JP2019196625A - 調湿壁材 - Google Patents

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Abstract

【課題】表層と下層に吸湿速度と吸湿容量の異なる材料を使用して、長期的周期の調湿性能を満たしながら吸湿能力を十分に発揮できるようにした、軽量で施工性に優れる調湿壁材を提供する。【解決手段】珪藻土含有層を表層に配置し、吸放湿性繊維含有不織布層を下層に配置するように構成された調湿壁材であって、吸放湿性繊維として架橋アクリレート系繊維を使用したこと、及び珪藻土含有層の厚さを1〜4mmにしたことを特徴とする調湿壁材。【選択図】なし

Description

本発明は、軽量で施工性に優れ、さらに長期的周期の調湿性に優れる高い吸湿容量の調湿壁材に関し、具体的には、表層(室内露出側)に吸湿速度が遅い珪藻土含有層を薄く配置し、下層(壁側)に吸湿速度が速く、吸湿容量が多い吸放湿性繊維含有不織布層を配置することによって、吸収される水分の移動を適切に制御し、下層の吸湿能力を十分に発揮できるようにした調湿壁材に関する。
最近の建築物は、建築材料の進歩により、その室内密封性が非常に高くなっていると共に、暖房機器やエアコン等の温湿度制御技術の向上により快適な温湿度空間を提供することに成功しつつある。
しかしながら、高い気密性を有する室内は、そのほとんどが石油化学原料で製造された内装材や壁紙などの壁材で包囲されているため、室内の吸放湿を実質的に行なうことができず、調湿性に大きな問題があった。特に、暖房時には室内が乾燥しすぎとなり、また高湿度の梅雨時にはエアコンに頼りすぎて省エネに逆行して電気消費量を増加させてしまう問題があった。
かかる問題に対して、近年では、温湿度制御設備に頼らない調湿部材の開発が多数行なわれており、実際に、ボード状、タイル状の調湿建材が提案されている。例えば、特定の条件の細孔を有する珪酸カルシウム系又は珪酸系の建材(特許文献1参照)や、バインダー樹脂と珪藻土からなる吸放湿性樹脂層を有する化粧材(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、無機系の吸放湿材を使用した建材は、調湿機能を十分に発揮させるために厚くするか、又は吸放湿材の含有量を多くする必要があり、非常に重く、施工性が悪い問題があった。また、無機系の吸放湿材は、吸湿速度が遅いために除湿に時間がかかり、調湿性を有効に発揮できない問題があった。
上記の問題を改善するものとして、例えば、吸放湿性繊維と熱融着性繊維とを含む不織布を中間層とする三層構造の調湿壁紙(特許文献3参照)や、熱接着性繊維、補強繊維、及び吸放湿性繊維を含む不織布を加熱圧着して形成された板状の建材(特許文献4)などが提案されている。
上述のように吸放湿性繊維を用いた不織布からなる調湿材は、軽量で吸湿速度が速い点で優れるが、吸湿速度が速いために吸湿した表面付近がすぐ飽和状態となり、それより奥への湿分の移行が遅くなり、不織布全体の吸湿能力が十分に活用されない問題があった。また、吸放湿性繊維を用いたものは、1日の長期的周期の温湿度変動に合わせた吸放湿を適切に実行できるものではなかった。
特開平5−293367号公報 特開平11−207853号公報 特開2005−220449号公報 特開2009−097207号公報
本発明は、上記の従来技術の問題に鑑み創案されたものであり、その目的は、表層と下層に吸湿速度と吸湿容量の異なる材料を使用して、長期的周期の調湿性能を満たしながら吸湿能力を十分に発揮できるようにした、軽量で施工性に優れる調湿壁材を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、表層に吸湿速度が遅くかつ意匠性に優れる珪藻土含有層を設け、下層に吸湿速度が速くかつ吸湿容量が大きい架橋アクリレート系の吸放湿性繊維を含む不織布層を設けることにより、表層で吸収した湿分の下層への移動速度を緩和させ、その結果、下層の表面付近で湿分が飽和状態にならずに湿分を下層の隅々まで穏やかに拡散することができ、下層全体の吸湿容量を十分に活用できることを見い出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(12)の構成を有するものである。
(1)珪藻土含有層を表層に配置し、吸放湿性繊維含有不織布層を下層に配置するように構成された調湿壁材であって、吸放湿性繊維として架橋アクリレート系繊維を使用したこと、及び珪藻土含有層の厚さを1〜4mmにしたことを特徴とする調湿壁材。
(2)不織布層が、吸放湿性繊維を10〜80質量%含有することを特徴とする(1)に記載の調湿壁材。
