JP2024527770A - 電解槽用固体電解質セラミックスを含む耐衝撃性隔壁 - Google Patents

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Abstract

本発明は、第1の態様では、電解槽E内での使用に適した仕切壁Wに関する。仕切壁Wは、端要素RRと分離要素RTとを形成する枠要素Rを備えている。枠要素Rは、2つの対向する部分R1およびR2を備え、それらの間には少なくとも2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックFAおよびFBが配置される。分離要素RTは、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックの間に位置し、これらを互いに分離する。本発明の特徴は、2つの部分R1およびR2が、少なくとも1つの固定要素BRにより端要素RRに、かつ少なくとも1つの固定要素BTにより分離要素RTに、互いに固定されている点である。仕切壁Wが一体型の固体電解質を含んでいる従来技術による場合と比較して、この配置は、第一に、個々のセラミックが、例えば収縮または膨張による温度変動に反応するために利用の自由度がより高いため、より柔軟である。これにより、セラミックの機械的応力に対する安定性が向上する。同時に、部分R1およびR2が、端要素RRおよび分離要素RTの両方において、少なくとも1つの固定要素BRまたはBTにより互いに固定されていることで、部分R1とR2の間の少なくとも2つの固体電解質セラミックの配置の機械的安定性が向上する。第2の態様では、本発明は、仕切壁Wによって隣接する室から区切られた陰極室KKを含む電解槽Eに関する。隣接する室とは、電解槽Eの陽極室KAまたは中間室KMである。第3の態様では、本発明は、本発明の第2の態様による電解槽E内でアルカリ金属アルコキシド溶液を製造する方法に関する。【選択図】図2

Description

本発明は、第1の態様では、電解槽E内での使用に適した仕切壁Wに関する。仕切壁Wは、端要素Rと分離要素Rとを形成する枠要素Rを含んでいる。枠要素Rは、2つの対向する部分RおよびRを備え、それらの間には、少なくとも2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体セラミックFおよびFが配置されている。分離要素Rは、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックの間に位置し、これらを互いに分離する。
本発明の特徴は、2つの部分RおよびRが、少なくとも1つの固定要素Bにより端要素Rに、かつ少なくとも1つの固定要素Bにより分離要素Rに、互いに固定されている点である。
仕切壁Wが一体型の固体電解質を含んでいる従来技術による場合と比較して、この配置は、第一に、個々のセラミックが、例えば収縮または膨張による温度変動に反応するために利用の自由度がより高いため、より柔軟である。これにより、セラミックの機械的応力に対する安定性が向上する。同時に、部分RおよびRが、端要素Rおよび分離要素Rの両方において、少なくとも1つの固定要素BまたはBにより互いに固定されていることで、部分RとRの間の少なくとも2つの固体電解質セラミックの配置の機械的安定性が向上する。
第2の態様では、本発明は、仕切壁Wによって隣接する室から区切られた陰極室Kを含む電解槽Eに関する。隣接する室とは、電解槽Eの陽極室Kまたは中間室Kである。
第3の態様では、本発明は、本発明の第2の態様による電解槽E内でアルカリ金属アルコキシド溶液を製造する方法に関する。
1.本発明の背景
アルカリ金属アルコキシド溶液の電気化学的製造は、重要な工業プロセスであり、例えば、ドイツ特許出願公開第10360758号明細書、米国特許出願公開第2006/0226022号明細書および国際公開第2005/059205号パンフレットに記載されている。これらのプロセスの原理は、アルカリ金属塩、例えば塩化ナトリウムまたはNaOHの溶液が陽極室に存在し、かつ問題のアルコールまたはアルカリ金属アルコキシドの濃度が低い問題のアルコール溶液、例えばナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシドが陰極室に存在する電解槽に反映されている。陰極室と陽極室は、使用されるアルカリ金属イオンを伝導するセラミック、例えばNaSICON、またはカリウムもしくはリチウムの類似物によって分離されている。電流を流すと、アルカリ金属の塩化物塩を使用した場合、陽極で塩素が生成され、陰極で水素およびアルコキシドイオンが生成される。アルカリ金属イオンが、それに対して選択的なセラミックを介して、中間室から陰極室に移動することで、電荷のバランスが保たれる。中間室と陽極室との間の電荷バランスは、陽イオン交換膜が使用される場合は陽イオンの移動、または陰イオン交換膜が使用される場合は陰イオンの移動、または非特異的拡散バリアが使用される場合は両タイプのイオンの移動により生じる。これにより、陰極室内のアルカリ金属アルコキシドの濃度が上昇し、陽極液中のナトリウムイオンの濃度が低下する。
NaSICON固体電解質は、他の化合物の電気化学的製造にも使用される。
国際公開第2014/008410号パンフレットには、チタン元素または希土類を製造するための電解プロセスが記載されている。この方法の基本は、塩化チタンをTiOと対応する酸とから生成し、これをナトリウムアルコキシドと反応させ、チタンアルコキシドおよびNaClを得て、最終的にチタン元素とナトリウムアルコキシドに電気分解することである。
国際公開第2007/082092号パンフレットおよび国際公開第2009/059315号パンフレットは、バイオディーゼルの製造方法が記載されている。その方法では、NaSICONを用いて電解的に生成されたアルコキシドの助けを借りて、まずトリグリセリドを対応するアルカリ金属トリグリセリドに転化し、第2工程で電解的に生成されたプロトンと反応させ、グリセロールとそれぞれのアルカリ金属水酸化物を得る。
しかし、これらの固体電解質セラミックには通常、いくつかの欠点がある。電解槽の稼働中、槽内の温度変動が避けられず、その結果、固体電解質セラミックが膨張または収縮する。これらのセラミックは脆いため、これは、セラミックの破損につながる可能性がある。
この問題は、電解操作において避けられない、起動と停止のプロセスを絶えず繰り返す場合に特に発生する。加熱および冷却の際、膨張と収縮の段階があり、それにより、電解槽内でセラミックが前後に移動する。セラミック内での力の分配は制御されないため、これらの移動は、セラミックの破損を引き起こす可能性がある。
これにより完全性が失われ、塩水のアルコールへの漏出、あるいはその逆につながる可能性がある。その結果、電解生成物であるアルコキシド溶液は薄まってしまう。加えて、電解槽自体も完全性を失い、漏れが発生する可能性がある。
したがって、本発明の目的は、これらの欠点を持たない電解槽を提供することである。
この技術分野における従来の電解槽のさらなる欠点は、固体電解質が水性酸に対して長期安定性を持たないという事実から生じている。これは、陽極室での電解の際、(例えば、不均一化または酸素形成によりハロゲンを生成する場合の)酸化プロセスの結果として、pHが低下するという点で問題がある。これらの酸性条件は、このプロセスを工業規模で使用することができなくなる程までに、NaSICON固体電解質を攻撃する。この問題に対処するために、従来技術にはさまざまなアプローチが記載されている。
例えば、従来技術には、三室槽が提案されている。これらは、例えば米国特許第6,221,225号明細書など、電気透析の分野で知られている。
例えば、国際公開第2012/048032号パンフレットおよび米国特許出願公開第2010/0044242号明細書には、そのような三室槽内で次亜塩素酸ナトリウムおよび類似の塩素化合物を生成するための電気化学的プロセスが記載されている。槽の陰極室と中間室は、陽イオン透過性の固体電解質、例えばNaSICONによって分離されている。これを酸性陽極液から保護するために、中間室には、例えば、陰極室の溶液が供給される。米国特許出願公開第2010/0044242号明細書の図6には、次亜塩素酸ナトリウムを得るために、室の外側で、中間室の溶液を陽極室の溶液と混合し得ることも記載されている。
このような槽は、アルカリ金属アルコキシドの生成または精製に関する従来技術でも提案されている。
例えば、米国特許第5,389,211号明細書には、三室槽を使用する、アルコキシド溶液の精製方法が記載されている。その方法では、陽イオン選択性固体電解質または非イオン性仕切壁により、室が互いに区切られている。中間室は、陰極室からの精製アルコキシドまたは水酸化物溶液が、陽極室からの汚染溶液と混ざるのを防ぐために、緩衝室として使用される。
ドイツ特許出願公開第4233191号明細書には、多室槽内および複数槽のスタック内での、塩およびアルコキシドからのアルコキシドの電解的回収が記載されている。
国際公開第2008/076327号パンフレットには、アルカリ金属アルコキシドの製造方法が記載されている。これは、三室槽を使用し、その中間室には、アルカリ金属アルコキシドが充填されている(例えば、国際公開第2008/076327号パンフレットの段落[0008]および[0067]を参照)。これにより、中間室と陰極室とを分離する固体電解質が、電解の過程でより酸性を増す陽極室中の溶液から保護される。同様の構成が国際公開第2009/073062号パンフレットに記載されている。しかしながら、この構成には、緩衝液として消費され、かつ絶えず汚染されるアルカリ金属アルコキシド溶液が、所望の生成物であるという欠点がある。国際公開第2008/076327号パンフレットに記載された方法のさらなる欠点は、陰極室におけるアルコキシドの生成が、2つの膜または固体電解質を通るアルカリ金属イオンの拡散速度に左右される点である。これにより、今度はアルコキシドの生成が遅くなる。
さらなる問題は、三室槽の幾何学的形状に起因する。このような室の中間室は、拡散バリアによって陽極室から分離され、イオン伝導性セラミックによって陰極室から分離されている。電解の際、これにより、pH勾配とデッドボリュームが不可避的に発生する。これは、イオン伝導性セラミックを破損させ、その結果、電解に必要な電圧が増え、および/またはセラミックの破損につながる可能性がある。
この効果は、電解室全体で生じるが、中間室はイオン伝導性セラミックにより境界されているため、中間室ではpHの低下が特に重要である。通常、ガスは陽極と陰極で生成され、これらの室内で少なくともある程度混合される。対照的に、中間室ではそのような混合が起こらず、その中でpH勾配が生じる。この望ましくない効果は、一般に塩水が電解槽を通って比較的ゆっくりとポンプで送られるという事実により助長される。
ドイツ特許出願公開第10360758号明細書 米国特許出願公開第2006/0226022号明細書 国際公開第2005/059205号パンフレット 国際公開第2014/008410号パンフレット 国際公開第2007/082092号パンフレット 国際公開第2009/059315号パンフレット 米国特許第6,221,225号明細書 国際公開第2012/048032号パンフレット 米国特許出願公開第2010/0044242号明細書 米国特許第5,389,211号明細書 ドイツ特許出願公開第4233191号明細書 国際公開第2008/076327号パンフレット 国際公開第2009/073062号パンフレット
したがって、本発明のさらなる目的は、電解によるアルカリ金属アルコキシドの改良された製造方法と、そのような方法に特に適した電解槽とを提供することであった。これらは、前述の欠点を持たず、特に、pH勾配が発生する前の固体電解質の保護を改善し、従来技術と比較して反応物質の使用をより節約することを確保するものである。
2.発明の簡単な説明
本発明によって対処される課題は、本発明の第1の態様による仕切壁Wによって解決される。 仕切壁W<16>は、表面OKK<163>を有する一方の側SKK<161>と、側SKK<161>と反対の側である、表面OA/MK<164>を有する側SA/MK<162>とを備えている。
仕切壁W<16>は、2つの対向する部分R<201>およびR<202>から構成され、それらの間には少なくとも2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスF<18>およびF<19>が配置されている枠要素R<2>も含んでいる。
同時に、R<201>は、表面OKK<163>から直接接触可能であり、R<202>は、表面OA/MK<164>から直接接触可能である。
枠要素R<2>は、枠要素R<20>および分離要素R<17>を形成し、枠要素R<20>は、表面OKK<163>およびOA/MK<164>を境界し、好ましくは完全に取り囲み、かつ枠要素R<17>は、仕切壁W<16>に含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックの間に位置し、それらを互いに分離し、仕切壁W<16>に含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、表面OKK<163>および表面OA/MK<164>の両方から直接接触可能である。
仕切壁W<16>は、R<201>およびR<202>が、端要素R<20>において少なくとも1つの固定要素B<91>によって互いに固定されており、かつR<201>およびR<202>が、分離要素R<17>において少なくとも1つの固定要素B<92>によって互いに固定されていることを特徴とする。
第2の態様では、本発明は、
‐少なくとも1つの入口ZKA<110>と、少なくとも1つの出口AKA<111>と、陽極電極E<113>を備える内部構造IKA<112>とを有する少なくとも1つの陽極室K<11>、
‐少なくとも1つの入口ZKK<120>と、少なくとも1つの出口AKK<121>と、陰極電極E<123>を備える内部構造IKK<122>とを有する少なくとも1つの陰極室K<12>、
‐必要に応じて、少なくとも1つの入口ZKM<130>と、少なくとも1つの出口AKM<131>と、内部構造IKM<132>とを有する少なくとも1つの介装中間室K<13>
を含む電解槽E<1>であり、
