<第1実施形態>
第1実施形態に係る火力発電プラントの要部について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の火力発電プラントでは、蒸気タービン1から排気された蒸気F1(排気蒸気)が、復水器2で冷却されて凝縮する。復水器2において凝縮した水F2(復水)は、給水加熱部3で加熱される。そして、給水加熱部3において加熱された水F3(給水)は、ボイラ4で加熱され、蒸気F4(主蒸気)が生成される。ボイラ4で生成された蒸気F4が蒸気タービン1に作動媒体として供給される。これにより、蒸気タービン1が発電機14を駆動させて、発電が行われる。
本実施形態において、火力発電プラントは、再生サイクルおよび再熱サイクルを構成するように、蒸気タービン1と復水器2と給水加熱部3とボイラ4との各部が構成されている。以下より、火力発電プラントを構成する各部の詳細について順次説明する。
本実施形態において、蒸気タービン1は、高圧タービン部11、中圧タービン部12、および、低圧タービン部13によって構成されている。蒸気タービン1は、高圧タービン部11と中圧タービン部12と低圧タービン部13とにおいて、タービンロータ(図示省略)が回転することで、発電機14を駆動させる。発電機14の駆動によって生じた電力は、電力系統(図示省略)に出力される。
具体的には、蒸気タービン1のうち、高圧タービン部11は、単流式であって、ボイラ4から蒸気F4が作動媒体として供給口A11から流入し、排気口A11bから蒸気B1bが流出する。ここでは、ボイラ4で生成された蒸気F4は、蒸気止め弁(図示省略)および蒸気加減弁(図示省略)を経由して、高圧タービン部11に導入される。そして、高圧タービン部11の排気口A11bから流出した蒸気B1bのうち、大部分の蒸気B1b_1は、ボイラ4に流れ、ボイラ4で再び加熱される。これに対して、排気口A11bから流出した蒸気B1bのうち、残りの蒸気B1b_2は、給水加熱部3に流れる。この他に、高圧タービン部11は、抽気口A11aが形成されており、抽気口A11aから蒸気B1aが流出し、その蒸気B1aが給水加熱部3へ流れる。
蒸気タービン1のうち、中圧タービン部12は、ボイラ4において再度加熱された蒸気B4(再熱蒸気)が作動媒体として供給口A12から流入し、排気口A12b,A12cから蒸気B1d,B12が流出する。ここでは、ボイラ4において再度加熱された蒸気B4は、インターセプト弁(図示省略)を経由して、中圧タービン部12に導入される。中圧タービン部12の排気口A12bから流出した蒸気B1dは、給水加熱部3へ流れる。また、中圧タービン部12の排気口A12cから流出した蒸気B12は、低圧タービン部13へ流れる。この他に、中圧タービン部12は、抽気口A12aが形成されており、抽気口A12aから蒸気B1cが流出し、その蒸気B1cが給水加熱部3へ流れる。
蒸気タービン1のうち、低圧タービン部13は、複流型であり、供給口A13から作動流体として流入した蒸気B12が低圧タービン部13の内部で分岐して流れ、排気口A13cから蒸気F1が流出する。排気口A13cから流出した蒸気F1は、復水器2へ流れる。この他に、低圧タービン部13は、複数の抽気口A13a,A13bが形成されている。低圧タービン部13においては、抽気口A13aから流出した蒸気B1eと共に、その抽気口A13aよりも下流に位置する抽気口A13bから流出した蒸気B1fが、給水加熱部3へ流れる。
復水器2は、低圧タービン部13の排気口A13cから排出された蒸気F1を冷却し凝縮させるために設置されている。復水器2は、たとえば、海水や大気を冷却媒体として用いて、蒸気F1の冷却を行う。復水器2で凝縮した水F2は、復水ポンプP2によって加圧されて、給水加熱部3に移送される。
給水加熱部3は、蒸気タービン1から抽気された蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1d,B1e,B1fを用いて、復水器2で凝縮した水F2を加熱し、その加熱した水F3をボイラ4に供給するように構成されている。つまり、本実施形態の火力発電プラントは、再生サイクルを構成している。
給水加熱部3は、給水加熱器31〜35を複数備えている。
本実施形態の給水加熱部3においては、第1高圧給水加熱器31(31a,31b)、第2高圧給水加熱器32(32a,32b)、および、第3高圧給水加熱器33(33a,33b)が、設置されており、高圧給水加熱部(高圧給水加熱器群)を構成している。ここでは、第1高圧給水加熱器31aと第2高圧給水加熱器32aと第3高圧給水加熱器33aとが直列に並んでいる。これと共に、第1高圧給水加熱器31bと第2高圧給水加熱器32bと第3高圧給水加熱器33bとが直列に並んでいる。そして、第1高圧給水加熱器31aと第2高圧給水加熱器32aと第3高圧給水加熱器33aとで構成された一方の組と、第1高圧給水加熱器31bと第2高圧給水加熱器32bと第3高圧給水加熱器33bとで構成された他方の組とが並列に並んでいる。
また、給水加熱部3においては、第1低圧給水加熱器34および第2低圧給水加熱器35が設置されており、低圧給水加熱部(低圧給水加熱器群)を構成している。
給水加熱器31〜35のそれぞれは、たとえば、シェルの内部にチューブが収容されているシェル&チューブ式の熱交換器である。
さらに、給水加熱部3においては、脱気器311が設けられている。脱気器311は、たとえば、直接接触式の熱交換器である。
給水加熱部3において、複数の給水加熱器31〜35および脱気器311のそれぞれに加熱媒体として供給される蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1d,B1e,B1f(抽気蒸気)のそれぞれは、復水器2で凝縮した水F2の流れに沿って、圧力が順次高くなっている。そして、給水加熱部3において、復水器2で凝縮した水F2は、低圧給水加熱器(第2低圧給水加熱器35、第1低圧給水加熱器34)、脱気器311、高圧給水加熱器(第3高圧給水加熱器33、第2高圧給水加熱器32、および、第1高圧給水加熱器31)を順次流れるときに、蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1d,B1e,B1fの熱によって加熱されて、温度が上昇する。
高圧給水加熱器(第3高圧給水加熱器33、第2高圧給水加熱器32、および、第1高圧給水加熱器31)では、脱気器311を流出した水F311が2つに分岐して流れる。ここでは、その分岐された一方の水F311aが、第1高圧給水加熱器31aと第2高圧給水加熱器32aと第3高圧給水加熱器33aとで構成された一方の組を流れることで加熱される。また、その分岐された他方の水F311bが、第1高圧給水加熱器31bと第2高圧給水加熱器32bと第3高圧給水加熱器33bとで構成された一方の組を流れることで加熱される。このように、本実施形態の給水加熱部3は、複数の給水加熱器31〜35が多段階に構成されている。
給水加熱部3を構成する各部について更に詳細に説明する。
給水加熱部3のうち、第1高圧給水加熱器31a,31bは、高圧タービン部11の抽気口A11aから供給される蒸気B1aと、第2高圧給水加熱器32a,32bから供給される水F32a,F32bとの間において、熱交換が行われる。この熱交換により、第2高圧給水加熱器32a,32bから流出した水F32a,F32bは、第1高圧給水加熱器31a,31bで加熱される。この一方で、高圧タービン部11の抽気口A11aから流出した蒸気B1aは、第1高圧給水加熱器31a,31bでの熱交換により冷却されて凝縮し、ドレン水B31a,B31bとして第2高圧給水加熱器32a,32bへ流出する。
給水加熱部3のうち、第2高圧給水加熱器32a,32bは、高圧タービン部11の排気口A11bから供給される蒸気B1b_2と、第3高圧給水加熱器33a,33bから供給される水F33a,F33bとの間において、熱交換が行われる。この熱交換により、第3高圧給水加熱器33a,33bから流出した水F33a,F33bは、第2高圧給水加熱器32a,32bで加熱される。この一方で、高圧タービン部11の排気口A11bから流出した蒸気B1b_2は、第2高圧給水加熱器32a,32bでの熱交換により冷却されて凝縮し、ドレン水B32a,B32bとして第3高圧給水加熱器33a,33bへ流出する。
給水加熱部3のうち、第3高圧給水加熱器33a,33bは、中圧タービン部12の抽気口A12aから供給される蒸気B1cと、脱気器311から供給される水F311a,F311bとの間において、熱交換が行われる。この熱交換により、脱気器311から流出した水F311a,F311bは、第3高圧給水加熱器33a,33bで加熱される。この一方で、中圧タービン部12の抽気口A12aから流出した蒸気B1cは、第3高圧給水加熱器33a,33bでの熱交換により冷却されて凝縮し、ドレン水B33a,B33bとして脱気器311へ流出する。
給水加熱部3のうち、脱気器311は、中圧タービン部12の排気口A12bから供給される蒸気B1dが、第1低圧給水加熱器34から供給される水F34に混合されて加熱されることによって、その水F34について脱気を行う。脱気器311は、広義には給水加熱器の一種であって、第1低圧給水加熱器34から供給された水F34に溶解している気体を取り除くと共に、加熱を行う。脱気器311で脱気された水F311は、給水ポンプP311によって加圧された後に分岐し、その分岐した水F311a,F311bが第3高圧給水加熱器33a,33bに移送される。
給水加熱部3のうち、第1低圧給水加熱器34は、低圧タービン部13の抽気口A13aから供給される蒸気B1eと、第2低圧給水加熱器35から供給される水F35との間において、熱交換が行われる。この熱交換により、第2低圧給水加熱器35から流出した水F35は、加熱される。この一方で、低圧タービン部13の抽気口A13aから流出した蒸気B1eは、第1低圧給水加熱器34での熱交換により冷却されて凝縮し、ドレン水B34として第2低圧給水加熱器35に流出する。
