JP2026007745A - 鉄筋固定具およびそれを利用したひび割れ誘発目地材システム - Google Patents

鉄筋固定具およびそれを利用したひび割れ誘発目地材システム

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Abstract

【課題】設置が容易で手間や費用のかからない鉄筋固定具と、その鉄筋固定具を利用して、一般建築のコンクリート構造物にも導入しやすいひび割れ誘発目地材システムを提供する。
【解決手段】鉄筋固定具(10,20)は、両端に設けられた鉄筋把持部(11,21)と、前記鉄筋把持部の間に離間して形成された一対の板材押さえ部(12,22)と、前記板材押さえ部の間かつ前記板材押さえ部の後ろに形成され、前記板材を前記板材押さえ部と前後で挟み込む板材支持部(13,23)と、が可撓性を有する線材料で一体的に形成されたことを特徴とする。これにより、止水材等の固定具を、構造が簡単で材料費も安価に提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、部材として、コンクリート構造物にひび割れを誘発させるためのひび割れ誘発目地材(誘導板、止水材等)を鉄筋に固定するための鉄筋固定具、およびそれを利用したひび割れ誘発目地材システムに関する。
コンクリート構造物を施工する際、あらかじめ定められた位置にひび割れを集中させる目的で、コンクリート型枠内にひび割れ誘発目地材を設けることがある。ひび割れ誘発目地材としては、ひび割れを誘導する誘導板、ひび割れに対する止水材、ひび割れをコンクリート外表から目隠しする化粧材等が組み合わされて用いられる。
このようなひび割れ誘発目地材を設置する方法として、従来から、コンクリート型枠外表に、欠損の役割とシーリング材充填用の溝を作るための目地棒を釘固定し、コンクリート内の鉄筋に誘導板を結束線で留める方法がよく知られている。しかしながらこの方法は、目地棒を型枠に釘打ちする作業と、誘導板を結束線で一箇所ずつ留める作業と、目地棒を脱型しコーキングする作業が必要であり、非常に手間がかかる点と、シーリング材の経年劣化による止水能力の低下が課題であった。
そこで本発明者らは、図13に示すひび割れ誘発目地材の組み合わせ(システム)を提案している。図13において、符号5は、コンクリート型枠7に固定された化粧材1のユニットに止水材2のユニットを嵌め合わせることで固定する化粧・止水ユニット5であり(特許文献1)、符号6は、誘導板3を鉄筋Rに固定するための誘導板保持具6である(特許文献2)。
意匠登録第1675102号公報 意匠登録第1678441号公報
しかしながら図13に示すひび割れ誘発目地材システムでは、止水材2は化粧材1のユニットに嵌め込むことで固定されるため、コンクリート構造物の仕様上、化粧材1を不要にしたいという要望に応えられないという課題があった。
また、橋台や擁壁などの大型な土木コンクリート構造物では、ひび割れ誘発目地材として止水材を設けることは一般的であるが、住宅などの一般建築のコンクリート構造物では、手間や費用がかかるという理由から止水材をコンクリート内部に使う機会が少なく、発明者らは、止水材の設置を容易にすれば、広く一般建築にも止水材の埋設が導入されるのではないかと考えた。この課題に対し、発明者らの創作した誘導板保持具6では、プレートをT字形状にして突き出し部にブチルゴム等を配置する止水材2を保持することができなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、設置が容易で手間や費用のかからない鉄筋固定具を提供することを目的とし、さらに、その鉄筋固定具を利用して、顧客の要望に応じたアレンジが可能で一般建築のコンクリート構造物にも導入しやすい、ひび割れ誘発目地材システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の鉄筋固定具は、両端に設けられた鉄筋把持部と、前記鉄筋把持部の間かつ前記鉄筋把持部の前方に離間して形成された一対の板材押さえ部と、前記板材押さえ部の間かつ前記板材押さえ部の後ろに形成され、板材を前記板材押さえ部とともに前後で挟み込む板材支持部と、が、可撓性を有する線材料で一体的に形成されたことを特徴とする。