(3)架橋アクリレート系繊維が、0.1〜10mmol/gのカルボキシル基を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の調湿壁材。
(4)不織布層が、吸放湿性繊維以外にポリエステル熱接着性繊維を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の調湿壁材。
(5)不織布層中の吸放湿性繊維及びポリエステル熱接着性繊維の含有割合がそれぞれ30〜80質量%、15〜50質量%であることを特徴とする(4)に記載の調湿壁材。
(6)不織布層が、ポリエステル補強繊維をさらに最大40質量%含有することを特徴とする(4)又は(5)に記載の調湿壁材。
(7)珪藻土含有層が、珪藻土を30〜60質量%含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の調湿壁材。
(8)調湿壁材の全厚みが、3〜20mmであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の調湿壁材。
(9)吸放湿性繊維含有不織布層の厚みが、2〜15mmであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の調湿壁材。
(10)珪藻土含有層の厚みが1〜3.5mmであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の調湿壁材。
(11)吸放湿性繊維含有不織布層の目付が800〜1800g/m2であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の調湿壁材。
(12)珪藻土含有層と吸放湿性繊維含有不織布層の間に湿分透過性のバインダー層を設けていることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の調湿壁材。
本発明の調湿壁材は、表層に遅い吸湿速度の珪藻土含有層を設けているので、表層で吸収した湿分を下層にゆっくりと移行させることができ、その結果、下層の表面付近での湿分の飽和状態を回避することができ、下層全体に湿分をスムーズに拡散させることができる。また、本発明の調湿壁材は、放湿に関しても同様にゆっくりと放湿することができるので、長期的周期の調湿性能が高い。また、本発明の調湿壁材は、表層に珪藻土含有層を使用しているので、化粧板を使用せずに外観の意匠性に優れる。さらに、本発明の調湿壁材は、下層にポリエステル熱接着性繊維、ポリエステル補強繊維を使用した不織布層を設けているので、形状保持性、取扱性、施工性に優れる。
本発明の調湿壁材は、表層に珪藻土含有層を配置し、その下層に吸放湿性繊維含有不織布層を配置して構成されるものである。表層は、室内の湿分を吸収するとともに吸収した湿分を下層へ移動させる役割を有する。また、表層は、吸湿速度が遅いため下層への湿分の移行量を調整する役割を有する。下層は、表層から移行した湿分を素早く吸収して、その層内で拡散保持する役割を有する。表層で下層への湿分の移行速度を緩和することによって下層の湿分の吸収を穏やかにし、下層の吸湿容量を最大限利用して層全体で多量の湿分を吸収することができるものである。本明細書では、明確化のため、主に湿分(水分)の吸収のみに言及して説明しているが、逆の作用としての湿分(水分)の放出も同様に起こることは言うまでもない。
表層の珪藻土含有層は、吸湿効果を有する珪藻土を含有する層であり、珪藻土100%からなる層も使用可能であるが、形状保持性や施工性の点で、珪藻土に加えてクレイやその他のつなぎ成分を含有することが好ましい。珪藻土含有層中の珪藻土の含有割合は、30〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは35〜55質量%である。珪藻土含有層中の珪藻土の含有割合が上記下限未満では、吸放湿効果を十分に発揮できないおそれがあり、上記上限を越えると、その他の成分の含有割合が低くなりすぎて、形状保持性や施工性に劣るおそれがある。珪藻土は、海底に堆積した珪藻類などからなり、内部に細孔を有し、周囲の湿分を吸収保持したり、排出したりすることによって吸放湿効果を発揮するものである、本発明で使用する珪藻土は、従来から建材に使用されているものであれば、特に種類は限定されない。
