JP2020084809A - 船外機 - Google Patents

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Akinori Yamazaki
映紀 山▲崎▼
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Nobuyuki Shomura
伸行 庄村
誠司 上原
Seiji Uehara
誠司 上原
崚太 有賀
Ryota Ariga
崚太 有賀
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Abstract

【課題】船外機のエンジンの吸気行程で発生する吸気騒音を効果的に低減できること。【解決手段】エンジン15を覆い且つ燃焼用空気取入口が設けられたエンジンカバー11Bと、エンジンに接続されて燃焼用空気取入口からの燃焼用空気を取り入れるスロットルボディ40と、エンジン15の上方に設けられ且つ燃焼用空気をスロットルボディ40へ導く吸気通路中に配置された消音室37と、を有する船外機において、消音室37に連通した位置に、所定深さの複数の穴48を備えた穴部材49と、船外機の前後方向に延びる複数のサクションパイプ47との少なくとも一方が配置されたものである。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンカバーの燃焼用空気取入口から燃焼用空気を、吸気通路を経てエンジンへ導く船外機に関する。
エンジンカバーの燃焼用空気取入口から取り入れた燃焼用空気をエンジン近傍の空間を流通させることなくスロットルボディへ直接供給する吸気構造の場合(以後この構造を、便宜上ダイレクト吸気方式と呼ぶ)、吸気騒音がエンジンカバーから外へ伝わり易い。
エンジンカバーの内部に設けられた吸気口からスロットルボディへ吸気する場合には、エンジンカバーとエンジンとの空間を利用することで、消音構造をスペースに関して自由度をもって設計し易く、また、エンジンカバーに厚い吸音部材を貼ることも可能であるため、吸気騒音対策が行い易い。
これに対し、ダイレクト吸気の場合には、一般的に燃焼用空気取入口がエンジンカバーの上部にあるため、スロットルボディに連結する吸気通路上の消音装置(消音室)はエンジンの上部、つまりエンジンカバーの上部位置に配置される。このため、吸気騒音が外へ漏れ出しやすい。吸気通路上に、一定の容積を確保したレゾネータを設けたり、エンジンカバーに吸音部材を貼ったり等の対策も可能ではある。ところが、エンジンカバーの上部は、エンジンカバーの側部や下部に比べて内部空間が狭いのが一般的であり、レゾネータの容量確保が困難であったり、吸音部材を貼るスペースが確保し難かったり等の理由から、吸気騒音に対して効果的な対応が困難である。
船外機では、出力が高くなる所謂大型船外機で吸気騒音が大きくなり、更にエンジン出力の大きな船外機は、一つの船体に複数台装備(多機掛け)されることが多い。このため、大型船外機の場合には、船外機の横幅寸法を大きくすることなく吸気騒音対策を施すことが、商品価値を向上する上で、小型船外機の場合よりも重要になってくる。一方、特許文献1に開示のように、エアクリーナに複数の吸気ダクトを備え、消音効果を狙う先行技術が開示されている。
特開2005−76619号公報
しかしながら、引用文献1は自動四輪車に適用した例であり、しかも模式的に記載されたものである。従って、自動四輪車に比べてはるかに小型の船外機に、この模式的記載のアイデアをそのまま採用することは困難であり、技術的な工夫が必要になる。
また、船外機の吸気構造には、スロットルボディに繋がる吸気口へ水の浸入を防止する水浸入防止装置が施されたものがある。この水浸入防止装置として、ガラリ構造は構造が簡単で且つ省スペースであり、有効な手法ではあるが、吸気騒音がガラリに反射して多方向へ拡散してしまう問題が存在する。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、船外機のエンジンの吸気行程で発生する吸気騒音を効果的に低減できる船外機を提供することにある。
