本開示は、生物活性なFcドメインを含有する治療コンストラクトを特徴とする。こうしたコンストラクトは、所望の血中半減期、ならびに/又は、Fc受容体に対する結合親和性及び/もしくは結合活性を有し得る。
概して、この開示は、2〜10個のFcドメインを有するFcコンストラクト、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のFcドメインを有するFcコンストラクトを特徴とする。一部の実施形態では、Fcコンストラクトが、2〜10個のFcドメイン、2〜5個のFcドメイン、2〜4個のFcドメイン、2〜3個のFcドメイン、3〜5個のFcドメイン、2〜8個のFcドメイン、又は2〜6個のFcドメインを含む。一部の実施形態では、Fcコンストラクトが、2〜4個のFcドメインを含む。一部の実施形態では、Fcコンストラクトが、5〜10個のFcドメイン(例えば、5〜6、5〜7、5〜8、5〜9、又は5〜10個のFcドメイン)を含む。
一部の実施形態では、この開示の、コンストラクト(例えば、2〜4個のFcドメイン、例えば2、3、又は4個のFcドメインを有するFcコンストラクト)及び均質な医薬組成物(例えば、2〜4個のFcドメイン、例えば2、3、又は4個のFcドメインを有するFcコンストラクトを含有するもの)が、例えば、対象における炎症を軽減する、対象における自己抗体のクリアランスを促進する、対象における抗原提示を抑制する、例えば対象における免疫応答の免疫複合体に基づく活性化を防止することである、免疫応答を防止する、ならびに、対象における免疫疾患及び炎症性疾患(例えば、自己免疫疾患)を治療するのに有用である。本明細書に記載のFcコンストラクトは、免疫細胞を有意に刺激することなく、免疫疾患及び炎症性疾患を有する患者の治療に用いることが可能である。一部の実施形態では、この開示の、コンストラクト(例えば、5〜10個のFcドメイン、例えば5、6、7、8、9、又は10個のFcドメインを有するFcコンストラクト)及び均質な医薬組成物(例えば、5〜10個のFcドメイン、例えば5、6、7、8、9、又は10個のFcドメインを有するFcコンストラクトを含有するもの)が、例えば、対象における免疫応答の免疫細胞活性化を誘導する、対象における標的細胞(すなわち、癌細胞又は感染細胞)のファゴサイトーシスを増加する、及び、対象における癌及び感染症等の疾患を治療するのに有用である。
これらコンストラクトの性質が、実質的に均質な組成物の効率的な生成を可能にする。組成物の均質性の程度が、組成物の薬物動態と生体内での性能とに影響を与える。組成物の安全性、効能、均一性、及び信頼性を確実にするためには、組成物におけるこうした均質性は望ましい。この開示のFcコンストラクトは、実質的に均質(例えば、少なくとも85%、90%、95%、98%、又は99%均質)である集団又は組成物中にあることが可能である。
本明細書においてさらに詳細に記載するように、この開示は、同数のFcドメインを全てが有するFcコンストラクトを含有する実質的に均質な組成物のみならず、こうした実質的に均質な組成物を調製する方法を特徴とする。
第一の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、B及びB’のそれぞれが変異D399K及びK409Dを含み、A及びA’のそれぞれが変異S354C、T366W、及びE357Kを含み、第五及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが変異Y349C、T366S、L368A、Y407V、及びK370Dを含む。
第二の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、B’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、A及びA’のそれぞれが変異D399K及びK409Dを含み、B及びB’のそれぞれが変異S354C、T366W、及びE357Kを含み、第五及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが変異Y349C、T366S、L368A、Y407V、及びK370Dを含む。
この開示の先述の二つの態様の一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、少なくとも4、8、12、14、16、18、又は20個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、
を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の先述の二つの態様の一部の実施形態では、AはFcドメイン単量体からなる。一部の実施形態では、BはFcドメイン単量体からなる。一部の実施形態では、A’はFcドメイン単量体からなる。一部の実施形態では、B’はFcドメイン単量体からなる。一部の実施形態では、第三のポリペプチドはFcドメイン単量体からなる。一部の実施形態では、第四のポリペプチドはFcドメイン単量体からなる。
一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のうちの一つ又は複数が、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、及びIgG CH3抗体定常ドメインを含む。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のそれぞれが、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、及びIgG CH3抗体定常ドメインを含む。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のそれぞれが、IgG1 Fcドメイン単量体である。
この開示の先述の二つの態様の一部の実施形態では、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのうちの一つ又は複数におけるN末端Aspが、Glnに変異される。一部の実施形態では、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。
一部の実施形態では、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのうちの一つ又は複数は、C末端リシンを欠いている。一部の実施形態では、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれは、C末端リシンを欠いている。
この開示の先述の二つの態様の一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有し、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
この開示の第一の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第一の態様の一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第一の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、
第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第一の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、
第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第一の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第二の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を含む、該配列同一性からなる、又は、実質的に該配列同一性からなる。
一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第二の態様の一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第二の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示の第二の態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成するものであって、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:49の配列を含む、該配列からなる、又は実質的に該配列からなるものであり、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:48の配列を含む、該配列からなる又は実質的に該配列からなる、Fcコンストラクトを特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、B’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成するものであって、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:61の配列を含む、該配列からなる又は実質的に該配列からなるものであり、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:48の配列を含む、該配列からなる又は実質的に該配列からなる、Fcコンストラクトを特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)第三のFcドメイン単量体を含む第二のポリペプチドと、c)第四のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドとを含むFcコンストラクトであって、第一のFcドメイン単量体と第三のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第二のFcドメイン単量体と第四のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一及び第三のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第三のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第二及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第四のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。一部の実施形態では、第一及び第二のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第三及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、Lは少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、Lは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、Lは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、A、B、第二のポリペプチド、及び第三のポリペプチドのうちの一つ又は複数が、Fcドメイン単量体からなる。一部の実施形態では、A、B、第二のポリペプチド、及び第三のポリペプチドのそれぞれが、Fcドメイン単量体からなる。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一、第二、及び第三のポリペプチドのうちの一つ又は複数におけるN末端Aspが、Glnに変異される。一部の実施形態では、第一、第二、及び第三のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一、第二、及び第三のポリペプチドのうちの一つ又は複数は、C末端リシンを欠いている。一部の実施形態では、第一、第二、及び第三のポリペプチドのそれぞれは、C末端リシンを欠いている。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第二のポリペプチド及び第三のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、Aと第七のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、BとB’とが結合して第二のFcドメインを形成し、Cと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、A’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、C’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一及び第七のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第七のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第二及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第五のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第三及び第八のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第八のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第四及び第九のFcドメイン単量体のそれぞれが、第四のFcドメイン単量体及び第九のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第六及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれが、第六のFcドメイン単量体及び第十のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
一部の実施形態では、第二のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第五のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、正電荷をもつアミノ酸置換を含み、第一、第三、第四、及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第七、第八、第九、及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、CとC’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第七のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、Aと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、A’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第三及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第六のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第二及び第七のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第七のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第一及び第八のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第八のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第五及び第九のFcドメイン単量体のそれぞれが、第五のFcドメイン単量体及び第九のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第四及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれが、第四のFcドメイン単量体及び第十のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
一部の実施形態では、第三のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第六のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、正電荷をもつアミノ酸置換を含み、第一、第二、第四、及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第七、第八、第九、及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第七のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、Cと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、C’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第四のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第二及び第七のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第七のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第三及び第八のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第八のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第五及び第九のFcドメイン単量体のそれぞれが、第五のFcドメイン単量体及び第九のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第六及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれが、第六のFcドメイン単量体及び第十のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
一部の実施形態では、第一のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第四のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、正電荷をもつアミノ酸置換を含み、第二、第三、第五、及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第七、第八、第九、及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
本明細書に記載の五つのFcドメインを有するFcコンストラクトの一部の実施形態では、L1、L2、L1’、及びL2’のそれぞれは、少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L1、L2、L1’、及びL2’のそれぞれは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L1、L2、L1’及びL2’のそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
本明細書に記載の五つのFcドメインを有するFcコンストラクトの一部の実施形態では、A、B、C、A’、B’、C’、第三のポリペプチド、第四のポリペプチド、第五のポリペプチド、及び第六のポリペプチドは、Fcドメイン単量体からなる。
本明細書に記載の五つのFcドメインを有するFcコンストラクトの一部の実施形態では、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのうちの一つ又は複数内のN末端Aspが、Glnに変異される。一部の実施形態では、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。
一部の実施形態では、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのうちの一つ又は複数は、C末端リシンを欠いている。一部の実施形態では、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのそれぞれは、C末端リシンを欠いている。
一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有し、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はリンカーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、第一のFcドメイン単量体と第二のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第四のFcドメイン単量体と第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、第三のFcドメイン単量体と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成する、Fcコンストラクトを特徴とする。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一及び第二のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第二のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第四及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれが、第四のFcドメイン単量体及び第五のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第三及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第六のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
一部の実施形態では、第一及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第二及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含み、第三のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第六のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、正電荷をもつアミノ酸置換を含む。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、L2及びL2’のそれぞれは少なくとも12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L2及びL2’のそれぞれは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L2及びL2’のそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、A、B、C、A’、B’、及びC’のそれぞれは、Fcドメイン単量体からなる。
この開示のこの態様の一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトであって、第一のFcドメイン単量体と第三のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第二のFcドメイン単量体と第四のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、L及びL’の少なくとも一つはグリシンスペーサーである、Fcコンストラクトを特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、第一及び第三のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第三のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、第二及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第四のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、第一及び第二のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第三及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
この態様の一部の実施形態では、L及びL’の少なくとも一つは、少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’の少なくとも一つは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’の少なくとも一つは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。この態様の一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この態様の一部の実施形態では、A、B、A’、及びB’のうちの一つ又は複数が、Fcドメイン単量体からなる。この態様の一部の実施形態では、A、B、A’、及びB’のそれぞれが、Fcドメイン単量体からなる。
この開示の先述の二つの態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのうちの一つ又は複数におけるN末端Aspが、Glnに変異される。一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。
この開示の先述の二つの態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのうちの一つ又は複数は、C末端リシンを欠いている。一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、C末端リシンを欠いている。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体のそれぞれが、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、及びIgG CH3抗体定常ドメインを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体のそれぞれは、IgG1 Fcドメイン単量体である。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、B及びB’のそれぞれが変異D399K及びK409Dを含み、A及びA’のそれぞれが変異S354C、T366W、及びE357Kを含み、第五のFcドメイン単量体及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが変異Y349C、T366S、L368A、Y407V、及びK370Dを含む。
この態様の一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有し、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドが、組成物中のFcコンストラクトにおいて同一のアミノ酸配列を有する。
一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。この開示の一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。一部の実施形態では、Fcコンストラクトは、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。一部の場合では、本明細書に記載のFcコンストラクトのいずれか一つは、抗炎症活性を有する。