本発明においては、クレイは、珪藻土以外の吸湿性のない粘土のことを指し、珪藻土の含有量を低減させるため、及び壁材に意匠性を付与するために配合される。その他のつなぎ成分としては、石膏、ガラス繊維、メチルセルロース、及びバインダー樹脂などを挙げることができる。このうち、石膏は、珪藻土含有層を固めて壁材の強度を高める役割を有する。ガラス繊維は、珪藻土含有層を補強する役割を有する。メチルセルロースは、増粘剤としての役割を有する。バインダー樹脂は、珪藻土含有層の各成分をつなぎ合わせる役割を有する。珪藻土含有層中のクレイの含有割合は、一般的に10〜30質量%であり、石膏の含有割合は、一般的に、10〜30質量%であり、ガラス繊維の含有割合は、一般的に0.1〜1質量%であり、メチルセルロースの含有割合は、一般的に、0.5〜4質量%であり、バインダー樹脂の含有割合は、一般的に、5〜15質量%である。バインダー樹脂としては、従来公知の湿分透過性の熱可塑性樹脂が使用されることができ、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
珪藻土含有層は、厚さが1〜4mm、さらには1〜3.5mmであることが好ましい。厚さが上記範囲未満では、珪藻土の吸湿機能が十分に作用せず、上記範囲を越えると、下層への吸収した湿分の移動に時間がかかりすぎる可能性がある。珪藻土含有層は、目付が250〜1000g/m2、さらには250〜875g/m2であることが好ましい。目付が上記範囲未満では、層が脆くなり、上記範囲を越えると、重すぎて取扱いが容易でなくなる可能性がある。
下層の吸放湿性繊維含有不織布層は、吸湿効果を有する吸放湿性繊維を含有する不織布層であり、形状保持性及び吸湿効果の点で吸放湿性繊維の含有割合は、10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%である。吸放湿性繊維は、珪藻土などの無機系吸湿材と比べて吸湿速度が高く、しかも軽量で現場での取扱性が良好である。また、不織布の形態をとることにより、吸収した水分を多く貯蔵することができる。
吸放湿性繊維としては、本発明では、架橋アクリレート系繊維を使用する。架橋アクリレート系繊維は、架橋構造とカルボキシル基を有するアクリレート系重合体を構成成分とする繊維であり、それ自体は、従来から公知であり、市販品からも入手可能である。架橋アクリレート系繊維は、例えばアクリロニトリル系繊維に、1分子中2個以上の窒素原子を有する窒素含有化合物を0.1〜5質量%含有する水溶液中での架橋導入処理、及びアルカリ性金属塩化合物を0.5〜5質量%含有する水溶液中での加水分解処理を施すことによって得られることができる。
架橋アクリレート系繊維は、好ましくは0.1〜10mmol/g、より好ましくは0.5〜8mmol/gのカルボキシル基を含有する。カルボキシル基の量が前記範囲未満であると、吸湿効果が不十分であり、前記範囲を越えると、吸湿した場合に繊維が膨潤するおそれがある。カルボキシル基は、H型であっても塩型であっても、それらが混在しても構わないが、十分な吸湿性能を発現するためには50%以上が塩型であることが好ましい。塩型カルボキシル基を構成する陽イオンの例としては、Li,Na,K等のアルカリ金属、Ca,Be,Ba等のアルカリ土類金属、Cn,Zn,Al,Mn,Ag,Fe,Co,Ni等の他の金属、NH4、アミン等が挙げられ、複数種の陽イオンが混在していてもよい。
架橋アクリレート系繊維は、短繊維の形態であることが好ましく、その場合、繊維長は20〜60mmで単糸繊維度が2.0〜11.0dtexであることが好ましい。架橋アクリレート系繊維は、吸湿性能を発揮するために、例えばカルボキシル基及び架橋構造を有するアクリル酸系重合体からなる表層部と、アクリロニトリル系重合体からなる中心部とを有する芯鞘構造を採ることができる。この場合、表層部が吸湿効果を担い、中心部は繊維物性を担う役割を持つ。かかる芯鞘構造では、表層部が吸湿して膨潤したとしても中心部は吸湿、膨潤を起こさないため、全体として形状が保持され、高い寸法安定性を確保することができる。
不織布層には、吸放湿性繊維以外にポリエステル熱接着性繊維などの他の繊維を含有することができる。ポリエステル熱接着性繊維は、加熱すると100〜180℃で溶融して接着性を示す成分を含有する繊維であり、例えば鞘部が低融点共重合ポリエステルであり、芯部が高融点ポリエチレンテレフタレートである芯鞘型のポリエステル繊維を採用することができる。不織布層中の吸放湿性繊維及びポリエステル熱接着性繊維の含有割合は、それぞれ好ましくは30〜80質量%、15〜50質量%、それぞれより好ましくは40〜70質量%、15〜40質量%である。ポリエステル熱接着性繊維の含有割合を上記未満にすると不織布層が脆くなりやすく、上記範囲を越えると不織布層が堅くなりやすい。使用されるポリエステル熱接着性繊維の単糸繊度は、特に限定されないが、3〜30dtexが好ましい。
不織布層には、さらにポリエステル補強繊維を好ましくは最大40質量%、より好ましくは最大30質量%の割合で含有することができる。ポリエステル補強繊維は、不織布層の強度を保持するために加えられるものであり、ポリエステル熱接着性繊維の加熱時の温度では溶融しないポリエステル繊維である。ポリエステル補強繊維の単糸繊度は、特に限定されないが、1〜10dtexが好ましい。なお、不織布層には、上記繊維に限らず、他の合成繊維や難燃性、防カビ性、消臭性等の機能繊維を適宜含有することができる。