KA<112>とIKM<132>は、拡散バリアD<14>によって互いに区切られ、AKM<131>は、接続VAM<15>によって入口ZKA<110>に接続され、接続VAM<15>を経由してIKM<132>からIKA<112>へ液体を送ることができ、
電解槽E<1>が中間室K<13>を備えていない場合、IKA<112>とIKK<122>は、本発明の第1の態様による仕切壁W<16>によって互いに区切られ、
電解槽E<1>が少なくとも1つの中間室K<13>を備えている場合、IKK<122>とIKM<132>は、本発明の第1の態様による仕切壁W<16>によって互いに区切られ、
仕切壁W<16>、特に分離要素R<17>に含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、表面OKK<163>を介してSKK<166>側の内部構造IKK<122>に直接接触し、かつ
電解槽E<1>が中間室K<13>を備えていない場合、仕切壁W<16>、特に分離要素R<17>に含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、表面OA/MK<164>を介してSA/MK<162>側の内部構造IKA<112>に直接接触し、
電解槽E<1>が少なくとも1つの中間室K<13>を備えている場合、仕切壁W<16>、特に分離要素R<17>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、表面OA/MK<164>を介してSA/MK<162>側の内部構造IKM<132>に直接接触している、電解槽E<1>に関する。
第3の態様では、本発明は、
アルカリ金属アルコキシドXORのアルコールROH溶液Lを生成する方法であり、
Xはアルカリ金属陽イオン、Rは炭素数1~4のアルキル基であり、
(α)アルコールROHを含む溶液LをKに通す工程(α1)、陽イオンとしてXを含む塩Sの中性またはアルカリ性水溶液LをKに通す工程、EとEの間に電圧を印加する工程(α3)を同時に進行させ、かつそれらを、中間室Kを備えない本発明の第2の態様による電解槽E内で実施するか、または
(β)アルコールROHを含む溶液LをKに通す工程(β1)、陽イオンとしてXを含む塩Sの中性またはアルカリ性水溶液LをKに通し、次にVAMに通し、次にKに通す工程(β2)、EとEの間に電圧を印加する工程(β3)を同時に進行させ、中間室Kを備える本発明の第2の態様による電解槽E内で実施し、
これにより、出口AKKにおいて、L<22>よりもXOR濃度が高い溶液Lが得られ、かつ
出口AKAにおいて、LよりもS濃度が低い水溶液Lが得られる、方法に関する。
3.図面
3.1 図1Aおよび図1B
図1Aは、発明性のない電解槽Eを示す。これは、陰極室K<12>と陽極室K<11>を備えている。
陰極室K<12>は、内部構造IKK<122>内の陰極電極E<123>と、入口ZKK<120>と、出口AKK<121>とを備えている。
陽極室K<11>は、内部構造IKA<112>内の陽極電極E<113>と、入口ZKK<110>と、出口AKA<111>とを備えている。
2つの室は、二室槽Eの外壁<80>によって境界されている。内部構造IKK<122>も、ナトリウムイオンを選択的に透過するNaSICON固体電解質F<18>のシートからなる仕切壁によって、内部構造IKA<112>から仕切られている。NaSICON固体電解質F<18>は、二室漕Eの深さおよび高さの全体にわたって延びている。仕切壁は、2つの側SKK<161>およびSA/MK<162>を有し、その表面OKK<163>およびOA/MK<164>は、それぞれの内部構造IKK<122>またはIKA<112>と接触している。
pH10.5の塩化ナトリウム水溶液L<23>が、重力方向と逆に、入口ZKA<110>を経由して内部構造IKA<112>に導入される。
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液L<22>が、入口ZKK<120>を経由して内部構造IKK<122>に送られる。
同時に、陰極電極E<123>と陽極電極E<113>との間に電圧が印加される。これにより、電解質L<22>中のメタノールが還元され、内部構造IKK<122>内にメトキシドとHが生じる(CHOH+e→CH+1/2H)。同時に、ナトリウムイオンが、内部構造IKA<112>から NaSICON固体電解質F<18>を通って、内部構造IKK<122>に拡散する。全体として、これにより、内部構造IKK<122>内のナトリウムメトキシド濃度が上昇し、L<22>と比較してナトリウムメトキシド濃度が高いナトリウムメトキシドのメタノール溶液L<21>が得られる。
内部構造IKA<112>では、塩素イオンの酸化が起こり、塩素分子が生成される(Cl→1/2Cl+e)。出口AKA<111>では、NaClの含有量がL<23>と比較して低減された水溶液L<24>が得られる。水中の塩素ガス(Cl)は、Cl+HO→HOCl+HClの反応に従って、次亜塩素酸と塩酸を生成し、さらに水分子と酸性反応を起こす。酸性は、NaSICON固体電解質F<18>に損傷を与える。
図1Bは、別の発明性のない電解槽Eを示す。この三室槽Eは、陰極室K<12>と、陽極室K<11>と、介装中間室Kとを備えている。
陰極室K<12>は、内部構造IKK<122>内の陰極電極E<123>と、入口ZKK<120>と、出口AKK<121>とを備えている。
陽極室K<11>は、内部構造IKA<112>内の陽極電極E<113>と、入口ZKK<110>と、出口AKA<111>とを備えている。
中間室K<13>は、内部構造IKM<132>と、入口ZKM<130>と、出口AKM<131>とを備えている。
内部構造IKA<112>は、接続VAM<15>を介して内部構造IKM<132>に接続されている。
三室は、3室槽Eの外壁<80>によって境界されている。中間室K<13>の内部構造IKM<132>も、ナトリウムイオンを選択的に透過するNaSICON固体電解質F<18>のシートからなる仕切壁によって、陰極室K<13>の内部構造IKA<122>から仕切られている。NaSICON固体電解質F<18>は、三室槽Eの深さおよび高さの全体にわたって延びている。仕切壁は、2つの側SKK<161>およびSA/MK<162>を有し、その表面OKK<163>およびOA/MK<164>は、それぞれの内部構造IKK<122>またはIKM<132>と接触している。
中間室K<13>の内部構造IKM<132>は、さらに、拡散バリアD<14>によって、陽極室K<11>の内部構造IKA<112>から同様に仕切られている。NaSICON固体電解質F<18>および拡散バリアD<14>は、三室槽Eの深さおよび高さの全体にわたって延びている。拡散バリアD<14>は、陽イオン交換膜(スルホン化PTFE)である。
図1Bによる実施形態では、接続VAM<15>は、電解槽Eの外側に、特にチューブまたはホースにより形成され、その材料はゴム、金属およびプラスチックから選択され得る。接続VAM<15>は、三室槽の仕切壁W<80>の外側で、中間室K<13>の内部構造IKM<132>から陽極室K<11>の内部構造IKA<112>へ液体をガイドすることができる。接続VAM<15>は、中間室K<13>の底部で電解槽Eの外壁W<80>を貫通する出口AKM<131>を、陽極室K<11>の底部で電解槽Eの外壁W<80>を貫通する入口ZKA<110>に接続している。
pH10.5の塩化ナトリウム水溶液L<23>が、重力方向に、入口ZKM<130>を経由して中間室Kの内部構造IKM<132>に導入される。中間室K<13>からの出口AKM<131>と、陽極室K<11>への入口ZKA<110>との間に形成された接続VAM<15>は、中間室K<13>の内部構造IKM<132>を、陽極室K<11>の内部構造IKA<112>に接続する。塩化ナトリウム溶液L<23>は、この接続VAM<15>を通って、内部構造IKM<132>から内部構造IKA<112>に送られる。ナトリウムメトキシドのメタノール溶液L<22>は、入口ZKK<120>を経由して内部構造IKK<122>に送られる。
同時に、陰極電極E<123>と陽極電極E<113>との間に電圧が印加される。これにより、電解質L<22>中のメタノールが還元され、内部構造IKK<122>内にメトキシドとHが生じる(CHOH+e→CH+1/2H)。同時に、ナトリウムイオンが、中間室K<13>の内部構造IKM<132>から、NaSICON固体電解質F<18>を通って、内部構造IKK<122>に拡散する。全体として、これにより、内部構造IKK<122>内のナトリウムメトキシド濃度が上昇し、L<22>と比較してナトリウムメトキシド濃度が高いナトリウムメトキシドのメタノール溶液L<21>が得られる。
内部構造IKA<112>では、塩素イオンの酸化が起こり、塩素分子が生成される(Cl→1/2Cl+e)。出口AKA<111>では、NaClの含有量がL<23>と比較して低減された水溶液L<24>が得られる。水中の塩素ガス(Cl)は、Cl+HO→HOCl+HClの反応に従って、次亜塩素酸と塩酸を形成し、さらに水分子と酸性反応を起こす。酸性は、NaSICON固体電解質F<18>を損傷するが、三室槽内の配置により陽極室 K<11>に限定され、電解槽E内のNaSICON固体電解質FK<18>から遠ざけられる。これにより、電解槽Eの寿命が大幅に延びる。
3.2 図2Aおよび図2B
図2Aは、本発明の仕切壁W<16>を示す。表面OKK<163>を有する側SKK<161>は、図面の平面にあり、表面OA/MK<164>を有する側SA/MK<162>は、図2Aでは見えないが、図面の平面の裏側にある。
仕切壁W<16>は、枠要素R<2>の間に配置された2つのNaSICON固体電解質セラミックスF<18>およびF<19>を備えている。枠要素R<2>は、2つの部分R<201>およびR<202>を備え、それらの間にセラミックF<18>およびF<19>が配置されている。枠要素R<2>は、端要素R<20>および分離要素R<17>を形成する。分離要素R<17>は、NaSICON固体電解質セラミックF<18>およびF<19>の間にあり、これらを互いに分離している。分離要素R<17>は、図2Aおよび図2Bにおいて影付きで示される枠要素R<2>の一部である。端要素R<20>は、図2Aおよび図2Bにおいて影無しで示される枠要素R<2>の一部である。端要素R<20>の領域にある2つの枠部分R<201>およびR<202>は、8つの固定要素B<91>によって互いに固定され、分離要素R<17>の領域にある2つの枠部分R<201>およびR<202>は、1つの固定要素B<92>によって互いに固定されている。描かれた図は、図3A~図3Cで詳細に説明されている仕切壁W<16>の断面QRR<165>およびQRT<166>を示している。QRR<165>およびQRT<166>は、2つの固体電解質セラミックスF<18>およびF<19>のうちの1つの領域において、表面OKK<163>に対して直角に仕切壁Wと交差している。
図2Bは、本発明の仕切壁W<16>の別の実施形態を示す。これは、仕切壁W<16>が4つのNaSICON固体電解質セラミックF<18>、F<19>、F<28>、F<29>を有し、F<18>、F<19>、F<28>、F<29>が枠部分R<201>およびR<202>の間に配置されている点を除いて、図2に示す実施形態に対応している。分離要素R<17>は、十字形状である。端要素R<20>の領域内にある2つの枠部分R<201>およびR<202>は、12個の固定要素B<91>によって互いに固定され、分離要素R<17>の領域内にある2つの枠部分R<201>およびR<202>は、3個の固定要素B<92>によって互いに固定されている。表面OKK<163>を有する側SKK<161>は、図面の平面にあり、表面OA/MK<164>を有する側SA/MK<162>は、図2Bでは見えないが、図面の平面の裏側にある。
3.3 図3A~図3C
図3A~図3Cはそれぞれ、連続点線より上側で、仕切壁W<16>の端要素R<20>の領域における、図2Aおよび図2Bに示される断面QRR<165>の詳細図を示す。図3Aおよび図3Bはまた、連続点線の下側で、仕切壁W<16>の分離要素R<17>の領域における、図2Aおよび図2Bに示される断面QRT<166>の詳細図を示す。表面OKK<163>を有する側SKK<161>は、図3Aの右側にある。表面OA/MK<164>を有する側SA/MK<162>は、図3Aの左側にある。
図3Aでは、固体電解質セラミックF<18>は、断面QRR<165>において、枠要素を形成する2つの枠部分R<201>とR<202>の間に配置されている。これらは、点線で示すように、一体形状で、または互いに独立して存在してよい。好ましくは、それらは互いに分離されている。それらは、固定要素B<91>としてのネジによって互いに固定され、その間に固体電解質セラミックF<18>がクランプされている。2つの枠部分R<201>およびR<202>と、固体電解質セラミックスF<18>との間には、シールDi<40>が設けられることが好ましい。
断面QRT<166>では、分離要素R<17>を構成する2つの枠部分R<201>およびR2<202>の間に、2つの固体電解質セラミックスF<18>およびF<19>が配置されている。それらは、固定要素B<92>としてのネジによって互いに固定され、その間に固体電解質セラミックスF<18>およびF<19>がクランプされ、好ましくはシールDi<40>を備えている。
図3Bは、2つの断面QRR<165>およびQRT<166>それぞれのさらなる実施形態を示す。これは、2つの固定要素B<91>およびB<92>がフックB<93>により形成される点を除いて、図3Aに示す実施形態に対応している。これらのフックは、各枠部分R<201>またはR<202>と一緒になった(本明細書で示すような)一体形状であってもよく、またはそれらに接合されていてもよい。それらは互いに係合し、2つの枠部分R<201>およびR<202>を互いに固定することができる。
図3Cは、断面QRR<165>のさらなる実施形態を示す。これは、端要素R<20>が丸い角を形成する点を除いて、図3Aに示す実施形態に対応している。
3.4 図4Aおよび図4B