第2の態様の鉄筋固定具では、第1の態様において、前記板材押さえ部と前記板材支持部は一筆書きの要領で形成され、前記板材押さえ部は下に向かい内巻きの周形状を作り前記板材支持部に向かって、前記板材押さえ部が前、前記板材支持部が後ろに形成されるのも好ましい。
第3の態様の鉄筋固定具では、第1の態様において、前記板材押さえ部と前記板材支持部は一筆書きの要領で形成され、前記板材押さえ部は上に向かい内巻きの周形状を作り前記板材支持部に向かって、前記板材押さえ部が前、前記板材支持部が後ろに形成され、前記板材支持部は上方向に突となる突形状を備えるのも好ましい。
第4の態様の鉄筋固定具では、第1~3のいずれかの態様において、前記鉄筋把持部は前記板材押さえ部の端部から後ろに向かい、略S字形状または略U字形状を備えるのも好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第5の態様のひび割れ誘発目地材システムは、T字形状の止水材のフランジ部を前記板材押さえ部と前記板材支持部とで挟み、前記止水材の突き出し部を前記板材押さえ部の間に配置して、前記止水材を構造用鉄筋に固定する、第1~4のいずれかの態様に係る前記鉄筋固定具と、プレート状の誘導板を前記構造用鉄筋の延在方向と垂直に保持し、前記構造用鉄筋に固定する誘導板保持具と、を備え、前記誘導板保持具は前記構造用鉄筋の後方側に固定され、その上から前記鉄筋固定具が前記構造用鉄筋の前方側に固定されることを特徴とする。
第6の態様のひび割れ誘発目地材システムでは、第5の態様において、前記構造用鉄筋の延在方向に見て、前記鉄筋固定具の前記鉄筋把持部間の長さを、前記誘導板保持具が前記構造用鉄筋に接触している長さよりやや長く形成し、前記鉄筋把持部が前記誘導板保持具の把持部の上方を囲うように配置するのも好ましい。
第7の態様のひび割れ誘発目地材システムでは、第5または6の態様において、前記構造用鉄筋の延在方向に見て、前記誘導板保持具の前記把持部が外広がりに形成され、該把持部の外側が前記鉄筋固定具の前記鉄筋把持部の内側に干渉するのも好ましい。
本発明によれば、設置が容易で手間や費用のかからない鉄筋固定具と、その鉄筋固定具を利用して、一般建築のコンクリート構造物にも導入しやすいひび割れ誘発目地材システムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る鉄筋固定具10の斜視図である。 (A)は鉄筋固定具10の使用状態を示す斜視図、(B)は同状態の右側面図、(C)は同状態の平面図である。 鉄筋固定具10の使用方法を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る鉄筋固定具20の斜視図である。 (A)は鉄筋固定具20の使用状態を示す斜視図、(B)は同状態の右側面図である。 変形例1に係る鉄筋固定具10Aの正面図である。 変形例2に係る鉄筋固定具10Bの斜視図である。 鉄筋固定具10を利用したひび割れ誘発目地材システム100の斜視図である。 ひび割れ誘発目地材システム100の平面図である。 変形例1に係るひび割れ誘発目地材システム100Aの平面図である。 変形例2に係るひび割れ誘発目地材システム100Bを説明する図である。 変形例3に係るひび割れ誘発目地材システム100Cを説明する図である。 従来のひび割れ誘発目地材システムである。
次に、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書で言う前後左右上下の方向は、図面に記載した方向とする。
(鉄筋固定具の第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る鉄筋固定具10の斜視図である。鉄筋固定具10は、図1において符号2で示す止水材を、構造用鉄筋に固定するための鉄筋固定具である。なお、止水材2は、長尺の金属プレート(例えば亜鉛メッキ板等)を短手方向に見て断面T字形状にしたもので、短手方向中央位置に突き出し部2aを備える。突き出し部2aには止水材料(例えば非加流ブチルコム等。図示略)が被覆され、突き出し部2aの基端両側はフランジ部2bとなっている。なお、突き出し部2aおよびフランジ部2bの寸法は、設置個所に応じて選定してよい。
