JP2020040176A - 断熱材加工装置、断熱材加工装置の制御装置、及び、断熱材加工プログラム - Google Patents
断熱材加工装置、断熱材加工装置の制御装置、及び、断熱材加工プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】断熱材の加工を効率良く行って、見栄えの良い断熱部材を製造することが可能な断熱材加工装置、断熱材加工装置の制御装置、及び、断熱材加工プログラムを提供する。【解決手段】断熱材100の厚み方向の一面(表面100a)側の所定の部分に対して、その表面100aに対して所定の第1の傾斜角度(角度θ)にて刃部11が接触しつつ進行するようにして切断し、断熱材100の厚み方向においてその表面100aから所定の部分より遠くに離れた部分を、第1の傾斜角度(角度θ)よりも大きく傾斜した第2の傾斜角度(角度θa〜θb)にて刃部11が進行するようにして切断することが可能な構成とする。【選択図】図1
Description
本発明は、断熱材加工装置、断熱材加工装置の制御装置、及び、断熱材加工プログラムに関する。
従来、住宅等の建築物の壁や床に、断熱性を有する発泡樹脂製の断熱部材を埋めることによって断熱性能を高める構造が知られている。この断熱部材は、例えば、長方形の外形形状をした板状の断熱材を必要な大きさに対応するように切断して形成され、この切断された断熱部材が建築物の柱や梁の間を埋めるように敷き詰められて用いられる(特許文献1参照)。
1つの建築物を建築するためには、板状の断熱材から切り出された断熱部材として、使用される部位に応じた多種の大きさや形状の断熱部材が必要となる場合があり、板状の断熱材の加工を効率良く行って、見栄えの良い断熱部材を製造するための構成について改良の余地のある可能性があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、断熱材の加工を効率良く行って、見栄えの良い断熱部材を製造することが可能な断熱材加工装置、断熱材加工装置の制御装置、及び、断熱材加工プログラムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1に記載の断熱材加工装置は、発泡樹脂を用いて所定の厚みを有するようにして形成された板状の断熱材を、薄板状に形成された1又は複数の刃部によって切断する加工が可能であり、その切断面を折れ曲がった形状に加工が可能な断熱材加工装置であって、
前記断熱材の厚み方向の一面側を、その一面に対して予め定めた第1の傾斜角度にて前記刃部が接触しつつ前記刃部が進行するようにして切断する加工を行う第1加工手段と、
前記断熱材の厚み方向において前記一面から前記第1加工手段によって切断された部分より遠くに離れた部分を、前記第1の傾斜角度よりも前記一面に対して大きく傾斜した第2の傾斜角度にて前記刃部が進行するようにして切断する加工を行う第2加工手段とを備えていることを特徴とする。
前記断熱材の厚み方向の一面側を、その一面に対して予め定めた第1の傾斜角度にて前記刃部が接触しつつ前記刃部が進行するようにして切断する加工を行う第1加工手段と、
前記断熱材の厚み方向において前記一面から前記第1加工手段によって切断された部分より遠くに離れた部分を、前記第1の傾斜角度よりも前記一面に対して大きく傾斜した第2の傾斜角度にて前記刃部が進行するようにして切断する加工を行う第2加工手段とを備えていることを特徴とする。
この請求項1に記載の断熱材加工装置によれば、板状の断熱材を切断する加工として、第1加工手段によって、厚み方向の一面側が、その一面に対して予め定めた第1の傾斜角度にて刃部が接触しつつ刃部が進行するように加工が行われ、その一面に近い一部分が予め切断される。
その第1加工手段による加工の後には、第2加工手段によって断熱材を切断する加工が行われる。この第2加工手段による加工においては、板状の断熱材の厚み方向において、第1加工手段によって加工が行われた一面から、第1加工手段によって切断された部分より遠くに離れた部分が、第1の傾斜角度よりも一面に対して大きく傾斜した第2の傾斜角度にて刃部が進行するようにして切断する加工が行われる。これにより、第1加工手段によって加工が行われていない別の部分が切断され、板状の断熱材から断熱部材が製造される。
ここで、第1加工手段による加工においては、第2加工手段によって断熱材を切断する加工が行われる場合よりも、断熱材の一面に対して少しだけ傾斜した第1の傾斜角度にて切断する加工が行われる。この場合、断熱材の一面に接触する刃部は、第2加工手段による加工と比べて、断熱材の一面(表面)に沿うようにして移動し、断熱材の一面と切断面とによって形成される角部分や一面(表面)に近い部分が刃部の形状に沿った形になり易い。すなわち、切断面と一面(表面)とによって形成される角部分において切断面の一部が剥がされて余分に削れてしまうなどの不良部分の発生を抑制することができる。
また、第2加工手段による加工においては、第1加工手段によって断熱材を切断する加工が行われる場合よりも、断熱材の一面に対して大きく傾斜した第2の傾斜角度にて切断する加工が行われる。このため、切断面の進行方向先端側部分の形状は、第1の傾斜角度によって切断が行われる場合と比べると、断熱材の一面に対して垂直に近い形とすることができる。
請求項2に記載の断熱材加工装置は、請求項1に記載の断熱材加工装置において、前記第2加工手段は、前記第1加工手段によって前記刃部が進行するようにして切断された前記一面に近い部分を含めて前記刃部が進行するようにして前記断熱材を切断する加工を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の断熱材加工装置は、請求項1又は2に記載の断熱材加工装置において、前記第2加工手段は、前記第1加工手段として用いられる刃部の少なくとも一部を用いて前記断熱材を切断する加工を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の断熱材加工装置の制御装置は、請求項1から3のいずれかに記載の断熱材加工装置の動作を制御する制御装置であって、
