JP2021123732A - 鍍金方法及びその装置 - Google Patents

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正和 住谷
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Hiromi Shiina
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Abstract

【課題】電解鍍金において、鍍金液の酸化劣化を防止し、鍍金液の寿命を向上可能な電解鍍金方法及びその装置を提供する。
【解決手段】電解鍍金方法において、鍍金液Sを、脱気する脱気工程と、該脱気工程により脱気された該鍍金液Sを用いて電解鍍金を行う鍍金工程と、を含むものとし、該脱気工程を、減圧下又は不活性ガスG流下に置かれた中空糸フィルタ40内に鍍金液Sを通すことにより行うようにする。尚、鍍金液Sとして、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする金鍍金液や磁性鍍金液を採用することが可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は、鍍金方法及びその装置に関し、より詳細には、電解鍍金方法及びその装置に関する。
従来、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする鍍金液を用いた電解鍍金がある(例えば、特許文献1を参照)。この様な鍍金液は、毒物であるシアン化金(I)塩を金イオン供給源とする鍍金液の代替物として広く用いられている。又、この様な鍍金液を用いる電解鍍金は、シアン化物を使用しないため需要が多い。この電解鍍金反応の素反応を、亜硫酸金(I)ナトリウムを例に説明すると以下の通りとなる。
Figure 2021123732
特開2019−214747号公報
しかしながら、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする鍍金液は、比較的不安定であり劣化しやすいことが知られている。これは、大気中の酸素等によって、以下の様な自然酸化反応が上記電解鍍金反応と並行して進行し、亜硫酸イオンが硫酸イオンへと酸化されることが要因の1つとなっている。
Figure 2021123732
亜硫酸金塩を金イオン供給源とする鍍金液の劣化の問題は、鍍金液の交換サイクルを早め、近年の金価格の高騰と合わさって、コストの増大を招くばかりでなく、鍍金装置内で金が析出してしまい、その除去に多大なる労力が必要となるいう新たな問題を生じさせていた。
そこで、本発明は、電解鍍金において、鍍金液の酸化劣化を防止し、鍍金液の寿命を向上可能な電解鍍金方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明は、電解鍍金方法であって、鍍金液を、脱気する脱気工程と、該脱気工程により脱気された該鍍金液を用いて電解鍍金を行う鍍金工程と、を含んでおり、該脱気工程は、減圧下及び/又は不活性ガス流下に置かれた中空糸フィルタ内に該鍍金液を通すことにより行われることを特徴とする鍍金方法である。
又、本発明は、前記鍍金方法に用いられる鍍金装置であって、前記鍍金液で充たされる鍍金漕と、前記中空糸フィルタを備えるモジュールと、該鍍金漕と該モジュールとの間で、該鍍金液を循環させる循環部と、を備えることを特徴とする鍍金装置である。
尚、本発明は、前記脱気工程が、前記鍍金液の溶存酸素量を0.2乃至4 ppmとなる様に行われる様にすることが可能である。又、本発明は、前記鍍金液を、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする金鍍金液とすることが可能である。又、本発明は、前記鍍金液を、磁性鍍金液とすることが可能である。
本発明は、鍍金液を減圧下又は不活性ガス下に置かれた中空糸フィルタに通すことのよって、該鍍金液が脱気されて、該鍍金液の溶存酸素量を低減できるので、鍍金液の酸化劣化を防止し、鍍金液の寿命を向上可能である。
本発明の実施形態を示す図であり、鍍金装置のブロック図である。 本発明の実施形態に示す図であり、中空糸モジュール及び脱気回路の略図である。 本発明の実施例1を示す図であり、(a)は実施例1を、(b)は比較例1を示す図である。 本発明における担体の面粗さの経時変化を示す図であり、(a)は実施例1及び比較例1における時間経過に対する面粗さRの変化を示したグラフであり、(b)は実施例1の担体表面の写真であり、(c)は比較例1の担体表面の写真である。 本発明の実施例2を示す図であり、(a)が鍍金液の循環保管日数の経過に対する磁性膜中の鉄の組成比率の変化を示したグラフであり、(b)が鍍金液の循環保管日数の経過に対する鍍金液中の(FeCl4(H2O)2)-錯体の含有量変化を示したグラフである。