給水加熱部3において、第2低圧給水加熱器35は、低圧タービン部13の抽気口A13bから供給される蒸気B1fと、復水器2から復水ポンプP2を介して供給される水F2との間において、熱交換が行われる。この熱交換により、復水器2を流出した水F2は、第2低圧給水加熱器35で加熱される。この一方で、低圧タービン部13の抽気口A13bから流出した蒸気B1fは、第2低圧給水加熱器35での熱交換により冷却されて凝縮し、ドレン水B35として復水器2に流出する。
ボイラ4は、給水加熱部3で加熱された水F3が流入する。ここでは、給水加熱部3において、第1高圧給水加熱器31a,31bで加熱された水F31a,F31bが合流した後に、その合流した水F3が被加熱媒体として供給される。そして、ボイラ4は、たとえば、燃焼により発生する燃焼排ガスを用いて、その給水加熱部3から供給された水F3を加熱することで蒸発させる。ボイラ4で生じた蒸気F4は、高圧タービン部11に作動媒体として供給される。
この他に、ボイラ4は、高圧タービン部11の排気口A11bから流出した蒸気B1bのうち大部分の蒸気B1b_1が流入し、その蒸気B1b_1を再度加熱する。ボイラ4で再度加熱された蒸気B4は、中圧タービン部12に作動媒体として供給される。このように、本実施形態の火力発電プラントは、ボイラ4で蒸気を再熱する再熱サイクルで構成されている。
給水加熱部3の詳細構成に関して、図2を用いて説明する。
本実施形態の給水加熱部3においては、図2に示すように、複数の抽気絞り弁V31〜V35が設けられている。本実施形態では、複数の抽気絞り弁V31〜V35は、多段階の給水加熱器31〜35の各段に設けられている。
具体的には、第1の高圧抽気絞り弁V31は、第1高圧給水加熱器31a,31bに加熱媒体として供給する蒸気B1aの流量を調整するために設置されている。第2の高圧抽気絞り弁V32は、第2高圧給水加熱器32a,32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を調整するために設置されている。そして、第3の高圧抽気絞り弁V33は、第3高圧給水加熱器33a,33bに加熱媒体として供給する蒸気B1cの流量を調整するために設置されている。
これと共に、第1の低圧抽気絞り弁V34は、第1低圧給水加熱器34に加熱媒体として供給する蒸気B1eの流量を調整するために設置されている。そして、第2の低圧抽気絞り弁V35は、第2低圧給水加熱器35に加熱媒体として供給する蒸気B1fの流量を調整するために設置されている。
抽気絞り弁の構成について図3を用いて説明する。図3においては、複数の抽気絞り弁V31〜V35のうち、第1の高圧抽気絞り弁V31の断面を模式的に示しているが、他も同様である。
図3に示すように、第1の高圧抽気絞り弁V31は、バタフライ弁であって、管状の弁ケーシング300の内部においてディスク状の弁体310が弁棒320と共に回転することによって、開閉動作が行われるように構成されている。
ここでは、弁ケーシング300の管軸方向に対して直交する方向に弁棒320が延在するように設置されている。そして、弁棒320は、弁棒320の延在方向を回転軸として、駆動装置330によって回転する。
駆動装置330は、シリンダの内部にピストン(図示省略)が収容されており、シリンダの内部の油圧を制御することによってピストンが移動する油圧駆動装置である。駆動装置330は、ピストンに連結された操作ロッドがリンク部材を介して弁棒320に連結されており、ピストンの移動に応じて弁棒320と共に弁体310を回転させることによって、第1の高圧抽気絞り弁V31の開閉動作を行うように構成されている。つまり、本実施形態において、第1の高圧抽気絞り弁V31は、油圧弁であって、油圧に応じて開度が調整されるように構成されている。
第1の高圧抽気絞り弁V31を全て開けた全開状態にするには、ディスク状の弁体310が弁ケーシング300の管軸方向に沿うように、弁体310が回転する。これにより、弁体310の外周面と弁ケーシング300の内周面との間が最も離れた状態になる(図中の実線で示す状態)。その結果、弁ケーシング300において蒸気B1aが入口300Aから出口300Bへ流れる。
これに対して、第1の高圧抽気絞り弁V31を全て閉めた全閉状態にするときには、ディスク状の弁体310が弁ケーシング300の管軸方向に対して直交するように弁体310が回転する。これにより、弁体310の外周面と弁ケーシング300の内周面とが接触した状態になる(図中の破線で示す状態)。その結果、弁ケーシング300において入口300Aから出口300Bへ流れる蒸気B1aが遮断される。
図2に示すように、本実施形態の給水加熱部3においては、複数の給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33b,T34,T35,T311a,T311b,T2が設置されている。
具体的には、給水温度計T31a,T31bは、第1高圧給水加熱器31a,31bから流出した水F31a,F31bの流路に設置されており、その水F31a,F31bの温度を計測する。給水温度計T32a,T32bは、第2高圧給水加熱器32a,32bから流出した水F32a,F32bの流路に設置されており、その水F32a,F32bの温度を計測する。給水温度計T33a,T33bは、第3高圧給水加熱器33a,33bから流出した水F33a,F33bの流路に設置されており、その水F33a,F33bの温度を計測する。
これと共に、脱気器311から流出した後に給水ポンプP311を介して第3高圧給水加熱器33a,33bに流入する水F311の温度を計測するように、給水温度計T311a,T311bが水F311の流路に設置されている。
また、第1低圧給水加熱器34から流出した水F34の温度を計測するように、給水温度計T34が水F34の流路に設置されている。第2低圧給水加熱器35から流出した水F35の温度を計測するように、給水温度計T35が水F35の流路に設置されている。さらに、復水器2から流出した後に復水ポンプP2を介して第2低圧給水加熱器35に流入する水F2の温度を計測するように、給水温度計T2が水F2の流路に設置されている。
本実施形態では、複数の給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33b,T34,T35,T311a,T311b,T2のそれぞれは、給水加熱器31a〜33a,31b〜33b,34,35のそれぞれにおいて、流入する水の入口温度と流出する水の出口温度との温度差を算出するために設置されている。
具体的には、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて入口に供給される水F32a,F32bの入口温度と出口から排出される水F31a,F31bの出口温度との温度差に関しては、給水温度計T31a,T31bで検出された温度から、給水温度計T32a,T32bで検出された温度を差し引いた差分処理を行うことによって算出される。第2高圧給水加熱器32a,32bにおける入口温度と出口温度との温度差に関しては、給水温度計T32a,T32bで検出された温度から、給水温度計T33a,T33bで検出された温度を差し引いた差分処理を行うことによって算出される。同様に、第3高圧給水加熱器33a,33bにおける入口温度と出口温度との温度差に関しては、給水温度計T33a,T33bで検出された温度から、給水温度計T311a,T311bで検出された温度を差し引いた差分処理を行うことによって算出される。
これと共に、第1低圧給水加熱器34における入口温度と出口温度との温度差に関しては、給水温度計T34で検出された温度から、給水温度計T35で検出された温度を差し引いた差分処理を行うことによって算出される。第2低圧給水加熱器35における入口温度と出口温度との温度差に関しては、給水温度計T35で検出された温度から、給水温度計T2で検出された温度を差し引いた差分処理を行うことによって算出される。
本実施形態の火力発電プラントは、更に、制御装置800を備えている。制御装置800は、演算器(図示省略)とメモリ装置(図示省略)とを含み、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うことによって、各部の制御を行うように構成されている。
ここでは、制御装置800は、操作指令や検出データなどが入力信号として入力される。そして、制御装置800は、その入力された入力信号に基づいて演算処理を行い、制御信号CTLを出力信号として各部に出力することで、各部の動作を制御する。
制御装置800は、通常運転の場合には抽気絞り弁V31〜V35の開度を所定量に調整する。そして、制御装置800は、電力系統において系統周波数が急速に減少したときには、発電機14の出力を「通常運転」の場合よりも急速に増加させる「出力増大運転」を行う。制御装置800は、「出力増大運転」を実行する際には、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御することによって、給水加熱部3に供給する加熱媒体(蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1e,B1f)の流量を通常運転の場合よりも低減させる。
詳細については後述するが、「出力増大運転」の開始を実行した際には、制御装置800は、復水器2から給水加熱部3を介してボイラ4へ供給される水F31a〜F33a,F31b〜F33b,F34,F35の温度に基づいて、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御する。つまり、制御装置800は、給水加熱部3において被加熱媒体として流れる水F31a〜F33a,F31b〜F33b,F34,F35の温度に応じて、抽気絞り弁V31〜V35の開度調整を行う。