本明細書に記載のFcコンストラクトのいずれかの一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のうちの一つ又は複数が、IgG Fcドメイン単量体(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、又はIgG4)である。一部の場合では、Fcドメイン単量体のうちの一つ又は複数が、最大10個のアミノ酸修飾(例えば、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸修飾)を有するIgG Fcドメイン単量体である。一部の場合では、Fcドメイン単量体のそれぞれが、10個以下のアミノ酸修飾(例えば、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のアミノ酸修飾)を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、B’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、A及びA’のそれぞれが変異D399K及びK409Dを含み、B及びB’のそれぞれが変異S354C、T366W、及びE357Kを含み、第五及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが変異Y349C、T366S、L368A、Y407V、及びK370Dを含む。
この態様の一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有し、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドが、組成物中のFcコンストラクトにおいて同一のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列(例えば、配列番号:49)を有し、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドが、組成物中のFcコンストラクトにおいて同一のアミノ酸配列(例えば、配列番号:48)を有する。
この態様の一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この態様の一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%の配列同一性)を有する。一部の実施形態では、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第二のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるものであり、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第四のポリペプチドのそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物を特徴するものであって、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成するものであって、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:49の配列を含む、該配列からなる、又は実質的に該配列からなるものであり、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:48の配列を含む、該配列からなる、又は実質的に該配列からなる。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、B’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成するものであって、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:61の配列を含む、該配列からなる、又は実質的に該配列からなるものであり、また第三のポリペプチド及び第四のポリペプチドはそれぞれ、配列番号:48の配列を含む、該配列からなる、又は実質的に該配列からなる、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)第三のFcドメイン単量体を含む第二のポリペプチドと、c)第四のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドとを含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、第一のFcドメイン単量体と第三のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第二のFcドメイン単量体と第四のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第三のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第三のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第二及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第四のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、第一及び第二のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第三及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
この態様の一部の実施形態では、第二のポリペプチド及び第三のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、Aと第七のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、BとB’とが結合して第二のFcドメインを形成し、Cと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、A’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、C’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第七のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第七のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第二及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第五のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第八のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第八のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第四及び第九のFcドメイン単量体のそれぞれが、第四のFcドメイン単量体及び第九のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第六及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれが、第六のFcドメイン単量体及び第十のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、第二のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第五のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが正電荷をもつアミノ酸置換を含み、第一、第三、第四、及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが操作された突起を含み、第七、第八、第九、及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが操作された空洞を含む。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、CとC’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第七のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、Aと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、A’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第六のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第二及び第七のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第七のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第八のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第八のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第五及び第九のFcドメイン単量体のそれぞれが、第五のFcドメイン単量体及び第九のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第四及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれが、第四のFcドメイン単量体及び第十のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、第三のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第六のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、正電荷をもつアミノ酸置換を含み、第一、第二、第四、及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第七、第八、第九、及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第七のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、Cと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、C’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第四のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第二及び第七のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第七のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第八のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第八のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第五及び第九のFcドメイン単量体のそれぞれが、第五のFcドメイン単量体及び第九のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第六及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれが、第六のFcドメイン単量体及び第十のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、第一のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第四のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが正電荷をもつアミノ酸置換を含み、第二、第三、第五、及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが操作された突起を含み、第七、第八、第九、及び第十のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが操作された空洞を含む。
本明細書に記載の五つのFcドメインを有するFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有し、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はグリシンスペーサーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はリンカーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はグリシンスペーサーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、第一のFcドメイン単量体と第二のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第四のFcドメイン単量体と第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、第三のFcドメイン単量体と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成する、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第二のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第二のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第四及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれが、第四のFcドメイン単量体及び第五のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが、第三のFcドメイン単量体及び第六のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、第一及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、第二及び第五のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含み、第三のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、負電荷をもつアミノ酸置換を含み、第六のFcドメイン単量体の相補的な二量体形成選択性モジュールが、正電荷をもつアミノ酸置換を含む。
この態様の一部の実施形態では、第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドが、同一のアミノ酸配列を有する。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、第一のFcドメイン単量体と第三のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第二のFcドメイン単量体と第四のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、L及びL’の少なくとも一つはグリシンスペーサーである、組成物を特徴とする。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第三のFcドメイン単量体のそれぞれが、第一のFcドメイン単量体及び第三のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含み、組成物中のFcコンストラクト内の第二及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれが、第二のFcドメイン単量体及び第四のFcドメイン単量体間での二量体形成を促進する相補的な二量体形成選択性モジュールを含む。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内の第一及び第二のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された突起を含み、組成物中のFcコンストラクト内の第三及び第四のFcドメイン単量体のそれぞれの相補的な二量体形成選択性モジュールが、操作された空洞を含む。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のL及びL’の少なくとも一つは、少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’の少なくとも一つは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’の少なくとも一つは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のL及びL’のそれぞれは、少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
この態様の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のA、B、A’、及びB’のうちの一つ又は複数が、Fcドメイン単量体からなる。この態様の一部の実施形態では、A、B、A’、及びB’のそれぞれが、Fcドメイン単量体からなる。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のL、L’、L1、L2、L1’、及びL2’のうちの一つ又は複数は、少なくとも4、8、又は12個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L、L’、L1、L2、L1’、及びL2’のそれぞれは、少なくとも4、8、又は12のグリシンを含む。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のL、L’、L1、L2、L1’、及びL2’のうちの一つ又は複数は、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。一部の実施形態では、L、L’、L1、L2、L1’、及びL2’のそれぞれは、4〜30、8〜30、又は12〜30個のグリシンを含む。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のL、L’、L1、L2、L1’、及びL2’のうちの一つ又は複数は、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。一部の実施形態では、L、L’、L1、L2、L1’、及びL2’のそれぞれは、
の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のA、B、C、A’、B’、C’、第二のポリペプチド、第三のポリペプチド、第四のポリペプチド、第五のポリペプチド、及び第六のポリペプチドのうちの一つ又は複数は、Fcドメイン単量体からなる。本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、A、B、C、A’、B’、C’、第二のポリペプチド、第三のポリペプチド、第四のポリペプチド、第五のポリペプチド、及び第六のポリペプチドのそれぞれは、Fcドメイン単量体からなる。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体のうちの一つ又は複数が、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、及びIgG CH3抗体定常ドメインを含む。本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のそれぞれが、IgGヒンジドメイン、IgG CH2抗体定常ドメイン、及びIgG CH3抗体定常ドメインを含む。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体のうちの一つ又は複数が、IgG1 Fcドメイン単量体である。本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のそれぞれが、IgG1 Fcドメイン単量体である。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のポリペプチドのうちの一つ又は複数におけるN末端Aspが、Glnに変異される。本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。
本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のポリペプチドのうちの一つ又は複数が、C末端リシンを欠いている。本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成するものであって、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴する。
別の態様では、この開示は、両方がC末端リシンのコドンを欠いている二つのポリヌクレオチドを発現する宿主細胞であって、第一のポリヌクレオチドが、この開示の先述の態様の第一及び第二のポリペプチドのそれぞれをコードし、第二のポリヌクレオチドが、この開示の先述の態様の第三及び第四のポリペプチドのそれぞれをコードする、宿主細胞を特徴とするもの。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)第三のFcドメイン単量体を含む第二のポリペプチドと、c)第四のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドとを含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、第一のFcドメイン単量体と第三のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第二のFcドメイン単量体と第四のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、第一、第二、及び第三のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、両方がC末端リシンのコドンを欠いている二つのポリヌクレオチドを発現する宿主細胞であって、第一のポリヌクレオチドが、この開示の先述の態様の第一のポリペプチドをコードし、また第二のポリヌクレオチドが、この開示の先述の態様の第二及び第三のポリペプチドのそれぞれをコードする、宿主細胞を特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はリンカーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はリンカーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はリンカーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、Aと第七のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、BとB’とが結合して第二のFcドメインを形成し、Cと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、A’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、C’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成し、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はリンカーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はリンカーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はリンカーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、CとC’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第七のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、Aと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、A’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成し、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はリンカーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はリンカーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はリンカーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第七のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第八のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、e)第九のFcドメイン単量体を含む第五のポリペプチドと、f)第十のFcドメイン単量体を含む第六のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、AとA’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Bと第七のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、Cと第八のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B’と第九のFcドメイン単量体とが結合して第四のFcドメインを形成し、C’と第十のFcドメイン単量体とが結合して第五のFcドメインを形成し、第一、第二、第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、両方がC末端リシンのコドンを欠いている二つのポリヌクレオチドを発現する宿主細胞であって、第一のポリヌクレオチドが、この開示の先述の三つの態様のいずれか一つの第一及び第二のポリペプチドのそれぞれをコードし、また第二のポリヌクレオチドが、この開示の先述の三つの態様のいずれか一つの第三、第四、第五、及び第六のポリペプチドのそれぞれをコードする、宿主細胞を特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L1−B−L2−Cを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)L1はリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含み、iv)L2はリンカーであり、v)Cは第三のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L1’−B’−L2’−C’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第四のFcドメイン単量体を含み、ii)L1’はリンカーであり、iii)B’は第五のFcドメイン単量体を含み、iv)L2’はリンカーであり、v)C’は第六のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、第一のFcドメイン単量体と第二のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第四のFcドメイン単量体と第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、第三のFcドメイン単量体と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物であって、第一のFcドメイン単量体と第三のFcドメイン単量体とが結合して第一のFcドメインを形成し、第二のFcドメイン単量体と第四のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれが、C末端リシンを欠いている、組成物を特徴とする。