鉄筋固定具10は、鉄筋把持部11と、板材押さえ部12と、板材支持部13を備えている。鉄筋把持部11は、鉄筋固定具10の左右両端に形成され、板材押さえ部12と板材支持部13は、鉄筋固定具10の中央領域に線対称に形成されていて、全体として、鉄筋固定具10は眼鏡のような外観を備えている。鉄筋固定具10は、可撓性を有する線材料、好適には鋼や鉄などの金属線材料を使用して、鉄筋把持部11、板材押さえ部12、および板材支持部13が一体的になるように形成される。一体的な形成としては、線材料同士の巻き付け、接着、溶接、板材から線材形状への切削加工などあるが、最も好ましくは、鉄筋把持部11と板材押さえ部12と板材支持部13は、上記線材料を一筆書きの要領で曲げ加工して形成される。
鉄筋把持部11は、板材押さえ部12の端部12aから後ろに向かうように形成されており、上下方向に二つのカーブを描く略S字形状を備えている。鉄筋把持部11は、端部12aから続く第一のカーブ11aが後方に凸、続く第二のカーブ11bが前方に凸となるように形成されている。
板材押さえ部12は、鉄筋把持部11の間かつ鉄筋把持部11の前方に、離間して、左右方向に一対に、同一の鉛直平面上にあるように形成されている。説明の便宜上、左を板材押さえ部12L、右を板材押さえ部12Rと称する。板材押さえ部12L,12Rともに、端部12aは鉄筋把持部11から連続的に形成されており、端部12aから鉄筋固定具10の中央に向かい、かつ、下方向に向かって内巻きの輪形状12bを作って、板材支持部13の端部13aに向かうように形成されている。板材押さえ部12L,12Rの輪形状12bは、輪の始点12c、輪の下頂点12e、輪の終点12dと一周し、輪の始点12cが前、輪の終点12dが後ろで重なるように周形状を作り、輪の終点12dが板材支持部13の端部13aに続くように形成されている。なお、板材押さえ部12の離間距離は、止水材2のフランジ部2bの寸法に応じて選定するようにすればよい。
板材支持部13は、板材押さえ部12L,12Rの間に一直線状に形成されている。板材支持部13の端部13aは板材押さえ部12の輪の終点12dから続くように形成されているため、板材支持部13は板材押さえ部12L,12Rのすぐ後ろに形成されており、輪形状12bが下向きに一周するため、板材押さえ部12L,12Rは板材支持部13の端部13aより下に形成されている。
図2で、(A)は第1の実施形態に係る鉄筋固定具10の使用状態を示す斜視図、(B)は同状態の右側面図、(C)は同状態の平面図である。鉄筋固定具10は、板材押さえ部12の輪形状12bが止水材2のフランジ部2bの左右を押さえ、板材押さえ部12の輪形状12bと板材支持部13で止水材2のフランジ部2bを前後で挟み込み、鉄筋把持部11の第一のカーブ11aを構造用鉄筋R(以下、単に鉄筋Rと称する。)に引っ掛けることで、鉄筋Rに止水材2を固定する。この際、止水材2の突き出し部2aは板材押さえ部12L,12Rの間に配置されるので、鉄筋固定具10が止水材2の止水部(突き出し部2a)に干渉することはない。また、鉄筋把持部11と板材押さえ部12と板材支持部13が一体的に形成されているため、鉄筋把持部11を鉄筋Rに引っ掛けることで、板材押さえ部12に後方側に引っ張る反力がかかり、輪の始点12cに止水材2を保持するテンションがかかる。加えて、鉄筋固定具10で止水材2を保持すると、止水材系全体として、板材押さえ部12の輪の下頂点12eが輪の終点12dを支点した作用点となり、止水材2を鉄筋Rに固定する方向のモーメントM(図2(B)参照)が生じて、止水材2の保持力を高める。
