JP2505802B2 - セラミックス系超電導材の接続方法 - Google Patents

セラミックス系超電導材の接続方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、セラミックス系超電導材の接続方法に関
するもので、特に、セラミックス系超電導材を使用した
ケーブルや素子等の接続に適用できる、セラミックス系
超電導材の接続方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、超電導材としては、NbTiやNb3Snなどの金属系
のものが、既に実用化されている。そして、このような
金属系の超電導材を接続する場合には、たとえばはんだ
付けをすることが行なわれていた。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、最近、超電導材として、上述した金属系の
ものに加えて、セラミックス系のものが、超電導現象を
示す臨界温度を高くできる点で脚光を浴びつつある。こ
のようなセラミックス系超電導材としては、たとえば層
状ペロブスカイト型またはその類似の結晶構造を有する
ものが知られており、たとえば、(La,Sr)2CuO4、また
は(La,Ba)2Cu4のようなセラミックス系の酸化物超電
導材については、超電導現象を示す臨界温度として、30
K以上を記録している。また、たとえば、Y−Ba−Cu−
O系の超電導材にあっては、90K以上の臨界温度を示す
ことが実証されている。
しかしながら、セラミックス系超電導材を実用化する
場面においては、セラミックス系超電導材を接続する必
要が生じてくる。たとえば、セラミックス系超電導材を
使用したケーブルは、長距離にわたって配線しようとす
る場合には、ケーブル相互の接続が必須であり、また、
セラミックス系超電導材を使用した素子においても、た
とえば素子相互の接続が必要になる場合がある。
しかしながら、セラミックス系超電導材の接続におい
て、従来の金属系超電導材と同様に、はんだ付け等を適
用することは、たとえば濡れ性等の点で、困難である
か、または不可能である。また、セラミックス材料と金
属との熱膨張率の差により、たとえはんだ付けの実施に
より接続が達成されたとしても、ヒートショックにより
容易に接続部が破壊されてしまうことが考えられる。
このように、現状では、セラミックス系超電導材の接
続方法に対しては、未だ未検討の状態である。
そこで、この発明は、上述したような高い臨界温度を
示すことが実証されているペロブスカイト構造または疑
似ペロブスカイト構造を呈するセラミックス系超電導材
を有利に接続するための方法を提供しようとするもので
ある。
[問題点を解決するための手段] この発明は、上述した技術的課題を解決するために、
加水分解・脱水縮合反応により、ペロブスカイト構造ま
たは疑似ペロブスカイト構造を呈するセラミックス系超
電導物質になり得る、金属アルコキシドまたは金属アー
ト錯体を含む混合溶液を接続部に付与して、ゾル−ゲル
法によってセラミックス系接合材を形成することを特徴
とするものである。
なお、ペロブスカイト構造または疑似ペロブスカイト
構造を呈するセラミックス系超電導材としては、たとえ
ば、Y−Ba−Cu−O系のものに代表されるが、一般に、
一般式AaBbCc(a,b,cは、A,B,Cの各組成比を示す数であ
る。)で表わされる組成を有するものがある。ここにお
いて、Aは、周期律表I a、II a、III a族元素からなる
グループから選ばれた少なくとも1種、Bは、周期率表
I b、II b、III b族元素からなるグループから選ばれた
少なくとも1種、Cは、酸素、炭素、窒素、フッ素、イ
オウからなるグループから選ばれた少なくとも1種であ
る。このような組成のうち、Aは、周期律表I a、II
a、III a族元素からなるグループから選ばれた2種以上
の元素とするのがさらに好ましい。また、Bは、少なく
とも銅を含むようにされ、Cは、少なくとも酸素を含よ
うにされるのが好ましい。さらに、前述の一般式AaBbCc
において、 a×(Aの平均原子価)+b×(Bの平均原子価) =c×(Cの平均原子価) の関係が成り立つようにされるのが好ましい。
なお、上記周期律表I a族元素としては、H,Li,Na,K,R
b,Cs,Frが挙げられる。また、周期律表II a族元素とし
ては、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Raが挙げられる。また、周期律
表III a族元素としては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ac,Th,Pa,U,Np,Pu,Am,Cm,Bk,C
f,Es,Fm,Md,No,Lrが挙げられる。
また、周期律表I b族元素としては、Cu,Ag,Auが挙げ
られる。また、周期律表II b族元素としては、Zn,Cd,Hg
が挙げられる。また、周期律表III b族元素としては、