図4Aおよび図4Bはそれぞれ、本発明の第2の態様による電解槽E<1>を示す。これらはそれぞれ、仕切壁W<16>が陰極室K<12>の内部構造IKK<122>を、陽極室K<11>の内部構造IKA<112>から分離している点を除いて、図1Aに示す電解槽に対応している。仕切壁は、図2Aまたは図2Bに示されている仕切壁である。
この場合、図4Aによる実施形態では、固定要素B<91>およびB<92>としてネジが使用されている。仕切壁W<16>の端要素R<20>の領域の断面QRR<165>と、仕切壁W<16>の分離要素R<17>の領域の断面QRT<166>とは、いずれの場合も、図3Aで説明されている通りである。
図4Bによる実施形態では、相互に係合するフックB<93>が、固定要素B<91>およびB<92>として使用されている。仕切壁W<16>の端要素R<20>の領域の断面QRR<165>と、仕切壁W<16>の分離要素R<17>の領域の断面QRT<166>とは、いずれの場合も、図3Bで説明されている通りである。
3.5 図5Aおよび図5B
図5Aは、本発明の第2の態様による電解槽E1を示す。これは、仕切壁W<16>が陰極室K<12>の内部構造IKK<122>を、中間室K<13の内部構造IKM<132>から分離している点を除いて、図1Bに示す電解槽に対応している。仕切壁W<16>は、図2Aまたは図2Bに示されている仕切壁である。この場合、図4Aによる実施形態では、ねじが固定要素B<91>およびB<92>として使用されている。仕切壁W<16>の端要素R<20>の領域の断面QRR<165>と、仕切壁Wの分離要素R<17>の領域の断面QRT<166>とは、いずれの場合も、図3Aで説明されている通りである。
図5Bは、本発明の第2の態様による電解槽E1を示す。これは、図5Aに示す電解槽E<1>に対応しているが、次の2つの相違点がある。
相違点1
中間室K<13>の内部構造IKM<132>から陽極室K<11>の内部構造IKA<112>への接続VAM<15>は、電解槽E<1>の外側に形成されておらず、むしろ、拡散バリアD<14>の穿孔を通って内側に形成されている。この穿孔は、拡散バリアD<14>内に形成されてもよく、または拡散バリアD<14>の製造始めから拡散バリアD<14>内にすでに存在していてもよい(例えば、濾過布または金属ウィーブのような織物の場合)。
相違点2
図5Bによる実施形態では、相互に係合するフックB<93>が固定要素B<91>およびB<92>として使用されている。仕切壁W<16>の端要素R<20>の領域の断面QRR<165>と、仕切壁W<16>の分離要素R<17>の領域の断面QRT<166>とは、いずれの場合も、図3Bで説明されている通りである。
分離要素R<17>は、図6Aおよび図6Bにおいて影付きで示される枠要素R<2>の一部である。
3.6 図6Aおよび図6B
図6Aは、本発明の仕切壁W<16>のさらなる実施形態を、(左側に)表面OKK<163>を有する側SKK<161>の上面図で示す。そして、矢印の方向に見た曲線状クランプの詳細を示す側面図である。
これは、4つのNaSICON固体電解質セラミックF<18>、F<19>、F<28>およびF<29>で構成され、それらは、枠要素R<2>の両半分R<201>およびR<202>の間に配置されている。枠要素R<2>は、端要素R<20>と分離要素R<17>とを形成する。分離要素R<17>は、十字形状であり、NaSICON固体電解質セラミックスF<18>、F<19>、F<28>およびF<29>の間に位置し、これらを互いに分離している。分離要素R<17>は、図6Aおよび図6Bにおいて影付きで示される枠要素R<2>の一部である。端要素R<20>は、図6Aおよび図6Bにおいて影無しで示される枠要素R<2>の一部である。端要素R<20>の領域にある2つの枠部分R<201>およびR<202>は、固定要素B<91>によって互いに固定されている。そして、分離要素R<17>の領域にある2つの枠部分R<201>およびR<202>は、固定要素B<92>によって互いに固定されている。それらは、必要に応じて、ヒンジ<50>により互いに接続されてもよい。いずれの場合も、シールDi<40>としてのゴムリングが、各固体電解質セラミックF<18>、F<19>、F<28>およびF<29>と、2つの枠部分R<201>およびR<202>と、の間に設けられることが好ましい。シールDi<40>として機能するリングは、図6Aの左側の正面図において点線の輪郭線で示されている。
図6Bは、本発明の仕切壁W<16>のさらなる実施形態を示す。これは、9個のNaSICON固体電解質セラミックF<18>、F<19>、F<28>、F<29>、F<30>、F<31>、F<32>、F<33>、F<34>を含む点を除いて、図6A記載の実施形態に対応している。さらに、枠要素R<2>は、それぞれが穴<61>を備えた4つの膨らみ<60>(「ウサギ耳」)をさらに有し、これにより、仕切壁を、適切な設計で例えば陰極室K<12>に固定することができる。
4.発明の詳細な説明
4.1 仕切壁W
本発明は、第1の態様において、仕切壁Wに関する。これは、電解槽、特に電解槽Eの仕切壁として特に適している。
したがって、一態様では、本発明は、仕切壁Wを備える電解槽、特に仕切壁Wを備える電解槽Eにも関する。
仕切壁Wは、分離要素Rによって互いに分離された、少なくとも2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックス(「アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックス」を以下「ASC」と略記する)FおよびFを備えている。
仕切壁Wは、互いに対向する2つの側SKKおよびSA/MKを備え、これは、側SA/MKが側SKKの反対側であることを意味する(その逆も同様)。2つの側SKKおよびSA/MKは特に、互いに全く平行な平面を有している。
それ以外は、仕切壁Wの幾何学的形状は、さらなる制約を受けず、特にその仕切壁Wが使用される電解槽Eの断面に適合させることができる。例えば、直方体形状で長方形の断面を有してもよく、または円錐または円柱形状で円形の断面を有してもよい。
必要に応じて、仕切壁Wは、丸い角または膨らみを備えた直方体の形状でもよく、その膨らみには穴が設けられていてもよい。仕切壁Wは、仕切壁Wを電解槽に固定することができるか、あるいは仕切壁Wの2つの枠部分RおよびRを互いに固定することができる膨らみ(「ウサギ耳」)を有している。
仕切壁Wの側SKKは、面OKKを有し、仕切壁Wの側SA/MKは面OA/MKを有する。
仕切壁Wは、枠要素Rを含んでいる。これは、2つの対向する部分、好ましくは二つ割りのRおよびRで構成され、その間には、少なくとも2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体セラミックFおよびFが配置されている。Rは、面OKKから直接接触可能であり、Rは、面OA/MKから直接接触可能である。
枠要素Rは、枠要素Rおよび分離要素Rを形成し、枠要素Rは、面OKKおよびOA/MKを境界し、好ましくは完全に取り囲んでいる。そして、枠要素Rは、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスの間に位置し、これらを互いに分離している。したがって、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、面OKKおよび面OA/MKの両方から直接接触可能である。
特徴「仕切壁」は、仕切壁Wが液密であることを意味する。これは、ASCと枠要素Rとが隙間なく隣接していることを意味する。したがって、枠要素Rと仕切壁に含まれるASCとの間に隙間は存在せず、隙間を通って水溶液、アルコール溶液、アルコールまたは水がSKK側からSA/MK側に、またはその逆に流れることはない。
仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスと各部分RまたはRとが直接接触可能な面を介して対向する側が二対以上ある場合、本明細書の文脈においてSKKおよびSA/MKとして表される一対の対向する側は、最大の表面積OKKおよびOA/MKを含む対であることが好ましい。二対の対向する側に含まれる表面積が同じである場合、当業者であれば、面OKKおよびOA/MKを有するSKKおよびSA/MKとして1つの対を選択することができる。
仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスと各部分RまたはRとが直接接触可能な面を介して対向する側が二対以上存在する仕切壁Wのうち、対向する側のそれぞれの対に含まれる表面積が異なる仕切壁Wが好ましい。この場合、本明細書の文脈においてSKKおよびSA/MKと呼ばれる対向する側の対は、最大表面積のOKKおよびOA/MKを含むものである。
本発明の第1の態様による仕切壁Wには、仕切壁Wが2つ以上のASC、例えば4個、9個または12個のASCを備える実施形態も含まれる。
仕切壁Wでは、仕切壁Wに含まれるすべてのASCは、枠要素Rの分離要素Rによって互いに分離されており、これは、ASCが別のASCに直接隣接しないこと、すなわち、間に枠要素Rが存在しないことを意味する。
仕切壁Wは、仕切壁Wに含まれるASCが、表面OKKおよび表面OA/MKの両方から直接接触可能であることをさらに特徴とする。
仕切壁Wに含まれるASCに関して「直接接触可能」とは、表面OKKおよびOA/MKの一部が、仕切壁Wに含まれるASCの表面により形成されていることを意味し、仕切壁Wに含まれるASCが、2つの表面OKKおよびOA/MKから直接アクセス可能であることを意味する。そのため、例えば、水溶液、アルコール溶液、アルコールまたは水により、2つの表面OKKおよびOA/MKにおいてそれらを濡らすことができる。
仕切壁W内のASCの配置に関してこれが意味するのは、仕切壁Wに含まれる各ASCについて、側SKKの表面OKKから、それぞれのASCを完全に通過して、側SA/MKの表面OA/MKに至るルートが存在するということである。
2つの枠要素RおよびRは、表面OKKおよびOA/MKから直接接触可能である。
仕切壁Wに含まれる枠部分Rに関して「直接接触可能」とは、表面OKKの一部が、枠部分Rの表面により形成されていることを意味し、枠部分Rは表面OKKから直接アクセス可能であることを意味する。そのため、例えば、水溶液、アルコール溶液、アルコールまたは水により、表面OKKにおいてそれを濡らすことができる。
仕切壁Wに含まれる枠部分Rに関して「直接接触可能」とは、表面OA/MKの一部が、枠部分Rの表面によって形成されており、枠部分Rが表面OA/MKから直接アクセス可能であることを意味する。そのため、例えば、水溶液、アルコール溶液、アルコールまたは水により、表面OA/MKにおいてそれを濡らすことができる。
特に仕切壁W内の枠要素Rの配置に関してこれが意味するのは、側SKKの表面OKKから、R部分を通過し、次いでR部分を通過し(場合により、シールDiを通過し)、ASCは通過せずに、側SA/MKの表面OA/MKに至るルートが存在するということである。
本発明の第1の態様における仕切壁Wの好ましい実施形態では、表面OKKの50%~95%、より好ましくは60%~90%、さらにより好ましくは70%~85%が、仕切壁Wに含まれるASCにより形成され、表面OKKの残りの部分は、さらにより好ましくは、枠部分Rにより形成される。
本発明の第1の態様における仕切壁Wの好ましい実施形態では、表面OA/MKの50%~95%、より好ましくは60%~90%、さらにより好ましくは70%~85%も、仕切壁Wに含まれるASCにより形成され、表面OA/MKの残りの部分は、さらにより好ましくは、枠部分Rにより形成される。
好ましい実施形態では、仕切壁W、特に枠要素RとASCとの間の仕切壁Wは、シールDi(例えば、図3A、図3Bおよび図3Cに示す)を備えている。これにより、特に効率的な方法で、仕切壁Wが液密であることが確保される。 シールDiは、当業者により、各ASCまたは各枠要素Rについて選択され得る。
シールDiは、特に、エラストマー、接着剤、好ましくはエラストマーからなる群から選択される材料を含んでいる。
有用なエラストマーは、特に、ゴム、好ましくはエチレン-プロピレン-ジエンゴム(「EPDM」)、フルオロポリマーゴム(「FPM」)、パーフルオロポリマーゴム(「FFPM」)、またはアクリロニトリル-ブタジエンゴム(「NBR」)である。
シールDiは、2つの枠部分RおよびRが互いに固定され、ASCが2つの枠部分RおよびRの間に配置される際に、圧縮されるように選択されることが好ましい。これにより、仕切壁Wの完全性がさらに高まる。
好ましい実施形態では、仕切壁Wは、少なくとも4個のASCであるF、F、FおよびFを備え、さらにより好ましくは、ちょうど4個のASCであるF、F、FおよびFを備えている。
さらに好ましい実施形態では、仕切壁Wは、少なくとも9個のASCであるF、F、F、F、F、F、F、FおよびFを備え、さらにより好ましくは、ちょうど9個のASCであるF、F、F、F、F、F、F、FおよびFを備えている。
さらに好ましい実施形態では、仕切壁Wは、少なくとも12個のASCであるF、F、F、F、F、F、F、F、F、F、FおよびFを備え、さらにより好ましくは、ちょうど12個のASCであるF、F、F、F、F、F、F、F、F、F、FおよびFを備えている。
仕切壁W内で互いに並んだ少なくとも2個のASCの本発明の配置は、従来技術の電解槽内の従来の仕切壁と比較して、電解槽の作動中に温度変動が生じた場合に、ASCにさらなる拡散方向をもたらす。従来技術の電解槽では、仕切壁として機能するNaSICONシートは、電解槽の外壁または固体プラスチックフレームによって枠組みされている。この方法では、NaSICON内での膨張の際に発生する機械的応力を分散させることはできず、セラミックの破損につながる可能性がある。
対照的に、本発明の第1の態様における仕切壁W内の個々のASCは、分離要素Rに隣接している。表面OKKおよびOA/MKの端にあるASCの場合は、枠要素Rにも隣接している。これは有利な効果をもたらし、どちらもASC の長期安定性を高める。
-各ASCは、さらに利用可能な自由度、すなわち、ASCが膨張可能な面積を有している。z方向の拡張(すなわち、仕切壁Wの水平面に対して直角にセラミックシートの厚さを越える膨張)だけでなく、xおよび/またはy方向の膨張、すなわち、仕切壁Wの水平面内の水平および垂直方向の膨張も可能である。例えば固体シートとしてのASCが電解槽の断面に広がり、電解槽の固体壁に隣接する場合には、この膨張の方向は存在しないか、または少なくとも大幅に制限される。
