気の噴射音によって聴感上マスキングされる。
これにより、かかる構成の気体噴射装置1は、空気を噴射させる位置までシリンダ部41を回転させるためのモータ音と、その後の空気の噴射音という二種類の音しか発生しない。
ただし、かかる構成の気体噴射装置1は、空気を噴射させる場合に、ピストン部31を上死点から下死点まで降下させる時間が必要となるため、ピストン部31を下死点で停止させておく構成に比べて、初回の空気噴射までに時間を要する。
このため、気体噴射装置1は、静寂性よりも最短時間での初回噴射が要求される場合には、ピストン部31を下死点で停止させておく構成が望ましい。かかる構成の気体噴射装置1は、例えば、サイドミラー用として設置することにより、運転者が即座に後方を確認したい場合に、最短時間でサイドミラーの付着物を除去することができる。
また、かかる構成の気体噴射装置1は、例えば、車両のフロントカメラ用、セダンタイプの中型車、トラック等の大型車のリアカメラ用として、乗員から比較的遠い位置に設置されることで、作動音が問題にならなくなる。
また、気体噴射装置1は、最短時間での初回噴射よりも静寂性が要求される場合には、ピストン部31を下死点で停止させておく構成が望ましい。例えば、小型車のように、リアカメラ用の気体噴射装置1が設けられるバックドアと後部座席との距離が近い車両では、気体噴射装置1の動作音が後部座席の乗員にとって耳障りになることがある。
このため、気体噴射装置1は、小型車のリアカメラ用として設けられる場合、ピストン部31を下死点で停止させておく構成とすることにより、動作音が乗員に及ぼす悪影響を低減することができる。
なお、ここでは、シリンダ部41の内壁面の同一周回上に一つのカム斜面45が形成される場合について説明したが、これは一例である。次に、図6A〜図6Dを参照し、実施形態に係るシリンダ部41の変形例について説明する。
図6Aは、実施形態の変形例1に係るシリンダ部41aの内部を示す説明図である。図6Bは、実施形態の変形例1に係るシリンダ部41bの外部を示す説明図である。図6Cは、実施形態の変形例2に係るシリンダ部41bの内部を示す説明図である。図6Dは、実施形態の変形例2に係るシリンダ部41bの外部を示す説明図である。
図6Aに示すように、シリンダ部41aは、内壁面の同一周回上に同一形状をした第1カム斜面45a―1と第2カム斜面45a―2という2つのカム斜面が設けられる。また、図6Bに示すように、シリンダ部41aは、外壁面の上端に、第1突起42a―1と第2突起42a―2という2つの突起が設けられる。第1突起42a―1および第2突起42a―2は、第1カム斜面45a―1および第2カム斜面45a―2とそれぞれ対応する位置に設けられる。
例えば、第1突起42a―1は、シリンダ部41aが気体噴射装置1に取り付けられ、第1カム斜面45a―1がピストン部31を上死点または下死点の位置まで移動させた場合に、スイッチ52によって検知される箇所に設けられる。
第2突起42a―2は、シリンダ部41aが気体噴射装置1に取り付けられ、第2カム斜面45a―2がピストン部31を上死点または下死点の位置まで移動させた場合に、スイッチ52によって検知される箇所に設けられる。
また、図6Cに示すように、シリンダ部41bは、内壁面の同一周回上に同一形状をした第1カム斜面45b―1、第2カム斜面45b―2、第3カム斜面45b−3、および第4カム斜面45b−4という4つのカム斜面が設けられる。
また、図6Dに示すように、シリンダ部41bは、外壁面の上端に、第1突起42b―1、第2突起42b―2、第3突起42b−3、および第4突起42b−4という4つの突起が設けられる。
第1突起42b―1、第2突起42b―2、第3突起42b−3、および第4突起42b−4は、第1カム斜面45b―1、第2カム斜面45b―2、第3カム斜面45b−3、および第4カム斜面45b−4とそれぞれ対応する位置に設けられる。
例えば、第1突起42b―1は、シリンダ部41bが気体噴射装置1に取り付けられ、第1カム斜面45b―1がピストン部31を上死点または下死点の位置まで移動させた場合に、スイッチ52によって検知される箇所に設けられる。
第2突起42b―2は、シリンダ部41bが気体噴射装置1に取り付けられ、第2カム斜面45b―2がピストン部31を上死点または下死点の位置まで移動させた場合に、スイッチ52によって検知される箇所に設けられる。