不織布層の製造方法としては、従来公知の様々な方法を採用することができる。例えば、不織布層の構成繊維を均一に混綿して開繊した後、カーディング法によりウエブを形成し、このウエブをニードルパンチ法により不織布に形成するか、又は開繊後、エアレイド法により不織布に形成することによって得ることができる。そして、必要により、この不織布を加熱圧着して成形した後、適当な大きさに裁断することができる。
不織布層は、厚さが2〜15mm、さらには3〜13mmであることが好ましい。厚さが上記範囲未満では、層の形状保持が困難であるとともに吸放湿性繊維の機能が十分に発揮されず、上記範囲を越えると、取扱性や施工性に問題が生じる可能性がある。不織布層は、目付が800〜1800g/m2、さらには850〜1600g/m2であることが好ましい。目付が上記範囲未満では、層の形態保持が難しくなり、上記範囲を越えると、重すぎて取扱いが容易でなくなる可能性がある。
本発明の調湿壁材は、上述のようにして作られた吸放湿性繊維含有不織布層に珪藻土含有層を積層する形で製造されることができる。例えば、(積層方法の具体例を幾つか挙げて下さい)。なお、不織布層と珪藻土含有層の間の結合が不十分な場合には、それらの間に湿分透過性のバインダー層を設けることもできる。かかるバインダー層としては、セルロース系バインダーが挙げられる。
本発明の調湿壁材は、厚さが3〜20mm、さらには4〜15mmであることが好ましい。厚さが上記範囲未満では、壁材が脆くなり、上記範囲を越えると、取扱性や施工性に問題が生じる可能性がある。本発明の調湿壁材は、目付が1000〜2500g/m2、さらには1200〜2000g/m2であることが好ましい。目付が上記範囲未満では、壁材が脆くなり、上記範囲を越えると、重すぎて取扱いが容易でなくなる可能性がある。
本発明の調湿壁材は、壁、天井、又は床などの板状内装材に好適に使用されることができる。実際には、本発明の調湿壁材は、珪藻土含有層を表層(室内露出側)に配置し、吸放湿性不織布層を下層(壁側)に配置して使用される。施工は、従来公知の方法を適宜採用することによって行なわれることができる。
本発明の調湿壁材の効果を以下の実施例によって示すが、実施例は、例示にすぎず、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例における特性値の評価は、以下の手順で行なった。
(1)目付け(g/m2)
壁材から10cm×10cmの大きさの試料を切り出した。この試料を105℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥させ、その直後の試料重量を天秤で測定し、1m2当たりの重量に換算した。
(2)吸放湿容量(%)
(i)壁材から10cm×10cmの大きさの試料を切り出した。この試料を105℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥させ、その直後の試料重量(a(g))を天秤で測定した。
(ii)次に、この試料を23℃×53%相対湿度の恒温恒湿機中で24時間放置し、その直後の試料重量(b(g))を天秤で測定した。
(iii)次に、この試料を23℃×75%相対湿度の恒温恒湿機中で24時間放置し、その直後の試料重量(c(g))を天秤で測定した。
試料重量差c−bを1m2当たりの重量に換算したものを吸湿容量、試料重量差b−aを1m2当たりの重量に換算したものを放湿容量とした。
(実施例1)
熱接着性繊維(鞘成分が融点160℃の共重合ポリエステルでありかつ芯成分が融点250℃のポリエチレンテレフタレートである芯鞘型のポリエステル系繊維、17dtex)、補強繊維(ポリエステル繊維、4.4dtex)、及び架橋アクリレート繊維(東洋紡績(株)製「モイスファイン」、5dtex、カルボキシル基含有量6.0mmol/g)をそれぞれ20重量%、40重量%、40重量%の割合で均一に混綿して開繊した後、カード機によってウェブを作製し、このウェブをニードルパンチ法により不織布に形成した。この不織布を120℃で3分間3kg/cm2の圧力で加熱圧着し、続いて20℃で2分間3kg/cm2の圧力で冷却圧着させて板状とし、これを所定の大きさに切断して目付1300g/m2、厚み8mmの不織布1を得た。次いで、クレイ300g、珪藻土(マクロポアタイプ(細孔径50nm以上))700gを混合して無機質紛体を調整した。