前記第1加工手段によって前記断熱材に対して前記刃部が移動する制御と、前記第2加工手段によって前記断熱材に対して前記刃部が移動する制御とを少なくとも行うことを特徴とする。
前記第1加工手段によって前記断熱材に対して前記刃部が移動する制御と、前記第2加工手段によって前記断熱材に対して前記刃部が移動する制御とを少なくとも行うことを特徴とする。
請求項5に記載の断熱材加工プログラムは、請求項4に記載の断熱材加工装置の制御装置の演算処理を実行させることが可能に構成されている。
請求項1に記載の断熱材加工装置によれば、切断面と表面(一面)とによって形成される角部分の仕上がりを良好な形にし易くすることができ、切断面の一部が剥がされて余分に削れてしまうなどの不良部分が、角部分や表面に近い部分に発生してしまう可能性を少なくすることができる。よって、断熱材から切り出される断熱部材を見栄え良く製造することができる。
また、第2加工手段によって一面に対して大きな傾斜角度にて刃部が進行するようにして切断加工が行われるため、折れ曲がった形状に加工をした際に、断熱材に余計な切り込みが発生する部分の範囲を小さく設定し易くすることができる。このため、歩留まりを高め易くするなど、一定の傾斜角度のみによって切断加工をする場合と比較して、断熱材の加工を好適に行うことができる。
請求項2に記載の断熱材加工装置によれば、第1加工手段によって加工された切断面に凸状の部分が残っていた場合において、2回目の第2加工手段による加工を施すことで、より平らな形に、一面側に近い部分を仕上げることができて、一面側からの見栄えがより良くなる。
請求項3に記載の断熱材加工装置によれば、第1加工手段としての刃部と、第2加工手段としての刃部を一括して交換可能であり、また、刃部の寿命を一定にし易く、効率の良い刃部の交換が可能となる。
請求項4に記載の断熱材加工装置の制御装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の断熱材加工装置と同様の効果を奏する断熱材加工装置の制御装置を提供することができる。
請求項5に記載の断熱材加工プログラムによれば、請求項4に記載の断熱材加工装置の制御装置の演算処理を実行させることが可能な断熱材加工プログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1(A)は、断熱材100に対して刃部11を所定の傾斜角度(角度θ)にて進行させて、断熱材100の厚み方向の一部の部分(図1(A)の破線の上側の部分)を切断する態様の一例を説明する側面視の模式図であり、図1(B)は、断熱材100に対して刃部11を所定の傾斜角度(角度θ)より大きな傾斜角度(角度θb)にて進行させて、断熱材100の厚み方向の残りの部分(図1(A)の破線の下側の部分)を切断する態様の一例を説明する側面視の模式図である。また、図2(A)は、断熱材100に対して刃部11を大きな傾斜角度(角度θb)にて進行させて、断熱材100の厚み方向の残りの部分を切断する態様の一例を説明する上面視の模式図であり、図2(B)は、刃部11の近傍の構成を示す拡大図である。
断熱材加工装置1は、図1(A)及び図2(A)に示すように、ウレタン等の発泡樹脂を用いて所定の厚みDを有するようにして形成された断熱材100を、薄板状に形成された1又は複数の刃部11によって切断する加工が可能であり、その切断面を折れ曲がった形状に加工が可能な装置である。断熱材加工装置1は、断熱材100から1又は複数の断熱部材101,102(図2(A)参照)を製造する。各断熱部材101,102は、その外輪郭が、図2(A)に示すような矩形状である構成に限らず、台形状や三角形状等の他の多角形状である構成であってもよく、また、その外輪郭の一部に曲線的な部分を有する形状とする構成であってもよい。また、断熱材100は、その厚み方向の2面が平坦な形状である構成に限らず、その少なくとも一面が起伏を有する形状である構成であってもよい。
断熱材加工装置1は、各断熱部材101,102を製造するための加工において、断熱材100の厚み方向の一面側(表面100a側)を、その一面(表面100a)に対して予め定めた第1の傾斜角度(角度θ)にて刃部11が接触しつつ刃部が進行するようにして切断し、かつ、断熱材100の厚み方向において、一面(表面100a)から第1の傾斜角度(角度θ)にて刃部11が進行するようにして切断された部分より遠くに離れた部分を、第1の傾斜角度(角度θ)よりもその一面(表面100a)に対して大きく傾斜した第2の傾斜角度(角度θa〜θb)にて刃部11が進行するようにして切断することが可能に構成されている。
具体的には、断熱材加工装置1は、図2(B)に示すように、切断部10と、切断角度調整部20と、長手切断位置調整部31と、短手切断位置調整部32と、切断方向調整部33と、各部の動作を制御する制御装置90とを備えている。
切断部10は、断熱材100を切断可能な工具を含む構成であって、例えば、図1(A),図1(B)及び図2(B)に示すように、刃部11としての円盤の周縁に沿って形成された複数の刃を有する回転可能な丸鋸と、刃部11を回転中心軸11C周りに回転させる駆動モータ12とを備えている。また、切断部10は、図2(B)に示すように、駆動モータ12の駆動軸(回転中心軸11C)に固定されたフランジ13を備えており、刃部11は、締結部材によってフランジ13に連結されている。
ここで、刃部11は、刃部11の一面側(刃部11を挟んでフランジ13と反対の面側、以下、「非突出面側」ともいう。)に締結部材を含めて他の部材を突出させない態様で連結されている。具体的には、刃部11は、ねじ山の形成された軸部から一端側に向けて広がり、先端が平坦である円錐台状の頭部を有する締結部材としての複数の平ネジ18a,18bによって、フランジ13に連結されている。フランジ13には、複数の平ネジ18a,18bの軸心に対応するネジ溝が設けられたネジ穴が形成されており、また、刃部11には、平ネジ18a,18bの頭部の形状に対応する円錐台状のネジ穴が複数形成されており、刃部11は、各平ネジ18a,18bの頭部が刃部11の各ネジ穴に嵌まり込むように連結されている。このため、断熱材100の一部であって、切断により刃部11の非突出面側を通過する部分は、断熱材100に対する刃部11の進行を妨げられず、元の位置に配置し続けることができる。よって、断熱材100が切断された後の一方側の部分(図2(A)の刃部11より上側の部分)は、断熱材100が切断により移動しないように支持された状態で、断熱材100の切断を行うことができる。
