JP2019189802A - 着色樹脂粒子分散体およびその製造方法、ならびにその着色樹脂粒子分散体を含んでなる筆記具用水性インキ組成物および筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子と、
着色剤と、
式(1)で示される基R1を有する分散剤と、
xは、1〜5の整数であり、
C2H4Oはエチレンオキシド基、C3H6Oはプロピレンオキシド基であり、
ここで、前記エチレンオキシド基および前記プロピレンオキシド基は、それぞれブロックを形成していても、ランダムに配列されていてもよく、
yおよびzは、それぞれ、エチレンオキシド付加モル数およびプロピレンオキシド付加モル数であり、y≧1かつz≧0である)
水と、
を含んでなることを特徴とするものである。
スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子またはスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子分散液と、
式(1)で示される基R1を有する分散剤と、
xは、1〜5の整数であり、
C2H4Oはエチレンオキシド基、C3H6Oはプロピレンオキシド基であり、
ここで、前記エチレンオキシド基および前記プロピレンオキシド基は、それぞれブロックを形成していても、ランダムに配列されていてもよく、
yおよびzは、それぞれ、エチレンオキシド付加モル数およびプロピレンオキシド付加モル数であり、y≧1かつz≧0である)
水と、
を含んでなる混合液中に、
着色剤、着色剤水溶液、または着色剤水性分散液を
添加し、分散処理することを含んでなることを特徴とするものである。
本発明による着色樹脂粒子分散体(以下、分散体ということがある)は、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子と、着色剤と、特定の分散剤と、水とを含んでなるものである。
ここで、本発明において、分散体とは、樹脂粒子が液状の分散媒に分散された分散液を指す。分散体の用途は特に限定されないが、本発明による分散体は、筆記具用水性インキ組成物(以下、インキ組成物ということがある)に用いられることが好ましい。なお、分散体自体がそのままでも水性インキ組成物として使用可能な場合もある。
スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子は、耐アルカリ性、耐酸性、耐熱性に優れていることから、添加剤などの各種成分を含む分散体においても安定に存在しやすく、また、熱環境にも影響を受け難いため経時安定性に優れた分散体を好適に得ることができる。また、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子は着色剤とともに用いることで分散体の色彩を多彩にまた、発色良好に調整することができる。よって、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を用いることにより、発色性、経時安定性に優れた分散体を得ることができる。
なお、着色剤を用いずスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子単独で、分散体やそれを含んでなるインキ組成物に配合すると、白色性をもたらす効果も有しており、着色助剤として用いることができる。
具体的には、本発明におけるスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の樹脂を構成する分子の繰り返し単位のうち、極性基を有する繰り返し単位の割合が30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下であることが好ましく、さらには、ゼロであるものが好ましい。
これは、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の樹脂を構成する分子の繰返し単位のうち極性基を有する繰返し単位の割合が上記のような範囲であれば、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の表面に存在し得る極性基を一定以下に抑えることが可能となり、これにより、後述する分散剤の分散効果が、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の表面に存在する極性基により、阻害されることなく効果的に得ることができ、優れた分散安定性を有する分散体を得ることができるためと考える。
なお、発明において極性基とは、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基等のイオン性基を指す。一方で、本発明においては、非イオン性基(例えばアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シアノ基等)は、極性基に含めないこととする。さらに、本発明において、割合がゼロであるとは、各種測定装置によって検出できない、検出限界以下であることを意味する。
着色剤は、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子とともに分散体の色彩を調整するものである。この着色剤は、分散体中で独立して色彩に寄与する他、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子との組み合わせによって調整された発色をしたり、分散体中でスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子に吸着または浸透して、着色された粒子を形成することもある。