本発明に係る船外機は、エンジンを覆い且つ燃焼用空気取入口が設けられたエンジンカバーと、前記エンジンに接続されて前記燃焼用空気取入口からの燃焼用空気を取り入れるスロットルボディと、前記エンジンの上方に設けられ且つ前記燃焼用空気を前記スロットルボディへ導く吸気通路中に配設された消音室と、を有する船外機において、前記消音室に連通した位置に、所定深さの複数の穴を備えた穴部材と、前記船外機の前後方向に延びる複数のサクションパイプとの少なくとも一方が配置されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、エンジンカバーの燃焼用空気取入口からの燃焼用空気をエンジンに接続されたスロットルボディへ導く吸気通路中に消音室が配設され、この消音室に連通した位置に、複数の穴を備えた穴部材または複数のサクションパイプが配置されている。このため、船外機のエンジンの吸気行程で発生する吸気騒音を、消音室による消音機能と、穴部材の穴とサクションパイプとの少なくとも一方による気柱共鳴を利用した消音機能とによって効果的に低減できる。
本発明に係る船外機の一実施形態を示す左側面図。 図1のエンジンハウジングを破断してエンジン、消音室、蓋部材及び吸音部材等を示す概略側面図。 図1のエンジンカバー等を分解して示す斜視図。 図2の消音室及びカバー,リングギアを分解して示す斜視図。 図1及び図3のエンジンカバー本体及びガラリ支持フレーム等を示す斜視図。 図2のVI−VI線に沿う断面図。 図1及び図2のエンジンカバーを取り外して、エンジン、カバー,リングギア及び消音室等を上方から目視して示す平面図。 図3のトップカバー、カバーキャップ、テールカバー、ガラリ支持フレーム及び外側ガラリを取り外して、内側ガラリ、蓋部材及びエンジンカバー本体を示す平面図。 図8の蓋部材を示す斜視図。 (A)が吸気騒音の音圧レベルとエンジン回転数との関係を、(B)が吸気騒音の音圧レベルと周波数との関係をそれぞれ示すグラフ。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る船外機の一実施形態を示す左側面図である。なお、本実施形態における前後、左右、上下の方向は、船外機が船体の船尾に装着された状態での方向をいうものとし、各図において必要に応じて指し示す。
船外機10の筐体は、エンジンハウジング11と、このエンジンハウジング11の下側に設けられるドライブシャフトハウジング12と、このドライブシャフトハウジング12の下側に設けられるギアハウジング13とを有する。この船外機10は、その前部に設けられたブラケット装置14を用いて不図示の船体の船尾に装着される。
船外機10の駆動系は、内燃機関であるエンジン15と、ドライブシャフト16と、シフト機構17と、プロペラシャフト18と、推進プロペラ19A、19Bとを有する。エンジン15は船外機10の駆動力源であり、エンジンハウジング11内のエンジン室20に収容される。エンジン15は、水冷式V型エンジンであり、クランクシャフト21の軸線方向が上下方向になる向きで配置され、図7に示すように、左右のシリンダ部(シリンダブロック、シリンダヘッド)が、Vバンク角θで後方に向かって平面視V形に開くように設置される。
ドライブシャフト16は、ドライブシャフトハウジング12内に上下に延びるように配置され、エンジン15の回転動力が伝えられる。ドライブシャフト16は、第1ドライブシャフト16Aと、第2ドライブシャフト16Bとを備える。シフト機構17は、第1ドライブシャフト16Aと第2ドライブシャフト16Bとの間で回転動力の伝達の断続、及び回転方向の切替えを行う。
プロペラシャフト18は、ギアハウジング13内に前後方向に延びるように配置され、ドライブシャフト16に伝達されたエンジン15の回転動力を推進プロペラ19A、19Bに伝える。推進プロペラ19Aは前側推進プロペラであり、推進プロペラ19Bは後側推進プロペラであって、これら推進プロペラ19A、19Bが二重反転プロペラを形成する。
