JP2500491B2 - 改質木材の製法 - Google Patents

改質木材の製法

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JP2500491B2 JP4067437A JP6743792A JP2500491B2 JP 2500491 B2 JP2500491 B2 JP 2500491B2 JP 4067437 A JP4067437 A JP 4067437A JP 6743792 A JP6743792 A JP 6743792A JP 2500491 B2 JP2500491 B2 JP 2500491B2
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Debarking, Splitting, And Disintegration Of Timber (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、改質木材の製法に関
し、木質繊維を気相中でアセチル化し、このアセチル化
木質繊維を集積し、一体化成形することにより、吸湿性
が少なく、優れた耐湿性を有するようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】木質繊維を原料とし、これを合成樹脂バ
インダーにより接着して成形,一体化した木質繊維材
は、既に知られている。この木質繊維材は、木材を解繊
して長さ数mmから数10mmの繊維とし、この繊維を
接着剤により一体化、成形したものである。このもの
は、方向性が少ない、均質で加工が容易である、形状が
平面に限られず、曲面のものまで成形でき、大量生産が
可能であるなどの特徴があるが、繊維間の空隙に起因し
て多孔質の性状を有し、実質的な表面積が大きいため、
吸湿率が高く、耐湿性に劣る欠点がある。
【0003】木材の耐湿性を向上するために、木材をア
セチル化すること自体は周知であるが、その際の処理方
法は従来液相反応に頼っていた。しかしながら、木材の
形状が繊維状では、堆積させるとかさばってしまうため
に、それを沈めようとすると、アセチル化の処理液が大
量に必要となるが、大量の処理液では、高温の反応温度
まで短時間に昇温させることが困難であり、また処理液
の価格が高くなり処理コストを高騰させ、処理液の取扱
いや、その廃棄も経費が高額になり易い。この欠点を解
決するために、気相反応により木材をアセチル化するこ
とが期待される。気相反応を利用して木材の試験片をア
セチル化する試みは公知であるが、公知の気相反応によ
れば、被処理物の形状が木材ブロックではアセチル化す
ることは困難であり、せいぜい木材の薄片ないし小片へ
の処理が試みられていたにすぎない。それらの処理でさ
え、液相反応に比較して、防湿の効果が劣っていた。そ
の理由としては、気相反応では、液相のように溶媒によ
り木材の微視的構造を膨張させる効果がないので、木材
中への処理剤蒸気の拡散に時間がかかることが考えられ
る。また、木材中への処理剤の拡散速度には方向性があ
り、繊維方向へのものが支配的であり、木理直角方向へ
の拡散速度は劣っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、耐湿性に富む繊維板などの改質木材を製造
する方法を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、木材を解
繊して得られた木質繊維に、無水酢酸とキシレンとの混
合物からなるアセチル化剤の供給源からの蒸気を接触
し、該木質繊維を気相中でアセチル化し、このアセチル
化木質繊維を集積し、一体化成形することで解決され
る。木材の形状が繊維状であれば、処理剤が木材表面か
ら最深内部へ拡散するときの距離が短いので、拡散速度
が低くても処理の進行に影響が少なく、同様の理由で、
木理直角方向への拡散による拡散速度の低さによる不利
も克服される。また、木材が繊維状なので、表面の面積
に比べて被処理物の容積が少ないので、拡散速度が低く
ても処理の進行に影響が少ない。アセチル化処理された
木質繊維からなる成形品が、それらを結合したり組み立
てたりする際に使用する金属部品に接したときに錆が発
生するのを防止するためには、アセチル化用の触媒を木
質繊維に含浸するのを避けるのが好ましいが、それによ
り反応がマイルドになっても、上記の理由により克服さ
れる。木材成分の化学反応により木材を改質する方法と
しての、この反応の原理は、次のように、木材(W)中