-1個のASCのみを含む等しいサイズの仕切壁と比較して、複数の小さな ASCに分割すると、より小さなASC内で発生する応力も絶対的に小さくなり、より迅速に消散できるため、ASCの破損につながる応力がそれほど早く蓄積できないという効果がある。
その結果、仕切壁W内の「分割された」ASCについては、1枚のシートを使用する場合と比較して、破損の傾向が明らかに減少する。
4.1.1 枠要素R
枠要素Rは、2つの対向する部分RおよびRを備え、その間には、仕切壁Wに含まれる2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体セラミックスFおよびFが配置されている。この配置は、当業者によく知られたすべての方法で行うことができる。特定の実施形態では、2つの部分RおよびRは、好ましくは枠要素R内でASCをさらに安定させるシールDiを使用して、それらの間にASCをクランプする。別の好ましい実施形態では、ASCは、2つの枠部分RおよびRに接着されている。この目的に使用される接着剤KIは、電解条件下で安定である、当業者によく知られているすべての接着剤であり得る。好ましいKIには、エポキシ樹脂、フェノール樹脂から選択される少なくとも1つの物質が含まれる。
仕切壁Wは、枠要素Rの2つの部分RおよびRを開閉できるヒンジを備えていてもよい。
枠要素Rは、特に、プラスチック、ガラス、木材からなる群から選択される材料を含んでいる。より好ましくは、枠要素Rは、プラスチックを含んでいる。
さらにより好ましくは、そのプラスチックは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルからなる群から選択されるものである。
好ましい実施形態では、シールDiは、枠要素Rと、仕切壁Wに含まれるASCとの間に設けられる。これにより、仕切壁Wの液密性が向上する。
枠要素Rは、端要素Rおよび分離要素Rを形成する。
4.1.1.1 分離要素R
分離要素Rは、少なくとも2つのASCの間に位置し、これらを互いに分離する枠要素Rの領域を指す。枠要素Rの領域としての分離要素Rは、2つの部分RおよびRによって形成される。
枠要素Rによって形成される適切な分離要素Rは、それによってそれぞれのASCを互い分離して配置することができるすべての物体である。ASCは、電解槽E内で陰極室を隣接する中間室または陽極室から液密に仕切る仕切壁Wの機能を損なわないように、分離要素Rに隙間なく隣接している。
分離要素Rの形状は、特に仕切壁Wに含まれるASCの数および形状に応じて、当業者によって選択されてよい。
例えば、仕切壁Wが2個または3個のASCを備える場合、これらは、分離要素RとしてASC間に配置されたランドによってそれぞれ分離され得る(例えば、図2Aを参照)。
仕切壁WがASCを4つ以上備える場合、これらは、十字形状(図2Bおよび図6Aを参照)または格子形状(図6Bを参照)の分離要素Rによって分離され得る。
仕切壁Wが少なくとも4個のASCを備えることが好ましい。そして、三次元すべてをASCの熱膨張/収縮に完全に利用できるため、分離要素Rは十字形状または格子形状であることがさらに好ましい。
分離要素Rは特に、各ASCが分離要素内に嵌合またはクランプできるように形成されている。これは、仕切壁Wの製造において、対応する方法ですでに実施されていてもよい。
分離要素Rは、プラスチック、ガラスおよび木材からなる群から選択される材料を含むことが好ましい。より好ましくは、分離要素Rはプラスチックを含んでいる。
さらにより好ましくは、そのプラスチックは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(「PVC」)からなる群から選択されるものである。PVCには、後塩素化ポリ塩化ビニル(「PVC-C」)も含まれる。
4.1.1.2 端要素R
枠要素Rは、分離要素Rを形成するだけでなく、端要素Rも形成する。枠要素Rの領としての端要素Rは、2つの部分RおよびRによって形成される。 端要素R(分離要素Rとは異なる)は、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスの間に配置されていない枠要素Rの領域であり、すなわち、アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスを互いに分離するものではない。
端要素Rは、面OKKおよびOA/MKを少なくとも部分的に、好ましくは完全に境界する。これが意味するのは、より具体的には、端要素Rは、面OKKおよびOA/MKを少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲んでいるということである。
端要素Rは、面OKKおよびOA/MKの一部である場合もあれば、そうでない場合もある。端要素Rは、面OKKおよびOA/MKの一部であることが好ましい。
端要素Rは、特に、面OKKおよびOA/MKから直接接触可能であるか、または直接接触可能ではない。
端要素Rは、面OKKおよびOA/MKから直接接触可能であることが好ましい。 この好ましい実施形態では、Rの一部としての端要素Rは、面OKKから直接接触可能であり、Rの一部としての端要素Rは、面OA/MKから直接接触可能である。
仕切壁Wに含まれる端要素Rに関して「直接接触可能ではない」とは、端要素Rが、専ら、仕切壁Wの側SKKおよびSA/MKではない側の表面の少なくとも一部として形成されることを意味する。より具体的には、この場合の端要素Rは、仕切壁Wの側SKKおよびSA/MKではない側の表面積の少なくとも1%、より好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは100%を形成する。
仕切壁Wに含まれる枠要素Rに関して「直接接触可能」とは、表面OKKの一部が枠要素Rの表面によって形成されていることを意味し、枠要素Rが表面OKKから直接アクセス可能であることを意味する。そのため、例えば水溶液、アルコール溶液、アルコールまたは水により、それを表面OKKで濡らすことができる。
仕切壁Wに含まれる枠要素Rに関して「直接接触可能」とは、表面OA/MKの一部が枠要素Rの表面によって形成されていることでもあり、枠要素Rが直表面OA/MKから直接アクセス可能であることを意味する。そのため、例えば、水溶液、アルコール溶液、アルコールまたは水により、それを表面OA/MKで濡らすことができる。これが仕切壁W内の端要素Rの配置に関して意味するのは、側SKKの表面OKKから、端要素Rを完全に通って、側SA/MKの表面OA/MKに至るルートが存在することである。
これには、以下の実施形態が含まれる。
‐表面OKKおよびOA/MKの端の一部が端要素Rによって形成されている。
‐(図2A、図2B、図6A、図6Bに示すように)表面OKKおよびOA/MKの端は、端要素Rによって完全に形成されている。
端要素Rは、仕切壁Wの側SKKおよびSA/MKではない側の表面の少なくとも一部としてさらに形成され得る。より具体的には、端要素Rは、仕切壁Wの側SKKおよびSA/MKではない側の表面積の少なくとも1%、より好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは100%を形成する。
例えば、図2Aおよび図2Bは、端要素Rが、仕切壁Wの側SKKおよびSA/MKではない側の表面を完全に形成する実施形態を示している。
端要素Rは、プラスチック、ガラス、木材からなる群から選択される材料を含むことが好ましい。より好ましくは、端要素Rはプラスチックを含む。
さらにより好ましくは、そのプラスチックは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(「PVC」)からなる群から選択されるものである。PVCには、後塩素化ポリ塩化ビニル(「PVC-C」)も含まれる。
さらに好ましい実施形態では、端要素Rおよび分離要素Rは、同じ材料を含み、両方ともプラスチックを含むことがさらにより好ましく、そのプラスチックは、さらにより好ましくはポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、PVC-Cから選択される。
好ましい実施形態では、分離要素Rの少なくとも一部は、枠要素Rの少なくとも一部と一体に形成されている。これがより具体的に意味するのは、分離要素Rの少なくとも一部が端要素Rと合体しているということである。
端要素Rの実施形態は、電解槽Eの外壁の一部として機能するというさらなる利点を有する。仕切壁Wのこの部分は、各内部構造IKK、IKAまたはIKM内の溶液と接触しない。したがって、仕切壁Wのこの部分を固体電解質セラミックで形成するのは無駄である。さらに、外壁の間にクランプされているか、または外壁の一部を形成している仕切壁Wの部分は、脆い固体電解質セラミックでは耐えられないであろう力にさらされる。したがって、代わりに、耐破壊性の、より安価な材料が枠要素Rに選ばれる。
4.1.2 固定要素BおよびB
本発明の第1の態様における仕切壁Wは、RおよびRが端要素Rにおいて少なくとも1つの固定要素Bによって互いに固定され、RおよびRが分離要素Rにおいて少なくとも1つの固定要素Bによって互いに固定されていることを特徴とする。
これに関連して、「端要素Rにおいて」とは、「端要素Rの領域において」の意味である。
これに関連して、「分離要素Rにおいて」とは、「分離要素Rの領域において」の意味である。
適切な固定要素BおよびBは、2つの枠部分RおよびRを互いに固定するための当業者によく知られたすべての手段である。
これらの固定要素BおよびBは、特に、ヒンジ、クランプ、釘、ネジ、フックから選択され、好ましくはネジ、フックから選択され、、最も好ましくはフックである。
固定要素BおよびBは、当業者によく知られた材料から作製され得る。
それらは、プラスチック、ガラス、木材からなる群から選択される材料を含むことが好ましい。プラスチックが特に好ましい。
さらにより好ましくは、そのプラスチックは、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、PVC-Cからなる群から選択されるものである。
さらにより好ましくは、少なくとも1つの固定要素Bおよび少なくとも1つの固定要素Bはそれぞれ、相互に係合するフックBの形態である。互いに固定された状態で、これらのフックは、特に仕切壁Wをまたぐことになる。
この目的のために、Bとして、相互に対向する対のフックBが、有利には、分離要素Rの領域において、2つの枠部分RおよびRの相互に対面する側にそれぞれ形成され、これらは、枠部分RおよびRの間のASCの配置に応じて、互いに、好ましくは可逆的に係合する。この実施形態では、枠要素Rが表面OKKおよびOA/MKから直接接触可能でなければならないことが明らかである。
この目的のために、Bとして、相互に対向する対のフックBが、有利には、端要素Rの領域において、2つの枠部分RおよびRの相互に対面する側にそれぞれ形成され、これらは、枠部分RおよびRの間のASCの配置に応じて、可逆的に互いに係合する。
「2つの枠部分RおよびRの相互に対面する側」とは、Rの場合には、その面が面OKKから直接接触可能ではない2つの枠部分の側を指し、Rの場合には、その面が面OA/MKから直接接触可能ではない2つの枠部分の側を指す。これらは、特に、仕切壁W内のASCおよび/またはシールDiと接する面RおよびRである。
固定手段BおよびB、特にフックは、部品RおよびRの少なくとも1つと一体形状であることが好ましい(図3B)。
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの固定要素Bおよび少なくとも1つの固定要素Bはそれぞれ、相互に係合するフックBの形態である。
好ましい実施形態では、フックBは、ASCが枠部分RおよびRの間に配置される場合に係合し、そのため枠部分RおよびRを互いに固定するように、分離要素Rの領域および端要素Rの領域において枠部分RおよびRの両方に形成される。さらにより好ましくは、これは可逆的であり、フックBは互いに取り外すことができることを意味する。これは、例えば、フックが相互に移動可能であるように設計されることにより達成することができる。
固定手段BおよびBを端要素Rおよび分離要素Rの両方に取り付けることにより、驚くべきことだが、仕切壁Wの安定性が向上する。端要素Rの領域だけでなく分離要素Rの領域にも固定手段を使用することにより、外側の角だけでなく、枠要素Rの領域全体に圧縮力を導入することが可能となる。
4.1.3 アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックス(「ASC」)
仕切壁Wに含まれる有用なアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックF、F等は、それを通過させて陽イオン、特にアルカリ金属陽イオン、さらにより好ましくはナトリウム陽イオンをSA/MK側からSKK側へ輸送することができるすべての固体電解質である。このような固体電解質は、当業者に知られており、例えば、ドイツ特許出願公開第10 2015 013 155号明細書、国際公開第2012/048032号パンフレットの段落[0035]、[0039]、[0040]、米国特許出願公開第2010/0044242号明細書の段落[0040]、[0041]、ドイツ特許第10360758号明細書の段落[014]~[025]に記載されている。これらは、NaSICON、LiSICON、KSICONの名前で市販されている。ナトリウムイオン伝導性固体電解質が好ましく、これがNaSICON構造を有することがさらに好ましい。本発明に従って使用可能なNaSICON構造は、例えば、N.Anantharamulu、K.Koteswara Rao、G.Rambabu、B.Vijaya Kumar、Velchuri Radha、M.VithalのJ Mater Sci2011、46、2821~2837頁にも記載されている。
仕切壁Wの好ましい実施形態では、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体セラミックは、独立して、式M 1+2w+x-y+zII III ZrIV --- (SiO(PO3-zのNaSICON構造を有する。
