JP2543214B2 - 紙・パルプ製造工程用洗浄剤及び洗浄方法 - Google Patents

紙・パルプ製造工程用洗浄剤及び洗浄方法

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JP2543214B2 JP2043910A JP4391090A JP2543214B2 JP 2543214 B2 JP2543214 B2 JP 2543214B2 JP 2043910 A JP2043910 A JP 2043910A JP 4391090 A JP4391090 A JP 4391090A JP 2543214 B2 JP2543214 B2 JP 2543214B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、紙・パルプ工場における紙・パルプ製造
工程用の洗浄剤及び洗浄方法に関し、ことに紙・パルプ
製造工程水系中の部材、壁材表面にしばしば付着して各
種トラブルを引き起こすスラッジ状の汚れを、簡便に剥
離分散して系外へ除去することができる洗浄剤及び洗浄
方法に関する。
(ロ)従来の技術 紙・パルプ製造工程においては、その工程水系中の部
材、壁材、ことにワイヤーピットの壁材やパイプライン
の表面にスラッジ状の汚れが付着・堆積し、各種障害を
引き起こす。
このような紙・パルプ製造工程水系において付着、堆
積する汚れは、バージンパルプからのピッチ成分、微細
繊維、故紙からの印刷インキ、充填料としてのクレー、
ケイソウ土、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等、サイズ剤としてのロジンサイズ、
アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、硫
酸バンド、紙力増強剤としてのポリアクリル樹脂、尿素
ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、デンプン、カチオン化デンプン等、また用水からの
鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属塩類さらにバク
テリア、カビ等によるスライム、等々からなる複雑な組
成を有し、その由来成分の特殊性により一般冷却水系の
ような通常の工業用水系中で生じるスラッジ状の汚れと
は成分、性質等が大きく異なるものである。しかし、製
品たる紙材やパルプ材に直接、接触して混入するため、
製品品質の低下や生産効率の低下等の重大な障害を引き
起こし、ことに、最近の紙・パルプ製造工程のクローズ
ド化や抄紙速度の上昇に伴い、この問題が深刻化して来
ている。
そこで、従来から一定期間毎にスラッジ状汚れを剥離
分離して系外へ除去する洗浄処理がなされており、具体
的な洗浄法として、例えば各種界面活性剤による洗浄、
塩酸、硫酸、スルファミン酸等による酸洗浄、ソーダ
灰、苛性ソーダ等によるアルカリ洗浄、灯油、軽油、キ
シレン、塩素系溶媒等の有機溶媒による洗浄などが知ら
れている。また最近においては、アクリル酸系重合体を
用いる洗浄も提案されている(特開昭62−21893号公
報)。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の洗浄方法のうち、各種界面活性
剤による洗浄は、使用中に発泡が起こりやすく多価金属
塩を含む粘着性スラッジに対しては、ほとんど効果がな
い。酸洗浄は金属に対する腐食性が大きく、実際上使用
できない。有機溶媒による洗浄は、火気、有毒ガスに充
分注意する必要があり取扱い上の制限を受ける。
そこで、従来から、一般にこのような系においてはア
ルカリ洗浄が汎用されるに至っているが、その洗浄効果
は、充分満足出来るものではなく、特にシリカ、マグネ
シウム等の金属塩類を多く含むスラッジや、紙力増強剤
として最近広く用いられているカチオン化でんぷんを含
むスラッジに対して洗浄効果が不充分であって長時間の
洗浄時間や手作業が必要となるという欠点があった。
また、前述したアクリル酸系重合体を用いる洗浄法
(特開昭62−21893号公報)においても、上記のような
金属塩類やカチオン化でんぷんを含むスラッジの洗浄効
果は不充分であった。
この発明は、かかる状況下なされたものであり、こと
に洗浄効果に優れ、前述のごとき金属塩類やカチオン化
でんぷんを構成成分とする難剥離性のスラッジをも効率
よく短時間で剥離除去できる洗浄剤及び洗浄方法を提供
しようとするものである。
なお、この発明で用いる有機ホスホン酸類の一部は、
ボイラーや熱交換器内面に発生したスケールをそのキレ
ート作用に基づいて溶解除去する効果を有していること
は知られている(特開昭51−9029号公報)。しかしなが
ら、紙・パルプ製造工程においてスラッジの剥離除去に
用いることは知られておらず、ことに溶解除去ではな