図3は鉄筋固定具10の使用方法を説明する図である。図3で、(a)に示すように、まず、止水材2の長手方向端部に鉄筋固定具10を順次通して、止水材2に1個または複数個の鉄筋固定具10を配置する。次に、(b)に示すように、コンクリート型枠(図示略)内の鉄筋R(配筋)に対応させて、鉄筋固定具10をやや上方に仮配置する。鉄筋固定具10は、この状態では板材押さえ部12に反力がかかっていないため上下に容易に動かすことができ、配置の調整が可能である。次に、(c)に示すように、鉄筋固定具10を下ろし、鉄筋把持部11を鉄筋Rに引っ掛ける。これにより、板材押さえ部12にテンションがかかり、止水材2は鉄筋固定具10によって鉄筋Rに固定される。また、鉄筋固定具10で複数箇所を固定することで、上下方向に長尺である止水材2は前後方向の回転が略封じられた状態で固定される。また、鉄筋把持部11の形状および可撓性により、鉄筋固定具10は複数の異なる鉄筋径(例えばD13~D19)で使用することができる。
以上、本形態に係る鉄筋固定具10によれば、可撓性を有する線材料で形成することができ、さらには、可撓性を有する線材料を一筆書きの要領で曲げ加工するだけで形成することができるため、構造が簡単で材料費も安価であり、止水材2の固定具を廉価に提供することができる。また、その設置も、鉄筋固定具10を止水材2に通して鉄筋Rに引っ掛けるだけなので、釘打ちやネジ締めが不要であり、作業が非常に容易である。
また、本形態に係る鉄筋固定具10であれば、廉価で設置が容易であるため、手間や費用を理由に導入の進まなかった一般建築のコンクリート構造物にも、止水材の埋設を勧めることができる。
(鉄筋固定具の第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係る鉄筋固定具20の斜視図である。本形態の鉄筋固定具20も、鉄筋把持部21と、板材押さえ部22と、板材支持部23を線対称に備えている。鉄筋固定具20の使用方法は、第一の実施形態(図3参照)と同様であるため、説明を割愛する。
鉄筋把持部21の構成は、鉄筋把持部11と同様であり、第一のカーブ21a、第一のカーブ21bを備える。
本形態の板材押さえ部22も、鉄筋把持部21の前方かつ鉄筋把持部21の間に、離間して、左右方向に一対に、同一の鉛直平面上にあるように設けられているが、板材押さえ部22L,22Rは、鉄筋把持部21から続く端部22aから連続的に、鉄筋固定具10の中央かつ上方向に向かって内巻きの輪形状22bを作って、板材支持部23の端部23aに向かうように形成されている。輪形状22bは、輪の始点22c、輪の上頂点22e、輪の終点22dと一周し、輪の始点22cが前、輪の終点22dが後ろで重なる周形状を作り、輪の終点22dが板材支持部23の端部23aに続くように形成されている。
本形態の板材支持部23も、板材押さえ部22L,22Rの間に線状に形成され、板材支持部23の端部23aは輪形状22bの終点22dから続くように形成されているため、板材支持部23は板材押さえ部22L,22Rのすぐ後ろに形成されている。異なる点として、板材支持部23は、輪形状22bが上向きに一周するため、板材押さえ部22L,22Rは板材支持部23の端部23aより上に形成されている。また、板材支持部23は、中央に上方向に突となる突形状23bを備えている。
図5で、(A)は鉄筋固定具20の使用状態を示す斜視図、(B)は同状態の右側面図である。鉄筋固定具20も、板材押さえ部22の輪形状22bが止水材2のフランジ部2bの左右を押さえ、板材押さえ部22の輪形状12bと板材支持部23で止水材2のフランジ部2bを前後で挟み込み、鉄筋把持部21の第一のカーブ21aを鉄筋Rに引っ掛けることで、鉄筋Rに止水材2を固定する。この際、止水材2の突き出し部2aは板材押さえ部22L,22Rの間に配置されるので、鉄筋固定具20が止水材2の止水部(突き出し部2a)に干渉することはない。また、鉄筋把持部21と板材押さえ部22と板材支持部23が一体的に形成されているため、鉄筋把持部21を鉄筋Rに引っ掛けることで板材押さえ部22に後方側に引っ張る反力がかかり、輪の始点22cに止水材2を保持するテンションがかかる。ここで、鉄筋固定具20で止水材2を保持すると、止水材系全体として、支点となる輪の終点22dよりも上に板材押さえ部22の輪の上頂点22eが配置されるため、輪の上頂点22eは止水材2を鉄筋Rに固定する方向のモーメントM(図5(B))を生む作用点として機能しない。このため本形態では、板材支持部23の突形状23bで上記モーメントM方向の力をかけて、止水材2の保持力を高める。