第3突起43b―1は、シリンダ部41bが気体噴射装置1に取り付けられ、第3カム斜面45b―3がピストン部31を上死点または下死点の位置まで移動させた場合に、スイッチ52によって検知される箇所に設けられる。
第4突起42b―4は、シリンダ部41bが気体噴射装置1に取り付けられ、第4カム斜面45b―4がピストン部31を上死点または下死点の位置まで移動させた場合に、スイッチ52によって検知される箇所に設けられる。
これにより、例えば、図4Aに示すシリンダ部41の場合、1回転あたり1回の空気噴射を行うが、シリンダ部41aであれば、1回転あたり2回、シリンダ部41bであれば、1回転あたり4回の空気噴射を行うことができる。
これにより、気体噴射装置1は、モータ24の回転速度が一定の場合、図4Aに示すシリンダ部41に比べて、シリンダ部41aであれば1/2の時間間隔、シリンダ部41bであれば1/4の時間間隔で連続噴射を行うことができる。
なお、気体噴射装置1は、図4Aに示すシリンダ部41が取り付けられる場合であっても、モータ24の回転速度を上げれば、連続噴射の時間間隔を短縮することは可能である。ただし、気体噴射装置1は、モータ24の回転速度を上げると、動作音や消費電力が増大する。
このため、気体噴射装置1は、短時間での連続噴射が要求される場合には、シリンダ部41a,41bを採用することによって、動作音や消費電力の増大を抑制しつつ連続噴射の時間間隔を短縮することができる。
また、気体噴射装置1は、シリンダ部41a,41bの突起(例えば、42a―1や、42b−1等)がスイッチ52によって検出される回数に基づいて、連続噴射の回数を制御することができる。これにより、気体噴射装置1は、例えば、車種や用途、ユーザの要望等に応じて、連続噴射の回数を柔軟に変更することができる。
次に、図7A〜図7Cを参照し、ピストン部31の回転を禁止する構造の一例について説明する。図7Aは、実施形態に係るシリンダ部41の内部を示す説明図である。図7Bは、実施形態に係るベースシャーシ軸16の形状を示す説明図である。図7Cは、実施形態に係るベースシャーシ軸16aの形状を示す説明図である。
図7Aには、制御基板51の表面で切断された状態の気体噴射装置1を示している。図7Aに示すように、ベースシャーシ軸16は、ピストン部31の中央を上下に貫通する。このため、例えば、ベースシャーシ軸16の水平断面形状と、ピストン部31におけるベースシャーシ軸16が貫通する穴の平面視形状とが、同一の円形状であると、ピストン部31がベースシャーシ軸16に対して回転可能となる。
かかる構成の場合、ピストン部31は、シリンダ部41が回転する場合に、シリンダ部41と供回りしてしまい、シリンダ部41の内部で上下移動しなくなる。そこで、図7Bに水平断面図で示すように、ベースシャーシ軸16は、例えば、側面にDカット部17aが設けられる。そして、ピストン部31におけるベースシャーシ軸16が貫通する穴の平面視形状をベースシャーシ軸16の水平断面形状と同一形状にする。
これにより、ベースシャーシ軸16に対するピストン部31の回転を禁止することができる。ただし、ピストン部31は、ベースシャーシ軸16が貫通する穴の平面視形状がベースシャーシ軸16の水平断面形状と同一形状であるため、上下方向には移動可能である。なお、図7Bに示すベースシャーシ軸16は、Dカット部17aが複数(2個)形成されているが、Dカット部17aの数は単数でもよい。
また、例えば、図7Cに水平断面図で示すベースシャーシ軸16aのように、側面にリブ18aを設けてもよい。かかる場合、ピストン部31aには、ベースシャーシ軸16aが貫通する穴にリブ18aが嵌合する溝を設ける。
かかる構成によっても、ベースシャーシ軸16aに対するピストン部31aの回転を禁止することができる。ただし、ピストン部31aは、ベースシャーシ軸16aが貫通する穴の平面視形状がベースシャーシ軸16aの水平断面形状と同一形状であるため、上下方向には移動可能である。なお、図7Cに示すベースシャーシ軸16aは、リブ18aが複数(2個)形成されているが、リブ18aの数は単数でもよい。
このようにピストン部31,31aは、シリンダ部41の回転に伴う供回りを防止する固定軸として機能するベースシャーシ軸16,16aによって回転動作が禁止され、且つ上下方向に往復移動可能に支持される。
