JP2556862B2 - ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの製造方法 - Google Patents

ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの製造方法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンの新規な製造方法に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、例えば光学機器用素子の
材料として好適なポリカーボネートの原料に用いられる
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ンを簡単なプロセスで収率よく製造する方法に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、ポリカーボネートは透明性、耐熱性、機械的強
度などに優れていることから、エンジニアリングプラス
チックスとして多くの分野において幅広く用いられてお
り、また、近年、これらの性質を利用して、例えばレン
ズ、プリズム、オーディオディスク、光メモリーディス
ク、光ファイバーなどの光学機器用素子の材料として用
いられるようになってきた。
ところで、光学機器用素子には、優れた光学特性が要
求され、このため、従来は、樹脂ガラスとも呼ばれるよ
うに、光透過率が極めて高く、かつ優れた成形性を有す
るアクリル系樹脂、特にポリメチルメタクリレートが主
として用いられてきた。しかしながら、このアクリル系
樹脂においては、耐熱性が必ずしも十分ではない上に、
耐湿性に劣り、そのため、このものを素材とする光学機
器用素子は、保存時に吸湿による性能低下を免れず、さ
らに、耐熱性が要求される用途には使用が困難であるな
どの欠点を有していた。
そこで、耐熱性や耐湿性に優れ、かつ良好な透明性を
有するポリカーボネートを、光学機器用素子として用い
ることが試みられている。しかしながら、従来のポリカ
ーボネート樹脂は、主として2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)を出発
原料とするものであって、射出成形や圧縮成形などの成
形加工時に、分子鎖の配向や残留応力によって光学的異
方性が生じやすく、これに起因して複屈折が発生しやす
いという欠点を有している。したがって、精密度が要求
される光学機器用素子の材料としては適切でなく、用途
の制限を免れない。例えば、レーザービームを利用した
光による情報の読み取りや書き込みなどに用いられる光
ディスクにおいては、コンピューターなどのメモリーと
しては使用できず、オーディオ用のいわゆるコンパクト
ディスクとして使用されている。
他方、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビ
スフェノールS)から得られるポリカーボネートが知ら
れているが、このものは耐熱性、機械的強度などに優れ
ているものの、光学的に不均一であり、その成形品は大
きな複屈折を示すために、光学機器用素子の材料として
は使用しにくいという欠点を有している。
このような事情のもとで、本発明者らは、耐熱性や機
械的強度などに優れ、かつ光学的に均一で複屈折の小さ
なポリカーボネートについて研究を重ね、その結果ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンか
ら得られるポリカーボネートが、前記の特性を有し、光
学機器用素子の材料として有用であることを見い出し
た。
このビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホンは、従来、ポリアリ−レンエーテルスルホン、
ポリスルホン、ポリエステルなどの原料として、あるい
は感圧紙の顕色剤などとして有用であることが知られて
おり、その製造方法としては、例えばo−フェニルフェ
ノールとチオニルクロリドとから、ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドを得たのち、
これに過酸化水素などの酸化剤を作用させて前記化合物
のスルホキシド基をスルホン基に酸化する方法、あるい
はo−フェニルフェノールとスルフルジクロリドとか
ら、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィドを得たのち、これに、前記と同様に過酸化水素
などの酸化剤を作用させて、該化合物のスルフィド基を
スルホン基に酸化する方法などが用いられている。
しかしながら、これらの方法においては、いずれも2
段階の工程を必要とするなど、プロセスが煩雑である上
に、収率がよくないという欠点がある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は光学機器用素子の材料として好適な、耐熱性
や機械的強度に優れ、かつ光学的に均一で複屈折の小さ
なポリカーボネートを与えうるビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホンを、一段の反応の簡単
なプロセスで収率よく製造するための方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホンを簡単なプロセスで収率よく製造す
る方法を開発するために鋭意研究を重ねた結果、特定の
触媒の存在下、o−フェニルフェノールとスルホン化剤
とを所定の温度で反応させることにより、前記の目的を
達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は、芳香族スルホン酸触媒の存在
下、o−フェニルフェノールとスルホン化剤とを、100
〜200℃の温度において反応させることを特徴とするビ
ス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン
の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において用いられるスルホン化剤について
は特に制限はなく、従来スルホン化剤として慣用されて
いるもの、例えば濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロ
スルホン酸などの中から任意のものを選択して用いるこ
とができる。
これらのスルホン化剤の使用量は、通常o−フェニル
フェノール1モルに対し、0.1〜0.5モルの範囲で選ばれ
る。この量が0.1モル未満では未反応のo−フェニルフ
ェノールの量が多すぎて実用的でなく、一方、0.5モル
を超えるとスルホン酸の生成量が多くなるので好ましく
ない。
また、触媒として用いられる芳香族スルホン酸として
は、例えばベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホ
ン酸、ブロモベンゼンスルホン酸、フルオロベンゼンス
ルホン酸、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸、クロロベン
ゼン−2,4−ジスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシ
レンスルホン酸などを挙げることができる。これらの触
媒はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよく、その使用量は、通常スルホン化剤