以上、本形態に係る鉄筋固定具20も、第1の実施形態と同様、構造が簡単で材料費も安価であるため廉価に提供でき、設置の作業も非常に容易にすることができる。
(鉄筋固定具の変形例)
次に、上述の実施の形態に対して好ましい変形例を挙げる。なお、第一の実施の形態において変形例を説明し、第二の実施形態における変形例の説明は割愛するが、同様の変形が可能である。また、上述と同一の構成には同一の符号を付して記載を省略する。
図6は鉄筋固定具10の変形例1に係る鉄筋固定具10Aの正面図であり、複数のバリエーションを示している。第一の実施形態では、板材押さえ部12は輪(正円)の周形状を形成していたが、この周形状は、その他の円形状または多角形状であってもよい。例えば、(a)は楕円、(b)は四角形、(c)および(d)は三角形、(e)は五角形、そして(f)はひし形である。
図7は鉄筋固定具10の変形例2に係る鉄筋固定具10Bの斜視図である。第一の実施形態では、鉄筋把持部11は上下方向の略S字形状であったが、変形例の鉄筋把持部11には、略U字形状11cが形成されている。このU字形状11cは、上方向の窪みでも下方向の窪みでもよく、設置作業(図3参照)の際には、図7のようにU字形状11cに上方向の窪みがあれば鉄筋固定具10Bを上から鉄筋Rに嵌め、U字形状11cに下方向の窪みがあれば鉄筋固定具10Bを下から鉄筋Rに嵌めればよい。
(ひび割れ誘発目地材システム)
次に、上述の鉄筋固定具10,20を利用したひび割れ誘発目地材システム100を説明する。なお、第一の実施の形態に係る鉄筋固定具10を利用してシステムを説明し、第二の実施形態に係る鉄筋固定具20を利用したシステムの説明は割愛するが、同様の利用が可能である。また、上述と同一の構成には同一の符号を付して記載を省略する。
図8は鉄筋固定具10を利用した、ひび割れ誘発目地材システム100の斜視図である。ひび割れ誘発目地材システム100(以下、単に「システム100」とも称する。)は、コンクリート型枠7に固定された化粧材1と、上述の鉄筋固定具10で鉄筋Rに固定された止水材2と、同位置に誘導板保持具6で鉄筋Rに固定された誘導板3と、を備える。誘導板保持具6は特許文献2で提案したもので、金属線材料で、両端に鉄筋の把持部61、把持部61・61の間に鉄筋Rの延在方向Pと垂直の方向に延びる薄板材保持部62が線対称形状で形成されている。誘導板保持具6では、把持部61から後方向に線材料を二つ折りした部分で薄板材保持部62を形成することで、薄板材保持部62の間にプレート状の誘導板3を挟むことができ、前方に凸の第一のカーブと後方に凸の第二のカーブを備える把持部61の第一のカーブを鉄筋Rに引っ掛けることで、誘導板3を鉄筋Rに固定することができる。
システム100では、誘導板保持具6が鉄筋Rの後方側、鉄筋固定具10が鉄筋Rの前方側で用いられ、使用方法として、ひび割れ形成位置において、先に誘導板保持具6で誘導板3を固定し、その後に鉄筋固定具10で止水材2を固定し、その後、コンクリート型枠7を起こして、化粧材1をひび割れ形成位置Qに配置する。
図9はひび割れ誘発目地材システム100の平面図である。システム100では、鉄筋Rの延在方向Pに見て、鉄筋固定具10の鉄筋把持部11・11間の長さL10が、誘導板保持具6が鉄筋Rに接触している長さ、すなわち把持部61・61間の長さL6よりやや大きく形成されている。これにより、先に固定する誘導板保持具6の把持部61の上方を、後に固定する鉄筋固定具10の鉄筋把持部11が囲うように配置される。