式中、Mは、Na、Liから選択され、好ましくはNa+である。
IIは、二価の金属陽イオンであり、好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Co2+、Ni2+から選択され、より好ましくはCo2+、Ni2+から選択される。
IIIは、三価の金属陽イオンであり、好ましくはAl3+、Ga3+、Sc3+、La3+、Y3+、Gd3+、Sm3+、Lu3+、Fe3+、Cr3+から選択され、より好ましくはSc3+、La3+、Y3+、Gd3+、Sm3+から選択され、特に好ましくはSc3+、Y3+、La3+から選択される。
は、5価の金属陽イオンであり、好ましくはV5+、Nb5+、Ta5+から選択される。
ローマ数字のI、II、III、IV、Vは、各金属陽イオンが存在する酸化数を示している。
w、x、y、zは実数で、0≦x<2、0≦y<2、0≦w<2、0≦z< 3であり、w、x、y、zは、1+2w+x-y+z≧0かつ2-w-x-y ≧0となるように選択される。
本発明によれば、さらにより好ましくは、NaSICON構造は、式Na(1+v)ZrSi(3-v)12の構造を有する。式中、vは、0≦v≦3の実数である。最も好ましくは、v=2.4である。
本発明の第1の態様による仕切壁Wの好ましい実施形態では、仕切壁Wに含まれるASCは、同一の構造を有する。
4.1.4 仕切壁Wの製造
仕切壁Wは、当業者に知られている方法により製造することができる。
例えば、仕切壁Wに含まれるASCが、必要に応じてシールを備える適切な鋳造型に挿入され、枠要素Rが液体プラスチックにより鋳造され、次いで固化させるために放置されてよい(射出成形法)。固化の過程で、これがASCを取り囲む。固定要素BおよびBは、枠要素R上に適切な形状により1つの鋳造物として設けられてよい(そして、枠要素Rと一体形状となる)。この実施形態では、相互に係合するフックBが固定手段として特に適している。
あるいは、枠要素R、または枠部品RおよびRは、別々に鋳造される。固定要素BおよびBは、枠要素R上に適切な形状により1つの鋳造物として設けられてよい(そして、枠要素Rと一体形状となる)。この実施形態では、相互に係合するフックBが固定手段として特に適している。
あるいは、必要に応じてシールDiを備えるASCを、枠部品RおよびRの間に配置することができ、次いで、固定要素BおよびBを取り付けることができる。この目的に適した例は、枠部品RおよびRの適切な切り欠きに打ち込まれ、これらを互いに固定するネジまたは釘である。
4.2 電解槽E
本発明の第1の態様の仕切壁Wは、電解槽Eの仕切壁として適している。
したがって、第2の態様では、本発明は、
‐少なくとも1つの入口ZKAと、少なくとも1つの出口AKAと、陽極電極Eを備える内部構造IKAとを有する少なくとも1つの陽極室K
‐少なくとも1つの入口ZKKと、少なくとも1つの出口AKKと、陰極電極Eを備える内部構造IKKとを有する少なくとも1つの陰極室K、および
‐必要に応じて、少なくとも1つの入口ZKMと、少なくとも1つの出口AKMと、内部構造IKMとを有する少なくとも1つの介装中間室K
を含む電解槽Eであり、
KAとIKMは、拡散バリアDによって互いに区切られ、AKMは、接続VAMによって入口ZKAに接続され、接続VAMを経由してIKMからIKAへ液体を送ることができ、
電解槽Eが中間室Kを備えていない場合、IKAとIKKは、本発明の第1の態様による仕切壁Wによって互いに区切られ、
電解槽Eが少なくとも1つの中間室Kを備えている場合、IKKとIKMは、本発明の第1の態様による仕切壁Wによって互いに区切られ、
仕切壁W<16>に含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックス、特に分離要素Rは、表面OKKを介してSKK側の内部構造IKKに直接接触し、かつ
電解槽Eが中間室Kを備えていない場合、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックス、特に枠要素Rは、表面OA/MKを介してSA/MK側の内部構造IKAに直接接触し、
電解槽Eが少なくとも1つの中間室Kを備えている場合、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックス、特に枠要素Rは、表面OA/MKを介してSA/MK側の内部構造IKMに直接接触している、電解槽E
に関する。
本発明の第2の態様における電解槽Eは、少なくとも1つの陽極室Kと、少なくとも1つの陰極室Kと、必要に応じて少なくとも1つの介装中間室Kとを備える。これには、2つ以上の陽極室Kおよび/または陰極室Kおよび/または中間室Kを有する電解槽Eも含まれる。これらの室がモジュールの形で互いに連結しているこのような電解槽は、例えば、東ドイツ特許出願公開第258143号明細書および米国特許出願公開第2006/0226022号明細書に記載されている。
本発明の第2の態様における電解槽Eは、好ましい実施形態では、陽極室Kと、陰極室Kと、必要に応じて介装中間室Kとを備える。
電解槽Eは、通常、外壁Wを有する。外壁Wは、特に、鋼、好ましくはゴム引き鋼、プラスチック、特にTelene(登録商標)(熱硬化性ポリジシクロペンタジエン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVC-C(後塩素化ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)からなる群から選択される材料から作られる。Wは、特に、入口と出口のために穴があけられていてよい。W内には、少なくとも1つの陽極室Kと、少なくとも1つの陰極室Kと、電解槽Eが1つの中間室Kを備える実施形態では少なくとも1つの介装中間室Kとがある。
4.2.1 陰極室K
陰極室Kは、少なくとも1つの入口ZKKと、少なくとも1つの出口AKKと、陰極電極E備える内部構造IKKとを有する。
電解槽Eが中間室Kを備えていない場合、陰極室Kの内部構造IKKは、本発明の第1の態様の仕切壁Wによって、陽極室Kの内部構造IKAから区切られる。電解槽Eが少なくとも1つの中間室Kを備えている場合、陰極室Kの内部構造IKKは、本発明の第1の態様の仕切壁Wによって、中間室Kの内部構造IKMから区切られる。
4.2.1.1 陰極電極E
陰極室Kは、陰極電極Eを備える内部構造IKKを備えている。この種の有用な陰極電極Eは、本発明の第3の態様における本発明による方法の条件下で安定である、当業者によく知られたすべての電極である。これらは、特に、国際公開第2014/008410号パンフレットの段落[025]またはドイツ特許出願公開第10360758号明細書の段落[030]に記載されている。この電極Eは、メッシュウール、三次元マトリックス構造、および「ボール」からなる群から選択され得る。陰極電極Eは、特に、鋼、ニッケル、銅、白金、白金メッキ金属、パラジウム、炭素担持パラジウム、チタンからなる群から選択される材料を含む。好ましくは、Eはニッケルを含む。
中間室Kを備える、本発明の第2の態様による電解槽Eの実施形態では、中間室Kは、陽極室Kと陰極室Kとの間にある。
4.2.1.2 入口ZKKおよび出口AKK
陰極室Kは、入口ZKKおよび出口AKKも含んでいる。これにより、陰極室Kの内部構造IKKへの液体、例えば溶液Lの添加と、その中に存在する液体、例えば溶液Lの除去とが可能になる。入口ZKKおよび出口AKKは、液体が陰極室Kの内部構造IKKを通って流れるときに、液体が陰極電極Eと接触するように、陰極室Kに取り付けられている。これは、アルカリ金属アルコキシドXORのアルコールROH溶液である溶液Lが陰極室Kの内部構造IKKを通って送られる際、本発明の第3の態様における本発明による方法の実施において、出口AKKで溶液Lが得られるための前提条件である。
入口ZKKおよび出口AKKは、当業者に知られている方法、例えば、液体の導入および排出を簡素化する外壁穴および対応する接続部(バルブ)によって、電解槽Eに取り付けられてよい。
4.2.2 陽極室K
陽極室Kは、少なくとも1つの入口ZKAと、少なくとも1つの出口AKAと、陽極電極Eを備える内部構造IKAを有する。
電解槽Eが中間室Kを備えている場合、陽極室Kの内部構造IKAは、拡散バリアDによって中間室Kの内部構造IKMから区切られる。
電解槽Eが中間室Kを備えていない場合、陽極室Kの内部構造IKAは、仕切壁Wによって陰極室Kの内部構造IKKから区切られる。
4.2.2.1 陽極電極E
陽極室Kは、陽極電極Eを備える内部構造IKAを備える。この種の有用な陽極電極Eは、本発明の第3の態様における本発明による方法の条件下で安定である、当業者によく知られているすべての電極である。これらは、特に、国際公開第2014/008410A号パンフレットの段落[024]またはドイツ特許出願公開第10360758号明細書の段落[031]に記載されている。この電極Eは、1つの層から構成されていてもよく、またはそれぞれが穿孔もしくは膨張していてよい互いに平行な複数の平面層から構成されていてもよい。陽極電極Eは、特に、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、ニッケル、コバルト、タングステン酸ニッケル、チタン酸ニッケル、チタンまたはKovar(登録商標)(各成分が鉄:54質量%、ニッケル:29質量%、コバルト:17質量%であることが好ましい鉄・ニッケル・コバルト合金)などの担体上に担持された特に白金など貴金属からなる群から選択される材料を含む。さらに可能な陽極材料は、特に、ステンレス鋼、鉛、グラファイト、炭化タングステン、二ホウ化チタンである。好ましくは、陽極電極Eは、酸化ルテニウム/酸化イリジウムでコーティングされたチタン陽極を含む(RuO+IrO/Ti)。
4.2.2.2 入口ZKAおよび出口AKA
陽極室Kは、入口ZKAおよび出口AKAも含んでいる。これにより、陰極室Kの内部構造IKAへの液体、例えば溶液Lの添加と、その中に存在する液体、例えば溶液Lの除去とが可能になる。入口ZKAおよび出口AKAは、液体が陽極室Kの内部構造IKAを通って流れるときに、液体が陽極電極Eと接触するように、陽極室Kに取り付けられている。これは、塩Sの溶液Lが陰極室Kの内部構造IKAを通って送られるとき、本発明の第3の態様における本発明による方法の実施において、出口AKAで溶液Lが得られるための前提条件である。
入口ZKAおよび出口AKAは、当業者に知られている方法、例えば、液体の導入および排出を簡素化する外壁穴および対応する接続部(バルブ)によって、電解槽Eに取り付けられてよい。電解槽Eが中間室Kを備えている特定の実施形態では、入口ZKAはまた、電解槽内に、例えば拡散バリアDの穿孔の形で存在してもよい。
4.2.3 任意選択の中間室K
本発明の第2の態様における電解槽Eは、中間室Kを有することが好ましい。 任意選択の中間室Kは、陰極室Kと陽極室Kとの間に位置している。それは、少なくとも1つの入口ZKMと、少なくとも1つの出口AKMと、内部構造IKMとを備える。
電解槽Eが中間室Kを備えている場合、陽極室Kの内部構造IKAは、拡散バリアDによって中間室Kの内部構造IKMから区切られている。次いで、AKMは、液体が接続VAMを通ってIKMからIKAへ誘導され得るように、接続VAMによって入口ZKAにも接続されている。
4.2.3.1 拡散バリアD
任意選択の中間室Kの内部構造IKMは、拡散バリアDによって陽極室Kの内部構造IKAから区切られ、仕切壁Wによって陰極室Kの内部構造IKKから区切られている。
拡散バリアDに使用される材料は、本発明の第3の態様における本発明の方法の条件下で安定であり、陽極室Kの内部構造IKAに存在する液体からのプロトンが、任意選択の中間室Kの内部構造IKMへ移動するのを防止または遅延させるすべての材料であり得る。
使用される拡散バリアDは、特に、イオン非特異的な仕切壁または特定のイオンに対して透過性の膜である。拡散バリアDは、イオン非特異的な仕切壁であることが好ましい。
非イオン特異的仕切壁の材料は、特に、布地、特に繊維生地または金属ウィーヴ、ガラス、特に焼結ガラスまたはガラスフリット、セラミック、特にセラミックフリット、膜ダイヤフラムからなる群から選択され、より好ましくは織物生地または金属ウィーヴであり、特に好ましくは織物生地である。織物生地は、プラスチック、より好ましくはPVC、PVC-C、ポリビニルエーテル(「PVE」)、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)から選択されるプラスチックを含むことが好ましい。
拡散バリアDが「特定のイオンに対して透過性の膜」である場合、本発明に従ってこれが意味するのは、それぞれの膜が、他のイオンよりもそれを通過する特定のイオンの拡散を促進するということである。より具体的には、これが意味するのは、反対の電荷のイオンよりも、特定の電荷タイプのイオンの拡散を促進する膜である。さらにより好ましくは、特定のイオンに対して透過性の膜はまた、同じ電荷タイプの他のイオンよりも、ある電荷タイプの特定のイオンの拡散を促進する。
拡散バリアDが「特定のイオンに対して透過性の膜」である場合、拡散バリアDは、特に、陰イオン伝導性膜または陽イオン伝導性膜である。
本発明によれば、陰イオン伝導性膜は、陰イオンを選択的に伝導する膜、好ましくは特定の陰イオンを選択的に伝導する膜である。換言すれば、それらは、陽イオン、特にプロトンの拡散よりもアニオンの拡散を促進する。さらにより好ましくは、それらは、他の陰イオンの拡散よりも、特定の陰イオンの拡散をさらに促進する。
本発明によれば、陽イオン伝導性膜は、陽イオンを選択的に伝導する膜、好ましくは特定の陽イオンを選択的に伝導する膜である。換言すれば、それらは、陰イオンの拡散よりも陽イオンの拡散を促進する。さらにより好ましくは、それらは、他の陽イオンの拡散よりも特定の陽イオンの拡散をさらに促進し、より好ましくは、プロトンよりも、プロトンではない陽イオン、より好ましくはナトリウム陽イオンの拡散を促進する。
「他のイオンYの拡散よりも特定のイオンXの拡散を促進する」とは、より具体的には、当該膜の所定温度におけるX型イオンの拡散係数(単位:m/秒) が、当該膜のY型イオンの拡散係数よりも10倍、好ましくは100倍、好ましくは1000倍高いことを意味する。