別の態様では、この開示は、C末端リシンのコドンを欠いているポリヌクレオチドを発現する宿主細胞であって、該ポリヌクレオチドが、この開示の先述の二つの態様のいずれかの第一及び第二のポリペプチドのそれぞれをコードする、宿主細胞を特徴とする。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクトを調製する方法を特徴とする。該方法には、a)この開示のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供することと、b)Fcコンストラクトの形成を可能にするする条件下で該宿主細胞中でポリペプチドを発現させることと、c)Fcコンストラクトを回収することとが含まれる。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクトを発現する宿主細胞を特徴とする。該宿主細胞は、この開示のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むものであって、該ポリヌクレオチドは、宿主細胞内で発現される。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)の実質的に均質な集団を含む医薬組成物又は本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物)、及び、一つ又は複数の薬剤的に許容できるキャリアもしくは賦形剤を特徴とする。こうした医薬組成物は、Fcコンストラクトの実質的な凝集又は望まない多量体形成なしに作製することができる。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)又は本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物)を、対象に投与することを含む、対象において免疫応答の免疫細胞活性化を軽減する方法を特徴とする。一部の実施形態では、対象は自己免疫疾患を有する。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)又は本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物)を、対象に投与することを含む、対象における炎症又は炎症性疾患を治療する方法を特徴とする。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)又は本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物)を、対象に投与することを含む、対象において自己抗体のクリアランスを促進する又は抗原提示を抑制する方法を特徴とする。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を投与することによって治療され得る例示的な疾患には、関節リウマチ(RA);全身性エリテマトーデス(SLE);ANCA関連血管炎;抗リン脂質抗体症候群;自己免疫性溶血性貧血;慢性炎症性脱髄性ニューロパシー;移植における抗アロ(anti−allo)、GVHDにおける抗自己(anti−self)、抗置換、IgG治療、IgGパラプロテインのクリアランス;皮膚筋炎;グッドパスチャー症候群;抗体依存性細胞媒介性細胞障害により媒介される器官系を標的とするII型過敏症症候群、例えばギラン・バレー症候群、CIDP、皮膚筋炎、フェルティ症候群、抗体媒介性拒絶反応、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝疾患;突発性血小板減少性紫斑病;重症筋無力症、視神経脊髄炎;天疱瘡及び他の自己免疫性水疱性疾患;シェーグレン症候群;抗体依存性ファゴサイトーシスにより媒介される、自己免疫性血球減少症及び他の障害;例えば滑膜炎、皮膚筋炎、全身性血管炎、糸球体炎、及び血管炎である他のFcR依存性炎症症候群を含む。
別の態様では、この開示は、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはグリシンスペーサーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はグリシンスペーサーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む細胞培養培地であって、第一及び第二のポリペプチドのそれぞれが、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有し、第三及び第四のポリペプチドのそれぞれが、
の配列に対して、少なくとも95%の配列同一性を有し、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’及び第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成し、B及びB’のそれぞれが変異D399K及びK409Dを含み、A及びA’のそれぞれが変異S354C、T366W、及びE357Kを含み、第五及び第六のFcドメイン単量体のそれぞれが変異Y349C、T366S、L368A、Y407V、及びK370Dを含み、L及びL’のそれぞれが12〜30個のグリシンを含み、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれがC末端リシンを欠いている、細胞培養培地を特徴とする。
別の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、この開示の第一の態様のFcコンストラクト)の実質的に均質な集団を含む細胞培養培地を調製する方法を特徴とする。該方法は、a)細胞培養培地中において宿主細胞を提供することであって、該細胞がFcコンストラクト(例えば、この開示の第一の態様のFcコンストラクト)の第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれをコードするポリヌクレオチドを含むことと、b)Fcコンストラクトの形成及び細胞培養培地への分泌を可能にする条件下で、宿主細胞内でポリペプチドを発現させることと、c)細胞培養培地を回収することとを含む。
さらに、この開示はまた、開示の他のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む他の細胞培養培地と、こうした細胞培養培地を調製する方法とを特徴とする。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトは、抗原認識領域、例えば可変領域又は相補性決定領域(CDR)を含まない。一部の実施形態では、Fcコンストラクト(又はFcコンストラクト内のFcドメイン)は、異なるポリペプチド内に存在する、Fcドメイン単量体の会合によって全体的に又は一部形成される。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトは、抗原認識領域、例えば可変領域又はCDRを含む。或る実施形態では、Fcコンストラクトは、二つのポリペプチドの会合を促進する追加ドメイン(例えば、IgMテールピース(tailpiece)又はIgAテールピース)を含まない。他の実施形態では、連結してFcドメインを形成する二つのFcドメイン単量体の間にのみ、Fcコンストラクト内に、共有結合が存在する。他の実施形態では、Fcコンストラクトは、Fcドメイン間に共有結合を含まない。さらに他の実施形態では、Fcコンストラクトは、Fcコンストラクト内のFcドメインの全て又は実質的に全てが、細胞表面上のFc受容体と同時に相互作用することができるように、十分な構造的柔軟性を備える。一実施形態では、ドメイン単量体は、一次配列が野生型と異なる又は互いに異なるものであって、それらは、二量体形成選択性モジュール(dimerization selectivity module)を有する。
コンストラクトのFcドメインのうちのFcドメイン単量体は、同一の一次アミノ酸配列を有することが可能である。例えば、FcドメインのうちのFcドメイン単量体は両方とも同一の二量体形成選択性モジュールを有してよく、例えばFcドメインのうちのFcドメイン単量体が両方とも、CH3ドメイン間の界面において電荷をもつ残基の環の範囲内の少なくとも二つの位置において同一の逆電荷の変異を有することができる。
本明細書に記載のFcコンストラクトのいずれかにおいては、或るコンストラクトのFcドメインのうちのFcドメイン単量体は、二つのFcドメイン単量体間(すなわち、FcコンストラクトのFcドメイン単量体と他の単量体との間)において、異なる配列、例えば20個以下、15個以下、10個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、又は2個以下のアミノ酸である、20個以下のアミノ酸(例えば、15個以下、10個以下のアミノ酸)だけ異なる配列を有することが可能である。例えば、本明細書に記載のコンストラクトのうちのFcドメイン単量体配列は異なるものであってよいが、それはFcコンストラクトのいずれかの相補的な二量体形成選択性モジュールが、ドメイン単量体の一方のCH3抗体定常ドメイン内に操作された空洞と、Fcドメイン単量体の他方のCH3抗体定常ドメイン内に操作された突起とを含むことが可能であり、該操作された空洞及び該操作された突起は、Fcドメイン単量体の空洞に突起が挿入された対を形成するように位置決めされる。例示的な操作された空洞及び突起を表1に示している。他の実施形態では、相補的な二量体形成選択性モジュールは、ドメイン単量体の一方のCH3抗体定常ドメイン内に操作された(置換された)負電荷をもつアミノ酸と、Fcドメイン単量体の他方のCH3抗体定常ドメイン内に操作された(置換された)正電荷をもつアミノ酸とを含むものであって、負電荷をもつアミノ酸及び正電荷をもつアミノ酸は、相補的なドメイン単量体間においてFcドメインの形成を促進するように位置決めされる。例示的な相補的アミノ酸の変更を表2A〜2Cに示している。
この開示はまた、本明細書に記載の任意のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む医薬組成物を特徴とする。一実施形態では、医薬品使用適格の滅菌注射器又はバイアルが、医薬組成物を含有するものであって、唯一の活性成分が又は主要活性成分が、本明細書に記載のFcコンストラクトのうちのいずれか一つの実質的に均質な集団である。該医薬組成物は、例えば塩類、界面活性剤(detergent)、サーファクタント、充填剤、ポリマー、防腐剤、及び他の医薬品賦形剤から選択される、一つ又は複数の不活性成分を含んでもよい。
他の態様では、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクトのいずれかを含む医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、Fcコンストラクトは、異なるポリペプチド内に存在する、Fcドメイン単量体の会合によって少なくとも一部形成される。或る実施形態では、Fcコンストラクトは、異なるポリペプチド内に存在する、Fcドメイン単量体の会合によって形成される。これら実施形態では、Fcコンストラクトは、二つのポリペプチドの会合を促進する追加ドメイン(例えば、IgMテールピース又はIgAテールピース)を含まない。他の実施形態では、連結してFcドメインを形成する二つのFcドメイン単量体の間にのみ、共有結合(例えば、ジスルフィド架橋)が存在する。他の実施形態では、Fcコンストラクトは、Fcドメイン間に共有結合(例えば、ジスルフィド架橋)を含まない。さらに他の実施形態では、Fcコンストラクトは、Fcコンストラクト内のFcドメインの全て又は実質的に全てが、細胞表面上のFc受容体と同時に相互作用することができるように、十分な構造的柔軟性を備える。これら実施形態のいずれかのうちの或る実施形態では、Fcコンストラクトは、リンカー(例えば、柔軟なアミノ酸スペーサー)を介して連結する、少なくとも二つのFcドメインを含む。
別の態様では、この開示は、Fcドメイン単量体の選択的な二量体形成を促進する組成物及び方法を特徴とする。この開示は、Fcドメインを含むものであって、該Fcドメインのうちの二つのFcドメイン単量体が、CH3抗体定常ドメイン間の界面において電荷をもつ残基の環の範囲内の少なくとも二つの位置において同一の変異を含む。この開示はまた、こうしたFcドメインの作製方法を含み、CH3抗体定常ドメイン間の界面において電荷をもつ残基の環の範囲内の少なくとも二つの位置において二つのFcドメイン単量体配列内に同一の変異を有する相補的な二量体形成選択性モジュールを導入することを含む。CH3抗体定常ドメイン間の界面は、電荷をもつ残基の環により包囲される疎水性パッチ(hydrophobic patch)からなる。一つのCH3抗体定常ドメインが他と一体となるとき、これら電荷をもつ残基は、反対の電荷をもつ残基と共に対を形成する。残基の2以上の相補的な対の両要素の電荷が反転していることによって、変異したFcドメイン単量体は同じ変異の配列のFcドメイン単量体に対して相補性を維持するが、こうした変異なしではFcドメイン単量体に対する相補性はより小さい。この実施形態では、同一の二量体形成選択性モジュールが、ホモ二量体形成を促進する。こうしたFcドメインは、二重変異体である、K409D/D399K、K392D/D399K、E357K/K370E、D356K/K439D、K409E/D399K、K392E/D399K、E357K/K370D、又はD356K/K439Eを含有するFcドメイン単量体を含む。別の実施形態では、Fcドメインは、例えばK409D/D399K/E357K/K370Eである二重変異体の任意の対を結合した四重変異体を含むFcドメイン単量体を含む。
別の実施形態では、同一の二量体形成選択性モジュールに加えて、FcドメインのFcドメイン単量体は、特定の会合を促進する非同一の変異(例えば、操作された空洞と突起)を有する相補的な二量体形成選択性モジュールを有する。結果として、二つのFcドメイン単量体が、二つの二量体形成選択性モジュールを含み、互いに対して相補性を維持するが、他のFcドメイン単量体に対する相補性は小さい。この実施形態は、空洞含有Fcドメインと突起含有Fcドメイン単量体との間でのヘテロ二量体形成を促進する。一実施例では、両Fcドメイン単量体の電荷をもつ対の残基内の非同一の変異を有する相補的な二量体形成選択性モジュールが、一方のFcドメイン単量体上の突起及び他方のFcドメイン単量体上の空洞と組み合わされる。
本明細書に記載のFcコンストラクトのいずれかにおいては、Fcドメイン単量体の順序は入れ替え可能であるということが理解される。例えば、式A−L−Bを有するポリペプチドにおいて、Aのカルボキシ末端がLのアミノ末端と連結可能であり、またLはそのカルボキシ末端がBのアミノ末端と連結している。あるいは、Bのカルボキシ末端はLのアミノ末端と連結可能であり、またLはそのカルボキシ末端がCのアミノ末端と連結している。これら構成はどちらも式A−L−Bに含まれる。
定義:
ここで、「Fcドメイン単量体」という語は、少なくとも一つのヒンジドメインと第二の抗体定常ドメイン及び第三の抗体定常ドメイン(CH2及びCH3)を含むポリペプチド鎖又はその機能的断片(例えば、(i)他のFcドメイン単量体と二量体形成してFcドメインを形成することと、(ii)Fc受容体と結合することとが可能である断片)を指す。Fcドメイン単量体は、IgG、IgE、IgM、IgA、又はIgDを含む、任意の免疫グロブリン抗体アイソタイプとすることが可能である(例えば、IgG)。さらに、Fcドメイン単量体は、IgGサブタイプ(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、又はIgG4)とすることが可能である(例えば、IgG1)。Fcドメイン単量体は、抗原認識領域、例えば可変領域又は相補性決定領域(CDR)として機能することが可能である、免疫グロブリンの部分を何も含まない。Fcドメイン単量体は、野生型Fcドメイン単量体配列からの変更を10程度(例えば、1〜10、1〜8、1〜6、1〜4のアミノ酸置換、付加、又は欠失)含有することが可能であり、該変更は、FcドメインとFc受容体間の相互作用を変える。好適な変更の例は、この技術分野で公知である。
ここで、「Fcドメイン」という語は、Fc受容体を結合することが可能である二つのFcドメイン単量体による二量体を指す。野生型Fcドメインでは、二つのFcドメイン単量体が二つのCH3抗体定常ドメイン間の相互作用によって二量体形成するのみならず、二量体形成している二つのFcドメイン単量体のヒンジドメイン間に、一つ又は複数のジスルフィド結合を形成する。
本開示では、「Fcコンストラクト」という語は、本明細書に記載のFcドメインを形成する会合したポリペプチド鎖を指す(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)。本明細書に記載されるFcコンストラクトは、同一又は異なる配列を有するFcドメイン単量体を含むことが可能である。例えば、Fcコンストラクトは三つのFcドメインを有することが可能であり、そのうちの二つがIgG1又はIgG1由来のFcドメイン単量体を含み、三つ目がIgG2又はIgG2由来のFcドメイン単量体を含む。別の例では、Fcコンストラクトは三つのFcドメインを有することが可能であり、そのうちの二つが「空洞に突起が挿入された対(protuberance−into−cavity pair)」を含み、三つ目は「空洞に突起が挿入された対(protuberance−into−cavity pair)」を含まない。本開示では、Fcドメインは例えばVH、VL、CDR、又はHVRである、抗体の可変領域を含まない。Fcドメインは、例えばFcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIa、FcγRIIIb、FcγRIVであるFc受容体と結合する最小限の構造を形成する。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトは、抗原認識領域、例えば可変領域又は相補性決定領域(CDR)を含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトは、抗原認識領域、例えば可変領域又はCDRを含む。
ここで、「抗体定常ドメイン」という語は、抗体の定常領域ドメイン(例えば、CL抗体定常ドメイン、CH1抗体定常ドメイン、CH2抗体定常ドメイン、又はCH3抗体定常ドメイン)に相当するポリペプチドを指す。
ここで、「促進する」という語は、例えば他の別個のFcドメイン単量体に対するよりも、互いに高い結合親和性を有する二つのFcドメイン単量体でFcドメインを形成することを支持するといったように、促すこと及び支持することを意味する。本明細書に記載するように、結合してFcドメインを形成する二つのFcドメイン単量体は、それらの各CH3抗体定常ドメインの界面において適合可能なアミノ酸修飾(例えば、操作された突起及び操作された空洞)を有することが可能である。適合可能なアミノ酸修飾は、こうしたアミノ酸修飾を有さない、又は適合しないアミノ酸修飾をもつ他のFcドメイン単量体よりも、こうしたFcドメイン単量体同士での選択的な相互作用を促進する又は支持する。これは、相互作用する二つのCH3抗体定常ドメインの界面におけるアミノ酸修飾に起因して、Fcドメイン単量体が、アミノ酸修飾を有さない他のFcドメイン単量体に対するよりも互いに対して高い親和性を有することを理由に起こる。
ここで「二量体形成選択性モジュール」という語は、二つのFcドメイン単量体間の好都合な対形成を促進するFcドメイン単量体の配列を指す。「相補的」な二量体形成選択性モジュールは、二つのFcドメイン単量体の互いに対する選択的な相互作用を促進する又は支持する二量体形成選択性モジュールである。相補的な二量体形成選択性モジュールは、同一の配列又は異なる配列を有することが可能である。例示的な相補的な二量体形成選択性モジュールを本明細書に記載している。
ここで「操作された空洞(engineered cavity)」という語は、CH3抗体定常ドメイン内の本来のアミノ酸残基のうちの少なくとも一つが、本来のアミノ酸残基よりも低分子量の側鎖を有する異なるアミノ酸残基で置換されることによって、CH3抗体定常ドメイン内に形成された三次元の空洞を指す。「本来のアミノ酸残基」という語は、野生型のCH3抗体定常ドメインの遺伝コードによってコードされた天然のアミノ酸残基を指す。
ここで「操作された突起(engineered protuberance)」という語は、CH3抗体定常ドメイン内の本来のアミノ酸残基のうちの少なくとも一つが、本来のアミノ酸残基よりも高分子量の側鎖を有する異なるアミノ酸残基で置換されることによって、CH3抗体定常ドメイン内に形成された三次元の突起を指す。「本来のアミノ酸残基」という語は、野生型のCH3抗体定常ドメインの遺伝コードによってコードされた天然のアミノ酸残基を指す。
「空洞に突起が挿入された対」という語は、第一のFcドメイン単量体がそのCH3抗体定常ドメイン内に操作された空洞を含む一方で、第二のFcドメイン単量体がそのCH3抗体定常ドメイン内に操作された突起を含むものである二つのFcドメイン単量体を含んだFcドメインを説明するものである。空洞に突起が挿入された対においては、第一のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメイン内の操作された突起は、該突起が第二のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメイン内の操作された空洞と、CH3抗体定常ドメイン間の界面における二量体の正常な会合を有意に邪魔することなく相互作用するように配置される。
ここで、「ヘテロ二量体Fcドメイン」という語は、二つのFcドメイン単量体のヘテロ二量体形成によって形成されるFcドメインを指すものであって、該二つのFcドメイン単量体は、これら二つのFcドメイン単量体の好ましい形成を促進する異なる逆電荷の変異(例えば、表2Aの変異を参照)を含有する。図1及び2に示すように、三つのFcドメインである、一つのカルボキシル末端「幹」Fcドメインと二つのアミノ末端「枝」Fcドメインとを有するFcコンストラクトにおいては、アミノ末端「枝」Fcドメインのそれぞれが、ヘテロ二量体のFcドメイン(「枝ヘテロ二量体Fcドメイン」とも称する)であり得る(例えば、図1のFcドメイン単量体106及び114、又はFcドメイン単量体112及び116によって形成されるヘテロ二量体Fcドメイン、図2のFcドメイン単量体206及び214、又はFcドメイン単量体212及び216によって形成されるヘテロ二量体Fcドメイン)。
ここで「ホモ二量体Fcドメイン」という語は、二つのFcドメイン単量体のホモ二量体形成によって形成されるFcドメインを指すものであって、該二つのFcドメイン単量体は、同一の逆電荷の変異(例えば、表2B及び2Cの変異を参照)を含有する。図1及び2に示すように、三つのFcドメインである、一つのカルボキシル末端「幹」Fcドメインと二つのアミノ末端「枝」Fcドメインとを有するFcコンストラクトにおいては、カルボキシ末端「幹」Fcドメインが、ホモ二量体のFcドメイン(「幹ホモ二量体Fcドメイン」とも称する)であり得る(例えば、図1のFcドメイン単量体104及び110によって形成されるホモ二量体Fcドメイン、図2のFcドメイン単量体204及び210によって形成されるホモ二量体Fcドメイン)。
ここで「ヘテロ二量体形成選択性モジュール」という語は、適合するヘテロ二量体形成選択性モジュールを有する二つのFcドメイン単量体の好ましいヘテロ二量体形成を促進するために、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメイン内に作製することが可能である、操作された突起、操作された空洞、及び特定の逆電荷のアミノ酸置換を指す。ヘテロ二量体形成選択性モジュールを含有するFcドメイン単量体が結合して、ヘテロ二量体Fcドメインを形成し得る。ヘテロ二量体形成選択性モジュールの例を、表1及び2Aに示している。
ここで「ホモ二量体形成選択性モジュール」という語は、Fcドメイン単量体のホモ二量体形成を促進してホモ二量体Fcドメインを形成するCH3ドメイン間の界面において電荷をもつ残基の環の範囲内の少なくとも二つの位置におけるFcドメイン単量体内の逆電荷の変異を指す。ホモ二量体形成選択性モジュールの例を、表2A及び2Bに示している。
ここで、「連結する」という語は、化学的な連結、組換え手段、ならびに例えばジスルフィド結合及びアミド結合である化学結合を含む手段によって、2以上の成分、要素、成分、又は例えばポリペプチドであるタンパク質ドメインを組み合わせる又は結合させることを説明するために用いる。例えば、二つの単一ポリペプチドを連結して、化学的な連結、化学結合、ペプチドリンカー又はその他の共有結合手段を介して、一つの隣接し合うタンパク質構造を形成することが可能である。一部の実施形態では、第一のFcドメイン単量体が、ペプチドリンカーを介して第二のFcドメイン単量体に連結するものであって、該ペプチドリンカーのN末端が、例えばペプチド結合である化学結合を介して、第一のFcドメイン単量体のC末端に連結し、またペプチドリンカーのC末端が、例えばペプチド結合である化学結合を介して、第二のFcドメイン単量体のN末端に連結する。他の実施形態では、アルブミン結合ペプチドのN末端が、上記に記載したものと同一の方式で、リンカーを介してFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのC末端に連結する。
ここで、「会合した」という語は、ポリペプチド(又は一つの単一ポリペプチド内の配列)が、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を形成するように位置されるように、例えば水素結合、疎水性相互作用、又はイオン性相互作用であるポリペプチド(又は一つの単一ポリペプチド内の配列)間の相互作用を説明するために用いる。例えば、一部の実施形態では、例えば二つのFcドメイン単量体をそれぞれ含む二つのポリペプチドと、一つのFcドメイン単量体をそれぞれ含む二つのポリペプチドとである四つのポリペプチドが会合して、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトを形成する(例えば、図1及び2に図示するとおり)。四つのポリペプチドは、それらの各Fcドメイン単量体を介して会合することが可能である。ポリペプチド間の会合は、共有結合相互作用を含まない。
ここで「リンカー」という語は、二つの要素間、例えばタンパク質ドメイン間の結合を指す。リンカーは、共有結合又はスペーサーとすることが可能である。「結合」という語は、化学結合、例えばアミド結合もしくはジスルフィド結合、又は、例えば化学的な連結である化学反応により形成される任意の種類の結合を指す。「スペーサー」という語は、二つのポリペプチド又はポリペプチドドメイン間に生じて二つのポリペプチドもしくはポリペプチドドメイン間に空間及び/又は柔軟性をもたらすような、部分(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー)又はアミノ酸配列(例えば、3〜200アミノ酸、3〜150アミノ酸、3〜100アミノ酸、3〜60アミノ酸、3〜50アミノ酸、3〜40アミノ酸、3〜30アミノ酸、3〜20アミノ酸、3〜10アミノ酸、3〜8アミノ酸、3〜5アミノ酸、4〜30アミノ酸、5〜30アミノ酸、6〜30アミノ酸、8〜30アミノ酸、10〜20アミノ酸、10〜30アミノ酸、12〜30アミノ酸、14〜30アミノ酸、20〜30アミノ酸、15〜25アミノ酸、15〜30アミノ酸、18〜22アミノ酸、及び20〜30アミノ酸の配列)を指す。アミノ酸スペーサーは、ポリペプチドの一次配列の一部(例えば、ポリペプチド骨格を介して、離間したポリペプチド又はポリペプチドドメインに連結されるような)である。例えばFcドメインを形成する二つのヒンジ領域又は二つのFcドメイン単量体の間におけるジスルフィド結合の形成は、リンカーとは考えない。
ここで「グリシンスペーサー」という語は、二つのFcドメイン単量体を直列に連結する、グリシンのみを含有するリンカーを指す。グリシンスペーサーは、少なくとも4、8、10、12、14、16、18、又は20個のグリシン(例えば、4〜30、8〜30、12〜30、12〜50、12〜100、又は12〜200個のグリシン、例えば、12〜30、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個のグリシン)を含有し得る。一部の実施形態では、グリシンスペーサーは、GGGGGGGGGGGGGGGGGGGG(配列番号:27)の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
ここで、「アルブミン結合ペプチド」という語は、血清アルブミンに対する親和性及び血清アルブミンを結合する機能を有する12〜16のアミノ酸のアミノ酸配列を指す。アルブミン結合ペプチドは、例えばヒト、マウス、又はラットである様々な起源のものとすることが可能である。本開示の一部の実施形態では、アルブミン結合ペプチドがFcドメイン単量体のC末端と融合して、Fcコンストラクトの血中半減期を増加させる。アルブミン結合ペプチドは、直接又はリンカーを介して、Fcドメイン単量体のN末端又はC末端と融合することが可能である。
ここで、「精製用ペプチド」という語は、ポリペプチドの精製、単離、又は同定に用いることが可能である任意の長さのペプチドを指す。精製用ペプチドは、ポリペプチドに連結して、例えば細胞溶解混合物からの、ポリペプチドの精製及び/又はポリペプチドの単離を支援し得る。一部の実施形態では、精製用ペプチドは、精製用ペプチドに対して特異的な親和性を有する別の部分と結合する。一部の実施形態では、精製用ペプチドと特異的に結合するこうした部分は、基剤、樹脂、又はアガロースビーズ等の固相支持体に結合する。Fcコンストラクトと連結し得る精製用ペプチドの例は、本明細書でさらに詳細に記載する。
ここで「多量体」という語は、本明細書に記載の少なくとも二つの会合したFcコンストラクトを含む分子を指す。