本発明に用いられる着色剤はスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を着色することに用いられることが好ましく、具体的には、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子が着色剤に吸着または浸透された状態にあることが好ましい。このような状態で用いる場合、着色剤とスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子をそれぞれ個別に用いる場合に比べて、耐水性が向上する効果が期待できる。また、分散剤の分散効果が効率良く得られ、分散安定性に優れた分散体を得ることができるからである。
本発明に用いられる特定の分散剤は、式(1)で示される基R1を有する分散剤である。
xは、1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。
C2H4Oはエチレンオキシド基、C3H6Oはプロピレンオキシド基であり、
ここで、エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基は、それぞれブロックを形成していても、ランダムに配列されていてもよい。
yおよびzは、それぞれ、エチレンオキシド付加モル数およびプロピレンオキシド付加モル数であり、y≧1かつz≧0である。好ましくは、z=0である。
R1−H (2)
ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル型としては、プライサーフAL(第一工業製薬株式会社)が挙げられる。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)
水としては、特に制限なく、例えば、イオン交換水、蒸留水、および水道水などの慣用の水を用いることができる。
本発明による分散体は、必要に応じて任意の添加剤を含むことができる。用いることができる添加剤について説明すると以下の通りである。
本発明による筆記具用水性インキ組成物は、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子と、着色剤と、特定の分散剤と、水とを含んでなるものである。各成分については、上記分散体として用いられる場合と、基本的に同一であり、同様の効果を奏する。本発明において、筆記具用水性インキ組成物は、前記した分散体を含むことは必須としておらず、それぞれの成分を含むことだけを必須とし、その構成により優れた分散安定性などを示す。
よって、本発明によるインキ組成物は、分散体を含んでなることが好ましい。この場合に、本発明によるインキ組成物中の分散体の含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜60%である。
基R1を有する分散剤と、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子と、着色剤とを含んでなる本発明によるインキ組成物は、分散安定性に特に優れているため、インキ流動性が高くなり、ペン先からインキ漏れが生じる可能性が高い傾向にある。このため、本発明においては、ペン先インキ漏れ抑制効果の高い、オレフィン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂粒子の樹脂粒子を用いることが好ましい。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)
本発明による分散体の調製方法は、特に限定されるものではないが、以下のように調製することができる。スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子またはスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子分散液と、分散剤と、水と、所望により任意の添加剤とを、均一に混合させ、混合液を作製する。ここで用いられるスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子は、乳化重合により得られたものであることが好ましい。上記混合液に、着色剤、着色剤水溶液、または着色剤水性分散液を添加し、分散処理をすることによって製造する。スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の分散液は一般的に入手が容易であり、また分散処理が容易になるので粒子の分散液を用いることが好ましい。なお、粒子の分散液は、水性分散媒を含んでなるものが好ましい。
分散処理は、加温条件下で行うことが好ましい。より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上の温度条件下で行うことが好ましい。温度は分散処理の進行に応じて変化させることもできる。温度の上限は特に限定されないが、例えば90℃以下で行うことにより、特別な設備なしに分散処理を行うことが可能となる。具体的にはスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を含む混合液を、20〜30℃で、プロペラ撹拌機により撹拌しながら、着色剤、着色剤水溶液、または着色剤水性分散液を添加し、均一な混合液とする。その後、徐々に昇温させ、70〜80℃で1〜24時間攪拌してスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を着色させ、分散体を作製することができる。なお、分散処理にはプロペラ攪拌機、高速剪断攪拌機、ホモジナイザーなどの各種撹拌機を用いることができる。