く、剥離分散して系外へ除去する用途に著効を有するこ
とは全く知られていない。
(ニ)課題を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、下記一般式(I): [式中、Aは水酸基又はアミノ基で置換されていてもよ
い二価の低級炭化水素基、又は下式に示される二価基を
示す: CH2−NX−CH2 CH2 CH2−NX−CH2 (式中、Xはホスホノ低級アルキル基を示し、l+nは
1〜3でmは0〜4の整数を示す)]で表わされる有機
ホスホン酸又はその塩を有効成分として含有してなる紙
・パルプ製造工程用洗浄剤が提供される。
さらにこの発明によれば、上記式(I)の有機ホスホ
ン酸又はその塩を用いた紙・パルプ製造工程の洗浄方法
が提案される。
この発明は、上記式(I)の有機ホスホン酸類を紙・
パルプ製造工程水中に添加して循環を行うことにより、
前記した難剥離性のスラッジが効率良く剥離分散し、簡
便に系外へ除去できる、という事実の発見に基づくもの
である。なお、上記有機ホスホン酸類は、従来からキレ
ート作用を有する化合物として公知のものであるが、他
の公知のキレート剤であるEDTA、2−ホスホノ−ブタン
−1,2,4−トリカルボン酸、トリポリリン酸ナトリウム
等を用いても上記のごとき効果は得られない。従って、
この発明において奏される洗浄効果は、式(I)の有機
ホスホン酸による特有のものである。
この発明の式(I)の有機ホスホン酸において、低級
炭化水素基及び低級アルキル基とは、炭素数1〜4の炭
化水素基及びアルキル基を意味し、例えば、メチレン、
エチレン、プロピレン、トリメチレン及びテトラメチレ
ン基やメチル、エチル、プロピル及びブチル基が挙げら
れる。かかる有機ホスホン酸の具体例としては、1−ヒ
ドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレン
ジアミンエトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレント
リアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ
メチルホスホン酸等が挙げられる。
これらのうち、入手し易さの点で1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリメチルホス
ホン酸又はエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)を用いるのが好ましい。また、これらの塩としては
易水溶性塩が用いられ、アルカリ金属塩が適しており、
カリウム塩、ナトリウム塩を用いるのが好ましい。もち
ろん、これらの化合物や塩は混合して用いられてもよ
い。
この発明における紙・パルプ製造工程の洗浄は、紙・
パルプ製造工程系中に、上記有機ホスホン酸又はその塩
が添加された洗浄水を流通することにより行うことがで
きる。より具体的には紙・パルプ製造工程水を除去した
後、この工程系中に、工業用水や水道水等の水に上記有
機ホスホン酸又はその塩を添加溶解させた洗浄水を循環
させることにより行うことができる。かかる処理によ
り、紙・パルプ製造工程系中に、ことにワイヤーピット
やパイプラインの壁面に付着したスラッジ状の汚れが徐
々に壁面から剥離して洗浄水中に分散し、これを続ける
ことによりスラッジ状の汚れがほぼ完全に壁面から除去
されて洗浄水中にフロック状に分散した状態となる。し
かして、この洗浄液を系外に排出することにより、紙・
パルプ製造工程系中の汚れが系外へ除去されることとな
る。
この発明の洗浄方法を実施するに際し、洗浄水はアル
カリ性であるのが洗浄効果の点で望ましく、ことにpH9
〜13とされるのが好ましく、必要に応じて苛性ソーダ、
苛性カリ等のアルカリ剤が併用される。さらに、本発明
者らの知見によれば、上記有機ホスホン酸又はその塩に
加え、過酸化水素を併用することにより、さらに優れた
洗浄効果が得られることも見出されている。従って、こ
の発明によれば、上記有機ホスホン酸又はその塩に加
え、過酸化水素又は過酸化水素発生剤(例えば水中で過
酸化水素を放出するような物質、たとえば過ほう酸、過
炭酸などの無機過酸もしくはその塩または過酢酸のよう
な有機過酸もしくはその塩)を併用添加した洗浄水を用
いることからなる洗浄方法も提供される。
この発明において洗浄水中における有機ホスホン酸又
はその塩の濃度はとくに限定はされず、通常、0.06〜60
重量%の範囲内で選択され、コスト面及び洗浄効果の点
で0.1〜5重量%とするのが好ましい。また、過酸化水
素類を併用する際には、H2O2として有機ホスホン酸に対
し、1/250〜600倍の範囲の濃度を選択することができ、
1/20〜50倍の濃度とするのが適している。また、洗浄時
間すなわち、洗浄水の流通時間は、系内に付着したスラ