ここで「抗原認識領域」という語は、抗体の抗原に対する認識及び結合を担う、抗体の軽鎖及び重鎖の部分を指す。抗原認識領域は、相補性決定領域(CDR、例えばCDR L1、CDR L2、CDR L3、CDR H1、CDR H2、及びCDR H3)及びフレームワーク領域(FR)を含む、軽鎖及び重鎖の可変領域(Fab)を含む。
ここで「免疫応答の免疫細胞活性化」という句は、免疫複合体又はFcコンストラクトの、細胞(例えば、免疫細胞(例えば、単球))上のFcγ受容体(FcγR)(例えば、活性化FcγR、例えばFcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIa、又はFcγRIIIb)との結合によって誘導される又は活性化される免疫応答を指す。免疫複合体は、抗体が抗原と結合することで形成される抗原−抗体複合体である。免疫複合体はしばしば、FcγRを凝集して、かつ、炎症、感染症、及び他の疾患において重要な役割を果たす細胞内プロセスを抑制又は活性化する、複数のFcドメインを有する。一部の実施形態では、この開示のFcコンストラクトは、FcγRと結合して、免疫細胞(例えば、単球)上でシグナル伝達する活性化FcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIa、又はFcγRIIIb)を誘導することができる。FcγR−発現細胞におけるキナーゼリン酸化(例えば、Sykリン酸化)及びカルシウム流入等である、或る下流のシグナル伝達事象の測定を用いて、免疫複合体又はFcコンストラクトの結合によって引き起こされる免疫応答の免疫細胞活性化を検出することができる。例えば、細胞のキナーゼリン酸化(例えば、Sykリン酸化)のレベル又はカルシウム流入のレベルが、免疫複合体又はFcコンストラクトによる活性化を何も含まない、細胞のキナーゼリン酸化(例えば、Sykリン酸化)のレベル又はカルシウム流入のレベルよりも、少なくとも5倍高い、例えば5〜100倍(例えば、5〜100、10〜95、15〜90、20〜85、25〜80、30〜75、35〜70、40〜65、45〜60、又は50〜55倍、例えば5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、30倍、31倍、32倍、33倍、34倍、35倍、36倍、37倍、38倍、39倍、40倍、41倍、42倍、43倍、44倍、45倍、46倍、47倍、48倍、49倍、50倍、51倍、52倍、53倍、54倍、55倍、56倍、57倍、58倍、59倍、60倍、61倍、62倍、63倍、64倍、65倍、66倍、67倍、68倍、69倍、70倍、71倍、72倍、73倍、74倍、75倍、76倍、77倍、78倍、79倍、80倍、81倍、82倍、83倍、84倍、85倍、86倍、87倍、88倍、89倍、90倍、91倍、92倍、93倍、94倍、95倍、96倍、97倍、98倍、99倍、又は100倍)高いものである場合に、免疫応答の免疫細胞活性化が誘導される。
ここで「ファゴサイトーシス」という語は、細胞、しばしば食細胞(例えば、単球)が別の細胞、粒子、又は病原体(例えば、微生物又は寄生体)を取り込んでファゴソームを形成するものである、エンドサイトーシスの形態を指す。免疫系では、ファゴサイトーシスは、疾患細胞(例えば、癌細胞、感染細胞、又は死細胞)、病原体及び細胞片を除去するために用いられる主要な機序である。別の細胞(例えば、食細胞(例えば、単球))により貪食されるものとして標的化される細胞を、標的細胞と称する。例えば、この開示のFcコンストラクトが、免疫細胞上のFcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIa、又はFcγRIIIb)と結合することによって活性化される免疫細胞(例えば、単球)は、対象における癌細胞又は感染細胞であり得る標的細胞を貪食し得る。
ここで、標的細胞のファゴサイトーシスを「増加する(させる)」又は「増加する(させる)こと」とは、この開示のFcコンストラクトが免疫細胞(例えば、単球)上のFcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIa、又はFcγRIIIb)と結合することによって誘導されるファゴサイトーシスが、Fcコンストラクトによる誘導なく発生するファゴサイトーシスのレベルと比較して、増加することを指す。例えば、ファゴサイトーシスのレベルが、Fcコンストラクトによる誘導なく発生するファゴサイトーシスのレベルよりも少なくとも10%高い、例えば10〜100%(例えば、10〜100%、15〜95%、20〜90%、25〜85%、30〜80%、35〜75%、40〜70%、45〜65%、又は50〜60%、例えば10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)高いものである場合、標的細胞のファゴサイトーシスは増加する。
ここで、「癌を治療する」という語は、対象における癌の治療的処置を指す。治療的処置は、癌の進行を遅らせ、対象の予後を改善し、及び/又は癌を除去する。
ここで、「感染症を治療する」という語は、対象における感染症の治療的処置を指す。治療的処置は、感染症の進行を遅らせ、対象の予後を改善し、及び/又は感染症を除去する。
ここで「感染症」という語は、例えば細菌、ウイルス、真菌、寄生虫、原生動物、節足動物ならびに他の微生物、寄生体、及び虫等の病原体による、対象の細胞、組織、及び/又は器官への侵入を指す。一部の実施形態では、病原体は、対象の細胞、組織、及び/又は器官中で成長し、増殖し、及び/又は毒素を生成し得る。一部の実施形態では、対象は病原体に対してネガティブな反応(すなわち、アレルギー反応又は免疫応答)を発生し得る。感染症の例としては、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、及び原生動物感染症が挙げられるが、これらに限定されない。
ここで「細菌感染症」という語は、一つ又は複数の細菌によって引き起こされる感染症を指す。感染症の原因となる細菌の例は、この技術分野で周知であり、レンサ球菌(Streptococcus)属の細菌(例えば、A群レンサ球菌(Streptococcus pyogenes))、エシェリキア(Escherichia)属の細菌(例えば、大腸菌)、ビブリオ(Vibrio)属の細菌(例えば、コレラ菌(Vibrio cholerae))、腸炎(Enteritis)属の細菌(例えば、サルモネラ腸炎(Enteritis salmonella))、及び、サルモネラ(Salmonella)属の細菌(例えば、チフス菌(Salmonella typhi)が挙げられるがこれらに限定されない。
ここで「ウイルス感染症」という語は、一つ又は複数のウイルスによって引き起こされる感染症を指す。感染症の原因となるウイルスの例は、この技術分野で周知であり、レトロウイルス科のウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV))、アデノウイルス科のウイルス(例えば、アデノウイルス)、ヘルペスウイルス科のウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型及び2型)、パピローマウイルス科のウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV))、ポックスウイルス科のウイルス(例えば、天然痘)、ピコルナウイルス科のウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス)、ヘパドナウイルス科のウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス科のウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、西ナイルウイルス)、トガウイルス科のウイルス(例えば、ルビウイルス)、オルトミクソウイルス科のウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、フィロウイルス科のウイルス(エボラウイルス、マールブルグウイルス)、及び、パラミクソウイルス科のウイルス(例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス)が挙げられるがこれらに限定されない。
ここで「真菌感染症」という語は、一つ又は複数の真菌によって引き起こされる感染症を指す。感染症の原因となる真菌の例は、この技術分野で周知であり、アスペルギルス属(Aspergillus)の真菌(例えば、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(A.flavus)、アスペルギルス・テレウス(A.terreus)、アスペルギルス・ニガー(A.niger)、アスペルギルス・カンジダス(A.candidus)、アスペルギルス・クラバツス(A.clavatus)、アスペルギルス・オクラセウス(A.ochraceus))、カンジダ属(Candida)の真菌(例えば、カンジダ・アルビカンス( Candida albicans)、カンジダ・パラプローシス(C.parapsilosis)、カンジダ・グラブラタ(C.glabrata)、カンジダ・ギリエルモンジィ(C.guilliermondii)、カンジダ・クルセイ(C.krusei)、カンジダ・ルシタニエ(C.lusitaniae)、カンジダ・トロピカリス(C.tropicalis))、クリプトコックス属(Cryptococcus)の真菌(例えば、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、及び、ファサリウム属( Fusarium)の真菌(例えば、フザリウム・ソラニ( Fusarium solani)、フザリウム・ベルチシリオイデス(F.verticillioides)、フザリウム・オキシスポラム(F.oxysporum)が挙げられるがこれらに限定されない。
ここで「寄生虫感染症」という語は、一つ又は複数の寄生虫によって引き起こされる感染症を指す。寄生虫の例としては、サナダムシ(条虫類(cestode))、回虫(線虫類(nematode))、吸虫(吸虫類(trematode))、及び単生類が挙げられるがこれらに限定されない。
ここで「原生動物感染症」という語は、一つ又は複数の原生動物によって引き起こされる感染症を指す。原生動物の例としては、エントアメーバ属(Entamoeba)の原生動物(例えば、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica))、マラリア原虫属(Plasmodium)の原生動物(例えば、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、四日熱マラリア原虫(P.malariae)、ジアルディア属(Giardia)の原生動物(例えば、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、及び、トリパノソーマ属(Trypanosoma)の原生動物(例えば、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei))が挙げられるがこれらに限定されない。
ここで「ポリヌクレオチド」という語は、オリゴヌクレオチド又はヌクレオチド、及びその断片又は部分を指し、またゲノム由来もしくは合成由来のDNA又はRNAを指し、それは一本鎖又は二本鎖であり、センス鎖又はアンチセンス鎖を表し得る。単一のポリヌクレオチドが、単一のポリペプチドに翻訳される。
ここで「ポリペプチド」という語は、モノマーがアミド結合を介して共に連結するアミノ酸残基であるような単一のポリマーを説明している。ポリペプチドは、天然、組換え、又は合成的に産生されるかのいずれかである任意のアミノ酸配列を包含することを意図する。
ここで「アミノ酸位置」という語は、タンパク質又はタンパク質ドメイン内のアミノ酸の位置番号を指す。抗体又はFcコンストラクトのアミノ酸位置は、Kabatナンバリングシステム(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,ed 5,1991)を用いて番号付けた。
ここで「アミノ酸修飾」という語は、参照配列(例えば、野生型の、非変異の、又は修飾されていないFc配列)と比較して、Fcコンストラクトの、薬物動態(PK)及び/又は薬力学(PD)の性質、血中半減期、エフェクタ機能(例えば、細胞溶解(例えば、抗体依存性細胞媒介毒性(ADCC)及び/又は補体依存性細胞毒性活性(CDC))、ファゴサイトーシス(例えば、抗体依存性細胞ファゴサイトーシス(ADCP)及び/又は補体依存性細胞毒性(CDCC))、免疫活性化及びT−細胞活性化)、Fc受容体に対する親和性(例えば、Fc−ガンマ受容体(FcγR)(例えば、FcγRI(CD64)、FcγRIIa(CD32)、FcγRIIb(CD32)、FcγRIIIa(CD16a)、及び/又はFcγRIIIb(CD16b))、Fc−アルファ受容体(FcαR)、Fc−イプシロン受容体(FcεR)、及び/又は胎児性Fc受容体(FcRn))、補体カスケードに関与するタンパク質に対する親和性(例えば、C1q)、翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、シアリル化)、凝集性(例えば、二量体(例えば、ホモ二量体及び/又はヘテロ二量体)及び/又は多量体を形成する能力)、及び、生物物理学的性質(例えば、CH1及びCL間の相互作用を変える、安定性を変える、ならびに/又は、温度及び/もしくはpHに対する感受性を変える)上の効果を有し得る、また免疫学的な及び炎症性疾患、癌ならびに感染症の治療の効能の改善を促進し得るような、Fcドメインのポリペプチド配列の変更を指す。アミノ酸修飾は、アミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入を含む。一部の実施形態では、アミノ酸修飾は単一アミノ酸修飾である。他の実施形態では、アミノ酸修飾は、複数の(例えば1以上)アミノ酸の修飾である。アミノ酸修飾は、アミノ酸置換、欠失、及び/又は挿入の組み合わせを含んでもよい。アミノ酸修飾の説明には、Fcポリペプチドに対してコードするヌクレオチド配列の、点突然変異(例えば、単一のヌクレオチドの他のものとの交換)、挿入及び欠失(例えば一つ又は複数のヌクレオチドの付加及び/又は除去)等の、遺伝子(すなわち、DNA及びRNA)の変更である。
或る実施形態では、Fcコンストラクト内の少なくとも一つ(例えば、少なくとも1、2、又は3個)のFcドメインがアミノ酸修飾を含む。一部の例では、少なくとも一つのFcドメインが、一つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は20個、又はそれ以上)のアミノ酸修飾を含む。一部の例では、少なくとも一つのFcドメインが、16個以下のアミノ酸修飾(例えば、1個以下、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、10個以下、11個以下、12個以下、13個以下、14個以下、15個以下、又は16個以下のアミノ酸修飾)を含む。一部の場合では、Fcドメイン単量体が、10個以下のアミノ酸修飾を含む。一部の場合では、Fcドメイン単量体が、12個以下のアミノ酸修飾を含む。一部の場合では、Fcドメイン単量体が、14個以下のアミノ酸修飾を含む。
ここで「パーセント(%)同一性」という語は、例えば本明細書に記載のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体の配列である候補配列のアミノ酸(又は核酸)残基であって、配列を整列させて、必要であれば最大のパーセント同一性を達成するようにしてギャップを導入した後で(すなわち、最適なアラインメントのために候補配列及び参照配列の一方又は両方においてギャップを導入することが可能であり、比較目的のために非均一の配列は無視することが可能である)、野生型のFcドメイン単量体の配列等の参照配列のアミノ酸(又は核酸)残基に対して一致している、候補配列のアミノ酸(又は核酸)残基の百分率を指すものである。パーセント同一性の決定のためのアラインメントは、この分野の技術の範囲内である種々の方法で、例えば、BLAST、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の公に利用可能であるコンピュータソフトウェアを用いて達成することが可能である。当業者は、比較している配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメント測定用の適切なパラメータを決定することが可能である。一部の実施形態では、所与の参照配列との、該参照配列での又は該参照配列に対する、所与の候補配列のパーセントアミノ酸(又は核酸)配列同一性(あるいは、所与の参照配列との、該参照配列での又は該参照配列に対する、特定のパーセントアミノ酸(又は核酸)配列同一性を有する又は含む、所与の候補配列と表すことがある)は、以下のとおりに計算される:
100×(A/Bの分数)
式中、Aは候補配列及び参照配列のアラインメント内で同一として採点されたアミノ酸(又は核酸)残基の数であり、Bは参照配列内のアミノ酸(又は核酸)残基の総数である。候補配列の長さが参照配列の長さと等しくない場合の一部の実施形態では、参照配列に対する候補配列のパーセントアミノ酸(又は核酸)配列同一性は、候補配列に対する参照配列のパーセントアミノ酸(又は核酸)配列同一性と等しくないはずである。
特定の実施形態では、候補配列の全長にわたって又は候補配列の連続的なアミノ酸(又は核酸)残基の選択された部分にわたって、候補配列が50%〜100%の同一性(例えば、50%〜100%、60%〜100%、70%〜100%、80%〜100%、90%〜100%、92%〜100%、95%〜100%、97%〜100%、99%〜100%、又は99.5%〜100%の同一性)をみせるということを、候補配列との比較のために整列した参照配列が示し得る。比較の目的のために整列された候補配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は100%である。候補配列内のある位置が参照配列内の対応する位置と同じアミノ酸(又は核酸)残基で占有されている場合であれば、分子同士はその位置において一致している。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、野生型のFcドメイン単量体の配列(例えば、配列番号:42)と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、配列番号:44、46、48、及び50〜53のいずれか一つの配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。或る実施形態では、Fcコンストラクト内のFcドメイン単量体は、配列番号:48、52、及び53の配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体(例えば、複数のFcドメインを有するFcコンストラクト)は、最大10(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ配列を有することができる。一部の例では、少なくとも一つのFcドメインが、16個以下のアミノ酸修飾(例えば、1個以下、2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、10個以下、11個以下、12個以下、13個以下、14個以下、15個以下、又は16個以下のアミノ酸修飾)を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の二つのFcドメイン単量体を有するポリペプチド(例えば、図1のポリペプチド102及び108、図2のポリペプチド202及び208)は、配列番号:43、45、47、及び49のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。或る実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の二つのFcドメイン単量体を有するポリペプチドは、配列番号:49の配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。
一部の実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のスペーサーは、本明細書でさらに記載する配列番号:1〜36(例えば、配列番号:17、18、26、及び27)のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも75%同一(例えば、75%、77%、79%、81%、83%、85%、87%、89%、91%、93%、95%、97%、99%、99.5%、又は100%同一)である配列を有することができる。
ここで「宿主細胞」という語は、タンパク質をそれらの対応する核酸から発現するのに必要であるような、例えばオルガネラである、必要な細胞成分を含む担体を指す。核酸は典型的に、この技術分野で公知の従来の技術(形質転換、トランスフェクション、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、直接の微量注入等)によって宿主細胞内に導入されることが可能である核酸ベクター中に含まれる。宿主細胞は、例えば細菌細胞である原核細胞、又は、例えば哺乳動物細胞(例えばCHO細胞)である真核細胞とすることができる。本明細書に記載するように、宿主細胞を用いて、その後結合して所望のFcコンストラクトを形成することが可能である所望のドメインをコードする一つ又は複数のポリペプチドを発現する。
ここで「医薬組成物」という語は、活性成分のみならず、活性成分を投与方法に好適であるようにさせることが可能である、一つ又は複数の賦形剤及び希釈剤を含有する薬用製剤又は医薬製剤を指す。本開示の医薬組成物は、Fcコンストラクトと互換性がある、薬剤的に許容できる成分を含む。該医薬組成物は典型的に、静脈投与又は皮下投与のために水性形態である。
ここでポリペプチド又はFcコンストラクトの「実質的に均質な集団」は、組成物(例えば、細胞培養培地又は医薬組成物)中のポリペプチド又はFcコンストラクトのうちの少なくとも50%が、非還元SDSゲル電気泳動又はサイズ排除クロマトグラフィーにより決定されるように、同数のFcドメインを有するというものである。ポリペプチドの又はFcコンストラクトの実質的に均質な集団(例えば、少なくとも85%、90%、又は95%均質である集団)は、精製前、又は、プロテインAもしくはプロテインG精製後、又は、任意のFabもしくはFc特異的なアフィニティークロマトグラフィー単独の後で、得ることができる。種々の実施形態では、組成物中のポリペプチド又はFcコンストラクトのうちの少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、又は85%が、同数のFcドメインを有する。他の実施形態では、組成物中のポリペプチドの又はFcコンストラクトのうちの最大85%、90%、92%、又は95%が、同数のFcドメインを有する。
ここで「薬剤的に許容できるキャリア」という語は、医薬組成物中の賦形剤又は希釈剤を指す。薬剤的に許容できるキャリアは、製剤の他の成分と互換性があり、摂取者にとって有害でないものでなくてはならない。本開示では、薬剤的に許容できるキャリアは、Fcコンストラクトに対して十分な薬剤的安定性を与える必要がある。キャリアの性質は、投与形態によって異なる。例えば、経口投与では、固形キャリアが好ましく、静脈内投与では概して、水溶液キャリア(例えば、WFI及び/又は緩衝液)が用いられる。
ここで「治療有効量」は、例えば薬剤投与量である、対象もしくは患者において所望の生物学的な効果の誘導に、又は、本明細書に記載の状態又は障害を有する患者の治療に有効である量を指す。本明細書においては、「治療有効量」が、単回投与又は任意の投薬もしくは経路での摂取、単独で、又は他の治療薬剤と組み合わせての摂取のいずれでも、所望の治療効果をもたらす量として解釈できるということも理解されたい。
発明の詳細な説明
IgGのFcドメインを含む治療用タンパク質を用いて、炎症ならびに免疫疾患及び炎症性疾患、癌ならびに感染症を治療することが可能である。本開示は、Fcドメインを含有するFcコンストラクト(例えば、2〜10個のFcドメインを有するFcコンストラクト、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のFcドメインを有するFcコンストラクト)を調製する組成物及び方法を特徴とする。本明細書に記載のFcコンストラクトは、製造結果を有意に向上させる構造的特徴(例えば、グリシンスペーサー)を組み込むことによって、均質な医薬組成物の調製を促進する。
したがって、この開示は、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)の実質的に均質な集団を含む医薬組成物を特徴とする。均質性は薬物動態及び生体内での組成物の性能に影響するため、均質性は医薬組成物の重要な側面である。従来、医薬品の製造においては、製品の製造方法に依存していくつかの因子によって引き起こされ得る、製品の均質性の問題が存在している。例えば、医薬品は、ランダムな産物の切断、タンパク質加水分解、分解、及び/もしくは凝集、適切でないサブユニットの会合、ならびに/又は効率の悪いタンパク質フォールディングを経るものであり得る。様々な生合成過程又は医薬品製造のために用いられる細胞機械(cellular machinery)を有する様々な有機体がまた、産物内に異種構造を引き起こし得る。しばしば、所望の医薬品を含有する初期培養は、厳しい精製過程を経て、医薬品を含有する異種性の低い組成物を生成することが必要とされる。
一態様では、この開示は、Fcコンストラクトのフォールディング効率を有意に改善し、かつ、適切でないサブユニットの会合を最小限にするような構造的特徴を有するFcコンストラクトを特徴とし、これによって高い均質性をもつこれらFcコンストラクトを含有する医薬組成物を導く。高度な均質性を有することで、医薬組成物の安全性、効能、均一性、及び信頼性が保証される。また高度な均質性を有することで、望まない物質によって引き起こされる医薬品の可能性のある凝集又は分解(例えば、産物の分解及び/又は産物もしくは多量体の凝集を最小限にするのみならず、望まない物質によって引き起こされる適切でなく有害な副作用を制限する。
本明細書において詳細に記載するように、この開示は、同数のFcドメインを全てが有するFcコンストラクトを含有する実質的に均質のみならず、こうした実質的に均質な組成物を調製する方法を特徴とする。
本明細書に記載のFcコンストラクトは、Fcドメイン間にグリシンスペーサーを含む。この技術分野で周知であるように、セリン及びグリシンの両方を含有するリンカーは、タンパク質中で構造的柔軟性を提供するものであり、二つのポリペプチドの連結に通常用いられる。実験を通して(実施例4を参照)、セリン及びグリシンの両方を含有するリンカーは、リンカー内の複数のセリンにおいてO−グリコシル化(O−glycosylation)(例えば、O−キシロシル化)を受け、セリンのN末端においてタンパク質分解を受ける、ということが観察された。我々は、リンカーの配列と長さを最適化して、Fcコンストラクトの均質性をさらに向上させることを目指した。我々は、コンストラクト内の全てのリンカーを、グリシンのみを有するグリシンスペーサー(例えば、少なくとも12のグリシン、例えば、12〜30のグリシン、例えば、20のグリシン、配列番号:27)とするようなFcコンストラクトを作製した。Fcコンストラクト内にオールグリシンスペーサーを有することで、セリンにおけるO−グリコシル化が除去され、またコンストラクトのタンパク質分解速度が減少することによってFcコンストラクトの均質性がさらに向上した(実施例4を参照)。結果的に、Fcコンストラクト内にオールグリシンスペーサーを用いることによって、Fcコンストラクトのより実質的に均質な集団を達成することができた。
均質性は、Fcコンストラクト組成物の結果である。例えば、第一のアプローチ(「アプローチ(a)」)では、グリシンのみを含有するリンカーを組み込んでFcドメイン単量体を連結することを利用することができる。実験を通して観察されたように、Fcコンストラクト内のオールグリシンスペーサー(例えば、少なくとも12のグリシン、例えば、12〜30のグリシン、配列番号:27)は、O−グリコシル化を受けず、セリン及びグリシンを含む従来のリンカーと比較してタンパク質分解の影響を受けにくかった(実施例4を参照)。
さらに、別のアプローチ(「アプローチ(b)」)では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する組成物の均質性は、C末端リシンを除去することによって向上する。こうしたC末端リシン残基は、多くの種にわたって免疫グロブリン中で高度に保護されるが、タンパク質産生中に分子機械によって完全に又は部分的に除去できる。この開示のFcコンストラクトのC末端リシンの除去により、得られる組成物の均一性が向上し、より均質なFcコンストラクトの調製が達成される(実施例8を参照)。例えば、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)の一部の実施形態では、C末端リシンのコドンを除去し、それによってC末端リシン残基のないポリペプチドを有するFcコンストラクトと、結果物の均質な集団とを生成する。