また、切断部10は、図2(A)及び図2(B)に示すように、断熱材100の一部であって、切断により刃部11において駆動モータ12やフランジ13が設けられた一面側(駆動モータ12が設けられる駆動機構側)を通過する部分を、駆動モータ12やフランジ13に干渉しないように誘導する誘導部材19を備えている。具体的には、誘導部材19は、駆動モータ12と後述する切断角度調整部20や切断方向調整部33とを接続する部分を除き、駆動モータ12の側面の外縁を覆うように設けられている。誘導部材19の進行方向側(図2(B)の右側)の外表面は、円錐台の側面(錐面)の一部分と同様の形状とし、駆動モータ12の底端面(図2(B)の下側の端面)よりも刃部11から離れた部分までを覆う形状としている。これによって、断熱材100の一部であって、切断により刃部11の当該一面側を通過する部分が、駆動モータ12やフランジ13に干渉して、断熱材100に対する刃部11の進行を妨げることを防止できる。なお、誘導部材19は、断熱材100の一部であって切断により刃部11の当該一面側を通過する部分を、図2(A)に示すように、刃部11から離れるように刃部11の進行方向に交差(直交)する方向側(図2(A)の下側)に誘導する形状である場合に限らず、断熱材100の厚み方向(図2(A)の紙面垂直方向)に沿った上側又は下側に誘導する形状としてもよく、刃部11の進行方向に対して斜め上側又は斜め下側に誘導する形状であってもよい。
このように、誘導部材19を設けることによって、断熱材100の一部であって、切断により刃部11の当該反対面側に位置する部分は、図2(A)に示すように、誘導部材19によって押されて変形し、断熱材100に対する刃部11(切断部10)の進行を妨げることを防止できる。これによって、刃部11による切断を好適に進めていくことができる。
また、刃部11の非突出面側には、刃部11以外の部材を突出させない態様で切断部10が構成されているので、図1(B)に示すように、刃部11の回転中心軸11Cが断熱材100の厚みの範囲に位置する態様であっても、刃部11の非突出面側に位置する断熱材100の一部分を支持した状態で断熱材100の切断を行える。このため、刃部11を小型化しつつ、断熱材100の切断を一定以上の精度を保ちつつ実行することができる。
なお、切断部10に設けられる刃部は、刃部11のように、切削によって断熱材100を切断する丸鋸に限らず、円盤の周縁部においてその円盤の中心からの放射方向に向けて先鋭化した刃を有し、押圧によって断熱材100を切断する丸型カッター(刃部61:図3(C)参照)であってもよい。また、刃部は、一側部に沿って配列された複数の刃を有し、一側部に沿った方向に往復運動可能な平鋸(図示せず)や、一側部の外縁に向けて先鋭化する直線形状、折れ線形状、又は、湾曲形状の刃を有する平型カッター(例えば、具体的な構成を後述する刃部41,62,71;図3(A)〜(D)参照)を用いる構成であってもよい。更に、切断部は、それらの鋸やカッターを複数備える構成(図3(C)参照)であってもよい。
切断角度調整部20は、断熱材100の表面100aに対する刃部11の傾斜角度を調整する装置であって、具体的には、刃部11が図1及び図2に示すように丸鋸である場合には、刃部11(刃部11の回転中心軸11C)を断熱材100の厚み方向(図1の上下方向)に移動可能とする移動機構21と、その移動機構21を駆動する駆動モータ(図示せず)とを備えている。切断角度調整部20は、刃部11を断熱材100の厚み方向に沿って移動させたり、刃部11を回転中心軸11Cと平行な所定の軸(図示せず)に対して回転移動させたりすることによって、刃部11をその厚み方向に移動させることが可能に構成されている。
切断角度調整部20は、具体的には、刃部11を断熱材100の厚み方向に移動することによって、図1(A)に示すように、表面100aに対する刃部11の傾斜角度が所定の角度θ(第1の傾斜角度)となるように設定でき、また、図1(B)に示すように、表面100aに対する傾斜角度が角度θより大きな角度θb(第2の傾斜角度)となるように設定可能に構成されている。切断角度調整部20によって表面100aに対する刃部11の傾斜角度が角度θに設定された場合には、刃部11は、図1(A)に示すように、断熱材100において表面100aから厚さD1の範囲の部分が切断可能であって、刃部11は、断熱材100と角度θ以下で接触する。また、切断角度調整部20は、表面100aに対する刃部11の傾斜角度が角度θbに設定された場合には、図1(B)に示すように、断熱材100においてその表面100aから厚さD1の範囲の部分より遠くに離れた厚さ(D−D1)の範囲の部分を含む断熱材100の厚さDの全体を切断可能であって、刃部11は、断熱材100と角度θより大きい角度θa以上であって角度θb以下で接触する。
断熱材加工装置1は、図1(A)に示すように、1度目の切断において、断熱材100の表面100a側の一部分(厚みD1)のみを切断する。これにより、刃部11による角度θにての切断に際して、刃部11から受ける圧力を、断熱材100の全厚み(厚みD)に亘って切断する場合に比べて低減する。また、断熱材100の全厚みに亘って切断する場合に比べて、表面100aに対する刃部11の傾斜角度を小さくすることができ、これによっても、刃部11から受ける圧力を、断熱材100の全厚み(厚みD)を切断する場合に比べて低減する。このように、断熱材100が刃部11から受ける圧力を低減することによって、断熱材100が切断の際に変形しなくなり、その変形がなくなる分、仕上がり精度の良い切断を行うことが可能となる。すなわち、断熱材100の一面と断熱材100の刃部11によって切断された切断面とによって形成される角部分や一面(表面)に近い部分が刃部11の形状に沿った形になり易く、切断面と断熱材100の一面(表面)とによって形成される角部分において切断面の一部が剥がされて余分に削れてしまうなどの不良部分の発生を抑制することができる。