ッジ状汚れが充分にフロック状に剥離分散しうる時間と
され、汚れの付着状態等によっても異なるが、通常2〜
6時間で充分であり、過酸化水素類を併用した場合に
は、この必要時間をより短縮化することができる。いず
れにせよ、従来の洗浄法に比して短時間での洗浄処理が
可能となり、除去困難な汚れも除去可能となる。なお、
洗浄は通常、常温下で行われるが、必要に応じて加温し
て行ってもよく、それによりさらに洗浄時間を短縮化す
ることも可能である。
この発明の洗浄方法における洗浄液は、直接上記有機
ホスホン酸類さらに必要に応じてアルカリ剤や過酸化水
素類を添加して作製することができるが、これらを予め
水中に濃縮溶解もしくは分散せしめた液剤を用いるのが
取扱い上簡便で好ましい。この際、この液剤中には、こ
の発明の効果を阻害しない程度の他の添加剤、例えば、
界面活性剤やキレート剤が配合されていてもよい。
(ホ)実施例 某製紙工場(印刷用紙製造)のワイヤーピット壁面に
複数のステンレス製テストピート(300×100×1.5mm)
を吊した状態で、製紙(填料としてタルクを用い、紙力
増強剤としてカチオン化デンプンを用いた硫酸バン土使
用)を行った。その結果、一週間後において、上記各テ
ストピースの表面にスラッジ状の汚れが強固に付着して
いた(平均付着量16mg/cm2)。
これらのテストピースを回収し、その汚れの組成を調
べた結果を第1表に示す。
第1表 灼熱減量 30.8(重量%) SiO2(填料由来) 39.8 CaO(填料由来) 0.7 MgO(填料由来) 20.5 Al2O3(ヨウ素デンプン反応 陽性) 7.5 かかる汚れが付着したテストピースを各々所定の洗浄
液(40℃恒温)中に浸漬し、洗浄液を撹拌した状態で、
原則として4時間後の表面の汚れの剥離状態を調べた。
この結果を、用いた洗浄液組成及び剥離され面積の割
合と共に第2表に示した。なお、表中、化合物(I)の
Aは、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
を、Bはニトリロトリメチルホスホン酸、Cはエチレン
ジアミンエトラ(メチレンホスホン酸)を示すものであ
り、組成中の%はすべて重量%を示すものである。
上記の表から明らかなように、水酸化ナトリウムや過
酸化水素を用いた洗浄液を使用しても、剥離割合は5%
足らずであり(比較例1及び2)、また、EDTA、トリポ
リリン酸ナトリウム、PBTCのようなキレート剤を併用し
ても、剥離効果の向上は認められない。
これに対し化合物(I)の有機ホスホン酸を用いた場
合には、これ単独でも優れた剥離効果が得られ(実施例
1)、アルカリ性とすることによりこの剥離効果が向上
し(実施例2〜4)、過酸化水素と併用することにより
さらに優れた剥離効果が奏されていることが判る。
(ヘ)発明の効果 この発明の洗浄剤及び洗浄方法によれば、紙・パルプ
製造工程において特異的に生じるスラッジ状の汚れを効
率良く剥離除去することができ、ことに、従来実質的に
剥離が困難で手作業による除去作業が余儀なくされてい
たスラッジ状の汚れを、短時間で剥離除去することが可
能となる。
従って、この発明の洗浄剤及び洗浄方法は、紙・パル
プ製造工程においてその有用性が極めて大なるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−160502(JP,A) 特開 昭62−65728(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I): [式中、Aは水酸基又はアミノ基で置換されていてもよ
    い二価の低級炭化水素基、又は下式に示される二価基を
    示す: CH2−NX−CH2 CH2 CH2−NX−CH2 (式中、Xはホスホノ低級アルキル基を示し、l+nは
    1〜3でmは0〜4の整数を示す)] で表される有機ホスホン酸又はその塩と過酸化水素又は
    過酸化水素発生剤とを有効成分として含有してなる紙・
    パルプ製造工程用洗浄剤。
  2. 【請求項2】紙・パルプ製造工程系中に、 下記一般式(I): [式中、Aは水酸基又はアミノ基で置換されていてもよ
    い二価の低級炭化水素基、又は下式に示される二価基を
    示す: CH2−NX−CH2 CH2 CH2−NX−CH2 (式中、Xはホスホノ低級アルキル基を示し、l+nは
    1〜3でmは0〜4の整数を示す)]で表される有機ホ
    スホン酸又はその塩と過酸化水素又は過酸化水素発生剤
    とが添加された洗浄水を流通させて、紙・パルプ製造工
    程系中に付着したスラッジを剥離除去することを特徴と
    する紙・パルプ製造工程の洗浄方法。
  3. 【請求項3】洗浄水がアルカリ性とされる請求項2記載
    の洗浄方法。
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