本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する組成物の均質性を向上するさらなるアプローチ(「アプローチ(c)」)では、以下のヘテロ二量体形成選択性モジュールの二つのセットを利用した:(i)異なる逆電荷の変異を有するヘテロ二量体形成選択性モジュール、及び、(ii)操作された空洞及び突起を有するヘテロ二量体形成選択性モジュール。例えば実施例6で参照される実験を通して、Fcコンストラクト内にヘテロ二量体Fcドメインを形成しようとする場合に、(i)及び(ii)の両方を有することで、Fcドメイン単量体の制御されない会合と、それによる望まないオリゴマー及び多量体とが軽減されることによって、生成される医薬組成物の均質性をさらに向上するということが観察された。特定の実施例では、(i)少なくとも一つの逆電荷の変異と、(ii)少なくとも一つの操作された空洞又は少なくとも一つの操作された突起とを含有するFcドメイン単量体を生成することができ、(i)少なくとも一つの逆電荷の変異と、(ii)少なくとも一つの操作された突起又は少なくとも一つの操作された空洞とを含有する他のFcドメイン単量体と選択的に結合してFcドメインを形成することとなる。別の実施例では、反転した電荷の変異K370Dと、操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY407Vとを含有するFcドメイン単量体と、反転した電荷の変異E357Kと、操作された突起S354C及びT366Wとを含有する他のFcドメイン単量体とを生成することができ、選択的に結合してFcドメインを形成することとなる。
本明細書に詳細に記載するように、この開示のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、Fcコンストラクト内の二つのFcドメイン単量体間でオールグリシンスペーサーを用いること(アプローチ(a))と、Fcコンストラクト内にC末端リシンを欠いているポリペプチドを用いること(アプローチ(b))と、及び/又は、ヘテロ二量体形成選択性モジュールの二つのセット((i)異なる逆電荷の変異を有するヘテロ二量体形成選択性モジュール及び(ii)操作された空洞及び突起を有するヘテロ二量体形成選択性モジュール)を用いて、Fcコンストラクト内の一部のFcドメイン単量体によってヘテロ二量体Fcドメイン形成を促進すること(アプローチ(c))とによって、達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(a)を経て達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(b)を経て達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(c)を経て達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(a)及び(b)を組み合わせることで達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(a)及び(c)を組み合わせることで達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(b)及び(c)を組み合わせることで達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を含有する実質的に均質な組成物は、アプローチ(a)、(b)、及び(c)を組み合わせることで達成され得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトを含有する医薬組成物の均質性をさらに向上させるために、組成物中のFcコンストラクト内のポリペプチドのうちの一つ又は複数におけるN末端Aspが、Glnに変異される。本明細書に記載のFcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む組成物の一部の実施形態では、組成物中のFcコンストラクト内のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。
また、この開示のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)では、Fcドメイン単量体を連結するリンカーの長さが、Fcコンストラクトのフォールディング効率に影響を及ぼす。一部の実施形態では、少なくとも4、8、又は12個のグリシン(例えば、4〜30、8〜30、12〜30個のグリシン、配列番号:26及び27)を有するリンカーを用いて、この開示のFcコンストラクト内のFcドメイン単量体を連結することができる。
I.Fcドメイン単量体
Fcドメイン単量体は、ヒンジドメイン、CH2抗体定常ドメイン、及びCH3抗体定常ドメインを含む。Fcドメイン単量体は、免疫グロブリン抗体アイソタイプIgG、IgE、IgM、IgA、又はIgDのものとすることが可能である。Fcドメイン単量体はまた、任意の免疫グロブリン抗体アイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、又はIgG4)のものとしてもよい。Fcドメイン単量体はまた複合型であってもよく、例えば、ヒンジ及びIgG1からのCH2及びIgAからのCH3による複合型、又は、ヒンジ及びIgG1からのCH2であるがIgG3からのCH3による複合型であってもよい。Fcドメイン単量体の二量体は、白血球表面上にある受容体である、例えばFcγRIIIaであるFc受容体と結合することが可能なFcドメイン(本明細書でさらに規定される)である。本開示では、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインが、CH3−CH3抗体定常ドメインの界面におけるアミノ酸置換を含有して、それらの相互による会合を促進し得る。他の実施形態では、Fcドメイン単量体は、例えばアルブミン結合ペプチド又は精製用ペプチドである、N末端又はC末端に結合するさらなる部分を含む。本開示では、Fcドメイン単量体は、例えばVH、VL、相補性決定領域(CDR)又は超可変領域(HVR)である、いずれの種類の抗体可変領域も含有しない。Fcドメイン単量体は、例えばヒト、マウス、又はラットである、様々な起源のものとすることが可能である。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、野生型のFcドメイン単量体の配列(配列番号:42)と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ野生型のFcドメイン単量体の配列(配列番号:42)である配列を含み得る、該配列からなり得る、又は、実質的に該配列からなり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、配列番号:44、46、48、及び50〜53(実施例1、表4及び5を参照)のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも95%同一(例えば、97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、最大10(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、配列番号:44、46、48、及び50〜53(実施例1、表4及び5を参照)のうちのいずれか一つの配列である配列を有することができる。或る実施形態では、Fcコンストラクト内のFcドメイン単量体は、配列番号:48、52、及び53のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。或る実施形態では、Fcコンストラクト内のFcドメイン単量体は、最大10(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1)個の単一アミノ酸修飾(例えば置換、例えば保存的置換)をもつ、配列番号:48、52、及び53のうちのいずれか一つの配列である配列を有することができる。
II.Fcドメイン
本明細書で規定するように、Fcドメインは、CH3抗体定常ドメイン間の相互作用によって二量体形成する二つのFcドメイン単量体を含む。本開示では、Fcドメインは例えばVH、VL、CDR、又はHVRである、抗体の可変領域を含まない。Fcドメインは、Fc受容体、例えばFc−ガンマ受容体(すなわち、Fcγ受容体(FcγR))、Fc−アルファ受容体(すなわち、Fcα受容体(FcαR))、Fc−イプシロン受容体(すなわち、Fcε受容体(FcεR))、及び/又は胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する最小限の構造を形成する。一部の実施形態では、本開示のFcドメインは、Fcγ受容体(例えば、FcγRI(CD64)、FcγRIIA(CD32)、FcγRIIB(CD32)、FcγRIIIA(CD16a)、FcγRIIIB(CD16b))、及び/又はFcγRIV、及び/又は胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する。
本明細書に記載のFcコンストラクトのいずれかにおいては、アミノ酸修飾が、一つ又は複数のFc受容体に対する結合親和性を変え得る。一部の実施形態では、アミノ酸修飾はS267E/L328Fである。一部の実施形態では、Fc受容体はFcγRIIbである。一部の場合、本明細書に記載の修飾が、FcγRIIb受容体に対する親和性を増加させる。一部の場合、S267E/L328F修飾が、FcγRIIbに対する結合親和性を増加させる。
III.二量体形成選択性モジュール
本開示では、二量体形成選択性モジュールは、二つのFcドメイン単量体の好ましい対形成を促進してFcドメインを形成する、Fcドメイン単量体の部分である。詳細には、二量体形成選択性モジュールは、二つのFcドメイン単量体の相互作用するCH3抗体定常ドメイン間の界面に位置するアミノ酸置換を含む、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインの部分である。二量体形成選択性モジュールにおいては、アミノ酸置換が、それら置換に選択されたアミノ酸の適合性の結果として、二つのCH3抗体定常ドメインの好ましい二量体形成を行う。好ましいFcドメインの最終形態は、二量体形成選択性モジュールをもたないFcドメイン単量体で、又は二量体形成選択性モジュール内に適合しないアミノ酸置換をもつFcドメイン単量体で形成される他のFcドメインに対して選択的である。この種のアミノ酸置換は、QuikChange(登録商標)Mutagenesis等のこの技術分野で周知の従来の分子クローニング技術を用いて行うことが可能である。
一部の実施形態では、二量体形成選択性モジュールは、CH3抗体定常ドメイン内に操作された空洞(本明細書でさらに説明する)を含む。他の実施形態では、二量体形成選択性モジュールは、CH3抗体定常ドメイン内に操作された突起(本明細書でさらに説明する)を含む。選択的にFcドメインを形成するために、適合可能な二量体形成選択性モジュールをもつ二つのFcドメイン単量体、例えば操作された空洞を含む一方のCH3抗体定常ドメインと、操作された突起を含むもう一方のCH3抗体定常ドメインとを結合して、Fcドメイン単量体の空洞に突起が挿入された対を形成する。操作された突起及び操作された空洞は、ヘテロ二量体形成選択性モジュールの例であり、それらは、適合するヘテロ二量体形成選択性モジュールを有する二つのFcドメイン単量体の好ましいヘテロ二量体形成を促進するために、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメイン内に作製することが可能である。
他の実施形態では、正電荷をもつアミノ酸置換を含有する二量体形成選択性モジュールをもつFcドメイン単量体と、負電荷をもつアミノ酸置換を含有する二量体形成選択性モジュールをもつFcドメイン単量体とを選択的に結合して、電荷をもつアミノ酸の好ましい静電的ステアリング(本明細書においてさらに説明する)を経てFcドメインを形成することができる。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体は、以下の正電荷をもつアミノ酸置換及び負電荷をもつアミノ酸置換のうちの一つを含み得る:K392D、K392E、D399K、K409D、K409E、K439D、及びK439E。一実施例では、正電荷をもつアミノ酸置換、例えばD356K又はE357Kを含有するFcドメイン単量体と、負電荷をもつアミノ酸置換、例えばK370D又はK370Eを含有するFcドメイン単量体とが選択的に結合して、電荷をもつアミノ酸の好ましい静電的ステアリングを経てFcドメインを形成する。別の実施例では、E357Kを含有するFcドメイン単量体と、K370Dを含有するFcドメイン単量体とが選択的に結合して、電荷をもつアミノ酸の好ましい静電的ステアリングを経てFcドメインを形成する。一部の実施形態では、逆電荷のアミノ酸置換を、ヘテロ二量体形成選択性モジュールとして用い得るものであって、異なるが適合する逆電荷のアミノ酸置換を含有する二つのFcドメイン単量体が結合して、ヘテロ二量体Fcドメインを形成する。特定の二量体形成選択性モジュールを、さらに以下に説明される表1及び2Aにさらに列記しているが、これらに限定されない。
他の実施形態では、二つのFcドメイン単量体が、CH3ドメイン間の界面における電荷をもつ残基の環内の少なくとも二つの位置において、同一の逆電荷の変異を含有するホモ二量体形成選択性モジュールを含む。ホモ二量体形成選択性モジュールは、Fcドメイン単量体のホモ二量体形成を促進してホモ二量体Fcドメインを形成する、逆電荷のアミノ酸置換である。二つのFcドメイン単量体内の残基の2以上の相補的な対の両要素の電荷が反転していることによって、変異したFcドメイン単量体は同じ変異の配列のFcドメイン単量体に対して相補性を維持するが、こうした変異なしではFcドメイン単量体に対する相補性はより小さい。一実施形態では、Fcドメインは、二重変異体である、K409D/D399K、K392D/D399K、E357K/K370E、D356K/K439D、K409E/D399K、K392E/D399K、E357K/K370D、又はD356K/K439Eを含むFc単量体を含む。別の実施形態では、Fcドメインは、例えばK409D/D399K/E357K/K370Eである二重変異体の任意の対を結合した四重変異体を含むFcドメイン単量体を含む。ホモ二量体形成選択性モジュールの例を、表2B及び2Cにさらに示している。
修飾されていないFcドメイン単量体は、天然のヒトFcドメイン単量体又はWTヒトFcドメイン単量体とすることが可能である。Fcドメイン単量体は、ヒンジ、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含む天然のヒトFcドメイン単量体、もしくは、定方向の二量体形成を調整又は促進する、最大16(例えば、最大2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16)個のアミノ酸修飾(例えば、単一アミノ酸修飾)を有するその変異体とすることが可能である。一部の場合では、Fcドメインは少なくとも一つのアミノ酸修飾を含むものであって、該アミノ酸修飾は、(i)一つ又は複数のFc受容体に対する結合親和性、(ii)エフェクタ機能、(iii)Fcドメインの硫酸化のレベル、(iv)半減期、(v)プロテアーゼ耐性、(vi)Fcドメイン安定性、及び/又は、(vii)分解に対する感受性、のうちの一つ又は複数を変える(例えば、修飾されていないFcドメインと比較して)。さらなる実施形態では、(i)少なくとも一つの逆電荷の変異と、(ii)少なくとも一つの操作された空洞又は少なくとも一つの操作された突起とを含有するFcドメイン単量体を、(i)少なくとも一つの逆電荷の変異と、(ii)少なくとも一つの操作された突起又は少なくとも一つの操作された空洞とを含有する他のFcドメイン単量体と選択的に結合して、Fcドメインを形成することができる。例えば、反転した電荷の変異K370Dと、操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY407Vとを含有するFcドメイン単量体と、反転した電荷の変異E357Kと、操作された突起S354C及びT366Wとを含有する他のFcドメイン単量体とを選択的に結合して、Fcドメインを形成する。一部の場合では、Fcドメインは16個以下のアミノ酸修飾(例えば、CH3ドメインにおける2個以下、3個以下、4個以下、5個以下、6個以下、7個以下、8個以下、9個以下、10個以下、11個以下、12個以下、13個以下、14個以下、15個以下、又は16個以下のアミノ酸修飾)を含む。
こうしたFcドメインの形成は、CH3抗体定常ドメイン内の適合するアミノ酸置換によって促される。CH3−CH3界面において、二つの二量体形成選択性モジュールが適合しないアミノ酸置換を含有する場合、例えば、操作された空洞を両方が含有する、操作された突起を両方が含有する、又は、同じ電荷をもつアミノ酸を両方が含有する場合は、ヘテロ二量体Fcドメインの形成は促されない。
さらに、画成されたFcドメイン単量体によるFcドメインの形成を促進するために用いる他の方法には、ヘテロ二量体の形成を可能にする、ロイシンジッパーの単量体α−へリックスのFcドメイン単量体それぞれに対するC末端融合を含むLUZ−Yアプローチ(米国特許出願公開公報第WO2011034605号)のみならず、IgA及びIgG CH3配列の交互セグメントをそれぞれが含むヘテロ二量体のFcドメイン単量体によりFcドメインを生成する、ストランド交換操作ドメイン(SEED(strand−exchange engineered domain))体のアプローチ(Davis et al.,Protein Eng Des Sel.23:195−202,2010)が含まれるが、これらに限定されない。
IV.操作された空洞及び操作された突起
操作された空洞及び操作された突起の使用(すなわち、「ノブイントゥホール(knob−into−hole)」ストラテジー)は、Carter及びその共同研究者(Ridgway et al.,Protein Eng.9:617−612,1996;Atwell et al.,J Mol Biol.270:26−35,1997;Merchant et al.,Nat Biotechnol.16:677−681,1998)によって記述されている。ノブとホールとの相互作用は、ヘテロ二量体形成を支持するが、一方、ノブ間及びホール間の相互作用は、立体的な不一致及び好ましい相互作用の損失に起因してホモ二量体形成を妨げる。「ノブイントゥホール」技術は、米国特許第5,731,168号にも開示されている。
本開示では、操作された空洞及び操作された突起を、本明細書に記載のFcコンストラクトの調製に用いる。操作された空洞は、あるタンパク質中の本来のアミノ酸が、より低分子量の側鎖をもつ異なるアミノ酸で置換されたときに形成される空隙である。操作された突起は、あるタンパク質中の本来のアミノ酸が、より高分子量の側鎖をもつ異なるアミノ酸で置換されたときに形成される突起である。詳細には、置換されようとするアミノ酸は、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメイン内にあり、二つのFcドメイン単量体の二量体形成に関与する。一部の実施形態では、一方のCH3抗体定常ドメイン内の操作された空洞は、もう一方のCH3抗体定常ドメイン内の操作された突起を収納するように形成されるため、両CH3抗体定常ドメインが、二つのFcドメイン単量体の二量体形成を促進する又は支持する二量体形成選択性モジュール(例えば、ヘテロ二量体形成選択性モジュール)(上記に記載した)として機能する。他の実施形態では、一方のCH3抗体定常ドメイン内の操作された空洞は、もう一方のCH3抗体定常ドメイン内の本来のアミノ酸をより良好に収納するように形成されている。さらに他の実施形態では、一方のCH3抗体定常ドメイン内の操作された突起は、もう一方のCH3抗体定常ドメイン内の本来のアミノ酸とのさらなる相互作用を形成するように形成されている。
操作された空洞は、チロシン又はトリプトファン等のより長い側鎖を含有するアミノ酸を、アラニン、バリン、又はトレオニン等のより短い側鎖を含有するアミノ酸で置換することによって構築することが可能である。詳細には、一部の二量体形成選択性モジュール(例えば、ヘテロ二量体形成選択性モジュール)(上記でさらに記載した)は、CH3抗体定常ドメイン内にY407V変異等の操作された空洞を含有する。同様に、操作された突起は、より短い側鎖を含有するアミノ酸を、より長い側鎖を含有するアミノ酸で置換することによって構築することが可能である。詳細には、一部の二量体形成選択性モジュール(例えば、ヘテロ二量体形成選択性モジュール)(上記でさらに記載した)は、CH3抗体定常ドメイン内にT366W変異等の操作された突起を含有する。本開示では、操作された空洞及び操作された突起はまた、ヘテロ二量体形成を促進する、CH3ドメイン間のジスルフィド結合操作と組み合わされる。一実施例では、操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY407Vを含有するFcドメイン単量体は、操作された突起S354C及びT366Wを含有する他のFcドメイン単量体と選択的に結合して、Fcドメインを形成することができる。別の実施例では、操作された空洞Y349Cを含有するFcドメイン単量体と、操作された突起S354Cを含有するFcドメイン単量体とが選択的に結合して、Fcドメインを形成することができる。ジスルフィド結合操作又は構造的計算のいずれかと組み合わせた(HA−TF混合)、他の操作された空洞及び操作された突起を表1に示すが、これらに限定されない。
CH3抗体定常ドメイン内の本来のアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置換することは、本来のアミノ酸残基をコードする核酸を変更することによって達成することが可能である。置換することが可能である本来のアミノ酸残基の数の上限は、界面における十分な相互作用を維持したままにすることを考えれば、CH3抗体定常ドメインの界面における残基の総数である。
V.静電的ステアリング
静電的ステアリングは、より高次のタンパク質分子の形成を制御する、ペプチド、タンパク質ドメイン、及びタンパク質内の反対の電荷をもつアミノ酸間の好ましい静電的相互作用の利用である。静電的ステアリングの効果を用いて、二重特異性抗体の生成の際のヘテロ二量体形成に有利に、ホモ二量体の形成を低減するように抗体ドメインの相互作用を変える方法が、米国特許出願公開公報第2014−0024111号に開示されている。
本開示では、静電的ステアリングを用いて、Fcドメイン単量体の二量体形成及びFcコンストラクトの形成を制御する。特に、静電的ステアリングを用いてFcドメイン単量体の二量体形成を制御することは、CH3−CH3界面を形成する一つ又は複数のアミノ酸残基が、正電荷をもつか又は負電荷をもつアミノ酸残基で置換されるため、導入された特定の電荷をもつアミノ酸に応じて、相互作用は静電的に好ましくなるか又は好ましくないものとなる。一部の実施形態では、リシン、アルギニン、又はヒスチジン等、界面の正電荷をもつアミノ酸が、アスパラギン酸又はグルタミン酸等の負電荷をもつアミノ酸で置換される。他の実施形態では、界面の負電荷をもつアミノ酸が、正電荷をもつアミノ酸で置換される。電荷をもつアミノ酸は、相互作用するCH3抗体定常ドメインの一方又は両方に導入され得る。相互作用するCH3抗体定常ドメインに電荷をもつアミノ酸を導入することによって、二量体形成選択性モジュール(上記においてさらに説明した)が形成されるが、それは電荷をもつアミノ酸間の相互作用の結果としての静電的ステアリング効果で制御されるとおりに、Fcドメイン単量体の二量体を選択的に形成することが可能である。
一部の実施形態では、静電的ステアリング効果で制御されるとおりにFcドメイン単量体の二量体を選択的に形成することが可能である、反転した電荷を含む二量体形成選択性モジュールを形成するために、二つのFcドメイン単量体は、ヘテロ二量体形成又はホモ二量体形成を経て選択的に形成され得る。
Fcドメイン単量体のヘテロ二量体形成
Fcドメイン単量体のヘテロ二量体形成は、限定するものではないが表2Aに含むような電荷残基対などである、二つのFcドメイン単量体内に異なるものであるが適合する変異を導入することによって促進することが可能である。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体は、以下の正電荷をもつアミノ酸置換及び負電荷をもつアミノ酸置換のうちの一つを含み得る:D356K、D356R、E357K、E357R、K370D、K370E、K392D、K392E、D399K、K409D、K409E、K439D、及びK439E。一実施例では、正電荷をもつアミノ酸置換、例えばD356K又はE357Kを含有するFcドメイン単量体と、負電荷をもつアミノ酸置換、例えばK370D又はK370Eを含有するFcドメイン単量体とが選択的に結合して、電荷をもつアミノ酸の好ましい静電的ステアリングを経てFcドメインを形成する。別の実施例では、E357Kを含有するFcドメイン単量体と、K370Dを含有するFcドメイン単量体とが選択的に結合して、電荷をもつアミノ酸の好ましい静電的ステアリングを経てFcドメインを形成する。
例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトでは、三つのうち二つのFcドメインは、静電的ステアリング効果によって促進されるように、二つのFcドメイン単量体のヘテロ二量体形成によって形成され得る。「ヘテロ二量体Fcドメイン」という語は、二つのFcドメイン単量体のヘテロ二量体形成によって形成されるFcドメインを指すものであって、該二つのFcドメイン単量体は、これら二つのFcドメイン単量体の好ましい形成を促進する異なる逆電荷の変異(ヘテロ二量体形成選択性モジュール)(例えば、表2Aの変異を参照)を含有する。図1及び2に示すように、三つのFcドメインである、一つのカルボキシル末端「幹」Fcドメインと二つのアミノ末端「枝」Fcドメインとを有するFcコンストラクトにおいては、アミノ末端「枝」Fcドメインのそれぞれが、ヘテロ二量体のFcドメイン(「枝ヘテロ二量体Fcドメイン」とも称する)となり得る(例えば、図1のFcドメイン単量体106及び114、又はFcドメイン単量体112及び116によって形成されるヘテロ二量体Fcドメイン、図2のFcドメイン単量体206及び214、又はFcドメイン単量体212及び216によって形成されるヘテロ二量体Fcドメイン)。枝へテロ二量体Fcドメインは、E357Kを含有するFcドメイン単量体と、K370Dを含有する他のFcドメイン単量体とによって形成され得る。
Fcドメイン単量体のホモ二量体形成
Fcドメイン単量体のホモ二量体形成は、対称的であるように両Fcドメイン単量体内に、同一の静電的ステアリング変異(ホモ二量体形成選択性モジュール)を導入することによって、促進することが可能である。一部の実施形態では、二つのFcドメイン単量体が、CH3ドメイン間の界面における電荷をもつ残基の環内の少なくとも二つの位置において、同一の逆電荷の変異を含有するホモ二量体形成選択性モジュールを含む。二つのFcドメイン単量体内の残基の2以上の相補的な対の両要素の電荷が反転していることによって、変異したFcドメイン単量体は同じ変異の配列のFcドメイン単量体に対して相補性を維持するが、こうした変異なしではFcドメイン単量体に対する相補性はより小さい。Fcドメイン単量体に導入されて、そのホモ二量体形成を促進し得る静電的ステアリング変異を、表2B及び2Cに示しているが、これらに限定されない。一実施形態では、Fcドメインは、例えばK409D/D399Kである二重の逆電荷の変異体(表2B)をそれぞれ含む、二つのFcドメイン単量体を含む。別の実施形態では、Fcドメインは、例えばK409D/D399K/K370D/E357Kである四重の逆電荷の変異体(表2C)をそれぞれ含む、二つのFcドメイン単量体を含む。
例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトでは、三つのうち一つのFcドメインは、静電的ステアリング効果によって促進されるように、二つのFcドメイン単量体のホモ二量体形成によって形成され得る。「ホモ二量体Fcドメイン」という語は、二つのFcドメイン単量体のホモ二量体形成によって形成されるFcドメインを指すものであって、該二つのFcドメイン単量体は、同一の逆電荷の変異(例えば、表2B及び2Cの変異を参照)を含有する。図1及び2に示すように、三つのFcドメインである、一つのカルボキシル末端「幹」Fcドメインと二つのアミノ末端「枝」Fcドメインとを有するFcコンストラクトにおいては、カルボキシ末端「幹」Fcドメインが、ホモ二量体のFcドメイン(「幹ホモ二量体Fcドメイン」とも称する)であり得る(例えば、図1のFcドメイン単量体104及び110によって形成されるホモ二量体Fcドメイン、図2のFcドメイン単量体204及び210によって形成されるホモ二量体Fcドメイン)。幹ホモ二量体Fcドメインは、二重変異体K409D/D399Kをそれぞれ含有する二つのFcドメイン単量体によって形成され得る。
VI.リンカー