また、断熱材加工装置1は、図1(B)に示すように、2度目の切断において、断熱材100の残部(厚み(D−D1))を切断する。これにより、断熱材100の全厚みに亘って一度で切断する場合に比べて、刃部11から受ける圧力が大きくなる傾斜角度(角度θa〜θb)で切断したとしても好適に切断することが可能となる。また、刃部11と断熱材100とが接触する部分の傾斜角度(角度θa〜θb)が大きくなる分、切断面の進行方向先端側部分の形状は、断熱材100の一面(表面100a)に対して垂直に近い形とすることができ、長さLの範囲を超えて切断される範囲を低減できる。
ここで、刃部11の回転軸方向視(図1の方向視)において略円形の外形形状の刃部11を回転させて切断加工を行う場合、2度目の切断における第2の傾斜角度(角度θa〜θb)としては、断熱材100の表面100aに近い高さ位置における刃部11(刃先)の傾斜角度(角度θb)と、断熱材100の裏面(底面)に近い高さ位置における表面100aに対する刃部11(刃先)の傾斜角度(角度θa)とが近い大きさ(絶対値)となるように設定することが好ましく、略一致させて設定することが好適である。これにより、2度目の切断加工において長さLの範囲を超えて切断される範囲を少なくすることができる。
なお、切断角度調整部20は、断熱材100の表面が起伏を有する場合には、断熱材100の表面100aに対する傾斜角度を一定に保つように、当該表面の起伏に合わせて刃部11を上下に移動させながら、断熱材100に対して刃部11を進行させる構成であってもよい。
また、切断部10における刃部の形状や構成に応じて、断熱材100の表面100aに対する刃部の傾斜角度の調整を異ならせることができ、刃部が丸鋸以外である場合については、丸鋸によって切断する態様を説明した後に、図3を参照して纏めて述べる。
長手切断位置調整部31は、断熱材100の長手方向(図2(A)における左右方向)に沿った刃部11による切断位置を調整する装置である。長手切断位置調整部31は、切断部(刃部11)及び断熱材100の少なくとも一方を断熱材100の長手方向に沿って移動させることによって、断熱材100と刃部11との相対位置を変化させる、すなわち、断熱材100に対して刃部11を断熱材100の長手方向に沿って進行させることが可能に構成されている。
具体的には、長手切断位置調整部31は、図2(B)に示すように、載置台としての複数の空転ローラ31a上に配置された断熱材100の長手方向(移動方向)に沿った端部を把持する把持具(図示せず)と、把持具を動作させる駆動装置(図示せず)とを備え、断熱材100を把持した状態で把持具の位置を断熱材100の長手方向に移動させて、断熱材100に対してその長手方向に沿って刃部11を進行させる。
なお、長手切断位置調整部31は、断熱材100を把持する把持具を移動させることによって、断熱材100に対して刃部11を進行させる構成に限らず、断熱材100の長手方向の端部を押圧する押圧具(図示せず)や、断熱材100の表面100aに吸着する吸着具(図示せず)を備える構成とし、把持具や押圧具や吸着具を断熱材100の長手方向に沿って移動させることによって、断熱材100に対して刃部11を進行させる構成であってもよい。また、長手切断位置調整部31は、空転ローラ31aと共に断熱材100を挟み込む駆動ローラ(図示せず)を備え、駆動ローラを回転することによって、断熱材100に対して刃部11を進行させる構成であってもよい。
また、長手切断位置調整部31は、断熱材100を移動させることによって、断熱材100に対して刃部11を進行させる構成に限らず、断熱材100を移動させることなく刃部11(切断部10)を移動させることによって、又は、断熱材100と刃部11(切断部10)との双方を移動させることによって、断熱材100に対して刃部11を進行させる構成であってもよい。
また、長手切断位置調整部31は、図1(A)に示すように、刃部11の回転中心軸11Cを長さLの部位まで移動させる構成に限らず、表面100aにおいて長さLに相当する部位が切断されるように、刃部11を図1(A)に示す場合よりも進行方向における手前側で移動を停止させる構成であってもよい。これにより、1回目の切断において余分に切断されてしまう部位を無くしたり、又は、図1(A)に示す場合において余分に切断される範囲La(図2参照)よりも余分に切断される部位を小さくすることができる。
短手切断位置調整部32は、断熱材100の短手方向(長手方向に直交する方向であって、図2(A)における上下方向)に沿った切断位置を調整する装置である。短手切断位置調整部32は、切断部10(刃部11)及び断熱材100の少なくとも一方を移動させることにより、断熱材100と刃部11との短手方向の相対位置を変化させる、すなわち、断熱材100に対してその短手方向に沿って刃部11を進行させることが可能に構成されている。
具体的には、短手切断位置調整部32は、図2(A)及び図2(B)に示すように、切断部10を断熱材100の短手方向に移動させる移動機構32aと、移動機構32aを駆動する駆動装置(図示せず)とを備えており、切断部10を断熱材100の短手方向に移動させることによって、断熱材100に対してその短手方向に沿って刃部11を進行させる。但し、短手方向の切断に際しては、後述する切断方向調整部33によって、刃部11が短手方向に沿った向きとなり、刃部11の回転軸が長手方向を向くように設定される。
なお、短手切断位置調整部32は、切断部10(刃部11)を断熱材100の短手方向に移動させることによって、断熱材100に対してその短手方向に刃部11を進行させる構成に限らず、断熱材100をその短手方向に移動させることによって、又は、切断部10(刃部11)と断熱材100との双方を断熱材100の短手方向に移動させることによって、断熱材100に対してその短手方向に刃部11を進行させる構成であってもよい。このような構成として、長手切断位置調整部31に関して説明した各種の構成と同様の構成を採用することができる。