本発明の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。先ず、本実施形態の鍍金装置1の構成について説明する。鍍金装置1は、鍍金浴20を有する鍍金手段2と、鍍金液タンク3と、脱気手段4と、循環手段5と、を備えている。
鍍金手段2は、公知の様々な電解鍍金装置と同様のものを使用可能である。又、鍍金液タンク3は、鍍金液Sを貯留可能に設けられており、本実施形態においては、鍍金液Sの溶存酸素量を測定可能に設けられて溶存酸素計30を有している。循環手段5は、鍍金液Sを、鍍金液タンク3と脱気手段4との間を循環させるために設けられており、本実施形態においては、循環ポンプとして設けられている。
脱気手段4は、中空糸モジュール40(以下、モジュール40ともいう)を有している。モジュール40は、その内方に収容された中空糸フィルタ(図示せず、以下、フィルタともいう)、該フィルタの一端が接続され、鍍金液Sの供給孔として機能する入口部41、該フィルタの他端が接続され、脱気された鍍金液S(以下、脱気された鍍金液Sを鍍金液Sと表記する)の排出孔として機能する出口部42を有している。
又、モジュール40は、該フィルタの中空糸膜によりも区画された外方の空間(図示せず)が、脱気回路43と連通可能に設けられている。脱気回路43は、窒素等の不活性ガスGの供給源(図示せず)及び/又は減圧ポンプ44に接続されている。この様にすることで、前記フィルタを、減圧下及び/又は不活性ガス気流化に置き、該フィルタ内の鍍金液Sよりも該空間の酸素分圧を低下させ、鍍金液Sの脱気を可能としている。
本実施形態において、脱気回路43は、以下の3種のモードに切り替え可能に設けられている。
(1)第1のモード(図2(a)を参照)においては、脱気回路43には、減圧ポンプ44によって、前記空間内を減圧することで、該空間の酸素分圧を前記フィルタ内に流れる鍍金液Sよりも低減させ、該フィルタ内の鍍金液S中の溶存酸素を該空間へと排出させることで、鍍金液Sの溶存酸素量の低減できるようになっている。
(2)第2のモード(図2(b)を参照)においては、前記空間内に前記不活性ガスGを流すことにより、該空間の酸素分圧を前記フィルタ内に流れる鍍金液Sよりも低減させ、該フィルタ内の鍍金液S中の溶存酸素を該空間へと排出させることで、鍍金液Sの溶存酸素量の低減できるようになっている。
(3)第3のモード(図2(c)を参照)は、空間46に不活性ガスGを流すと共に減圧ポンプ44によって、前記空間内を減圧することで、該空間の酸素分圧を前記フィルタ内に流れる鍍金液Sよりも低減させ、該フィルタ内の鍍金液S中の溶存酸素を該空間へと排出させることで、鍍金液Sの溶存酸素量の低減できるようになっている。
次に、本実施形態における、鍍金方法について説明する。鍍金液タンク3内の鍍金液Sは、循環手段5によって、脱気手段4へと送られ、そのフィルタ42へと入口部41より導入される。フィルタ42へと導入された鍍金液は、中空糸膜45内外の酸素分圧の差によって、その溶存酸素が、前記空間へと放出される。この工程によって脱気された鍍金液Sは、循環手段5によって、再度、出口部42を経て、鍍金液タンク3へと戻される(脱気工程)。これが連続的に行われることで、鍍金液タンク3の中の鍍金液Sの溶存酸素量は0.2乃至4 ppm程度まで低減されると共に保持されることとなる。
これと並行して、鍍金液タンク3内の鍍金液S(鍍金液S)は、鍍金手段2へと送られ、鍍金浴20は、脱気されて鍍金液Sで充たされる。この脱気された鍍金液Sを用いて、被鍍金物の電解鍍金が行われる。尚、この鍍金工程については、様々な公知の電解鍍金の鍍金工程を採用することが可能である。
本発明の実施例1を図3及び図4に基づき説明する。本実施例は、本発明を、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする鍍金液に適用し、加速試験を行ったものである。本実施例においては、鍍金液Sとして、日本エレクトロプレイティング株式会社製ミクロファブAu100を用い、0.2 MPaの減圧性能のダイヤフラムポンプを循環手段5とし、上記第2にモードと同様に、モジュール40に0.3 L/minで窒素を供給し、前記空間内の酸素分圧を下げて、鍍金液Sの脱気を行った。
この脱気工程と並行する形で、そうして脱気された鍍金液Sを恒温バス6により60±2.0 ℃に保持し、エアーポンプ7により空気Aを0.5 L/minの速度で鍍金浴20内の鍍金液Sに供給しながらマグネティックスターラ8で攪拌し、担体表面を、SUS板をアノードとし、担体(被鍍金物)である金でスパッタコーティングされたウエハをカソードとして電流密度0.3 A/dm2で30 min間鍍金し、時間毎にサンプルを作成し、サンプルを経時的に観察したものである(図3(a)を参照)。
対して、比較例1は、実施例1から脱気手段4を省いたものであり、鍍金液Sにエアーポンプ7より空気を0.5 L/minの速度で鍍金浴20中の鍍金液Sに供給しながらマグネティックスターラ8で攪拌し、担体表面を、SUS板をアノードとし、担体(被鍍金物)である金でスパッタコーティングされたウエハをカソードとして電流密度0.3 A/dm2で30 min間鍍金し、時間毎にサンプルを作成し、サンプルを経時的に観察したものである(図3(b)を参照)。