本開示では、ポリペプチド又はタンパク質ドメイン及び/又は会合する非タンパク質部分間における結合又は接続を説明するために、リンカーを用いる。一部の実施形態では、リンカーは、少なくとも二つのFcドメイン単量体間の結合又は接続であり、それに対してリンカーが、第一のFcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのC末端を、第二のFcドメイン単量体のヒンジドメインのN末端に対して、二つのFcドメイン単量体が互いに直列に連結するように接続するものである。他の実施形態では、リンカーは、Fcドメイン単量体とそれに結合するその他のタンパク質ドメインとの間の結合である。例えばリンカーは、Fcドメイン単量体のCH3抗体定常ドメインのC末端を、アルブミン結合ペプチドのN末端に結合させることが可能である。
リンカーは、例えばペプチド結合である単純な共有結合、例えばポリエチレングリコール(PEG)ポリマーである合成ポリマー、又は、例えば化学的な連結である化学反応で形成した任意の種類の結合とすることが可能である。リンカーがペプチド結合である場合は、一方のタンパク質ドメインのC末端におけるカルボン酸基が、縮合反応でもう一方のタンパク質ドメインのN末端におけるアミノ酸と反応して、ペプチド結合を形成することが可能である。詳細には、ペプチド結合は、この技術分野で周知の従来の有機化学反応を経る合成手段により、又は、宿主細胞からの自然な産生により形成することが可能であるものであって、例えば二つのFcドメイン単量体である、直列にしたタンパク質両方のDNA配列をコードするポリヌクレオチド配列を、宿主細胞内の、例えばDNAポリメラーゼ及びリボソームである、必要な分子機械(molecular machinery)によって両方のタンパク質をコードする隣接し合うポリペプチドへと直接転写又は翻訳されることが可能である。
リンカーが合成ポリマー、例えばPEGポリマーである場合においては、該ポリマーは、各端部が反応性の化学官能基で官能化されて、二つのタンパク質の接続端にある末端アミノ酸と反応することが可能である。
リンカー(上記に示したペプチド結合は除く)が化学反応により形成される場合においては、例えばアミン、カルボン酸、エステル、アジド、又はこの技術分野で通常用いられる他の官能基である化学官能基は、一方のタンパク質のC末端と、もう一方のタンパク質のN末端とのそれぞれに対して合成的に結合させることが可能である。この二つの官能基はその後、合成化学手段を経て反応して化学結合を形成することによって、二つのタンパク質をひとつに接続することが可能である。こうした化学的連結手順は、当業者にとってルーチンである。
スペーサー
本開示では、二つのFcドメイン単量体間のリンカーは、3〜200アミノ酸(例えば、3〜200、3〜180、3〜160、3〜140、3〜120、3〜100、3〜90、3〜80、3〜70、3〜60、3〜50、3〜45、3〜40、3〜35、3〜30、3〜25、3〜20、3〜15、3〜10、3〜9、3〜8、3〜7、3〜6、3〜5、3〜4、4〜200、5〜200、6〜200、7〜200、8〜200、9〜200、10〜200、15〜200、20〜200、25〜200、30〜200、35〜200、40〜200、45〜200、50〜200、60〜200、70〜200、80〜200、90〜200、100〜200、120〜200、140〜200、160〜200、又は180〜200アミノ酸)(例えば、3〜150、3〜100、3〜60、3〜50、3〜40、3〜30、3〜20、3〜10、3〜8、3〜5、4〜30、5〜30、6〜30、8〜30、10〜20、10〜30、12〜30、14〜30、20〜30、15〜25、15〜30、18〜22、及び20〜30アミノ酸)を含むアミノ酸スペーサーとすることが可能である。一部の実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のリンカーは、少なくとも12アミノ酸、例えば、12〜200アミノ酸(例えば、12〜200、12〜180、12〜160、12〜140、12〜120、12〜100、12〜90、12〜80、12〜70、12〜60、12〜50、12〜40、12〜30、12〜20、12〜19、12〜18、12〜17、12〜16、12〜15、12〜14、又は12〜13アミノ酸)(例えば、14〜200、16〜200、18〜200、20〜200、30〜200、40〜200、50〜200、60〜200、70〜200、80〜200、90〜200、100〜200、120〜200、140〜200、160〜200、180〜200、又は190〜200アミノ酸)(例えば、3〜150、3〜100、3〜60、3〜50、3〜40、3〜30、3〜20、3〜10、3〜8、3〜5、4〜30、5〜30、6〜30、8〜30、10〜20、10〜30、12〜30、14〜30、20〜30、15〜25、15〜30、18〜22、及び20〜30アミノ酸)を含有するアミノ酸スペーサーである。一部の実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のリンカーは、12〜30アミノ酸(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30アミノ酸)を含有するアミノ酸スペーサーである。好適なペプチドスペーサーはこの分野において公知であり、例えば、グリシン及びセリン等のフレキシブルなアミノ酸残基を含有するペプチドリンカーを含む。或る実施形態では、スペーサーは、例えばGS、GGS、GGGGS(配列番号:1)、GGSG(配列番号:2)、又はSGGG(配列番号:3)の、複数のモチーフ又は繰り返しモチーフであるモチーフを含有することが可能である。或る実施形態では、スペーサーは、例えば

である、GSのモチーフを含む2〜12のアミノ酸を含有することが可能である。他の或る実施形態では、スペーサーは、例えば
である、GGSのモチーフを含む3〜12のアミノ酸を含有することが可能である。さらに他の実施形態では、スペーサーは、例えば
である、GGSG(配列番号:2)のモチーフを含む4〜20のアミノ酸を含有することが可能である。他の実施形態では、スペーサーは、例えば
である、GGGGS(配列番号:1)のモチーフを含有することが可能である。或る実施形態では、スペーサーは、
である。
一部の実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のスペーサーは、グリシン残基のみを含有し、例えば、少なくとも四つのグリシン残基(例えば、4〜200、4〜180、4〜160、4〜140、4〜40、4〜100、4〜90、4〜80、4〜70、4〜60、4〜50、4〜40、4〜30、4〜20、4〜19、4〜18、4〜17、4〜16、4〜15、4〜14、4〜13、4〜12、4〜11、4〜10、4〜9、4〜8、4〜7、4〜6、又は4〜5個のグリシン残基)(例えば、4〜200、6〜200、8〜200、10〜200、12〜200、14〜200、16〜200、18〜200、20〜200、30〜200、40〜200、50〜200、60〜200、70〜200、80〜200、90〜200、100〜200、120〜200、140〜200、160〜200、180〜200、190〜200、又は20個のグリシン残基)を含有する。或る実施形態では、スペーサーは、4〜30個のグリシン残基(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個のグリシン残基)を有する。一部の実施形態では、グリシン残基のみを含有するスペーサーは、グリコシル化(例えば、O−結合型グリコシル化、O−グリコシル化とも称する)されていないものであり得るか、又は、例えば一つ又は複数のセリン残基を含有するスペーサー(例えば、
と比較して、低減されたレベルのグリコシル化(例えば、低減されたレベルのO−グリコシル化)(例えば、キシロース、マンノース、シアル酸、フコース(Fuc)、及び/又はガラクトース(Gal)等のグリカン(例えば、キシロース)による低減したレベルのO−グリコシル化)を有し得る(実施例4を参照)。
一部の実施形態では、グリシン残基のみを含有するスペーサーは、O−グリコシル化(例えば、O−キシロシル化)されていないものであり得るか、又は、例えば一つ又は複数のセリン残基を含有するスペーサー(例えば、
)と比較して、低減されたレベルのO−グリコシル化(例えば、低減されたレベルのO−キシロシル化)を有し得る。
一部の実施形態では、グリシン残基のみを含有するスペーサーは、タンパク質分解を受けないものであり得るか、又は、例えば一つ又は複数のセリン残基を含有するスペーサー(例えば、
)と比較して、低減されたタンパク質分解速度を有し得る(実施例4を参照)。
或る実施形態では、スペーサーは、例えば
である、GGGG(配列番号:19)のモチーフを含有することが可能である。或る実施形態では、スペーサーは、例えば
である、GGGGG(配列番号:24)のモチーフを含有することが可能である。或る実施形態では、スペーサーは、
である。
他の実施形態では、スペーサーはまた、グリシン及びセリン以外のアミノ酸を含有すること、例えば
を含有することも可能である。
本開示における或る実施形態では、12アミノ酸ペプチドスペーサー又は20アミノ酸ペプチドスペーサーを用いて、二つのFcドメイン単量体、それぞれ配列
からなる12アミノ酸ペプチドスペーサー及び20アミノ酸ペプチドスペーサーである二つのFcドメイン単量体が直列に接続される(例えば、図1のポリペプチド102及び108、図2の202及び208)。他の実施形態では、配列
からなる18アミノ酸ペプチドスペーサーを用いることができる。
一部の実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のスペーサーは、上記に記載した配列番号:1〜36のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも75%同一(例えば、少なくとも77%、79%、81%、83%、85%、87%、89%、91%、93%、95%、97%、99%、又は99.5%同一)である配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。或る実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のスペーサーは、配列番号:17、18、26、及び27のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも80%同一(例えば、少なくとも82%、85%、87%、90%、92%、95%、97%、99%、又は99.5%同一)である配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。或る実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のスペーサーは、配列番号:18又は27の配列と、少なくとも80%同一(例えば、少なくとも82%、85%、87%、90%、92%、95%、97%、99%、又は99.5%同一)である配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。或る実施形態では、二つのFcドメイン単量体間のスペーサーは、上記に記載した配列番号:1〜36のうちのいずれか一つの配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
VII.血清タンパク質結合ペプチド
血清タンパク質をペプチドに結合することで、タンパク質薬剤の薬物動態を向上させることが可能であり、特にここに記載するFcコンストラクトは、血清タンパク質結合ペプチドと融合し得る。
一例として、ここに記載の方法及び組成物に用いることが可能であるアルブミン結合ペプチドは、概して、この技術分野において公知である。一実施形態では、アルブミン結合ペプチドは、配列
を含む。一部の実施形態では、アルブミン結合ペプチドは、配列番号:37の配列と、少なくとも80%同一(例えば、80%、90%、又は100%同一)である配列を有する。
本開示では、アルブミン結合ペプチドは、Fcコンストラクト内の特定のポリペプチドのN末端又はC末端に結合し得る。一実施形態では、アルブミン結合ペプチドは、コンストラクト1〜4(図1及び2)内の一つ又は複数のポリペプチドのC末端に結合し得る。別の実施形態では、アルブミン結合ペプチドは、コンストラクト1〜4(例えば、図1のポリペプチド102及び108ならびに図2のポリペプチド202及び208)内の直列に接続した二つのFcドメイン単量体をコードするポリペプチドのC末端に融合することが可能である。さらに別の実施形態では、アルブミン結合ペプチドは、直列に接続した二つのFcドメイン単量体をコードするポリペプチド内の第二のFcドメイン単量体と連結するFcドメイン単量体C末端(例えば、図1のFcドメイン単量体114及び116、図2のFcドメイン単量体214及び216)に結合することが可能である。アルブミン結合ペプチドは、例えば化学的連結である化学的手段を介して、Fcコンストラクトと遺伝的に融合、又は、Fcコンストラクトに結合させることが可能である。所望であれば、Fcコンストラクトとアルブミン結合ペプチドとの間にスペーサーを挿入することが可能である。理論に拘束されなくとも、開示のFcコンストラクト内にアルブミン結合ペプチドを包含することが、血清アルブミンに対するその結合を介して治療用タンパク質の長い保持をもたらし得るということが予測される。
VIII.Fcコンストラクト
概して、この開示は、Fcドメインを有するFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)を特徴とする。これらは、例えばFcγRIIIaであるFc受容体に対する単一の野生型Fcドメインよりも大きい結合親和性及び/又はアビディティーを有し得る。この開示は、Fcドメインの二つのFcドメイン単量体が互いと二量体を選択的に形成して、それによって望まない多量体又は凝集の形成を回避するように、相互作用する二つのCH3抗体定常ドメインの界面においてアミノ酸を操作する方法を開示する。Fcコンストラクトは、偶数のFcドメイン単量体を含み、Fcドメイン単量体の各対がFcドメインを形成する。Fcコンストラクトは、二つのFcドメイン単量体の二量体から形成される一つの機能的なFcドメインを、最低でも含む。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトは、抗原認識領域、例えば可変領域(例えば、VH、VL、超可変領域(HVR))又は相補性決定領域(CDR)を含まない。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクトは、抗原認識領域、例えば可変領域(例えば、VH、VL、HVR)又はCDRを含む。
三つのFcドメインを含有するFcコンストラクトは、四つのポリペプチドで形成され得る(図1及び2)。第一及び第二のポリペプチド(例えば、図1のポリペプチド102及び108、図2のポリペプチド202及び208)は、同一又は異なるものとすることが可能であり、第三及び第四のポリペプチド(例えば、図1のポリペプチド114及び116、図2のポリペプチド214及び216)についてもそうすることが可能である。図1では、第一及び第二のポリペプチドは両方とも、リンカーを介して直列に連結された二つのFcドメイン単量体(例えば、Fcドメイン単量体104、106、110、及び112)をコードするものであって、一方のFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメイン内に電荷をもつアミノ酸置換を含有し(例えば、Fcドメイン単量体104及び110)、一方、他方のFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメイン内に突起を含有する(例えば、Fcドメイン単量体106及び112)。第三及び第四のポリペプチドは両方とも、空洞をもつFcドメイン単量体(例えば、Fcドメイン単量体114及び116)をコードする。幹ホモ二量体Fcドメインは、Fcドメイン単量体104及び110を結合することによって形成され得、そのそれぞれが、そのCH3抗体定常ドメイン内に同一の逆電荷の変異を含有する(例えば、Fcドメイン単量体104及び110のそれぞれがD399K及びK409Dを含有する)。第一の枝へテロ二量体Fcドメインは、Fcドメイン単量体106及び114を結合することによって形成され得る(例えば、Fcドメイン単量体106が、操作された突起S354C及びT366Wを含有し、Fcドメイン単量体114が操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY409Vを含有する)。第二のへテロ二量体Fcドメインは、Fcドメイン単量体112及び116を結合することによって形成され得る(例えば、Fcドメイン単量体112が、操作された突起S354C及びT366Wを含有し、Fcドメイン単量体116が操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY409Vを含有する)。
図2では、第一及び第二のポリペプチドは両方とも、リンカーを介して直列に連結された二つのFcドメイン単量体(例えば、Fcドメイン単量体204、206、210、及び212)をコードするものであって、一方のFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメイン内に電荷をもつアミノ酸置換を含有し(例えば、Fcドメイン単量体204及び210)、一方、他方のFcドメイン単量体は、CH3抗体定常ドメイン内に突起と電荷をもつアミノ酸置換とを含有する(例えば、Fcドメイン単量体206及び212)。第三及び第四のポリペプチドは両方とも、空洞と電荷をもつアミノ酸置換とをもつFcドメイン単量体(例えば、Fcドメイン単量体214及び216)をコードする。幹ホモ二量体Fcドメインは、Fcドメイン単量体204及び210を結合することによって形成され得、そのそれぞれが、そのCH3抗体定常ドメイン内に同一の逆電荷の変異を含有する(例えば、Fcドメイン単量体204及び210のそれぞれがD399K及びK409Dを含有する)。第一の枝へテロ二量体Fcドメインは、Fcドメイン単量体206及び214を結合することによって形成され得る(例えば、Fcドメイン単量体206が、操作された突起S354C及びT366Wと逆電荷の変異E357Kとを含有し、Fcドメイン単量体214が操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY409Vと逆電荷の変異K370Dとを含有する)。第二のへテロ二量体Fcドメインは、Fcドメイン単量体212及び216を結合することによって形成され得る(例えば、Fcドメイン単量体212が、操作された突起S354C及びT366Wと逆電荷の変異E357Kとを含有し、Fcドメイン単量体216が操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY409Vと逆電荷の変異K370Dとを含有する)。
さらなる実施形態では、(i)少なくとも一つの逆電荷の変異と、(ii)少なくとも一つの操作された空洞又は少なくとも一つの操作された突起とを含有するFcドメイン単量体を、(i)少なくとも一つの逆電荷の変異と、(ii)少なくとも一つの操作された突起又は少なくとも一つの操作された空洞とを含有する他のFcドメイン単量体と選択的に結合して、Fcドメインを形成することができる。例えば、反転した電荷の変異K370Dと、操作された空洞Y349C、T366S、L368A、及びY407Vとを含有するFcドメイン単量体と、反転した電荷の変異E357Kと、操作された突起S354C及びT366Wとを含有する他のFcドメイン単量体とを選択的に結合して、Fcドメインを形成する。
一部の実施形態では、Fcコンストラクトは、a)式A−L−Bを有する第一のポリペプチドであって、式中、i)Aは第一のFcドメイン単量体を含み、ii)Lはリンカーであり、iii)Bは第二のFcドメイン単量体を含む、第一のポリペプチドと、b)式A’−L’−B’を有する第二のポリペプチドであって、式中、i)A’は第三のFcドメイン単量体を含み、ii)L’はリンカーであり、iii)B’は第四のFcドメイン単量体を含む、第二のポリペプチドと、c)第五のFcドメイン単量体を含む第三のポリペプチドと、d)第六のFcドメイン単量体を含む第四のポリペプチドと、を含むものであって、BとB’とが結合して第一のFcドメインを形成し、Aと第五のFcドメイン単量体とが結合して第二のFcドメインを形成し、A’と第六のFcドメイン単量体とが結合して第三のFcドメインを形成するものであり、該Fcコンストラクト内のFcドメイン単量体内に組み込むことが可能である一部のアミノ酸変異の例は、表3A〜3Dに示している。一部の実施形態では、Fcコンストラクト内の第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれは、C末端リシンを欠いている。一部の実施形態では、Fcコンストラクト内の第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。一部の実施形態では、L及びL’のそれぞれは、配列
を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなる。
一部の実施形態では、Fcコンストラクトは、三つのポリペプチドで形成された二つのFcドメインを含有する。第一のポリペプチドは、リンカー(例えば、グリシンスペーサー、配列番号:26及び27)を介した連結で直列に連結した二つのFcドメイン単量体を含有し、第二及び第三のポリペプチドは、一つのFcドメイン単量体を含有する。第二及び第三のポリペプチドは、同一のポリペプチドであってもよく、又は、異なるポリペプチドであってもよい。図13は、こうしたFcコンストラクトの例を図示している。第一のポリペプチド(1302)は、リンカー(例えば、グリシンスペーサー、配列番号:26及び27)を介して直列に連結した二つのFcドメイン単量体(1304及び1306)を含有する。Fcドメイン単量体1304及び1306はいずれも、CH3抗体定常ドメイン内に操作された突起を含有する。第二及び第三のポリペプチド(1308及び1310)はそれぞれ、CH3抗体定常ドメイン内に操作された空洞を有する一つのFcドメイン単量体を含有する。第一のポリペプチド内の一方のFcドメイン単量体(1304)が、第二のポリペプチド(1308)と共に第一のヘテロ二量体Fcドメインを形成し、一方、第一のポリペプチド内のもう一方のFcドメイン単量体(1306)が、第三のポリペプチド(1310)と共に第二のヘテロ二量体Fcドメインを形成する。この第二のポリペプチドと第三のポリペプチドとは、互いに結合又は連結していない。操作された、空洞に突起が挿入されるCH3−CH3の界面が、Fcドメイン単量体のヘテロ二量体の形成を支持し、望まない多量体の制御されていない形成を回避する。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体のそれぞれが、逆電荷の変異をさらに含有して、ヘテロ二量体形成を促進し得る。例えば、操作された突起及び逆電荷の変異(例えば、E357K)を有するFcドメイン単量体1304が、操作された空洞及び逆電荷の変異(例えば、K370D)を有するFcドメイン単量体1308をもつヘテロ二量体Fcドメインを良好に形成することができる。
さらに他の実施形態では、Fcコンストラクトは、六つのポリペプチドで形成される五つのFcドメインを含有することが可能である。二つの例を図14及び15に図示している。これらの図示されたFcコンストラクトは、六つのポリペプチドで構成されるが、該ポリペプチドのうち四つが同一の核酸によってコードされることが可能であり、残りの二つのポリペプチドもまた、同一の核酸によってコードされることが可能である。結果としてこれらFcコンストラクトは、好適な宿主細胞内の二つの核酸の発現によって産生可能である。
図14は、六つのポリペプチドで形成される、五つのFcドメインを含有するFcコンストラクトの説明図である。第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(1402及び1410)はそれぞれ、リンカー(例えば、グリシンスペーサー、配列番号:26及び27)を介して直列に連結した三つのFcドメイン単量体(それぞれ、1404、1406、1408、及び1412、1414、1416)を含有する。詳細には、ポリペプチド1402又は1410においては、第一の突起含有Fcドメイン単量体(1404又は1412)が、野生型配列と比べてCH3−CH3界面において異なる電荷をもつアミノ酸を含有する第二のFcドメイン単量体(1406又は1414)と結合しており、該第二のFcドメイン単量体(1406又は1414)は、第三の突起含有Fcドメイン単量体(1408又は1416)と結合している。Fcドメイン単量体1406及び1414は、ホモ二量体Fcドメインの形成を促進する、同一の逆電荷の変異(例えば、D399K/K409D)をそれぞれ含有し得る。第三のポリペプチド〜第六のポリペプチド(1418、1420、1422、及び1424)はそれぞれ、空洞含有Fcドメイン単量体を含有して、それぞれ1404、1408、1412、及び1416であるFcドメイン単量体のそれぞれと共にヘテロ二量体Fcドメインを形成する。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体1404、1408、1412、1416、1418、1420、1422、及び1424のそれぞれは、逆電荷の変異をさらに含有しヘテロ二量体形成を促進し得る。例えば、操作された突起及び逆電荷の変異(例えば、E357K)を有するFcドメイン単量体1408が、操作された空洞及び逆電荷の変異(例えば、K370D)を有するFcドメイン単量体1420をもつヘテロ二量体Fcドメインを良好に形成することができる。
図15は、六つのポリペプチドで形成される、五つのFcドメインを含有するFcコンストラクトの説明図である。第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(1502及び1510)はそれぞれ、リンカー(例えば、グリシンスペーサー、配列番号:26及び27)を介して直列に連結した三つのFcドメイン単量体(それぞれ、1504、1506、1508、及び1512、1514、1516)を含有する。詳細には、ポリペプチド1502又は1510においては、第一の突起含有Fcドメイン単量体(1504又は1512)が、第二の突起含有Fcドメイン単量体(1506又は1514)と結合しており、該第二の突起含有Fcドメイン単量体(1506又は1514)は、野生型配列と比べてCH3−CH3界面において異なる電荷をもつアミノ酸を含有する第三のFcドメイン単量体(1508又は1516)と結合している。Fcドメイン単量体1508及び1516は、ホモ二量体Fcドメインの形成を促進する、同一の逆電荷の変異(例えば、D399K/K409D)をそれぞれ含有し得る。第三のポリペプチド〜第六のポリペプチド(1518、1520、1522、及び1524)はそれぞれ、空洞含有Fcドメイン単量体を含有して、それぞれ1504、1506、1512、及び1514である各Fcドメイン単量体と共にヘテロ二量体Fcドメインを形成する。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体1504、1506、1512、1514、1518、1520、1522、及び1524のそれぞれは、逆電荷の変異をさらに含有しヘテロ二量体形成を促進し得る。例えば、操作された突起及び逆電荷の変異(例えば、E357K)を有するFcドメイン単量体1504が、操作された空洞及び逆電荷の変異(例えば、K370D)を有するFcドメイン単量体1518をもつヘテロ二量体Fcドメインを良好に形成することができる。
図16は、六つのポリペプチドで形成される、五つのFcドメインを含有する別のFcコンストラクトの説明図である。第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(1602及び1610)はそれぞれ、リンカー(例えば、グリシンスペーサー、配列番号:26及び27)を介して直列に連結した三つのFcドメイン単量体(それぞれ、1604、1606、1608、及び1612、1614、1616)を含有する。詳細には、ポリペプチド1602又は1610においては、CH3−CH3界面において異なる電荷をもつアミノ酸を含有する第一のFcドメイン単量体(1604又は1612)が、第二の突起含有Fcドメイン単量体(1606又は1614)と結合しており、該第二の突起含有Fcドメイン単量体(1606又は1614)は、野生型配列と比べて第三の突起含有Fcドメイン単量体(1608又は1616)と結合している。Fcドメイン単量体1604及び1612は、ホモ二量体Fcドメインの形成を促進する、同一の逆電荷の変異(例えば、D399K/K409D)をそれぞれ含有し得る。第三のポリペプチド〜第六のポリペプチド(1618、1620、1622、及び1624)はそれぞれ、空洞含有Fcドメイン単量体を含有して、それぞれ1606、1608、1614、及び1616である各Fcドメイン単量体と共にヘテロ二量体Fcドメインを形成する。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体1606、1608、1614、1616、1618、1620、1622、及び1624のそれぞれは、逆電荷の変異をさらに含有しヘテロ二量体形成を促進し得る。例えば、操作された突起及び逆電荷の変異(例えば、E357K)を有するFcドメイン単量体1608が、操作された空洞及び逆電荷の変異(例えば、K370D)を有するFcドメイン単量体1620をもつヘテロ二量体Fcドメインを良好に形成することができる。