切断方向調整部33は、断熱材100に対する刃部11(切断部10)による切断方向を調整する装置である。切断方向調整部33は、切断部10の方向(刃部11の回転中心軸11Cの方向)及び断熱材100の配置方向の少なくとも一方を回動させることによって、断熱材100に対する刃部11(切断部10)による切断方向を調整可能な構成であればよい。
切断方向調整部33は、具体的には、図2(B)に示すように、切断部10(刃部11)を断熱材100の厚み方向に平行な回転中心軸33C周りに回動させる回動機構33aと、回動機構33aを動作させる駆動装置(図示せず)とを備えている。刃部11(切断部10)は、断熱材100の長手方向に沿った切断において、刃部11の回転中心軸11Cが断熱材100の長手方向に直交する方向となる長手切断姿勢(実線で図示する刃部11)をとる。切断方向調整部33は、断熱材100の長手方向に沿った切断において、刃部11(切断部10)の姿勢を、長手切断姿勢に対して回転中心軸33C周りに正方向に90度回転した第1の短手切断姿勢(:一点鎖線で図示する刃部11)と、長手切断姿勢に対して回転中心軸33C周りに負方向に90度回転した第2の短手切断姿勢(:一点鎖線で図示する刃部11)とに設定可能に構成されている。
なお、切断方向調整部33は、刃部11を2つの短手切断姿勢のいずれの姿勢にも設定する構成に限らず、それらのいずれか一方の姿勢のみに設定する構成であってもよい。この構成の場合には、断熱材100を回転させて刃部11に対しての断熱材100の向きを変更するようにしてもよい。
また、切断方向調整部33は、所定の角度範囲内において長手切断姿勢の場合と切断方向の異なる3以上の所定の切断方向から選択される姿勢、例えば、長手切断姿勢に対して正方向及び逆方向に30度、45度、60度又は90度回転させた姿勢に段階的に設定可能に構成してもよい。この構成の場合には、切断方向調整部33が、切断方向の調整を行うと共に、長手切断位置調整部31及び短手切断位置調整部32を、断熱材100に対してその長手方向及び短手方向へ刃部11を進行させる速度を切断方向に合わせて調整する構成とすることで、刃部11(切断部10)によって、断熱材100をその長手方向に対して交差する所定の斜め方向に切断できる。
また、切断方向調整部33は、所定の角度範囲内において長手切断姿勢の場合とは切断方向の異なる任意の方向を切断方向とする姿勢に設定する構成であってもよい。例えば、切断方向調整部33による切断方向と、長手切断位置調整部31及び短手切断位置調整部32による断熱材100の切断位置とを調整して、刃部11(切断部10)によって断熱材100を曲線的に切断してもよい。
制御装置90は、断熱材100に対する刃部11の傾斜角度が小さい態様(第1加工)によって断熱材100に対して刃部11が移動する制御と、断熱材100に対する刃部11の傾斜角度が大きい態様(第2加工)によって断熱材100に対して刃部11が移動する制御とを少なくとも行う構成である。
制御装置90は、図2(B)に示すように、刃部11と断熱材100の相対位置を変化させて断熱材100を切断するための制御部として、回転制御部と、切断角度調整制御部と、切断方向調整制御部と、短手切断移動制御部と、長手切断移動制御部とを備えている。これら制御部は、加工データを入力する入力装置と、加工データや加工プログラムを記憶する記憶装置と、加工データ及び加工プログラムに基づいて演算処理を行う演算処理装置とを組み合わせて構成される。そして、これら制御部の制御によって、上述したように刃部11と断熱材100との相対位置が変化して、刃部11によって断熱材100が切断される。
制御装置90は、例えば、パーソナルコンピュータによって構成され、記憶装置としての加工プログラムを記憶するROMや加工データを一時的に記憶するRAM、演算処理装置としてのCPU、入力装置としての断熱部材の製造に必要な形状データを記録媒体や他の制御装置から取得するための通信装置や断熱材加工装置1の作動や停止の指示を入力するキーボード及びマウス、断熱部材の製造状況を出力するディスプレイ等の出力装置等を備えて構成される。なお、制御装置90を必ずしも1つのパーソナルコンピュータで構成する必要はなく、これに代えて、又はこれに加えて、リレー回路を利用したシーケンサーなどの装置を利用してもよいし、複数のコンピュータで制御を分担する構成であってもよい。
回転制御部は、制御装置90の中で刃部11を回転させる制御を行う部位であり、制御装置90によって駆動モータ12の動作を制御する機能部位の組合せによって構成される。具体的には、回転制御部は、記憶装置に記憶される加工プログラムや加工データ、加工データと加工プログラムとによって駆動モータ12の動作を制御する演算処理装置等によって構成され、断熱材100の厚みや材質に応じた速度で刃部11を回転させたり、複数種類の刃部が断熱材加工装置1に設けられる場合に断熱材の材質に対応した刃部を選択する制御が行われる。なお、回転制御部以外の他の制御部についても、回転制御部と同様に、制御装置90に設けられる機能部位の組合せによって構成されている。
切断角度調整制御部は、制御装置90によって切断角度調整部20の動作を制御する機能部であり、断熱材100の表面100aに対する刃部11の傾斜角度を調整する制御を行う。切断角度調整制御部は、例えば、刃部11が断熱材100の厚み方向へ移動する移動量を制御する加工プログラムと、断熱材100の厚みや材質と切断角度(刃部11の厚み方向の位置)との対応を規定する切断角度テーブル(データの組合せ)とを記憶する記憶装置を有する構成とされている。切断角度調整制御部は、断熱材100の表面100aに対する刃部11の傾斜角度を断熱材100の厚みや材質に対応付けられた角度となるように配置し、表面100aに対しての傾斜角度が小さく設定された角度θで刃部11が移動可能となるように制御したり、その角度θよりも大きな角度θa〜θbとなるように配置して刃部11が移動可能となるように制御する。