本実施形態において、制御装置800は、複数の給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33b,T34,T35,T311a,T311b,T2が得た温度データに基づいて、給水加熱器31a〜33a,31b〜33b,34,35において、流入する水の温度と流出する水の温度との温度差を算出する。そして、その温度差の算出値が、温度差について予め設定した上限値を超えるか否かを制御装置800が判断する。
そして、その温度差の算出値が上限値を超える場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V35の開度を調整する。これに対して、温度差の算出値が予め設定した上限値以下である場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V35の開度を保持する。
制御装置800の詳細構成について図4を用いて説明する。図4では、「出力増大運転」を行う際に、制御装置800において、第2高圧給水加熱器32aに供給される蒸気B1b_2の流量を調整するために、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を制御する部分を代表例として示している。
図4に示すように、制御装置800は、周波数急減検出器80と関数発生器81とPID制御器813と高値選択器83とを備える(PID;Proportional−Integral−Differential)。
周波数急減検出器80は、図4に示すように、外部から系統周波数の検出値Sfが入力信号として入力される。周波数急減検出器80は、予め規定されている系統周波数の設定値から、入力された系統周波数の検出値Sfを差し引いた値を求める。そして、周波数急減検出器80は、その差し引いた値が閾値よりも大きい場合に、その差し引いた値に応じた出力増指令値S0を出力する。
関数発生器81は、図4に示すように、周波数急減検出器80から出力増指令値S0が入力信号として入力される。そして、関数発生器81は、その出力増指令値S0に応じた開度指令値SV32_0を出力信号として出力する。ここでは、関数発生器81は、出力増指令値S0に応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を減少させる開度指令値SV32_0を出力する。
PID制御器813は、図4に示すように、給水温度計T31aで検出された温度ST31aと、給水温度計T32aで検出された温度ST32aとを用いて算出された算出値ΔST31a_2が、入力信号として入力される。具体的には、給水温度計T31aで検出された温度ST31aから、給水温度計T32aで検出された温度ST32aを減算することによって、温度差ΔST31aが求められる。この温度差ΔST31aは、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて入口に供給される水F32a,F32bの温度と出口から排出される水F31a,F31bの温度との温度差である。そして、その温度差について予め設定した温度差上限値ΔST_U1から、上記のように算出した温度差ΔST31aを減算することによって、差分値ΔST31a_1が求められる。その後、その差分値ΔST31a_1に「−1」を積算して正負を反転させることで、算出値ΔST31a_2が求められる。そして、その求めた算出値ΔST31a_2が、PID制御器813に入力される。PID制御器813は、その算出値ΔST31a_2に応じた開度指令値SV32_3を出力信号として出力する。
たとえば、温度差上限値ΔST_U1が20℃であって、温度差ΔST31aが22℃である場合には、PID制御器813に入力される算出値ΔST31a_2は、「+2℃」となる。PID制御器813は、この算出値ΔST31a_2に応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を増加させる開度指令値SV32_3を出力する。
高値選択器83は、図4に示すように、関数発生器81が出力した開度指令値SV32_0と、PID制御器813が出力した開度指令値SV32_3とが入力信号として入力される。高値選択器83は、関数発生器81が出力した開度指令値SV32_0と、PID制御器813が出力した開度指令値SV32_3とのうち最も高い値を選択する。そして、高値選択器83は、その選択した開度指令値SV32を第2の高圧抽気絞り弁V32に出力信号として出力する。
なお、図示を省略しているが、制御装置800は、第2高圧給水加熱器32bに供給される蒸気B1b_2の流量を調整するために、上記のPID制御器813と同様なPID制御器を更に備えている。また、制御装置800において、第2の高圧抽気絞り弁V32以外の抽気絞り弁の動作を制御する部分についても、上記と同様に構成されている。
以下より、本実施形態の火力発電プラントの動作に関して、「通常運転」を行う場合と、「出力増大運転」を行う場合とに分けて説明を行う。
本実施形態の火力発電プラントにおいて「通常運転」を行うときの動作の一例に関して説明する。
上記の火力発電プラントにおいて「通常運転」が行われる場合には、ボイラ4から蒸気F4が蒸気タービン1に供給され、蒸気タービン1で仕事を行う。蒸気タービン1においては、蒸気F4が高圧タービン部11に作動媒体として供給されて仕事を行う。そして、高圧タービン部11から排気された蒸気B1bのうち、大部分の蒸気B1b_1がボイラ4で再度加熱された後に、そのボイラ4で再度加熱された蒸気B4が中圧タービン部12に作動媒体として供給されて仕事を行う。その後、中圧タービン部12から排出された蒸気B12が低圧タービン部13に作動媒体として供給されて仕事を行う。低圧タービン部13から排出された蒸気F1は、復水器2において凝縮され、その復水器2で凝縮された水F2が給水加熱部3で加熱される。給水加熱部3において、復水器2で凝縮された水F2は、蒸気タービン1から抽気された蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1d,B1e,B1fの熱によって加熱される。そして、給水加熱部3において加熱された水F3がボイラ4で加熱されることによって、ボイラ4で蒸気F4が生成される。その後、ボイラ4で生成された蒸気F4は、上述したように、蒸気タービン1に作動媒体として供給される。
給水加熱部3では、蒸気タービン1から抽気された蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1e,B1fが、抽気絞り弁V31〜V35を介して、加熱媒体として供給される。「通常運転」を行う場合において、火力発電プラントが一定の発電出力(定格出力)で安定的に稼働している状態では、発電効率を最大に保持するために、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V35を、たとえば、全開状態にしている。
本実施形態の火力発電プラントにおいて「出力増大運転」を行う場合の動作の一例について説明する。「出力増大運転」は、発電機14の出力を急速に増大させるために行われる。
「出力増大運転」を実行するときの流れの一例について、図5および図6を用いて説明する。
まず、図5に示すように、系統周波数の急減検出が行われる(ST10)。
具体的には、系統周波数の検出値から設定値を差し引いた値が所定の閾値よりも大きくなったときには、出力増大要求の操作指令として、出力増指令値S0(図4参照)が出力される。
つぎに、図5に示すように、「出力増大運転」を開始する(ST20)。
ここでは、出力増指令値S0に応じて制御装置800が各部の動作を制御することによって、「出力増大運転」が開始される。「出力増大運転」は、給水加熱部3に供給する加熱媒体(蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1e,B1f)の流量を通常運転の場合よりも低減するように、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御することで開始される。
「出力増大運転」を開始する際には、複数の抽気絞り弁V31〜V35のうち少なくとも一つについて、開度を小さくする。本実施形態では、第2の高圧抽気絞り弁V32について全開状態よりも開度を小さい状態に変える。これにより、第2高圧給水加熱器32a,32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量が絞られる。その結果、蒸気タービン1を構成する中圧タービン部12において膨張仕事を行う蒸気の量が増加するため、発電機14の出力を「通常運転」の場合よりも急速に増加させることができる。
つぎに、図5に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bの入口温度と出口温度との温度差ΔST31a,ΔST31bが温度差上限値ΔST_U1を超えているか否かを判断する(ST30)。
「出力増大運転」の実行のために上述したように第2高圧給水加熱器32a,32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を絞った場合には、復水器2で凝縮した水F2の流れ方向において、その第2高圧給水加熱器32a,32bよりも下流側に位置する第1高圧給水加熱器31a,31bでは、熱交換量が大きくなる。その結果、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて入口に供給される水F32a,F32bの温度ST32a,ST32bと出口から排出される水F31a,F31bの温度ST31a,ST31bとの温度差ΔST31a,ΔST31bが大きくなって、その温度差ΔST31a,ΔST31bが、予め設定した温度差上限値ΔST_U1を超える可能性が高まる(図6参照)。また、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて熱交換量を大きくするために、加熱媒体(抽気蒸気)の流速が配管の制限流速を超過する可能性が高まる。