に対して、0.5〜10モル%の範囲で選ばれる。
本発明方法における反応温度は、100〜200℃、好まし
くは120〜180℃の範囲で選ばれる。この温度が100℃未
満では反応速度が遅すぎて実用的でなく、一方200℃を
超えると副生物の生成量が多くなったり、タール化する
などの傾向がでてくる。
反応溶媒は用いなくてもよいが、例えばスルホン化剤
として濃硫酸などを用いた場合には、反応で生成する水
を系外へ留去させるために、共沸溶媒を用いるのが有利
である。この共沸溶媒としては、反応に不活性で水と共
沸しうるもの、例えばクロロベンゼンなどが好ましく用
いられる。
この反応は例えばスルホン化剤として硫酸を用いる場
合には、反応式 で表わすことができるが、反応の中間過程では で示される反応が起こっているものと思われる。
また、スルホン化剤としてクロロスルホン酸を用いる
場合には、反応式 で表わすことができるが、反応の中間過程では で示される反応が起こっているものと思われる。
このようにして得られたビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホンを用いて、ポリカーボネー
トを製造する方法については特に制限はなく、従来公知
の方法、例えば該スルホンとホスゲンとの界面重縮合
法、該スルホンと、例えばジフェニルカーボネート、ジ
−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカー
ボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナ
フチルカーボネートなどのジアリールカーボネートとの
エステル交換反応による方法、該スルホンと、ジメチル
カーボネートやジエチルカーボネートなどのジアルキル
カーボネートとのエステル交換反応による方法、該スル
ホンの樹脂族エステルと前記ジアルキルカーボネートと
のエステル交換反応による方法、該スルホンをパラジウ
ムなどの貴金属触媒の存在下、一酸化炭素及び塩素と反
応させてポリカーボネートを製造する直接法など、いず
れの方法も用いることができる。
さらに、該ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホンと他のビスフェノール類、例えば2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
ールA)などと併用し、前記の方法に従ってポリカーボ
ネート共重合体を製造することもできる。
このようにして得られたポリカーボネート又はポリカ
ーボネート共重合体は、耐熱性や機械的強度などに優れ
る上に、光学的に均一で複屈折が少なく、光学機器用素
子の材料として有用である。該光学機器用素子として
は、例えばスチールカメラ用、ビデオカメラ用、望遠鏡
用、眼鏡用、コンタクトレンズ用、太陽光集光用などの
いわゆるレンズ類、ペンタプリズムなどのプリズム類、
凹面鏡、ポリゴンなどの鏡類、オプティカルファイバー
光導波路などの光導性素子類、ビデオディスク、オーデ
ィオディスク、光メモリ−ディスクなどのディスク類な
ど、光を透過又は反射することによって機能を発揮しう
る素子を挙げることができる。
本発明方法で得られるビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホンは、前記の光学機器用素子の
材料として用いられるポリカーボネートの原料以外に、
例えばポリアリーレンエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリエステルなどの原料や、感圧紙の顕色剤などと
しても有用である。
[発明の効果] 本発明方法によると、ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホンが、一段の反応の簡単なプロ
セスで、収率よく製造することができ、このものは、光
学機器用素子の材料として有用なポリカーボネートの原
料をはじめ、種々の用途に好適に用いられる。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
実施例 o−フェニルフェノール391g(2.3モル)、98%硫酸1
00g(1.00モル)、クロロベンゼン100g及びベンゼンス
ルホン酸9.5g(0.05モル)を反応器に仕込み、かきまぜ
ながら加熱した。135℃付近でクロロベンゼンと共に生
成水が共沸して留出してきた。留出物は、凝縮させて2
相に分離し、有機相は連続的に反応器に戻しながら反応
を続行した。
留出開始より10時間後に、内温が165℃になり、留出
水は36mlに達した。これにキシレン500mlを加え、冷却
して結晶を析出させたのち、この結晶をろ別し、さらに
キシレンより再結晶し、融点251〜252℃の結晶340gを得
た。収率は85%(対H2SO4)であった。
このものの分子量(m+)は402であり、また1H−NMR
(アセトンd6)δppmは、7.16(2H、d)、7.31〜7.47
(6H、m)、7.58(4H、d)、7.83(2H、dd)、7.91
(2H、d)であった。
以上から、該結晶は で示される構造を有するビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホンであることが確認された。
参考例 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)90.0gを、6重量% NaOH水溶液650ml
に溶解し、塩化メチレン300mlを加え、激しくかきまぜ
ながら、ホスゲンカスを1000ml/分の割合でpHが10にな
るまで吹き込んだ。その後静置分離し、クロロホーメイ
ト末端を有する重合度2〜3のポリカーボネート前駆体
を得た。
次に、この前駆体300mlを塩化メチレンで450mlに希釈
し、これにp−t−ブチルフェノール1.0gを加え、さら
に、実施例で得たビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン35gを2N NaOH水溶液150mlに溶解し
たものを加えたのち、激しくかきまぜながら、触媒とし
てトリエチルアミン0.5M水溶液1.0mlを添加して、1時
間反応を行った。
反応終了後、塩化メチレン1で希釈し、水、0.01N
NaOH水溶液、水、0.01N HCl水溶液、水の順に洗浄した
のち、この塩化メチレン溶液をメタノール5中に注入
し、白色のポリカーボネート共重合体を得た。
このポリカーボネートの還元粘度は0.69dl/gであり、
また示差走査熱量計で測定したガラス転移温度は158℃
であった。また、屈折率は1.6030 20℃)であり、バー
フロー成形品の複屈折は光路差で130nmであった。なお
ビスフェノールAを原料とするポリカーボネートの複屈
折は400nmと大きい。
該ポリカーボネート共重合体の組成は、NMR測定よ
り、次のとおりである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族スルホン酸触媒の存在下、o−フェ
    ニルフェノールとスルホン化剤とを、100〜200℃の温度
    において反応させることを特徴とするビス(3−フェニ
    ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンの製造方法。
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