本発明によるインキ組成物の調製方法は、特に限定されるものではないが、着色剤と、分散剤と、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子、またはスチレン−アクリロントリル樹脂粒子分散液と、水と、必要に応じてその他の成分を添加して、インキ組成物とすることが好ましい。このとき、混合順序は特に限定されない。
また、本発明によるインキ組成物は、あらかじめ調製された分散体と、必要に応じてその他の成分を添加して、調製されることが好ましい。安定状態のスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子に他成分を順次添加することで分散安定性を保ちつつインキ組成物を得ることができ、該インキ組成物の分散安定性はより向上し、筆跡の発色性、ペン先からのインキ吐出性をも向上させることができるため、効果的である。このような方法によれば、インキ組成物の分散安定性および筆跡の発色性をさらに向上させることができるため好ましい。
本発明の筆記具用水性インキ組成物を充填する筆記具の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用なものが適用でき、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップまたはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの各種筆記具に用いることができる。
ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動可能量(クリアランス)とは、ボールがボールペンチップ本体の縦軸方向への移動可能な距離を示す。
表1に示す通りに原料を配合して、実施例101〜110および比較例101〜103の分散体を調整した。なお、表中の組成の数値は、質量%を示す。
調製は、例えば、実施例101の分散体は以下の通りに行った。分散剤と、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の水分散液と、防腐剤と、水溶性有機溶剤と、pH調整剤と、水とを均一に混合させて得られた混合液に、着色剤を均一に溶解させた水溶液を、常温下、撹拌しながら添加させ、均一な混合液とした。その後、徐々に昇温させ、80℃、2時間攪拌してスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を着色させ、分散体を作製した。
分散性
実施例101〜110および比較例101〜103の分散体を、それぞれスライドガラスに採取し、光学顕微鏡を用いて観察し、下記評価基準で、分散体の分散性を評価した。
なお、分散体の粘度は、E型回転粘度計(機種:DV−II+Pro、ローター:CPE−42、ブルックフィールド社製)により、20℃環境下にて剪断速度19.2sec−1(回転数5rpm)の条件にて測定した。
A:凝集体が確認されず、均一に分散されていた。
B:凝集体は確認されないが、分散体の増粘が確認された。
C:凝集体が確認された。
分散安定性
実施例101〜110および比較例101〜103の分散体を、直径15mmの密開閉ガラス試験管に入れて、50℃、30日間放置した後、それぞれの分散体をスライドガラスに採取し、光学顕微鏡を用いて観察し、下記評価基準で分散体の分散安定性を評価した。
なお、分散体の粘度は、E型回転粘度計(機種:DV−II+Pro、ローター:CPE−42、ブルックフィールド社製)により、20℃環境下にて剪断速度19.2sec−1(回転数5rpm)の条件にて測定した。
A:凝集体が確認されず、均一に分散された状態を保っていた。
B:分散体の増粘、または分離等がわずかに確認されたが実用可能なレベルであった。
C:凝集体が確認された。
分散性(総合評価)
A+:分散体として、良好な状態であった。
A:分散体として、実用上問題のないレベルであった。
B:分散体として、使用可能なレベルであった。
C:分散体として、実用不可能なレベルであった。
スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の水分散液:スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子50%水分散液、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の平均粒子径0.4μm
分散剤A:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−87」(第一工業製薬株式会社)、HLB値10.6、
分散剤B:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−137」(第一工業製薬株式会社)、HLB値13.0、
分散剤C:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−157」(第一工業製薬株式会社)、HLB値14.3、
分散剤D:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−167」(第一工業製薬株式会社)、HLB値14.8、
分散剤E:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−177」(第一工業製薬株式会社)、HLB値15.6、
分散剤F:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−197D」(第一工業製薬株式会社)、HLB値17.5、