このため、本実施形態では、上述したように、給水温度計T31a,T31bで検出された温度ST31a,ST31bから給水温度計T32a,T32bで検出された温度ST32a,ST32bを差し引いた差分処理を制御装置800が行うことによって、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bを算出する。そして、その第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bと、予め設定した温度差上限値ΔST_U1との間について、制御装置800が比較処理を行う。これにより、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが、温度差上限値ΔST_U1を超えているか否かを制御装置800が判断する。
図5に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが温度差上限値ΔST_U1を超えている場合(Yes)には、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度について調整する(ST41)。
ここでは、「出力増大運転」の開始によって全開状態よりも開度が小さい状態になっている上限値を超えた給水加熱器31a、31bの上流に位置する給水加熱器32a、32bへの加熱媒体を調整する第2の高圧抽気絞り弁V32を制御装置800が開ける。つまり、第2高圧給水加熱器32a,32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を増加させる(図6参照)。
たとえば、温度差ΔST31a,ΔST31bから温度差上限値ΔST_U1を差し引いた差分処理を行い、その差分処理で算出した差分値に応じて、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度が大きくなるように制御を行う。
その結果、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bは、予め設定した温度差上限値ΔST_U1以下になる。
これに対して、図5に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31が温度差上限値ΔST_U1以下である場合(No)には、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を保持する(ST42)。
ここでは、「出力増大運転」の開始によって第2の高圧抽気絞り弁V32が全開状態よりも開度が小さい状態になっているので、制御装置800は、その状態を保持させる。つまり、第2高圧給水加熱器32a,32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を保持させる。
なお、上記においては、説明を簡略化するために、2つの第1高圧給水加熱器31a,31bのそれぞれにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが同じである場合を例示している。2つの第1高圧給水加熱器31a,31bのそれぞれにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが異なる場合には、2つの温度差ΔST31a,ΔST31bのうち大きい値と、温度差上限値ΔST_U1との間を比較する。そして、その比較結果に基づいて、上記と同様に、第2の高圧抽気絞り弁V32の動作を制御する。
以上のように、本実施形態では、出力増大運転を実行しているときには、復水器2から給水加熱部3を介してボイラ4へ流れる水F31a〜F33a,F31b〜F33b,F34,F35の温度に基づいて、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御する。ここでは、給水加熱部3を構成する複数の給水加熱器31a〜33a,31b〜33b,34,35のそれぞれにおいて流入する水の入口温度と流出する水の出口温度との温度差を算出し、当該算出した温度差の算出値が、予め設定した上限値を超えるか否かを判断する。そして、その算出値が上限値を超える場合には、複数の抽気絞り弁V31〜V35において出力増大運転を開始するときに閉じた抽気絞り弁(本実施形態では、第2の高圧抽気絞り弁V32)を開ける。その結果、上限値を超えた給水加熱器(本実施形態では、第1高圧給水加熱器31a,31b)の温度差が上限値以下になる。また、その給水加熱器(本実施形態では、第1高圧給水加熱器31a,31b)に供給される加熱媒体の流速を配管の制限流速以下に保持することができる。
なお、給水加熱器の入口温度と出口温度との温度差の上限値は、給水加熱器の保護のために設定されている。このため、本実施形態では、上記したように、「出力増大運転」を実行する場合においても、給水加熱器の入口温度と出口温度との温度差を上限値以下にすることができるため、給水加熱器の破損防止の効果を得ることができる。
上記の実施形態では、「出力増大運転」を実行するために、複数の抽気絞り弁V31〜V35のうち、第2の高圧抽気絞り弁V32について開度を全開状態から小さくする場合について例示したが、これに限らない。以下より、具体的な変形例について説明する。
(変形例1−1)
変形例1−1に関して、図7A、図7B、図7C、図8を用いて説明する。図7Aから図7Cのそれぞれは、「出力増大運転」を実行するときの流れを示すフロー図である。図8は、「出力増大運転」を実行するときに、高圧給水加熱器の温度と、高圧抽気絞り弁の開度との関係を示す図である。
図7Aに示すように、系統周波数の急減検出が行われたとき(ST10)には、「出力増大運転」を開始する(ST20)。
本変形例において「出力増大運転」を開始する際には、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度、および、第3の高圧抽気絞り弁V33の開度について、全開状態よりも小さい状態に変える。
「出力増大運転」を開始後、本変形例では、図7Aに示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bの出口温度が、温度下限値未満か否かを判断する(ST30a)。ここでは、図8に示すように、給水温度計T31a,T31bが検出した温度に基づいて、制御装置800が上記の判断を行う(図2参照)。
そして、図7Aに示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bの出口温度(給水温度計T31a,T31bが検出した温度)が温度下限値未満である場合(Yes)には、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度を大きくするように調整を行う(ST41a)。これにより、図8に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bの出口温度が温度下限値未満の状態から温度下限値以上の状態になる。
これに対して、図7Aに示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bの出口温度(給水温度計T31a,T31bが検出した温度)が温度下限値未満でない場合(No)には、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度について全開状態よりも小さい状態に保持する(ST42a)。
また、本変形例では、図7Bに示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて入口に供給される水F32a,F32bの入口温度と出口から排出される水F31a,F31bの出口温度との温度差ΔST31a,ΔST31bが、予め設定した温度差上限値ΔST_U1を超えるか否かを判断する(ST30b)。ここでは、図8に示すように、給水温度計T31a,T31bが検出した温度と、給水温度計T32a,T32bが検出した温度との温度差ΔST31a,ΔST31bに基づいて、制御装置800が上記の判断を行う(図2参照)。
そして、図7Bに示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが温度差上限値ΔST_U1を超えた場合(Yes)には、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度が大きくなるように調整する(ST41b)。たとえば、図8に示すように、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度を大きくした後に、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが温度差上限値ΔST_U1を超えたときに、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を大きくする。これにより、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが温度差上限値ΔST_U1を超えた状態から温度差上限値ΔST_U1以下になる。
これに対して、図7Bに示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bにおける温度差ΔST31a,ΔST31bが温度差上限値ΔST_U1以下である場合には、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度について全開状態よりも小さい状態に保持する(ST42b)。