B,Al,Ga,In,Tlが挙げられる。
なお、この発明において、「疑似ペロブスカイト構
造」とは、厳密には「ペロブスカイト構造」ではない
が、広義において、「ペロブスカイト構造」の範疇に入
るものを意味している。
また、接続部を構成するために、上記のような混合溶
液から形成されるセラミックス系接合材は、その100%
が超電動物質とならなくてもよいことを指摘しておく。
なお、好ましくは、セラミックス系超電導材とセラミ
ックス系接合材とは、同一またはほぼ同一組成に選ばれ
る。
[発明の作用および効果] この発明によれば、まず、所定の混合溶液を付与し
て、ゾル−ゲル法によって接続部に接合材を形成するた
め、それが流動可能状態にある時点を利用して、既に形
状のあるセラミックス系超電導材を、いわゆる「接着
剤」で接着するかのごとく、容易に接続することができ
る。また、このようなセラミックス系接合材は、その一
部または全部が、超電導物質となり得るので、セラミッ
クス系超電導材の接続部においても、また、多かれ少な
かれ超電導性を示すことになり、接続部の存在による電
気的特性の低下を防止することができる。
また、セラミックス系接合材を形成するためのゾル−
ゲル法は、それほど高温でなくてもセラミック化が可能
であるので、接続のための作業が容易である。たとえ
ば、セラミックス系超電導材を使用したケーブルを接続
する場合、現地においてでも、容易に接続作業を進める
ことができる。また、セラミックス系超電導材を使用し
た素子にあっては、その組み込み後においても、接続を
行なうことも可能にする。
さらに、注目すべきは、接続されるべき超電導材とこ
れを接続すべき接合材とは、ともに、セラミックス系材
料であることである。したがって、これら両者の間での
熱膨張率の差は、全くないか、たとえあるとしても少な
く、したがって、ヒートショックに対して強く、信頼性
の高い接続部を得ることができる。
特に、接続されるべきセラミックス系超電導材とこれ
を接続すべきセラミックス系接合材とが、同一またはほ
ぼ同一組成に選ばれると、上述した熱膨張率の差が全く
なくなるかほとんどなくなり、より高い信頼性をもつ接
続部を得ることができる。
[実施例] 第1図に示すように、臨界温度90KのYBa2Cu3O7のセラ
ミックス系超電導材からなるシート状部材1および2
を、一部互いに重ね合わせた。
次に、イソプロパノールに金属バリウムを加え、温度
83℃で還流を行なうことによってバリウムのアルコキシ
ドであるBa(O−i−C3H7を作製した。同様に、イ
ットリウムのアルコキシドとしてY(O−i−C3H7
を作製した。これらアルコキシドを混合し、さらに、こ
の混合したものに、銅アセチルアセトナートを含むアセ
チルアセトン溶液を加え、温度83℃で還流を行ないつ
つ、攪拌混合した。その後、加水分解を起こさせるため
に、この混合溶液に、アルコールで希釈した水を加え
た。このとき、沈澱が生じないように、解膠剤として酢
酸を加えた。
このようにして得られたY,Ba,Cuのアルコキシドまた
はアート錯体を混合したゾル溶液を、第1図に示したシ
ート状部材1および2の重ね合わせ部分を接続するため
の接合材3として用いた。すなわち、シート状部材1お
よび2の重ね合わせ部分にこのような接合材3を塗布
し、重ね合わせ状態を固定したまま、接合材3を、温度
600℃に加熱して、これを最終的にセラミック化して、
接続を完了した。
このようにして接続された2つのシート状部材1およ
び2は、全体として、超電導特性を完全に維持してい
た。このことは、接合材3においても、超電導性を呈し
ていることを示すものである。また、温度77K(液体窒
素温度)と室温との間でのヒートサイクル試験を行なっ
たが、接合材3による接続部には、異常が見られなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例を適用して得られた接続
部を示す。 図において、1,2はシート状部材(セラミックス系超電
導材)、3は接合材である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペロブスカイト構造または疑似ペロブスカ
    イト構造を呈する超電導材を接続する方法において、 加水分解・脱水縮合反応により、ペロブスカイト構造ま
    たは疑似ペロブスカイト構造を呈するセラミックス系超
    電導物質になり得る、金属アルコキシドまたは金属アー
    ト錯体を含む混合溶液を接続部に付与して、ゾル−ゲル
    法によってセラミックス系接合材を形成することを特徴
    とする、セラミックス系超電導材の接続方法。
  2. 【請求項2】前記セラミックス系超電導材と前記セラミ
    ックス系接合材とは、同一またはほぼ同一組成である、
    特許請求の範囲第1項記載のセラミックス系超電導材の
    接続方法。
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