分散剤G:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「ノイゲンEA−207D」(第一工業製薬株式会社)、HLB値18.7、
分散剤H:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「エマルゲンA−60」(花王株式会社)、HLB値12.8、
分散剤I:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル「エマルゲンA−500」(花王株式会社)、HLB値18.0、
分散剤J:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル「プライサーフAL」(第一工業製薬株式会社)、
分散剤K:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル「プライサーフA219B」(第一工業製薬株式会社)、
分散剤L:β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、
着色剤A:C.I.ベーシックバイオレット11:1、
着色剤B:C.I.ベーシックレッド1:1、
防腐剤:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、
pH調整剤:トリエタノールアミン、
水溶性有機溶剤A:グリセリン
水溶性有機溶剤B:エチレングリコール
実施例102および110に対して、それぞれ分散剤BおよびJの含有量を2.0から4.0質量%に変更した以外は、同様にして、実施例111および112の分散体を調製した。得られた分散体の評価結果は、それぞれ実施例102および110と同等であった。
実施例102および110に対して、着色剤A0.6質量%および着色剤B0.6質量%を、C.I.ベーシックバイオレット15 1.0質量%に変更した以外は、同様にして、実施例113および114の分散体を調製した。得られた分散体の評価結果は、それぞれ実施例102および110と同等であった。
また、実施例102および110に対して、着色剤A0.6質量%および着色剤B0.6質量%を、ピグメントブルー15:3 1.0質量%に変更した以外は、同様にして、実施例115よび116の分散体を調製した。得られた分散体の評価結果は、それぞれ実施例102および110と同等であった。
上記で調製した分散体(実施例101〜116および比較例101〜103)を用いて、表2に示す通りに原料を配合して、実施例201〜216および比較例201〜203のインキ組成物を調整した。なお、表中の組成の数値は、質量%を示す。
実施例201〜実施例216、比較例201〜203のインキ組成物を直径15mmの密開閉ガラス試験管に入れて、50℃、30日間放置した後、それぞれのインキ組成物をスライドガラスに採取し、光学顕微鏡を用いて観察し、下記評価基準でインキ組成物の分散安定性を評価した。評価は表2にまとめたとおりであった。
A:凝集体が確認されず、均一に分散されている良好な状態。
B:凝集体がわずかに確認されたが、実用上問題のないレベルであった。
C:凝集体が確認され、実用上懸念の残るレベルであった。
D:凝集体の沈降が見られた。
実施例201〜実施例216、および比較例201〜203のインキ組成物(1.0g)を、直径0.7mmの超硬合金製ボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールの縦軸方向の移動量(クリアランス)30μm)を先端に有するインキ収容体の内部に充填させたレフィルを作製し、このレフィルを株式会社パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−2)に装着し、ボールペンを得た。得られたボールペンを試験用ボールペンとし、以下の筆記性能試験を行った。
A+:筆跡は発色良好で線とびやカスレなどない、良好な筆跡が得られた。
A:筆跡に線とびやカスレが極わずかに確認されたが、発色良好な筆跡が得られた。
B:筆跡に線とびやカスレがわずかに確認されたが、発色良好な筆跡が得られた。
C:筆跡に線とびやカスレが確認されたが、実用上問題のないレベルであった。
D:筆跡に線とびやカスレが多数確認されたり、良好な筆跡が得られなかったり、筆記不能となるものが見られた。
筆記性能試験に用いた試験用ボールペンを、ペン先を下にした状態で、50℃ 、30日間放置した後、手書きで、試験用紙(JIS P3201、筆記用紙A)に螺旋状の丸を連続筆記し、得られた筆跡の状況を目視にて確認し、下記評価基準で筆記性能を評価した。結果は表2にまとめたとおりであった。
A+:筆跡は発色良好で線とびやカスレなどない、良好な筆跡が得られた。
A:筆跡に線とびやカスレが極わずかに確認されたが、発色良好な筆跡が得られた。
B:筆跡に線とびやカスレがわずかに確認されたが、発色良好な筆跡が得られた。
C:筆跡に線とびやカスレが確認されたが、実用上問題のないレベルであった。
D:筆跡に線とびやカスレが多数確認されたり、良好な筆跡が得られなかったり、筆記不能となるものが見られた。
デキストリン:デキストリン、質量平均分子量100,000、サンデックシリーズ(三和デンプン工業株式会社)、
サクシノグリカン:サクシノグリカン、三晶株式会社
潤滑剤A:ポリオキシエチレンアルキル(C12、C13)エーテルリン酸エステル「プライサーフA208N」(第一工業製薬株式会社)、HLB値7
潤滑剤B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル「プライサーフA219B」(第一工業製薬株式会社)、HLB値16.2