エンジン15のクランクシャフト21の上端には、図2に示すように、フライホイール22、及びこのフライホイール22に一体的に構成される不図示のマグネト発電機が設けられる。エンジン15の上方には、フライホイール22、マグネト発電機、及びスタータ用のリングギア(不図示)を覆うカバー,リングギア23が配設される。また、エンジン15の前部には、マグネト発電機で発電された電流をコントロールするレギュレータ24が配置される。
図1に示すエンジンハウジング11は、アンダーカバー11Aと、このアンダーカバー11Aの上部に着脱可能に装着されるアッパーカバーとしてのエンジンカバー11Bとにより構成される。エンジンカバー11Bは、図1及び図3に示すようにエンジン15を覆うものであり、エンジンカバー本体25と、このエンジンカバー本体25の上部に着脱可能に装着されるトップカバー26及びテールカバー27と、トップカバー26の上部に着脱可能に装着されるカバーキャップ28とにより構成される。
エンジンカバー11Bにおける上部の左右の側面には、エンジンカバー11Bの外表面に開口するように燃焼用空気取入口30が形成される。この燃焼用空気取入口30は、エンジンカバー本体25とトップカバー26とテールカバー27とが相まってその境界に形成され、前後に長い流線形を呈する。また、トップカバー26には、燃焼用空気取入口30の後方にサブ燃焼用空気取入口30Aが形成される。
なお、トップカバー26とカバーキャップ28との境界には、左側に換気用空気排出口29Bが、右側に換気用空気取入口29A(図6)がそれぞれ形成される。これらの換気用空気取入口29A及び換気用空気排出口29Bは、エンジン室20内の空気の換気用である。
図3に示すように、エンジンカバー本体25の天井面31には、上方に膨出する中央部32と、この中央部32の左右側方に形成される凹み部33とが形成される。中央部32と凹み部33とは、中央部32から凹み部33へ向かって下がる斜面34を介して連続する。
エンジンカバー本体25の中央部32には、燃焼用空気を導入するための導入穴35が形成され、この導入穴35の周囲に防水ガード36が設けられる。導入穴35は、図2及び図4に示すように、エンジン15の上方のカバー,リングギア23に設置された消音室37に連通する。エンジンカバー本体25の導入穴35の周囲と消音室37の吸気開口38の周囲との間にはシール材39が設けられる。これらの導入穴35及び吸気開口38は略平面に配置されるので、エンジンカバー11Bをアンダーカバー11Aに装着した際に、シール材39が天地方向(平面に垂直方向)に圧縮密着されることになり、容易に着脱可能で且つ気密性を保持できる。
図2、図3、図4及び図7に示すように、エンジン15の平面視でV形に開く左右のシリンダ部間の後方の空間にスロットルボディ40が配置される。このスロットルボディ40は、エンジン15に接続されて、エンジンカバー11Bの燃焼用空気取入口30からの燃焼用空気を取り込む。また、エンジンカバー11Bのエンジン室20には、エンジンカバー11Bの燃焼用空気取入口30からの燃焼用空気を、エンジン室20内に流通させることなく、スロットルボディ40へ直接導くダイレクト吸気方式の吸気通路が、エンジン15の上方に形成される。この吸気通路は、エンジンカバー11Bの燃焼用空気取入口30、蓋部材45(後に詳説する)、エンジンカバー本体25の導入穴35、消音室37、カバー,リングギア23を有して構成される。
なお、吸気通路は、エンジンカバー11Bの燃焼用空気取入口30からの燃焼用空気をエンジン室20内に流通させた後にスロットルボディ40へ導く、ダイレクト吸気方式以外の吸気方式であってもよい。
図1及び図3に示すように、エンジンカバー本体25の左右の上縁部は側面視で後下がりの形状であり、凹み部33も後下がりの斜面とされる。そして、エンジンカバー本体25とテールカバー27との間には、少なくとも凹み部33の後端に対応する箇所に隙間が設けられる。凹み部33内の水は、エンジンカバー本体25とテールカバー27との上記隙間から外部へ排出される(図1の矢印Wを参照)。
ここで、トップカバー26及びテールカバー27の内側には、水分離部としての外側ガラリ41及び内側ガラリ42が配置される。外側ガラリ41は、エンジンカバー11Bの燃焼用空気取入口30に向き合うように配置される。また、内側ガラリ42は、外側ガラリ41の内側に所定の間隔をおいて対向配置される。燃焼用空気取入口30から取り入れられた燃焼用空気は、外側ガラリ41及び内側ガラリ42を通過し、更に後述の蓋部材45を通過して、エンジンカバー本体25の導入穴35から、消音室37、カバー,リングギア23及びスロットルボディ40を経てエンジン15へ供給される。