別の実施形態では、二つ以上のFcドメインを含有するFcコンストラクトは、同一の一次配列を有する二つのポリペプチドで形成可能である。こうしたコンストラクトは、宿主細胞内で、単一のポリペプチド配列の発現により形成することが可能である。図17に一例を図示している。この例では、三つのFcドメインを含有するFcコンストラクトをコードするのに、単一の核酸は十分である。同一のポリペプチドの部分である二つのFcドメイン単量体は、十分な長さ及び柔軟性であるフレキシブルなリンカーを含むことによってヘテロ二量体Fcドメインを形成することが許容される。この同一のポリペプチドはまた、フレキシブルなリンカー(例えば、グリシンスペーサー、配列番号:26及び27)を介して連結される第三のFcドメイン単量体も含有する。この第三のFcドメイン単量体(1708)は、他のFcドメイン単量体(1716)に連結して、ホモ二量体Fcドメインを形成し、図17に図示するY形状Fcコンストラクトを産生することが可能である。Fcドメインの形成は、図17にも図示するように、二量体形成選択性モジュールを使用することで制御することが可能である。一部の実施形態では、Fcドメイン単量体1704、1706、1712、及び1714のそれぞれは、逆電荷の変異をさらに含有しヘテロ二量体形成を促進し得る。例えば、操作された突起及び逆電荷の変異(例えば、E357K)を有するFcドメイン単量体1704が、操作された空洞及び逆電荷の変異(例えば、K370D)を有するFcドメイン単量体1706をもつヘテロ二量体Fcドメインを良好に形成することができる。
一部の実施形態では、Fcコンストラクト(例えば、図1のFcコンストラクト1〜3、図2のFcコンストラクト4)内の一つ又は複数のFcポリペプチドが、C末端リシン残基を欠いている。一部の実施形態では、Fcコンストラクト内のFcポリペプチドの全てが、C末端リシン残基を欠いている。一部の実施形態では、Fcコンストラクト内の一つ又は複数のFcポリペプチドにおいてC末端リシン残基が不在であることで、Fcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)の集団、例えば実質的に均質である三つのFcドメインを有するFcコンストラクトの集団の均質性が向上し得る(実施例8を参照)。一実施例では、配列番号:43及び44(実施例1、表6を参照)のうちのいずれか一つの配列を有するFcポリペプチド内のC末端リシン残基は除去されて、C末端リシン残基を含有しない対応するFcポリペプチドを生成することができる。
一部の実施形態では、Fcコンストラクト内の一つ又は複数のFcポリペプチドが、S267E/L328Fの変異を含む。一部の場合では、Fcコンストラクトは、Fcコンストラクト4であり、該コンストラクトは、S267E/L328Fの変異を含む。この変異は、FcコンストラクトのFcγRIIbに対する結合親和性を増加させる。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、野生型のFcドメイン単量体の配列(例えば、配列番号:42)と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)内のFcドメイン単量体は、配列番号:44、46、48、及び50〜53のいずれか一つの配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。或る実施形態では、Fcコンストラクト内のFcドメイン単量体は、配列番号:48、52、及び53の配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を有することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の二つのFcドメイン単量体を有するポリペプチド(例えば、図1のポリペプチド102及び108、図2のポリペプチド202及び208)は、配列番号:43、45、47、及び49(実施例1、表6を参照)のうちのいずれか一つの配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を含み得る、該配列からなり得る、又は、実質的に該配列からなり得る。或る実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の二つのFcドメイン単量体を有するポリペプチドは、配列番号:49の配列と、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも97%、99%、又は99.5%同一)である配列を含み得る、該配列からなり得る、又は、実質的に該配列からなり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の二つのFcドメイン単量体を有するポリペプチド(例えば、図1のポリペプチド102及び108、図2のポリペプチド202及び208)におけるアミノ酸変異は、Fcドメイン単量体(例えば、図1のFcドメイン単量体104、106、110、及び112、図2のFcドメイン単量体204、206、210、及び212)でのみ発生し、スペーサー内で発生しない。例えば、表8に示すポリペプチドにおいては、配列番号:50〜53の配列を含む、該配列からなる、又は、実質的に該配列からなるFcドメイン単量体内で、追加のアミノ酸変異がなされ得るものであり、一方、配列番号:18、26、及び27の配列を有するスペーサーは変化がない。
一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の第一、第二、第三、及び第四のポリペプチド(例えば、図1のポリペプチド102、108、114、及び116、図2の202、208、214、及び216)のうちの一つ又は複数におけるN末端Aspが、Glnに変異され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのそれぞれにおけるN末端Aspが、Glnに変異される。他の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)は、Glnに変異されるものであるN末端Aspを有する一つ又は複数のFcドメイン単量体を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト内の第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのうちの一つ又は複数におけるN末端AspがGlnに変異することで、Fcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)の集団、例えば実質的に均質である三つのFcドメインを有するFcコンストラクトの集団の均質性が向上し得る。例えば、表4では、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトにおいてN末端AspをGlnに変異させた、第一、第二、第三、及び第四のポリペプチドのアミノ酸配列を示している。
IX.宿主細胞及びタンパク質の産生
本開示では、宿主細胞は、本明細書に記載のポリペプチド又はコンストラクトを、それらの対応する核酸から発現するのに必要であるような、例えばオルガネラである、必要な細胞成分を含む担体を指す。核酸は、この技術分野で公知の従来の技術(形質転換、トランスフェクション、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、直接の微量注入等)によって宿主細胞内に導入されることが可能である核酸ベクター中に含まれ得る。宿主細胞は、哺乳動物起源、細菌起源、真菌起源、又は虫起源のものとすることが可能である。哺乳動物宿主細胞には、CHO(又はCHO誘導細胞株、例えばCHO−K1、CHO−DXB11 CHO−DG44)、マウス宿主細胞(例えば、NS0、Sp2/0)、VERY、HEK(例えば、HEK293)、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT20、及びT47D、CRL7O3O、ならびにHsS78Bstの細胞が含まれるが、これらに限定されない。また、タンパク質コンストラクトの発現を調節する、又は所望の特定の手法でタンパク質産物を修飾及びプロセシングする、宿主細胞を選択することが可能である。様々な宿主細胞が、タンパク質産物の翻訳後プロセシング及び修飾に関する特性及び特異的な機序を有する。適切な株化細胞又は宿主系を選択して、発現されたタンパク質の正確な修飾及びプロセシングを確実にすることが可能である。
タンパク質産物の、それらの対応するDNAプラスミドコンストラクトからの発現及び分泌のために、宿主細胞が、プロモータ、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位及び選択可能な標識を含む、この技術分野で公知である適切な発現制御要素によって制御されるDNAで、トランスフェクト又は形質転換され得る。治療用タンパク質の発現方法は、この技術分野で公知である。例えば、Paulina Balbas,Argelia Lorence(eds.)Recombinant Gene Expression:Reviews and Protocols(Methods in Molecular Biology),Humana Press;2nd ed.2004 edition(July 20,2004);Vladimir Voynov and Justin A.Caravella(eds.)Therapeutic Proteins: Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology)Humana Press;2nd ed.2012 edition(June 28,2012)を参照されたい。
X.精製
Fcコンストラクトは、タンパク質精製分野の公知である任意の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー(例えばプロテインAアフィニティー)及びサイズ排除カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、又はタンパク質の精製に関するその他の標準技術によって、精製することが可能である。例えば、Fcコンストラクトは、プロテインAカラム等のアフィニティーカラムを、適切に選択することと、クロマトグラフィーカラム、濾過、限外濾過、塩析、及び透析手順と組み合わせることとによって、単離及び精製することが可能である(例えば、Process Scale Purification of Antibodies,Uwe Gottschalk(ed.)John Wiley&Sons,Inc.,2009;and Subramanian(ed.)Antibodies−Volume I−Production and Purification,Kluwer Academic/Plenum Publishers,New York (2004)を参照)。
一部の例では、Fcコンストラクトは、一つ又は複数の精製用ペプチドに連結して、例えば全細胞溶解混合物からの、Fcコンストラクトの精製及び単離を促進することが可能である。一部の実施形態では、精製用ペプチドは、精製用ペプチドに対して特異的な親和性を有する別の部分と結合する。一部の実施形態では、精製用ペプチドと特異的に結合するこうした部分は、基剤、樹脂、又はアガロースビーズ等の固相支持体に結合する。Fcコンストラクトに連結することができる精製用ペプチドの例としては、ヘキサヒスチジンペプチド、FLAGペプチド、mycペプチド、及び赤血球凝集素(HA)ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。ヘキサヒスチジンペプチド(HHHHHH(配列番号:38))は、マイクロモル親和性をもつニッケル官能性アガロースアフィニティーカラムと結合する。一部の実施形態では、FLAGペプチドは、配列DYKDDDDK(配列番号:39)を含む。一部の実施形態では、FLAGペプチドは、直列にした、整数倍にした配列DYKDDDDK、例えば3×DYKDDDDKを含む。一部の実施形態では、mycペプチドは、配列EQKLISEEDL(配列番号:40)を含む。一部の実施形態では、mycペプチドは、直列にした、整数倍にした配列EQKLISEEDL、例えば3×EQKLISEEDLを含む。一部の実施形態では、HAペプチドは、配列YPYDVPDYA(配列番号:41)を含む。一部の実施形態では、HAペプチドは、直列にした、整数倍にした配列YPYDVPDYA、例えば3×YPYDVPDYAを含む。FLAG、myc、又はHAの精製用ペプチドに対して特異的に認識かつ結合する抗体は、この技術分野で周知であり、しばしば市販されている。これらの抗体により官能化された固相支持体(例えば、基剤、樹脂、又はアガロースビーズ)を用いて、FLAG、myc、又はHA ペプチドを含むFc コンストラクトを精製することができる。
Fcコンストラクトに関しては、精製方法としてプロテインAカラムクロマトグラフィーを採用することができる。プロテインAリガンドは、Fc領域を介してFcコンストラクトと相互作用するものであって、プロテインAクロマトグラフィーは、大半の宿主細胞タンパク質を除去することができる高度な選択的捕捉方法となっている。本開示では、実施例2に記載するようにプロテインAカラムクロマトグラフィーを用いて、Fcコンストラクトを精製できる。
XI.医薬組成物/製剤
この開示は、本明細書に記載する一つ又は複数のFcコンストラクトを含む医薬組成物を特徴とする。一実施形態では、医薬組成物は、Fcコンストラクトの実質的に均質な集団を含む。種々の実施例では、医薬組成物は、Fcコンストラクト1〜4のいずれか一つの実質的に均質な集団を含む。
例えば本明細書に記載のFcコンストラクト(例えば、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト)である本開示の治療用タンパク質コンストラクトを、医薬組成物内に組み込むことが可能である。治療用タンパク質を含む医薬組成物は、当業者に公知である方法によって調製することが可能である。医薬組成物は、水又は他の薬剤的に許容できる液体の滅菌溶液又は懸濁液を含む注射製剤で非経口投与することが可能である。例えば医薬組成物は、注射用蒸留水(WFI)、生理食塩水、乳化剤、懸濁剤、サーファクタント、安定剤、希釈剤、結合剤、賦形剤等の薬剤的に許容できる担体又は溶媒とFcコンストラクトとを好適に組み合わせて、次いで通常許容される薬務で求められる単位用量形態で混合することによって、調製することが可能である。医薬製剤に含まれる活性成分の量は、指定される範囲内で好適な用量が与えられるようなものとする。
注射用の滅菌組成物は、従来の薬務に従って、担体として注射用蒸留水を用いて調製することが可能である。例えば、グルコースと、D−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウム等の他の添加とを含有する生理食塩水又は等張液を、任意に、好適な可溶化剤、例えばこの技術分野で通常知られる、エタノール等のアルコール及びプロピレングリコール又はポリエチレングリコール等のポリアルコール、及びポリソルベート80TM(商標)、HCO−50等の非イオン性界面活性剤と組み合わせて、注射用水溶液として用いることができる。治療用タンパク質産物の調製方法は、この技術分野で公知であり、例えば、Banga(ed.)Therapeutic Peptides and Proteins:Formulation,Processing and Delivery Systems (2d ed.)Taylor&Francis Group,CRC Press(2006)を参照されたい。
XII.用量
医薬組成物は、投与形態と互換性のある手法で、治療効果があるような量で投与されて、症状の改善又は治療をもたらす。医薬組成物は、例えば静脈内投与形態、皮下投与形態、摂取可能な溶液、薬剤放出カプセル等の経口投与形態である、種々の投与形態で投与される。個々の対象に適切な用量は、治療目的、投与経路、及び患者の状態に依存する。概して、組換えタンパク質は、1〜200mg/kg、例えば1〜100mg/kg、例えば20〜100mg/kgで投与される。したがって、最適な治療効果を得るために求められるとおりに、医療提供者が、用量を誂えて、決定し(titer)、投与経路を調整することが必要となる。
XIII.適応症
この開示の医薬組成物(例えば、2、3、又は4つのFcドメインを有するFcコンストラクトを含有するもの)は、対象における炎症を軽減し、対象における自己抗体のクリアランスを促進し、対象における抗原提示を抑制し、例えば対象における免疫応答の免疫複合体に基づく活性化を防止することである、免疫応答を軽減し、ならびに、対象における免疫の状態又は疾患及び炎症性の状態又は疾患を治療するのに有用である。例示的な状態及び疾患には、関節リウマチ(RA);全身性エリテマトーデス(SLE);ANCA関連血管炎;抗リン脂質抗体症候群;自己免疫性溶血性貧血;慢性炎症性脱髄性ニューロパシー;移植における抗アロ(anti−allo)、GVHDにおける抗自己(anti−self)、抗置換、IgG治療、IgGパラプロテインのクリアランス;皮膚筋炎;グッドパスチャー症候群;抗体依存性細胞媒介性細胞障害により媒介される器官系を標的とするII型過敏症症候群、例えばギラン・バレー症候群、CIDP、皮膚筋炎、フェルティ症候群、抗体媒介性拒絶反応、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝疾患;突発性血小板減少性紫斑病;重症筋無力症、視神経脊髄炎;天疱瘡及び他の自己免疫性水疱性疾患;シェーグレン症候群;抗体依存性ファゴサイトーシスにより媒介される、自己免疫性血球減少症及び他の障害;例えば滑膜炎、皮膚筋炎、全身性血管炎、糸球体炎、及び血管炎である他のFcR依存性炎症症候群を含む。
一部の実施形態では、5〜10のFcドメインを有するFcコンストラクトを含有するこの開示の医薬組成物もまた、例えば、対象における免疫応答の免疫細胞活性化を誘導する、対象における標的細胞(すなわち、癌細胞又は感染細胞)のファゴサイトーシスを増加する、及び、対象における癌及び感染症等の疾患を治療するのに有用である。この開示のFcコンストラクト及び均質な医薬組成物は、活性化Fcγ受容体(例えば、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIc、FcγRIIIa、及びFcγRIIIb)と結合して、免疫応答を誘導することができる。この開示のFcコンストラクト及び均質な医薬組成物は、プライマリTHP−1単球からの、Sykリン酸化及びカルシウム流出を活性化し得る。活性化単球及びそれらの分化したマクロファージは、標的細胞を貪食する又は死滅させる能力を有する。したがってこの開示では、癌及び感染症等の疾患及び障害を抱える対象を治療するために用いることができる、治療方法を提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載のFcコンストラクト及び均質な医薬組成物を、治療有効量で対象に投与して、対象において癌細胞又は感染細胞を貪食させる又は死滅させることができる。
この開示の方法により治療できる癌には、膀胱癌、膵臓癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、大腸癌、胃癌、乳癌(breast cancer)、前立腺癌、腎臓癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、直腸癌、呼吸器系癌、泌尿器系癌、口腔癌、皮膚癌、白血病、肉腫、カルシノーマ、基底細胞癌、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、B−細胞慢性リンパ性白血病(B−CLL)、多発性骨髄腫(MM)、赤白血病、腎細胞癌、星細胞腫、乏突起星細胞腫、胆道癌、絨毛癌、CNS癌、喉頭癌、小細胞肺癌、腺癌、巨細胞癌(又は燕麦細胞癌)、扁平上皮癌、未分化大細胞リンパ腫、非小細胞肺癌、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経外胚葉性癌、神経膠芽腫、乳癌(breast carcinoma)、悪性黒色腫、炎症性筋線維芽細胞腫瘍癌、及び、軟部組織腫瘍癌が含まれるが、これらに限定されない。
この開示の方法により治療できる感染の例には、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、及び原生動物感染症が含まれるが、これらに限定されない。
感染症の原因となる細菌の例は、この技術分野で周知であり、レンサ球菌(Streptococcus)属の細菌(例えば、A群レンサ球菌(Streptococcus pyogenes))、エシェリキア(Escherichia)属の細菌(例えば、大腸菌(Escherichia coli))、ビブリオ(Vibrio)属の細菌(例えば、コレラ菌(Vibrio cholerae))、腸炎(Enteritis)属の細菌(例えば、サルモネラ腸炎(Enteritis salmonella))、及び、サルモネラ(Salmonella)属の細菌(例えば、チフス菌(Salmonella typhi)が挙げられるがこれらに限定されない。
感染症の原因となるウイルスの例は、この技術分野で周知であり、レトロウイルス科のウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV))、アデノウイルス科のウイルス(例えば、アデノウイルス)、ヘルペスウイルス科のウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型及び2型)、パピローマウイルス科のウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV))、ポックスウイルス科のウイルス(例えば、天然痘)、ピコルナウイルス科のウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス)、ヘパドナウイルス科のウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス科のウイルス(例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、西ナイルウイルス)、トガウイルス科のウイルス(例えば、ルビウイルス)、オルトミクソウイルス科のウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、フィロウイルス科のウイルス(エボラウイルス、マールブルグウイルス)、及び、パラミクソウイルス科のウイルス(例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス)が挙げられるがこれらに限定されない。
感染症の原因となる真菌の例は、この技術分野で周知であり、アスペルギルス属(Aspergillus)の真菌(例えば、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(A.flavus)、アスペルギルス・テレウス(A.terreus)、アスペルギルス・ニガー(A.niger)、アスペルギルス・カンジダス(A.candidus)、アスペルギルス・クラバツス(A.clavatus)、アスペルギルス・オクラセウス(A.ochraceus))、カンジダ属(Candida)の真菌(例えば、カンジダ・アルビカンス( Candida albicans)、カンジダ・パラプローシス(C.parapsilosis)、カンジダ・グラブラタ(C.glabrata)、カンジダ・ギリエルモンジィ(C.guilliermondii)、カンジダ・クルセイ(C.krusei)、カンジダ・ルシタニエ(C.lusitaniae)、カンジダ・トロピカリス(C.tropicalis))、クリプトコックス属(Cryptococcus)の真菌(例えば、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans))、及び、ファサリウム属( Fusarium)の真菌(例えば、フザリウム・ソラニ( Fusarium solani)、フザリウム・ベルチシリオイデス(F.verticillioides)、フザリウム・オキシスポラム(F.oxysporum))が挙げられるがこれらに限定されない。
寄生虫の例としては、サナダムシ(条虫類(cestode))、回虫(線虫類(nematode))、吸虫(吸虫類(trematode))、及び単生類が挙げられるがこれらに限定されない。
原生動物の例としては、エントアメーバ属(Entamoeba)の原生動物(例えば、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica))、マラリア原虫属(Plasmodium)の原生動物(例えば、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、四日熱マラリア原虫(P.malariae))、ジアルディア属(Giardia)の原生動物(例えば、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia))、及び、トリパノソーマ属(Trypanosoma)の原生動物(例えば、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei))が挙げられるがこれらに限定されない。
実施例1 Fcコンストラクトの設計
望ましくは、Fcコンストラクトは、フォールディング効率が増加し、望まない高分子量のオリゴマー及び多量体を形成し得るサブユニットの制御されていない会合が最小化されて、実質的に均質な組成物が生成されるように設計される。こうした目標を念頭に、我々は、スペーサーで離間された二つのFcドメイン単量体を含む長ポリペプチド(図1のポリペプチド102及び108ならびに図2のポリペプチド202及び208)と、単一のFcドメイン単量体を含む短ポリペプチド(図1のポリペプチド114及び116ならびに図2のポリペプチド214及び216)とをそれぞれが含む四つのFcコンストラクトを設計した(図1及び2)。それぞれはIgG1 Fc配列に基づくものであり、ポリペプチドのアセンブリを制御する操作された空洞、操作された突起、及び/又は静電的ステアリングの修飾を包含する。長ポリペプチド及び短ポリペプチドをコードするDNA配列は、哺乳動物細胞での発現のために最適化され、pcDNA3.4哺乳動物発現ベクターにクローン化された。DNAプラスミドコンストラクトを、リポソームによって、ヒト胎児由来腎臓(HEK)293細胞にトランスフェクトした。合計八つのDNAプラスミドコンストラクトを用いて、それぞれが三つのFcドメインを有する四つのFcコンストラクトを構築した。
Fcコンストラクト毎に、長ポリペプチド及び短ポリペプチドは、共発現されたときに三つのFcドメインを含有する分枝した分子を産生するものであり、該長ポリペプチドのC末端Fc単量体が互いに特異的に会合して一つのC末端Fcドメインを形成することと、長ポリペプチドのN末端Fc単量体が短ポリペプチドと特異的に会合して二つのN末端Fcドメインを形成することを伴う。Fcコンストラクト1〜4及びそれらの設計は、表5ならびに図1及び2に記載している。各Fcコンストラクトで利用される配列を、表6に示している。以下の表7では、コンストラクト1〜4のそれぞれにおける長ポリペプチド及び短ポリペプチドの特性をさらに要約している。
★配列位置は、Kabatナンバリングシステム(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, Md., ed 5, 1991)に従って番号付けた。
Fcコンストラクト1〜3における長ポリペプチド102及び108(図1)及びFcコンストラクト4における長ポリペプチド202及び208(図2)のそれぞれは、スペーサーを介して直列に連結した二つのFcドメイン単量体を含有する。以下の表8では、長ポリペプチドにおけるFcドメイン単量体及びFcコンストラクト1〜4におけるスペーサーの配列を提供している。
実施例2 Fcコンストラクトの発現
発現したタンパク質を、Poros MabCapture A(LifeTechnologies社)カラムを用いて、プロテインA系のアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって細胞培養上清から精製した。捕捉したFcコンストラクトを、リン酸緩衝食塩水で洗浄し(低塩洗浄)、100mMのグリシン、pH3で溶離した。溶出物は、1MのTRIS pH7.4を添加することによって素早く中和して、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
タンパク質は、Poros XS樹脂(Applied Biosciences社)を用いて、イオン交換クロマトグラフィーによってさらに分取した。カラムは、50mMのMES、pH6(緩衝液A)で予め平衡化して、溶離緩衝液として50mMのMES、400mMの塩化ナトリウム、pH6(緩衝液B)を用いたステップグラジェントにより、サンプルを溶離した。
イオン交換の後、標的のフラクションは、タンジェンシャルフロー・フィルトレーションシステムにおいて、10kDaをカットオフするポリエーテルスルホン(PES)膜カートリッジを用いて、PBS緩衝液に緩衝液交換した。サンプルはおよそ30mg/mLに濃縮して、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