防錆剤:ベンゾトリアゾール
防腐剤:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
pH調整剤:トリエタノールアミン
水溶性有機溶剤B:エチレングリコール
キレート剤:エチレンジアミン四酢酸
実施例202および210に対して、デキストリンを質量平均分子量が30,000のデキストリン(サンデックシリーズ(三和デンプン工業株式会社))に変更した以外は、同様にして、実施例217および218のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
実施例202および210に対して、サクシノグリカンをキサンタンガム(三晶株式会社)に変更した以外は、同様にして、実施例219および220のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
試験用ボールペンのペン先を大気に晒した状態で、50℃、全乾の条件下で1日放置した後、試験用紙に文字(文字の大きさは縦横8mm)を連続筆記し、筆跡が認識できる程度に復帰するまでの文字数を数えたところ、デキストリンを含んでなる実施例202、実施例210のインキ組成物を用いたボールペンは、デキストリンを含んでいない実施例221および222のインキ組成物を用いたボールペンに比べ、復帰するまでの文字数が少なく、耐ドライアップ性能が優れる傾向にあった。
実施例202および210に対して、潤滑剤Aを、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル「プライサーフA215C」(第一工業製薬株式会社)、HLB値11.5、に変更した以外は、同様にして、実施例223および224のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
実施例202および210に対して、潤滑剤Aを、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル「プライサーフAL」(第一工業製薬株式会社)、HLB値5.6、に変更した以外は、同様にして、実施例225および226のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
実施例202および210に対して、潤滑剤Aを、上記潤滑剤Bに変更した以外は、同様にして、実施例227および228のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
実施例202および210に対して、さらにベンゾグアナミンホルムアルデヒド縮合物(「エポスターM05」、粒子径5μm、株式会社日本触媒製)0.2質量%となるように添加したこと以外は、同様にして、実施例229および230のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
実施例202および210に対して、さらにオレフィン樹脂粒子(「ケミパールM200」、三井化学株式会社)0.2質量%となるように添加したこと以外は、同様にして、実施例229および230のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例202および210と同等であった。
さらに、試験用ボールペンの軸筒部分に40gの重りを付け、ボールペンチップを吐出させて下向きにし、ボールペンチップのボールがボールペン用陳列ケースの底部に当接させた状態を保ち、20℃、65%RHの環境下に1日放置し、ボールペンチップ先端からのインキ漏れ量を測定してインキ漏れ試験を行ったところ、樹脂粒子(スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を除く)を含んでなる実施例229〜232のインキ組成物を用いたボールペンは、樹脂粒子(スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子を除く)を含んでいないインキ組成物を用いたボールペンに比べ、インキ漏れ量は少なく、実施例229〜232のインキ組成物を用いたボールペンは、分散安定性、筆記性能、経時安定性に優れ、さらにはペン先からのインキ漏れをも抑制できる優れたボールペンであることがわかった。
実施例223よび224に対して、キレート剤(エチレンジアミン四酢酸)を0.01質量%となるように添加したこと以外は、同様にして、実施例233および234のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例223および224と同等であった。
実施例223および224に対して、キレート剤を含まないこと以外は、同様にして、実施例235および236のインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物の評価結果は、それぞれ実施例223および224と同等であった。なお、実施例233および234は、実施例223および224に比べて、安定なインキ吐出性を有しており、実施例235および236はさらに安定なインキ吐出性を有していた。
下記の配合組成および方法により、実施例301のインキ組成物を得た。
・スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の水分散液(スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子50%水分散液、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子の平均粒子径0.4μm) 40.0質量%
・ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル「プライサーフAL」(第一工業製薬株式会社) 2.0質量%
・着色剤A:C.I.ベーシックバイオレット11:1 0.3質量%
・着色剤B:C.I.ベーシックレッド1:1 0.3質量%
・デキストリン:質量平均分子量100,000、サンデックシリーズ(三和デンプン工業株式会社) 1.0質量%
・サクシノグリカン(三晶株式会社) 0.4質量%
・防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.5質量%
・防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.105質量%
・pH調整剤:トリエタノールアミン 2.25質量%
・水溶性有機溶剤:エチレングリコール 13.0質量%
・水溶性有機溶剤:グリセリン 3.0質量%
・水 残部
得られたインキ組成物を上記と同様に評価した。得られた評価結果は、分散安定性試験、筆記性能試験、および経時安定性試験については、いずれも比較例201〜203に比較すると優れていたが、実施例226と比較すると、分散安定性試験は同等、筆記性能試験は同等、経時安定性試験はやや劣るという結果であった。つまり、この予め分散処理を行った分散体を含まないインキ組成物は、経時安定性の評価が、分散体を含んでなるインキ組成物と比較すると、低い結果であった。これは、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子と特定の分散剤との組み合わせによって分散安定性などは改良されるが、着色剤とスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子との分散処理が予めされていないことによって、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子に対する着色剤の浸透、吸着が不十分であり、経時的な安定性の改良効果が相対的に小さくなったためと考える。
また、分散体を含まない実施例301に対して、分散体を含む実施例226の方が耐水性に優れていた。これは、上述のように、分散体を含むインキ組成物は、分散処理が予めされていることから、スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子に浸透、吸着されていない着色剤が少ないためと考える。しかしながら、実施例301は特定の分散剤を含むために、染料を単独で用いた従来のインキ組成物に比べて、良好な耐水性を示すものであった。
下記の配合組成および方法により実施例401のインキ組成物を得た。
・実施例102の分散体 45.0質量%
・浸透剤:ニッコールPBC−34 1.0質量%
・防腐剤:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1質量%
・水溶性有機溶剤:グリセリン 20.0質量%
・水 残部
分散体と、浸透剤と、防腐剤と、水溶性有機溶剤とを添加し、プロペラ撹拌により混合してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物をIM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃におけるインキ組成物のpH値を測定した結果、pH値は8.0であった。
Claims (14)
- 前記分散剤において、xが1〜3であり、zが0である、請求項1に記載の分散体。
- 前記分散剤が式(2)で示されるものである、請求項1または2に記載の分散体。
R1−H (2) - 前記分散剤の含有量が、前記分散体の総質量を基準として0.1〜10質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散体。
- 前記スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子が、極性基を有していないものである、請求項1〜5に記載の分散体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の分散体を含んでなる、筆記具用水性インキ組成物。
- 前記インキ組成物が、さらに多糖類を含んでなる、請求項7に記載のインキ組成物。
- 前記インキ組成物が、前記着色剤または前記着色剤とは別の着色剤をさらに含んでなる、請求項7または8に記載のインキ組成物。
- 請求項7〜10のいずれか一項に記載のインキ組成物を収容してなる、筆記具。
- スチレン−アクリロニトリル樹脂粒子またはスチレン−アクリロニトリル樹脂粒子分散液と、
式(1)で示される基R1を有する分散剤と、
(式中、
xは、1〜5の整数であり、
C2H4Oはエチレンオキシド基、C3H6Oはプロピレンオキシド基であり、
ここで、前記エチレンオキシド基および前記プロピレンオキシド基は、それぞれブロックを形成していても、ランダムに配列されていてもよく、
yおよびzは、それぞれ、エチレンオキシド付加モル数およびプロピレンオキシド付加モル数であり、y≧1かつz≧0である)
水と、
を含んでなる混合液中に、
着色剤、着色剤水溶液、または着色剤水性分散液を
添加し、分散処理することを含んでなる、着色樹脂粒子分散体の製造方法。 - 加温条件下に分散処理を行う、請求項12に記載の方法。
- 請求項12または13に記載の着色樹脂粒子分散体の製造方法を含んでなる、インキ組成物の製造方法。
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