なお、断熱材の厚みや材質等に応じて断熱材100の切断加工が行われる場合に、一定未満の厚みの断熱材や切断による削れが生じ難い材料には、断熱材の表面に沿った1回の刃部11の移動によって断熱材100の厚みDの全体に亘って切断加工を行って断熱部材を製造する制御を行い、一定以上の厚みを有する断熱材100について断熱材100の表面に沿った2回以上の刃部11の移動によって2以上の傾斜角度にて断熱部材を製造する制御を行ってもよく、更に厚みが大きな断熱材や脆い材質の断熱材には3回以上の刃部11の移動による切断によって断熱部材を製造するようにしてもよい。3回以上の刃部11の移動による切断によって断熱部材を製造する場合には、先行して行われる1回以上の切断において断熱材100の表面100aに対する刃部11の傾斜角度を小さくした第1加工を行い、その切断よりも後の切断において刃部11の傾斜角度を大きくした第2加工を含むように構成することが好ましい。
また、切断角度調整制御部は、必ずしも1種類の外形形状の刃部11を用いて断熱材100の表面100aに対する刃部11の傾斜角度を調整する必要はなく、第1加工と第2加工とにおいて異なる形状の刃部を用いて切断加工を行って、断熱材100の表面100aに対する刃部の傾斜角度を異ならせるようにしてもよい。例えば、断熱材加工装置1において、複数種類の外形形状の刃部を取り替えて断熱材100を加工可能に構成してもよく、この場合には、切断角度調整制御部としては、異なる外形形状の刃部に取り替えて刃部の傾斜角度を異ならせる制御が含まれる。
切断方向調整制御部は、切断方向調整部33を制御し、断熱材100に対する刃部11(切断部10)による切断方向を調整する制御を行う。短手切断移動制御部は、短手切断位置調整部32を制御して、断熱材100の短手方向における断熱材100と刃部11との相対位置を制御する。長手切断移動制御部は、長手切断位置調整部31を制御し、断熱材100の長手方向における断熱材100と刃部11との相対位置を制御する。
これら各制御部の制御を用いて、制御装置90が断熱材加工装置1の各部位の動作を制御し、加工データとして入力される長さLや幅W1,W2等(図2(A)参照)の大きさに断熱材100を切断する加工を、記憶装置に記憶される加工プログラムに従って実行する。これにより、断熱材加工装置1は、断熱材100の表面100aに対する刃部11の傾斜角度を異ならせた切断加工を行って断熱部材101,102を製造可能に構成されている。
このように、断熱材加工装置1によれば、第1の傾斜角度にて断熱材100に刃部11が接触しつつ刃部11が進行する第1加工が行われ、その後、断熱材100の厚み方向において、第1加工が行われた表面100aから、第1加工によって切断された部分より遠くに離れた部分が、第1の傾斜角度よりも表面100aに対して大きく傾斜した第2の傾斜角度にて刃部11が進行するようにして切断する第2加工が行われる。これにより、刃部11による切断面と断熱材100の表面100a(一面)とによって形成される角部分の仕上がりを良好な形にし易くすることができ、切断面の一部が剥がれるなどの不良部分が当該角部分や当該表面100aに近い部分に発生してしまう可能性を少なくすることができる。よって、断熱部材101,102を精度よく、また、見栄えよく製造できることになる。
また、断熱材加工装置1においては、一面(表面100a)に対して第1の傾斜角度(角度θ)より大きな傾斜角度(角度θa〜θb)にて刃部11が進行するようにして切断する第2加工が行われるため(図1(B)参照)、折れ曲がった形状に加工をした際に、断熱材100に余計な切り込みが発生する部分の範囲を小さく設定し易くすることができる。このため、1つの断熱材100から複数の断熱部材101,102を製造する場合に、それらの断熱部材101,102の間隔を狭めて歩留まりを高め易くするなど、一定の傾斜角度のみによって切断加工をする場合と比較して、断熱材100の加工を好適に行うことができる。
次に、断熱材加工装置1に採用する刃部として、上記した刃部11としての丸鋸以外を採用する構成について説明する。図3(A)〜(D)の各々は、他の形状又は構成の刃部を用いて断熱材100を切断する態様を説明するための側面視の模式図であって、図3(A)は、刃部として平型カッターを採用した切断部40の構造を示し、図3(B)は、切断部40の刃部41の動作を示し、図3(C)は、複数の刃部を備える構成を採用した切断部60を示し、図3(D)は、刃部として非直線状の刃を有する平型カッターを採用した切断部70を示している。
断熱材加工装置1は、図3(A)に示すように、刃部41として平型カッターを有する切断部40を備える構成とすることができる。刃部41は、回転中心軸41Cの周りに回動可能となるように、基体51に取り付けられている。刃部41は、大部分が一定の板厚(例えば、2mm)で、刃先部分が次第に尖るように薄く形成され、断熱材100の表面100aに対して刃先部分が傾斜した状態で接触可能に構成されている。
切断角度調整部50は、刃部41の傾斜角度を調整する部位であり、傾斜調整機構と、傾斜調整機構を駆動するシリンダとを備えている。傾斜調整機構は、基体51に設けられたシリンダの作動軸53を上下に移動させることによって、作動軸53からの動力を、連結部材52を介して刃部41に伝達する。シリンダの作動軸53の駆動によって、刃部41は、断熱材100の表面100aに対して刃部41が角度θ1で傾斜する小傾斜姿勢(図3(A)の一点鎖線の姿勢)や、断熱材100の表面100aに対して刃部41が角度θ2であって小傾斜姿勢よりも大きく傾斜した大傾斜姿勢(図3(A)の実線の姿勢)をとる。具体的には、連結部材52は、作動軸53に対して連結軸52C周りに回動可能に連結され、また、刃部41に対して連結軸53C周りに回動可能に連結されており、傾斜調整機構は、大傾斜姿勢から作動軸53を上側に移動させることによって、連結部材52が傾きながら上昇し、その後、上昇を続けながらその傾きを戻して、小傾斜姿勢へと変化させる構成としている。
制御装置90(図2参照)は、切断角度調整制御部によって切断角度調整部50を制御する。これにより、断熱材加工装置1が刃部41を小傾斜姿勢と大傾斜姿勢とに切り替えて断熱材100を切断し、断熱部材が製造される。