更に、本変形例では、図7Cに示すように、第2高圧給水加熱器32a,32bにおいて入口に供給される水F33a,F33bの入口温度と出口から排出される水F32a,F32bの出口温度との温度差ΔST32a,ΔST32bが、予め設定した温度差上限値ΔST_U2を超えるか否かを制御装置800が判断する(ST30c)。ここでは、図8に示すように、給水温度計T32a,T32bが検出した温度と、給水温度計T33a,T33bが検出した温度との温度差ΔST32a,ΔST32bに基づいて、制御装置800が上記の判断を行う(図2参照)。
そして、図7Cに示すように、第2高圧給水加熱器32a,32bにおける温度差ΔST32a,ΔST32bが温度差上限値ΔST_U2を超えた場合(Yes)には、第3の高圧抽気絞り弁V33の開度が大きくなるように調整する(ST41c)。たとえば、図8に示すように、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を大きくした後に、第2高圧給水加熱器32a,32bにおける温度差ΔST32a,ΔST32bが温度差上限値ΔST_U2を超えたときに、第3の高圧抽気絞り弁V33の開度を大きくする。これにより、第2高圧給水加熱器32a,32bにおける温度差ΔST32a,ΔST32bが温度差上限値ΔST_U2を超えた状態から温度差上限値ΔST_U2以下になる。
これに対して、図7Cに示すように、第2高圧給水加熱器32a,32bにおける温度差ΔST32a,ΔST32bが温度差上限値ΔST_U2以下である場合には、第3の高圧抽気絞り弁V33の開度について全開状態よりも小さい状態に保持する(ST42c)。
(変形例1−2)
変形例1−2において、「出力増大運転」を実行する際には、たとえば、第2の低圧抽気絞り弁V35の開度を全開状態よりも小さい状態に変える。この場合には、第2低圧給水加熱器35よりも下流側に位置する第1低圧給水加熱器34において熱交換量が大きくなる可能性が高まる。このため、第1低圧給水加熱器34において入口に供給される水F35の入口温度と出口から排出される水F34の出口温度との温度差が、予め設定した温度差上限値を超えるか否かを制御装置800が判断する。
第1低圧給水加熱器34における温度差が温度差上限値以下である場合には、第2の低圧抽気絞り弁V35の開度を全開状態よりも小さい状態に保持する。
これに対して、第1低圧給水加熱器34における温度差が温度差上限値を超えている場合には、第2の低圧抽気絞り弁V35を開ける。その結果、第1低圧給水加熱器34において入口に供給される水F35の入口温度と出口から排出される水F34の出口温度との温度差は、予め設定した温度差上限値以下になる。
なお、本変形例において、「出力増大運転」を実行する際には、脱気器311よりも上流側に位置する第2低圧給水加熱器35に供給される加熱媒体の流量を「通常運転」の場合よりも低減している。このため、脱気器311に流入する水F34の温度(給水温度)が低下して、脱気器311においてフラッディングが生ずることを、本実施形態では、効果的に防止可能である。
(変形例1−3)
変形例1−3に係る給水加熱部3の詳細構成に関して、図9を用いて説明する。
本変形例の給水加熱部3においては、上記実施形態の場合と異なり、図9に示すように、第1の高圧抽気絞り弁V31、第2の高圧抽気絞り弁V32、および、第3の高圧抽気絞り弁V33のそれぞれが、2つである。
具体的には、一方の第1の高圧抽気絞り弁V31aは、一方の第1高圧給水加熱器31aに加熱媒体として供給する蒸気B1aの流量を調整するために設置されている。そして、他方の第1の高圧抽気絞り弁V31bは、他方の第1高圧給水加熱器31bに加熱媒体として供給する蒸気B1aの流量を調整するために設置されている。一方の第2の高圧抽気絞り弁V32aは、一方の第2高圧給水加熱器32aに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を調整するために設置されている。そして、他方の第2の高圧抽気絞り弁V32bは、他方の第2高圧給水加熱器32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を調整するために設置されている。一方の第3の高圧抽気絞り弁V33aは、一方の第3高圧給水加熱器33aに加熱媒体として供給する蒸気B1cの流量を調整するために設置されている。そして、他方の第3の高圧抽気絞り弁V33bは、他方の第3高圧給水加熱器33bに加熱媒体として供給する蒸気B1cの流量を調整するために設置されている。
本変形例において、「出力増大運転」を実行する際には、たとえば、第2の高圧抽気絞り弁V32bの開度を全開状態よりも小さい状態に変える。
この場合には、第2高圧給水加熱器32bよりも下流側に位置する第1高圧給水加熱器31bにおいて熱交換量が大きくなる可能性が高まる。このため、第1高圧給水加熱器31bにおいて入口に供給される水F32bの入口温度と出口から排出される水F31bの出口温度との温度差が、予め設定した温度差上限値を超えるか否かを制御装置800が判断する。
第1高圧給水加熱器31bにおける温度差が温度差上限値以下である場合には、第2の高圧抽気絞り弁V32bの開度について全開状態よりも小さい状態に保持する。
これに対して、第1高圧給水加熱器31bにおける温度差が温度差上限値を超えている場合には、第2の高圧抽気絞り弁V32bの開度を大きくする。その結果、第1高圧給水加熱器31bにおける温度差は、予め設定した温度差上限値以下になる。
(その他)
上記においては、第1高圧給水加熱器31(31a,31b)、第2高圧給水加熱器32(32a,32b)、第3高圧給水加熱器33(33a,33b)、第1低圧給水加熱器34、および、第2低圧給水加熱器35を、給水加熱部3が給水加熱器として備える場合について説明したが、これに限らない。給水加熱器は、上記した台数以外の台数に、適宜、変更してもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る火力発電プラントの要部について、図10を用いて説明する。図10に示すように、本実施形態は、一部の構成を除き、上記した第1実施形態と同様であるので、重複部分に関しては適宜説明を省略する。
本実施形態の給水加熱部3においては、図10に示すように、第1実施形態の場合と同様に、複数の抽気絞り弁V31〜V35が設けられている。
給水加熱器31a〜33a,31b〜33b,34,35は、たとえば、シェル&チューブ式の熱交換器である。給水加熱器31a〜33a,31b〜33b,34,35においては、蒸気タービン1から抽気された蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1e,B1fが加熱媒体としてシェルに供給され、復水器2で凝縮した水F2が被加熱媒体としてチューブに供給され、加熱媒体と被加熱媒体との間で熱交換が行われる。水F2は、給水加熱部3で行われた熱交換によって、加熱される。そして、蒸気タービン1から抽気された蒸気B1a,B1b_2,B1c,B1e,B1fは、給水加熱部3で行われた熱交換によって冷却されて凝縮し、ドレン水に変わる。
そして、本実施形態の給水加熱部3には、図10に示すように、複数のドレン水温度計X31a〜X33a,X31b〜X33b,X34,X35(器内温度計)が設置されている。これと共に、給水加熱部3には、複数の圧力計P31a〜P33a,P31b〜P33b,P34,P35(器内圧力計)が設置されている。
具体的には、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて蒸気B1aが加熱媒体として供給されるシェルの内部に存在するドレン水の温度を計測するように、ドレン水温度計X31a,X31bが設置されていると共に、第1高圧給水加熱器31a,31bのシェルの内部の圧力を計測するように圧力計P31a,P31bが設置されている。第2高圧給水加熱器32a,32bにおいて蒸気B1b_2が加熱媒体として供給されるシェルの内部に存在するドレン水の温度を計測するように、ドレン水温度計X32a,X32bが設置されていると共に、第2高圧給水加熱器32a,32bのシェルの内部の圧力を計測するように、圧力計P32a,P32bが設置されている。第3高圧給水加熱器33a,33bにおいて蒸気B1cが加熱媒体として供給されるシェルの内部に存在するドレン水の温度を計測するように、ドレン水温度計X33a,X33bが設置されていると共に、第3高圧給水加熱器33a,33bのシェルの内部の圧力を計測するように、圧力計P33a,P33bが設置されている。
これと共に、第1低圧給水加熱器34において蒸気B1eが加熱媒体として供給されるシェルの内部に存在するドレン水の温度を計測するように、ドレン水温度計X34が設置されていると共に、第1低圧給水加熱器34のシェルの内部の圧力を計測するように、圧力計P34が設置されている。第2低圧給水加熱器35において蒸気B1fが加熱媒体として供給されるシェルの内部に存在するドレン水の温度を計測するように、ドレン水温度計X35が設置されていると共に、第2低圧給水加熱器35のシェルの内部の圧力を計測するように、圧力計P35が設置されている。
本実施形態において、ドレン水温度計X31a〜X33a,X31b〜X33b,X34,X35および圧力計P31a〜P33a,P31b〜P33b,P34,P35は、給水加熱器31a〜33a,31b〜33b,34,35の内部で生じたドレン水が蒸気になるドレンフラッシュの発生を監視するために設置されている。