実施例3 Fcコンストラクトを特性決定するために用いる実験アッセイ
ペプチド及びグリコペプチドの液体クロマトグラフィー−MS/MS
タンパク質は、6Mのグアニジン(Sigma社)中で1μg/μLに希釈した。ジチオスレイトール(DTT)を濃度10mMまで加えて、65℃で30分間、変性条件下でジスルフィド結合を減らした。氷冷後、サンプルを、暗闇中で1時間、30mMのヨードアセトアミド(IAM)と共にインキュベートして、遊離チオールをアルキル化(カルバミドメチル化(carbamidomethylate))した。その後タンパク質を、10kDa膜を介して25mMの炭酸水素アンモニウム緩衝液(pH7.8)中に透析し、IAM、DTT及びグアニジンを除去した。タンパク質は、Barocycler(NEP 2320、Pressure Biosciences社)中で、トリプシンで消化した。圧力は、37℃で、20,000psiと周囲圧力との間を1時間に合計30サイクルで循環させた。ペプチドのLC−MS/MS分析は、Ultimate 3000(Dionex)クロマトグラフィーシステムとQ−Exactive(Thermo Fisher Scientific社)質量分析計とで行った。ペプチドは、移動相として0.1%FA水溶液及び0.1%FAアセトニトリル溶液を用いて、BEH PepMap(Waters社)カラムで分離した。四重極型の分離幅(isolation width)±1.5Daで、2価イオン(z=2)m/z 842.5に基づいて、一つずつキシロシル化されたリンカーペプチドをターゲットとした。
インタクト質量分析
タンパク質は、78.98%の水、20%のアセトニトリル、1%のギ酸(FA)及び0.02%のトリフルオロ酢酸からなる移動緩衝液(running buffer)中で、2μg/μLの濃度に希釈した。サイズ排除クロマトグラフィー分離は、合計カラム長が700mmになるよう直列にした二つのZenix−C SEC−300(Sepax Technologies社、デラウェア州ニューアーク)2.1×350mmで行った。タンパク質は、80μL/分の流量で、上記した移動緩衝液を用いてSECカラムから溶出した。質量スペクトルは、ポジティブモードで動作させたQSTAR Elite(Applied Biosystems社)Q−ToF質量分光計で取得した。それぞれのサイズのフラクション下の中性質量を、クロマトグラフィーピークの全幅にわたってスペクトルを合計することによって、ベイズのピークデコンボリューション(Bayesian peak deconvolution)を用いてデコンボリュートした。
キャピラリー電気泳動−ドデシル硫酸ナトリウム(CE−SDS)アッセイ
サンプルを1mg/mLに希釈して、HTタンパク質発現変性緩衝液(HT Protein Express denaturing buffer)(パーキンエルマー(PerkinElmer)社)と混合した。混合物を40℃で20分間インキュベートした。サンプルを70μLの水で希釈して、96ウェルプレートに移した。サンプルは、HT Protein Express LabChip(パーキンエルマー社)を備えたCaliper GXII機器(パーキンエルマー社)で分析した。蛍光強度を用いて、各サイズの変異体の相対存在度を計算した。
非還元SDS−PAGE
サンプルを、Laemmliサンプルバッファー(4%SDS、Bio−Rad社)中で、95℃で10分間、変性させた。サンプルを、Criterion TGX stain−freeゲル(4〜15%ポリアクリルアミド、Bio−Rad社)で電気泳動にかけた。タンパク質のバンドは、UV照射又はクマシーブルー染色で可視化した。ChemiDoc MPイメージングシステム(Bio−Rad社)でゲルを画像化した。Imagelab 4.0.1ソフトウェア(Bio−Rad社)を用いて、バンドの定量化を行った。
補体依存性細胞毒性(CDC)
CDCは、連続希釈されたリツキシマブ、Fcコンストラクト4又はIVIgでRaji細胞(ATCC)がコーティングされた、比色分析アッセイで評価した。全てのウェルにヒト血清補体(Quidel社)を25%v/vで添加し、37℃で2時間インキュベートした。細胞は、WST−1細胞増殖試薬(Roche Applied Science社)を添加した後で、37℃で12時間インキュベートした。プレートを振とう機に2分間移し、450nmの吸光度を測定した。
実施例4 リンカーセリン残基のO−グリコシル化及びタンパク質分解
リンカーセリン残基におけるO−グリコシル化
実施例1で記載したように、我々は、フォールディング効率が増加し、制御されていないサブユニットの会合が最小化されて、実質的に均質な医薬品用の組成物が生成されるように、Fcコンストラクトを設計した。こうした目的を達成するための努力として、長ポリペプチド内の二つのFcドメイン単量体(図1の102及び108、図2の202及び208)間における様々なリンカーを調べた。Fcコンストラクト1及びFcコンストラクト2はそれぞれ、長ポリペプチド内の二つのFcドメイン単量体間にセリン−グリシンリンカー
を有する。
長ポリペプチド内の二つのFcドメイン単量体間にリンカー:
を含有するFcコンストラクト2をペプチドLC−MS/MSによって分析したとき、O−キシロシル化が観察された(図3)。しかしながら、フラグメントy2〜y9がキシロースを含有していないように、リンカー内の5番目のセリンはO−キシロシル化されていない。O−キシロシル化されている部位は複数存在し得るが、各ペプチドは、一つずつO−キシロシル化されているのみである。この翻訳後修飾の範囲及び位置は、配列と発現系との両方に依存し得る。
同様に、同一の(SG3)5リンカーを含有する二つのFcドメインを有するFcコンストラクト(図13に示すFcコンストラクト)内でO−キシロシル化が観察された(図4)。複数の部位での修飾が観察され、各リンカー内に最大二つのキシロース修飾を有した。さらに、修飾のレベルは、バッチ間で一定しなかった。
セリン−グリシンリンカー内のセリン残基におけるO−キシロシル化が観察された後で、リンカー配列をさらに最適化し、またFcコンストラクトの均質性をさらに向上させるために、グリシン残基のみを含有する代替的なリンカーについて調べた。結果として、Fcコンストラクト3及びFcコンストラクト4内での使用に、オールグリシンスペーサーを選択した。Fcコンストラクト3は、長ポリペプチド内の二つのFcドメイン単量体間に、15merのオールグリシンスペーサー:
を有する。Fcコンストラクト4は、長ポリペプチド内の二つのFcドメイン単量体間に、20merのオールグリシンスペーサー:
を有する。
リンカーセリン残基におけるタンパク質分解
一部の実施形態では、Fcコンストラクトは、リン酸緩衝食塩水中で45℃でインキュベーションすると、リンカー内でタンパク質分解を受け、単量体のFc産物を生成することがわかった。Fcコンストラクト2(ポリペプチド102及び108のそれぞれにおいてリンカー:
を含有する)における単量体形成速度は、Fcコンストラクト4(ポリペプチド202及び208のそれぞれにおいてオールグリシンスペーサー:
を含有する)における単量体形成速度よりも速く(図5)、オールグリシンスペーサーは、タンパク質分解の影響を受けにくいということを示唆した。この効果は、多様なリンカー長である三つのFcドメインを有する分枝したFcコンストラクトのうちでは普通であるということが見出され、オールグリシンスペーサーは、セリン−グリシンリンカーよりもゆっくりとタンパク質分解されるものであった(表9)。
また、ポリペプチド102及び108のそれぞれに(SG3)5リンカーをもつFcコンストラクト2における単量体Fc産物の質量分析法による分析は、主要な産物はセリンのN末端側に対して開裂されており、はじめのセリンを除く全てがタンパク質分解を受け易いということを示していた(図6)。対照的に、ポリペプチド202及び208のそれぞれにG20スペーサーをもつFcコンストラクト4の開裂された産物は、任意の特定のスペーサー残基に関して強い特異性を示さなかった(図7)。総合して、これらの結果は、オールグリシンスペーサーは、タンパク質分解に対する感受性が低くなることを示唆した。タンパク質分解を制限するために、Fcコンストラクト4で用いたG20スペーサーであるような、セリンを含まないスペーサーを用いることができる。こうしたグリシンスペーサーを使用することで、最終的なFcコンストラクトの組成物の均質性が実質的に向上する。
実施例5 リンカー長の最適化
均質性をさらに最適化するために、(SG3)5リンカーを、G8、G15、又はG20スペーサーで置き換えて、Fcコンストラクト2における配列が変動するように調整することでリンカー長を探索した。インビトロアッセイによる解析では、おそらくFcγ受容体と相互作用するFcコンストラクトの能力が変化することによって、リンカー長が生物活性に影響を及ぼすことを示唆した。
プレート固定IgGによって刺激されたTHP−1細胞によるIL−8放出の抑制は、リンカー長に依存することがわかった(図8)。低Fcコンストラクト濃度での抑制は、G8<G15<G20の順となり、G20スペーサーをもつFcコンストラクト2において、THP−1細胞によるIL−8放出を最も大きく抑制した。
また、好中球におけるカルシウム流出の抑制が、リンカー長に依存していることがわかった(図9)。G8<G15<G20の順で抑制され、G20スペーサーを有するFcコンストラクト2において、好中球におけるカルシウム流出を最も大きく抑制することを示した。
実施例6 ノブイントゥホール(Knob−into−Hole)技術によるヘテロ二量体形成の最適化
Fcコンストラクト2の長ポリペプチド及び短ポリペプチド(図1のポリペプチド102、108、114、及び116)又はFcコンストラクト4の長ポリペプチド及び短ポリペプチド(図2のポリペプチド202、208、214及び216)を発現するプラスミドを、HEK293細胞にトランスフェクトした。培養7日後に、遠心分離で細胞を除き、生培地上清を非還元SDS−PAGEで分離した(図10)。可視化したタンパク質バンドの濃度測定分析で、三つのFcドメインを有するFcコンストラクト2と、三つのFcドメイン(Fc3)を有するFcコンストラクト4とが同様のレベルで発現していることが明らかになった。しかしながら、Fcコンストラクト2のコンストラクトは、夾雑二量体の種(Fc2)を有意に高いレベルで発現した(図10)。コンストラクトの両セットは、単量体の種(Fc1)を同様のレベルで発現した。画像中に存在するさらなるバンドは、モックトランスフェクトコントロール(mock transfected control)中に存在している培養成分を表す。
これらの結果は、ヘテロ二量体形成を促進する静電的ステアリング変異と、「枝」サブユニット内のヘテロ二量体形成を促進するノブイントゥホール変異(例えば、図1のFcドメイン単量体106、114、112、及び116、図2のFcドメイン単量体206、214、212、及び216)との両方を有することが、Fcコンストラクトにおいてヘテロ二量体Fcドメインの形成を増強し、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトのアセンブリを最適化させて、Fcコンストラクトを含有する組成物の均質性を向上させるということを示唆する。
実施例7 ホモ二量体形成を制御するための静電的ステアリング
望まない高分子量オリゴマー及び多量体を生成するものである、サブユニットの予想不可能(off−register)な会合を最小化するために、ヘテロ二量体形成を支持する変異(例えば、ノブ及びホール)を「枝」サブユニット内に導入した(例えば、図1のFcドメイン単量体106、112、114、及び116、図2のFcドメイン単量体206、212、214、及び216)。これらアミノ酸置換が、ノブサブユニット(例えば、図1のFcドメイン単量体106及び112、図2のFcドメイン単量体206及び212)による、対の片側であるホール(例えば、図1のFcドメイン単量体114及び116、図2のFcドメイン単量体214及び216)に対する誘引を保持し、また同時にノブサブユニット間での会合を邪魔する。ノブ変異はまた、野生型のFc配列とのアセンブリを抑制するため、「幹」Fcサブユニット(例えば、図1のFcドメイン単量体104及び110、図2のFcドメイン単量体204及び210)のノブ及びホールの「枝」サブユニットに対する親和性をさらに減少させるような更なる変異を含む必要性は疑問視される。この疑問に対処するため、カルボキシル末端「幹」サブユニット内に野生型Fcドメイン単量体配列と、アミノ末端「枝」サブユニット内にノブ変異をもつFcドメイン単量体とを含有する、Fcコンストラクトの長ポリペプチドを生成した。対応する短ポリペプチドは、ホール変異をもつFcドメイン単量体とした。このFcコンストラクトは、Fcコンストラクト2内のポリペプチドの配列に基づいているが、長ポリペプチドのそれぞれにおけるカルボキシル末端「幹」サブユニット内に野生型Fcドメイン単量体配列を有する。
HEK293細胞を、Fcコンストラクト2(長ポリペプチドのそれぞれにおけるカルボキシル末端「幹」サブユニット内のFcドメイン単量体にホモ二量体形成静電的ステアリング変異を有する。実施例1の表5及び6)を発現するプラスミドと共に、又は、長ポリペプチドのそれぞれにおけるカルボキシル末端「幹」サブユニット内のFcドメイン単量体を、野生型Fcドメイン単量体配列(配列番号:42)(上に記載する)で置き換えたFcコンストラクト2に基づくFcコンストラクトと共に、同時導入した。培養7日後に、遠心分離で細胞を除き、生培地上清を非還元SDS−PAGEで分離した。染色したタンパク質のイメージングにより、「幹」サブユニット内に静電的ステアリング変異をもたないFcコンストラクト(図11において「静電的ステアリングなし」と記したもの(レーン1〜3))では、相手方のFcコンストラクト2(図11において「静電的ステアリングあり」と記したもの(レーン4及び5))よりも、はるかに高いレベルの単量体(Fc1)及び二量体(Fc2)を含有していることが明らかになった。また、三量体よりも大きい分子量のバンドが、はるかに大量に検出できる(図11のレーン1〜3)。
これらの結果により、「幹」サブユニット内にホモ二量体形成を促進する静電的ステアリング変異を有すること(例えば、図1のFcドメイン単量体104及び110、図2のFcドメイン単量体204及び210)により、Fcコンストラクト内でのホモ二量体Fcドメイン形成をさらに増強し、三つのFcドメインを有するFcコンストラクトのアセンブリをさらに最適化させ、Fcコンストラクトを含有する組成物の均質性をさらに向上させるということが確認される。
実施例8 C末端リシン残基を排除することによる組成物均質性の最適化
免疫グロブリンのC末端リシン残基は、多数の種にわたって高度に保存されている。一部の例では、ポリペプチド内のC末端リシンは、タンパク質産生中に細胞機構(cellular machinery)によって除去される。我々は、Fcコンストラクト内のポリペプチドのそれぞれからC末端リシンを除去することによって、組成物中のFcコンストラクトの均一性をさらに向上させることと、本明細書に記載するFcコンストラクトを含有するより均質な組成物を達成することとを目指した。Fcコンストラクト2は、その長ポリペプチド(102及び108、実施例1、表5〜7、図1を参照)又は短ポリペプチド(114及び116)のいずれにも、C末端リシン残基を何も含有していない。図12は、C末端リシンを除去してFcコンストラクト2を生成することで、インビトロで補体依存性細胞毒性(CDC)が誘導されなかったということを示している。これにより、C末端リシン残基を除去することによって、免疫学的な有害な副作用を誘引することなく、Fcコンストラクトの医薬組成物の均質性を向上させることができた。
実施例9 慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)モデルにおけるFcコンストラクトの効能
体重18〜22グラムの雌C57BL/6マウスをCharles River Labs社より購入し、1週間の順応後に試験に用いた。マウスに、ラット抗−マウスCD41抗体(抗−CD41、1.5μg/マウス)を4日間、腹腔内処置した。3日目の第3回抗体注射の1〜2時間後に、食塩水、IVIg、コンストラクト2及びコンストラクト4を、静脈内に与えた。5日目の第4回抗−CD41抗体注射の24時間後に、顎下出血より得た血液で、血小板レベルを測定した。
ITPモデルにおいて、コンストラクト2とコンストラクト4とを比較する複数の試験を行った(図18、図19、及び20)。三つの全ての試験において、0.1g/kgでの投与で、コンストラクト4はコンストラクト2よりも高い効能を示した。
実施例10 Fc多量体コンストラクトと比較した、コンストラクト4の薬物動態挙動
(Stromeら、米国特許公開公報第2010/0239633A1号;Jain et al,Arthritis Res.Ther.14,R192(2012))に記載されるとおり、Fc多量体を生成した。詳細には、野生型IgG1 FcをC末端においてIgG2ヒンジ配列と融合した(コンストラクトX1)。DNAプラスミドコンストラクトを、リポソームによって、HEK293細胞にトランスフェクトした。培養7日後に、遠心分離により細胞を除去した。
発現したタンパク質を、Poros MabCapture Aカラムを用いて、プロテインA系のアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって細胞培養上清から精製した。捕捉したコンストラクトを、リン酸緩衝食塩水で洗浄し(低塩洗浄)、100mMのグリシン、pH3で溶離した。溶出物は、1MのTRIS pH7.4を添加することによって素早く中和して、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
タンパク質は、Poros XS樹脂を用いて、イオン交換クロマトグラフィーによってさらに分取した。カラムは、50mMのMES、pH6(緩衝液A)で予め平衡化して、サンプルは、ロードする前に平衡用緩衝液で希釈した。溶離緩衝液として50mMのMES、400mMの塩化ナトリウム、pH6(緩衝液B)を用いた多段ステップグラジェントにより、サンプルを溶離した。グラジェントステップには、低分子量の種を除去するための2カラム体積(CV)での0〜40%のBのステップ、40%のB(4CV)で保持するステップ、次いで標的の種を単離するための40〜80%のB(4CV)のステップ、その後100%のBまで直線的に増加させるステップを含めた。全てのタンパク質含有フラクションを分析用サイズ排除クロマトグラフィーでスクリーニングし、成分を280nmの吸光度で定量した。足して全体積のわずか8%の、Fc(およそ50kDa)及びFc二量体(およそ100kDa)のフラクションを合わせて、精製されたFc多量体を生成した。
イオン交換の後、標的のフラクションは、タンジェンシャルフロー・フィルトレーションシステムにおいて、30kDaをカットオフするポリエーテルスルホン(PES)膜カートリッジを用いて、PBS緩衝液に緩衝液交換した。サンプルはおよそ30mg/mLに濃縮して、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
コンストラクト4及びコンストラクトX1の分子量分布を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で比較した(図21)。コンストラクト4は主として、約150kDaの種(三つのFcドメイン)により構成されている。対照的に、コンストラクトX1は、約100kDa(二つのFcドメイン)から250kDaを超える複数のバンドを伴う範囲にわたる複数の種により構成され、大多数が単一成分ではない。
雌C57BL/6マウス(n=15、8週齢)に、コンストラクトX1又はコンストラクト4のそれぞれを0.1g/kgで静脈内に投与した。血液(25μL)を、顎下の静脈より採取し、血清用に処理した。第5日目までは、交互の時点において1群当たり5匹のマウスを出血させるが、残りの全ての時点では、各群内で15匹全てのマウスを出血させた。採集の時点としては、15分及び30分;1、2、4、6、8、及び24時間;2、3、4、5、7、9、11、14、16、18、21、及び24日を含めた。Fc多量体の血清中濃度は、Fc特異的検出抗体を含む抗−ヒトIgG ELISAで決定した。
図22に提示するように、コンストラクトX1の血清中濃度は、ほとんどの時点でコンストラクト4よりも低いが、3日目から5日目の短期間、曲線が交差している。図22では、コンストラクト4を黒四角と実線で示し、コンストラクトX1を白丸と破線で示している。コンストラクト4(実線上の黒四角)とコンストラクトX1(破線上の白丸)の早い時点の拡大図を図23に示している。
実施例11 コラーゲン抗体誘発関節炎(CAIA)モデルにおけるFcコンストラクトの効能
雄C57BL/6マウスに、コラーゲンIIに対する四つの抗体の関節炎誘導用モノクローナル抗体カクテル(ArthritoMab、MDBiosciences社;8mg)を腹腔内注射した。4日目に、動物にリポ多糖(100μg)を腹腔内注射した。1日目から14日目(日数は0日を省いて数えた)の間の1日に、動物に担体又は試験化合物を静脈内投与した。臨床スコアパラメータは以下のとおりとした:0=正常:腫れ、赤み、又は捻挫なし;完全な関節柔軟性。1=軽度の関節炎:軽度の腫れ及び/又は捻挫;完全な関節柔軟性。2=中程度の関節炎:中程度の腫れ及び/又は捻挫;関節柔軟性又は握力の低下。3=重度の関節炎:重度の腫れ及び/又は捻挫;関節柔軟性又は握力の重度の低下。4=強直性関節;関節柔軟性なし、かつ、重度の障害性動作;瀕死。動物は、12日後に屠殺した。
図24は、コラーゲン抗体誘発性関節炎(CAIA)モデルにおいて、6日目に、50mg/kg(黒三角、黒実線)、25mg/kg(黒四角、黒点線)、又は12.5mg/kg(黒丸、黒破線)で治療的に投与されたコンストラクト4の効能を比較したグラフを示している。担体コントロールとして、等量の食塩水(灰色x、灰実線)を6日目に投与した。各時点について、平均及び平均の標準誤差を示している。
CAIAモデルにおいて、1日目に100mg/kgのコンストラクト4を予防的に投与した(図25)。担体コントロール(食塩水)は、1日目にのみ投与した。
図25は、コラーゲン抗体誘発性関節炎(CAIA)モデルにおいて、1日目に100mg/kgで予防的に投与されたコンストラクト4(AA:黒四角、実線)又は食塩水(灰丸、一点鎖線)の効能を比較したグラフである。等量の食塩水(灰丸、一点鎖線)は1日目に投与した。各時点について、平均及び平均の標準誤差を示している。
治療的に投与(図24)又は予防的に投与(図25)したときに、コンストラクト4は、担体コントロールと比較して疾患の重症度を軽減することがわかった。
実施例12 FcγRIIbに対するFcコンストラクト結合の強化
これまでに、S267E/L328F変異が、FcγRIIb受容体へのIgG1の結合を有意に特異的に高めることが証明されている(Chu et al.Molecular Immunology 45 2008)。S267E/L328F変異をコンストラクト4(SIF)の骨格に組み入れた。このコンストラクト4−FcγRIIb+変異体は、良好に発現して構築される(図26を参照)(SIF:コンストラクト4、FcγRIIb+:コンストラクト4−FcγRIIb+変異体)。図26は、コンストラクト4(SIF)及びコンストラクト4−FcγRIIb+変異体の一過性発現から得られた清澄培地に関する、非還元ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動結果の画像である。長鎖及び短鎖のコンストラクト4−FcγRIIbをコードするプラスミドを、1/1(w/w)又は2/1の比でHEK293細胞にトランスフェクトした。
コンストラクト4−FcγRIIb+変異体の、阻害性FcγRIIb受容体への結合が、コンストラクト4(SIF3)コントロールと比較すると大きく増強された(結合が300倍以上増加)。逆に、活性化FcγRIIaへの結合は、相対的に影響を受けないが、一方でFcγRIIIaへの結合は減少する(図27を参照)。
図27は、IgG1コントロール、コンストラクト4、及びコンストラクト4−FcγRIIb+変異体のFcガンマ受容体への結合を比較する、実験結果を要約したグラフである。細胞に基づく、競合的な時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(CisBio Bioassays社、マサチューセッツ州ベドフォード)を用いて相対的な結合を測定した。結果はEC50値として表しており、特定の細胞表面のFcガンマ受容体と結合する蛍光標識した抗体を移動させるのに必要なプロバンド(proband)の濃度を示している。数値が大きいほど、結合又は親和性は小さい。
実施例13 単球由来樹状細胞(moDC)活性化の抑制
コンストラクト4−FcγRIIb+変異体は、単球由来樹状細胞(moDC)の活性化を大きく増強した。プロフェッショナル抗原提示細胞の最も重要な集団である樹状細胞(DC)は、抗原物質をプロセシングし、T細胞応答を開始する目的で、細胞表面上にそれを提示する。FcγRは、moDCの機能を制御する際に大きな役割を果たすことが可能である。FcγRを活性化することにおいての免疫複合体の接着は、未熟なヒトmoDCの成熟及び活性化の契機となり得る。逆に、阻害性FcγRIIbの接着は、成熟及び活性化を抑制し得る(Boruchov AM et al.J Clin Invest.2005 115(10))。我々は、FcコンストラクトがmoDCの成熟及び活性化を抑制することができるということを既に証明している(Ortiz et al Sci Transl Med 2016、及び図3を参照)。一方、FcγRIIb+変異を伴うFcコンストラクト(例えば、コンストラクト4/SIF3)は、プレートに固定したIgG1等の免疫複合体代替物にさらすことにより、moDC活性化を有意に増強させることが可能である(図28)。コンストラクト4−FcγRIIb+単独でのインキュベーションは、moDC活性化を誘導しない(図29)。
未熟なヒトmoDCは、100ng/mLのGM−CSF及び50ng/mLのIL−4の存在下で、ネガティブセレクションしたCD14+単球より発生させた。採取したDCを、PBS、抗−CD32a抗体IV.3、コンストラクト4(SIF3)又はコンストラクト4−FcγRIIb+のいずれかと共に、37℃で20分間、培地中でインキュベートした。ブロッキング後、細胞浮遊液をIgG1被覆プレートに移し、追加のGM−CSF及びIL−4を補った培地を添加した。48時間のインキュベーション後、軽く接着した細胞を、氷冷したPBSでプレートを2回洗浄することによって採取した。採取した細胞を、抗−HLA−DR FITC Ab及び抗−CD86−PE Cy7 Abで染色した。細胞を、FACSCanto(BD)及びFlowJo Software(TreeStar)で分析した。
図28:コンストラクト4は、プレート固定IgGによってmoDC活性化を抑制するが、一方、コンストラクト4−FcγRIIb+は、活性化を高める。代表となるヒストグラムが、ネガティブコントロールとして未処理プレート(UT)上で培養したmoDC上、又は、活性化FcγRIIaを阻害する抗体(IV.3)、コンストラクト4もしくは増加濃度のコンストラクト4−FcγRIIB+で20分間前処理したmoDC上の、CD86表面発現を示している。処理した細胞はその後、固定化IgG1(PB IgG)を含有するプレートに移した。腫瘍壊死因子アルファ(TNFa)処置を、ポジティブコントロールとして用いた。CD86の表面発現は、フローサイトメトリーで評価した。CD86発現のヒストグラムは、コントロールとして非刺激細胞を用いてゲートした。処置条件に対して、CD86陽性である細胞の百分率をy軸に示した。
図29:コンストラクト4−FcγRIIb+は、それ自体ではmoDC活性化を誘導しないが、プレート固定IgGによって活性化を増強する。代表となるヒストグラムが、ネガティブコントロールとして未処理プレート(UT)上で培養したmoDC上、又は、コンストラクト4−FcγRIIB+で20分間前処理して、その後未処理プレートに移した(FcγRIIb+単独)ものであるmoDC上の、CD86表面発現を示している。PBS(PB IgG)で、活性化FcγRIIaを阻害する抗体(IV.3)で、又は、コンストラクト4−FcγRIIB+(FcgRIIb+)で前処理したmoDCを、固定化IgG1を含有するプレートに移した。CD86の表面発現は、フローサイトメトリーで評価した。CD86発現のヒストグラムは、コントロールとして非刺激細胞を用いてゲートした。処置条件に対して、CD86陽性である細胞の百分率をy軸に示した。
他の実施形態
この明細書中に記載した全ての公開公報、特許及び特許出願は、あたかも独立の公開公報又は特許出願それぞれが特別にかつ個別に示されて参照によって組み入れられるかのように、同じ程度まで参照することによってここに組み入れるものとする。
この開示について、その特定の実施形態に関連して説明したが、さらなる変形が可能であることと、この出願は、概してこの開示の原則に従い、かつ、この開示が関係する技術分野の範囲内で公知又は通例である範囲にあり、先に述べた本質的な特徴に応用することができるような、この開示からの逸脱を含んだ、この開示の任意のバリエーション、使用又は適応を網羅することを意図し、請求項の範囲に従うものであることとが理解されるであろう。
他の実施形態は、特許請求の範囲の範囲内とする。