拡散バリアDが「特定のイオンに対して透過性の膜」である場合、それは、陰イオン伝導性膜であることが好ましい。なぜなら、これは、プロトンの陽極室Kから中間室Kへの拡散を特に効果的に防止するためである。
使用される陰イオン伝導性膜は、特に、塩Sに含まれる陰イオンに対して選択的な膜である。そのような膜は、当業者に知られており、当業者によって使用されることができる。
塩Sは、Xのハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩または炭酸塩であることが好ましく、ハロゲン化物であることがさらに好ましい。
ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物である。最も好ましいハロゲン化物は、塩化物である。
使用される陰イオン伝導性膜は、ハロゲン化物、好ましくは塩化物に対して選択的な膜であることが好ましい。
陰イオン伝導性膜は、例えば、M.A.Hickner、A.M.Herring、E.B.Coughlinによる高分子科学のジャーナル第B部:高分子物理学2013、51、1727~1735頁、C.G.Arges、V.Ramani、P.N.Pintauroによる電気化学会インターフェース 2010、19、31~35頁、国際公開第2007/048712号パンフレット、およびVolkmar M.Schmidtによる電気化学工学:基礎、反応技術、プロセス最適化、第1版(2003年10月8日)の教科書第181頁に記載されている。
さらにより好ましくは、使用される陰イオン伝導性膜は、したがって、ポリエチレン、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルケトン、ポリスチレン、ポリプロピレン、およびポリパーフルオロエチレンなどのフッ素化膜、好ましくはポリスチレンから特に選択される有機ポリマーである。これらは、-NH 、-NRH 、-NR 、=NR、-PR から選択される共有結合した官能基を有する。式中、Rは、好ましくは炭素数1~20のアルキル基、または他の陽イオン性基である。それらは、好ましくは、-NH 、-NRH および-NR から選択される、より好ましくは-NH および-NR から選択される、さらにより好ましくは-NR である、共有結合した官能基を有する。
拡散バリアDが陽イオン伝導性膜である場合、それは特に、塩Sに包まれる陽イオンに対して選択的な膜である。さらにより好ましくは、拡散バリアDはアルカリ金属陽イオン伝導性膜であり、さらにより好ましくはカリウムおよび/またはナトリウムイオン伝導性膜であり、最も好ましくはナトリウムイオン伝導性膜である。
陽イオン伝導膜は、例えば、Volkmar M.Schmidtによる電気化学工学:基礎、反応技術、プロセス最適化、第1版(2003年10月8日)の教科書第181頁に記載されている。
さらにより好ましくは、使用される陽イオン伝導性膜は、したがって、ポリエチレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルケトン、ポリスチレン、ポリプロピレン、およびポリパーフルオロエチレンなどのフッ素化膜、好ましくはポリスチレンおよびポリパーフルオロエチレンから特に選択される有機ポリマーである。これらは、(ドイツ特許出願公開第102010062804号明細書、米国特許第4,831,146号明細書に記載の)-SO 、-COO、-PO 2-および-PO、好ましくは-SO から選択される共有結合した官能基を有する。
これは、例えば、スルホン化ポリパーフルオロエチレン(Nafion(登録商標)、CAS番号:31175-20-9)であり得る。これらは、例えば、国際公開第2008/076327号パンフレットの段落[058]、米国特許出願公開第2010/0044242号明細書の段落[0042]または米国特許出願公開第2016/0204459号明細書から当業者に知られており、Nafion(登録商標)、Aciplex(登録商標)F、Flemion(登録商標)、Neosepta(登録商標)、Ultrex(登録商標)、PC-SK(登録商標)の商品名で市販されている。Neosepta(登録商標)膜は、例えば、S.A.Mareev、D.Yu.Butylskii、N.D.Pismenskaya、C.Larchet、L.Dammak、V.V.Nikonenkoによる膜科学のジャーナル2018、563、768~776頁に記載されている。
陽イオン伝導性膜が拡散バリアDとして使用される場合、これは、例えば、スルホン酸基で官能化されたポリマー、特に下記の式PNAFIONのポリマーであり得る。式中、nおよびmは、独立して、1~10の整数、好ましくは10~10の整数、より好ましくは10~10の整数であり得る。
4.2.3.2 入口ZKMおよび出口AKM
任意選択の中間室Kには、入口ZKMと出口AKMも含まれる。これにより、中間室Kの内部構造IKMへの液体、例えば溶液Lの添加と、その中に存在する液体、例えば溶液Lの陽極室Kへの移送とが可能となる。
入口ZKMおよび出口AKMは、当業者に知られている方法、例えば、液体の導入および排出を簡素化する外壁穴および対応する接続部(バルブ)によって、電解槽Eに取り付けられてよい。出口AKMはまた、例えば拡散バリアDの穿孔の形で、電解槽内に存在してよい。
4.2.3.3 接続VAM
本発明の第2の態様による電解槽Eでは、液体が接続VAMを通ってIKMからIKAに誘導されるように、出口AKMが接続VAMによって入口ZKAに接続されている。
接続VAMは、電解槽E内および/または電解槽Eの外側に形成されてよく、好ましくは電解槽内に形成される。
(1)接続VAMが電解槽E内に形成される場合、接続VAMは、拡散バリアDの少なくとも1つの穿孔によって形成されることが好ましい。この実施形態は、特に、使用される拡散バリアDが非イオン特異的仕切壁、特に金属ウィーヴまたは織物生地である場合に好ましい。これは拡散バリアDとして機能し、ウィーヴの特性上、接続VAMとして機能する穿孔および隙間を最初から有している。
(2)以下に説明する実施形態は、特に、使用される拡散バリアDが特定のイオンに対して透過性の膜である場合に好ましい。この実施形態では、接続VAMは、電解槽Eの外側に形成される。特に、外壁Wを通る出口AKMが、中間室の内部構造IKMから、好ましくは中間室Kの底部に形成され、入口ZKMがより好ましくは中間室Kの上端にあり、かつ外壁Wを通る入口ZKAが、陽極室Kの内部構造IKAから、好ましくは陽極室Kの底部に形成されるという点で、接続VAMは、電解槽Eの外側で動作するAKMとZKAとの接続によって形成されることが好ましい。これらは、導管、例えばパイプまたはホース、好ましくはゴムおよびプラスチックから選択される材料を含むものによって接続されている。次いで、出口AKAは、陽極室Kの上端にあることがより好ましい。
「中間室Kの底部の出口AKM」とは、溶液Lが重力方向に沿って中間室Kから出るように、出口AKMが電解槽Eに取り付けられていることを意味する。
「陽極室Kの底部にある入口ZKA」とは、溶液Lが重力に逆らって陽極室Kに入るように、入口ZKAが電解槽Eに取り付けられていることを意味する。
「中間室Kの上端にある入口ZKM」とは、溶液Lが重力方向に沿って中間室Kに入るように、入口ZKMが電解槽Eに取り付けられていることを意味する。
「陽極室Kの上端にある出口AK」とは、溶液Lが重力に逆らって陽極室Kから出るように、出口AKAが電解槽Eに取り付けられていることを意味する。
この実施形態は、出口AKMが、中間室Kの底部の外壁Wによって形成され、入口ZKAが陽極室Kの底部の外壁Wによって形成される場合に特に有利であり、したがって好ましい。この配置により、陽極室K内で生成されたガスを、それらをさらに分離するために、Lを用いて特に簡単な方法で陽極室Kから除去することが可能になる。
接続VAMが電解槽Eの外側に形成される場合、特に図5Aに示すように、ZKMおよびAKMは、特に、中間室Kの外壁Wの両端に配置され(すなわち、例えば、電解槽の底部にZKM、上端にAKM、またはその逆)、かつZKAおよびAKAは、陽極室Kの外壁Wの両端に配置される(つまり、電解槽Eの底部にZKA、上端にAKA、またはその逆)。この幾何学的形状により、Lは、必ず二室KおよびKを通って流れる。ZKAおよびZKMを電解槽Eの同じ側に形成することが可能であり、その場合、AKMおよびAKAも自動的に電解槽Eの同じ側に形成される。あるいは、ZKAおよびZKMは、電解槽Eの反対側に形成されてよく、この場合、AKMおよびAKAも自動的に電解槽Eの反対側に形成される。
(3)接続VAMが電解槽E内に形成される場合、これは、特に、電解槽Eの上端または底部、好ましくは図5Bに示される上端である電解槽Eの一方の側(「側A」)が、入口ZKMと出口AKAを備え、拡散バリアDがこの側(「側A」) から電解槽Eに向かって延びているが、電解槽Eの側Aと反対の側(「側B」)までは完全に達しておらず、側Bは、電解槽Eの底部または上端であり、同時に、三室槽Eの高さの50%以上、好ましくは三室槽Eの高さの60%~99%、より好ましくは三室槽Eの高さの70%~95%、さらにより好ましくは三室槽Eの高さの80%~90%、さらにより好ましくは三室槽Eの高さの85%を覆っていることにより、確保され得る。拡散バリアDは、三室槽Eの側Bに触れていないため、拡散バリアDと、三室槽Eの側Bの外壁Wと、の間に隙間が生じる。この場合、隙間は接続VAMになる。この幾何学的形状により、Lは必ず二室KおよびKを完全に通って流れる。
これらの実施形態により、塩水溶液Lが陽極電極Eと接触する前に、酸感受性固体電解質を通過して流れ、その結果、酸が形成されることが最も確実となる。
本発明によれば、「電解槽Eの底部」とは、溶液(例えば、図5AのAKMの場合にはL)が重力方向に沿って電解槽Eから出る電解槽Eの側、または溶液(例えば、図5Aおよび図5BのZKKの場合にはL、図4Aおよび図4BのAKAの場合にはL)が重力に逆らって電解槽Eに供給される電解槽Eの側である。
本発明によれば、「電解槽Eの上端」とは、溶液(例えば、図5Aおよび図5BのAKAの場合にはL、AKKの場合にはL)が重力に逆らって電解槽Eから出る電解槽Eの側、または溶液(例えば、図5Aおよび図5BのZKMの場合にはL)が重力方向に沿って電解槽Eに供給される電解槽Eの側面である。
4.2.4 電解槽Eにおける仕切壁Wの配置
仕切壁Wは、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスと、好ましくは枠要素Rとが、表面OKKを介して側SKKで内部構造IKKに直接接触するように、電解槽E内に配置されている。
これは、側SKK側の内部構造IKKが溶液Lで完全に満たされたときに、溶液Lが、表面OKKを介して仕切壁Wに含まれるすべてのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックと、かつ好ましくは部分Rを介して枠要素Rとも接触するように、仕切壁Wが電解槽E内に配置されていることを意味する。そのため、仕切壁Wに含まれるすべてのASCからのイオン(例えば、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオン)が溶液Lに入ることができる。
さらに、仕切壁Wは、電解槽Eが中間室Kを備えない実施形態では、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスと、好ましくは枠要素Rとが、表面OA/MKを介して側SA/MKで内部構造IKAと直接接触するように、電解槽E内に配置される。
これが意味するのは、以下の通りである。電解槽Eが中間室Kを備えない実施形態では、仕切壁Wは、陽極室Kの内部構造IKAに隣接する。これらの実施形態では、仕切壁Wは、次のように電解槽E内に配置される:側面SAM/Kの内部構造IKAが溶液Lで完全に満たされると、溶液Lが、表面OA/MKを介して仕切壁Wに含まれるすべてのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックと、好ましくは部分Rを介して枠要素Rとも接触し、それにより、溶液Lからのイオン(例えば、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオン)が、仕切壁Wに含まれるすべてのASCに入ることができる。
さらに、電解槽Eが少なくとも1つの中間室Kを備える場合、仕切壁Wは、仕切壁Wに含まれるアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスと、特に枠要素Rとが、表面OA/MKを介して側SA/MKの内部構造IKMと直接接触するように電解槽E中に配置される。
これが意味するのは、以下の通りである。電解槽Eが少なくとも1つの中間室Kを備える実施形態では、仕切壁Wは、中間室Kの内部構造IKMに隣接する。これらの実施形態では、仕切壁Wは、次のように電解槽E内に配置される:側面SAM/Kの内部構造IKMが溶液Lで完全に満たされると、溶液Lが、表面OA/MKを介して仕切壁Wに含まれるすべてのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックと、好ましくは部分Rを介して枠要素Rとも接触し、それにより、溶液Lからのイオン(例えば、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオン)が、仕切壁Wに含まれるすべてのASCに入ることができる。
本発明の第2の態様における電解槽Eの好ましい実施形態では、ASCにより形成される表面OKK部分の少なくとも50%、特に少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは100%が内部構造IKKと接触している。
本発明の第2の態様における中間室を備えない電解槽Eの好ましい実施形態では、ASCにより形成される表面OA/MK部分の少なくとも50%、特に少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは100%が内部構造IKAと接触している。
本発明の第2の態様における少なくとも1つの中間室を備えた電解槽Eの好ましい実施形態では、ASCにより形成される表面OA/MK部分の少なくとも50%、特に少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは100%が内部構造IKMと接触している。