の水酸基(OH)をアセチル基(OCOCH3)に置き
換えようとするものである。 [W]−OH + (CH3CO)2O → [W]−OCOCH3 + CH3COOH + (54kcal)
【0006】以下、この発明を詳しく説明する。この発
明の製法で用いられる木質繊維としては、木材をチッパ
ーでチップ化し、得られたチップを解繊したものが用い
られる。解繊には、高圧蒸気により蒸煮したのちディス
クリファイナーなどによって、解繊する方法などが用い
られる。また、この木質繊維としては、幅が細く、長さ
の長いものがアセチル化反応がよく進行して好ましい。
【0007】このようにして得られた木質繊維をついで
気相中でアセチル化する。アセチル化に先立ち、木質繊
維を乾燥し、含水率を3%以下、好ましくは1%以下と
しておくことが好ましい。含水率が高すぎると、アセチ
ル化剤蒸気の無水酢酸が該水分と先に反応して無水酢酸
を消費してしまい、アセチル化剤の使用量が増えるか、
あるいは、無水酢酸の供給が不足してアセチル化の程度
が低下しやすい。この発明では、アセチル化を気相状態
で行う。すなわち、アセチル化剤の気化蒸気を木質繊維
と気相で接触させてアセチル化反応を行わせる。アセチ
ル化剤としては、無水酢酸とキシレンとの混合物が好ま
しい。
【0008】気相中でのアセチル化の具体的な方法とし
ては、例えば反応容器の底部にアセチル化剤の供給源と
して無水酢酸とキシレンとの混合物を満し、この上方に
ステンレスワイヤなどで作ったネットを張り、このネッ
ト上に木質繊維を載せ、無水酢酸とキシレンを加熱して
無水酢酸とキシレンの蒸気を発生させて、無水酢酸とキ
シレンの蒸気と木質繊維とを接触させる方法などがあ
る。反応時間は15分〜3時間程度とされるが、要求さ
れるアセチル化度によって適宜変更できる。また、反応
温度は、120〜160℃程度とされ、反応圧力は常圧
から2気圧程度で十分である。
【0009】また、このアセチル化に際して、無水酢酸
をこれと反応しない不活性な溶媒であるキシレンで希釈
するときのキシレン使用量は、無水酢酸との合計量の7
0重量%以下とされる。このような無水酢酸とキシレン
との混合物を用いることで、無水酢酸とキシレンとを混
合して気化させるときに、無水酢酸の沸点(B.P.1
39.5℃)と近似する沸点を有するキシレン(B.
P.138〜144℃)が反応温度の安定に役立ち、す
なわち、アセチル化剤の温度を一定の温度範囲に維持す
ることによって、アセチル反応時の反応温度を一定の温
度範囲約120〜160℃程度、特に約140℃程度に
維持し易くなるので、発熱反応であるアセチル反応を温
和な状態で進めることができ、反応操作が容易となり、
木質繊維の過度のアセチル化や熱劣化を抑えることがで
きる。
【0010】また、この発明においては、気相中でのア
セチル化に先立って、木質繊維を触媒で前処理すること
もできる。この前処理は、解繊されて得られた木質繊維
を酢酸ナトリウム,酢酸カリウムなどの酢酸塩の1〜1
0%水溶液中に、10分〜2時間程度浸漬する方法や上
記水溶液を木質繊維に減圧加圧注入する方法などによっ
て行うことができる。この前処理が施された木質繊維
は、乾燥後上述のアセチル化反応を受けることになる。
【0011】この触媒による前処理を施すことにより、
次工程でのアセチル化反応が促進され、短時間で反応を
終えることができ、アセチル化度も高いものが得られ
る。ただし、アセチル化反応は発熱反応であるため、こ
の発熱が蓄積されると、木質繊維が高温になりすぎて炭
化してしまうことがあるので、その反応をマイルドにし
て、急激な発熱を避けるためには、触媒を使用しないこ
とが効果的である。 また、触媒の使用は、アセチル化時
間の短縮や、アセチル化程度の向上のためには好適であ
るが、触媒を使用すると、処理後に木質繊維中に、触媒
成分が残留しやすいので、該木質繊維を使用してなる板
状等の成形品を接着又は塗装する際に、接着力、塗膜密
着力等に悪影響を与えるおそれがあり好ましくない。
【0012】上述のアセチル化による木質繊維のアセチ
ル化度は、重量増加率で通常10〜30%程度とされる
が、要求される耐湿性に応じて適宜変更することもでき
る。
【0013】気相中でのアセチル化反応が施された木質
繊維を、ついで水または温水で洗浄し、付着しているア
セチル化剤を除去したのち、所定の含水率まで乾燥す
る。次に、このアセチル木質繊維を集積,固化し、板
状,柱状などの任意の形状の改質木材を成形する。
【0014】この集積,固化は、アセチル化木質繊維の