図3及び図6に示すように、内側ガラリ42は、複数枚の羽根板42Aを並べたものであり、羽根板42Aの長手方向を上下方向とした縦型ガラリである。この内側ガラリ42は、平面視で環状をなすように構成される。内側ガラリ42は、エンジンカバー本体25の導入穴35を取り囲むように、エンジンカバー本体25の天井面31の中央部32に載置されて固定される。
外側ガラリ41は、複数枚の羽根板41Aを並べたものであり、羽根板41Aの長手方向を上下方向とした縦型ガラリである。この外側ガラリ41は、左右一対用意され、それぞれ湾曲したプレート状に構成される。図3、図5及び図6に示すように、左右一対の外側ガラリ41は、ガラリ支持フレーム43により支持される。ガラリ支持フレーム43は、内側ガラリ42の上開口を閉塞する天井面43Aと、開放された前面43B及び左右の側面43Cと、閉じた後面43Dとを有する箱状であり、左右の側面43Cに外側ガラリ41が支持される。
ガラリ支持フレーム43は、内側ガラリ42に覆うようにしてエンジンカバー本体25の天井面31に固定される。これにより、左右の外側ガラリ41が、内側ガラリ42の左右の側面に所定の間隔をおいて対向配置される。この状態で、外側ガラリ41は、エンジンカバー本体25の凹み部33の上方に配置され、外側ガラリ41の下端と、エンジンカバー本体25の天井面31の凹み部33との間に隙間が確保される。また、図1に示すように、外側ガラリ41は、燃焼用空気取入口30に対応した位置で、且つエンジンカバー11Bの外表面よりも奥まった位置に設置される。
船体の前進時に、エンジンカバー11Bの燃焼用空気取入口30から取り入れられた燃焼用空気に混入しているのは主に雨や飛沫である。図6に示すように、この燃焼用空気は、左右の外側ガラリ41に慣性衝突して気液分離された後、内側ガラリ42の外側の周辺空間44に至る。この周辺空間44に至った燃焼用空気に含まれる水のうち、大きな水滴は内側ガラリ42に達する前に自重で落下し、内側ガラリ42に達する水のほとんどは一定の径以下になる。
この一定以下の径の水を含んだ燃焼用空気は、内側ガラリ42に慣性衝突して気液分離される。内側ガラリ42の羽根板42Aに付着した水滴は羽根板42A上で成長し、自重により羽根板42Aに沿って流れ落ち、エンジンカバー本体25の凹み部33(図3)から、外側ガラリ41にて分離された水と共に、図1の矢印Wに示すように外部へ排出される。
上述の外側ガラリ41及び内側ガラリ42で水が分離された燃焼用空気は、図6の破線矢印に示すように、蓋部材45(後述)を経てエンジンカバー本体25の導入穴35、及び図2、図4及び図7に示す消音室37の吸気開口38から消音室37に流入し、更にカバー,リングギア23内を経てスロットルボディ40へ導入される。このスロットルボディ40に導入された燃焼用空気は、エンジン15の吸気行程でエンジン15の燃焼室に吸入されるが、このとき吸気騒音が発生する。後述の蓋部材45、吸音部材51及び消音室37は、この吸気騒音を効果的に低減するものである。
消音室37は、サイレンサカバー37Aとサイレンサ,インナ37Bとレゾネータ37Cとを有し、サイレンサカバー37A内にサイレンサ37,インナBが配置され、サイレンサカバー37Aにレゾネータ37Cが設置されて構成される。吸気開口38は、サイレンサカバー37Aの天面に形成されて、図3及び図6に示すエンジンカバー本体25の導入穴35に連通する。サイレンサカバー37Aは、図4に示すシール材46を介してカバー,リングギア23に固定される。
蓋部材45は、図8及び図9に示すように、複数のサクションパイプ47と、複数の穴48を備えた穴部材49とが一体に設けられたものである。この蓋部材45は、図2、図3及び図8に示すように、エンジンカバー本体25の天井面31の中央部32に設置される。蓋部材45は、エンジンカバー本体25の天井面31に設置された状態で、エンジンカバー25の導入穴35、及びこの導入穴35に連通する消音室37の吸気開口38を覆う。このとき、サクションパイプ47の下部開口47B及び穴部材49の穴48は、導入穴35及び吸気開口38に連通する。