制御装置800は、第1実施形態の場合と同様に、「出力増大運転」を実行する際には、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御することによって、給水加熱部3に供給される加熱媒体の流量を通常運転の場合よりも低減させる。加熱媒体の流量を低減させるにあたっては、給水加熱部3において加熱媒体が供給される内部のドレン水温度が加熱媒体の飽和温度より低い状態となる範囲で抽気絞り弁V31〜V35を調整すべく、出力増大運転が開始されてから抽気絞り弁V31〜V35をどの順序でどの程度開けるかを過去の知見をもとに予め作成した手順を記憶させておき、この予め定められた手順で、抽気絞り弁V31〜V35の開度を調整していく。
詳細については後述するが、「出力増大運転」を実行しているときには、制御装置800は、給水加熱部3において加熱媒体が供給される内部のドレン水の温度、および、その内部の圧力に基づいて、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御する。つまり、制御装置800は、ドレン水温度計X31a〜X33a,X31b〜X33b,X34,X35が得た温度データ、および、圧力計P31a〜P33a,P31b〜P33b,P34,P35が得た圧力データに基づいて、抽気絞り弁V31〜V35の開度調整を行う。
制御装置800の詳細構成について図11を用いて説明する。図11では、「出力増大運転」を行う際に、制御装置800において、第2高圧給水加熱器32aに供給される蒸気B1b_2の流量を調整するために、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を制御する部分を代表例として示している。
図11に示すように、制御装置800は、周波数急減検出器80と蒸気表T80と関数発生器81とPID制御器815と高値選択器83とを備える。
周波数急減検出器80は、図11に示すように、外部から系統周波数の検出値Sfが入力信号として入力される。周波数急減検出器80は、予め規定されている系統周波数の設定値から、入力された系統周波数の検出値Sfを差し引いた値を求める。そして、周波数急減検出器80は、その差し引いた値が閾値よりも大きい場合に、その差し引いた値に応じた出力増指令値S0を出力する。
関数発生器81は、図11に示すように、周波数急減検出器80から出力増指令値S0が入力信号として入力される。そして、関数発生器81は、その出力増指令値S0に応じた開度指令値SV32_0を出力信号として出力する。ここでは、関数発生器81は、出力増指令値S0に応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を減少させる開度指令値SV32_0を出力する。
PID制御器815は、図11に示すように、ドレン水温度計X32aで検出された温度SX32aと、圧力計P32aで検出された圧力SP32aとを用いて算出された算出値ΔSC32aが入力信号として入力される。具体的には、ルックアップテーブル等で構成された蒸気表T80を用いて、圧力計P32aで検出された圧力SP32aに対応する飽和蒸気温度SS32aが求められる。そして、その求めた飽和蒸気温度SS32aから、ドレン水温度計X32aで検出された温度SX32aを減算することによって、温度差ΔSX32aが求められる。そして、その温度差について予め設定した温度差下限値ΔSC_L2(サブクール温度下限値)から、上記のように算出した温度差ΔSX32aを減算することによって、算出値ΔSC32aが求められる。そして、その求めた算出値ΔSC32aが、PID制御器815に入力される。PID制御器815は、その算出値ΔSC32aに応じた開度指令値SV32_5を出力信号として出力する。
たとえば、温度差下限値SC_L2(サブクール温度下限値)が5℃であって、温度差ΔSX32aが3℃である場合には、PID制御器815に入力される算出値ΔSC32aは、「+2℃」となる。PID制御器815は、この算出値ΔSC32aに応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を増加させる開度指令値SV32_5を出力する。
高値選択器83は、図11に示すように、関数発生器81が出力した開度指令値SV32_0と、PID制御器815が出力した開度指令値SV32_5とが入力信号として入力される。高値選択器83は、関数発生器81が出力した開度指令値SV32_0と、PID制御器815が出力した開度指令値SV32_5とのうち最も高い値を選択する。そして、高値選択器83は、その選択した開度指令値SV32を第2の高圧抽気絞り弁V32に出力信号として出力する。
なお、図示を省略しているが、制御装置800は、第2高圧給水加熱器32bに供給される蒸気B1b_2の流量を調整するために、上記のPID制御器815と同様なPID制御器を更に備えている。また、制御装置800において、第2の高圧抽気絞り弁V32以外の抽気絞り弁の動作を制御する部分についても、上記と同様に構成されている。
本実施形態において、上記の「出力増大運転」を実行するときの動作の一例に関して説明する。
本実施形態において系統周波数の急減を検出した時には、制御装置800は、たとえば、第1の高圧抽気絞り弁V31と第2の高圧抽気絞り弁V32と第3の高圧抽気絞り弁V33とのそれぞれについて、開度を小さくする。ここでは、第1の高圧抽気絞り弁V31と第2の高圧抽気絞り弁V32と第3の高圧抽気絞り弁V33との全ての開度に関して、全開状態(K=Kmax=100%)から、全閉状態よりも大きい所定の開度(K=Kx(たとえば、Kx=10%))に変える。たとえば、系統周波数の急減を検出した時から0.5秒以内に、所定の開度に変わる。これにより、第1高圧給水加熱器31a,31bと第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bとのそれぞれに供給される加熱媒体の流量が、「出力増大運転」の実行前の状態よりも絞られる。
上記のように、「出力増大運転」を実行しているときには、蒸気タービン1において膨張仕事を行う蒸気の量が増加するため、発電機14の出力を「通常運転」の場合よりも急速に増加させることができる。
「出力増大運転」を実行しているとき、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力は、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度が小さくなるに伴って低下する。その後、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度が大きくなるに伴い、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力は、上昇する。このように、「出力増大運転」を実行しているとき、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力は、変動する。第1高圧給水加熱器31a,31bの内部では、圧力の変動に伴って、加熱媒体の飽和温度も変動する。第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて加熱媒体が供給される内部の温度は、加熱媒体の飽和温度よりも低い状態になるように変動する。このため、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいてドレンフラッシュが生じない。
第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bとのそれぞれにおいても同様に、加熱媒体が供給される内部の圧力が変動する。これに伴い、加熱媒体の飽和温度も変動するが、加熱媒体が供給される内部の温度は、加熱媒体の飽和温度よりも低い状態になるように変動する。このため、第2高圧給水加熱器32a,32bおよび第3高圧給水加熱器33a,33bにおいてもドレンフラッシュが生じない。
更に、本実施形態では、「出力増大運転」を実行しているときには、第1高圧給水加熱器31a,31bと第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bとにおいて計測したドレン水の温度および内部の圧力に基づいて、制御装置800が抽気絞り弁V31〜V33の動作を制御する。ここでは、第1高圧給水加熱器31a,31bと第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bとにおいてドレン水の温度が、飽和温度よりも低い状態を保持するように、制御装置800が抽気絞り弁V31〜V33の動作を制御する。
具体的には、第1高圧給水加熱器31a,31bと第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bとにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力について計測した圧力計測値から加熱媒体の飽和温度を算出する。そして、第1高圧給水加熱器31a,31bと第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bとの内部に存在するドレン水の温度を、上記のように算出した飽和温度から減算することによって、温度差を算出する。そして、その温度差について予め設定した温度差下限値ΔSC_L1〜ΔSC_L3(サブクール温度下限値)から、上記のように算出した温度差を減算した算出値に応じて、各高圧抽気絞り弁V31,V32,V33の開度を制御する。
そして、その温度差について予め設定した温度差下限値ΔSC_L1〜ΔSC_L3(サブクール温度下限値)から、上記のように算出した温度差を減算した算出値に応じて、各高圧抽気絞り弁V31,V32,V33の開度を制御する。ここでは、算出値に応じて開度を大きくする。これにより、第1高圧給水加熱器31a,31bと第2高圧給水加熱器32a,32bと第3高圧給水加熱器33a,33bにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力が上昇し、その圧力の上昇に伴って飽和温度が上がる。その結果、ドレンフラッシュの発生を防止することができる。