ここで、1度目の切断においては、図3(B)に示すように、断熱材100の表面100a側の一部分(厚みD2)のみを切断することが好ましい。これにより、断熱材100の全厚み(厚みD)に亘って切断する場合に比べて刃部11と断熱材100とが接触する圧力を低減し、刃部11のブレ(ゆれ動き)を抑えた高精度の切断加工を行うことができる。また、表面100aに対する刃部41の傾斜角度が小さい角度θ1にて断熱材100の表面100aを切断するので、傾斜角度が角度θ1より大きい場合に比べて、刃部11から断熱材100が受ける圧力を低減し、高精度で見栄え良く断熱部材を製造することができる。
また、2度目の切断において、断熱材100の残部(厚み(D−D2))を切断する場合でも、断熱材100の全厚みに亘って一度で切断する場合と比べて、刃部11から断熱材100が受ける圧力を小さくすることができる。このため、傾斜角度が大きな角度θ2で断熱材100を切断したとしても、切断面を滑らかな仕上がりにし易く、高精度で断熱部材を製造することができる。また、刃部11の傾斜角度(角度θ2)を大きくしている分、長さLの範囲を超えて余分に切断されてしまう範囲(範囲Lb)を低減し、歩留まりを高めやすくすることができる。
また、切断部40の刃部41のように、押圧によって断熱材100を切断する構成とする場合には、刃部を回転させる駆動機構(例えば、駆動モータ12、図2参照)に相当する部材は不要とすることができる。また、刃部を回転させて断熱材100を切断する場合には、切り屑が飛散し易く、これにより、切り屑が光学センサに付着して断熱材100の検出等を困難にしたり、切り屑が切断部分に入り込んで切断面が削れたりするなどの問題が発生する可能性がある。これに対して、回転を伴わずに移動動作による押圧によって断熱材100を切断する構成であれば、切り屑が飛散することがなく、その分、高精度の切断加工を実行し易くすることができる。
また、切断部40は、図3(A)に示すように、断熱材100の表面100aより断熱材100が位置する下側に、刃部41の傾斜角度に関わらず刃部41のみが突出し、刃部41を支持する基体51や刃部41を動作させる機構部分が断熱材100の表面100aより下側に突出しない状態で断熱材100の全厚み(例えば、120mm)を切断可能に構成されている。このため、断熱材100を切断する場合には、断熱材100の厚み内に刃部41のみが進入することとなり、断熱材100を切断する際の変形を最小限に抑えることができる。これにより、切断時において、刃部41の進行によって切断された両側部分を支えた状態にしつつ断熱材100の切断加工を行うことができ、断熱材100を把持したり抑えたりする部位の自由度を高めて高精度の加工を可能とすることができる。また、剛性が高くて変形し難い形や大きさの断熱部材を刃部41の進行方向の両側に分断するような加工も可能とし、高い自由度で切断加工を行うことができる。また、上記した誘導部材19(図2参照)のように断熱材100の切断時に分断された一方側の部分を変形させてしまうことがなく、その分、切断後において断熱部材に変形した状態が残ってしまう事態を回避し、断熱部材を見栄え良く製造することができる。
ここで、基体51には、図3(A)に示すように、断熱材100と刃部41との接触圧力によって刃部41が位置ずれすることを抑制するための位置ずれ防止部材59が設けられている。刃部41は、回転中心軸41Cから遠く離れた外縁部分が円弧状に形成され、その外縁に近い円弧状の外縁を含む一定区間にて刃部41の厚み方向における両面側が挟まれた状態で支持される。具体的には、位置ずれ防止部材59と基体51とによって、刃部41の外縁部分が挟まれた状態で支持されている。刃部41における円弧状の外縁部分の一方側(図3(A)の右下側)には、断熱材100を切断する刃先が設けられ、刃先とは反対側(図3(A)の上側)には、その反対側に円弧状の部分を延長するように突出した形状の位置規制部42が設けられる。
刃部41が小傾斜姿勢である場合には、刃部41の刃先に近い一部分が基体51と位置ずれ防止部材59との間に配置される。また、刃部41が大傾斜姿勢である場合には、刃部41の位置規制部42が基体51と位置ずれ防止部材59との間に配置される。刃部41は、回転中心軸41Cと、回転中心軸41Cから離れて設けられる位置ずれ防止部材59とによって、刃部41の厚み方向(図3の紙面垂直方向)における移動が制限される。この場合に、位置ずれ防止部材59によって上下方向における一定の長さ区間において刃部41の厚み方向の移動が制限され、位置ずれ防止部材59の上端部分と下端部分とにおいて刃部41の外縁部分が支持される。このため、位置ずれ防止部材59の上端部及び下端部と、回転中心軸41Cの部分とを含む三点において、刃部41の厚み方向(図3の紙面垂直方向)の移動が制限され、これにより、断熱材100からの圧力が刃先を通じて刃部41に入力されても、切断部40における刃部41の取付角度(平面度)を一定範囲内に抑えて、高精度の切断を実行することができる。
また、位置ずれ防止部材59は、基体51の中で断熱材100の位置する下側に設けられ、いずれの姿勢においても、断熱材100に近い位置で刃部41が支持される。このため、切断時において刃部41が断熱材100から受ける圧力によって刃部41が進行方向に対して交差する方向に位置ずれすることを抑制し、刃部41がブレて切断面の品質を損なうことを効率良く抑制することができる。
また、刃部41には、大傾斜姿勢による切断時において断熱材100から遠くに離れた側(図3(A)の上側)に突出した形状の位置規制部42が設けられている。これにより、大傾斜姿勢としての角度θ2を大きく設定しても位置規制部42によって上下方向における一定長さの区間で刃部41の支持を可能とし、刃部41の切断における位置ずれを抑制することができる。また、部分的に刃部41を突出させて位置規制部42が設けられることで刃部41を含む切断部40の大型化や高重量化を抑制し、動作機構の小型化や低コスト化を実現できる。
また、刃部41の位置ずれを抑制するための位置規制部42と、回転中心軸41Cとの間にて、刃部41と連結部材52とを連結する連結軸52Cが設けられている。刃部41は、位置規制部42と、回転中心軸41Cと、それらの間に位置する連結軸52Cとにおいて進行方向に対して交差する方向側の位置ずれが抑制されるように支持され、これによっても、刃部41がブレて切断面の品質を損なうことを好適に抑制することができる。