従って、エンジン15の吸気行程で発生した吸気騒音を、消音室37の消音機能と、蓋部材45におけるサクションパイプ47及び穴部材49の穴48の両方の気柱共鳴を利用した消音機能とによって、効果的に低減することができる。これにより、船外機10を船体に多機掛けした場合でも、各船外機10の吸気騒音が低減されるので快適である。更に、蓋部材45は、穴48を備えた穴部材49及びサクションパイプ47が一体に設けられただけなので、構造が簡単で低コストを実現できる。
なお、本実施形態では、蓋部材45を、複数のサクションパイプ47と複数の穴部材49とを一体にした例を示している。ところで、蓋部材45は、複数のサクションパイプ47又は複数の穴部材49のどちらか一方が設けられた構成のものでもよい。このような構成の場合、複数のサクションパイプ47と複数の穴部材49の両方で構成されたものと比べて消音性能は低くなる傾向がある。しかしながら、目標とする消音低下性能によって、複数のサクションパイプ47と複数の穴部材49の少なくとも一方が設けられた構成を選択することも可能である。
図8に示すように、蓋部材45は、エンジンカバー本体25の天井面31に配置された状態では、サクションパイプ47が船外機10の前後方向に延びて設けられる。また、蓋部材45は、エンジンカバー本体25の天井面31に設置された状態では、図7に示すV型エンジン15のVバンク角θ内に配置されると共に、図8に示すように、内側ガラリ42に囲まれた狭い領域に配置される。このため、蓋部材45を備える船外機10は、既存の船外機構造の改造レベルで対応が可能であり、簡単な組付作業で既存販売の船外機にも採用できる。また、蓋部材45が内側ガラリ42に囲まれた領域に配置されたので、蓋部材45のサクションパイプ47や穴48に水が浸入することを防止できる。
蓋部材45におけるサクションパイプ47と穴部材49の穴48の諸元は、例えば、本実施形態では、船乗員が不快に感じる高周波数域、特に図10(B)に示す800〜1000Hzの周波数域の吸気騒音を主として低減可能に決定される。ここで、サクションパイプ47と穴部材49の穴48の諸元は、図9に示すサクションパイプ47の管路長Lや穴48の深さTであり、あるいはサクションパイプ47の開口面積(例えば内径D1)や穴48の開口面積(例えば内径D2)である。また、図10(B)では、曲線Aは、本実施形態の船外機10の場合を示し、曲線Bは、蓋部材45及び後述の吸音部材51が存在しない従来の船外機の場合を示す。
このように、サクションパイプ47と穴部材49の穴48の諸元を決定することで、サクションパイプ47及び穴48の両方の気柱共鳴による消音機能によって、図10(A)に示すエンジン15の高回転域(例えば4000rpm以上の高回転域)で吸気騒音の消音効果が発揮される。ここで、図10(A)では、曲線Cは、本実施形態の船外機10の場合を示し、曲線Dは、蓋部材45及び後述の吸音部材51が存在しない従来の船外機の場合を示す。
また、複数のサクションパイプ47の管路長Lと穴部材49の複数の穴48の深さTとの少なくとも一方は、互いに異なって設定してもよい。あるいは、複数のサクションパイプ47の開口面積(例えば内径D1)と複数の穴48の開口面積(例えば内径D2)との少なくとも一方は、互いに異なって設定してもよい。このように、例えば複数のサクションパイプ47の管路長Lを互いに異なる設定にすることで、各サクションパイプ47の音の減衰周波数を変えることも可能である。この結果、エンジン15の特定の回転域で消音性能を向上させるのではなく、エンジン15の回転域に幅を持たせて消音性能を向上させることができる。
図3及び図5に示すように、外側ガラリ41を支持するガラリ支持フレーム43の天井面43Aにフレーム開口50が形成され、このフレーム開口50を覆うようにして吸音部材51が天井面43Aに配置される。この吸音部材51によって、吸気騒音を更に低減することができる。この吸音部材51は、例えば吸音材を不織布等で包んで構成され、不織布等に撥水加工を施すことで防水機能を備えてもよい。