以上のように、本実施形態では、出力増大運転を行う際には、給水加熱部3において加熱媒体が供給される内部の温度が加熱媒体の飽和温度より低い状態になるように予め定められた手順で、抽気絞り弁V31〜V35の開度を調整する。これと共に、本実施形態では、出力増大運転を実行しているとき、給水加熱部3において加熱媒体が供給される内部に存在するドレン水の温度データ、その内部の圧力データ、および、サブクール温度下限値を用いて算出した値に基づいて、抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御する。ここでは、給水加熱部3の内部圧力を検出するとともに、給水加熱部3において加熱媒体が供給される箇所に存在するドレン水の温度を検出し、内部の圧力に基づいて加熱媒体の飽和温度を求め、検出されたドレン水の温度が、その求められた飽和温度より低くなるよう抽気絞り弁V31〜V35の動作を制御する。
したがって、本実施形態では、上記したように、給水加熱部3において加熱媒体が供給される内部でドレンフラッシュが発生することを効果的に防止可能である。また、急速に出力を増加させることが容易であって、プラント運転を安定化することができる。
第2実施形態の変形例について説明する。
(変形例2−1)
第2実施形態の変形例2−1について図12を用いて説明する。図12においては、複数の抽気絞り弁V31〜V35のうち、第1の高圧抽気絞り弁V31の断面を模式的に示しているが、他も同様である。
本実施形態では、第1の高圧抽気絞り弁V31は、図12に示すように、ストッパ310Sを備えていることが好ましい。ここでは、ストッパ310Sは、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度が全閉状態になることを阻害する位置に設置されている。ここでは、ストッパ310Sは、系統周波数の急減を検出した時に、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度を低減させる場合に、ディスク状の弁体310が接触する位置に設置されている。
具体的には、第1の高圧抽気絞り弁V31を閉めるときには、弁体310が弁ケーシング300の管軸方向に対して直交になる前に弁体310がストッパ310Sに接触する。これにより、弁ケーシング300において入口300Aから出口300Bへ加熱媒体として流れる蒸気B1aが完全には遮断されず、蒸気B1aが加熱媒体として第1高圧給水加熱器31a,31bに供給される。
第1の高圧抽気絞り弁V31を全閉状態にした場合には、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力が急激に低下するため、ドレンフラッシュが発生する可能性が高まる。しかし、本変形例では、第1の高圧抽気絞り弁V31の開度が全閉状態にならないので、系統周波数の急減を検出した時に第1の高圧抽気絞り弁V31の開度を低減させた場合であっても、第1高圧給水加熱器31a,31bにおいて加熱媒体が供給される内部の圧力が急激に低下することを防止可能である。その結果、本変形例では、ドレンフラッシュの発生を更に効果的に防止可能である。
(変形例2−2)
第2実施形態の変形例2−2について図13を用いて説明する。
図13においては、給水加熱部3の詳細構成を模式的に示している。図13では、給水加熱部3のうち高圧給水加熱部(高圧給水加熱器群)を示している。
図13に示すように、本変形例の給水加熱部3においては、上記の第2実施形態の場合と異なり、複数の流量計FT31〜FT33、複数のレベル計LT31a〜LT33a,LT31b〜LT33b、および、複数の給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33bが更に設置されている。
具体的には、流量計FT31は、図13に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bに加熱媒体として供給する蒸気B1aの流量を計測するために設置されている。流量計FT32は、第2高圧給水加熱器32a,32bに加熱媒体として供給する蒸気B1b_2の流量を計測するために設置されている。流量計FT33は、第3高圧給水加熱器33a,33bに加熱媒体として供給する蒸気B1cの流量を計測するために設置されている。
レベル計LT31a,LT31bは、図13に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bの内部に存在するドレン水の水位を計測するために設置されている。レベル計LT32a,LT32bは、第2高圧給水加熱器32a,32bの内部に存在するドレン水の水位を計測するために設置されている。レベル計LT33a,LT33bは、第3高圧給水加熱器33a,33bの内部に存在するドレン水の水位を計測するために設置されている。
給水温度計T31a,T31bは、図13に示すように、第1高圧給水加熱器31a,31bから流出した水F31a,F31bの流路に設置されており、その水F31a,F31bの温度を計測する。給水温度計T32a,T32bは、第2高圧給水加熱器32a,32bから流出した水F32a,F32bの流路に設置されており、その水F32a,F32bの温度を計測する。給水温度計T33a,T33bは、第3高圧給水加熱器33a,33bから流出した水F33a,F33bの流路に設置されており、その水F33a,F33bの温度を計測する。
制御装置800は、「出力増大運転」を実行しているときには、更に、流量計FT31〜FT33が得た流量データ、レベル計LT31a〜LT33a,LT31b〜LT33bが得た水位データ、および、給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33bが得た温度データに基づいて、抽気絞り弁V31〜V33の開度調整を行う。つまり、制御装置800は、更に、給水加熱部3に加熱媒体として供給される蒸気の流量、給水加熱部3において加熱媒体が供給される内部に存在するドレン水の水位、給水加熱部3において被加熱媒体として流れる水の温度に基づいて、抽気絞り弁V31〜V33の開度調整を行う。
本変形例の制御装置800の詳細構成について図14を用いて説明する。図14では、「出力増大運転」を行う際に、制御装置800において、第2高圧給水加熱器32aに供給される蒸気B1b_2の流量を調整するために、第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を制御する部分を代表例として示している。
図14に示すように、制御装置800は、周波数急減検出器80、蒸気表T80、関数発生器81、PID制御器811〜815、低値選択器82、および、高値選択器83を備えている。
周波数急減検出器80は、図14に示すように、外部から系統周波数の検出値Sfが入力信号として入力される。周波数急減検出器80は、予め規定されている系統周波数の設定値から、入力された系統周波数の検出値Sfを差し引いた値を求める。そして、周波数急減検出器80は、その差し引いた値が閾値よりも大きい場合に、その差し引いた値に応じた出力増指令値S0を出力する。
関数発生器81は、図14に示すように、周波数急減検出器80から出力増指令値S0が入力信号として入力される。そして、関数発生器81は、その出力増指令値S0に応じた開度指令値SV32_0を出力信号として出力する。ここでは、関数発生器81は、出力増指令値S0に応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を減少させる開度指令値SV32_0を出力する。
PID制御器811は、図14に示すように、流量計FT32で測定された流量SFT32を用いて算出された算出値ΔSFT32が、入力信号として入力される。具体的には、予め設定した流量上限値SFT_U(抽気配管や給水加熱器の設計で決定される値にマージンを加算した値)から、流量計FT32で測定された流量SFT32を減算することによって、算出値ΔSFT32が求められる。そして、その求めた算出値ΔSFT32が、PID制御器811に入力される。PID制御器811は、その算出値ΔSFT32に応じた開度指令値SV32_1を出力信号として出力する。
たとえば、流量上限値SFT_Uが50kg/sであって、測定された流量SFT32が55kg/sである場合には、PID制御器811に入力される算出値ΔSFT32は、「−5kg/s」となる。PID制御器811は、この算出値ΔSFT32に応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を減少させる開度指令値SV32_1を出力する。
PID制御器812は、図14に示すように、レベル計LT32aで測定された水位SLT32aを用いて算出された算出値ΔSLT32a_Uが、入力信号として入力される。具体的には、予め設定した水位上限値SLT_U(機器の設計で決定される値にマージンを加算した値)から、レベル計LT32aで測定された水位SLT32aを減算することによって、算出値ΔSLT32a_Uが求められる。そして、その求めた算出値ΔSLT32a_Uが、PID制御器812に入力される。PID制御器812は、その算出値ΔSLT32a_Uに応じた開度指令値SV32_2を出力信号として出力する。
たとえば、水位上限値SLT_Uが「+10mm」であって、測定された水位SLT32aが「+12mm」である場合には、PID制御器812に入力される算出値ΔSLT32a_Uは、「−2mm」となる。PID制御器812は、この算出値ΔSLT32a_Uに応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を減少させる開度指令値SV32_2を出力する。