一般的に、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする鍍金液において、鍍金液が劣化すると、担体上の金の析出に影響を与え、担体表面の面粗さRが低下し、終には、担体の表面が露出した状態となり光沢を帯びるようになる。この特性を利用して、担体表面の経時変化を観察することにより、鍍金液Sの劣化を観測した。
比較例1の場合、48 h経過後から、著しく面粗さRが低下し、184 h経過した時点で、担体表面に光沢が観察された。これに対して、実施例1の場合においては、576 h経過後であっても、光沢を帯びることなく面粗さRが緩やかに増加した。この結果より、鍍金液Sを脱気することで、その寿命を3倍以上に伸ばすことが可能であることが分かる。
本発明の実施例2について図5に基づき説明する。本実施例は、磁性鍍金液に、本発明を適用した例である。磁性鍍金液は、Fe(II)イオンを含有しており、配管系や、液表面、循環系で、酸素が巻き込まれるとFe(II)イオンがFe(III)イオンへと酸化される。そうすると、形成された磁性膜のNi/Fe比が変化してしまうため問題となっている。磁性鍍金液中のFe(III)イオンの濃度が高くなると、同イオンは、(FeCl4(H2O)2)-錯体を形成し、磁性鍍金液は、波長268 nmの光を吸光する様になる。
実施例2は、脱気手段4により鍍金液Sの脱気を行いながら鍍金液Sを循環させて保管し、時間毎に、吸光光度計を用いて波長268 nmの光の吸光を測定すると共にサンプルを作成し、その磁性膜中の鉄の比率を測定したものである。又、比較例2は、鍍金液Sの脱気を行わずに鍍金液Sを循環させて保管した鍍金液Sを用いて同様に測定したものである。
比較例2の場合、鍍金液S中の(FeCl4(H2O)2)-錯体の濃度は、鍍金液Sの循環保管日数に比例して増加し、最初にCo28:Ni1:Fe71であった形成された磁性膜中の金属の比率は、50 day後にはCo48:Ni2:Fe50となり、鉄の比率が明らかに低下した。対して、実施例2では、鍍金液S中の(FeCl4(H2O)2)-錯体の濃度は、検知可能濃度以下を保持すると共に磁性膜中の金属の比率も保持されることがわかった。
従って、本実施形態に様に、鍍金液を、中空糸フィルタを用いて脱気することにより、例えば、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする鍍金液や磁性鍍金液等のFe(II)イオンを含有する鍍金液等の酸化劣化しやすい鍍金液の劣化を防止することが可能である。
本発明を上記実施形態及び実施例に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。例えば、鍍金される被鍍金物は、該鍍金に適したものを適宜採用することが可能である。当然に、金鍍金される被鍍金物は、実施例1の様に表面が金でコーティングされたものに限られず、ニッケル鍍金膜が施されてるもの等が適宜採用可能である。
1 鍍金装置 2 鍍金手段 20 鍍金浴
3 鍍金液タンク 30 溶存酸素計 4 脱気手段
40 中空糸モジュール 41 入口部 42 出口部
43 脱気回路 44 減圧ポンプ 5 循環手段
6 恒温バス 7 エアーポンプ 8 マグネティックスターラ
A 空気 G 不活性ガス S 鍍金液

Claims (5)

  1. 電解鍍金方法であって、
    鍍金液を、脱気する脱気工程と、
    該脱気工程により脱気された該鍍金液を用いて電解鍍金を行う鍍金工程と、を含んでおり、
    該脱気工程は、減圧下及び/又は不活性ガス流下に置かれた中空糸フィルタ内に該鍍金液を通すことにより行われることを特徴とする鍍金方法。
  2. 前記脱気工程は、前記鍍金液の溶存酸素量を0.2乃至4 ppmとなる様に行われることを特徴とする請求項1に記載の鍍金方法。
  3. 前記鍍金液は、亜硫酸金塩を金イオン供給源とする金鍍金液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鍍金方法。
  4. 前記鍍金液は、磁性鍍金液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鍍金方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の鍍金方法に用いられる鍍金装置であって、
    前記鍍金液で充たされる鍍金漕と、
    前記中空糸フィルタを備えるモジュールと、
    該鍍金漕と該モジュールとの間で、該鍍金液を循環させる循環部と、を備えることを特徴とする鍍金装置。
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