4.3 本発明による方法
本発明は、第3の態様において、アルカリ金属アルコキシドXORのアルコールROH溶液Lの製造方法に関する。Xはアルカリ金属陽イオンであり、Rは炭素数1~4のアルキル基である。本発明の第3の態様による方法は、本発明の第2の態様の電解槽E内で実施される。
Xは、好ましくは、Li、K、Naからなる群、より好ましくはK、Naからなる群から選択される。最も好ましくは、X=Naである。
Rは、好ましくは、n-プロピル、イソ-プロピル、エチルおよびメチルからなる群、より好ましくはエチルおよびメチルからなる群から選択される。Rは最も好ましくはメチルである。
4.3.1 中間室Kを備えない電解槽E内での本発明による方法
電解槽Eが中間室Kを備えていない場合は、工程(α1)、工程(α2)、工程(α3)が同時に行われる。
4.3.1.1 工程(α1)
工程(α1)では、アルコールROH、好ましくはアルカリ金属アルコキシドXORとアルコールROHとを含む溶液Lが、Kを通って送られる。
溶液Lは水を含まないことが好ましい。本発明によれば、「水を含まない」とは、溶液L中のアルコールROHの重量を基準とした、溶液L中の水の重量(質量比)が1:10以下、より好ましくは1:20以下、さらにより好ましくは1:100以下、さらにより好ましくは0.5:100以下であることを意味する。
溶液LがXORを含む場合、溶液L中のXORの質量割合は、溶液L全体に対し、特に0重量%~30重量%を超え、好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~20重量%である、より好ましくは10重量%~15重量%、最も好ましくは13重量%~14重量%、非常に最も好ましくは13重量%である。
溶液LがXORを含む場合、溶液L中のアルコールROHに対するXORの質量比は、特に1:100~1:5の範囲、より好ましくは1:25~3:20の範囲、さらにより好ましくは1:12~1:8の範囲、さらに好ましくは1:10である。
4.3.1.2 工程(α2)
工程(α2)では、陽イオンとしてXを含む塩Sの中性またはアルカリ性水溶液Lが、Kを通って送られる。
塩Sは、Xのハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩または炭酸塩であることが好ましく、ハロゲン化物であることがさらに好ましい。
ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物である。最も好ましいハロゲン化物は、塩化物である。
水溶液LのpHは、7.0以上、好ましくは7~12の範囲、より好ましくは8~11の範囲、さらにより好ましくは10~11、最も好ましくは10.5である。
溶液L中の塩Sの質量割合は、溶液L全体に対し、0重量%~20重量%を超え、好ましくは1重量%~20重量%、より好ましくは5重量%~20重量%、さらにより好ましくは10重量%~20重量%、最も好ましくは20重量%であることが好ましい。
4.3.1.3 工程(α3)
次に、工程(α3)において、EとEとの間に電圧が印加される。
これにより、充電源から陽極へ電流が移動し、イオンを介して陰極へ電荷が移動し、そして最終的には充電源に電流が戻ることになる。充電源は、当業者に知られており、典型的には、交流を直流に変換し、変圧器を介して特定の電圧を生成することできる整流器である。
これにより、次のような結果が生じる。
よりもXORの濃度が高い溶液Lが出口AKKで得られる。
よりもSの濃度が高いSの水溶液Lが出口AKAで得られる。
本発明の第3の態様による方法の工程(α3)では、特に、電流密度(=陽極室Kに存在する陽極液と接触する固体電解質の面積に対する、電解槽に供給される電流の比)が10~8000A/mの範囲、より好ましくは100~2000A/mの範囲、さらにより好ましくは300~800A/mの範囲、さらにより好ましくは494A/mとなるような電流が流れるような電圧が印加される。これは、当業者であれば標準的な方法で測定することができる。陽極室K内に存在する陽極液と接触する固体電解質の面積は、特に0.00001~10m、好ましくは0.0001~2.5m、より好ましくは0.0002~0.15m、さらにより好ましくは2.83cmである。
本発明の第3の態様による方法の工程(α3)は、LとLの両方が、仕切壁Wに含まれるASCと接触し、特に枠要素Rとも接触するように、室Kが少なくとも部分的にLで満たされ、Kが少なくとも部分的にLで満たされたときに実施されることは明らかであろう。
工程(α3)においてEとEの間で電荷の移動が起こるという事実は、KとKにLとLがそれぞれ同時に負荷され、それらが回路が完成する程度に電極EおよびEを覆うことを意味する。
これは、特に、Lの液体流がKを通って絶え間なく送られ、Lの液体流がKを通って送られ、Lの液体流が電極Eを覆い、Lの液体流が電極Eを少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆う場合に当てはまる。
さらに好ましい実施形態では、本発明の第3の態様による方法は、連続的に実施される。すなわち、工程(α3)に従って電圧を印加しながら、工程(α1)および工程(α2)が連続的に実施される。
工程(α3)の実施後、溶液Lが出口AKKで得られ、L中のXORの濃度は、L中のXORの濃度よりも高い。Lが既にXORを含んでいる場合、L中のXORの濃度は、Lよりも、好ましくは1.01~2.2倍、より好ましくは1.04~1.8倍、さらにより好ましくは1.077~1.4倍、さらにより好ましくは1.077~1.08倍、最も好ましくは1.077倍高く、LおよびL中のXORの質量割合は、より好ましくは10重量%~20重量%、さらにより好ましくは13重量%~14重量%の範囲である。
S濃度がLよりも低い、Sの水溶液Lが出口AKAで得られる。
水溶液L中の陽イオンXの濃度は、3.5~5モル/Lの範囲であることが好ましく、4モル/Lであることがより好ましい。水溶液L中の陽イオンXの濃度は、それぞれの場合に使用する水溶液Lの濃度よりも0.5モル/L低いことがより好ましい。
より具体的には、本発明の第3の態様による方法の工程(α1)~(α3)は、20℃~70℃、好ましくは35℃~65℃、より好ましくは35℃~60℃、さらに好ましくは35℃~50℃の温度、0.5バール~1.5バール、好ましくは0.9バール~1.1バール、より好ましくは1.0バールの圧力で行われる。
本発明による方法の第3の態様による工程(α1)~(α3)を行う過程で、通常、水素が陰極室K内で生成され、これは、出口AKKから溶液Lとともに槽から除去され得る。次いで、本発明の特定の実施形態では、水素と溶液Lの混合物が、当業者に知られている方法によって分離され得る。使用されるアルカリ金属化合物がハロゲン化物、特に塩化物である場合、塩素または他のハロゲンガスが陽極室K内で生成される可能性があり、これは出口AKKから溶液Lとともに槽から除去され得る。さらに、酸素および/または二酸化炭素が生成される可能性もあるが、これらも同様に除去され得る。次いで、本発明の特定の実施形態では、塩素、酸素および/またはCOと溶液Lとの混合物が、当業者に知られている方法によって分離され得る。次いで、塩素、酸素および/またはCOガスを溶液Lから分離した後、これらを当業者に知られている方法で分離することも同様に可能である。
4.3.2 中間室Kを備えた電解槽E内での本発明による方法
電解槽Eが少なくとも1つの中間室Kを備える場合、同時に進行する工程(β1)、工程(β2)、工程(β3)が行われる。
電解槽Eは、少なくとも1つの中間室Kを備え、次いで、同時に進行する工程(β1)、工程(β2)、工程(β3)が行われることが好ましい。
4.3.2.1 工程(β1)
工程(β1)では、アルコールROHを含む、好ましくはアルカリ金属アルコキシドXORとアルコールROHとを含む溶液LがKを通って送られる。
溶液Lは水を含まないことが好ましい。本発明によれば、「水を含まない」とは、溶液L中のアルコールROHの重量を基準とした溶液L中の水の重量(質量比)が1:10以下、より好ましくは1:20以下、さらにより好ましくは1:100以下、さらにより好ましくは0.5:100以下であることを意味する。
溶液LがXORを含む場合、溶液L中のXORの質量割合は、溶液L全体に対し、特に、0重量%~30重量%を超え、好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~20重量%、より好ましくは10重量%~15重量%、最も好ましくは13重量%~14重量%、非常に最も好ましくは13重量%である。
溶液LがXORを含む場合、溶液L中のアルコールROHに対するXOR質量比は、特に、1:100~1:5の範囲、より好ましくは1:25~3:20の範囲、さらにより好ましくは1:12~1:8の範囲、さらにより好ましくは1:10である。
4.3.2.2 工程(β2)
工程(β2)では、陽イオンとしてXを含む塩Sの中性またはアルカリ性水溶液Lが、Kを通り、次にVAMを経由し、次にKを通って送られる。
塩Sは、Xのハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩または炭酸塩であることが好ましく、ハロゲン化物であることがさらに好ましい。
ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物である。最も好ましいハロゲン化物は塩化物である。
水溶液LのpHは、7.0以上、好ましくは7~12の範囲、より好ましくは8~11の範囲、さらにより好ましくは10~11、最も好ましくは10.5である。
溶液L中の塩Sの質量割合は、溶液L全体に対し、0重量%~20重量%を超え、好ましくは1重量%~20重量%、より好ましくは5重量%~20重量%、さらにより好ましくは10重量%~20重量%の範囲、最も好ましくは20重量%であることが好ましい。
4.3.2.3 工程(β3)
次に、工程(β3)では、EとEとの間に電圧が印加される。
これにより、充電源から陽極へ電流が移動し、イオンを介して陰極へ電荷が移動し、そして最終的には充電源に電流が戻ることになる。充電源は、当業者に知られており、典型的には、交流を直流に変換し、変圧器を介して特定の電圧を生成することができる整流器である。
これにより、次のような結果が生じる。
よりもXORの濃度が高い溶液Lが出口AKKで得られる。
よりもSの濃度が高いSの水溶液Lが出口AKAで得られる。
本発明の第3の態様による方法の工程(β3)では、特に、電流密度(=中間室Kに存在する陽極液と接触する固体電解質の面積に対する、電解槽に供給される電流の比)が10~8000A/mの範囲、より好ましくは100~2000A/mの範囲、さらにより好ましくは300~800A/mの範囲、さらにより好ましくは494A/mとなるような電流が流れるような電圧が印加される。これは、当業者であれば標準的な方法で測定することができる。中間室K内に存在する陽極液と接触する固体電解質の面積は、特に0.00001~10m、好ましくは0.0001~2.5m、より好ましくは0.0002~0.15m、さらにより好ましくは2.83cmである。
本発明の第3の態様による方法の工程(β3)は、LとLの両方が、仕切壁Wに含まれる固体電解質と接触し、特に枠要素Rとも接触するように、二室KおよびKが少なくとも部分的にLで満たされ、Kが少なくとも部分的にLで満たされたときに実施されることは明らかであろう。
工程(β3)においてEとEの間で電荷の移動が起こるという事実は、K、KおよびKにLとLが同時に負荷され、回路が完成する程度にそれらが電極EおよびEを覆うことを意味する。
これは、特に、Lの液体流がK、VAMおよびKを通って絶え間なく送られ、Lの液体流がKを通り、Lの液体流が電極Eを覆い、Lの液体流が電極Eを少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆う場合に当てはまる。
さらに好ましい実施形態では、本発明の第3の態様による方法は、連続的に実施される。すなわち、工程(β3)に従って電圧を印加しながら、工程(β1)および工程(β2)が連続的に実施される。
工程(β3)の実施後、溶液Lが出口AKKで得られ、L中のXORの濃度は、L中のXORの濃度よりも高い。Lが既にXORを含んでいる場合、L中のXORの濃度は、Lよりも、好ましくは1.01~2.2倍、より好ましくは1.04~1.8倍、さらにより好ましくは1.077~1.4倍、さらにより好ましくは1.077~1.08倍、最も好ましくは1.077倍高く、LおよびL中のXORの質量割合は、より好ましくは10重量%~20重量%、さらにより好ましくは13重量%~14重量%の範囲である。
S濃度がLよりも低い、Sの水溶液Lが出口AKAで得られる。
水溶液L中の陽イオンXの濃度は、3.5~5モル/Lの範囲であることが好ましく、4モル/Lであることがより好ましい。水溶液L中の陽イオンXの濃度は、それぞれの場合に使用する水溶液Lの濃度よりも0.5モル/L低いことがより好ましい。
より具体的には、本発明の第3の態様による方法の工程(β1)~(β3)は、20℃~70℃、好ましくは35℃~65℃、より好ましくは35℃~60℃、さらに好ましくは35℃~50℃の温度、0.5バール~1.5バール、好ましくは0.9バール~1.1バール、より好ましくは1.0バールの圧力で行われる。
本発明による方法の第3の態様による工程(β1)~(β3)を行う過程で、通常、水素が陰極室K内で生成され、これは、出口AKKから溶液Lとともに槽から除去され得る。次いで、本発明の特定の実施形態では、水素と溶液Lの混合物が、当業者に知られている方法によって分離され得る。使用されるアルカリ金属化合物がハロゲン化物、特に塩化物である場合、塩素または他のハロゲンガスが陽極室K内で生成される可能性があり、これは出口AKKから溶液Lとともに槽から除去され得る。さらに、酸素および/または二酸化炭素が生成される可能性もあるが、これらも同様に除去され得る。次いで、本発明の特定の実施形態では、塩素、酸素および/またはCOと溶液Lとの混合物が、当業者に知られている方法によって分離され得る。次いで、塩素、酸素および/またはCOガスを溶液Lから分離した後、これらを当業者に知られている方法で分離することも同様に可能である。