この無機質紛体に、つなぎ成分として、石膏350g、ガラス繊維(太さ11μm、長さ6mm)5g、メチルセルロース30g、粉末状のエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂120gを配合し、これらをミキサーに投入して、2分間撹拌混合し均一組成として取り出し、塗材1を調合した。不織布1に塗材1を厚み2.5mmとなるように左官用小手を使用して塗布、乾燥を行い、実施例1の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして不織布1と塗材1を調整した。不織布1に塗材1を厚み1.5mmとなるように左官用小手を使用して塗布、乾燥を行い、実施例2の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にして不織布1と塗材1を調整した。不織布1に塗材1を厚み3.5mmとなるように左官用小手を使用して塗布、乾燥を行い、実施例3の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして不織布1を得た。次いで、クレイ300g、珪藻土(メソポアタイプ(細孔径50nm未満))700gを混合して無機質紛体を調整した。この無機質紛体に石膏350g、ガラス繊維(太さ11μm、長さ6mm)5g、メチルセルロース30g、粉末状のエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂120gを配合し、これらをミキサーに投入して、2分間撹拌混合し均一組成として取り出し、塗材2を調合した。不織布1に塗材2を厚み2.5mmとなるように左官用小手を使用して塗布、乾燥を行い、実施例4の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様にして不織布1を得た。次いで、クレイ200g、珪藻土(マクロポアタイプ)800gを混合して無機質紛体を調整した。この無機質紛体に石膏350g、ガラス繊維(太さ11μm、長さ6mm)5g、メチルセルロース30g、粉末状のエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂120gを配合し、これらをミキサーに投入して、2分間撹拌混合し均一組成として取り出し、塗材3を調合した。不織布1に塗材3を厚み2.5mmとなるように左官用小手を使用して塗布、乾燥を行い、実施例5の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様にして不織布1を得た。次いで、クレイ400g、珪藻土(マクロポアタイプ)600gを混合して無機質紛体を調整した。この無機質紛体に石膏350g、ガラス繊維(太さ11μm、長さ6mm)5g、メチルセルロース30g、粉末状のエチレンー酢酸ビニル共重合樹脂120gを配合し、これらをミキサーに投入して、2分間撹拌混合し均一組成として取り出し、塗材4を調合した。不織布1に塗材4を厚み2.5mmとなるように左官用小手を使用して塗布、乾燥を行い、実施例6の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例7)
不織布の目付を800g/m2とし、厚みを5mmとすること以外は実施例1と同様にして、実施例7の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例8)
不織布の目付を1800g/m2とし、厚みを15mmとすること以外は実施例1と同様にして、実施例8の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例9)
熱接着性繊維(鞘成分が融点160℃の共重合ポリエステルでありかつ芯成分が融点250℃のポリエチレンテレフタレートである芯鞘型のポリエステル系繊維、17dtex)、補強繊維(ポリエステル繊維、4.4dtex)、及び架橋アクリレート繊維(東洋紡績(株)製「ヒートロア」、7dtex、カルボキシル基含有量4.0mmol/g)をそれぞれ20重量%、30重量%、50重量%の割合とすること以外は実施例1と同様にして、実施例9の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例10)
熱接着性繊維(鞘成分が融点160℃の共重合ポリエステルでありかつ芯成分が融点250℃のポリエチレンテレフタレートである芯鞘型のポリエステル系繊維、17dtex)、補強繊維(ポリエステル繊維、4.4dtex)、及び架橋アクリレート繊維(東洋紡績(株)製「モイスファイン」、5dtex)をそれぞれ20重量%、20重量%、60重量%の割合とすること以外は実施例1と同様にして、実施例10の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(実施例11)