これにより、ピストン部31,31aは、シリンダ部41の回転に連動して上下動することにより、一般的なピストン型のようなピストンに連結されるロッドがなくても空気の吸気、圧縮、および噴射を行うことができる。
次に、図8を参照し、気体噴射装置1の密閉構造について説明する。図8は、実施形態に係る気体噴射装置1の断面説明図である。図8に示すように、気体噴射装置1では、ピストン部31がピストンバネ30の付勢力によって常時上方向へ付勢される。
また、シリンダ部41は、前述したように、カム斜面45の下面に対してピストン部31の突起32の上面が圧接されているため、常時上方向へ付勢される(図4A参照)。また、カバーシャーシ12は、ビス15によってベースシャーシ11に圧着固定される(図2参照)。これにより、シリンダ部41の上面は、ピストン部31の上下位置に関わらず、常時カバーシャーシ12に圧接される。
このように、シリンダ部41は、上面に噴射口43を備え、噴射口43と対向する位置に外部と連通する開口が形成されたカバーシャーシ12に対して、上面がピストンバネ30の付勢力によって付勢される。このため、気体噴射装置1は、噴射口43から噴射する空気がシリンダ部41の上面とカバーシャーシ12との隙間から漏れることを抑制することができる。
また、シリンダ部41は、上面から上方に突出する凸部46を備え、ベースシャーシ11は、凸部46と対向する位置に凸部46が嵌合される凹部12aを備える。凸部46は、シリンダ部41の上面における噴射口43が設けられる領域を囲む平面視環状に形成される。凹部12aも同様に、シリンダ部41の上面における噴射口43が設けられる領域を囲む平面視環状に形成される。
これにより、気体噴射装置1は、万が一、噴射口43から噴射する空気がシリンダ部41の上面とカバーシャーシ12との隙間から漏れても、隙間における空気の流路が複雑化し、凸部46が気流の障壁となるので、空気の漏れ量を最小限に抑えることができる。
次に、図9を参照し、図8に示すA部について説明し、図10を参照し、図8に示すB部について説明する。図9は、図8に示すA部の拡大図である。図10は、図8に示すB部の拡大図である。
図9に示すように、気体噴射装置1は、噴射口43と対向する位置に設けられるカバーシャーシ12の外部と連通する開口12bの径d1が、シリンダ部41に設けられる3つの噴射口43の外縁をつないだ円の径d2よりも大きい。これにより、気体噴射装置1は、噴射口43から噴射する空気がカバーシャーシ12によって反射されることによる気流の方向の反転を防止することで、気体の噴射能力を向上させることができる。
また、気体噴射装置1は、シリンダ部41に設けられる3つの噴射口43の内縁をつないだ円の径d3が、ベースシャーシ軸16の外径d4よりも小さい。これにより、気体噴射装置1は、噴射口43へ向かう空気がシリンダ部41の上面中央の領域によって反射されることによる気流の方向の反転を防止することで、気体の噴射能力を向上させることができる。
また、図10に示すように、ベースシャーシ11は、ピストン部31の下端の一部と対向する位置に立設されるシャーシリブ11aを備える。シャーシリブ11aは、下死点まで下降したピストン部31の下端までの距離が、第3減速ギア23の下段ギアの上面から下死点まで下降したピストン部31の下端までの距離よりも短くなる高さとなるように形成される。
このため、例えば、シリンダ部41やピストン部31の形状のバラツキによって、ピストン部31が規定の下死点よりも下降した場合に、シャーシリブ11aが第3減速ギア23よりも先にピストン部31と接触する。これにより、気体噴射装置1は、ピストン部31の下端が第3減速ギア23に衝突することによる第3減速ギア23の破損を防止することができる。
次に、図11を参照し、実施形態に係るモータホルダ25が備える機能について説明する。図11は、実施形態に係るモータホルダ25の説明図である。図11に示すように、モータホルダ25は、気体噴射装置1の組み立て工程において、シリンダ部41を取り付ける際に、シリンダ部41を仮止めする仮止め部25aを備える。
仮止め部25aは、モータ24が取り付けられた状態でベースシャーシ11に固定される場合に、平面視において一部がシリンダ部41の一部と重なり合うことで、シリンダ部41を仮止めする。これにより、仮止め部25aは、シリンダ部41の下端に形成されたギア44のギア抜けを防止することができる。