表面に合成樹脂接着剤などからなるバインダーを塗布
し、このものを、型内に充填し、加熱加圧して硬化、一
体化する常法によって行うことができる。
【0015】このような製法によれば、木質繊維のアセ
チル化を気相中で行っているので、アセチル化剤の使用
量が液相中で行うものに比べて減少する。例えば、木質
繊維60gをアセチル化度約20%にまでアセチル化す
るために、気相アセチル化では無水酢酸の使用量は50
〜70mlで十分であるのに対し、液相アセチル化では
同じく2000mlとなり、格段に使用量が減少され
る。また、気相中での反応であるので、反応後の木質繊
維中に残存するアセチル化剤が、液相のものに比べて少
量となり、水洗いによるアセチル化剤の除去が容易とな
り、製造された改質木材には酢酸臭が残るようなことが
ない。
【0016】以下、具体例を示す。
【実施例】木材を蒸煮,解繊して得られた細長繊維の全
乾燥物60gを用意した。一方、アセチル化剤の供給源
として、無水酢酸70mlとキシレン30mlの混合
物,無水酢酸50mlとキシレン50mlの混合物およ
び無水酢酸30mlとキシレン70mlの混合物の3種
を用意し、これを3リットルのセパラブルフラスコの底
部に満し、上記繊維全量をアセチル化剤に漬けないよう
に入れたのち、フラスコを140℃に加熱し、1時間反
応させた。反応後、繊維を取り出し、温水で洗滌したの
ち、含水率が5%となるまで乾燥した。
【0017】ついで、この繊維にバインダーとなるフェ
ノール樹脂系接着剤を散布し、型に充填し、加熱加圧し
てバインダーを硬化させ板状の成形品を得た。この成形
品を、35℃,95%RHの状態下で48時間放置し、
吸湿による厚みの変化を計測した。結果を表1に示す。
【0018】(従来例)実施例において、アセチル化を
行わない以外は同様にして板状の成形品を得た。このも
のについても同様にしてその吸湿による厚みの変化を求
めた。結果を表1に示す。
【0019】(比較例)実施例に おいて用いた被処理物の細長繊維と同様の細長
繊維60gを3リットルのフラスコに入れ、これに無水
酢酸を100ml加え、140℃で1時間反応させた。
反応後、繊維を無水酢酸から取り出し、温水にて洗滌
し、乾燥して重量増加によるアセチル化度を求めたとこ
ろ、24%であった。また、無水酢酸の量を500ml
として同条件で反応させたところ、アセチル化度は22
%であり、同様に1000mlとした場合にアセチル化
度は22%となった。前記のアセチル化度の各24%、
22%の値は、この測定規模から見て、格別な有意差は
存在しないものと判断される。この結果から、気相中で
アセチル化する方法によれば、アセチル化剤を減量して
も、アセチル化剤が大量の場合とほぼ同様に高いアセチ
ル化度が得られることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の改質木
材の製法は、木材を解繊して得られた木質繊維に、無水
酢酸とキシレンとの混合物からなるアセチル化剤の供給
源からの蒸気を接触し、該木質繊維を気相中でアセチル
化し、このアセチル化木質繊維を集積し、一体化成形す
るものであるので、吸湿性,吸水性が低く、耐湿性の優
れた改質木材を製造できる。また、気相中でアセチル化
を行うため、アセチル化剤の使用量が液相中でアセチル
化を行うものに比べて大幅に低減でき、生産コストを安
価に抑えることができるなどの効果が得られる。また、
この発明の改質木材の製法では、特にアセチル化剤とし
て無水酢酸とキシレンとの混合物を用いることにより、
無水酢酸とキシレンとを混合して気化させるときに、無
水酢酸の沸点(B.P.139.5℃)と近似する沸点
を有するキシレン(B.P.138〜144℃)が反応
温度の安定に役立ち、アセチル反応時の反応温度を一定
の温度範囲に維持し易くなるので、発熱反応であるアセ
チル反応を温和な状態で進めることができ、反応操作が
容易となり、木質繊維の過度のアセチル化や熱劣化を抑
えることができるという利点がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を解繊して得られた木質繊維に、無
    水酢酸とキシレンとの混合物からなるアセチル化剤の供
    給源からの蒸気を接触させ、該木質繊維を気相中でアセ
    チル化し、このアセチル化木質繊維を集積し、一体化成
    形することを特徴とする改質木材の製法。
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