以上、本形態のひび割れ誘発目地材システム100によれば、化粧材1、止水材2、誘導板3が分離できるシステムであるため、意図的にコンクリート外表からひび割れの状況を確認する箇所を設けたい場合や、貯水槽などコンクリート外表に防水塗装が必要な施工に対し、化粧材1の取り付けを省くことが可能で、化粧材1を用いたくないという要望に容易に応えることができる。また、化粧材1、止水材2、誘導板3が分離できるため、止水材2を間引いて設置することや、止水を行いたい箇所にのみ設置するなど、柔軟な対応が可能であり、またその選択は鉄筋固定具10を用いるかどうかだけであるので、一般建築のコンクリート構造物の内部にも、止水対策を容易に導入することができる。
また、ひび割れ誘発目地材システム100の鉄筋固定具10と誘導板保持具6は線対称形状を備えているため、鉄筋固定具10の鉄筋把持部11を誘導板保持具6の把持部61に被せるようにして固定することで、止水材2の突き出し部2aと誘導板3をひび割れ形成位置Qに位置合わせして配置することができる。また、型枠7を起こした時に化粧材1とひび割れ形成位置Qが合わなかった場合は、鉄筋固定具10の引っ掛けをいったん鉄筋Rから外すことで、誘導板保持具6を人力で横移動(延在方向Pに鉄筋ピッチで移動)させることは可能なので、鉄筋固定具10・誘導板保持具6の位置の微調整が可能である。
また、コンクリートを流し込む方向によっては、誘導板3が打設圧により強い曲げ応力を受けることがあり、誘導板保持具6だけの使用では、把持部61が鉄筋Rから外れるおそれがある。しかし、誘導板保持具6に鉄筋固定具10を組み合わせたシステム100とすれば、止水材2のフランジ形状が曲げ応力に対抗する要素となり、また、鉄筋固定具10の鉄筋把持部11が誘導板保持具6の把持部61の上方を囲うので、誘導板保持具6の外れを防止することができる。
(ひび割れ誘発目地材システムの変形例)
次に、上述のひび割れ誘発目地材システム100に対する好ましい変形例を挙げる。なお、同様に、後述する変形は第二の実施形態に係る鉄筋固定具20を利用したシステムでも適用可能である。
図10は変形例1に係るひび割れ誘発目地材システム100Aの平面図である。ひび割れ誘発目地材システム100Aでは、鉄筋Rの延在方向Pに見て、誘導板保持具6の把持部61が、後方から前方に向けて外広がりになるように形成されている。これにより、誘導板保持具6の把持部61の外側が鉄筋固定具10の鉄筋把持部11の内側に軽干渉するため、互いに横ズレが抑えられ、結果、止水材2と誘導板3がひび割れ形成位置Qから位置ズレするのを防止することができる。
次に、ひび割れ誘発目地材システム100の誘導板保持具6は、図11に示すような誘導板保持具60や図12に示すような誘導板保持具600に代えることも可能である。
図11は変形例2に係るひび割れ誘発目地材システム100Bの平面図である。図11の誘導板保持具60は意匠登録1477289号で提案したもので、(A)が誘導板保持具60の後方斜視図、(B)が誘導板保持具60のシステム100Bでの使用状態を示す平面図である。誘導板保持具60は、左右両端に、下方開放の半円弧形状を備える把持部60aと、把持部60a間の中央位置に、鉄筋Rの延在方向Pと垂直の方向に延びる部材保持部60bを有している。誘導板保持具60では、把持部60aの後方で線材料を対峙させた薄板材保持部60bで誘導板3を挟むことができ、把持部60aを鉄筋Rに引っ掛けることで、誘導板3を鉄筋Rに固定することができる。誘導板保持具60の形状は、鉄筋Rの前方側への干渉、すなわち鉄筋固定具10の板材支持部13への干渉が軽度な形状であるため、鉄筋固定具10と組み合わせることができる。
同様に、図12は変形例3に係るひび割れ誘発目地材システム100Cの平面図である。図12の誘導板保持具600はいわゆるボルトタイプと呼ばれるもので、(A)が誘導板保持具600の前方斜視図、(B)が誘導板保持具600のシステム100Cでの使用状態を示す平面図である。誘導板保持具600は、前方開放のU字金具に蝶ボルトを備えた把持部600aと、後方開放のU字金具に蝶ボルトを備えた部材保持部600bを有し、把持部600aと部材保持部600bは互いに直交する配置で基端部を溶接されている。誘導板保持具600では、把持部600aを水平方向に開口するよう配置して、蝶ボルトで鉄筋径を調節して上下で鉄筋Rを把持し、鉛直方向に開口して配置される部材保持部600bで、蝶ボルトで板厚を調節して誘導板3を挟むことができる。すなわち、図11や図12に示すような、鉄筋固定具10の板材支持部13への干渉が軽度な形状の誘導板保持具であれば、鉄筋固定具10と組み合わせることができる。