具体的には、気体噴射装置1を組み立てる場合には、例えば、ベースシャーシ11に、第1減速ギア21、第2減速ギア22、第3減速ギア23、および接続部14を取り付ける。その後、ピストンバネ30、ピストン部31、およびシリンダ部41をベースシャーシ軸16に嵌装し、モータ24が取り付けられたモータホルダ25をベースシャーシ11に固定する。
そして、制御基板51を設置した後に、カバーシャーシ12をベースシャーシ11に圧着固定する。このとき、シリンダ部41の下端に形成されたギア44は、第3減速ギア23の上段ギアと噛合させておく必要がある。
しかし、モータホルダ25に仮止め部25aがない場合、シリンダ部41は、ピストンバネ30によって付勢されているため、カバーシャーシ12をベースシャーシ11に圧着固定するときに、例えば、指等で抑えておかなければギア抜けすることがある。
そこで、実施形態に係るモータホルダ25は、仮止め部25aを備える。そして、シリンダ部41の取り付け時には、まず、シリンダ部41をベースシャーシ軸16に取り付けて下端のギア44と第3減速ギア23とを噛合させ、シリンダ部41を指で抑えた状態で、モータホルダ25をベースシャーシ11に固定する。
これにより、シリンダ部41は、モータホルダ25の仮止め部25aによって仮止めされて上方向の移動が禁止されるので、シリンダ部41から指を離しても、シリンダ部41の下端に形成されたギア44がギア抜けすることがない。
仮止め部25aは、このとき、シリンダ部41が正規位置よりも若干上になるように形成されている。これにより、その後、カバーシャーシ12をベースシャーシ11に圧着固定することによって、シリンダ部41が正規位置まで下降して仮止め部25aとの間に隙間ができるので、仮止め部25aと干渉することなくシリンダ部41を回転させることができる。
次に、図12を参照し、気体噴射時の打突音を低減する構成の変形例について説明する。図12は、実施形態の変形例に係る気体噴射装置1aの断面説明図である。図12に示すように、気体噴射装置1aは、打突音吸収ゴム35(図2参照)に代えて、ピストン部31とシリンダ部41との間に、ドーナツ状の緩衝材36が設けられる。
緩衝材36は、ベースシャーシ軸16に対して回転可能に嵌装される。かかる緩衝材36は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)等の滑りやすい膜と、ウレタン等の弾性体と、PET等の滑りやすい膜とが積層された3層構造となっている。
これにより、気体噴射装置1aは、緩衝材36の弾性体によって、気体噴射時の打突音を低減することができる。また、気体噴射装置1aは、緩衝材36の弾性体を挟む滑りやすい膜により、気体噴射後の次動作でシリンダ部41が回転を開始する際に、緩衝材36とシリンダ部41およびピストン部31との摩擦を低減することができる。
また、緩衝材36は、弾性体にある程度の厚みを持たせることによって、シリンダ部41の回転に伴うねじれの発生を防止することができる。また、気体噴射装置1aは、打突音吸収ゴム35(図2参照)が不要となるため、ピストン部31の2つの通気孔33の双方に逆止弁34を設けることにより、吸気性能を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、シリンダ部41側にカム斜面45が設けられ、ピストン部31側にカム斜面45と連係する突起32が設けられる場合を例に挙げて説明したが、これは一例である。
気体噴射装置1は、ピストン部31側にカム斜面45が設けられ、シリンダ部41側にカム斜面45と連係する突起32が設けられる構成であってもよい。また、実施形態に係るカム斜面45は、螺旋状に形成されるカム溝であってもよい。
また、上述した実施形態では、図8に示したように、シリンダ部41の上面に凸部46を設け、カバーシャーシ12側に凹部12aを設けることで、空気の漏れ量を低減する場合について説明したが、これは一例である。気体噴射装置1は、ベースシャーシ11側に凸部46を設け、シリンダ部41側に凹部12aを設けることによっても、同様に、空気の漏れ量を低減することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。