上記吸音部材51は、ガラリ支持フレーム43の下方に配置された蓋部材45におけるサクションパイプ47の上部開口47A、及び穴部材49の穴48の上部開口48Aに対して近距離で対向して位置づけられる。これにより、サクションパイプ47の上部開口47A及び穴48の上部開口48Aからの音波が吸音部材51にほぼ直角に入射可能になるので、消音効果が向上する。このため、吸音部材51が蓋部材45に対して単に近距離に配置される場合に比べ、吸気騒音の低減効果をより一層向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…船外機、11B…エンジンカバー、15…エンジン、23…カバー,リングギア、25…エンジンカバー本体、30…燃焼用空気取入口、35…導入穴、37…消音室、37B…サイレンサ,インナ、37C…レゾネータ、38…吸気開口、40…スロットルボディ、41…外側ガラリ、42…内側ガラリ、43…ガラリ支持フレーム、45…蓋部材、47…サクションパイプ、48…穴、47A、48A…上部開口、49…穴部材、51…吸音部材、L…管路長、T…深さ、D1、D2…内径、θ…Vバンク角

Claims (10)

  1. エンジンを覆い且つ燃焼用空気取入口が設けられたエンジンカバーと、前記エンジンに接続されて前記燃焼用空気取入口からの燃焼用空気を取り入れるスロットルボディと、前記エンジンの上方に設けられ且つ前記燃焼用空気を前記スロットルボディへ導く吸気通路中に配設された消音室と、を有する船外機において、
    前記消音室に連通した位置に、所定深さの複数の穴を備えた穴部材と、前記船外機の前後方向に延びる複数のサクションパイプとの少なくとも一方が配置されたことを特徴とする船外機。
  2. 前記サクションパイプの開口または前記穴部材の穴の開口に対し近距離で対向した位置に、吸音部材が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  3. 前記エンジンがV型エンジンであり、複数のサクションパイプまたは複数の穴を備えた穴部材が、船外機の平面視で前記V型エンジンのVバンク角内に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の船外機。
  4. 複数の前記サクションパイプまたは複数の穴を備えた前記穴部材が、エンジンカバーの燃焼用空気取入口から取り入れられた燃焼用空気から水を分離する水分離部に囲まれて配置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の船外機。
  5. 前記水分離部がガラリ構造であることを特徴とする請求項4に記載の船外機。
  6. 前記消音室にレゾネータが設置されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の船外機。
  7. 前記穴部材の複数の穴と複数の前記サクションパイプの諸元は、エンジンの高回転域で消音効果が発揮するように設定されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の船外機。
  8. 前記穴部材の複数の穴の所定深さと複数の前記サクションパイプの長さは、少なくとも一方が、互いに異なって設定されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の船外機。
  9. 前記穴部材の複数の穴の開口面積と複数の前記サクションパイプの開口面積は、少なくとも一方が、互いに異なって設定されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の船外機。
  10. 複数の前記サクションパイプ及び複数の穴を備えた前記穴部材は、消音室の吸気開口を覆う蓋部材に設けられたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の船外機。
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