なお、図11の誘導板保持具60の把持部60aの外側が鉄筋固定具10の鉄筋把持部11の内側に干渉するような外広がり形状に変形し、システム100Bの横ズレを防止する変形や、図12の誘導板保持具600の把持部600aの長さを、鉄筋の延在方向Pに見て、鉄筋固定具10の鉄筋把持部11間の長さL10が把持部600aの長さよりやや長くなる関係とし、鉄筋把持部11が把持部600aの上方をうまく覆うように変形するのも、好ましい。
以上、本発明の好ましい実施の形態および変形例を述べたが、これらを当業者の知識に基づいて改変および組み合わせることは可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
1…化粧材, 2…止水材, 2a…止水材の突き出し部, 2b…止水材のフランジ部, 3…誘導板, 6,60,600…誘導板固定具, 7…コンクリート型枠, 10,20…鉄筋固定具, 11,21…鉄筋把持部, 12,22…板材押さえ部, 12a,22a…板材押さえ部の端部, 12b,22b…板材押さえ部の輪形状(周形状), 13,23…板材支持部, 100…ひび割れ誘発目地材システム, R…鉄筋, P…鉄筋の延在方向

Claims (7)

  1. 両端に設けられた鉄筋把持部と、
    前記鉄筋把持部の間かつ前記鉄筋把持部の前方に離間して形成された一対の板材押さえ部と、
    前記板材押さえ部の間かつ前記板材押さえ部の後ろに形成され、板材を前記板材押さえ部とともに前後で挟み込む板材支持部と、が
    可撓性を有する線材料で一体的に形成されたことを特徴とする
    鉄筋固定具。
  2. 前記板材押さえ部と前記板材支持部は一筆書きの要領で形成され、
    前記板材押さえ部は下に向かい内巻きの周形状を作り前記板材支持部に向かって、前記板材押さえ部が前、前記板材支持部が後ろに形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋固定具。
  3. 前記板材押さえ部と前記板材支持部は一筆書きの要領で形成され、
    前記板材押さえ部は上に向かい内巻きの周形状を作り前記板材支持部に向かって、前記板材押さえ部が前、前記板材支持部が後ろに形成され、
    前記板材支持部は上方向に突となる突形状を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋固定具。
  4. 前記鉄筋把持部は前記板材押さえ部の端部から後ろに向かい、略S字形状または略U字形状を備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋固定具。
  5. T字形状の止水材のフランジ部を前記板材押さえ部と前記板材支持部とで挟み、前記止水材の突き出し部を前記板材押さえ部の間に配置して、前記止水材を構造用鉄筋に固定する前記鉄筋固定具と、
    プレート状の誘導板を前記構造用鉄筋の延在方向と垂直に保持し、前記構造用鉄筋に固定する誘導板保持具と、を備え、
    前記誘導板保持具は前記構造用鉄筋の後方側に固定され、その上から前記鉄筋固定具が前記構造用鉄筋の前方側に固定される
    ことを特徴とするひび割れ誘発目地材システム。
  6. 前記構造用鉄筋の延在方向に見て、前記鉄筋固定具の前記鉄筋把持部間の長さを、前記誘導板保持具が前記構造用鉄筋に接触している長さよりやや長く形成し、前記鉄筋把持部が前記誘導板保持具の把持部の上方を囲うように配置することを特徴とする請求項5に記載のひび割れ誘発目地材システム。
  7. 前記構造用鉄筋の延在方向に見て、前記誘導板保持具の前記把持部が外広がりに形成され、該把持部の外側が前記鉄筋固定具の前記鉄筋把持部の内側に干渉することを特徴とする請求項5に記載のひび割れ誘発目地材システム。
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