なお、位置規制部42は、図3(A)に示すような刃部41と一体化された構成に限らず、刃部41とは別体とし、刃部41に固定される構成であってもよい。
また、位置ずれ防止部材59は、刃部41の配置ずれを所定の範囲内に抑制する構成に限らず、小傾斜姿勢及び大傾斜姿勢である刃部41を押圧することによって固定する構成であってもよい。更に、小傾斜姿勢及び大傾斜姿勢である刃部41の所定の部位や位置規制部42をロックして、刃部41の位置ずれを防止し、切断角度調整部50により刃部41の姿勢を変化させている過程においては、ロックを解除する構成であってもよい。
また、断熱材加工装置1は、図3(C)に示すように、複数の刃部を有する切断部60を備える構成としてもよい。具体的には、切断部60は、切断方向の前方側に配置され、断熱材100を角度θ3の傾斜角度で切断する刃部61を有する丸型カッターと、丸型カッターよりも切断方向の後方側に配置され、断熱材100を丸型カッターの場合よりも大きな角度θ4の傾斜角度で切断する刃部62を有する平型カッターを備える構成としている。この丸型カッターと平型カッターは、基体63に固定されており、刃部61と刃部62との相対位置は変化せず、それらは一体的に断熱材100に対して進行する。この構成であれば、1回の切断部60の移動動作によって複数の傾斜角度にて断熱材100を切断することができ、複数回の移動動作によって複数の傾斜角度で断熱材100を切断する場合と比べて、加工時間を短縮することが可能になる。
なお、切断部60は、平型カッターと丸型カッターとを組み合わせることで、複数の傾斜角度を有するように構成されているが、その組み合わせに限らず、平型カッター、丸型カッター、平鋸、円鋸等を任意に組み合わせた構成であってもよい。更に、切断部60は、2つの刃部61,62を備えて構成されているが、その個数に限らず、3以上の刃部を備える構成であってもよいし、1つの刃部によって構成してもよい。
例えば、図3(D)に示すように、刃部71として非直線的な刃が形成された平型カッターを有する切断部70を備える構成としてもよい。刃部71は、断熱材100の底面側から表面100a側に向かうにつれて、切断方向に突出するように湾曲する刃を有し、断熱材100の表面100a近傍の厚み部分に対して角度θ5の傾斜角度で切断を行い、その他の部分に対しては、角度θ5よりも大きな傾斜角度(概ね角度θ6)で切断を行う。この構成でも、切断部70の複数回の移動動作を不要にして加工時間を短縮することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものであり、例えば、以下に記載するように変形して実施してもよい。
上記実施形態においては、断熱材加工装置1の加工対象である断熱材として、単一の発泡樹脂からなる単層の構成である断熱材100について説明したが、断熱材は、異なる発泡樹脂からなる複数の層が積層された構成であってもよい。また、断熱材は、厚み方向の少なくとも一面に、光や熱を反射可能なアルミニウム箔等の反射層や、水を遮断可能な樹脂膜等の防水層や、湿気を遮断可能な樹脂膜等の防湿層等、発泡樹脂とは別に設けられた1又は2以上の機能層を含む積層型の断熱材であってもよい。この機能層を含む積層型の断熱材に対して、積層型の断熱材に対する刃部の傾斜角度が小さい態様での切断によって、一面側に設けられる機能層のみ又は機能層と発泡樹脂の一部とを切断し、その傾斜角度が大きい態様での切断によって、発泡樹脂によって構成された残部を切断する構成とすることが好ましい。
1…断熱材加工装置、10,40,60,70…切断部、11…刃部、12…駆動モータ、19…誘導部材、20,50…切断角度調整部、21…移動機構、31…長手切断位置調整部、32…短手切断位置調整部、33…切断方向調整部、42…位置規制部、59…位置ずれ防止部材、100…断熱材、101,102…断熱部材
Claims (5)
- 発泡樹脂を用いて所定の厚みを有するようにして形成された板状の断熱材を、薄板状に形成された1又は複数の刃部によって切断する加工が可能であり、その切断面を折れ曲がった形状に加工が可能な断熱材加工装置であって、
前記断熱材の厚み方向の一面側を、その一面に対して予め定めた第1の傾斜角度にて前記刃部が接触しつつ前記刃部が進行するようにして切断する加工を行う第1加工手段と、
前記断熱材の厚み方向において前記一面から前記第1加工手段によって切断された部分より遠くに離れた部分を、前記第1の傾斜角度よりも前記一面に対して大きく傾斜した第2の傾斜角度にて前記刃部が進行するようにして切断する加工を行う第2加工手段とを備えていることを特徴とする断熱材加工装置。 - 前記第2加工手段は、前記第1加工手段によって前記刃部が進行するようにして切断された前記一面に近い部分を含めて前記刃部が進行するようにして前記断熱材を切断する加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の断熱材加工装置。
- 前記第2加工手段は、前記第1加工手段として用いられる刃部の少なくとも一部を用いて前記断熱材を切断する加工を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱材加工装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載の断熱材加工装置の動作を制御する制御装置であって、
前記第1加工手段によって前記断熱材に対して前記刃部が移動する制御と、前記第2加工手段によって前記断熱材に対して前記刃部が移動する制御とを少なくとも行うことを特徴とする断熱材加工装置の制御装置。 - 請求項4に記載の断熱材加工装置の制御装置の演算処理を実行させることが可能に構成されている断熱材加工プログラム。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220628 |
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| A02 | Decision of refusal |
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