PID制御器813は、図14に示すように、給水温度計T31aで検出された温度ST31aと、給水温度計T32aで検出された温度ST32aとを用いて算出された算出値ΔST31a_2が、入力信号として入力される。具体的には、給水温度計T31aで検出された温度ST31aから、給水温度計T32aで検出された温度ST32aを減算することによって、温度差ΔST31aが求められる。この温度差ΔST31aは、第1高圧給水加熱器31aにおいて入口に供給される水F32aの温度と出口から排出される水F31aの温度との温度差である。そして、その温度差について予め設定した温度差上限値ΔST_U1(機器の設計から決定された値にマージンを加算した値)から、上記のように算出した温度差ΔST31aを減算することによって、差分値ΔST31a_1が求められる。その後、その差分値ΔST31a_1に「−1」を積算して正負を反転させることで、算出値ΔST31a_2が求められる。そして、その求めた算出値ΔST31a_2が、PID制御器813に入力される。PID制御器813は、その算出値ΔST31a_2に応じた開度指令値SV32_3を出力信号として出力する。
たとえば、温度差上限値ΔST_U1が20℃であって、温度差ΔST31aが22℃である場合には、PID制御器813に入力される算出値ΔST31a_2は、「+2℃」となる。PID制御器813は、この算出値ΔST31a_2に応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を増加させる開度指令値SV32_3を出力する。
PID制御器814は、図14に示すように、レベル計LT32aで測定された水位SLT32aを用いて算出された算出値ΔSLT32a_Lが、入力信号として入力される。具体的には、予め設定した水位下限値SLT_L(機器の設計で決定される値にマージンを加算した値)から、レベル計LT32aで測定された水位SLT32aを減算することによって、算出値ΔSLT32a_Lが求められる。そして、その求めた算出値ΔSLT32a_Lが、PID制御器814に入力される。PID制御器814は、その算出値ΔSLT32a_Lに応じた開度指令値SV32_4を出力信号として出力する。
たとえば、水位下限値SLT_Lが「−10mm」であって、測定された水位SLT32aが「−12mm」である場合には、PID制御器814に入力される算出値ΔSLT32a_Lは、「+2mm」となる。PID制御器814は、この算出値ΔSLT32a_Lに応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を増加させる開度指令値SV32_4を出力する。
PID制御器815は、図14に示すように、ドレン水温度計X32aで検出された温度SX32aと、圧力計P32aで検出された圧力SP32aとを用いて算出された算出値ΔSC32aが入力信号として入力される。具体的には、ルックアップテーブル等で構成された蒸気表T80を用いて、圧力計P32aで検出された圧力SP32aに対応する飽和蒸気温度SS32aが求められる。そして、その求めた飽和蒸気温度SS32aから、ドレン水温度計X32aで検出された温度SX32aを減算することによって、温度差ΔSX32aが求められる。そして、その温度差について予め設定した温度差下限値ΔSC_L2(サブクール温度下限値)から、上記のように算出した温度差ΔSX32aを減算することによって、算出値ΔSC32aが求められる。そして、その求めた算出値ΔSC32aが、PID制御器815に入力される。PID制御器815は、その算出値ΔSC32aに応じた開度指令値SV32_5を出力信号として出力する。
たとえば、温度差下限値ΔSC_L2(サブクール温度下限値)が5℃であって、温度差ΔSX32aが3℃である場合には、PID制御器815に入力される算出値ΔSC32aは、「+2℃」となる。PID制御器815は、この算出値ΔSC32aに応じて第2の高圧抽気絞り弁V32の開度を増加させる開度指令値SV32_5を出力する。
低値選択器82は、図14に示すように、関数発生器81が出力した開度指令値SV32_0とPID制御器811が出力した開度指令値SV32_1とPID制御器812が出力した開度指令値SV32_2とが入力信号として入力される。低値選択器82は、関数発生器81が出力した開度指令値SV32_0とPID制御器811が出力した開度指令値SV32_1とPID制御器812が出力した開度指令値SV32_2とのうち最も低い値を選択する。そして、低値選択器82は、その選択した開度指令値SV32Lを高値選択器83に出力信号として出力する。
高値選択器83は、図14に示すように、低値選択器82が出力した開度指令値SV32Lと、PID制御器813が出力した開度指令値SV32_3と、PID制御器814が出力した開度指令値SV32_4と、PID制御器815が出力した開度指令値SV32_5とが入力信号として入力される。高値選択器83は、低値選択器82が出力した開度指令値SV32Lと、PID制御器813が出力した開度指令値SV32_3と、PID制御器814が出力した開度指令値SV32_4と、PID制御器815が出力した開度指令値SV32_5とのうち最も高い値を選択する。そして、高値選択器83は、その選択した開度指令値SV32を第2の高圧抽気絞り弁V32に出力信号として出力する。
なお、図示を省略しているが、制御装置800は、第2高圧給水加熱器32bに供給される蒸気B1b_2の流量を調整するために、上記のPID制御器811〜815と同様なPID制御器を更に備えている。また、制御装置800において、第2の高圧抽気絞り弁V32以外の抽気絞り弁の動作を制御する部分についても、上記と同様に構成されている。
本変形例において、上記の「出力増大運転」を実行するときの動作の一例に関して説明する。
本変形例において、「出力増大運転」を実行しているときには、上記した第2実施形態の場合と同様に、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bにおいて計測したドレン水の温度および内部の圧力に基づいて、制御装置800が抽気絞り弁V31〜V33の動作を制御する。このため、給水加熱部3においてドレンフラッシュが発生することを効果的に防止可能である。
そして、本変形例では、上記した第2実施形態の場合と異なり、流量計FT31〜FT33が得た流量データに基づいて、制御装置800が抽気絞り弁V31〜V33の動作を制御する。ここでは、流量計FT31〜FT33が得た流量データに基づいて、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bに加熱媒体として供給される蒸気B1a,B1b_2,B1c(抽気蒸気)の流量が、予め設定した上限値以下であるか否かを、制御装置800が判断する。流量が上限値を超える場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を閉じる。これに対して、流量が上限値以下である場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を保持する。このため、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bに加熱媒体として供給される蒸気B1a,B1b_2,B1c(抽気蒸気)の流量を上限値以下に調整することができる。
また、本変形例では、上記した第2実施形態の場合と異なり、レベル計LT31a〜LT33a,LT31b〜LT33bが得た水位データに基づいて、抽気絞り弁V31〜V33の動作を制御する。ここでは、レベル計LT31a〜LT33a,LT31b〜LT33bが得た水位データに基づいて、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bの内部に存在するドレン水の水位が、予め設定した上限値と下限値との範囲内にあるか否かを、制御装置800が判断する。ドレン水の水位が上限値を超える場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を閉じる。ドレン水の水位が下限値未満である場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を開ける。これに対して、ドレン水の水位が上限値と下限値との範囲内である場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を保持する。このため、ドレン水の水位を上限値と下限値とで規定された範囲内に調整することができる。
更に、本変形例では、上記した第1実施形態の場合と同様に、給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33bが得た温度データに基づいて、抽気絞り弁V31〜V33の動作を制御する。ここでは、給水温度計T31a〜T33a,T31b〜T33bが得た温度データに基づいて、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bにおいて流入する水の温度と流出する水の温度との温度差を、制御装置800が算出する。そして、その温度差の算出値が、温度差について予め設定した上限値を超えるか否かを制御装置800が判断する。そして、その温度差の算出値が上限値を超える場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を調整する。これに対して、温度差の算出値が予め設定した上限値以下である場合には、制御装置800は、抽気絞り弁V31〜V33の開度を保持する。このため、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bの温度差を上限値以下にすることができるので、給水加熱器31a〜33a,31b〜33bの破損を効果的に防止可能である。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。