熱接着性繊維(鞘成分が融点160℃の共重合ポリエステルでありかつ芯成分が融点250℃のポリエチレンテレフタレートである芯鞘型のポリエステル系繊維、17dtex)、補強繊維(ポリエステル繊維、4.4dtex)、及び架橋アクリレート繊維(東洋紡績(株)製「モイスファイン」、5dtex)をそれぞれ20重量%、60重量%、20重量%の割合とすること以外は実施例1と同様にして、実施例11の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の不織布1のみを使用し、比較例1の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(比較例2)
実施例1の塗材1のみを使用し、比較例2の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(比較例3)
実施例1の塗材厚みを5mmとすること以外は同様にして、比較例3の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
(比較例4)
実施例1の塗材厚みを0.5mmとすること以外は同様にして、比較例4の壁材を得た。得られた壁材の性能評価を表1に示す。
Figure 2019196625
表1からわかるように、本願発明の構成要件を満たす実施例1〜11はいずれも、高い吸放湿容量を示す。これに対して、珪藻土含有層の厚さが大きすぎる比較例3は、不織布層への湿分の移動に時間がかかりすぎるため、かえって吸放湿が阻害され、低い吸放湿容量しか得られない。また、珪藻土含有層を有さない比較例1、及び珪藻土含有層の厚さが小さすぎる比較例4は、壁材の表面が急激に飽和状態となってしまい、拡散が起こりにくく、やはり低い吸放湿容量しか得られない。また、不織布層を有さない比較例2は、多量の湿分を吸収することができないため、著しく低い吸放湿容量しか得られない。
本発明の調湿壁材は、軽量で施工性に優れ、高い吸放湿性を有し、長期的周期の吸放湿環境にも適切に対応することができるので、気密性の高い室内空間の調湿に極めて有用である。

Claims (12)

  1. 珪藻土含有層を表層に配置し、吸放湿性繊維含有不織布層を下層に配置するように構成された調湿壁材であって、吸放湿性繊維として架橋アクリレート系繊維を使用したこと、及び珪藻土含有層の厚さを1〜4mmにしたことを特徴とする調湿壁材。
  2. 不織布層が、吸放湿性繊維を10〜80質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の調湿壁材。
  3. 架橋アクリレート系繊維が、0.1〜10mmol/gのカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の調湿壁材。
  4. 不織布層が、吸放湿性繊維以外にポリエステル熱接着性繊維を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調湿壁材。
  5. 不織布層中の吸放湿性繊維及びポリエステル熱接着性繊維の含有割合がそれぞれ30〜80質量%、15〜50質量%であることを特徴とする請求項4に記載の調湿壁材。
  6. 不織布層が、ポリエステル補強繊維をさらに最大40質量%含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の調湿壁材。
  7. 珪藻土含有層が、珪藻土を30〜60質量%含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の調湿壁材。
  8. 調湿壁材の全厚みが、3〜20mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の調湿壁材。
  9. 吸放湿性繊維含有不織布層の厚みが、2〜15mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の調湿壁材。
  10. 珪藻土含有層の厚みが1〜3.5mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の調湿壁材。
  11. 吸放湿性繊維含有不織布層の目付が800〜1800g/m2であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の調湿壁材。
  12. 珪藻土含有層と吸放湿性繊維含有不織布層の間に湿分透過性のバインダー層を設けていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の調湿壁材。
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