4.3.2.4 工程(β1)~(β3)のさらなる利点
工程(β1)~工程(β3)を実施すると、従来技術に照らして予期されなかったさらなる驚くべき利点がもたらされる。本発明による方法の工程(β1)~工程(β3)は、従来技術のように、緩衝液として陽極空間からのアルコキシド溶液を犠牲にすることなく、酸に不安定な固体電解質を腐食から保護する。したがって、本発明による方法は、生成物溶液を中間室に使用し、全体の転化率を低下させる国際公開第2008/076327号パンフレットに記載の方法よりも効率的である。
(A)発明性のない電解槽Eを示す。(B)別の発明性のない電解槽Eを示す。 (A)本発明の仕切壁W<16>を示す。(B)本発明の仕切壁W<16>の別の実施形態を示す。 (A)連続点線より上側で、仕切壁W<16>の端要素R<20>の領域における、図2Aおよび図2Bに示される断面QRR<165>の詳細図を示す。連続点線の下側で、仕切壁W<16>の分離要素R<17>の領域における、図2Aおよび図2Bに示される断面QRT<166>の詳細図を示す。(B)2つの断面QRR<165>およびQRT<166>それぞれのさらなる実施形態を示す。(C)断面QRR<165>のさらなる実施形態を示す。 (A)本発明の第2の態様による電解槽E<1>を示す。(B)本発明の第2の態様による電解槽E<1>を示す。 (A)本発明の第2の態様による電解槽E1を示す。(B)本発明の第2の態様による電解槽E1を示す。 (A)本発明の仕切壁W<16>のさらなる実施形態を、(左側に)表面OKK<163>を有する側SKK<161>の上面図で示す。そして、矢印の方向に見た曲線状クランプの詳細を示す側面図である。(B)本発明の仕切壁W<16>のさらなる実施形態を示す。
5.実験例
5.1 比較例1
陽極室に20重量%のNaClの(水)溶液を供給し、陰極室に10重量%のメタノール性SM溶液を供給する陰極方法により、ナトリウムメトキシド(SM)を生成した。電解槽は、図1Bに示すものに対応する3室で構成した。中間室と陽極室の間の接続は、電解槽の底部に取り付けられたホースによって設けた。陽極室と中間室は、2.83cmの陰イオン交換膜(Tokuyama AMX、ポリマー上にアンモニウム基)によって区切った。陰極室と中間室は、面積2.83cmのNaSICON型セラミックによって区切った。このセラミックは、式Na3.4Zr2.0Si2.40.612の化学組成を有していた。
陽極液を、中間室を通って陽極室に移送した。陽極液の流量は1L/時間、陰極液の流量は90mL/時間であり、0.14Aの電流を印加した。気温は35℃であった。電解を5Vの定電圧で500時間行った。
長期間にわたって中間室においてpH勾配が発生することが観察された。これは、電解の過程でイオンが電極へ移動したことと、陽極でのさらなる反応によって生成されたプロトンが拡散したこととに起因する。このpHの局所的上昇は、固体電解質を攻撃し、特に、非常に長い期間作動する場合に固体電解質の腐食および破損を引き起こす可能性があるため、望ましくない。
さらに、電解槽が繰り返し起動および停止されると、加熱および冷却効果により、NaSICONセラミックが膨張および収縮する。さらに、NaSICON膜が槽内で変位し得る。これは、セラミックの破損傾向が増大し、中間室から陰極室への電解液の漏洩につながり、電解生成物が水浸しになる可能性があるため、問題である。さらに、これにより槽の外壁に漏れ穴が生じ、電解液が外部に漏洩する可能性がある。
5.2 比較例2
たった1つの陽極室とたった1つの陰極室とを備え、陽極室がNaSICON型セラミックによって陰極室から区切られた2室槽(図1A)で、比較例1を再現した。したがって、この電解槽には、中間室が含まれていなかった。そのため、比較例1と比較して、セラミックの腐食がさらに速く、これは、電圧曲線の急速な上昇をもたらした。開始電圧値が5V未満の場合、100時間以内に20V超に上昇した。
5.3 実施例1
枠内に2つのNaSICONセラミックを含む仕切壁が挿入され、ネジで固定されている図5Aによる電解槽を使用して、比較例1を再現した。
この配置により、膨張および収縮プロセスの度合いが減少し、これがセラミックの耐用年数に貢献した。そして、漏れが防止されるため、よりクリーンな生成物溶液が得られた。
5.4 比較例3
図7Aに示すように枠内に4個のNaSICONセラミックスを含む仕切壁が挿入され、フックで固定された、図5Bによる電解槽を使用して、比較例2
を再現した。ただし、相違点は、固定要素B<92>(図5Bの断面<166>)が省かれた点である。
この配置により、膨張および収縮プロセスの度合いが減少し、これがセラミックの耐用年数に貢献した。そして、漏れが防止されるため、よりクリーンな生成物溶液が得られた。しかし、枠Rが分離要素Rの領域においてたわみやすいことが観察され、したがって、この領域での仕切壁Wの安定性は低い。
5.5 実施例2
分離要素Rの領域に固定要素B<92>(相互に係合するフック)を取り付け、比較例3を再現した。これにより、圧縮力が仕切壁の各側の表面全体に分散され、仕切壁の安定性が向上した。
5.6 結果
電解サイクルの繰り返しによって生じる膨張および収縮プロセスにおいて、固体電解質セラミック内の張力が緩和されると、電解室の延命につながる。本発明の実施例1および実施例2による実施では、これらの影響が低減され、固体電解質の安定性が増加する。
さらに、比較例3と比較すると、分離要素Rの領域に固定要素Bを設けることにより、枠要素から仕切壁内のセラミックスに加えられる圧縮力が均一に分散され、仕切壁Wの安定性が増大する。
本発明による方法において、本発明による三室槽を使用すると、固体電解質の腐食も防止され、同時に、中間室のためにアルカリ金属アルコキシド生成物を犠牲にする必要がなく、電圧は一定に保たれる。2つの比較例1および比較例2の比較からすでに明らかなこれらの利点は、少なくとも1つの中間室を備える本発明による電解槽と、その中で行われる方法との驚くべき効果を明確に示している。

Claims (15)

  1. 表面OKK<163>を有する一方の側SKK<161>と、前記側SKK<161>と反対の側である、表面OA/MK<164>を有する側SA/MK<162>と、を含み、
    2つの対向する部分R<201>およびR<202>から構成され、それらの間には少なくとも2つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスF<18>およびF<19>が配置されている枠要素R<2>
    を含む仕切壁W<16>であり、
    前記R<201>は、前記表面OKK<163>から直接接触可能であり、
    前記R<202>は、前記表面OA/MK<164>から直接接触可能であり、
    前記枠要素R<2>は、端要素R<20>および分離要素R<17>を形成し、
    前記端要素R<20>は、前記表面OKK<163>およびOA/MK<164>を少なくとも部分的に境界し、かつ
    前記分離要素R<17>は、前記仕切壁W<16>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックの間に位置し、それらを互いに分離し、
    前記仕切壁W<16>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、前記表面OKK<163>および前記表面OA/MK<164>の両方から直接接触可能であり、
    前記R<201>およびR<202>は、前記端要素R<20>において少なくとも1つの固定要素B<91>によって互いに固定されており、かつ
    前記R<201>およびR<202>は、前記分離要素R<17>において少なくとも1つの固定要素B<92>によって互いに固定されている、仕切壁W<16>。
  2. 前記少なくとも1つの固定要素B<91>および前記少なくとも1つの固定要素B<92>は、前記部分R<201>およびR<202>の少なくとも1つと一体型の形状である、請求項1記載の仕切壁W<16>。
  3. 前記少なくとも1つの固定要素B<91>および前記少なくとも1つの固定要素B<92>は、それぞれ相互に係合するフックB<93>の形状をしている、請求項1または請求項2記載の仕切壁W<16>。
  4. 少なくとも4つのアルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスF<18>、F<19>、F<28>およびF<29>を含む、請求項1~請求項3のいずれか一項記載の仕切壁W<16>。
  5. 前記分離要素R<17>は、十字形状または格子形状である、請求項4記載の仕切壁W<16>。
  6. 前記枠要素R<2>は、プラスチック、ガラス、木材からなる群から選択される材料を含む、請求項1~請求項5のいずれか一項記載の仕切壁W<16>。
  7. 前記仕切壁W<16>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、独立して
    式 M 1+2w+x-y+zII III ZrIV 2-w-x-y (SiO(PO3-z
    (式中、Mは、NaおよびLiから選択され、
    IIは、二価の金属陽イオンであり、
    IIIは、三価の金属陽イオンであり、
    は、5価の金属陽イオンであり、
    ローマ字指数I、II、III、IV、Vは、それぞれの前記金属陽イオンが存在する酸化数を示し、
    w、x、y、zは実数で、0≦x<2、0≦y<2、0≦w<2、0≦z<3であり、
    w、x、y、zは、1+2w+x-y+z≧0かつ2-w-x-y≧0となるように選択される。)
    の構造を有する、請求項1~請求項6のいずれか一項記載の仕切壁W<16>。
  8. ‐少なくとも1つの入口ZKA<110>と、少なくとも1つの出口AKA<111>と、陽極電極E<113>を備える内部構造IKA<112>とを有する少なくとも1つの陽極室K<11>、
    ‐少なくとも1つの入口ZKK<120>と、少なくとも1つの出口AKK<121>と、陰極電極E<123>を備える内部構造IKK<122>とを有する少なくとも1つの陰極室K<12>、および
    ‐必要に応じて、少なくとも1つの入口ZKM<130>と、少なくとも1つの出口AKM<131>と、内部構造IKM<132>とを有する少なくとも1つの介装中間室K<13>
    を含む電解槽E<1>であり、
    前記IKA<112>と前記IKM<132>は、拡散バリアD<14>によって互いに区切られ、前記AKM<131>は、接続VAM<15>によって前記入口ZKA<110>に接続され、前記接続VAM<15>を経由して前記IKM<132>から前記IKA<112>へ液体を送ることができ、
    前記電解槽E<1>が前記中間室K<13>を備えていない場合、前記IKA<112>と前記IKK<122>は、請求項1~請求項のいずれか一項記載の仕切壁W<16>によって互いに区切られ、
    前記電解槽E<1>が少なくとも1つの前記中間室K<13>を備えている場合、前記IKK<122>と前記IKM<132>は、請求項1~請求項のいずれか一項記載の仕切壁W<16>によって互いに区切られ、
    前記仕切壁W<16>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、前記表面OKK<163>を介して前記SKK<166>側の前記内部構造IKK<122>に直接接触し、かつ
    前記電解槽E<1>が前記中間室K<13>を備えていない場合、前記仕切壁W<16>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、前記表面OA/MK<164>を介して前記SA/MK<162>側の前記内部構造IKA<112>に直接接触し、
    前記電解槽E<1>が少なくとも1つの前記中間室K<13>を備えている場合、前記仕切壁W<16>に含まれる前記アルカリ金属陽イオン伝導性固体電解質セラミックスは、前記表面OA/MK<164>を介して前記SA/MK<162>側の前記内部構造IKM<132>に直接接触している、電解槽E<1>。
  9. 前記中間室K<13>を備えていない、請求項8記載の電解槽E<1>。
  10. 少なくとも1つの前記中間室K<13>を備えている、請求項8記載の電解槽E<1>。
  11. 前記接続VAM<15>は、前記電解槽E<1>の内部に形成されている、請求項10記載の電解槽E<1>。
  12. アルカリ金属アルコキシドXORのアルコールROH溶液L<21>を生成する方法であり、
    前記Xはアルカリ金属陽イオン、前記Rは炭素数1~4のアルキル基であり、
    (α)前記アルコールROHを含む溶液L<22>を前記K<12>に通す工程(α1)、陽イオンとしてXを含む塩Sの中性またはアルカリ性水溶液L<23>を前記K<11>に通す工程、前記E<113>と前記E<123>の間に電圧を印加する工程(α3)を同時に進行させ、かつそれらを請求項9記載の電解槽E1内で実施するか、または
    (β)前記アルコールROHを含む溶液L<22>を前記K<12>に通す工程(β1)、陽イオンとしてXを含む塩Sの中性またはアルカリ性水溶液L<23>を前記K<13>に通し、次に前記VAM<15>に通し、次に前記K<11>に通す工程(β2)、前記E<113>と前記E<123>の間に電圧を印加する工程(β3)を同時に進行させ、かつそれらを請求項10または請求項11記載の電解槽E1内で実施し、
    これにより、前記出口AKK<121>において、前記L<22>よりもXOR濃度が高い前記溶液L<21>が得られ、かつ
    前記出口AKA<111>において、前記L<23>よりもS濃度が低い水溶液L<24>が得られる、方法。
  13. 前記Xは、Li、Na、Kからなる群から選択される、請求項12記載の方法。
  14. 前記Sは、Xのハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩または炭酸塩である、請求項12または請求項13記載の方法。
  15. 前記Rは、メチルおよびエチルからなる群から選択される、請求項12~請求項14のいずれか一項記載の方法。
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